JPH11106368A - 1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンの光学分割方法 - Google Patents

1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンの光学分割方法

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JPH11106368A
JPH11106368A JP26954997A JP26954997A JPH11106368A JP H11106368 A JPH11106368 A JP H11106368A JP 26954997 A JP26954997 A JP 26954997A JP 26954997 A JP26954997 A JP 26954997A JP H11106368 A JPH11106368 A JP H11106368A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンの
工業的に有利な光学分割方法を提供すること。 【解決手段】メチル−t−ブチルエーテル溶媒中、水の
存在下、1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンと
光学活性マンデル酸とを反応させ、一方の光学活性な1
−(3−メトキシフェニル)エチルアミンと光学活性マ
ンデル酸のジアステレオマー塩を形成、晶出させること
を特徴とする1−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ンの光学分割方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1−(3−メトキ
シフェニル)エチルアミンの光学分割方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1−(3−メトキシフェニル)エチルア
ミンの光学活性体は医薬中間体として有用な化合物であ
ることが知られている(WO96/02492号公
報)。
【0003】かかる1−(3−メトキシフェニル)エチ
ルアミンの光学活性体を得る方法としてはそのラセミ体
をメタノール、エタノール等のアルコール溶媒中で光学
活性マンデル酸を用いて光学分割する方法が知られてい
る(Bull.Chem.Soc.Jpn.、66、3
414(1993))。しかしながら、この方法で収率
良く光学活性な1−(3−メトキシフェニル)エチルア
ミンを得るためには、光学分割剤である光学活性マンデ
ル酸を多く使用しなければならないという問題があっ
た。さらに、メタノール等の水溶性のアルコール類を溶
媒に用いているため、溶媒の回収および光学分割剤であ
る光学活性マンデル酸の回収が困難であるという問題も
あり、工業的に有利な光学分割方法とは言えなかった。
【0004】また、光学分割剤として光学活性リンゴ酸
を用いる方法も報告されている(特開昭58−4184
7号公報)が、光学純度の高い光学活性な1−(3−メ
トキシフェニル)エチルアミンを得るためには再結晶を
繰り返す必要があり、工業的には必ずしも十分に満足し
うる方法ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者は、1−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ンの工業的に有利な光学分割方法について検討した結
果、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、メチル−t−
ブチルエーテル溶媒中、水の存在下、1−(3−メトキ
シフェニル)エチルアミンと光学活性マンデル酸とを反
応させ、一方の光学活性な1−(3−メトキシフェニ
ル)エチルアミンと光学活性マンデル酸のジアステレオ
マー塩を形成、晶出させることを特徴とする1−(3−
メトキシフェニル)エチルアミンの光学分割方法を提供
するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】1−(3−メトキシフェニル)エ
チルアミンには2種類の光学異性体が存在するが、本発
明に用いられる1−(3−メトキシフェニル)エチルア
ミンはそれらの混合物であっても良いし、ラセミ体であ
っても良い。
【0008】溶媒であるメチル−t−ブチルエーテルの
使用量は、1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン
に対して、通常1〜100重量倍、好ましくは1.5〜
50重量倍、より好ましくは2〜20重量倍である。
【0009】本発明は、水の存在下で実施することが必
要であり、それにより光学活性な1−(3−メトキシフ
ェニル)エチルアミンを高い光学純度で得ることができ
る。光学純度を特に高めるためには、水の量は、1−
(3−メトキシフェニル)エチルアミンに対して5重量
%以上であることが好ましく、その上限は、特に制限は
ないが、実用的には通常50重量%、好ましくは30重
量%である。
【0010】光学活性マンデル酸にはD−体、L−体の
2種類の光学異性体があり、そのどちらも使用すること
ができ、目的とする光学活性な1−(3−メトキシフェ
ニル)エチルアミンに応じて適宜選択して用いられる。
【0011】かかる光学活性マンデル酸の使用量は、1
−(3−メトキシフェニル)エチルアミンに対して、通
常は0.2〜0.5モル倍、好ましくは0.3〜0.4
5モル倍である。
【0012】1−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ンと光学活性マンデル酸との反応は、例えば次のような
操作により実施することができる。
【0013】1−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ンをメチル−t−ブチルエーテルに溶解させた溶液に、
光学活性マンデル酸をそのままあるいはメチル−t−ブ
チルエーテルに溶解させて溶液として加える。水は、1
−(3−メトキシフェニル)エチルアミンのメチル−t
−ブチルエーテル溶液に加えておいてもよいし、光学活
性マンデル酸のメチル−t−ブチルエーテル溶液に加え
ておいてもよいが、1−(3−メトキシフェニル)エチ
ルアミンのメチル−t−ブチルエーテル溶液と光学活性
マンデル酸のメチル−t−ブチルエーテル溶液の両者に
加えておくことがより好ましい。
【0014】1−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ンと光学活性マンデル酸の反応温度は、通常0℃以上、
メチル−t−ブチルエーテルの沸点以下の範囲であれば
よい。
【0015】反応終了後、一方の光学活性な1−(3−
メトキシフェニル)エチルアミンは光学活性マンデル酸
とジアステレオマー塩を形成し、通常該ジアステレオマ
ー塩の一部が晶出している。これをそのまま取り出して
もよいが、反応マスを冷却するあるいは濃縮することに
より、さらに多くのジアステレオマー塩を晶出させて取
り出すことが好ましい。条件によっては、ジアステレオ
マー塩が反応マス中に完溶していることもあり、この場
合には、反応マスを冷却するあるいは濃縮することによ
り、ジアステレオマー塩を晶出させて取り出すことがで
きる。
【0016】晶出させた一方の光学活性な1−(3−メ
トキシフェニル)エチルアミンと光学活性マンデル酸の
ジアステレオマー塩は、濾過性に優れており、通常の濾
過操作によって容易に取り出すことができる。
【0017】このようにして得られる一方の光学活性な
1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンと光学活性
マンデル酸のジアステレオマー塩は塩基性処理あるいは
あらかじめ酸性処理して光学活性マンデル酸を除去した
後に塩基性処理することにより、容易に光学活性な1−
(3−メトキシフェニル)エチルアミンへと導くことが
できる。
【0018】まず、ジアステレオマー塩を塩基性処理し
て光学活性な1−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ンを取り出す場合について説明する。
【0019】塩基性処理には、通常水酸化カリウム、水
酸化ナトリウムなどの塩基が用いられ、その使用量はジ
アステレオマー塩に対して1〜5モル倍程度である。か
かる塩基は通常、水溶液として用いられ、その濃度は通
常1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲で
ある。
【0020】塩基性処理は、ジアステレオマー塩と塩基
の水溶液を混合すればよく、処理温度は通常0℃〜10
0℃の範囲である。
【0021】ジアステレオマー塩を塩基性処理すると、
通常光学活性な1−(3−メトキシフェニル)エチルア
ミンは該処理マスから油層として分離しており、これを
そのまま分液して取り出してもよいし、該処理マスに水
に不溶の有機溶媒を加え、光学活性な1−(3−メトキ
シフェニル)エチルアミンを抽出し、得られた有機層か
ら有機溶媒を留去して取り出してもよい。水層への光学
活性な1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンの溶
解を抑えるため、食塩、硫酸ナトリウム等の無機塩を加
えて、前記の分液処理あるいは抽出処理をおこなっても
よく、さらに該無機塩は、塩基性処理をおこなう際にあ
らかじめ加えておいてもよい。
【0022】塩基性処理マスに水に不溶の有機溶媒を加
え、光学活性な1−(3−メトキシフェニル)エチルア
ミンを抽出する場合、水に不溶の有機溶媒を塩基性処理
をおこなう際にあらかじめ加えておいても何ら問題な
い。水に不溶の有機溶媒としては、メチル−t−ブチル
エーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル
類、酢酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、トル
エン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素
類、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジク
ロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類お
よびこれらの混合溶媒等が挙げられ、その使用量は、塩
基性処理に用いたジアステレオマー塩に対して通常0.
1〜5重量倍の範囲である。
【0023】次に、ジアステレオマー塩をあらかじめ酸
性処理して光学活性マンデル酸を除去した後塩基性処理
して1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンの光学
活性体を取り出す場合について説明する。
【0024】酸性処理には、通常塩酸、硫酸、燐酸等の
鉱酸が用いられ、その使用量はジアステレオマー塩に対
して、通常1〜5モル倍、好ましくは1〜2モル倍であ
る。かかる酸は、通常水溶液として用いられ、その濃度
は通常1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%であ
る。
【0025】酸性処理は、ジアステレオマー塩と酸の水
溶液を混合すればよく、処理温度は通常0℃〜100℃
である。
【0026】ジアステレオマー塩を酸性処理すると、通
常光学活性マンデル酸の一部が該処理マス中に晶出して
おり、これを分離せずそのまま引き続き塩基性処理して
もよいが、通常は晶出した光学活性マンデル酸を分離あ
るいは該処理マスを冷却してさらに多くの光学活性マン
デル酸を晶出させた後これを分離あるいは水に不溶の有
機溶媒を加えて光学活性マンデル酸を抽出して得られる
有機層を分液して、光学活性マンデル酸を除去した後の
水層について塩基性処理をおこなう方が好ましい。水に
不溶の有機溶媒は、酸性処理の際にあらかじめ加えてお
いても何ら問題ない。
【0027】水に不溶の有機溶媒としては、メチル−t
−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン等の
エーテル類、酢酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル
類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素類およびこれらの混合溶媒等が挙げられ、その使用
量は処理に用いたジアステレオマー塩に対して、通常
0.5〜5重量倍である。
【0028】酸性処理に次いでおこなう塩基性処理で
は、通常水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基が
用いられる。かかる塩基は、通常水溶液として用いら
れ、その濃度は、通常1〜50重量%、好ましくは5〜
20重量%である。かかる塩基は、処理マスのpHの値
が通常10以上となるまで加えられる。処理温度は通常
0℃〜100℃である。
【0029】ジアステレオマー塩を酸性処理した後に塩
基性処理すると、通常光学活性な1−(3−メトキシフ
ェニル)エチルアミンは該処理マスから油層として分離
しており、これをそのまま分液して取り出してもよい
し、該処理マスに水に不溶の有機溶媒を加え、光学活性
な1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンを抽出
し、得られた有機層から有機溶媒を留去して取り出して
もよい。水層への光学活性な1−(3−メトキシフェニ
ル)エチルアミンの溶解を抑えるため、食塩、硫酸ナト
リウム等の無機塩を加えて、前記の分液処理あるいは抽
出処理をおこなってもよく、無機塩は、塩基性処理をお
こなう際にあらかじめ加えておいてもよい。
【0030】該処理マスに水に不溶の有機溶媒を加え、
光学活性な1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン
を抽出する場合、水に不溶の有機溶媒を塩基性処理をお
こなう際にあらかじめ加えておいても何ら問題ない。水
に不溶の有機溶媒としては、メチル−t−ブチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、酢
酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、トルエン、
キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキ
サン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタ
ン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類およびこれ
らの混合溶媒等が挙げられ、その使用量は、処理に用い
たジアステレオマー塩に対して通常0.1〜5重量倍の
範囲である。
【0031】このようにしてジアステレオマー塩を塩基
性処理あるいはあらかじめ酸性処理して光学活性マンデ
ル酸を除去した後に塩基性処理することにより、光学活
性な1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンが得ら
れる。
【0032】また用いた光学活性マンデル酸は、次のよ
うな操作により容易に回収でき、回収した光学活性マン
デル酸は、1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン
と光学活性マンデル酸との反応に再利用できる。
【0033】ジアステレオマー塩を塩基性処理した場合
には、光学活性な1−(3−メトキシフェニル)エチル
アミンを取り出した後の該処理マスを酸性化処理して光
学活性マンデル酸を回収することができる。
【0034】酸性化処理には、通常塩酸、硫酸、燐酸等
の鉱酸が用いられる。かかる酸は、通常水溶液として用
いられ、その濃度は、通常1〜50重量%、好ましくは
5〜40重量%である。かかる酸は、処理マスのpHが
通常3以下、好ましくは2以下となるまで加えられる。
【0035】光学活性な1−(3−メトキシフェニル)
エチルアミンを取り出した後の該処理マスを酸性化処理
すると、通常光学活性マンデル酸の一部が該処理マス中
に晶出している。これをそのまま分離してもよいが、該
処理マスを冷却してさらに多くの光学活性マンデル酸を
晶出させた後分離するあるいは水に不溶の有機溶媒を加
え抽出処理し、得られた有機層から有機溶媒を留去する
ことにより光学活性マンデル酸を回収する方が好まし
い。水に不溶の有機溶媒は、該処理マスを酸性化処理す
る際にあらかじめ加えておいてもよい。水に不溶の有機
溶媒としてメチル−t−ブチルエーテルを用いた場合に
は、抽出処理により得られる光学活性マンデル酸を含む
有機層をそのまま1−(3−メトキシフェニル)エチル
アミンと光学活性マンデル酸との反応に再使用すること
ができる。
【0036】ジアステレオマー塩をあらかじめ酸性処理
した後に塩基性処理した場合には、酸性処理マス中に光
学活性マンデル酸の一部が晶出しており、これをそのま
ま分離あるいは該処理マスを冷却してさらに多くの光学
活性マンデル酸を晶出させた後分離することにより光学
活性マンデル酸を回収してもよいが、水に不溶の有機溶
媒を加え抽出処理して得られる有機層から有機溶媒を留
去することにより光学活性マンデル酸を回収する方が好
ましい。水に不溶の有機溶媒は、酸性処理の際にあらか
じめ加えておいてもよい。水に不溶の有機溶媒としてメ
チル−t−ブチルエーテルを用いた場合には、抽出処理
により得られる光学活性マンデル酸を含む有機層をその
まま1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンと光学
活性マンデル酸との反応に再使用することができる。
【0037】一方、ジアステレオマー塩を形成した光学
活性な1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンと対
掌体の関係にある他方の光学活性体は、ジアステレオマ
ー塩を濾過操作により取り出した後の濾液に含まれてお
り、場合によっては、濾液から溶媒を留去することによ
り光学純度よく得ることができるが、通常濾液には、晶
出せず溶媒に溶け込んだジアステレオマー塩または未反
応の光学活性な1−(3−メトキシフェニル)エチルア
ミン及び光学活性マンデル酸等が含まれており、かかる
濾液を塩基性処理あるいは酸性処理した後に塩基性処理
して得られる油層から有機溶媒を留去することにより、
光学純度のやや低い1−(3−メトキシフェニル)エチ
ルアミンとして回収することができる。
【0038】かかる塩基性処理あるいは酸性処理した後
の塩基性処理は、ジアステレオマー塩から光学活性な1
−(3−メトキシフェニル)エチルアミンを取り出す方
法に準じておこなわれる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例により限定されるものではな
い。
【0040】なお、得られた1−(3−メトキシフェニ
ル)エチルアミンの光学純度は、光学活性カラムを用い
る高速液体クロマトグラフ分析法によって求めた。
【0041】実施例1 (RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン
50gをメチル−t−ブチルエーテル120gに溶解
し、水3.5gを添加し攪拌しながら45℃に加熱し
た。次いで、同温度で攪拌しながら、これにD−マンデ
ル酸18.1gをメチル−t−ブチルエーテル24.6
gと水3.7gの混合液に溶解して得た溶液を1時間か
けて加え、さらに同温度で1時間攪拌、保温した。その
後、8時間かけて20℃まで冷却して、(R)−1−(3
−メトキシフェニル)エチルアミンとD−マンデル酸の
ジアステレオマー塩を晶出させ、これを濾過し、84g
の水分飽和のメチル−t−ブチルエーテルで2回洗浄
し、ジアステレオマー塩と濾過洗浄液を得た。
【0042】このジアステレオマー塩に13%水酸化ナ
トリウム水溶液42gを加えて40℃で30分間攪拌し
た後、メチル−t−ブチルエーテル50gを用いて抽出
処理を3回行った。得られた有機層から溶媒を留去して
無色オイル状の(R)−1−(3−メトキシフェニル)エ
チルアミン17.5gを得た。収率は、35.0%(原
料(RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ン基準)、光学純度はR体比=99.6%であった。
【0043】抽出処理後の水層にメチル−t−ブチルエ
ーテル28gを添加後、35%塩酸を加えてpH1.5
として分液し、有機層を得た。水層をさらにメチル−t
−ブチルエーテル28gで2回抽出処理した。得られた
有機層を合わせてD−マンデル酸のメチル−t−ブチル
エーテル溶液99gを得た。この溶液中のD−マンデル
酸含量をLC法により求めたところ17.7%であっ
た。さらに、この溶液中の水分量をカールフィッシャー
法により求めたところ2.4%であった。
【0044】実施例2 (RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン
45gをメチル−t−ブチルエーテル45gに溶解し、
水4.0gを添加し攪拌しながら、45℃に加熱した。
次いで、同温度で攪拌しながら、これに実施例1で回収
したD−マンデル酸のメチル−t−ブチルエーテル溶液
92gを1時間かけて加え、さらに同温度で1時間攪
拌、保温した。その後、8時間かけて20℃まで冷却し
て、(R)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン
とD−マンデル酸のジアステレオマー塩を晶出させ、こ
れを濾過し、84gの水分飽和のメチル−t−ブチルエ
ーテルで2回洗浄し、ジアステレオマー塩と濾過洗浄液
を得た。
【0045】このジアステレオマー塩に13%水酸化ナ
トリウム水溶液42gを加えて40℃で30分間攪拌し
た後、メチル−t−ブチルエーテル50gを用いて抽出
処理を3回行った。得られた有機層から溶媒を留去して
無色オイル状の(R)−1−(3−メトキシフェニル)エ
チルアミン15.7gを得た。収率は、34.9%(原
料(RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ン基準)、光学純度はR体比=99.5%であった。
【0046】実施例3 (RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン
50gをメチル−t−ブチルエーテル180gに溶解
し、水2.7gを添加し攪拌しながら、45℃に加熱し
た。次いで、同温度で攪拌しながら、これにD−マンデ
ル酸20.1gをメチル−t−ブチルエーテル91gと
水2.8gの混合液に溶解して得た溶液を1時間かけて
加え、さらに同温度で1時間攪拌、保温した。その後、
8時間かけて20℃まで冷却して、(R)−1−(3−メ
トキシフェニル)エチルアミンとD−マンデル酸のジア
ステレオマー塩を晶出させ、これを濾過し、84gの水
分飽和のメチル−t−ブチルエーテルで2回洗浄し、ジ
アステレオマー塩と濾過洗浄液を得た。
【0047】このジアステレオマー塩に13%水酸化ナ
トリウム水溶液42gを加えて40℃で30分間攪拌し
た後、メチル−t−ブチルエーテル50gを用いて抽出
処理を3回行った。得られた有機層から溶媒を留去して
無色オイル状の(R)−1−(3−メトキシフェニル)エ
チルアミン19.5gを得た。収率は、39.0%(原
料(RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ン基準)、光学純度はR体比=93.6%であった。
【0048】実施例4 (RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン
50gをメチル−t−ブチルエーテル50gに溶解し、
水0.8gを添加し攪拌しながら、45℃に加熱した。
次いで、同温度で攪拌しながら、これにD−マンデル酸
18.1gをメチル−t−ブチルエーテル82gと水
2.5gの混合液に溶解して得た溶液を1時間かけて加
え、さらに同温度で1時間攪拌、保温した。その後、8
時間かけて20℃まで冷却して、(R)−1−(3−メト
キシフェニル)エチルアミンとD−マンデル酸のジアス
テレオマー塩を晶出させ、これを濾過し、84gの水分
飽和のメチル−t−ブチルエーテルで2回洗浄し、ジア
ステレオマー塩と濾過洗浄液を得た。
【0049】このジアステレオマー塩に13%水酸化ナ
トリウム水溶液42gを加えて40℃で30分間攪拌し
た後、メチル−t−ブチルエーテル50gを用いて抽出
処理を3回行った。得られた有機層から溶媒を留去して
無色オイル状の(R)−1−(3−メトキシフェニル)エ
チルアミン17.5gを得た。収率は、35.0%(原
料(RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ン基準)、光学純度はR体比=94.8%であった。
【0050】比較例1 (RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン
50gをメチル−t−ブチルエーテル180gに溶解
し、攪拌しながら、45℃に加熱した。次いで、同温度
で攪拌しながら、これにD−マンデル酸20.1gをメ
チル−t−ブチルエーテル200gに溶解して得た溶液
を1時間かけて加え、さらに同温度で1時間攪拌、保温
した。その後、8時間かけて20℃まで冷却して、(R)
−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンとD−マ
ンデル酸のジアステレオマー塩を晶出させ、これを濾過
し、84gの水分飽和のメチル−t−ブチルエーテルで
2回洗浄し、ジアステレオマー塩と濾過洗浄液を得た。
【0051】このジアステレオマー塩に13%水酸化ナ
トリウム水溶液42gを加えて40℃で30分間攪拌し
た後、メチル−t−ブチルエーテル50gを用いて抽出
処理を3回行った。得られた有機層から溶媒を留去して
無色オイル状の(R)−1−(3−メトキシフェニル)エ
チルアミン19.5gを得た。収率は、39.0%(原
料(RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ン基準)、光学純度はR体比=77.7%であった。
【0052】比較例2 (RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン
50gをメタノール95gに溶解し、攪拌しながら、6
0℃に加熱した。次いで、同温度で攪拌しながら、これ
にD−マンデル酸20.1gを加えた。その後、30分
かけて50℃まで冷却し、0.1gの(R)−1−(3−
メトキシフェニル)エチルアミンとD−マンデル酸のジ
アステレオマー塩を加えて結晶析出を確認した後、さら
に同温度で30分攪拌、保温した。その後、8時間かけ
て15℃まで冷却して、(R)−1−(3−メトキシフェ
ニル)エチルアミンとD−マンデル酸のジアステレオマ
ー塩をさらに晶出させ、これを濾過し、53gのメタノ
ールで洗浄し、ジアステレオマー塩と濾過洗浄液を得
た。得られたジアステレオマー塩は乾燥させた。
【0053】乾燥させたジアステレオマー塩に13%水
酸化ナトリウム水溶液42gを加えて40℃で30分間
攪拌した後、メチル−t−ブチルエーテル50gを用い
て抽出処理を3回行った。得られた有機層から溶媒を留
去して無色オイル状の(R)−1−(3−メトキシフェニ
ル)エチルアミン10.7gを得た。収率は、21.4
%(原料(RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチ
ルアミン基準)、光学純度はR体比=99.2%であっ
た。
【0054】
【発明の効果】本発明の方法によれば、工業的に有利
に、容易にかつ高い効率で1−(3−メトキシフェニ
ル)エチルアミンの光学活性体を得ることができる。さ
らに、用いた光学分割剤である光学活性マンデル酸も容
易に回収することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メチル−t−ブチルエーテル溶媒中、水の
    存在下、1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンと
    光学活性マンデル酸とを反応させ、一方の光学活性な1
    −(3−メトキシフェニル)エチルアミンと光学活性マ
    ンデル酸のジアステレオマー塩を形成、晶出させること
    を特徴とする1−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
    ンの光学分割方法。
  2. 【請求項2】メチル−t−ブチルエーテルの使用量が1
    −(3−メトキシフェニル)エチルアミンに対して1〜
    100重量倍である請求項1に記載の1−(3−メトキ
    シフェニル)エチルアミンの光学分割方法。
  3. 【請求項3】水の量が1−(3−メトキシフェニル)エ
    チルアミンに対して5重量%以上である請求項1に記載
    の1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンの光学分
    割方法。
  4. 【請求項4】光学活性マンデル酸の使用量が1−(3−
    メトキシフェニル)エチルアミンに対して0.2〜0.
    5モル倍である請求項1に記載の1−(3−メトキシフ
    ェニル)エチルアミンの光学分割方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008043269A1 (fr) * 2006-10-09 2008-04-17 Shanghai Institute Of Pharmaceutical Industry Procédé de préparation de 1-(3-méthyloxybenzène)éthylamine à activité optique

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