JPH11106264A - 部分損傷許容性セラミックス積層体およびその製造方法 - Google Patents

部分損傷許容性セラミックス積層体およびその製造方法

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JPH11106264A
JPH11106264A JP9269801A JP26980197A JPH11106264A JP H11106264 A JPH11106264 A JP H11106264A JP 9269801 A JP9269801 A JP 9269801A JP 26980197 A JP26980197 A JP 26980197A JP H11106264 A JPH11106264 A JP H11106264A
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JP
Japan
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laminate
porous layer
sintering
thickness
tape
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Application number
JP9269801A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Shigegaki
康弘 茂垣
Takashi Sugita
孝志 杉田
Masateru Nishi
正輝 西
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】亀裂の進展に対する高い抵抗をもつセラミック
ス積層体を提供する。 【解決手段】 気孔率が5%以下で厚さが5〜1000
μmの緻密質層と、短径が0.2〜50μm、アスペク
ト比が10〜100の柱状粒子が一方向に配向し、気孔
率が10〜70で%で厚さが5〜1000μmの多孔質
層とが交互に積み重なった積層体を一体に焼結してなる
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、亀裂の進展に対す
る高い抵抗を持つ部分損傷許容性を示し、ひずみや応力
に対して許容性が大きいセラミックス積層体およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】構造材料としてセラミックスを用いる場
合、例えば金属系の材料との組み合わせ構造が必要とな
る。このような組み合わせ構造では、セラミックスと他
の材料との熱的、機械的性質の違いからひずみ差が生ず
る。特に、拘束条件の厳しい静止部品に負荷される応力
およびそれに起因する破壊は、このひずみ差から生ず
る。この種類のセラミックスの破壊の回避には、材料が
局部的に損傷しても、それが他の部分に広がらないよう
にする、材料の部分損傷許容性の増大が有効である。
【0003】従来、部分損傷許容性の増大には、強度の
向上が不可欠であった。そのような観点から開発された
代表的な従来の技術を例示すると、以下の例があげられ
る。窒化ケイ素セラミックスの強度は、製造プロセスで
の欠陥の導入を防ぎ、なおかつ粒子の大きさを小さくす
ることによって達成されてきた。例えば、「日本セラミ
ックス協会学術論文誌、103[4]、pp.407−
408(1995)」に見られるように粒成長を抑える
焼結助剤を添加し、粒子が成長しない温度で慎重に焼結
を行うことにより、高い強度を持つ材料の開発が報告さ
れている。また、「セラミックス論文誌、97、pp.
872−874(1989)」に見られるように、焼結
助剤として焼結時に窒化ケイ素粒子内に固溶する成分を
配合し、焼結と固溶を同時に制御することにより、高強
度窒化ケイ素を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法は以下のような問題点があり、その解決が強く求め
られていた。製造プロセス中で欠陥の導入を防ぎ、粒子
の大きさを小さくするためには、上記の例に見られるよ
うに極めて精緻なプロセス制御が必要となる。例えば、
「ファインセラミックス次世代研究開発の軌跡と成果、
ファインセラミックス技術研究組合編」に見られるよう
に、強度の向上には、多くの要因をしらみつぶしに調
べ、それを順次解決していく膨大な量の実験と、解析の
繰り返しが必要となる。このことから、強度向上による
部分損傷許容性の増大は、コストの上昇、再現性の欠如
の問題があり、産業利用上の大きな制約となっていた。
【0005】
【課題を解決するための研究から得られた知見】このよ
うな状況の中で、本願の発明者らは、上記従来技術に鑑
みて、強度を維持しつつ、一度発生した亀裂の進展をセ
ラミックスの積層構造で防ぎ、結果的に損傷許容性を増
大させることが可能なセラミックス積層体を開発するこ
とを目標として研究に着手した。特に、積層構造化によ
り亀裂進展抵抗を高めることにより、部分損傷許容性を
増大させる観点は、前例の無い重要なポイントであり、
従来技術で解決し得なかった問題を、容易に解決する可
能性があった。
【0006】本願発明者らは、亀裂進展抵抗の高い柱状
粒子を一方向に配向させ、かつ、気孔を配置した多孔質
層と、緻密なセラミックスから成るセラミックス積層体
の製造を試みた。本発明の多孔質層は、配向した柱状粒
子と気孔のみとから成る構造を有しており、気孔自体も
配向している。この配向した気孔は、一般的な球状の気
孔等に比べ強度発現に有害である欠陥となりにくい特徴
を持つ。その結果、柱状粒子配向による高強度化と、気
孔導入による低弾性率化を同時に実現でき、結果的に亀
裂が多孔質層を通過する際に、亀裂進展抵抗を極めて高
く上昇させることができることを見いだし、本発明を完
成するに至った。
【0007】本発明は、以上述べた問題点とそれを解決
するためになされた研究から得られた知見に鑑み案出さ
れたもので、緻密質層と多孔質層との積層体を一体に焼
結してなり、部分的損傷が生じても、亀裂進展抵抗が極
めて高い部分損傷許容性セラミックス積層体およびその
製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願第1発明の部分損傷許容性セラミックス積層体
は、気孔率が5%以下で厚さが5〜1000μmの緻密
質層と、短径が0.2〜50μm、アスペクト比が10
〜100の柱状粒子が一方向に配向し、気孔率が10〜
70%で厚さが5〜1000μmの多孔質層とが交互に
積み重なった積層体を一体に焼結してなるものである。
【0009】さらに、本願第2発明の部分損傷許容性セ
ラミックス積層体の製造方法は、セラミックス微粉末を
成形した厚さが5〜1000μmの緻密層用テープと、
短径が5〜1000μmアスペクト比か10〜100の
柱状粒子を一方向に配向するように成形した厚さが5〜
1000μmの多孔質層用テープとを交互に積層した後
圧縮して積層体とする第1工程と、該積層体を焼結する
第2工程とからなるものである。
【0010】次に本発明の作用を説明する。セラミック
スの緻密層と、多孔質層とが交互に積層されているの
で、緻密層に損傷による亀裂が生じても多孔質層で亀裂
の進展が阻止される。したがって、本発明によって得ら
れた積層体は、亀裂進展に対して高い抵抗を持つ部分損
傷許容性を示し、ひずみや応力に対して極めて許容度が
大きい。本積層体は、機械的強度が要求され、異なる部
材間で熱膨張係数や弾性率に著しい差がある機構にも容
易に組み込むことが可能となる。また、気孔含有による
低密度の特長を生かして、材料の密度が発生する遠心応
力を直接左右するガスタービン等の回転機械部品として
も最適である。
【0011】実験の詳細な検討の結果、緻密質層の気孔
率は5%以下であり、多孔質層は、短径0.2〜50μ
m、アスペクト比10〜100の柱状粒子が一方向に配
向し、柱状粒子に沿って気孔率10〜70%の細長い気
孔からなる構造になるように、それぞれ制御することが
部分損傷許容性の発現に必要であることを見いだした。
【0012】また、配向した気孔は、一般的な球状の気
孔に比べて強度発現に有害である欠陥となりにくい特徴
を持つ。その結果、柱状粒子配向による高強度化と気孔
導入による低弾性化を同時に実現でき、結果として亀裂
が多孔質層を通過する際に、亀裂進展抵抗を極めて高く
上昇させることができた。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の1実施形態について
図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の部分損傷許
容性セラミックス積層体の製造方法を示すフローシート
である。
【0014】(1)第1工程 緻密質用のテープは、原料粉末と焼結助剤を混合し、そ
れに分散剤とバインダを加えてスラリとし、テープ成形
により作製する。多孔質層用のテープは、柱状原料と原
料粉末とを混合し、それに分散剤とバインダを加えてス
ラリとし、押出成形法、ドクタ成形法などスラリに剪断
力が働く成形法によりテープ成形する。成形時の剪断力
により柱状粒子は、一方向に配向する。その後、緻密質
用テープと多孔質用テープとを交互に積み重ねC1P処
理により圧着する。
【0015】(2)第2工程 圧縮して得られた成形体を脱脂した後焼結する。
【0016】
【実施例】α型窒化ケイ素粉末(酸素量1.26wt
%、α相95wt%以上)に焼結助剤として5wt%の
酸化イットリウムと2wt%の酸化アルミニウムを添加
し、トルエン/ブタノール混合液(4/1)を分散剤、
バインダとともに分散媒としたスラリにした。このスラ
リを用いてテープ成形により、厚さ100μmの緻密層
用のテープを製造した。一方、β型窒素ケイ素ウィスカ
を70vol%含み、残りをα型窒素ケイ素粉末(酸素
量1.26wt%、α相95wt%以上)とした原料で
上記と同様にテープ成形により厚さ50μmの多孔質用
のテープを製造した。緻密質と多孔質の層を交互に各5
5枚積層し圧着して積層体を作製した。この積層体をC
IP処理後、脱脂し、さらに窒素雰囲気10気圧中で1
850℃、6時間焼結を行った。本実施例によれば緻密
層は、気孔が無く多孔質層には、30vol%程度の気
孔を含んだ積層体が得られた。積層体のSEM断面写真
(倍率200倍)を図2に示す。図中1は緻密質層、2
は多孔質層である。
【0017】比較のために緻密層となるテープだけを1
00枚積層し、上記と同じ条件で緻密な窒素ケイ素を作
製した。図3に比較例と本法による積層体の亀裂進展抵
抗を示す。なお、図中の規格化した亀裂長さとは、積層
体の板厚に対する亀裂長さの比である。本法による積層
体では、比較例の緻密な窒化ケイ素に比べ、極めて高い
靭性を示し、損傷に対して極めて高い許容性を示す。ま
た、亀裂長さの増大に従って、靭性が顕著に増加し、損
傷が進めば進むほどより大きい損傷を許容することがで
きる。つまり、一旦、亀裂等の損傷が材料中に生じて
も、亀裂の進展に対する抵抗値(靭性値)が高いため、
本発明による積層体は、高い部分損傷許容性を示すこと
がわかる。
【0018】本発明は、以上述べた実施形態や実施例に
限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変更が可能である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の部分損傷
許容性セラミックス積層体は、緻密層と多孔質層とを交
互に積層した構造なので、損傷による亀裂の進行に対す
る抵抗が大きく、かつ、他の材料と組合わせた場合の歪
差に対する許容性が大きく、さらに、低密度で回転機械
部品として最適であるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の部分損傷許容性セラミックス積層体の
製造方法を示す、フローシートである。
【図2】本発明の部分損傷許容性セラミックス積層体の
SEM断面写真(倍率200倍)である。
【図3】本発明の積層体と、緻密質層のみからなる積層
体の規格化した亀裂長さと靭性との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 緻密質層 2 多孔質層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気孔率が5%以下で厚さが5〜1000
    μmの緻密質層と、短径が0.2〜50μm、アスペク
    ト比が10〜100の柱状粒子が一方向に配向し、気孔
    率が10〜70%で厚さが5〜1000μmの多孔質層
    とが交互に積み重なった積層体を一体に焼結してなるこ
    とを特徴とする部分損傷許容性セラミックス積層体。
  2. 【請求項2】 セラミックス微粉末を成形した厚さが5
    〜1000μmの緻密層用テープと、短径が0.2〜5
    0μm、アスペクト比が10〜100の柱状粒子を一方
    向に配向するように成形した厚さが5〜1000μmの
    多孔質層用テープとを交互に積層した後、圧着して積層
    体とする第1工程と、該積層体を脱脂した後、焼結する
    第2工程とからなることを特徴とする部分損傷許容性セ
    ラミックス積層体の製造方法。
JP9269801A 1997-10-02 1997-10-02 部分損傷許容性セラミックス積層体およびその製造方法 Pending JPH11106264A (ja)

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