JP2793148B2 - 多孔質セラミックス積層体の製造方法 - Google Patents

多孔質セラミックス積層体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有孔の前駆体を用いて
多孔質セラミックスを製造する方法に関し、さらに詳し
くは、有孔の前駆体として中空球形のポリマー粒子を用
いることによって、多孔度、細孔径、細孔の連結性(開
口か閉鎖か)などを制御しうる、多孔質セラミックスを
製造する方法に関する。それに加えて、本発明は、異な
る多孔度の層を含む、積層された多孔質セラミックス、
すなわち、その多孔質層が、有孔の前駆体としてこのよ
うな中空球形のポリマー粒子を用いることによって、制
御された多孔度、細孔径および細孔の連結性を有する不
均質な積層セラミックスを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質セラミックスは、意図された用途
によって、各種の細孔径、多孔度および細孔の連結性の
ものを調製することが求められている。一例として、そ
れを通る液体の流れを確保しなければないセラミックス
物質、たとえば分離膜は、開口細孔をもつ多孔質セラミ
ックスでなければならないのに対して、誘電率のような
電気的性質を調節するための多孔質セラミックス物質と
しては、閉鎖細孔をもつ多孔質セラミックスが必要であ
る。
【0003】これまで、多孔質セラミックスは、加圧成
形されたセラミックス粒体として製造されてきた。セラ
ミックスのスラリーを、加熱してスプレーし、乾燥して
ケークを形成させ、該ケークを押しつぶす。このように
して得られた、比較的大きな粒径と比較的狭い細孔径分
布を有する粒体を低圧で乾燥加圧成形して、成形体を形
成し、その結果として得られた成形体を部分的に焼結し
て、たがいに連結した粒体の間に細孔を形成した網状構
造を与える。このような従来の技術では、細孔の形や大
きさを精密に制御することは困難であり、多孔度は限ら
れた範囲でしか得られない。そのうえ、粒体の充填性
は、粒径分布と用いられた成形圧によって決まり、セラ
ミックスの機械的特性は、焼結段階を通しての粒径の間
の連結部の成長によって決まる。
【0004】多孔質セラミックスの製造のためのこれら
の粒体の大きさは限定され、形状はほとんど球状であ
る。このことは、多孔度と、粒体の間に形成される細孔
の大きさをほとんど変化できないものにする。さらに、
粒体の間に形成された、細孔の中の非常に不ぞろいな形
態と鋭角的な屈曲は、しばしば応力集中効果を生じ、そ
れは、このようにして得られた多孔質セラミックスの機
械的特性を落とす。
【0005】細孔の形状と連結性(開口細孔か閉鎖細孔
か)、および多孔質セラミックスの多孔度と機械的特性
が限られた範囲でのみ制御できることが報告されてい
る。R.M. German著“Porous Materials” Advances in
Powder Metallurgy ASM 225〜251 頁(1982)を参照され
たい。
【0006】このような多孔質セラミックス層からなる
積層されたセラミックスはまた、固体電極燃料電池、接
触分離膜、高能率フィルター、高能率センサーなどの製
造のために不可欠な材料である。
【0007】多孔質の積層セラミックスを製造するため
の多くの試みがなされてきた。しかし、それらは焼結段
階を通しての低い脱脂(degreasing)から、離層、破壊ま
たはねじれを受けて、製品の低い曲げ強さと低い破壊強
度などを生じる。
【0008】密なポリマーを多孔質前駆体として用い
る、多孔質セラミックスまたは積層多孔質セラミックス
を製造する方法では、引続く脱脂段階の間に除去する必
要のあるポリマーの量が多い。多量のポリマーは、一般
に、成形体または積層体を脱脂することを困難にし、し
ばしば製品の変形や破壊をもたらす。たとえば、積層体
の層の数が増すにつれて、積層体中のポリマーの拡散距
離が増加するので、ポリマーを毛管流または蒸発/拡散
の機構によって除去するのに長時間を要する。このこと
はしばしば脱脂段階における欠陥、すなわち欠陥的な脱
脂の原因となる。それゆえ、積層体の中のポリマーの全
量を減らすことが、脱脂に要する時間を減少させ、そし
てまたこのような脱脂の欠陥を防ぐということは、注目
される。中空球形のポリマーは、除去すべきポリマーの
量を減らすのに、密なポリマーの代わりに有利に用いる
ことができ、換言すれば、密なポリマーに比べて少なく
とも半分の、脱脂すべき量を減らすことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】それゆえに、本発明の
ひとつの目的は、制御された多孔度、細孔径および細孔
の連結性とともに、改良された機械的特性を有する多孔
質セラミックスを製造する方法を提供することであり、
それは細孔前駆体として中空球状のポリマーを用いるこ
とを特徴とする。
【0010】本発明のもうひとつの目的は、制御された
多孔度、細孔径および細孔の連結性とともに、改良され
た機械的特性を有する多孔性層からなる積層されたセラ
ミックスを製造する方法を提供することであり、それは
細孔前駆体として中空球状のポリマーを用いることを特
徴とする。
【0011】本発明のさらにもうひとつの目的は、細孔
前駆体としてこのような中空球状のポリマーを用いて製
造された多孔質セラミックスまたは積層されたセラミッ
クスを提供することであり、それは制御された多孔度、
細孔径および細孔の連結性ばかりでなく、改良された機
械的特性を有する。
【0012】本発明の他の目的と利点は、本明細書の残
余を読むことで明らかになるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】われわれ発明者らは、中
空球形のポリマー粒子とセラミックス粉末を適切な比率
で用いることによって、多孔質セラミックスまたは多孔
質セラミックス層の、多孔度、細孔径および細孔の連結
性ばかりでなく、機械的特性を有利に制御できることを
見出した。このような中空球状のポリマー粒子を細孔前
駆体として用いることにより、脱脂の欠陥を予防できる
ことも見出した。
【0014】本発明のひとつの態様として、多孔質セラ
ミックスを製造する方法が提供され、それは、 (a)中空球状のポリマー粉末とセラミックス粉末と
を、セラミックスおよび中空球状のポリマー粉末の合計
量を基準にして、中空球状のポリマー粉末が70体積%
を越えない量で、液体ビヒクル中で混合してスラリーを
調製し; (b)該スラリーを成形して、セラミックス粉末/中空
球状のポリマー粉末の複合成形体を得て;そして (c)該複合成形体を脱脂し、焼結する段階を含む。
【0015】各段階の方法を、以後に詳細に説明する。
【0016】セラミックス粉末と細孔前駆体のスラリー
を得るために、まず分散剤を有機溶媒に溶解し、セラミ
ックス粉末を混合し、そして得られた混合物をミルにか
けて分散体とする。ついで、結合剤および/または可塑
剤を、予備摩砕されたスラリーに加えて、再びミルにか
ける。ついで細孔前駆体を加えて混合し、細孔前駆体粉
末とセラミックス粉末を含有するスラリーを形成する。
【0017】細孔前駆体の量は、スラリーの全固体粉末
(セラミックス粉末と細孔前駆体の合計)を基準にし
て、約70体積%を越えない範囲で、意図する細孔の特
性に応じて調節できる。細孔の特性が、スラリー中の細
孔前駆体の含有量によって選択的に与えられ、すなわち
遷位点が40%の上と下であることが見出された。もし
閉鎖細孔が求められるのなら、細孔前駆体は、スラリー
中の全固体含有量を基準にして40体積%未満の量で用
いることができる。もし開口細孔が求められるのなら、
細孔前駆体は、スラリー中の全固体含有量を基準にして
40体積%を越える量で用いることができる。
【0018】同様に、スラリーを構成する粒子、すなわ
ちセラミックス粉末と細孔前駆体粉末の偏析を防止する
ために、スラリー中の全固体粉末の体積分率は、好まし
くは25〜42%の範囲に調節されることが必要であ
る。本発明による2種の成分の比率とスラリー中の全固
体含有量は、それらの信頼性は求められていないが、バ
イモーダル充填理論および干渉沈降理論(hindered sett
ling theory)を基礎にして決定されている。
【0019】細孔前駆体粒子の破壊または変形を防止す
るために、ミル容器のボールの最小量を用いることが望
ましい。特に、本発明における中空球状のポリマーが用
いられるようなケースでは、このようなポリマー粒子の
破壊や変形は厳しく避けるべきである。
【0020】本発明で用いられる細孔前駆体ポリマー
は、中空球形のポリマー粉末であり、好ましくは約0.
05g/cm3 未満の密度、約40μm の平均粒径および約
1μmの外壁厚さを有する。ひとつの好ましい例は、塩
化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体(PVDC)
の粉末で、Expancel Nobel Industries 社(Marietta, G
eorgia, USA)からExpancelシリーズとして入手できる。
【0021】本発明で用いられるセラミックス粉末は、
アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素および窒化アルミニ
ウムであり、好ましくは約3〜6g/cm3 の密度と0.5
〜5μm の平均粒径を有する。
【0022】スラリーの形成に用いられる液体ビヒクル
は、用いられる結合剤を溶解できる混合有機溶媒である
ことができ、たとえば、エタノール、プロパノール、ブ
タノールなどのようなアルコール類;メチルエチルケト
ン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)な
どのようなケトン類;および/またはトルエンなどのよ
うな芳香族炭化水素類の混合物を包含する。
【0023】本発明に用いられる結合剤は、セラミック
ス製造の分野で一般に用いられているどのような結合剤
でもよく、好ましくはポリビニルブチラール(PVB)
である。加えられる結合剤の量は、セラミックス粉末の
比表面積が増加するにつれて増すであろう。
【0024】スラリーを立体安定性にすることのできる
どのような物質も、分散剤として用いることができる。
グリセロールトリオレアート(GTO)が好ましく用い
られる。
【0025】通常用いられているどのような可塑剤もま
た、本発明によるスラリーの形成に用いることができ
る。
【0026】セラミックス粉末および中空球状のポリマ
ー粉末のスラリーは、ついで通常の方法で成形して、セ
ラミックス粉末/細孔前駆体の複合成形体を調製する。
スラリーはまた、たとえばドクターブレード法またはス
リップ流延法によって流延することができる。
【0027】このようにして得られたセラミックス粉末
/細孔前駆体の成形体のポリマー除去段階は、通常の方
法で実施することができる。ポリマー除去段階の間の、
中空球形の細孔前駆体の中のガスの膨張による、成形体
の変形や破壊のような欠陥を有効に防止するために、ポ
リマー除去段階は、好ましくは該成形体を1℃/minの速
度で加熱し、ついで約90〜100℃の温度で30分イ
ンキュベートすることによって行われる。本発明に用い
られる中空球形のポリマー粉末の密度は、好ましくは約
0.05g/cm3 を越えない。それは大部分の密なポリマ
ー粉末の密度の約5〜6.3%に過ぎず、ポリマー除去
段階をより容易にするであろう。
【0028】セラミックス粉末/細孔前駆体の成形体の
焼結を、空気中または窒素ガス中、約1,450〜1,
800℃の温度で約2〜4時間実施し、それによって、
密度が理論値に近いセラミックスマトリックスの密度を
有する多孔質マトリックスを製造する。セラミックスマ
トリックスを理論的な密度にまで十分に焼成するとき、
加えられた細孔前駆体の量によって、多孔度を約0.2
〜55%の範囲で制御することができる。焼結を部分的
に実施するとき、多孔度の制御できる範囲は70%まで
拡張できる。
【0029】本発明の他の態様は、異なる多孔度のセラ
ミックス層からなる積層されたセラミックスを製造する
方法を提供し、それは、 (a)中空球形のポリマー粉末とセラミックス粉末と
を、セラミックスおよび中空球形のポリマー粉末の合計
量を基準にして、中空球形のポリマー粉末が70体積%
を越えない量で、液体ビヒクル中で混合してスラリーを
調製し; (b)該スラリーをテープに流延してセラミックス粉末
/中空球形のポリマー粉末の複合テープを形成し; (c)異なる多孔度を有する該複合テープを積層して積
層体を得て;そして (d)該積層体を脱脂し、焼結する段階を含む。
【0030】本発明による各段階の方法を、以後に詳細
に説明する。
【0031】セラミックス粉末と細孔前駆体であるポリ
マー粉末とのスラリーの形成は、その成分の選択、体積
比および好ましい添加剤などを含めて、多孔質セラミッ
クスの製造について前に述べたのと同様に実施される。
【0032】異なる細孔前駆体の含有量を有するスラリ
ーを、たとえばドクターブレード法によってテープに流
延して、セラミックス粉末/細孔前駆体の複合テープを
調製する。
【0033】このように形成された、異なる細孔前駆体
の含有量を有する複合テープを、通常の方法によって積
層することができる。しかし、中空球形のポリマーで作
られた該テープは比較的低い強度を有するので、積層は
注意深く、細孔前駆体粒子が破損しない圧力以下で実施
すべきである。このような圧力で積層を実施するために
は、結合剤/可塑剤の比を調節することによって、可塑
度(積層容量)を増大させなければならない。本発明に
よって好適に用いられる細孔前駆体は、約10kg/cm2
たはそれ以上の圧力で破損する。これらの圧力範囲より
下では、積層体が部分的に変形するが、細孔前駆体のね
じれ力によって最初の状態に戻ることができる。
【0034】したがって、積層は、結合剤の可塑剤に対
する比率により、好ましくは10kg/cm2またはそれより
低い圧力のもとに、約65〜90℃の温度で実施され
る。より好ましくは、傷のない積層体を得るために、約
10kg/cm2の圧力のもとに、約65℃で約10分間実施
することができる。
【0035】積層体の脱脂段階は、層中のポリマーを脱
脂する通常の方法で実施することができる。しかし、細
孔前駆体ポリマー中のガスの熱膨張による積層体の変形
や破壊のような、ポリマー除去の欠陥を防止するため
に、温度はゆっくりと上昇させるべきである。
【0036】図5に見られるように、前駆体を含有する
層は、温度の変化によって、前駆体を含有しない層とは
異なる挙動を示す。粒子の再配列と、中空球状ポリマー
の内部のガスの膨張が、約50〜110℃の温度範囲で
激しい熱収縮と膨張を起こし、それゆえ、温度は0.5
℃/minまたはそれ以下の速度でゆっくり上昇させるべき
である。もし望むならば、約90〜110℃で30分ま
たはそれ以上インキュベートすることが好ましい。特
に、厚い積層体を目的とするとき、温度の上昇は欠陥の
ない積層体を得るためには重要であろう。上記の脱脂の
条件は、細孔前駆体の内部のガスの熱膨張による積層体
の急激な体積変化を防止するばかりでなく、高温で結合
剤を効果的に除去するために、粒子の間の毛管を通して
の可塑剤の流れを容易にするのに有利に用いることがで
きる。
【0037】このようにして得られた、脱脂された積層
体を、該積層体を構成するセラミックス成分が最適に焼
結されて、離層、破壊または屈曲を受けない多孔質の層
からなる積層されたセラミックスを得る温度で焼結す
る。すなわち、脱脂された積層体を、適切な雰囲気中
で、約1,450℃と約1,800℃の間の温度で約2
〜4時間焼結することができる。
【0038】積層体を焼結する間の収縮の度合は、個々
の層の厚さの比によって変わるとはいえ、多孔質層の多
孔度は、細孔前駆体を0〜70体積%の範囲で配合する
ことにより、0.2〜55%の範囲で制御できる。
【0039】粒子の偏析を受けないセラミックス粉末/
細孔前駆体のスラリーを形成するのに、添加する細孔前
駆体の量は、下記のバイモーダル充填理論で決定するこ
とができる。
【0040】本発明において細孔前駆体として用いられ
る中空球状のポリマー粒子の密度(0.05g/cm3
で)は、大部分のセラミックス粉末の密度(2〜6g/cm
3 )のわずか0.8〜2.5%なので、細孔前駆体/セ
ラミックス粉末混合物の均一なスラリーを形成すること
と、それに伴って、それより成形体を形成することは困
難である。乾燥加圧成形のための熱スプレーによる粒体
の形成、スリップ流延またはテープ流延のような、セラ
ミックス製造のための方法の大部分は、スラリーの形成
を包含する。しかし、中空球形ポリマーのかさ比重の約
0.05g/cm3 は、セラミックス粉末のかさ比重の約2
〜6g/cm3 に比べて非常に小さいばかりでなく、スラリ
ーに用いられる液体ビヒクルの比重の約0.7〜0.9
g/cm3 に比べても小さい。そこで、セラミックス粒子が
比重によって沈降する傾向があるのに対して、中空球形
のポリマー粒子は、その比重の差による浮力上昇のため
に、液体ビヒクル中で上昇する傾向がある。そこで、ス
ラリーを構成する成分粒子の偏析を防止するために、適
切な基準をとるべきである。
【0041】本発明によれば、成分粒子の偏析は、図1
Bに示されるように、干渉沈降によって避けることがで
きる。干渉沈降の条件は、細孔前駆体をスラリー中の全
固体含有量の0〜70体積%の範囲で配合するときに、
スラリー中の全固体粉末、すなわちセラミックス粉末と
細孔前駆体粉末の体積分率を、約25〜42体積%の範
囲に調節することによって確立できる。本発明によれ
ば、そのかさ比重の相違が約20〜60倍である成分粒
子から、干渉沈降の条件のもとに、粒子の偏析なしに、
成分粒子から均一な成形体を得ることが可能である。
【0042】バイモーダル充填の第1の条件は、セラミ
ックス粉末/細孔前駆体の体積比であり、それはセラミ
ックス粉末/細孔前駆体の粒径の比によって支配され
る。本発明において好ましく用いられる中空球形の細孔
前駆体の平均粒径は、セラミックス粉末の平均粒径が約
0.5〜5μm であるのに対して、約40μm である。
それゆえ、バイモーダル充填理論を用いて、多孔度と焼
結収縮は、組成比に基づいて容易に調節できる。細孔前
駆体の網状構造の形成に基因することのできる細孔の連
結性の、閉鎖細孔から開口細孔への遷移もまた、容易に
予想でき、調節できる。2種の構成成分の粉末の間の粒
径の差が大きいほど、バイモーダル充填効果は高い。大
きい粒径を有する細孔前駆体粉末を、連続した小さいセ
ラミックス粉末に挿入するとき、充填密度は増加するで
あろう。それは、より大きい細孔前駆体粒子の間の隙間
により小さいセラミックス粉末粒子が充填されるから、
空隙の体積が減少するであろうからである。もし、全空
間(すなわち、試料全体)が細孔前駆体によって一様に
充填され、細孔前駆体の間の隙間が細かいセラミックス
粉末で充填されると、最大のバイモーダル充填密度を得
ることができる。最大充填密度の組成比は、次の式
(1)で表される。
【0043】
【数1】
【0044】上記式において、Vp は、全固体粉末中の
細孔前駆体粉末の体積分率を表し;Pc は、与えられた
成形条件におけるセラミックス粉末の最大充填密度を表
し;そしてPp は、与えられた成形条件における細孔前
駆体粉末の最大充填密度を表す。最大バイモーダル充填
密度は、次の式(2)から計算できる。
【0045】
【数2】
【0046】上記式において、Pc およびPp は上記の
とおりであり、Pm は混合粉末の最大充填密度を表す。
【0047】細孔前駆体として用いられる中空球形ポリ
マーとアルミナとの混合粉末の最大充填密度、および本
発明による細孔前駆体の最適の体積%は、図2に示され
るように、それぞれ72〜73%および65%である。
これらの値は、ほとんど式(1)および(2)から計算
されたものに対応する。これは構成成分粉末の粒径の比
が、バイモーダル充填にとって理想的である50:1を
越え、本発明に用いられた粉末粒子の分散性が良好だか
らである。本発明から得られる混合粉末の充填密度から
式(1)および(2)によって予想される細孔前駆体の
最大充填密度は、約45%である。したがって、各種の
組成比における混合粉末の充填密度は、細孔前駆体の上
記の最大充填密度と、セラミックス粉末の実験的な充填
密度から、容易に予想できる。
【0048】一般に、焼結の後に得られる細孔径がセラ
ミックスの結晶の大きさよりも大きいとき、該細孔は動
力学的にだけでなく熱力学的に安定であることができ
る。約3〜5μm より小さくない大きさを有する細孔
が、割合に安定なことは、報告されている。J. Zhao お
よびM. Hamer, J. Am, Ceram. Soc., 530 頁(1988)を参
照されたい。本発明によって細孔前駆体から形成される
細孔の平均の大きさは、約40μm である。
【0049】細孔前駆体の体積分率が、連続した網状構
造を可能にする最大充填密度を越えて増加するところで
は、セラミックス粉末の量は、細孔前駆体の間の隙間を
満たすには不十分になり、それゆえ、成形された試験片
全体の完全に均一な微細構造を与えることができず。焼
結体の物理特性は落ちる。したがって、混合粉末の最大
充填密度が得られる(そこで細孔前駆体が最大充填密度
を示す)組成比より小さい組成比を用いることが好まし
い。
【0050】上述のように、粉末の粒径の差から生ずる
バイモーダル充填によって、混合粉末中の細孔前駆体の
体積分率が高いほど、充填効率と、その結果として該混
合粉末の充填密度は高い。やはり上述のように、構成成
分の粒子の偏析を防ぐことのできる干渉沈降をさせるた
めに、細孔前駆体の量が増加するのにつれて、スラリー
中の全固体粉末の体積分率を増すことが必要である。同
様に、細孔前駆体の体積分率が増すことによる充填効率
の増加は、焼結収縮に関連しており、細孔前駆体の体積
分率が増加するにつれて、焼結収縮は減少する。
【0051】細孔前駆体が多孔質セラミックスで用いら
れる本発明の別の特徴として、閉鎖細孔から開口細孔へ
の遷移が起こり得る。この遷移点は、細孔の連結性およ
び多孔質セラミックスの物理特性を制御するのに大きな
影響を有する。図3から見ることができるように、細孔
前駆体の量が増大したとき、開口多孔度が実質的に増大
し、焼結体全体の多孔度が、突然に変化する点がある。
すなわち、もし細孔前駆体の量が、遷移点でのそれより
少ないならば、ほとんどの細孔は閉鎖されるだろうし、
一方、細孔前駆体の量が遷移点でのそれより少なくない
ならば、ほとんどの細孔は開口するだろう。図3を参照
して、1,600℃で2時間かけて、図2のように調製
した成形体を焼結することによって得た焼結体につい
て、閉鎖された細孔の多孔度がそれから計算することが
できるアルキメデス法を用いて、焼結密度および開口多
孔度が決定される。加えられた細孔前駆体の量が40体
積%未満であるとき、閉鎖細孔が得られることを見るこ
とができる。一方、その量が40体積%を越えるとき、
ほとんどの細孔は、開口状態に変換される。試料の均一
性を維持するために、すべての細孔前駆体が、ほぼ単一
の網目構造を形成する組成比までの量、すなわち約65
体積%の細孔前駆体で、細孔前駆体を加えることが望ま
しい。
【0052】図4は、本発明によって得た多孔質アルミ
ナの曲げ強さを、大きな寸法を有する凝集体(たとえ
ば、粒体)を非常に低い圧力で乾燥圧力成形し、ついで
焼結することを含む方法である、先行技術によって得た
多孔質アルミナのそれと比較したグラフである。本発明
のアルミナの多孔度が増大するにつれて、この曲げ強さ
は徐々に減少するけれども、それは、多孔度55%で、
なおも約70MPa という優れた機械的強度を示してい
る。一方、凝集体から得られた従来の多孔質アルミナ
は、凝集体の粒度により大きな影響を受け、最大曲げ強
さは20MPa にまでしか達しない。先行技術により凝集
体から形成された多孔質アルミナは、多孔度約35%で
約16MPa であり、一方、本発明による多孔質アルミナ
のそれは、先行技術のそれよりほぼ10倍大きく、すな
わち約150MPa である。本発明の多孔質アルミナの多
孔度は、約0.2〜55%の広い範囲で制御することが
でき、その範囲は、部分焼結の場合には70%まで拡大
することができる。
【0053】本発明に用いられた細孔前駆体は、球形で
あり、焼結後に得られた細孔は、したがって球形であ
る。
【0054】図7は、多孔度の関数として、同じ細孔前
駆体を含むテープから構成された積層体の曲げ強さを、
多孔度の関数として、交互に密な層と多孔質層から構成
された積層体と比較している。異なる多孔度の層からな
る積層体、すなわち不均質積層から構成された積層体の
曲げ強さは、試験された温度の全範囲にわたり、同じ多
孔度の層から構成された積層体のそれよりも、50〜1
30MPa 高い。より高い曲げ強さは、異なる多孔度の交
互積層体層により得ることができる。
【0055】3点曲げ強さを測定した後の多孔質層を含
む積層体の破砕表面を示す図8を参照すると、この割れ
目は、その細孔の層に沿って、その成長方向における変
化を受けており、増大した耐破砕性をもたらしている。
したがって、本発明の中空球形の細孔前駆体を用いて調
製された多孔質層を含む積層体化セラミックスは、その
増大した曲げ強さおよび耐破砕性に基づいたその設計に
よる、種々の物品での高い可能性を与えることができ
る。
【0056】積層体を構成するそれぞれの層の収縮は、
流延体中の細孔前駆体の含有量および用いたセラミック
ス粉末の種類により変化し、焼結中の積層体全体の収縮
を正確に評価することは非常に難しい。本発明の種々の
タイプの積層体全体の収縮は、以下の式(3)を、焼結
中のそれぞれの層の収縮で置き換えることにより、約±
0.3%の偏差の範囲で決定することができる。
【0057】
【数3】
【0058】上記式において、εt は、体積−重量平均
焼結収縮を表し、εi は、積層体中の一つの構成層iの
焼結収縮を表し、Ai は、構成層iの有効領域を表し、
iは、層iの厚さを表す。
【0059】上記式(3)は、それぞれの層の焼結収縮
および幾何学的パラメーターを考慮している。したがっ
て、それの構成層が有する細孔または空洞を積層体の種
々のタイプに適用することができる。
【0060】
【発明の効果】本発明による、細孔前駆体のように中空
球形のポリマーを用いて調製した多孔質層を含む、焼結
された多孔質セラミックスおよび積層体セラミックス
は、以下のような利点を有する。
【0061】第1に、該セラミックス中に形成された球
形の細孔は、不規則な形状に比べて応力集中効果が低
く、したがって、全体構造の機械的特性を増強すること
ができる。
【0062】第2に、複合積層体材料は、構成層の機械
的特性に影響を与えるパラメーターを別々に制御するこ
とにより、容易に設計することができる。たとえば、高
い引張強さおよび低い耐破砕性を示す密な層を、表面の
欠陥に基づく脆性破壊を防ぐために、低い引張強さおよ
び高い耐破砕性を有する多孔質層に積層することができ
る。
【0063】第3に、細孔の連結性は、選択的に得られ
るだけでなく、多孔質セラミックスまたは層の多孔度
は、細孔前駆体の含有量を変えることにより制御するこ
とができる。このために、多孔質セラミックスまたはセ
ラミックス層の、機械的特性または透過性は、容易に制
御することができる。特に、セラミックスの多孔度は、
約0.2%〜55%の広い範囲にわたり制御することが
できる。
【0064】
【実施例】以下の実施例の方法により、さらに詳細に本
発明を説明する。この実施例は、説明のためのものであ
り、請求項に適切に述べた本発明を限定するものではな
い。
【0065】実施例1.表1に示された組成を有するテ
ープ流延のためのスラリーを、以下のようにして調製し
た。
【0066】分散剤としてのグリセロールトリオレアー
ト(GTO)を、トルエン42〜73mlおよびイソプロ
ピルアルコール7.5〜13mlの混合有機溶媒に溶解
し、セラミックス粉末と混合し、ついで粉砕してスラリ
ーを得た。このあらかじめ粉砕したスラリーに、結合剤
としてポリビニルブチラール(PVB)および可塑剤と
してジブチルフタレートを加え、ついでさらに粉砕し
た。細孔前駆体として、密度0.05g/cm3 および平均
粒径40〜45μm を有するPVDCの0〜2.92g
を、細孔前駆体に対してセラミックス粉末の体積比が1
00:0〜30:70の範囲になるように、このスラリ
ーに加え、少量の混合用の球を有する容器中で粉砕し、
スラリーを得た。このようにして得たスラリーを、ドク
ターブレード法を用いてテープ流延し、複合セラミック
ス粉末/細孔前駆体成形体を得た。このスラリーの粘度
は、セラミックス粉末および細孔前駆体粉末の粒子凝集
を防ぎ、干渉沈降理論を満足させるように、約8,00
0センチポイズより小さくならないように維持した。こ
のようにして得た複合セラミックス/細孔前駆体成形体
を、約1℃/minの割合で加熱し、ついで脱脂のために、
90〜100℃で30分間インキュベートした。Al2
3 またはZr2 を、複合セラミックス/細孔前駆体
成形体(0〜70体積%)中のセラミック粉末として用
いた場合に、得られた公知のAl23 またはZr2
相の多孔質セラミックは、空気中で1,600℃および
1,450℃で2時間焼結した後に、それぞれ1.82
〜3.94g/cm3 および2.61〜5.96g/cm3 の密
度を示した(公知のAl23 またはZr2 相の多孔
質セラミックのこの理論密度は、それぞれ、3.98g/
cm3および6.07g/cm3 である)。AlN/細孔前駆
体(0〜35体積%)を用いた場合、公知のAlN相
(F級、徳山曹達、日本)を有する多孔質セラミックス
は、窒素雰囲気下で1,800℃、約4時間焼結した後
に、密度2.71〜3.30g/cm3 (理論密度3.31
g/cm3 )を示した。公知のセラミックス(Al23
たはZr2 )を、その理論密度まで十分に濃厚にした
場合、その多孔度は、0〜70体積%で添加されるべき
細孔前駆体の量を増大させることにより0.2〜55%
の範囲で制御することができ、一方、制御されるべき多
孔度の範囲は、部分焼結の場合には70%まで拡大する
ことができる。
【0067】このようにして得た多孔質窒化アルミニウ
ム基質は、約20%の多孔度、約130W/mKの熱伝導度
および10〜6の減少した誘電率を有する。この基質の
孔の大部分は、閉鎖状態である。したがって、熱伝導率
および誘電率は、多孔質セラミックス基質での通常のA
lN技術を追加することで、効果的に制御することがで
きる。この熱伝導率は、レーザーフラッシュ法(G.S.Sh
effield and J.R.Schorr, 「Comparison of Thermal Dif
fusivity and Thermal Conductivity Methods」,Am.Cera
m.Soc.Bull.,70[1]pp102 to 106,1991を参照されたい)
によって測定し、誘電率は、通常のブリッジ法で測定し
た。この結果を表1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】a)Al23 (0.05%MgO):密
度3.98g/cm3 ;平均粒径0.3μm b)AlN(4%Y23 ):密度3.31g/cm3 ;平
均粒径1.2μm c)Zr2 :密度6.07g/cm3 ;平均粒径0.2μ
m
【0070】実施例2.スリップ流延のためのスラリー
を、可塑剤をAl23 またはZr2 の組成において
用いず、溶媒として蒸発速度の低いブチルアルコールを
用い、結合剤としてPVBを、セラミックス粉末の重量
に基づいて約1〜2重量%の量で加え、そして細孔前駆
体を、40体積%の量でAl23 またはZr2 の重
量に加えたことを除いて、実施例1に記載したと同様の
方法で調製した。このスリップ流延体を、1℃/minの割
合で加熱し、30分間90℃でインキュベートし、さら
に5℃/minの割合で加熱した。このように成形されたA
23 またはZr2 成形体を、1,600および1
450℃で、それぞれ2時間焼結し、実施例1から得ら
れたそれと同様の多孔質セラミックスを得た。多孔質A
23 またはZr2 セラミックスの多孔度は、それ
ぞれ45%および47%であった。
【0071】比較例1.熱噴霧法により得た粒体を、低
温で乾燥圧成形し、ついで部分的に焼結した。この多孔
質アルミナは、30〜40%の低い多孔度および20MP
a またはそれ未満の低い曲げ強さを有していた。
【0072】実施例3.アルミナ粉末(AKP30、住
友、日本)と中空の塩化ビニリデン−アクリロニトリル
コポリマー(密度0.05g/cm3 および平均粒径40μ
m 、壁厚1μm、Expancel(登録商標)シリーズ、Expan
cel Nobel Industries, Georgia, USAから購入したも
の)とを、体積比100:0〜30:70で、表1の下
に示したように、結合剤としてPVBの10.24g、
可塑剤としてDBPの10.24gおよび分散剤として
GTOの1gを含むトルエン/イソプロピルアルコール
(85:15)の混合有機溶媒中で混合し、異なる細孔
前駆体含量のスラリーを得た。このスラリー中の全固体
組成物の体積分率は、加えた細孔前駆体の量により、2
4〜42体積%である。
【0073】それぞれのスラリーをテープ流延し、それ
ぞれの複合アルミナ/細孔前駆体テープを得た。異なる
細孔前駆体含量の数種の複合テープを、交互に積層し
て、約10kg/cm3までの圧力で5〜15分間65〜90
℃でプレスし、積層体を形成させた。この積層体は、こ
の積層条件において、どのような離層も、細孔前駆体粒
子の変形も示さなかった。このようにして得た積層体
を、脱脂のために、50〜110℃の温度範囲で0.5
℃/minの割合でゆっくりと加熱し、ついで90〜110
℃の温度範囲に30分間維持した。この脱脂された積層
体を、1,600℃で2時間空気中で焼結し、積層体化
された多孔質層のセラミックスを得た。多孔質層の多孔
度および細孔連結度は、多孔質層に加える細孔前駆体の
量により決まった。したがって、この多孔質層の微小構
造は、容易に制御することができた。特に、細孔前駆体
の45体積%までを含むこの積層体化されたセラミック
スは、閉鎖細孔を有し、一方、細孔前駆体の45体積%
を越えるものを含むそれらは、開口細孔を有していた。
【0074】表2で見ることができるように、密/多孔
質/密/多孔質/密の5層を有するAl23 積層体
は、それぞれの多孔質層に対して加える細孔前駆体の量
により、異なる細孔連結度を示した。細孔前駆体の40
体積%またはそれ以下の量が、スラリー中の全固体含量
に基づいて加えられた場合、多孔質層は、主として閉鎖
細孔を含んでいた。これに対して、細孔前駆体が、50
体積%またはそれを越える量で加えられた場合、この多
孔質層の細孔は、開口細孔となった。
【0075】表3は、これらの積層体が表3にそれぞれ
示された同じ多孔度を有する層から構成されることを除
いて、本発明(表2)の積層体の製造で用いた同じ方法
で製造された積層体の細孔特性を示した。表3から見る
ことができるように、この積層体が、密な層がそれらの
理論密度を有するその条件下で焼結された場合、この積
層体は、0.2〜55%の範囲の多孔度を有していた。
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】実施例4.多孔質セラミックス積層体を、
ジルコニア粉末(TZ3Y、東ソー、日本)および塩化
ビニリデン/アクリロニトリルコポリマー(実施例3で
用いたと同じもの)を用いて、実施例3に記載したのと
同様の方法で調製した。ジルコニア単独のテープおよび
細孔前駆体の60体積%を含むテープを、交互に積層し
て、5層の積層体を得、脱脂し、ついで実施例3のよう
に焼結した。ジルコニア積層体の特性を表4に示した。
この多孔質層の細孔のほとんどは、開口状態であった。
【0079】
【表4】
【0080】実施例5.交互に積層された、アルミナ/
細孔前駆体複合テープおよびジルコニアテープ(細孔前
駆体を含まない)を含む積層体、および逆にジルコニア
側に細孔前駆体を含む積層体を、実施例3のように調製
した。それぞれの積層体の細孔特性を表5に示した。
【0081】得られた結果は、前述の実施例で得られた
それらと同じであった。表5で見られるように、多孔質
層が細孔前駆体の60体積%を含む場合、交互の密/多
孔質層からなる試料の細孔の85%は、開口状態であっ
た。
【0082】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】中空球形のポリマー粒子とセラミック粒子との
干渉沈降を示す概念図である。図1aは低濃度で偏析が
起こることを、図1bは高濃度で、干渉沈降により、偏
析が起こらないことを示す。
【図2】Al23 粉末/細孔前駆体からなる複合成形
体の充填密度の、細孔前駆体の含有量による変化を示す
グラフである。
【図3】Al23 粉末/細孔前駆体からなる複合成形
体を、1,600℃で2時間焼結した後の多孔度、細孔
前駆体の含有量による変化を示すグラフである。
【図4】Al23 粉末/細孔前駆体からなる成形体か
ら本発明によって得られた多孔質Al23 の曲げ強さ
を、Al23 粒体の成形体から従来技術の方法による
部分焼結によって得られた多孔質Al23 の曲げ強さ
とを、多孔度の関数として比較したグラフである。
【図5】本発明による細孔前駆体とセラミックス粉末と
を含有するテープの熱膨張の挙動を示すTMAのグラフ
である。
【図6】細孔前駆体を含有する多孔質テープと、このよ
うな細孔前駆体を含有しない密なテープとを交互に積層
し、積層体を焼結して得られた、本発明による不均質A
23 積層体の断面を示す走査型電子顕微鏡写真(4
0倍)である。
【図7】本発明による不均質Al23 積層体の曲げ強
さを、均質Al23 積層体の曲げ強さと、多孔度の関
数として比較したグラフである。
【図8】本発明による不均質Al23 積層体の破壊さ
れた表面を示す走査型電子顕微鏡写真(20倍)であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−228883(JP,A) 特開 平3−208870(JP,A) 特開 平5−246773(JP,A) 特開 平5−39341(JP,A) 特公 平5−69070(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 38/08 C04B 38/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)中空球形のポリマー粉末とセラミ
    ックス粉末とを、セラミックスおよび中空球形のポリマ
    ー粉末の合計量を基準にして、中空球形のポリマー粉末
    が70体積%を越えない量で、液体ビヒクル中で混合し
    てスラリーを調製し; (b)該スラリーをテープに流延してセラミックス粉末
    /中空球形のポリマー粉末の複合テープを形成し; (c)異なる多孔度を有する該複合テープを積層して積
    層体を得て;そして (d)該積層体を脱脂し、焼結する 段階を含む、多孔質層を有する積層されたセラミックス
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 スラリーの全固体粉末の体積分率を、約
    25〜42体積%の範囲に調節する請求項1記載の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 該中空球形のポリマー粉末が、約0.0
    5g/cm3 を越えない密度、約40μm の平均粒径、およ
    び約1μm の外壁を有する請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 該セラミックス粉末が、約3〜6g/cm3
    の密度および約0.2〜1.2μm の平均粒径を有す
    る、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素および窒化アル
    ミニウムからなる群より選ばれる請求項1記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 積層段階(c)を、約10kg/cm2までの
    圧力下に約65℃の加熱温度で約15分実施する請求項
    1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 脱脂段階(d)を、約50〜約110℃
    の温度範囲で、約0.5℃/minの昇温速度で実施する請
    求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 脱脂段階(d)が、さらに約90〜約1
    10℃の温度に約30分インキュベートすることを含む
    請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 該多孔質層が、約0.2〜55%の多孔
    度を有する請求項1記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 該中空球形のポリマー粉末を、約40体
    積%以下用いる請求項1記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 該中空球形のポリマー粉末を、約50
    体積%以上用いる請求項1記載の製造方法。
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