JPH11106257A - スパッタリング用高純度BaxSr1−xTiO3−yターゲット材 - Google Patents
スパッタリング用高純度BaxSr1−xTiO3−yターゲット材Info
- Publication number
- JPH11106257A JPH11106257A JP9283201A JP28320197A JPH11106257A JP H11106257 A JPH11106257 A JP H11106257A JP 9283201 A JP9283201 A JP 9283201A JP 28320197 A JP28320197 A JP 28320197A JP H11106257 A JPH11106257 A JP H11106257A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Bax Sr1-x TiO3-y で表されるペロブ
スカイト型複合酸化物から成るスパッタリング用ターゲ
ット材において、一層優れた誘電特性を示すと同時に、
従来問題となっていたリーク電流を一層低減し、更に、
ソフトエラーの発生を防止すること。 【解決手段】 一般式Bax Sr1-x TiO3-y (但
し、0≦x<1、0≦y<0.5)で表されるペロブス
カイト型複合酸化物から成るスパッタリング用ターゲッ
ト材において、Na、K、Mg、Fe、Ni、Co、C
r、Cu及びAlの群の各元素の含有量が1ppm以
下、そしてU及びThの各元素の含有量が1ppb以下
であることを特徴とするスパッタリング用ターゲット
材。
スカイト型複合酸化物から成るスパッタリング用ターゲ
ット材において、一層優れた誘電特性を示すと同時に、
従来問題となっていたリーク電流を一層低減し、更に、
ソフトエラーの発生を防止すること。 【解決手段】 一般式Bax Sr1-x TiO3-y (但
し、0≦x<1、0≦y<0.5)で表されるペロブス
カイト型複合酸化物から成るスパッタリング用ターゲッ
ト材において、Na、K、Mg、Fe、Ni、Co、C
r、Cu及びAlの群の各元素の含有量が1ppm以
下、そしてU及びThの各元素の含有量が1ppb以下
であることを特徴とするスパッタリング用ターゲット
材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリング法
によりMOS−ULSIの高誘電体キャパシタ薄膜を形
成する際に用いられるBax Sr1-x TiO3-y の組成
式で表されるペロブスカイト型複合酸化物から成るスパ
ッタリング用ターゲット材に関するものである。
によりMOS−ULSIの高誘電体キャパシタ薄膜を形
成する際に用いられるBax Sr1-x TiO3-y の組成
式で表されるペロブスカイト型複合酸化物から成るスパ
ッタリング用ターゲット材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体メモリーのキャパシタに高
い誘電率を有するSrTiO3 やそのSrサイトの一部
をBaで置換したBax Sr1-x TiO3 の薄膜を用い
ることが研究されている。このような高誘電性薄膜の成
膜方法としては、スパッタリング法が一般に用いられて
いるが、スパッタリング法で成膜された薄膜に良好な誘
電特性を与えるには、結晶性を高めるための熱処理が必
要となる。その際、Na、K等のアルカリ金属不純物を
含むと、結晶成長によって結晶粒界上にこれらの不純物
が吐き出され、これらアルカリ金属不純物を通じてリー
ク電流が増大することが知られている。また、U、Th
等の放射性元素が不純物として存在すると、これらの元
素から放出されるα線によってソフトエラーを起こす原
因になることが知られている。
い誘電率を有するSrTiO3 やそのSrサイトの一部
をBaで置換したBax Sr1-x TiO3 の薄膜を用い
ることが研究されている。このような高誘電性薄膜の成
膜方法としては、スパッタリング法が一般に用いられて
いるが、スパッタリング法で成膜された薄膜に良好な誘
電特性を与えるには、結晶性を高めるための熱処理が必
要となる。その際、Na、K等のアルカリ金属不純物を
含むと、結晶成長によって結晶粒界上にこれらの不純物
が吐き出され、これらアルカリ金属不純物を通じてリー
ク電流が増大することが知られている。また、U、Th
等の放射性元素が不純物として存在すると、これらの元
素から放出されるα線によってソフトエラーを起こす原
因になることが知られている。
【0003】例えば、特開平7−70747号は、ペロ
ブスカイト型チタン酸塩化合物から成るターゲット材に
おいて、リーク電流の原因が電荷移動への関与が大きい
アルカリ金属であることを究明し、アルカリ金属含有量
を1ppm以下とすることを記載している。U、Th等
の放射性元素がα線によるソフトエラーを起こす原因に
なるので、それらの合計含有量を10ppb以下に制限
することを提唱している。また、特開平7−17362
1号は、Bax Sr1-x TiO3-Y から成るスパッタリ
ング用焼結ターゲット材を対象として、高速成膜を可能
ならしめるようにアルカリ金属不純物量を10ppm以
下とすることを記載している。更には、特開平7−34
44号は、(Ba,Sr)O・TiO2 から成るスパッ
タリング用焼結ターゲット材の熱歪に対する耐割損性を
向上するためにNaやCa、さらにAl、Si及びFe
などの不可避的不純物の含有量を90ppm以下に低減
することを提唱している。
ブスカイト型チタン酸塩化合物から成るターゲット材に
おいて、リーク電流の原因が電荷移動への関与が大きい
アルカリ金属であることを究明し、アルカリ金属含有量
を1ppm以下とすることを記載している。U、Th等
の放射性元素がα線によるソフトエラーを起こす原因に
なるので、それらの合計含有量を10ppb以下に制限
することを提唱している。また、特開平7−17362
1号は、Bax Sr1-x TiO3-Y から成るスパッタリ
ング用焼結ターゲット材を対象として、高速成膜を可能
ならしめるようにアルカリ金属不純物量を10ppm以
下とすることを記載している。更には、特開平7−34
44号は、(Ba,Sr)O・TiO2 から成るスパッ
タリング用焼結ターゲット材の熱歪に対する耐割損性を
向上するためにNaやCa、さらにAl、Si及びFe
などの不可避的不純物の含有量を90ppm以下に低減
することを提唱している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、Fe、Ni、Co、Cr、Cu等の遷移金属又
はMg、Al等の不純物元素のリーク電流への影響につ
いてはいまだ明らかではない。本発明は、一般式Bax
Sr1-x TiO3-y (但し、0≦x<1、0≦y<0.
5)で表されるペロブスカイト型複合酸化物から成るス
パッタリング用ターゲット材において、一層優れた誘電
特性を示すと同時に、従来問題となっていたリーク電流
を一層低減し、更に、ソフトエラーの発生を防止するこ
とを課題とする。
術では、Fe、Ni、Co、Cr、Cu等の遷移金属又
はMg、Al等の不純物元素のリーク電流への影響につ
いてはいまだ明らかではない。本発明は、一般式Bax
Sr1-x TiO3-y (但し、0≦x<1、0≦y<0.
5)で表されるペロブスカイト型複合酸化物から成るス
パッタリング用ターゲット材において、一層優れた誘電
特性を示すと同時に、従来問題となっていたリーク電流
を一層低減し、更に、ソフトエラーの発生を防止するこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
スパッタリング法により成膜されたBa1-x Srx Ti
O3-y 組成の高誘電体薄膜のリーク電流を低下させるた
めに、スパッタリングに使用するBax Sr1-x TiO
3-y の組成式で表されるターゲット材中の不純物につい
て綿密に検討を行った。その結果、ターゲット材中のN
a、Kのアルカリ金属元素を1ppm以下とし、更にそ
れに加えて、Fe、Ni、Co、Cr、Cuの遷移金
属、及びMg、Alの各元素の含有量を1ppm以下と
することにより、成膜したBax Sr1-x TiO3 薄膜
のリーク電流が著しく低下することを見いだした。ま
た、半導体メモリのソフトエラーをより確実に防止する
ために、特開平7−70747号に提唱されたような
U、Th等の放射性元素の合計含有量を10ppb以下
に制限することより更に踏み込んで、U、Thの各放射
線元素の含有量を1ppb以下となしうることも判明し
た。
スパッタリング法により成膜されたBa1-x Srx Ti
O3-y 組成の高誘電体薄膜のリーク電流を低下させるた
めに、スパッタリングに使用するBax Sr1-x TiO
3-y の組成式で表されるターゲット材中の不純物につい
て綿密に検討を行った。その結果、ターゲット材中のN
a、Kのアルカリ金属元素を1ppm以下とし、更にそ
れに加えて、Fe、Ni、Co、Cr、Cuの遷移金
属、及びMg、Alの各元素の含有量を1ppm以下と
することにより、成膜したBax Sr1-x TiO3 薄膜
のリーク電流が著しく低下することを見いだした。ま
た、半導体メモリのソフトエラーをより確実に防止する
ために、特開平7−70747号に提唱されたような
U、Th等の放射性元素の合計含有量を10ppb以下
に制限することより更に踏み込んで、U、Thの各放射
線元素の含有量を1ppb以下となしうることも判明し
た。
【0006】この知見に基づいて、本発明は、一般式B
ax Sr1-x TiO3-y (但し、0≦x<1、0≦y<
0.5)で表されるペロブスカイト型複合酸化物から成
るスパッタリング用ターゲット材において、Na、K、
Mg、Fe、Ni、Co、Cr、Cu及びAlの群の各
元素の含有量が1ppm以下、そしてU及びThの各元
素の含有量が1ppb以下であることを特徴とするスパ
ッタリング用ターゲット材を提供するものである。
ax Sr1-x TiO3-y (但し、0≦x<1、0≦y<
0.5)で表されるペロブスカイト型複合酸化物から成
るスパッタリング用ターゲット材において、Na、K、
Mg、Fe、Ni、Co、Cr、Cu及びAlの群の各
元素の含有量が1ppm以下、そしてU及びThの各元
素の含有量が1ppb以下であることを特徴とするスパ
ッタリング用ターゲット材を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明ターゲット材の作製には、
出発原料としてNa、Kのアルカリ金属元素、Fe、N
i、Co、Cr、Cuの遷移金属元素、及びMg、Al
の各元素の含有量が1ppm以下、U、Th等の放射性
元素が1ppb以下である炭酸ストロンチウム(SrC
O3 )、又は炭酸バリウム(BaCO3 )及び炭酸スト
ロンチウム(SrCO3 )並びに酸化チタン(TiO
2 )粉を用いる。
出発原料としてNa、Kのアルカリ金属元素、Fe、N
i、Co、Cr、Cuの遷移金属元素、及びMg、Al
の各元素の含有量が1ppm以下、U、Th等の放射性
元素が1ppb以下である炭酸ストロンチウム(SrC
O3 )、又は炭酸バリウム(BaCO3 )及び炭酸スト
ロンチウム(SrCO3 )並びに酸化チタン(TiO
2 )粉を用いる。
【0008】こうした高純度SrCO3 、BaCO3 及
びTiO2 粉それぞれを製造する技術は既に確立されて
いる。例えば、特開平9−77516号及び特開平9−
142839号は、高純度炭酸ストロンチウム及び炭酸
バリウムを製造する技術についてそれぞれ記載してい
る。高純度炭酸ストロンチウムを例にとると、ストロン
チウム含有水溶液(例:硝酸ストロンチウム、塩化スト
ロンチウム)に酸(例:硝酸、塩酸)を添加してストロ
ンチウム塩を析出させ、析出したストロンチウム塩を固
液分離した後、ストロンチウム塩を例えば炭酸塩、好ま
しくは炭酸アンモニウムを添加したり、炭酸ガスを吹き
込むことにより炭酸塩化することにより高純度炭酸スト
ロンチウムが製造できる。ストロンチウム塩を水に溶解
し、酸を添加する精製段階を1回以上繰り返してもよ
い。炭酸バリウムについてもまったく同様である。これ
らは再結晶化精製と呼ばれる。TiO2 粉についても、
蒸留、昇華、再結晶を繰り返して精製したTiの有機金
属化合物を大気中で焼成して熱分解させることにより高
純度のものが得られる。本発明においては、これら原料
粉いずれにおいても、Na、K、Mg、Fe、Ni、C
o、Cr、Cu及びAlの群の各元素の含有量が1pp
m以下、そしてU及びThの各元素の含有量が1ppb
以下まで精製されていることが肝要である。
びTiO2 粉それぞれを製造する技術は既に確立されて
いる。例えば、特開平9−77516号及び特開平9−
142839号は、高純度炭酸ストロンチウム及び炭酸
バリウムを製造する技術についてそれぞれ記載してい
る。高純度炭酸ストロンチウムを例にとると、ストロン
チウム含有水溶液(例:硝酸ストロンチウム、塩化スト
ロンチウム)に酸(例:硝酸、塩酸)を添加してストロ
ンチウム塩を析出させ、析出したストロンチウム塩を固
液分離した後、ストロンチウム塩を例えば炭酸塩、好ま
しくは炭酸アンモニウムを添加したり、炭酸ガスを吹き
込むことにより炭酸塩化することにより高純度炭酸スト
ロンチウムが製造できる。ストロンチウム塩を水に溶解
し、酸を添加する精製段階を1回以上繰り返してもよ
い。炭酸バリウムについてもまったく同様である。これ
らは再結晶化精製と呼ばれる。TiO2 粉についても、
蒸留、昇華、再結晶を繰り返して精製したTiの有機金
属化合物を大気中で焼成して熱分解させることにより高
純度のものが得られる。本発明においては、これら原料
粉いずれにおいても、Na、K、Mg、Fe、Ni、C
o、Cr、Cu及びAlの群の各元素の含有量が1pp
m以下、そしてU及びThの各元素の含有量が1ppb
以下まで精製されていることが肝要である。
【0009】これらの原料粉を所定の組成となるように
秤量し、アルコール等の媒体を介して混合後、熱合成に
よってBax Sr1-x TiO3 単相とする。焼成は、熱
合成によって得られたBax Sr1-x TiO3 粉をホッ
トプレス法によって焼結させるか、金型あるいはCIP
を用いて成形後、常圧焼結する。また、これらの焼結体
の相対密度を98%以上にするためには、ホットプレス
法、あるいは常圧焼結法で得た焼結体をHIP処理する
ことにより得ることができ、この際、焼結体は高温で低
酸素分圧下に曝されるため、Bax Sr1-x TiO3 に
酸素欠陥が生じ、電気伝導性を有する焼結体が得られ
る。この焼結体を所定の形状に機械加工することにより
スパッタリング用ターゲット材を作製することができ
る。
秤量し、アルコール等の媒体を介して混合後、熱合成に
よってBax Sr1-x TiO3 単相とする。焼成は、熱
合成によって得られたBax Sr1-x TiO3 粉をホッ
トプレス法によって焼結させるか、金型あるいはCIP
を用いて成形後、常圧焼結する。また、これらの焼結体
の相対密度を98%以上にするためには、ホットプレス
法、あるいは常圧焼結法で得た焼結体をHIP処理する
ことにより得ることができ、この際、焼結体は高温で低
酸素分圧下に曝されるため、Bax Sr1-x TiO3 に
酸素欠陥が生じ、電気伝導性を有する焼結体が得られ
る。この焼結体を所定の形状に機械加工することにより
スパッタリング用ターゲット材を作製することができ
る。
【0010】こうして作製したBax Sr1-x TiO
3-y (但し、0≦x<1、0≦y<0.5)組成で表さ
れるスパッタリング用ターゲットを用いて成膜したBa
x Sr1-x TiO3 薄膜は、優れた誘電特性を示すと同
時に、従来問題となっていたリーク電流が著しく低下
し、更に、ソフトエラーの発生を防止することができ
る。
3-y (但し、0≦x<1、0≦y<0.5)組成で表さ
れるスパッタリング用ターゲットを用いて成膜したBa
x Sr1-x TiO3 薄膜は、優れた誘電特性を示すと同
時に、従来問題となっていたリーク電流が著しく低下
し、更に、ソフトエラーの発生を防止することができ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明のターゲット及びその製造方法
について実施例及び比較例に従って説明する。
について実施例及び比較例に従って説明する。
【0012】(実施例)出発原料に使用するBaCO3
及びSrCO3 粉は、純度3NのBa(NO3)2 及び
Sr(NO3 )2 を再結晶化精製することにより、N
a、K、Fe、Ni、Co、Cr、Cu、Mg、Alの
各元素の含有量が1ppm以下、U、Thの各元素が1
ppb以下とし、その後Ba(NO3 )2 及びSr(N
O3 )2 水溶液に炭酸ガスあるいは(NH4 )2 CO3
水溶液を添加することにより得た。また、TiO2 粉
は、BaCO3 粉、SrCO3 粉と純度が同レベルの市
販TiO2 粉を用いた。これら各原料粉をモル比で1:
1:2となるように配合し、ナイロン製のボール及びポ
ットを用いて、エタノールを媒体とした湿式ボールミル
混合を行った。混合スラリーを乾燥した後、大気中で熱
合成することによってBa0.5 Sr0.5TiO3 単相粉
末を得た。この粉体に有機バインダーを添加して金型を
用いた予備成形を行った後、CIP成形した。添加した
有機バインダーを除去するため、大気中で脱脂処理を行
った後、常圧下で1400℃、15分の焼成を行い相対
密度が約95%の焼結体を得た。更に、1300℃で1
h、100MPaの条件でこの焼結体をHIPすること
により、相対密度が約99%の焼結体を得た。この焼結
体を所定の形状に機械加工し、直径:4inch、厚
さ:6mmのスパッタリング用ターゲット材を作製し
た。
及びSrCO3 粉は、純度3NのBa(NO3)2 及び
Sr(NO3 )2 を再結晶化精製することにより、N
a、K、Fe、Ni、Co、Cr、Cu、Mg、Alの
各元素の含有量が1ppm以下、U、Thの各元素が1
ppb以下とし、その後Ba(NO3 )2 及びSr(N
O3 )2 水溶液に炭酸ガスあるいは(NH4 )2 CO3
水溶液を添加することにより得た。また、TiO2 粉
は、BaCO3 粉、SrCO3 粉と純度が同レベルの市
販TiO2 粉を用いた。これら各原料粉をモル比で1:
1:2となるように配合し、ナイロン製のボール及びポ
ットを用いて、エタノールを媒体とした湿式ボールミル
混合を行った。混合スラリーを乾燥した後、大気中で熱
合成することによってBa0.5 Sr0.5TiO3 単相粉
末を得た。この粉体に有機バインダーを添加して金型を
用いた予備成形を行った後、CIP成形した。添加した
有機バインダーを除去するため、大気中で脱脂処理を行
った後、常圧下で1400℃、15分の焼成を行い相対
密度が約95%の焼結体を得た。更に、1300℃で1
h、100MPaの条件でこの焼結体をHIPすること
により、相対密度が約99%の焼結体を得た。この焼結
体を所定の形状に機械加工し、直径:4inch、厚
さ:6mmのスパッタリング用ターゲット材を作製し
た。
【0013】このターゲット材を使用して、基板温度:
550℃、スパッタガス圧力:Ar=0.3Pa、O2
=0.1Pa、スパッタ電力密度:3W/cm2 の条件
でRFスパッタリング法により成膜し、膜の誘電特性及
びリーク電流を測定した。その結果を表1に示す。本発
明のターゲット材を用いた薄膜は、1×10-10 A/c
m2 以下と十分に低いリーク電流であった。
550℃、スパッタガス圧力:Ar=0.3Pa、O2
=0.1Pa、スパッタ電力密度:3W/cm2 の条件
でRFスパッタリング法により成膜し、膜の誘電特性及
びリーク電流を測定した。その結果を表1に示す。本発
明のターゲット材を用いた薄膜は、1×10-10 A/c
m2 以下と十分に低いリーク電流であった。
【0014】(比較例1)出発原料に純度3NのBaC
O3 粉、SrCO3 粉及びTiO2 粉を用いた以外は、
実施例と同条件で粉体を合成、焼成を行った。常圧での
焼成により得られた焼結体の相対密度は約97%で実施
例で得られた焼結体よりも若干高密度であったが、HI
P後の相対密度は約99%で実施例と差はなかった。こ
の焼結体を所定寸法に機械加工し、スパッタリング用タ
ーゲット材を作製した。
O3 粉、SrCO3 粉及びTiO2 粉を用いた以外は、
実施例と同条件で粉体を合成、焼成を行った。常圧での
焼成により得られた焼結体の相対密度は約97%で実施
例で得られた焼結体よりも若干高密度であったが、HI
P後の相対密度は約99%で実施例と差はなかった。こ
の焼結体を所定寸法に機械加工し、スパッタリング用タ
ーゲット材を作製した。
【0015】このターゲット材を用いて、実施例と同条
件で成膜した薄膜の誘電特性及びリーク電流を測定し
た。その結果を表1に示す。比較例により作製したター
ゲット材を用いた薄膜の誘電特性は、実施例と顕著な差
は見られないが、リーク電流は4×10-8A/cm2 と
大きな値を示した。
件で成膜した薄膜の誘電特性及びリーク電流を測定し
た。その結果を表1に示す。比較例により作製したター
ゲット材を用いた薄膜の誘電特性は、実施例と顕著な差
は見られないが、リーク電流は4×10-8A/cm2 と
大きな値を示した。
【0016】(比較例2)出発原料として、Ba(NO
3 )2 及びSr(NO3 )2 を再結晶化精製することに
より、Na及びKのアルカリ金属元素を1ppm以下と
し、Fe、Ni、Cr、Co及びCuの遷移金属元素及
びMg、Alの複数成分元素が1〜10ppm含むBa
CO3 粉、SrCO3 粉を用いた以外は、実施例と同条
件で粉体を合成、焼成を行った。常圧での焼成により得
られた焼結体の相対密度は約95%で実施例で得られた
焼結体とほぼ同密度であった。また、HIP後の相対密
度は約99%となった。この焼結体を所定寸法に機械加
工し、スパッタリング用ターゲット材を作製した。
3 )2 及びSr(NO3 )2 を再結晶化精製することに
より、Na及びKのアルカリ金属元素を1ppm以下と
し、Fe、Ni、Cr、Co及びCuの遷移金属元素及
びMg、Alの複数成分元素が1〜10ppm含むBa
CO3 粉、SrCO3 粉を用いた以外は、実施例と同条
件で粉体を合成、焼成を行った。常圧での焼成により得
られた焼結体の相対密度は約95%で実施例で得られた
焼結体とほぼ同密度であった。また、HIP後の相対密
度は約99%となった。この焼結体を所定寸法に機械加
工し、スパッタリング用ターゲット材を作製した。
【0017】このターゲット材を用いて、実施例と同条
件で成膜した薄膜の誘電特性及びリーク電流を測定し
た。その結果を表1に示す。比較例により作製したター
ゲット材を用いた薄膜の誘電特性は、実施例と顕著な差
は見られないが、リーク電流は6×10-10 A/cm2
で比較例1より小さいものの、実施例に示すリーク電流
よりも大きな値を示した。Na及びKを1ppm以下に
するのみならず、Mg、Fe、Ni、Co、Cr、Cu
及びAlの群の各元素の含有量が1ppm以下であるこ
との重要性がわかる。
件で成膜した薄膜の誘電特性及びリーク電流を測定し
た。その結果を表1に示す。比較例により作製したター
ゲット材を用いた薄膜の誘電特性は、実施例と顕著な差
は見られないが、リーク電流は6×10-10 A/cm2
で比較例1より小さいものの、実施例に示すリーク電流
よりも大きな値を示した。Na及びKを1ppm以下に
するのみならず、Mg、Fe、Ni、Co、Cr、Cu
及びAlの群の各元素の含有量が1ppm以下であるこ
との重要性がわかる。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Na、K等のアルカリ金属元素、Fe、Ni、Co、C
r、Cu等の遷移金属元素及びMg、Alの各元素の含
有量が1ppm以下、U、Thの放射性元素が1ppb
以下であるBax Sr1-x TiO3-y の組成式で表され
るターゲット材を用いることによって、成膜した薄膜の
リーク電流は著しく減少し、ソフトエラーの発生を防止
できる。従って、このターゲット材を用いて成膜された
半導体メモリの歩留まり及び信頼性を大きく向上させる
ことができる。
Na、K等のアルカリ金属元素、Fe、Ni、Co、C
r、Cu等の遷移金属元素及びMg、Alの各元素の含
有量が1ppm以下、U、Thの放射性元素が1ppb
以下であるBax Sr1-x TiO3-y の組成式で表され
るターゲット材を用いることによって、成膜した薄膜の
リーク電流は著しく減少し、ソフトエラーの発生を防止
できる。従って、このターゲット材を用いて成膜された
半導体メモリの歩留まり及び信頼性を大きく向上させる
ことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式Bax Sr1-x TiO3-y (但
し、0≦x<1、0≦y<0.5)で表されるペロブス
カイト型複合酸化物から成るスパッタリング用ターゲッ
ト材において、Na、K、Mg、Fe、Ni、Co、C
r、Cu及びAlの群の各元素の含有量が1ppm以
下、そしてU及びThの各元素の含有量が1ppb以下
であることを特徴とするスパッタリング用ターゲット
材。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9283201A JPH11106257A (ja) | 1997-10-01 | 1997-10-01 | スパッタリング用高純度BaxSr1−xTiO3−yターゲット材 |
US09/162,661 US6245203B1 (en) | 1997-10-01 | 1998-09-29 | BaxSr1-xTiO3-y target materials for sputtering |
TW087116156A TW509728B (en) | 1997-10-01 | 1998-09-29 | BaxSr1-xTiO3-y target materials for sputtering |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9283201A JPH11106257A (ja) | 1997-10-01 | 1997-10-01 | スパッタリング用高純度BaxSr1−xTiO3−yターゲット材 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023176461A1 (ja) * | 2022-03-18 | 2023-09-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 固化体の製造方法 |
-
1997
- 1997-10-01 JP JP9283201A patent/JPH11106257A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023176461A1 (ja) * | 2022-03-18 | 2023-09-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 固化体の製造方法 |
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