JPH11105582A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH11105582A
JPH11105582A JP26872597A JP26872597A JPH11105582A JP H11105582 A JPH11105582 A JP H11105582A JP 26872597 A JP26872597 A JP 26872597A JP 26872597 A JP26872597 A JP 26872597A JP H11105582 A JPH11105582 A JP H11105582A
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upshift
speed
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engine
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善親 萩原
Yoshimi Iwatani
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 足離しアップシフトの際に、エンジン回転数
を迅速に低下させて変速ショックと騒音の発生を共に抑
制する。 【解決手段】 アクセルペダルの解放または踏み込み量
が所定値未満となったことによるアップシフトを指令し
た場合には、所定時間tdが経過するまでオーバーラン
クラッチの締結及び変速動作を禁止し、所定時間Td経
過後にオーバーランクラッチの締結を許可するととも
に、変速動作を開始する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れる自動変速機の変速制御装置の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられる自動変速機の変速制御
装置としては、車速とアクセルペダルの踏み込み量(=
スロットル開度)に応じて変速段を決定する変速マップ
(変速線)に基づいて、アップシフトあるいはダウンシ
フト等の変速制御を行うものが従来から知られている
(特開昭62−63251号公報)。
【0003】このような、変速制御装置では、アクセル
ペダルを踏み込んだ状態から足を離すかアクセルペダル
の踏み込み量が所定値未満になることによって、スロッ
トル開度の減少に応じたアップシフト(以下、足離しア
ップシフトという)が行われるが、このとき、アップシ
フト後の変速比がHi側へ減少するのに応じて、自動変
速機の入力軸回転数及びエンジン回転数がアクセル操作
に応じて低下するのを待ってから変速を開始することに
より、自動変速機のイナーシャによる変速ショックを緩
和させるものがある。
【0004】これは、図10に示すように、スロットル
開度TVO≒7/8程度までアクセルペダルを踏み込ん
だ状態から足を離してスロットル開度TVO≒0となっ
て、アップシフト指令が発生した場合を示し、このとき
の足離しアップシフトは、スロットル開度TVO≒0と
なると同時に、アップシフト指令によってオーバーラン
クラッチソレノイドOVR/CsolをONにしてオーバ
ーランクラッチ(OVR/C)を締結しておいてから、
エンジン回転数の自然な低下によって所定時間td経過
後に、実際に変速を行うシフトソレノイドSFT/sol
をONにして、変速マップに応じた摩擦締結要素の締結
を行い、足離しアップシフトを実行する。
【0005】スロットル開度TVO≒0となって変速開
始が判断されてから、まず、アップシフトによるワンウ
ェイクラッチの一時的な結合による騒音を抑制するため
オーバーランクラッチOVR/Cを締結しておき、所定
時間tdが経過するまで、実際の変速動作を遅延させる
ことで、エンジン回転数がアップシフト後の目標入力軸
回転数まで低下するまで待ってから、摩擦締結要素の締
結動作を行って変速することで、アップシフト時に発生
するイナーシャトルクによる変速ショックと騒音を抑制
するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、アクセルペダルが離されてアップシフトが判
断されると、実際の変速開始前に、オーバーランクラッ
チOVR/Cを締結しておくため、エンジンの慣性に自
動変速機内部の慣性が付加されるため、エンジン回転数
の低下が遅れて、遅延時間td後に目標とする入力軸回
転数まで低下しないため変速ショックを発生する場合が
あるという問題があり、また、オーバーランクラッチO
VR/Cを締結することで自動変速機の回転要素が結合
されるため、車両の慣性が自動変速機へ入力されてエン
ジン回転数の降下が途中で止まってしまい、所定時間t
d経過後でも変速ショックを発生するという問題もあ
り、特に、コースト状態で運転中に2速や3速からアッ
プシフトを行う場合に、このようにエンジン回転数が降
下途中で止まってしまう現象が発生しやすい。
【0007】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、足離しアップシフトの際に、エンジン回転
数を迅速に低下させて変速ショックの発生を抑制するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、少なくと
もアクセルペダルの踏み込み量と車速に基づいて変速段
の設定を行うとともに、前記アクセルペダルが解放また
は踏み込み量が所定値未満となったときにアップシフト
を指令する変速指令手段と、締結時にはエンジンブレー
キを作動させる一方、解放時にはエンジンブレーキの作
動を禁止するエンジンブレーキ用摩擦締結要素と、前記
設定された変速段に応じて各変速段毎に予め設定された
摩擦締結要素の締結、解除を油圧によって行う変速制御
手段と、前記変速指令手段がアクセルペダルの解放に基
づくアップシフトを指令した場合には、所定時間が経過
するまで変速制御手段の変速動作を遅延させる変速遅延
手段とを備えた自動変速機の変速制御装置において、前
記変速遅延手段は、アクセルペダルの解放または踏み込
み量が所定値未満となったことによるアップシフトが指
令されてから前記所定時間が経過するまでは前記変速動
作に加えてエンジンブレーキ用摩擦締結要素の締結を禁
止する。
【0009】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記変速遅延手段は、エンジン回転数または自動
変速機の回転要素の回転数が、アップシフト後の変速段
に応じた回転数となるよう変速動作を遅延させるように
前記所定時間を設定する。
【0010】また、第3の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記変速遅延手段は、アップシフト後に係止され
る回転要素の回転数が、変速開始までに低下するように
前記所定時間を設定する。
【0011】また、第4の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記変速指令手段は、運転者の操作に応じて変速
段の設定を行うマニュアルモードを備え、このマニュア
ルモードにおいてアップシフトが指令された場合、前記
遅延手段は、アップシフトが指令されてから前記所定時
間が経過するまでは前記変速動作に加えてエンジンブレ
ーキ用摩擦締結要素の締結を禁止する。
【0012】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、アクセルペ
ダルを踏み込んだ状態から解放または踏み込み量が所定
値未満となることによってアップシフトが指令される
と、所定時間が経過するまでは、変速動作に加えてエン
ジンブレーキ用摩擦締結要素の締結を一時的に禁止する
ことでエンジンブレーキ用摩擦締結要素を解放し、自動
変速機内の回転要素の結合が解除されるため、エンジン
の慣性に付加される自動変速機内部の慣性が低減される
ため、前記従来例に比して、エンジン回転数を迅速に低
下させて、エンジン回転数を目標とするアップシフト後
の入力軸回転数の近傍まで低下させることができ、適正
なタイミングで変速に必要な摩擦締結要素の締結を行っ
て、変速ショックの発生を確実に防止することができる
とともに、所定時間が経過した変速動作の開始後には再
びエンジンブレーキ用摩擦締結要素を締結できるため、
アップシフト時のワンウェイクラッチの一時的な結合に
よる騒音を抑制することができ、変速ショック及び騒音
の発生を共に抑制しながら円滑なアップシフトを実現で
きる。さらに、遅延時間の間はエンジンブレーキ用摩擦
締結要素が必ず解放されることによって、自動変速機の
摩擦締結要素の回転数を低下させることで慣性を低減で
きるため、前記従来例のように、車両の慣性によってエ
ンジン回転数が降下の途中で止まってしまうのを防い
で、特に、コースト状態での足離しアップシフトを円滑
に行うことができるのである。
【0013】また、第2の発明は、変速動作の開始を遅
延させる所定時間を、エンジン回転数または自動変速機
の回転要素の回転数が、アップシフト後の変速段に応じ
た回転数となるように設定されるため、適正なタイミン
グで変速に必要な摩擦締結要素の締結を行って、変速シ
ョックの発生を確実に防止することができる。
【0014】また、第3の発明は、変速動作の開始を遅
延させる所定時間を、自動変速機の回転要素のうち、ア
ップシフト後に係止される回転要素の回転数が、変速開
始までに低下するよう設定したため、エンジンブレーキ
用摩擦締結要素の解放による自動変速機の回転要素の回
転数の低下を促進しながら適正なタイミングで変速に必
要な摩擦締結要素の締結を行って、変速ショックの発生
を確実に防止することができる。
【0015】また、第4の発明は、マニュアルモードの
アップシフト時でも、所定時間が経過するまでは、変速
動作に加えてエンジンブレーキ用摩擦締結要素の締結を
一時的に禁止することでエンジンブレーキ用摩擦締結要
素を解放し、自動変速機内の回転要素の結合が解除され
るため、エンジンの慣性に付加される自動変速機内部の
慣性が低減されるため、前記従来例に比して、エンジン
回転数を迅速に低下させて、エンジン回転数を目標とす
るアップシフト後の入力軸回転数の近傍まで低下させる
ことができ、適正なタイミングで変速に必要な摩擦締結
要素の締結を行って、変速ショックの発生を確実に防止
することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0017】図1〜図4は、2組の遊星歯車機構からな
る4速自動変速機に、本発明を適用した一例を示す。
【0018】まず、図1、図2は自動変速機の概略を示
しており、エンジン100に連結された自動変速機8
は、シフトレバー90の操作位置に応じたインヒビタス
イッチ9からの信号と、アクセルペダルの踏み込み量を
検出するスロットル開度センサ91からのスロットル開
度TVO及び車速センサ92からの車速VSPを読み込
んだ変速制御コントローラ7が、前記従来例と同様に、
車速VSPとスロットル開度TVOに応じて所定の変速
マップに基づいて変速制御、すなわち、後述する変速制
御装置へ指令信号GEARを送出して変速動作を行うもの
で、アクセルペダルを踏み込んだ状態から離したり、踏
み込み量が所定値未満(例えば、TVO=3/16)と
なった場合には、スロットル開度TVOと車速VSPの
関係に応じて上記したような足離しアップシフトを行う
ものである。
【0019】自動変速機8の入力軸2は、ロックアップ
クラッチ3Lを備えたトルクコンバータ3を介してエン
ジン100の出力軸1と連結しており、入力軸2と自動
変速機8の出力軸6の間には、第1遊星歯車機構4、第
2遊星歯車5を主体として変速構成され、これら第1及
び第2遊星歯車4、5の動力伝達経路を切り換える摩擦
締結要素として、ローアンドリバースブレーキL&R/
B、オーバーランクラッチOVR/C(エンジンブレー
キ用摩擦締結要素)等が後述するように配設されてい
る。
【0020】なお、第1遊星歯車4は、サンギヤ4S、
リングギヤ4Rと歯合するピニオン4Pを回転可能かつ
公転可能に支持するキャリア4Cからなる単純遊星歯車
とし、第2遊星歯車5も、同様にサンギヤ5S、リング
ギヤ5Rと歯合するピニオン5Pを回転可能かつ公転可
能に支持するキャリア5Cからなる単純遊星歯車として
構成される。
【0021】まず、第1遊星歯車4のキャリア4Cはハ
イクラッチH/Cを介して入力軸2と選択的に締結さ
れ、サンギヤ4SはバンドブレーキB/Bを介して選択
的に固定可能となるとともに、リバースクラッチR/C
を介して選択的に入力軸2へ締結される。
【0022】さらに、キャリア4Cには、選択的にケー
シング側に固定するローアンドリバースブレーキL&R
/Bが配設されるとともに、加速時のみ入力軸2側から
出力軸6側へ動力を伝達する一方、出力軸6側から入力
軸2側への動力伝達を阻止するローワンウェイクラッチ
LO/Cが介装される。そして、キャリア4Cはハイク
ラッチH/Cを介して選択的に入力軸2と締結される。
【0023】リングギヤ4Rはキャリア5Cと一体的に
結合されるとともに出力軸6と連結される。
【0024】そして、第2遊星歯車5のサンギヤ5Sは
入力軸2と結合され、リングギヤ5Rはオーバーランク
ラッチOVR/Cを介して選択的にキャリア4C側と締
結するとともに、フォワードワンウェイクラッチFO/
C及びフォワードクラッチF/Cを配設して、フォワー
ドクラッチF/Cの締結時には、フォワードワンウェイ
クラッチFO/Cが作動して、加速時のみ入力軸2側か
ら出力軸6側へ動力の伝達を行う一方、出力軸6側から
入力軸2側への動力伝達を阻止する。
【0025】上記摩擦締結要素のうち、ハイクラッチH
/Cは3速以上のときに締結され、バンドブレーキB/
Bは2速のときに締結される。
【0026】ここで、上記のような自動変速モードにお
ける変速制御を行う変速制御装置の概略回路図を図3に
示し、これらを参照しながら以下に詳述する。
【0027】1速における締結要素の制御は、図3にお
いて、マニュアルバルブ17、第1及び第2シフトバル
ブ10、11(変速弁)、オーバーランクラッチコント
ロールバルブ(OVR/C.CONT.V)12、オー
バーランクラッチレデューシングバルブ(OVR/C.
RED.V)13、ファーストレデューシングバルブ
(1ST RED.V)14及びシャトルシフトバルブ
15と、第1及び第2シフトバルブ10、11へ信号圧
PsolA、PsolBを供給する第1及び第2シフトソレノイ
ド20、21と、オーバーランクラッチコントロールバ
ルブ12へ信号圧PsolOVRを供給するオーバーランクラ
ッチソレノイド22を主体に構成される。なお、第1及
び第2シフトソレノイド20、21(SFT/sol)及
びオーバーランクラッチソレノイド(OVR/Csol)
22は、変速制御コントローラ7からの信号が「OF
F」のときに開弁して各信号圧を上昇させる一方、変速
制御コントローラ7からの信号が「ON」のときに閉弁
して各信号圧を減少させる。
【0028】まず、マニュアルバルブ17は、前記従来
例と同じく自動変速モードのDレンジに2速レンジと1
速固定レンジを備えたものである。シフトレバー90の
シフト位置に応じてライン圧回路30と連通したライン
圧ポート17Lから各回路へライン圧を供給するもの
で、シフトレバー90の位置と各ポート17D、17
I、17II、17Rへライン圧PLを供給する。
【0029】なお、図3ではシフトレバーで1速固定レ
ンジを選択した場合を示し、この1速固定レンジではラ
イン圧ポート17Lから供給されたライン圧PLが、ポ
ート17Dを介してDレンジ圧回路32と、ポート17
IIを介して2レンジ圧回路33(P2)と、ポート17
Iを介して1レンジ圧回路34(P1)へそれぞれ供給
される。
【0030】また、第1及び第2シフトソレノイド2
0、21は、シフトレバーが設定した変速段に応じて変
速制御コントローラ7が出力するONまたはOFFの信
号によって信号圧PsolA、PsolBを変化させ、
第1及び第2シフトバルブ10、11を制御して各締結
要素の締結、解放により変速段の設定を行う。
【0031】例えば、Dレンジにおいては、変速段が1
速のときには第1及び第2シフトソレノイド20、21
が共にONとなって、フォワードクラッチF/Cのみを
締結し、2速のときには、第2シフトソレノイド21の
みがONとなって、フォワードクラッチF/Cとバンド
ブレーキB/Bが締結される。そして、3速のときに
は、第1及び第2シフトソレノイド20、21が共にO
FFとなって、フォワードクラッチF/Cとハイクラッ
チH/C及びバンドブレーキB/Bが締結される。
【0032】そして、Dレンジでは、上記のように常時
フォワードクラッチF/Cが締結されるのに加え、スロ
ットル開度TVOが所定値以下(例えば、TVO≦3/
16)のときにはオーバーランクラッチOVR/Cが選
択的に締結される。
【0033】次に、オーバーランクラッチコントロール
バルブ12へ信号圧PsolOVRまたはパイロット圧Ppを
供給するシャトルシフトバルブ15のスプールには、ス
プリングに付勢される一端へ2レンジ圧回路33が連通
して2レンジ圧P2が導かれる一方、他端にはDレンジ
圧回路32が連通し、2速レンジまたは1速固定レンジ
のときには信号圧PsolOVRを、Dレンジの場合には信号
圧Ppをオーバーランクラッチコントロールバルブ12
へ供給する。そして、オーバーランクラッチソレノイド
22は、信号圧PsolOVRのON、OFFによってシャト
ルシフトバルブ15を介してオーバーランクラッチコン
トロールバルブ12を制御する。
【0034】変速制御コントローラ7に駆動される、オ
ーバーランクラッチソレノイド22は、パイロット圧回
路31からのパイロット圧Ppを調圧して信号圧PsolO
VRをシャトルシフトバルブ15に供給するもので、オー
バーランクラッチソレノイド22がOFFのときには信
号圧PsolOVRが発生する一方、ONのときには信号圧は
発生せず、2速レンジまたは1速固定レンジのときに
は、シャトルシフトバルブ15に2レンジ圧回路33か
らの2レンジ圧P2またはP1が供給されるため、信号
圧PsolOVRに応じてオーバーランクラッチコントロール
バルブ12が作動して、Dレンジ圧回路32からの圧油
がオーバーランクラッチレデューシングバルブ13を介
して油路57へ供給される。
【0035】なお、オーバーランクラッチレデューシン
グバルブ13は、1レンジ圧P1または2レンジ圧P2
が発生したとき、すなわち、1速固定レンジまたは2速
レンジが選択されたときに、オーバーランクラッチコン
トロールバルブ12へ供給されるDレンジ圧回路32か
らの圧油を油路57へ供給する。
【0036】次に、変速制御コントローラ7で行われる
Dレンジにおける足離しアップシフト制御の一例につい
て、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0037】ステップS1では、上記スロットル開度T
VOと車速VSP及び変速マップ(図示せず)より足離
しアップシフトであるか否かを判定し、足離しアップシ
フトであれば、ステップS2へ進んで、オーバーランク
ラッチOVR/Cが解放されているか否か、すなわち、
オーバーランクラッチソレノイド22の駆動信号がOF
Fであるか否かを判定し、解放状態であればステップS
4へ進む一方、締結状態であればステップS3へ進ん
で、オーバーランクラッチソレノイド22の駆動信号を
ONからOFFへ切り換えてオーバーランクラッチOV
R/Cを解放させて締結を禁止してから、ステップS4
へ進む。
【0038】そして、ステップS4では、足離しアップ
シフトが開始(ステップS1の判定)されてからの経過
時間が、所定の遅延時間tdとなるまで待つ。
【0039】ステップS4で所定の遅延時間tdが経過
した後は、ステップS5、S6で、現在の運転状態にお
ける足離しアップシフトに必要な摩擦締結要素SFT/
CとオーバーランクラッチOVR/Cの締結がそれぞれ
開始され、第1または第2シフトソレノイド10、11
が変速段に応じてONまたはOFFとなり、同時に、オ
ーバーランクラッチソレノイド22がONとなって、足
離しアップシフトが完了する。
【0040】したがって、足離しアップシフトの際の、
オーバーランクラッチソレノイド22と第1または第2
シフトソレノイド20、21の駆動状態は図5のように
なる。
【0041】時間t0で足離しアップシフトが指令され
ると、オーバーランクラッチOVR/Cの締結が禁止さ
れるため、直前に締結されていれば一旦解放され、所定
の遅延時間tdが経過した後に、再びオーバーランクラ
ッチOVR/Cが締結されると同時に、アップシフトに
必要な摩擦締結要素SFT/Cが締結される。
【0042】すなわち、時間t0でスロットル開度TV
Oが全閉(≒0/8近傍)近くまで急激に減少しても、
エンジン回転数Neは慣性のために急激に目標入力軸回
転数まで減少することはできない。
【0043】そこで、時間t0でオーバーランクラッチ
OVR/Cの締結を禁止して一旦解放状態にすること
で、自動変速機8の回転要素の結合が解除されるため、
エンジン100の慣性に付加される自動変速機8内部の
慣性が低減されるため、前記従来例に比して、エンジン
回転数Neを迅速に低下させて、所定の遅延時間td経
過後の時間t1にはエンジン回転数Neを目標入力軸回
転数の近傍まで低下させることで、適正なタイミングで
変速に必要な摩擦締結要素SFT/Cの締結を行うこと
が可能となって、時間t1からt2までの間で変速ショ
ックの発生を確実に防止することができるとともに、時
間t1以降の変速中にはオーバーランクラッチOVR/
Cが締結されているため、アップシフト時のワンウェイ
クラッチの一時的な結合による騒音を抑制することがで
きるため、変速ショック及び騒音の発生を抑制しながら
円滑なアップシフトを実現でき、自動変速機を備えた車
両の運転性を向上させることができるのである。そし
て、時間t0からt1の間は、オーバーランクラッチO
VR/Cを一旦解放することによって、自動変速機の摩
擦締結要素の回転数を低下させて慣性を低減できるた
め、前記従来例のように、自動変速機内部の慣性によっ
てエンジン回転数が降下の途中で止まってしまうのを防
いで、特に、コースト状態での足離しアップシフトを円
滑に行うことができるのである。
【0044】なお、遅延時間tdは、変速段や車速など
に応じて適宜変更すればよく、エンジン回転数Neまた
は自動変速機の回転要素が、アップシフト後の目標値と
なるような値に設定すればよい。
【0045】ここで、図2に示した構成の自動変速機8
のニュートラル状態における共線図は、図6に、Dレン
ジの1速では図7(A)に示すようになる。
【0046】足離しアップシフトによって1速から2速
へ変速する場合を考えると、図5の時間t0では図7
(A)の状態で、オーバーランクラッチOVR/Cを解
放してエンジン回転数Neの低下と第1遊星歯車機構4
のサンギヤ4S側の回転数の低下を待つ。
【0047】そして、遅延時間tdが経過した時間t1
から、図7(B)のように、オーバーランクラッチOV
R/Cを締結すると同時に、バンドブレーキB/Bを締
結して、1速から2速へのアップシフトを開始する。
【0048】このとき、第1遊星歯車機構4のサンギヤ
4S側の回転数は、オーバーランクラッチOVR/Cの
解放によって十分低下しているため、図7(C)のよう
に、アップシフト後に係止される回転要素であるバンド
ブレーキB/Bの締結によってサンギヤ4S側を係止し
ても、変速ショックの発生を抑制して円滑な変速制御を
行うことができるのである。この場合、遅延時間td
は、サンギヤ4S側の回転数が十分低下する値に設定さ
れればよい。
【0049】また、1速から3速への足離しアップシフ
トは、図8の(A)〜(C)に示すようになり、図5の
時間t0では図8(A)の状態で、オーバーランクラッ
チOVR/Cを解放して、エンジン回転数Neの低下と
第1遊星歯車機構4のサンギヤ4S側の回転数の上昇、
すなわち、逆転から正転への変化を待つ。
【0050】そして、遅延時間tdが経過した時間t1
から、図8(B)のように、オーバーランクラッチOV
R/Cを締結すると同時に、ハイクラッチH/Cを締結
して、1速から3速へのアップシフトを開始する。この
とき、第1遊星歯車機構4のサンギヤ4S側の回転数
は、オーバーランクラッチOVR/Cの解放によってリ
ングギヤ4Rとピニオン4Pに連れ回っているため、図
8(C)のように、ハイクラッチH/Cの締結によって
サンギヤ4S側をリングギヤ4Rに等しい回転数に上昇
させても、予め正転側へ回転数を上昇させておくことで
変速ショックの発生を抑制して円滑な変速制御を行うこ
とができるのである。
【0051】さらに、2速から3速への足離しアップシ
フトは、図9の(A)〜(C)に示すようになり、図5
の時間t0では図9(A)の状態で、オーバーランクラ
ッチOVR/Cを解放して、エンジン回転数Neの低下
と第2遊星歯車機構5のリングギヤ5R側の回転数の上
昇を待つ。
【0052】そして、遅延時間tdが経過した時間t1
から、図8(B)のように、オーバーランクラッチOV
R/Cを締結すると同時に、ハイクラッチH/Cを締結
する一方、バンドブレーキB/Bを解放して、2速から
3速へのアップシフトを開始する。
【0053】このとき、第2遊星歯車機構5のリングギ
ヤ5R側の回転数は、オーバーランクラッチOVR/C
の解放によってピニオン5Pに連れ回っているため、図
8(C)のように、ハイクラッチH/Cの締結及びバン
ドブレーキB/Bの解放によってリングギヤ5Rをキャ
リア5C側に等しい回転数へ上昇させても、予め回転数
を上昇させておくことで変速ショックの発生を抑制して
円滑な変速制御を行うことができるのである。
【0054】なお、上記実施形態において、変速制御コ
ントローラ7が車速とアクセルペダルの踏み込み量(=
スロットル開度)に応じて変速段を決定する自動変速モ
ードのみで変速を行う例を示したが、図示はしないが、
運転者の操作に応じて変速段の設定を行うマニュアルモ
ードを備えた場合、マニュアルモードを選択中にアップ
シフトが指令された場合には、アップシフトが指令され
てから所定時間が経過するまでは変速動作に加えてエン
ジンブレーキ用摩擦締結要素の締結を禁止することで上
記と同様に円滑なアップシフトを行うことが可能となる
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す自動変速機の概略構
成図。
【図2】同じく、自動変速機のスケルトン図。
【図3】同じく、変速制御装置の概略回路図。
【図4】変速制御コントローラで行われる制御の一例を
示すフローチャートである。
【図5】足離しアップシフトの様子を示すグラフで、ス
ロットル開度TVO、オーバーランクラッチソレノイド
及びシフトソレノイドのON、OFFの状態と時間の関
係を示すグラフである。
【図6】ニュートラル状態のときの共線図。
【図7】Dレンジの1速から2速への足離しアップシフ
トの様子を示す共線図で、(A)は変速開始直後の1速
の状態を、(B)はオーバーランクラッチOVR/C及
びバンドブレーキB/Bの締結途中を、(C)は2速へ
の変速終了状態をそれぞれ示す。
【図8】Dレンジの1速から3速への足離しアップシフ
トの様子を示す共線図で、(A)は変速開始直後の1速
の状態を、(B)はオーバーランクラッチOVR/C及
びハイクラッチH/Cの締結途中を、(C)は3速への
変速終了状態をそれぞれ示す。
【図9】Dレンジの2速から3速への足離しアップシフ
トの様子を示す共線図で、(A)は変速開始直後の2速
の状態を、(B)はオーバーランクラッチOVR/C及
びハイクラッチH/Cの締結途中を、(C)は3速への
変速終了状態をそれぞれ示す。
【図10】従来例の足離しアップシフトの様子を示すグ
ラフで、スロットル開度TVO、オーバーランクラッチ
ソレノイド及びシフトソレノイドのON、OFFの状態
と時間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
OVR/C オーバーランクラッチ F/C フォワードクラッチ H/C ハイクラッチ B/B バンドブレーキ 4 第1遊星歯車 5 第2遊星歯車 7 変速制御コントローラ 8 自動変速機 9 インヒビタスイッチ 10 第1シフトバルブ 11 第2シフトバルブ 12 オーバーランクラッチコントロールバルブ(OV
R/C CNT.V) 13 オーバーランクラッチレデューシングバルブ(O
VR/C RED.V) 14 ファーストレデューシングバルブ(1stRE
D.V) 15 シャトルシフトバルブ 17 マニュアルバルブ 20 第1シフトソレノイド(Asol) 21 第2シフトソレノイド(Bsol) 22 オーバーランクラッチソレノイド(OVR/Cs
ol) 30 ライン圧回路 31 パイロット圧回路 32 Dレンジ圧回路 91 スロットル開度センサ 92 車速センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともアクセルペダルの踏み込み量
    と車速に基づいて変速段の設定を行うとともに、前記ア
    クセルペダルが解放または踏み込み量が所定値未満とな
    ったときにアップシフトを指令する変速指令手段と、 締結時にはエンジンブレーキを作動させる一方、解放時
    にはエンジンブレーキの作動を禁止するエンジンブレー
    キ用摩擦締結要素と、 前記設定された変速段に応じて各変速段毎に予め設定さ
    れた摩擦締結要素の締結、解除を油圧によって行う変速
    制御手段と、 前記変速指令手段がアクセルペダルの解放に基づくアッ
    プシフトを指令した場合には、所定時間が経過するまで
    変速制御手段の変速動作を遅延させる変速遅延手段とを
    備えた自動変速機の変速制御装置において、 前記変速遅延手段は、アクセルペダルの解放または踏み
    込み量が所定値未満となったことによるアップシフトが
    指令されてから前記所定時間が経過するまでは前記変速
    動作に加えてエンジンブレーキ用摩擦締結要素の締結を
    禁止することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変速遅延手段は、エンジン回転数ま
    たは自動変速機の回転要素の回転数が、アップシフト後
    の変速段に応じた回転数となるよう変速動作を遅延させ
    るように前記所定時間を設定したことを特徴とする請求
    項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記変速遅延手段は、アップシフト後に
    係止される回転要素の回転数が、変速開始までに低下す
    るように前記所定時間を設定したことを特徴とする請求
    項2に記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記変速指令手段は、運転者の操作に応
    じて変速段の設定を行うマニュアルモードを備え、この
    マニュアルモードにおいてアップシフトが指令された場
    合、前記遅延手段は、アップシフトが指令されてから前
    記所定時間が経過するまでは前記変速動作に加えてエン
    ジンブレーキ用摩擦締結要素の締結を禁止することを特
    徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
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