JP3191731B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3191731B2
JP3191731B2 JP19952397A JP19952397A JP3191731B2 JP 3191731 B2 JP3191731 B2 JP 3191731B2 JP 19952397 A JP19952397 A JP 19952397A JP 19952397 A JP19952397 A JP 19952397A JP 3191731 B2 JP3191731 B2 JP 3191731B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れる自動変速機の変速制御装置の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられる自動変速機の変速制御
装置としては、本願出願人が提案した特開昭62−63
251号公報等のように、シフトレバーの操作位置に応
動するマニュアルバルブ及びソレノイドバルブ等によっ
て自動変速機の各締結要素の締結、解除を行って、運転
状態に応じた変速段に設定するものが知られている。
【0003】これは、シフト位置を自動変速モードのD
レンジ(自動変速レンジ)に加えて、エンジンブレーキ
を効かせるため、エンブレ用変速レンジとして2速レン
ジや1速固定レンジを設け他ものが知られており、発進
の際にニュートラルのNレンジ(停車レンジ)からDレ
ンジへシフト操作を行うと、フォワードクラッチ(F/
C)のみを締結して1速を選択するが、Nレンジから2
速レンジや1速固定レンジへシフト操作を行うと、フォ
ワードクラッチに加えてオーバーランクラッチ(OVR
/C)とローアンドリバースブレーキ(L&R/B)を
締結してニュートラルから1速へ変速している。
【0004】また、車速VSPとスロットル開度TVO
(又はアクセル開度)等の運転状態に応じて変速段を決
定する自動変速モードに加えて、従来のマニュアル式変
速機と同様に、任意の変速段を、運転者の変速操作に応
じて選択するマニュアルモードを備えたものがいくつか
知られており、このような自動変速機の変速装置として
は、例えば、「ディアマンテ 95−1 新型車解説
書」(三菱自動車工業株式会社 発行)の第2章48
頁、あるいは、「自動車工学・1990年10月号」
(鉄道日本社 刊)の第38頁のように、一つのシフト
レバーで自動変速モードとマニュアルモードを選択的に
切り換えるものが知られている。
【0005】これは、図9に示すように、シフトゲート
92には、「P」、「R」、「N」、「D」、「2」、
「1」のシフト位置から構成される自動変速モードに加
えて、「D」レンジから図中左側へシフトレバー93を
動かすとマニュアルモードに切り換えられるものであ
る。なお、図中「P」、「R」、「N」、「D」、
「2」、「1」の自動変速モードは、それぞれ、パーキ
ング、後進、ニュートラル、ドライブ、2速レンジ、1
速固定レンジを示す。
【0006】シフトゲート2には、上記自動変速モード
のDレンジからマニュアルモードへ切り換えられたこと
を検出する図示しないマニュアルモードスイッチと、マ
ニュアルモードにおいてシフトレバー93の動きに応じ
てアップシフト「+」又はダウンシフト「−」を検出す
るUPスイッチ94とDOWNスイッチ95が配設さ
れ、自動変速モード「D」レンジから図中左側へシフト
レバー93を操作すれば、従来のマニュアル式変速機と
同様のマニュアルモードとなり、シフトレバー93を図
中「+」側へストロークさせれば、UPスイッチ94が
ONとなってアップシフトを指令する一方、同様にシフ
トレバー93を「−」側へストロークさせればDOWN
スイッチ95がONとなってダウンシフトを指令し、現
在の変速段に対して相対的に自動変速機の変速段を変更
する、いわゆるシーケンシャルシフトを行うものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、NレンジからDレンジへシフト操作を行った
直後にアクセルペダルを踏み込んで発進する場合では、
エンジン回転数がアイドルから立ち上がる途中であるた
めにライン圧が低く油量収支が悪い状態であるが、フォ
ワードクラッチのみを締結すればよいため、図8の破線
に示すように、シフト操作と同時に発進操作を行った時
間t0からフォワードクラッチ圧が円滑に立ち上がっ
て、時間t1までにフォワードクラッチの締結に必要な
油圧となって変速動作を確実に行うことができるが、N
レンジから2速レンジまたは1速固定レンジへシフト操
作を行った直後にアクセルペダルを踏み込んで発進する
ような場合、上記フォワードクラッチに加えてオーバー
ランクラッチとローアンドリバースブレーキにも油圧を
供給しなければならず、発進時のようにエンジン回転数
が低く油量収支の悪い状態では、図8の実線に示すよう
に、発進操作直後の時間t0から各油圧が締結に必要な
値に達するまでには時間t2を要し、上記Dレンジの場
合に比してΔt1だけ余分に時間を要するだけでなく、
この間、フォワードクラッチの油圧が低いためフォワー
ドクラッチの容量が低く、高トルクが入力されると、ク
ラッチの滑りが生じて発進が円滑に行われない場合があ
った。
【0008】また、上記後者の従来例のように、マニュ
アルモードを備えたものでも、上記と同様に、Nレンジ
からマニュアルモードの1速へ変速操作した直後に発進
を行う場合でも、フォワードクラッチの締結までにΔt
1だけ余分な時間を要し、フォワードクラッチの油圧が
低いためフォワードクラッチの容量が低く、高トルクが
入力されると、クラッチの滑りが生じて発進が円滑に行
われない場合があった。
【0009】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、Nレンジから2速または1速固定レンジ等
のDレンジ以外へシフト操作を行った直後の発進時に、
変速動作を円滑に行うことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、自動変速
レンジとエンジンブレーキを作動させるエンブレ用変速
レンジ及び停車レンジとを備えて運転状態または運転操
作に応じて変速段の設定を行う変速指令手段と、締結時
にはエンジンブレーキを作動させる一方、解放時にはエ
ンジンブレーキの作動を禁止するエンジンブレーキ用摩
擦締結要素と、少なくとも1速を含む前進時に締結され
るフォワードクラッチと、前記設定された変速段に応じ
て各変速段毎に予め設定された摩擦締結要素の締結、解
除を油圧によって行う変速制御手段を備えた自動変速機
の変速制御装置において、前記変速制御手段は、変速指
令手段が停車レンジから自動変速レンジを選択した場合
には、前記フォワードクラッチのみを締結するよう圧油
を供給し、変速指令手段が停車レンジからエンブレ用変
速レンジを選択した場合には、前記フォワードクラッチ
及びエンジンブレーキ用摩擦締結要素の両方を締結する
とともに前記エンジンブレーキ用摩擦締結要素に優先し
てフォワードクラッチへ圧油を供給する。
【0011】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記変速指令手段は、自動変速モードに加えてマ
ニュアルモードを備え、前記変速制御手段は、変速指令
手段が停車レンジからマニュアルモードを選択した場合
に、前記エンジンブレーキ用摩擦締結要素に優先してフ
ォワードクラッチへ圧油を供給する。
【0012】また、第3の発明は、前記第1または第2
の発明において、前記変速制御手段は、フォワードクラ
ッチの締結が完了する所定時間だけエンジンブレーキ用
摩擦締結要素への圧油の供給を規制する遅延手段を設け
る。
【0013】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、停車レンジ
であるNレンジから自動変速レンジ(例えば、Dレン
ジ)へのシフトが行われた場合には、フォワードクラッ
チにもが締結されて発進を行うことができ、停車レンジ
であるNレンジからエンブレ用変速レンジ(例えば、1
速固定レンジまたは2速固定レンジ)へのシフトが行わ
れた場合には、フォワードクラッチとエンジンブレーキ
エンジンブレーキ用摩擦締結要素の両方が締結される
が、この締結の際には、エンジンブレーキ用摩擦締結要
素に優先して、フォワードクラッチへ圧油の供給が行わ
れるため、発進直後でエンジン回転数が低いためにライ
ン圧が低く油量収支の悪い状態であっても、エンジンブ
レーキ用摩擦締結要素へ供給する圧油を規制した分、フ
ォワードクラッチへ供給して締結を完全に行って、クラ
ッチの滑りなどを防いで確実な発進動作を行うことがで
き、停車レンジからエンブレ用変速レンジへシフト操作
を行った直後の発進を、停車レンジから自動変速レンジ
へのシフト操作時と同様に行って自動変速機付き車両の
運転性を大幅に向上させることができるのである。
【0014】また、第2の発明は、停車レンジからマニ
ュアルモードへのシフト操作が行われた場合には、エン
ジンブレーキ用摩擦締結要素に優先して、フォワードク
ラッチへ圧油の供給が行われるため、発進直後でエンジ
ン回転数が低いためにライン圧が低く油量収支の悪い状
態であっても、エンジンブレーキ用摩擦締結要素へ供給
する圧油を規制した分、フォワードクラッチへ供給して
締結を完全に行って、クラッチの滑りなどを防いで確実
な発進動作を行うことができ、停車レンジからマニュア
ルモードへシフト操作を行った直後の発進を、停車レン
ジから自動変速レンジへのシフト操作時と同様に行って
自動変速機付き車両の運転性を大幅に向上させることが
できるのである。
【0015】また、第3の発明は、エンジンブレーキ用
摩擦締結要素への圧油の供給を、フォワードクラッチの
締結に必要な所定時間だけ規制することで、油量収支の
悪い発進直後でもフォワードクラッチの締結に必要な油
量を確実に確保でき、締結動作を完全かつ迅速に行っ
て、クラッチの滑りなどを防いで確実な発進動作を行う
ことができ、その後、エンジンブレーキ用摩擦締結要素
へ圧油を供給してエンジンブレーキの作動を可能にし、
停車レンジからエンブレ用変速レンジまたはマニュアル
モードへシフト操作を行った直後の発進を、停車レンジ
から自動変速レンジへのシフト操作時と同様に行って自
動変速機付き車両の運転性を大幅に向上させることがで
きるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0017】図1〜図3は、前記後者の従来例にマニュ
アルモードを付加した場合に、本発明を適用した一例を
示す。
【0018】まず、図1は自動変速機の概略を示してお
り、入力軸2はロックアップクラッチ3Lを備えたトル
クコンバータ3を介して図示しないエンジンの出力軸1
と連結しており、入力軸2と自動変速機の出力軸6の間
には、第1遊星歯車機構4、第2遊星歯車5を主体とし
て構成され、これら第1及び第2遊星歯車4、5の動力
伝達経路を切り換える摩擦締結要素として、ローアンド
リバースブレーキL&R/B(エンジンブレーキ用摩擦
締結要素)、オーバーランクラッチOVR/C(エンジ
ンブレーキ用摩擦締結要素)等が後述するように配設さ
れている。
【0019】なお、第1遊星歯車4は、サンギヤ4S、
リングギヤ4Rと歯合するピニオン4Pを回転可能かつ
公転可能に支持するキャリア4Cからなる単純遊星歯車
とし、第2遊星歯車5も、同様にサンギヤ5S、リング
ギヤ5Rと歯合するピニオン5Pを回転可能かつ公転可
能に支持するキャリア5Cからなる単純遊星歯車として
構成される。
【0020】まず、第1遊星歯車4のキャリア4Cはハ
イクラッチH/Cを介して入力軸2と選択的に締結さ
れ、サンギヤ4SはバンドブレーキB/Bを介して選択
的に固定可能となるとともに、リバースクラッチR/C
を介して選択的に入力軸2へ締結される。
【0021】さらに、キャリア4Cには、選択的にケー
シング側に固定するローアンドリバースブレーキL&R
/Bが配設されるとともに、加速時のみ入力軸2側から
出力軸6側へ動力を伝達する一方、出力軸6側から入力
軸2側への動力伝達を阻止するローワンウェイクラッチ
LO/Cが介装される。そして、キャリア4Cはハイク
ラッチH/Cを介して選択的に入力軸2と締結される。
【0022】リングギヤ4Rはキャリア5Cと一体的に
結合されるとともに出力軸6と連結される。
【0023】そして、第2遊星歯車5のサンギヤ5Sは
入力軸2と結合され、リングギヤ5Rはオーバーランク
ラッチOVR/Cを介して選択的にキャリア4C側と締
結するとともに、フォワードワンウェイクラッチFO/
C及びフォワードクラッチF/Cを配設して、フォワー
ドクラッチF/Cの締結時には、フォワードワンウェイ
クラッチFO/Cが作動して、加速時のみ入力軸2側か
ら出力軸6側へ動力の伝達を行う一方、出力軸6側から
入力軸2側への動力伝達を阻止する。
【0024】上記摩擦締結要素のうち、ハイクラッチH
/Cは3速以上のときに締結され、バンドブレーキB/
Bは2速以上のときに締結される。
【0025】ここで、上記自動変速機への指令を従来の
シフトゲートまたはシフトスイッチと同様に構成した場
合、自動変速モードでDレンジ(自動変速レンジ)の1
速(以下、D1)では、前記従来例と同様に、エンジン
ブレーキの作動を防止するため入力軸2から出力軸6側
へのみ動力伝達を行う一方、自動変速モードの2速レン
ジと1速固定レンジ(エンブレ用変速レンジ)は、エン
ジンブレーキを作動させるべく、出力軸6から入力軸2
側へも動力を伝達するよう各締結要素を次表のように作
動させる。
【0026】
【表1】
【0027】すなわち、図1において、Dレンジの1速
D1では、フォワードクラッチF/Cのみが締結され、
加速状態のときのみローワンウェイクラッチLO/C及
びフォワードワンウェイクラッチFO/Cを介して第2
遊星歯車5のリングギヤ5Rが固定され、入力軸2と結
合したサンギヤ5Sからピニオン5Pを軸支するキャリ
ア5Cを介して出力軸6へ駆動力が伝達される。
【0028】減速状態、すなわち、出力軸6側から駆動
力が入力された場合、フォワードワンウェイクラッチF
O/C、ローワンウェイクラッチLO/Cは空転するた
め、リングギヤ5Rがキャリア5Cに応じて回転し、入
力軸2側への動力伝達は行われず、エンジンブレーキは
作動しない。
【0029】一方、1速固定レンジ(表中「1」)及び
2速レンジ(表中「2」)では、オーバーランクラッチ
OVR/Cが締結されるため、加減速状態にかかわらず
リングギヤ5が固定されるため、上記自動変速モードの
Dレンジの1速と同様に入力軸2から出力軸6へエンジ
ンの駆動力を伝達するとともに、減速状態ではキャリア
5C、ピニオン5Pを介して出力軸6から入力軸2への
動力伝達を行って、エンジンブレーキを作動させること
ができる。
【0030】ここで、上記のような自動変速モードにお
ける変速制御を行う変速制御装置の概略図を図2に示
し、これらを参照しながら以下に詳述する。
【0031】1速における締結要素の制御は、図2にお
いて、マニュアルバルブ17、第1及び第2シフトバル
ブ(SFTA.V、SFTB.V)10、11(変速
弁)、オーバーランクラッチコントロールバルブ(OV
R/C.CONT.V)12、オーバーランクラッチレ
デューシングバルブ(OVR/C.RED.V)13、
ファーストレデューシングバルブ(1ST RED.
V)14及びシャトルシフトバルブ15と、第1及び第
2シフトバルブ10、11へ信号圧PsolA,PsolBを供
給する第1及び第2シフトソレノイド20、21と、オ
ーバーランクラッチコントロールバルブ12へ信号圧P
solOVRを供給するオーバーランクラッチソレノイド22
を主体に構成される。なお、第1及び第2シフトソレノ
イド20、21及びオーバーランクラッチソレノイド2
2は、コントローラ70からの信号が「OFF」のとき
に開弁して各信号圧を上昇させる一方、コントローラ7
0からの信号が「ON」のときに閉弁して各信号圧を減
少させる。
【0032】まず、マニュアルバルブ17は、従来のシ
フトゲートまたはシフトスイッチと同様に、自動変速モ
ードのDレンジに2速レンジと1速固定レンジを備えた
ものである。シフトレバーのシフト位置(Pos)に応
じてライン圧回路30と連通したライン圧ポート17L
から各回路へライン圧を供給するもので、シフトレバー
93の位置と各ポート17D、17 I 、17 II 、1
7Rへの連通状態の関係は次の表2のように設定され
る。
【0033】
【表2】
【0034】なお、図2ではシフトレバーで1速固定レ
ンジを選択した場合を示し、この1速固定レンジではラ
イン圧ポート17Lから供給されたライン圧PLが、ポ
ート17Dを介してDレンジ圧回路32と、ポート17
II を介して2レンジ圧回路33(P2)と、ポート1
7 I を介して1レンジ圧回路34(P1)へそれぞれ
供給される。
【0035】また、第1及び第2シフトソレノイド2
0、21は、シフトレバーが設定した変速段に応じてコ
ントローラ70が出力するONまたはOFFの信号によ
って信号圧PsolA、PsolBを次表のように変化
させ、第1及び第2シフトバルブ10、11を制御して
各締結要素の締結、解放により変速段の設定を行う。
【0036】
【表3】
【0037】変速段が1速のときには第1及び第2シフ
トソレノイド20、21が共にONとなって、1レンジ
圧回路34をシャトルバルブ16に連通させて、油路6
1を介して1レンジ圧P1をローアンドリバースブレー
キL&R/Bへ導く。
【0038】油路61にはコントローラ70によって後
述するように制御される遮断ソレノイドバルブ71が介
装され、遮断ソレノイドバルブ71への信号がOFFの
ときには、油路61とローアンドリバースブレーキL&
R/Bが連通する一方、信号がONのときには油路61
が遮断されてローアンドリバースブレーキL&R/Bへ
の圧油の供給が遮断される。
【0039】次に、オーバーランクラッチコントロール
バルブ12へ信号圧PsolOVまたはPpを供給する
シャトルシフトバルブ15のスプールには、スプリング
に付勢される一端へ2レンジ圧回路33が連通して2レ
ンジ圧P2またはP1が導かれる一方、他端にはDレン
ジ圧回路32が連通し、2速レンジまたは1速固定レン
ジのときには信号圧PsolOVRを、Dレンジの場合には信
号圧Ppをオーバーランクラッチコントロールバルブ1
2へ供給する。そして、シャトルシフトバルブ15を介
してオーバーランクラッチコントロールバルブ12を制
御するオーバーランクラッチソレノイド22は、選択し
た変速レンジに応じてON、OFFが次表のように決定
される。
【0040】
【表4】
【0041】コントローラ70に駆動される、オーバー
ランクラッチソレノイド22は、パイロット圧回路31
からのパイロット圧Ppを調圧して信号圧PsolOV
Rをシャトルシフトバルブ15に供給するもので、オー
バーランクラッチソレノイド22がOFFのときには信
号圧PsolOVRが発生する一方、ONのときには信
号圧は発生せず、2速レンジまたは1速固定レンジのと
きには、シャトルシフトバルブ15に2レンジ圧回路3
3からの2レンジ圧P2またはP1が供給されるため、
信号圧PsolOVRに応じてオーバーランクラッチコ
ントロールバルブ12が作動して、Dレンジ圧回路32
からの圧油がオーバーランクラッチレデューシングバル
ブ13を介して油路57へ供給される。
【0042】油路57にはコントローラ70によって後
述するように制御される遮断ソレノイドバルブ71が介
装され、遮断ソレノイドバルブ72への信号がOFFの
ときには、油路57とオーバーランクラッチOVR/C
が連通する一方、信号がONのときには油路57が遮断
されてオーバーランクラッチOVR/Cへの圧油の供給
が遮断される。
【0043】なお、オーバーランクラッチレデューシン
グバルブ13は、1レンジ圧P1または2レンジ圧P2
が発生したとき、すなわち、1速固定レンジまたは2速
レンジが選択されたときに、オーバーランクラッチコン
トロールバルブ12へ供給されるDレンジ圧回路32か
らの圧油PDを油路57へ供給する。
【0044】次に、コントローラ70で行われる制御の
一例について、図3のフローチャートを参照しながら説
明する。
【0045】ステップS1では、図示しないシフトスイ
ッチまたはインヒビタースイッチからシフト位置Pos
を読み込んで、ステップS2で停車レンジとしてのNレ
ンジから1速固定レンジまたは2速レンジへのシフト操
作が行われたか否かを判定する。
【0046】Nレンジから1速固定レンジまたは2速レ
ンジへのシフト操作が行われた場合では、ステップS3
以降の処理へ進む一方、そうでない場合ではそのまま処
理を終了する。
【0047】ステップS3では、遮断ソレノイドバルブ
71、72への信号をONにして、油路57、61から
ローアンドリバースブレーキL&R/B、オーバーラン
クラッチOVR/Cへの圧油の供給を遮断する。
【0048】次に、ステップS4では所定時間tdが経
過したか否を判定する。この所定時間tdは、フォワー
ドクラッチF/Cの締結に必要な油圧が供給される時間
に設定される。
【0049】そして、所定時間tdが経過すると、ステ
ップS5で、遮断ソレノイドバルブ71、72への信号
をOFFにして、油路57、61とローアンドリバース
ブレーキL&R/B、オーバーランクラッチOVR/C
を連通させて圧油の供給を開始して処理を終了する。
【0050】したがって、Nレンジから1速固定レンジ
または2速固定レンジへのシフトが行われた場合には、
図4に示すように、時間t0から所定時間tdが経過す
る時間t1までの間は、ローアンドリバースブレーキL
&R/BとオーバーランクラッチOVR/Cへの圧油の
供給が遮断されるため、NレンジからDレンジへシフト
操作を行ったときと同様に、Dレンジ圧回路32からフ
ォワードクラッチF/Cのみへ圧油の供給が行われ、フ
ォワードクラッチF/Cの締結は、Dレンジへシフト操
作を行った場合と同等の時間t1までに完了し、前記従
来例のような遅れ(Δt1)が発生するのを防止でき
る。
【0051】そして、フォワードクラッチF/Cの締結
が完了した所定時間td経過後の時間t1からローアン
ドリバースブレーキL&R/B、オーバーランクラッチ
OVR/Cへの圧油の供給が開始されることになり、前
記従来例の図8に示したように、Nレンジからのシフト
操作直後で、油量収支の悪い状態でありながらフォワー
ドクラッチF/Cの締結が遅延するのを防いで、フォワ
ードクラッチF/Cの締結を迅速に行うことでクラッチ
の滑りなどを防いで確実な発進動作を行うことができ、
Nレンジから1速固定レンジまたは2速レンジへシフト
操作を行った直後の発進を、NレンジからDレンジへの
シフト操作時と同様に行って自動変速機付き車両の運転
性を大幅に向上させることができるのである。
【0052】ここで、ローアンドリバースブレーキL&
R/BとオーバーランクラッチOVR/Cへの圧油の供
給開始は、フォワードクラッチF/Cの締結が完了した
時間t1以降となるが、発進時にはこれと並列に設けら
れたLO/C、FO/Cにより動力が伝達されるので、
発進後にこれら締結要素の締結を行っても問題が生じる
ことはない。
【0053】図5は第2の実施形態を示し、前記第1実
施形態では、油路57、61に遮断ソレノイドバルブ7
1、72を介装したが、これら、遮断ソレノイドバルブ
71、72を設けない場合では、図5に示すように、オ
ーバーランクラッチソレノイド22がONからOFFへ
変化するタイミングを、上記第1実施形態と同様に所定
時間tdだけ遅延させる。
【0054】したがって、Nレンジから1速固定レンジ
または2速レンジへのシフト操作直後の発進時には、時
間t0からフォワードクラッチF/Cとローアンドリバ
ースブレーキL&R/Bへの圧油の供給が行われ、オー
バーランクラッチOVR/Cへの圧油の供給開始は、所
定時間tdが経過した時間t1以降となるため、オーバ
ーランクラッチOVR/Cへの供給量相当分だけ油量収
支を改善して、前記従来例に比してフォワードクラッチ
F/Cの締結を迅速に行うことができるとともに、遮断
ソレノイドバルブ71、72を省略することで変速制御
装置の構成を簡易にすることができる。
【0055】図6は、第3の実施形態を示し、前記第1
実施形態のシャトルシフトバルブ15を廃止して、オー
バーランクラッチコントロールバルブ12をオーバーラ
ンクラッチソレノイド22で駆動するとともに、オーバ
ーランクラッチOVR/Cの元圧とローアンドリバース
ブレーキL&R/Bの元圧を共通にして、図9に示した
ようなシフトゲート92によって、マニュアルモードを
付加したものである。
【0056】図6において、Dレンジ圧回路32から圧
油の供給を受けるオーバーランクラッチコントロールバ
ルブ12からの出力は、油路54を介してオーバーラン
クラッチレデューシングバルブ13へ供給されるのに加
えて、油路54に接続された油路55を介してファース
トレデューシングバルブ14へ供給され、オーバーラン
クラッチOVR/CとローアンドリバースブレーキL&
R/Bの元圧は共通となる。
【0057】したがって、Dレンジにおいてもオーバー
ランクラッチソレノイド22を駆動することにより、オ
ーバーランクラッチOVR/C及びローアンドリバース
ブレーキL&R/Bを締結してエンジンブレーキを作動
させることが可能となるのである。
【0058】ここで、図9に示すようなシフトゲート9
2を用いて、マニュアルモードを付加する場合、マニュ
アルモードを選択したときのマニュアルバルブ17の位
置は、図2のDレンジに相当し、ライン圧PLはDレン
ジ圧回路32のみへ供給される。
【0059】そこで、オーバーランクラッチOVR/C
の元圧とローアンドリバースブレーキL&R/Bの元圧
共通にするとともに、この元圧をオーバーランクラッ
チソレノイド22によって制御することで、マニュアル
モードの各変速段でエンジンブレーキを作動させること
ができる。
【0060】一方、このようなマニュアルモードを付加
した場合でも、前記従来例と同様に、Nレンジから自動
変速モードの1速固定レンジ、2速レンジやマニュアル
モードへシフト操作を行った直後に発進する場合、エン
ジン回転数が低く油量収支が悪い状態であるためフォワ
ードクラッチF/Cの締結が遅れてクラッチの滑りなど
が発生する場合がある。
【0061】そこで、図7に示すように、Nレンジから
1速固定、2速レンジまたはマニュアルモードの任意の
変速段へシフト操作が行われた場合、オーバーランクラ
ッチソレノイド22がONからOFFへ変化するタイミ
ングを、上記実施形態と同様に所定時間tdだけ遅延さ
せることで、Nレンジから1速固定レンジ、2速レンジ
マニュアルモードへのシフト操作直後の発進時には、前
記第1実施形態と同様に、フォワードクラッチF/Cの
みへ圧油の供給が行われ、ローアンドリバースブレーキ
L&R/BとオーバーランクラッチOVR/Cへの圧油
の供給開始は時間t1以降となるため、油量収支が悪い
発進時であってもフォワードクラッチF/Cの締結をD
レンジへのシフト操作時と同様に行うことが可能となっ
て、マニュアルモードを備えた自動変速機の運転性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す自動変速機の概略構
成図。
【図2】同じく、変速制御装置の概念図。
【図3】同じく、Nレンジから1速固定レンジまたは2
速レンジへの変速の様子を示すグラフで、フォワードク
ラッチF/C、オーバーランクラッチOVR/C及びロ
ーアンドリバースブレーキL&R/Bの各油圧、遮断ソ
レノイドバルブの信号状態と時間の関係を示すグラフで
ある。
【図4】コントローラで行われる制御の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図5】第2の実施形態を示し、Nレンジから1速固定
レンジまたは2速レンジへの変速の様子を示すグラフ
で、フォワードクラッチF/C、オーバーランクラッチ
OVR/C及びローアンドリバースブレーキL&R/B
の各油圧、オーバーランクラッチソレノイドの信号状態
と時間の関係を示すグラフである。
【図6】第3の実施形態を示し、変速制御装置の概念
図。
【図7】同じく、Nレンジから1速固定レンジ、2速レ
ンジまたはマニュアルモードへの変速の様子を示すグラ
フで、フォワードクラッチF/C、オーバーランクラッ
チOVR/C及びローアンドリバースブレーキL&R/
Bの各油圧、オーバーランクラッチソレノイドの信号状
態と時間の関係を示すグラフである。
【図8】従来例を示し、Nレンジから1速固定レンジま
たは2速レンジへの変速の様子を示すグラフで、フォワ
ードクラッチF/C、オーバーランクラッチOVR/C
及びローアンドリバースブレーキL&R/Bの各油圧と
時間の関係を示すグラフである。
【図9】マニュアルモードを備えた自動変速機のシフト
ゲートの概略図。
【符号の説明】
L&R/B ローアンドリバースブレーキ OVR/C オーバーランクラッチ F/C フォワードクラッチ 10 第1シフトバルブ(SFTVA) 11 第2シフトバルブ(SFTVB) 12 オーバーランクラッチコントロールバルブ(OV
R/C CNT.V) 13 オーバーランクラッチレデューシングバルブ(O
VR/C RED.V) 14 ファーストレデューシングバルブ(1stRE
D.V) 15 シャトルシフトバルブ 17 マニュアルバルブ 20 第1シフトソレノイド(Asol) 21 第2シフトソレノイド(Bsol) 22 オーバーランクラッチソレノイド(OVR/Cs
ol) 30 ライン圧回路 31 パイロット圧回路 32 Dレンジ圧回路 33 2レンジ圧回路 34 1レンジ圧回路 70 コントローラ 71、72 遮断ソレノイドバルブ 92 シフトゲート 93 シフトレバー 94 アップスイッチ 95 ダウンスイッチ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速レンジとエンジンブレーキを作
    動させるエンブレ用変速レンジ及び停車レンジとを備え
    て運転状態または運転操作に応じて変速段の設定を行う
    変速指令手段と、 締結時にはエンジンブレーキを作動させる一方、解放時
    にはエンジンブレーキの作動を禁止するエンジンブレー
    キ用摩擦締結要素と、 少なくとも1速を含む前進時に締結されるフォワードク
    ラッチと、 前記設定された変速段に応じて各変速段毎に予め設定さ
    れた摩擦締結要素の締結、解除を油圧によって行う変速
    制御手段を備えた自動変速機の変速制御装置において、 前記変速制御手段は、変速指令手段が停車レンジから自
    動変速レンジを選択した場合には、前記フォワードクラ
    ッチのみを締結するよう圧油を供給し、変速指令手段が
    停車レンジからエンブレ用変速レンジを選択した場合に
    は、前記フォワードクラッチ及びエンジンブレーキ用摩
    擦締結要素の両方を締結するとともに前記エンジンブレ
    ーキ用摩擦締結要素に優先してフォワードクラッチへ圧
    油を供給することを特徴とする自動変速機の変速制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記変速指令手段は、自動変速モードに
    加えてマニュアルモードを備え、前記変速制御手段は、
    変速指令手段が停車レンジからマニュアルモードを選択
    した場合に、前記エンジンブレーキ用摩擦締結要素に優
    先してフォワードクラッチへ圧油を供給することを特徴
    とする請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記変速制御手段は、フォワードクラッ
    チの締結が完了する所定時間だけエンジンブレーキ用摩
    擦締結要素への圧油の供給を規制する遅延手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動
    変速機の変速制御装置。
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