JPH06185604A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH06185604A
JPH06185604A JP4354555A JP35455592A JPH06185604A JP H06185604 A JPH06185604 A JP H06185604A JP 4354555 A JP4354555 A JP 4354555A JP 35455592 A JP35455592 A JP 35455592A JP H06185604 A JPH06185604 A JP H06185604A
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JP
Japan
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shift
transmission
gear
main transmission
main
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JP4354555A
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Inventor
Minoru Kuriyama
実 栗山
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主変速機と副変速機とを有し、かつ、加速時
等のエンジン負荷の変化時にその変化率が大きいほど主
変速機の変速時間を短くするように制御される自動変速
機において、上記主変速機と副変速機とでギヤ比の変化
が逆方向の変速動作が同時に行われる変速時に、副変速
機の変速動作の終了が主変速機の変速動作の終了よりも
遅れることによる変速ショックの発生を防止する。 【構成】 主変速機20と副変速機30とでギヤ比の変
化が逆方向の変速動作が同時に行われる3−2トルクデ
ィマンド変速時に、スロットル開度変化率Δθが大きい
ほど副変速機30の変速動作の開始を早めると共に、該
変化率Δθが所定値A以上では副変速機30の変速動作
を主変速機20の変速動作に先立って開始させるコント
ローラ60を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車に搭載される自動
変速機、特に主変速機と副変速機とを有し、所定の変速
時にこれらの変速機でギヤ比の変化が逆方向の変速動作
が同時に行われるようになっている自動変速機の変速制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータと変速歯車機構とを連
結し、この変速歯車機構の動力伝達経路を複数の摩擦要
素の選択的締結によって切り換えることにより、変速段
を自動的に切り換えるようにした自動変速機において
は、上記変速歯車機構を主変速機と副変速機とで構成
し、主変速機で変速が行われた出力をさらに副変速機で
変速させることにより、変速段の多段化を図ることが行
われている。
【0003】その場合、例えば、主変速機に低速段、中
速段及び高速段の3つの変速段を設定すると共に、これ
らの変速段のそれぞれに副変速機の低速段または高速段
を組み合わせるように構成されることがある。このよう
な構成によれば、例えば変速機全体としての変速がシフ
トアップ変速の場合に、主変速機においては低速段から
中速段へ或は中変速段から高速段へのシフトアップ動作
が行われるが、これと同時に副変速機においては高速段
から低速段へのシフトダウン動作が行われる場合が生
じ、同様に、変速機全体としての変速がシフトダウン変
速の場合に、主変速機において高速段から中速段へ或は
中速段から低速段へのシフトダウン動作が行われるが、
これと同時に副変速機においては低速段から高速段への
シフトアップ動作が行われる場合が生じる。
【0004】そして、このように主変速機と副変速機と
でギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に行われる場
合、特に副変速機側で変速機全体としての変速方向と逆
方向の変速動作が行われる場合に、この変速を円滑に行
わせるためには、副変速機における変速動作を主変速機
の変速動作の終了前に終了させることが重要となる。
【0005】つまり、例えば主変速機側でシフトダウン
動作が、副変速機側でシフトアップ動作がそれぞれ行わ
れて、変速機全体としての変速段がシフトダウンされる
場合に、図6に示すように、副変速機のシフトアップ動
作の終了が主変速機のシフトダウン動作の終了よりも遅
れると、変速機全体としての変速がシフトダウン変速で
あるにも拘らず、その変速動作の終了直前に一時的にシ
フトアップ動作が行われることになり、このとき、矢印
aで示すように、出力トルクが大きく変動し、不快な変
速ショックが発生することになるのである。
【0006】この問題は、主変速機側でシフトアップ動
作が、副変速機側でシフトダウン動作が行われて、変速
機全体としての変速段がシフトアップされる場合におい
て、副変速機のシフトダウン動作の終了が主変速機のシ
フトアップ動作の終了よりも遅れる場合にも同様に起こ
り得る。
【0007】このような問題に対しては、例えば特開昭
61−99753号公報によれば、変速機全体としてシ
フトダウン変速を行う場合に、主変速機がローギヤシフ
トへの回転数変化を行っている間に、副変速機のハイギ
ヤシフトへの回転数変化を開始させ、かつ終了させるよ
うにしたものが開示されている。これによれば、上記の
ように、変速機全体としてのシフトダウン変速の終了直
前に一時的にシフトアップ動作が行われ、或は変速機全
体としてのシフトアップ変速の終了直前に一時的にシフ
トダウン動作が行われて、大きな変速ショックが発生す
るという不具合の解消が期待できることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に主変速機の変速動作中に、副変速機の変速動作を開
始、完了させようとする場合、主変速機における変速動
作に伴うギヤ比の変化に対して所定のタイミングで副変
速機のギヤ比が変化するように、つまり、主変速機のギ
ヤ比進度に副変速機のギヤ比進度が適合するように、該
副変速機のギヤ比進度をフィードバック制御することに
なる。
【0009】この制御は、具体的には、副変速機のギヤ
比進度があらかじめ設定された主変速機のギヤ比進度に
適合した特性に従って推移するように、該副変速機にお
ける摩擦要素に対する締結圧の供給もしくは排出の速度
をコントロールすることにより行われるのであるが、こ
の場合、次のような新たな問題の発生が考えられるので
ある。
【0010】つまり、まず、主変速機における変速動作
の速度は必ずしも一定ではなく、エンジン負荷の増大に
伴うシフトダウン変速時のように、急加速が要求される
場合には、その要求度合いに応じて変速時間が短くされ
るのであり、この場合、副変速機の変速動作が主変速機
の変速動作に対して遅れぎみとなる。そして、特にこの
傾向は、主変速機側の変速動作が摩擦要素に供給されて
いた締結圧を排出する動作であり、副変速機側の変速動
作が摩擦要素に締結圧を供給する動作である場合に、後
者の変速動作は応答後れが生じ易いために一層顕著とな
り、これによって副変速機の変速動作の終了が主変速機
の変速動作の終了よりも遅れ、上記のような大きな変速
ショックが発生することになるのである。
【0011】そこで、本発明は、主変速機と副変速機と
でギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に行われる変
速時に、副変速機の変速動作の終了が主変速機の変速動
作の終了よりも遅れることを確実に回避し、もって、当
該変速時に、その変速動作を常に円滑に行わせるように
することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る自動変速機の変速制御装置は、次のよ
うに構成したことを特徴とする。
【0013】まず、本願の請求項1に係る発明(以下、
第1発明という)は、主変速機と副変速機とを有し、か
つ所定変速時に主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が
逆方向の変速動作が同時に行われる自動変速機におい
て、エンジン負荷の変化率を検出するエンジン負荷変化
率検出手段と、上記所定変速時に、副変速機の変速動作
を主変速機の変速動作よりも遅らせて開始させる変速制
御手段と、同じく所定変速時に、エンジン負荷の変化率
が大きいほど、主変速機の変速時間を短くし、かつ副変
速機の変速動作の開始を早くする変速制御補正手段とを
設けたことを特徴とする。
【0014】また、請求項2に係る発明(以下、第2発
明という)は、上記第1発明と同様の自動変速機におい
て、エンジン負荷の変化率を検出するエンジン負荷変化
率検出手段と、所定変速時に副変速機の変速動作を主変
速機の変速動作よりも遅らせて開始させる変速制御手段
とを備えると共に、この所定変速時に、エンジン負荷の
変化率が大きいほど、主変速機の変速時間を短くし、か
つ副変速機の変速動作の開始を早くする一方、該変化率
が所定値以上では、副変速機の変速動作を主変速機の変
速動作よりも早く開始させる変速制御補正手段を設けた
ことを特徴とする。
【0015】さらに、請求項3に係る発明(以下、第3
発明という)は、上記第1、第2発明が対象とする主変
速機と副変速機とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作が
同時に行われる所定の変速を、主変速機における所定の
摩擦要素からの締結圧の排出と、副変速機における所定
の摩擦要素への締結圧の供給とが行われる変速に特定し
たことを特徴とするものである。
【0016】そして、請求項4に係る発明(以下、第4
発明という)は、 同じく所定の変速を、エンジン負
荷の増大に伴うシフトダウン変速であって、主変速機が
シフトダウン方向、副変速機がシフトアップ方向にそれ
ぞれ変速動作を行うものに特定したことを特徴とするも
のである。
【0017】
【作用】上記の構成により、本発明によれば次のような
作用が得られる。
【0018】まず、第1、2発明によれば、主変速機と
副変速機とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に
行われる所定の変速時に、通常は、変速制御手段によ
り、副変速機の変速動作の終了が主変速機の変速動作よ
り遅くならない範囲で、該副変速機の変速動作が主変速
機の変速動作の開始よりも遅らせて開始されることにな
る。したがって、副変速機の変速動作は、主変速機の変
速動作中に開始し、かつ終了することになる。
【0019】一方、エンジン負荷の変化率が大きく、こ
れに伴って主変速機の変速時間が短くなるため、変速動
作の応答遅れにより副変速機の変速動作の終了が主変速
機の変速動作の終了よりも遅くなり、そのため、変速機
全体としての変速動作の終了直前に一時的にギヤ比が逆
方向に変化する恐れがある場合には、変速制御補正手段
が、そのときのエンジン負荷の変化率の大きさに応じて
副変速機の変速動作の開始を早くするのである。したが
って、このような場合にも、副変速機の変速動作の終了
が主変速機の変速動作の終了よりも遅くなることはな
く、これにより、上記のようなギヤ比の変化方向の逆転
による変速ショックの発生が防止されることになる。
【0020】また、第2発明によれば、エンジン負荷の
変化率がさらに大きく、所定値以上となったときに、変
速制御補正手段は、変速制御手段の動作にかかわらず、
副変速機の変速動作を主変速機の変速動作よりも早く開
始させるのであり、したがって、このようなエンジン負
荷の急変化時にも、副変速機の変速動作の終了が主変速
機の変速動作の終了よりも遅くなることが回避されるこ
とになる。
【0021】そして、第3発明によれば、特に副変速機
の変速動作の応答遅れが生じやすい場合、すなわち、該
副変速機における変速動作が所定の摩擦要素に対する締
結圧の供給によって行われる場合に、上記第1、第2発
明の作用が実現されることになる。
【0022】また、第4発明によれば、エンジン負荷の
増大に伴うシフトダウン変速時、つまり急加速要求時で
あって主変速機の変速時間が短くなるため、上記第3発
明と同様に、副変速機の変速動作の応答遅れが生じやす
くなる場合に、上記第1、第2発明の作用が実現される
ことになる。したがって、これらの場合にも、副変速機
の変速動作の終了が主変速機の変速動作の終了よりも遅
れることによる変速ショックの発生が防止されることに
なる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0024】まず、図1によりこの実施例に係る自動変
速機の構造を説明すると、この自動変速機1は、トルク
コンバータ10と、該トルクコンバータ10と同一軸線
上に配置された主変速機20と、これらの軸線と平行な
軸線上に配置された副変速機30とを有する。
【0025】上記トルクコンバータ10は、エンジン出
力軸2に連結されたケース11に一体のポンプ12と、
該ポンプ12に対向配置されて該ポンプ12により作動
油を介して駆動されるタービン13と、該ポンプ12と
タービン13との間に配置され、かつ、ワンウエィクラ
ッチ14を介して変速機ケース3に支持されたステータ
15と、上記タービン13に連結されたコンバータ出力
軸16と、上記ケース11を介して該出力軸16をエン
ジン出力軸2に直結するロックアップクラッチ17とで
構成されている。
【0026】なお、トルクコンバータ10と主変速機2
0との間には、該トルクコンバータ10を介してエンジ
ン出力軸2に駆動されるオイルポンプ4が配置されてい
る。
【0027】上記主変速機20は、コンバータ出力軸1
6上における該トルクコンバータ側に配置されたフロン
ト遊星歯車機構21と、反トルクコンバータ側に配置さ
れたリヤ遊星歯車機構22とを有する。そして、上記コ
ンバータ出力軸16が、前進クラッチ23を介してフロ
ント遊星歯車機構21のサンギヤ21aに、また、直結
クラッチ24を介してリヤ遊星歯車機構22のサンギヤ
22aにそれぞれ結合されるようになっていると共に、
フロント遊星歯車機構21のサンギヤ21aとリヤ遊星
歯車機構22のリングギヤ22bとが結合されている。
【0028】また、フロント遊星歯車機構21のリング
ギヤ21bと変速機ケース3との間には、第1ワンウエ
ィクラッチ25とローリバースブレーキ26とが並列に
配置されていると共に、リヤ遊星歯車機構22のサンギ
ヤ22aと変速機ケース3との間には、第2ワンウエィ
クラッチ27と3−4ブレーキ28とが直列に配置さ
れ、かつ、これらに並列にエンジンブレーキ用のコース
トブレーキ29が配置されている。そして、フロント遊
星歯車機構21及びリヤ遊星歯車機構22のピニオンキ
ャリヤ21c,22cが結合され、これらに主変速機2
0から副変速機30へ動力を伝達する中間ギヤ5が連結
されている。
【0029】このような構成により、この主変速機20
によれば、前進の低速段、中速段及び高速段と後退段と
が得られる。
【0030】つまり、まず、前進クラッチ23のみを締
結した状態では、トルクコンバータ出力軸16からの動
力がフロント遊星歯車機構21のサンギヤ21aに入力
されると共に、リングギヤ21bが第1ワンウエィクラ
ッチ25を介してケース3に固定されるので、該フロン
ト遊星歯車機構21のピニオンキャリヤ21cから中間
ギヤ5に上記トルクコンバータ出力軸16の回転が大き
な減速比で減速されて出力されることになり、これによ
り変速段が低速段となる。
【0031】また、この低速段の状態から3−4ブレー
キ28が締結されると、第2ワンウェイクラッチ27を
介してリヤ遊星歯車機構22のサンギヤ22aが固定さ
れることにより、コンバータ出力軸16から前進クラッ
チ23及びフロント遊星歯車機構21のサンギヤ21a
を介してリヤ遊星歯車機構22のリングギヤ22bに入
力される動力は、該リヤ遊星歯車機構22で上記低速段
の減速比よりも小さな減速比で減速されてピニオンキャ
リヤ22cから中間ギヤ5に出力されることになり、こ
れにより変速段が中速段となる。
【0032】そして、この中速段の状態から直結クラッ
チ24が締結されると、コンバータ出力軸16からの動
力は、前進クラッチ23及びフロント遊星歯車機構21
のサンギヤ21aを介してリヤ遊星歯車機構22のリン
グギヤ22bに入力されると同時に、上記直結クラッチ
24を介して該リヤ遊星歯車機構22のサンギヤ22a
にも入力されることになる。したがって、該リヤ遊星歯
車機構22は全体が一体回転することになって、ピニオ
ンキャリヤ22cから中間ギヤ5にコンバータ出力軸1
6の回転と等しい回転が出力され、これにより変速段が
高速段(直結段)となる。
【0033】さらに、直結クラッチ24とローリバース
ブレーキ26のみが締結された状態では、コンバータ出
力軸16からの動力はリヤ遊星歯車機構22のサンギヤ
22aに入力される一方において、フロント遊星歯車機
構21のリングギヤ21bが固定されることにより、両
遊星歯車機構21,22のピニオンキャリヤ21c,2
2cから中間ギヤ5に上記コンバータ出力軸16の回転
が逆転されて出力され、これにより後退段が得られるこ
とになる。
【0034】なお、低速段及び中速段での減速時には、
上記第1、第2ワンウエィクラッチ25,27がそれぞ
れ空転してエンジンブレーキが作動しないことになる
が、エンジンブレーキ用のレンジにおいては、低速段で
は第1ワンウエィクラッチ25に並列のローリバースブ
レーキ26が締結されることにより、また、中速段では
第2ワンウエィクラッチ27に並列のコーストブレーキ
29が締結されることにより、それぞれエンジンブレー
キが作動する低速段及び中速段が得られる。
【0035】一方、副変速機30は単一の遊星歯車機構
31を有し、上記主変速機20における中間ギヤ5に常
時噛み合った中間ギヤ6が該遊星歯車機構31のリング
ギヤ31aに連結されていると共に、該リングギヤ31
aとサンギヤ31bとの間には直結クラッチ32が配置
され、かつ、サンギヤ31bと変速機ケース3との間に
は、第3ワンウエィクラッチ33と減速ブレーキ34と
が並列に配置されている。そして、該遊星歯車機構31
のピニオンキャリヤ31cに出力ギヤ7が連結され、該
ギヤ7から差動装置を介して左右の駆動輪(図示せず)
に動力が伝達されるようになっている。
【0036】この副変速機30は、主変速機20から中
間ギヤ5,6を介して入力される動力を低速段と高速段
の前進2段に変速して出力ギヤ7に出力することができ
るようになっている。
【0037】つまり、直結クラッチ32が解放されてい
る状態では、第3ワンウェイクラッチ33もしくは減速
ブレーキ34によって遊星歯車機構31のサンギヤ31
bが固定されることにより、該遊星歯車機構31のリン
グギヤ31aに入力される中間ギヤ6からの動力が減速
されてピニオンキャリヤ31cから出力ギヤ7に出力さ
れ、これにより変速段が低速段となる。その場合に、上
記減速ブレーキ34が締結されておれば、この副変速機
30の単体として、エンジンブレーキが作動することに
なる。
【0038】また、上記直結クラッチ32が締結され、
かつ、減速ブレーキ34が解放されておれば、該遊星歯
車機構31のリングギヤ31aとサンギヤ31bとが結
合されることにより、上記中間ギヤ6からの動力がピニ
オンキャリヤ31cからそのまま出力ギヤ7に出力さ
れ、これにより変速段が高速段(直結段)となる。
【0039】このようにして、主変速機20によって前
進3段、後退1段の変速段が得られ、また、副変速機3
0によって、主変速機20の出力に対して高低2段の変
速段が得られるから、自動変速機の全体としては前進に
ついては6段の変速段が得られ、また、後退について
は、主変速機20の後退段と副変速機30の減速ブレー
キ34が締結された低速段との組合せで全体としての後
退段が得られることになる。そして、この実施例では、
前進変速段としては上記6段のうちの所定の5段を採用
するようになっている。
【0040】ここで、この前進5段、後退1段の各変速
段における各クラッチやブレーキの作動状態をまとめる
と、表1のようになる。なお、表1中、(○)はエンジ
ンブレーキ用のレンジで締結されることを示す。
【0041】
【表1】 一方、この自動変速機1には、上記表1に従って各クラ
ッチやブレーキ等の摩擦要素を選択的に締結させること
により、運転状態もしくは運転者の要求に応じた変速段
を形成する油圧回路が備えられている。
【0042】この油圧回路は、基本的には、図1に示す
オイルポンプ4の吐出圧を所定のライン圧に調整するプ
レッシャレギュレータバルブと、このライン圧を基にし
て各摩擦要素に供給される締結圧を調整するコントロー
ルバルブと、この締結圧を運転状態等に応じて各摩擦要
素に選択的に供給する複数のシフトバルブと、図1に示
すロックアップクラッチ17の制御用バルブ等で構成さ
れている。そして、図2に示すように、この油圧回路4
0には、上記各バルブを電気的に作動させるアクチュエ
ータとして、各種のソレノイドバルブ41〜50が備え
られている。
【0043】つまり、上記プレッシャレギュレータバル
ブにパイロット圧を供給してライン圧の調整値を制御す
るデューティソレノイドバルブ41と、上記複数のシフ
トバルブのうち、主変速機20の変速用シフトバルブを
それぞれ作動させる第1〜第3ON−OFFソレノイド
バルブ42〜44と、同じく副変速機30の変速用シフ
トバルブをそれぞれ作動させる第4,第5ON−OFF
ソレノイドバルブ45,46と、主変速機20及び副変
速機30の摩擦要素にそれぞれ供給される締結圧調整用
の第1、第2リニアソレノイドバルブ47,48と、さ
らに、上記ロックアップクラッチ制御用バルブを作動さ
せるON−OFFソレノイドバルブ49及びデューティ
ソレノイドバルブ50とが備えられている。
【0044】そして、これらのソレノイドバルブ41〜
50に電気制御信号を出力するコントローラ60が備え
られていると共に、このコントローラ60には、当該自
動車の車速を検出する車速センサ61からの信号、エン
ジンのスロットル開度を検出するスロットル開度センサ
62からの信号、及び運転者によって選択されたシフト
位置(レンジ)を検出するシフト位置センサ63からの
信号等が入力され、これらの信号によって示される運転
状態や運転者の要求に応じて上記各ソレノイドバルブ4
1〜50を制御するようになっている。
【0045】また、このコントローラ60には、主変速
機20の入力側の回転数を検出する第1回転センサ6
4、主変速機20の出力側(副変速機30の入力側)の
回転数を検出する第2回転センサ65、及び副変速機3
0の出力側の回転数を検出する第3回転センサ66から
の信号が入力されるようになっている。
【0046】そして、該コントローラ60は、これらの
回転センサ64〜66からの信号に基づいて主変速機2
0及び副変速機30のギヤ比を算出し、変速時に、これ
らのギヤ比が適切に推移するように、上記締結圧調整用
リニアソレノイドバルブ47,48等を介して締結圧を
制御するようになっていると共に、特に、このコントロ
ーラ60は、本発明の特徴として、アクセルペダルの踏
み込み、すなわちエンジン負荷としてのスロットル開度
の増大により3−2シフトダウン変速が行われるとき
に、次のような制御を行うようになっている。
【0047】つまり、前記表1によれば、3−2シフト
ダウン変速時には、主変速機20においては、3−4ブ
レーキ28が解放されることにより、中速段から低速段
へのシフトダウン動作が行われる同時に、副変速機30
においては、減速ブレーキ34もしくは第3ワンウェイ
クラッチ33が解放され、かつ直結クラッチ32が締結
されることにより、低速段から高速段へのシフトアップ
動作が行われるのであるが、このとき、締結圧が供給さ
れる副変速機30における直結クラッチ32の締結動作
が遅れ易く、そのため、副変速機30のシフトアップ動
作の終了が主変速機20のシフトダウン動作の終了より
も遅れて、当該3−2シフトダウン変速の終了時に一時
的にシフトアップ動作が行われる場合があり得るのであ
る。
【0048】そこで、コントローラ60は、3−2シフ
トダウン変速時に、上記のような事態の発生を防止し、
この変速動作が常に良好に行われるように変速制御を行
うようになっており、次に、この制御を図3に示すフロ
ーチャートに従って説明する。
【0049】まず、コントローラ60は、ステップS1
で、今回の変速がエンジン負荷の増大による3−2シフ
トダウン変速(トルクディマンド変速)であるか否かを
判定し、この3−2トルクディマンド変速である場合に
は、次にステップS2で、その際のスロットル開度の変
化率(増加率)Δθが所定値A以上であるか否かを判定
する。
【0050】そして、Δθ<Aのとき、つまり比較的緩
やかな加速要求時における3−2トルクディマンド変速
時には、コントローラ60は、ステップS3で、まず主
変速機20の変速動作を開始させると共に、ステップS
4で、所定の遅延時間の経過を待った上で、副変速機3
0のギヤ比進度のフィードバック制御を行う。
【0051】この制御においては、まず、主変速機20
の変速動作の目標変速時間をスロットル開度変化率Δθ
が大きいほど短くなるように設定し、その目標時間で変
速動作が終了するように3−4ブレーキ28の締結圧の
排出を制御すると共に、その際の主変速機20における
ギヤ比の変化(ギヤ比進度)を、該主変速機20の入、
出力回転数をそれぞれ検出する第1、第2回転センサ6
4,65からの信号によって検出する。そして、この主
変速機20のギヤ比進度に対して副変速機30のギヤ比
進度が所定の特性で推移するように、該副変速機30の
入、出力回転数をそれぞれ検出する第2、第3回転セン
サ65,66からの信号により該副変速機30のギヤ比
を検出しながら、該副変速機20における直結クラッチ
32への締結圧の供給動作をフィードバック制御するの
である。
【0052】その場合に、スロットル開度変化率Δθが
大きく、これに伴って主変速機20の変速時間が短くな
ると、副変速機30における直結クラッチ32の締結動
作が遅れ気味となるので、コントローラ60は、副変速
機30のギヤ比進度の特性として、図4に示すように予
め設定されたマップから、スロットル開度変化率Δθが
大きくなるほど主変速機20の変速動作の開始時からの
遅延時間が短くなるように設定された特性を選択し、そ
の特性で該副変速機30のギヤ比進度が推移するように
上記締結圧の制御を行うのである。
【0053】したがって、上記スロットル開度変化率Δ
θが大きく、そのため、副変速機30の変速動作の終了
が遅れ気味となるときには、その程度に応じて該副変速
機30の変速動作の開始が早められることになる。その
結果、副変速機30の変速動作の終了が主変速機20の
変速動作の終了よりも遅れることが確実に防止されるの
である。
【0054】一方、上記ステップS2で、スロットル開
度変化率Δθが所定値A以上と判定されたとき、すなわ
ち、主変速機20の目標変速時間がさらに短く設定され
るため、副変速機30の変速動作の終了が一層遅れ易く
なるときは、コントローラ60は、ステップS5で、ま
ず、副変速機30の変速動作を開始させるのである。こ
の場合の変速動作においては、直結クラッチ32への締
結圧の供給動作は最も速い速度で行われるように制御さ
れる。
【0055】そして、その後、ステップS6で主変速機
20の変速動作を開始させるのであるが、このとき、副
変速機30の変速動作の開始時から主変速機20の変速
動作の開始時までの遅延時間は、図5に示すように、ス
ロットル開度変化率Δθが所定値A以上の範囲で、大き
くなるほど長い時間に設定される。したがって、該スロ
ットル開度変化率Δθが大きいほど、すなわち主変速機
20の目標変速時間が短くなるほど、副変速機30の変
速動作開始の先行時間が長くなり、その結果、この場合
も、副変速機30の変速動作の終了が主変速機20の変
速動作の終了よりも遅れることが確実に防止されること
になるのである。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、主変速機
と副変速機とを有すると共に、所定の変速時に該主変速
機と副変速機とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同
時に行われるようになっており、かつ加速時等のエンジ
ン負荷の変化時に、その変化率が大きいほど上記主変速
機ないし自動変速機全体としての変速時間を短くするよ
うに制御される自動変速機において、上記主変速機と副
変速機とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に行
われる変速時に、基本的に副変速機の変速動作を主変速
機の変速動作よりも遅らせて開始させると共に、その副
変速機の変速動作の開始をエンジン負荷の変化率が大き
いほど早めるようにしたから、エンジン負荷の変化率が
大きく、したがって主変速機の変速時間が短くなる場合
においても、副変速機の変速動作の終了が主変速機の変
速動作の終了よりも遅くなることが回避される。
【0057】これにより、副変速機の変速動作の終了が
主変速機の変速動作の終了よりも遅くなって、自動変速
機全体としての変速動作の終了時に一時的にギヤ比が逆
方向に変化することによる大きな変速ショックの発生が
防止され、変速動作が常に円滑に行われることになる。
【0058】そして、特に第2発明では、エンジン負荷
の変化率が大きいほど副変速機の変速動作の開始を早め
るだけでなく、該変化率が所定値以上では、副変速機の
変速動作を主変速機の変速動作に先立って開始させるよ
うにしたから、主変速機の変速時間がさらに短くなる場
合にも、上記のような変速ショックの発生が確実に防止
されることになるのである。
【0059】さらに、第3、第4発明によれば、上記の
ような効果が、副変速機の変速動作が遅れ易い変速時、
すなわち副変速機側の摩擦要素が締結される変速時、或
はエンジン負荷の増大に伴うトルクディマンド変速時等
に達成されることになり、したがって、これらの変速時
における変速ショックの発生が効果的に防止されること
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動変速機の骨子図で
ある。
【図2】 同実施例の油圧回路における各ソレノイドバ
ルブに対する制御システム図である。
【図3】 3−2トルクディマンド変速時の制御動作を
示すフローチャート図である。
【図4】 同制御で用いられる主変速機のギヤ比進度に
対する副変速機のギヤ比進度の特性図である。
【図5】 同じくスロットル開度変化率に対する主変速
機の変速動作開始時の遅延時間の特性図である。
【図6】 従来の問題点を示す変速時のタイムチャート
図である。
【符号の説明】
1 自動変速機 20 主変速機 30 副変速機 60 変速制御手段、変速制御補正手段(コントロー
ラ) 62 エンジン負荷変化率検出手段(スロットル開度
センサ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主変速機と副変速機とを有し、かつ所定
    変速時に主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が逆方向
    の変速動作が同時に行われる自動変速機の変速制御装置
    であって、エンジン負荷の変化率を検出するエンジン負
    荷変化率検出手段と、上記所定変速時に、副変速機の変
    速動作を主変速機の変速動作よりも遅らせて開始させる
    変速制御手段と、同じく所定変速時に、エンジン負荷の
    変化率が大きいほど、主変速機の変速時間を短くし、か
    つ副変速機の変速動作の開始を早くする変速制御補正手
    段とが設けられていることを特徴とする自動変速機の変
    速制御装置。
  2. 【請求項2】 主変速機と副変速機とを有し、かつ所定
    変速時に主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が逆方向
    の変速動作が同時に行われる自動変速機の変速制御装置
    であって、エンジン負荷の変化率を検出するエンジン負
    荷変化率検出手段と、上記所定変速時に、副変速機の変
    速動作を主変速機の変速動作よりも遅らせて開始させる
    変速制御手段と、同じく所定変速時に、エンジン負荷の
    変化率が大きいほど、主変速機の変速時間を短くし、か
    つ副変速機の変速動作の開始を早くすると共に、該変化
    率が所定値以上では、副変速機の変速動作を主変速機の
    変速動作よりも早く開始させる変速制御補正手段とが設
    けられていることを特徴とする自動変速機の変速制御装
    置。
  3. 【請求項3】 主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が
    逆方向の変速動作が同時に行われる所定の変速は、主変
    速機における所定の摩擦要素からの締結圧の排出と、副
    変速機における所定の摩擦要素への締結圧の供給とが行
    われる変速であることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が
    逆方向の変速動作が同時に行われる所定の変速は、エン
    ジン負荷の増大に伴うシフトダウン変速であって、主変
    速機がシフトダウン方向、副変速機がシフトアップ方向
    にそれぞれ変速動作を行うものであることを特徴とする
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動変速機の
    変速制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6270444B1 (en) * 1999-11-01 2001-08-07 Aisin Aw Co., Ltd. Shift control apparatus for automatic transmission
JP2013057361A (ja) * 2011-09-08 2013-03-28 Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd 作業車両の走行変速装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6270444B1 (en) * 1999-11-01 2001-08-07 Aisin Aw Co., Ltd. Shift control apparatus for automatic transmission
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