JPH11105171A - コルゲート加工用の圧接ベルトおよびコルゲート加工物の製造方法 - Google Patents

コルゲート加工用の圧接ベルトおよびコルゲート加工物の製造方法

Info

Publication number
JPH11105171A
JPH11105171A JP26856497A JP26856497A JPH11105171A JP H11105171 A JPH11105171 A JP H11105171A JP 26856497 A JP26856497 A JP 26856497A JP 26856497 A JP26856497 A JP 26856497A JP H11105171 A JPH11105171 A JP H11105171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
woven fabric
belt
pressure contact
fabric
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP26856497A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsusato Kitamura
篤識 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP26856497A priority Critical patent/JPH11105171A/ja
Publication of JPH11105171A publication Critical patent/JPH11105171A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Machines For Manufacturing Corrugated Board In Mechanical Paper-Making Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コルゲート加工用という極めて過酷な条件下
で用いられるにもかかわらず、トラブルを生じがたくか
つ長寿命であるコルゲート加工用の圧接ベルトを提供す
ること、およびその圧接ベルトを用いてコルゲート加工
物を製造する方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 織布製の圧接ベルトである。この圧接ベ
ルトは、芯体織布(1) /接着剤層(2) /表面織布(3) の
基本の層構成を有すると共に、芯体織布(1) は耐熱性高
強力繊維糸を用いたシームレス織布からなり、表面織布
(3) は耐熱性高強力繊維糸を用いた斜交する経緯の組織
でできた織布からなり、かつ少なくとも表面織布(3) に
はフッ素系樹脂による含浸ないし被覆層が設けられてい
る。この圧接ベルトを用いてコルゲーターの段ロールに
被加工シートを圧接することにより、コルゲート加工物
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コルゲート加工に
際して段ロールに被加工シートを圧接するための圧接ベ
ルトに関するものである。またその圧接ベルトを用いて
コルゲート加工物を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コルゲート加工により段ボールを製造す
るに際しては、互いに噛み合う1対の段ロールに中芯を
送って段加工し、その段加工した中芯の山の部分に糊付
けを行うと共にライナーを当接してプレスロールで押圧
することにより貼合する方法が採られている(プレスロ
ール方式と称することにする)。
【0003】最近、糊付けがなされる側の段ロールにベ
ルトを圧接し、これらの段ロールとベルトとの間に、段
加工した中芯の上からライナーを送り込んで両者間の貼
合を行う方法が注目されている(圧接ベルト方式と称す
ることにする)。
【0004】後者の圧接ベルト方式については、特開昭
59−124842号公報、特開平4−305443号
公報、特開平5−329966号公報、特開平6−83
60号公報、特開平6−55675号公報、特開平6−
297614号公報、特開平6−305060号公報、
特開平7−125114号公報に開示がある。
【0005】主として圧接ベルト方式において用いるた
めのベルトとして、特開平7−60877号公報には、
ベルトの長手および巾方向ともにシームレスの無端状の
帆布芯体を用い、その表面側には耐熱性エラストマー層
を介して表面を離型性に優れたコーティング層をもって
被覆されたベルト長手方向に伸縮性を有する表皮帆布を
積層した構造の巾広ベルトが示されている。このときの
層構成は、「表皮帆布/耐熱性エラストマー層/帆布芯
体」である。帆布芯体を構成する縦横のコードは、芳香
族ポリアミド繊維糸またはポリエーテルエーテルケトン
繊維糸である。表皮帆布は、縦コードに芳香族ポリアミ
ド繊維糸とウレタン弾性繊維との混撚糸、横コードに芳
香族ポリアミド繊維糸、ナイロン繊維糸またはポリエス
テル繊維糸を用いた織物であるか、芳香族ポリアミド繊
維糸を用いたメリヤス繊帆布である。表皮帆布の表面を
被覆する離型性コーティング層は、耐熱性エラストマー
とパウダー状のフッ素樹脂との配合物で構成されること
が好ましいとの記載もある。
【0006】コルゲート加工用については記載がない
が、たとえば紙送り工程に使用されるコンベアベルトに
関するものとして、実開平6−63536号公報には、
耐熱性繊維基材に弗素樹脂を含浸、乾燥、焼結した補強
層と、この補強層上に形成され、耐熱性繊維をニット織
した基布に弗素樹脂を含浸、乾燥、焼結し、伸縮性を付
与した耐摩耗層とを具備する耐熱性積層コンベアベルト
が示されている。耐熱性繊維の例は、ガラス繊維、炭素
繊維、アラミド繊維、芳香族アリレート繊維などであ
る。含浸させる弗素樹脂は、実施例によれば、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)のディスパージョンで
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】コルゲート加工用の圧
接ベルトは、高温環境下において用いられ、高速走行に
供され、極めて大きな引張力がかかり、振動も大きく、
圧接対象物は凹凸があり、ベルトの巾方向には波状にし
わが寄りやすく、さらには貼合に使う糊が付着するとい
うように、極めて過酷な条件下で用いられる。
【0008】圧接ベルト方式によるコルゲート加工用の
ベルトとして従来使われていたものはスチール製ベルト
であったが、稀とは言えない頻度で起こるベルト切断時
に人的被害を与えるおそれがある上、そのときの装置上
の損傷も大きく、またスチール製ベルトは本質的に耐屈
曲疲労性の点で限界がある。
【0009】特開平7−60877号公報の巾広ベルト
を用いた場合、あるいは実開平6−63536号公報の
耐熱性積層コンベアベルトをコルゲート加工用に用いた
場合には、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)に代
表される耐熱性繊維のフィラメントがちょうど竹のよう
に割れやすいという問題点があることが判明した。これ
は、芳香族ポリアミド繊維などの耐熱性繊維が、引張方
向の力には極めて強いものの、本質的には剛直であるた
め、コルゲート加工に使用するときに加わる衝撃および
横応力に耐えきれないためと思われる。
【0010】本発明は、このような背景下において、コ
ルゲート加工用という極めて過酷な条件下で用いられる
にもかかわらず、トラブルを生じがたくかつ長寿命であ
るコルゲート加工用の圧接ベルトを提供すること、およ
びその圧接ベルトを用いてコルゲート加工物を製造する
方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のコルゲート加工
用の圧接ベルトは、コルゲート加工に際して段ロールに
被加工シートを圧接するための織布製のベルトであっ
て、芯体織布(1) /接着剤層(2) /表面織布(3) の基本
の層構成を有すると共に、前記芯体織布(1) は耐熱性高
強力繊維糸を用いたシームレス織布からなり、前記表面
織布(3) は耐熱性高強力繊維糸を用いた斜交する経緯の
組織でできた織布からなり、かつ少なくとも表面織布
(3) にはフッ素系樹脂による含浸ないし被覆層が設けら
れていることを特徴とするものである。
【0012】本発明のコルゲート加工物の製造方法は、
上記の圧接ベルトを用いてコルゲーターの段ロールに被
加工シートを圧接することにより、コルゲート加工物を
製造することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明において繊維糸とはフィラメントの意味であり、そ
の太さを限定するものではない。
【0014】〈基本の層構成〉本発明の圧接ベルトは、
芯体織布(1) /接着剤層(2) /表面織布(3) の基本の層
構成を有する。
【0015】〈芯体織布(1) 〉芯体織布(1) は、耐熱性
高強力繊維糸を用いたシームレス織布からなる。シーム
レス織布とは、周長方向に継ぎ目のない織布のことであ
る。このときの織り組織は平織り組織とするのが通常で
あるが、場合によっては、斜文織り(綾織り)組織、朱
子織り組織、これらの変化織り組織などとすることもで
きる。シームレス織布は、次の方法により製造すること
ができる。
【0016】すなわち、経糸および緯糸を用いて袋織り
法により製織を行えば、シームレスの(継ぎ目のない)
筒状の織布を製造することができる。袋織りとは、経糸
を表経糸と裏経糸とに配列し、緯糸を2往復させること
により一つの環状を形成させながら順次筒形を形成する
方法であって、表裏の接結は両端のみで行われる。袋織
り法を採用するときは、製織時の経糸がシームレス織布
の巾方向走行糸となり、製織時の緯糸がシームレス織布
の周長方向(径方向)走行糸となる。得られた筒状の袋
織物を径方向にカットすれば、目的の寸法のシームレス
織布が得られる。この場合はカット端からほつれを生ず
ることがあるので、必要に応じそのカット端側に耳かが
りや補強布・補強シートの取り付けなどの処置を講じ
る。
【0017】シームレス織布は、予めカセ状に整経した
周長方向走行糸に、巾方向走行糸を緯入することによっ
ても製造することができる。織りの最後の段階では開口
を行いにくくなるので、最後は必要に応じ手作業で織り
を完結すればよい。この織り方式を採用してシームレス
ベルトを製造すれば、耳組織がほつれることがない。
【0018】芯体織布(1) の製造に用いる耐熱性高強力
繊維糸としては、たとえば、金属繊維(ステンレススチ
ール繊維、形状記憶合金等)、セラミックス繊維、ガラ
ス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエーテルエーテ
ルケトン繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリイミド繊
維、ポリベンズイミダゾール繊維、液晶ポリエステル繊
維などでできた糸が例示できる。これらの中では、アラ
ミド繊維が特に重要であり、ポリエーテルエーテルケト
ン繊維、ステンレススチール繊維も重要である。耐熱性
高強力繊維糸は、長繊維からできたモノフィラメントや
マルチフィラメントであることが好ましく、モノフィラ
メントの場合は複数本を引き揃えたり撚り合わせて用い
ることもできる。フィルムをスリットしたスリット糸を
用いることもできる。また、紡毛糸のように、フィラメ
ントを適当な長さに切断して撚りをかけることにより毛
羽を付与したものも好適に用いられる。
【0019】芯体織布(1) の製造に用いる耐熱性高強力
繊維糸の太さは、特に限定はないものの、1000〜1
0000デニール程度、好ましくは1500〜8000
デニール程度とすることが多い。
【0020】耐熱性高強力繊維糸が撚糸であるときは、
周長方向走行糸は、ベルト走行時の蛇行を防止するた
め、S撚りの糸とZ燃りの糸とをバランスよく配置した
ものであることが望ましい。S撚りの糸をS、Z燃りの
糸をZで表わすと、バランスよく配置するとは、たとえ
ば、SZSZSZ・・のような配置、SSZZSSZZ
・・・・のような配置であり、他にも種々のバリエーシ
ョンがある。
【0021】〈接着剤層(2) 〉接着剤層(2) は、上記の
芯体織布(1) と後述の表面織布(3) との間に介在させて
両織布(1), (3)を一体化させるための層である。この接
着剤層(2) は、フッ素系樹脂のフィルム層、殊にテトラ
フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体(PFA)またはテトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)のフィル
ム層、殊に前者のPFAのフィルム層であることが望ま
しい。
【0022】〈表面織布(3) 〉表面織布(3) は、耐熱性
高強力繊維糸を用いた斜交する経緯の組織でできた織布
からなる。斜交する経緯の組織でできた織布としては、
具体的にはバイヤスカット織布があげられる。バイヤス
カット織布は、筒状のシームレス織布を斜め方向に裁断
するか、フラットな織布を筒状にしてから斜め方向に裁
断することにより得られる。
【0023】表面織布(3) の製造に用いる耐熱性高強力
繊維糸としては、先に述べた芯体織布(1) の製造に用い
る耐熱性高強力繊維糸と同様のものが用いられる。この
ときの耐熱性高強力繊維糸の太さは、特に限定はないも
のの、たとえば500〜3000デニール程度とするこ
とが多い。
【0024】〈含浸ないし被覆層〉本発明の圧接ベルト
は、上述のように、芯体織布(1) /接着剤層(2) /表面
織布(3) の基本の層構成を有するが、表面織布(3) (ま
たはこれと芯体織布(1) )には、適宜の段階でフッ素系
樹脂による含浸ないし被覆層が設けられる。
【0025】表面織布(3) (またはこれと芯体織布(1)
)にフッ素系樹脂による含浸層を設けるときには、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)のディスパージ
ョンを織布(ベルトとした後であってもよい)に含浸さ
せた後、乾燥、焼成(シンター)する操作を複数回繰り
返せばよい。このPTFEのディスパージョン加工に際
しては、一度に厚塗りすると乾燥によってマッドクラッ
クを生ずるので、1回当りの付着量は焼き付け後の樹脂
厚みで約20μm 以下にとどめ、浸漬−乾燥−焼成を5
〜10回繰り返して所望の厚みにすることが望ましい。
焼成温度は、350〜400℃程度とすることが多い。
【0026】表面織布(3) (またはこれと芯体織布(1)
)にフッ素系樹脂による被覆層を設けるときは、織布
(ベルトとした後であってもよい)の上から、PFA、
FEP、PTFE等のフッ素系樹脂またはそれらのフッ
素系樹脂の粉体を多量に含む耐熱性組成物を溶融コーテ
ィングするか、PFA、FEP等のフッ素系樹脂フィル
ムまたはそれを半溶融したものを被覆し、熱圧着する方
法が採用される。そのほか、PTFEの生フィルムを被
覆してから、適宜の段階で350〜400℃程度の温度
で焼成する方法も採用できる。
【0027】また、表面織布(3) (またはこれと芯体織
布(1) )を製織するときの耐熱性高強力繊維糸として、
フッ素系樹脂の糸(殊にフィルム糸)によるカバリング
を行ったカバリング糸、フッ素系樹脂の糸を撚り合わせ
た撚糸を用いたり、耐熱性高強力繊維糸をフッ素系樹脂
の糸を併用したりすれば、製織後にフッ素系樹脂の融点
以上の加熱処理することによりフッ素系樹脂の糸が流動
してベルトを構成する縦横の組織が融着一体化されるの
で、織布にフッ素系樹脂による含浸ないし被覆層を形成
することができる。
【0028】〈その他〉このようにして得た圧接ベルト
には、必要に応じさらに他の層を付加することもでき
る。たとえば、ベルトの裏面に、フッ素系樹脂のフィル
ム層を適宜の段階で設けることができる。また、適宜の
段階でベルトの裏面側からポリイミド系樹脂プレポリマ
ーなどの硬化性樹脂を含浸させ、キュアを行って硬化さ
せることもできる。
【0029】〈圧接ベルト、コルゲート加工〉本発明に
おいては、この圧接ベルトをコルゲート加工に際して段
ロールに被加工シートを圧接するためのベルトとして、
つまり段加工した中芯の上からライナーを貼合するため
のベルトとして用いる。
【0030】この圧接ベルトの寸法は、コルゲーターの
段ロールの寸法やロール間のスペースにより異なるが、
たとえば、巾が1600〜3000mm程度、周長が20
00mm程度以上とすることが多い。
【0031】図2は段ボール製造のためのコルゲーター
の一例を示した模式図である。図2中、(4) は片方の段
ロール、(5) は他方の段ロール、(6) は糊付け装置、
(7) は中芯、(8) はライナーである。本発明の圧接ベル
トは、図2においては片方の段ロール(4) に向けて、段
加工後の中芯(7) およびライナー(8)を介して圧接され
る。
【0032】〈作用〉上記構造の圧接ベルトにあって
は、芯体織布(1) により必要な強靭性が得られる。そし
てその上に接着剤層(2) により一体化された表面織布
(3) が、耐熱性高強力繊維糸を用いた斜交する経緯の組
織でできているため、芯体織布(1) が表面織布(3) によ
り「筋交い」として補強されることになり、コルゲート
加工時に加わる振動や横応力によっても芯体織布(1) を
構成する繊維フィラメントが割れることがない。また斜
交組織よりなる表面織布(3) の存在により、コルゲート
加工時の振動も吸収、緩和される。
【0033】加えて、少なくとも表面織布(3) にはフッ
素系樹脂による含浸層または被覆層を形成してあるの
で、すぐれた耐摩耗性が得られ、さらには非粘着性であ
るのでコルゲート加工時に用いた糊の付着が少なく、付
着した糊の除去も容易である。
【0034】そのため、この圧接ベルトは極めて強靭で
あり、コルゲート加工用という極めて過酷な条件下で用
いられるにもかかわらず、切断、破損、しわ寄りなどの
トラブルを生じがたく、かつ長寿命である。
【0035】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0036】実施例1 図1は本発明の圧接ベルトの一例を模式的に示した斜視
図である。
【0037】袋織り製織時の経糸(圧接ベルトの巾方向
走行糸となる)および緯糸(圧接ベルトの周長方向走行
糸となる)として、耐熱性高強力繊維糸の一例としての
太さ4500〜6000デニールのアラミド繊維モノフ
ィラメント糸を用いた。上記の経糸および緯糸を用い、
袋織り法により、巾広の平織りの筒状のシームレス織布
を製織した。このようにして得られたシームレス織布を
径方向に所定巾にカットし、芯体織布(1) として用い
た。
【0038】耐熱性高強力繊維糸の一例としての太さ1
000デニールのアラミド繊維モノフィラメント糸を経
糸および緯糸として用いて袋織りすることにより、長尺
の筒状のシームレス織布を得た。これをバイヤスカット
装置を用いて45゜方向に裁断すると共に両端を接合し
てエンドレスベルトとし、表面織布(3) として用いた。
【0039】この表面織布(3) にPTFEのディスパー
ジョンを含浸させた後、乾燥、焼成する操作を7〜8回
繰り返した。焼成温度は360〜380℃とした。
【0040】上記で得た芯体織布(1) をロール間に懸架
した状態でその上に接着剤層(2) としてのPFAフィル
ム(またはFEPフィルム)を半溶融状態にして圧延被
覆してから、その上より表面織布(3) を重層し、さらに
PFA(またはFEP)の融点以上の温度で熱圧着し
た。これにより、芯体織布(1) /接着剤層(2) /表面織
布(3) の基本の層構成を有する筒状のベルトが得られた
ので、耳端側をカットして揃えると共に、その耳端側近
くを径方向にミシン縫いした。
【0041】なおもし必要なら、適宜の段階で、芯体織
布(1) のベルト裏面側となる面に、ポリイミド樹脂(た
とえばデュポン社製の線状不飽和ポリイミド「Pyre-ML
」)を塗布、含浸させた後、キュアを行って、補強層
を形成させることもできる。
【0042】上記の如くして作製した圧接ベルトは、引
っ張りに対し極めて強靭で、好ましい巾剛性を有し、耐
熱性が高く、しかも表面は非粘着性でありかつ耐摩耗性
を有していた。
【0043】この圧接ベルトをコルゲート加工に際して
段ロールに被加工シートを圧接するための圧接ベルト
(段加工した中芯の上からライナーを貼合するための圧
接ベルト)として使用し、図2のようにして段ボールの
製造を行ったところ、円滑な圧接を行うことができ、し
かもコルゲート加工時に加わる振動や横応力によって
も、斜交する経緯の組織でできている表面織布(3) の存
在により芯体織布(1) を構成する繊維フィラメント(ア
ラミド繊維モノフィラメント糸)が割れることがなく、
ベルトの寿命は市場で使われている圧接ベルトに比し格
段に長かった。
【0044】実施例2 ベルトの周長方向走行糸として、耐熱性高強力繊維糸の
一例として、アラミド繊維モノフィラメントを適当な長
さに切断して撚りをかけることにより得たS撚りおよび
Z撚りの紡毛糸を引き揃えて用い、カセ状に整経した。
またベルトの巾方向走行糸として、耐熱性高強力繊維糸
の一例としてのポリエーテルエーテルケトンモノフィラ
メント糸を用いた。
【0045】上記のようにして予めカセ状に整経した周
長方向走行糸に、上記の巾方向走行糸を緯入して平織り
に製織した。開口を行いにくい最後の段階は、手作業で
織りを完結した。これにより、巾広の筒状シームレス織
布製のベルトが得られた。このベルトにあっては、両耳
部は緯入した巾方向走行糸が折り返す構造となっている
ので、ほつれを生ずることがないものである。このよう
にして得られたシームレス織布を、芯体織布(1) として
用いた。
【0046】アラミド繊維モノフィラメント糸を経糸お
よび緯糸として用いて袋織りすることにより、長尺の筒
状のシームレス織布を得た。これをバイヤスカット装置
を用いて45゜方向に裁断し、両端を接合してエンドレ
スベルトとし、表面織布(3)として用いた。
【0047】この表面織布(3) にPTFEのディスパー
ジョンを含浸させた後、乾燥、焼成する操作を7〜8回
繰り返した。焼成温度は360〜380℃とした。
【0048】上記で得た芯体織布(1) 上に接着剤層(2)
としてのPFAフィルムを半溶融状態にして圧延被覆し
てから、その上より表面織布(3) を重層し、さらにPF
Aの融点以上の温度で熱圧着した。これにより、芯体織
布(1) /接着剤層(2) /表面織布(3) の基本の層構成を
有する筒状のベルトが得られた。
【0049】上記の如くして作製した圧接ベルトは、実
施例1の場合と同様のすぐれた性質を有し、これをコル
ゲート加工に際して段ロールに被加工シートを圧接する
ための圧接ベルトとして用いたときには何のトラブルも
生じなかった。
【0050】
【発明の効果】作用の項でも述べたように、本発明の圧
接ベルトにあっては、 ・芯体織布(1) により必要な強靭性が得られること、 ・そしてその上に接着剤層(2) により一体化された表面
織布(3) が、耐熱性高強力繊維糸を用いた斜交する経緯
の組織でできているため、芯体織布(1) が表面織布(3)
により「筋交い」として補強されることになり、コルゲ
ート加工時に加わる振動や横応力によっても芯体織布
(1) を構成する剛直な繊維フィラメントが割れることが
ないこと、 ・斜交組織よりなる表面織布(3) の存在により、コルゲ
ート加工時の振動も吸収、緩和されること、 ・また少なくとも表面織布(3) にはフッ素系樹脂による
含浸層または被覆層を形成してあるので、すぐれた耐摩
耗性が得られ、さらには非粘着性であるのでコルゲート
加工時に用いた糊の付着が少なく、付着した糊の除去も
容易であること、などのすぐれた効果を奏する。
【0051】そのため、本発明の圧接ベルトは極めて強
靭であり、コルゲート加工用という極めて過酷な条件下
で用いられるにもかかわらず、切断、破損、しわ寄りな
どのトラブルを生じがたく、かつ長寿命である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧接ベルトの一例を模式的に示した斜
視図である。
【図2】段ボール製造のためのコルゲーターの一例を示
した模式図である。
【符号の説明】
(1) …芯体織布、 (2) …接着剤層、 (3) …表面織布、 (4) …片方の段ロール、 (5) …他方の段ロール、、 (6) …糊付け装置、 (7) …中芯、 (8) …ライナー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コルゲート加工に際して段ロールに被加工
    シートを圧接するための織布製のベルトであって、芯体
    織布(1) /接着剤層(2) /表面織布(3) の基本の層構成
    を有すると共に、前記芯体織布(1) は耐熱性高強力繊維
    糸を用いたシームレス織布からなり、前記表面織布(3)
    は耐熱性高強力繊維糸を用いた斜交する経緯の組織でで
    きた織布からなり、かつ少なくとも表面織布(3) にはフ
    ッ素系樹脂による含浸ないし被覆層が設けられているこ
    とを特徴とするコルゲート加工用の圧接ベルト。
  2. 【請求項2】斜交する経緯の組織でできた織布が、バイ
    ヤスカット織布である請求項1記載の圧接ベルト。
  3. 【請求項3】接着剤層(2) が、フッ素系樹脂のフィルム
    層である請求項1記載の圧接ベルト。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の圧接
    ベルトを用いてコルゲーターの段ロールに被加工シート
    を圧接することにより、コルゲート加工物を製造するこ
    とを特徴とするコルゲート加工物の製造方法。
JP26856497A 1997-10-01 1997-10-01 コルゲート加工用の圧接ベルトおよびコルゲート加工物の製造方法 Withdrawn JPH11105171A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26856497A JPH11105171A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 コルゲート加工用の圧接ベルトおよびコルゲート加工物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26856497A JPH11105171A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 コルゲート加工用の圧接ベルトおよびコルゲート加工物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11105171A true JPH11105171A (ja) 1999-04-20

Family

ID=17460283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26856497A Withdrawn JPH11105171A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 コルゲート加工用の圧接ベルトおよびコルゲート加工物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11105171A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005110728A1 (ja) * 2004-05-19 2005-11-24 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 耐熱性積層コンベアベルト及びその製造方法
WO2006090875A1 (ja) * 2005-02-25 2006-08-31 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 片面段ボール製造装置
WO2011004848A1 (ja) 2009-07-07 2011-01-13 三菱重工印刷紙工機械株式会社 耐熱性積層コンベアベルト
WO2019031154A1 (ja) * 2017-08-10 2019-02-14 本多産業株式会社 複層シームレスベルトおよびその製造方法
JP2020179993A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 本多産業株式会社 エンドレスベルト

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1752283A4 (en) * 2004-05-19 2012-02-08 Mitsubishi Heavy Ind Printing HEAT-RESISTANT LAMINATED TREADMILL AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME
EP1752283A1 (en) * 2004-05-19 2007-02-14 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Heat-resistant laminated conveyor belt and method for production thereof
JPWO2005110728A1 (ja) * 2004-05-19 2008-03-21 三菱重工業株式会社 耐熱性積層コンベアベルト及びその製造方法
WO2005110728A1 (ja) * 2004-05-19 2005-11-24 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 耐熱性積層コンベアベルト及びその製造方法
US8056707B2 (en) 2004-05-19 2011-11-15 Mitsubishi Heavy Industries Printing & Packaging Machinery, Ltd. Heat resistant laminated conveyor belt and manufacturing method thereof
JP4863872B2 (ja) * 2004-05-19 2012-01-25 三菱重工印刷紙工機械株式会社 段ボール製造装置の耐熱性積層コンベアベルト及びその製造方法
WO2006090875A1 (ja) * 2005-02-25 2006-08-31 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 片面段ボール製造装置
US7857027B2 (en) 2005-02-25 2010-12-28 Mitsubishi Heavy Industries Printing & Packaging Machinery, Ltd. Apparatus for manufacturing single faced corrugated pasteboard
CN102470987A (zh) * 2009-07-07 2012-05-23 三菱重工印刷纸工机械株式会社 耐热性层叠传送带
KR20120024933A (ko) 2009-07-07 2012-03-14 미츠비시주코 인사츠시코키카이 가부시키가이샤 내열성 적층 컨베이어 벨트
WO2011004848A1 (ja) 2009-07-07 2011-01-13 三菱重工印刷紙工機械株式会社 耐熱性積層コンベアベルト
JP5420664B2 (ja) * 2009-07-07 2014-02-19 三菱重工印刷紙工機械株式会社 耐熱性積層コンベアベルト
KR20160120808A (ko) 2009-07-07 2016-10-18 미츠비시주코 인사츠시코키카이 가부시키가이샤 내열성 적층 컨베이어 벨트
EP2452901A4 (en) * 2009-07-07 2016-12-21 Mitsubishi Heavy Ind Printing HEAT-RESISTANT LAMINATED TRANSPORTER BELT
CN106395242A (zh) * 2009-07-07 2017-02-15 三菱重工印刷纸工机械株式会社 耐热性层叠传送带
CN106429185A (zh) * 2009-07-07 2017-02-22 三菱重工印刷纸工机械株式会社 耐热性层叠传送带
US9643347B2 (en) 2009-07-07 2017-05-09 Mitsubishi Heavy Industries Printing & Packaging Machinery, Ltd. Heat-resistant laminated conveyer belt
WO2019031154A1 (ja) * 2017-08-10 2019-02-14 本多産業株式会社 複層シームレスベルトおよびその製造方法
EP3666691A4 (en) * 2017-08-10 2021-04-28 Honda Sangyo Co., Ltd. MULTI-LAYER SEAMLESS TAPE AND MANUFACTURING METHOD FOR IT
JP2020179993A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 本多産業株式会社 エンドレスベルト

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5887325B2 (ja) 耐熱性積層コンベアベルト
JP2673338B2 (ja) 段ボール紙製造用幅広ベルト
JP4863872B2 (ja) 段ボール製造装置の耐熱性積層コンベアベルト及びその製造方法
JP2690798B2 (ja) オープンエンデッドプレスファブリック
JP3917358B2 (ja) エンドレスに織られて且つ針穿孔された段ボール片面仕上げ用ベルト
JPH10120137A (ja) 搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法
JPH0617393A (ja) 独特な糸を用いたオンマシン継ぎ目付きプレスファブリックでの改良したループ形成
JP2000027088A (ja) 内側表面に針打ちされたウェブを有するコ―トされたベルトの洗浄可能性を改良する方法
JPH11105171A (ja) コルゲート加工用の圧接ベルトおよびコルゲート加工物の製造方法
EP2028317B1 (en) Belt for shoe press
JPS6315398B2 (ja)
JP2006347018A (ja) 伝動ベルトの製造方法
EP1749910A1 (en) Belt for yarn twisting
JP2972978B2 (ja) 幅広ベルト用帆布芯体及び同帆布芯体の製造方法
JP2017100848A (ja) 無端状平ベルトおよびその製造方法
JPH10119152A (ja) コルゲート加工用の圧接ベルトおよびコルゲート加工物の製造方法
JPH11207836A (ja) コルゲート加工用の圧接ベルトおよびコルゲート加工物の製造方法
JP2000103511A (ja) ループ状ベルト
JP2510458B2 (ja) 幅広ベルト用帆布芯体
JPS594321B2 (ja) コンベヤベルト及びその製造方法
JP4524233B2 (ja) シュープレス用ベルト
JP3420042B2 (ja) 高温加熱乾燥用コンベアベルトの高強力継手
JP2000249194A (ja) テープ製筒状構造物
JPH10218325A (ja) ターンベルト
JP2002211727A (ja) コンベアベルト

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20041207