JPH11105129A - 二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法

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JPH11105129A
JPH11105129A JP27424597A JP27424597A JPH11105129A JP H11105129 A JPH11105129 A JP H11105129A JP 27424597 A JP27424597 A JP 27424597A JP 27424597 A JP27424597 A JP 27424597A JP H11105129 A JPH11105129 A JP H11105129A
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JP
Japan
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polyester film
temperature
film
oriented polyester
biaxially oriented
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JP27424597A
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English (en)
Inventor
Keiichi Furukawa
恵一 古川
Masaaki Kotoura
正晃 琴浦
Tetsuya Tsunekawa
哲也 恒川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面特性に優れた非常に高弾性なポリエステル
フィルムおよびその製造方法を提供すること。 【解決手段】固有粘度が0.7〜3dl/gである実質
的に無配向なポリエステルフィルムを、長手方向に実質
的に無配向なフィルムの昇温結晶化温度Tcc−60℃
〜+30℃の温度で延伸した後、幅方向に実質的に無配
向なフィルムの昇温結晶化温度−40℃〜+50℃の温
度で延伸することにより従来の高弾性フィルム以上に高
弾性なポリエステルフィルムを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸配向ポリエス
テルフィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、例えば、縦と横の引張弾
性率が11GPa以上の非常に高い強力化フィルムであ
り、磁気記録材料用途など強力化の要求される用途にお
いて好適に用いることができる二軸配向ポリエステルフ
ィルムとその製造方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】二軸延伸ポリエステルフィルムは、その
優れた熱安定性、寸法安定性および機械特性から各種用
途に使用されているが、特に磁気テープ用などのベース
フィルムとして、その有用性は周知である。近年は器材
の軽量化、小型化と長時間記録化のためにベースフィル
ムの一層の薄膜化が要求されている。また、熱転写リボ
ン用、コンデンサー用においても薄膜化の傾向が近年非
常に強い。しかしながら、薄膜化すると機械的強度が不
十分となってフィルムの腰の強さが弱くなったり、伸び
やすくなるため、磁気テープ用途では、テープダメージ
を受けやすくなったり、ヘッドタッチが悪化し、電磁変
換特性が低下する。また、熱転写リボン用途では、印字
する際のリボンの平坦性が保たれず印字ムラや過転写が
生じ、コンデンサー用途では、絶縁破壊電圧が低下する
といったような問題点がある。
【0004】そのため、従来から種々な方法でベースと
なるフィルムの強力化が検討されてきた。代表的なもの
に、特開平3−190719公報に代表される再縦/再
横延伸を行う方法や、特開昭54−56674公報や特
開昭49−99169公報に代表される縦/横の延伸を
2段階以上の多段階延伸を行う方法などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、再縦/
再横延伸は、工程の複雑さのため収率が悪く、しかも品
質の安定化のためには装置の大型化が難しいという問題
点がある。また、再縦延伸時に縦スジが入りやすく表面
欠点となるなど品質の面からも問題点が多い。一方多段
延伸方法は、再縦/再横延伸方法の欠点である工程の複
雑さをなくすことにより、フィルムの表面欠点や収率を
良くするため考えられた方法ではあるが、新規に装置を
設置する場合は良いが、既存の装置で行うには、改造が
必要となる。しかも、多段延伸化するためには、例えば
縦延伸の場合ロール本数がある本数以上なければできな
かったり、縦延伸と横延伸の間に十分なスペースがなけ
ればできないなどある種の条件があり、すべての装置に
適応し得る方法ではなかった。
【0006】すなわち、本発明は、既存の製膜装置に容
易に適応させて使用することができ、再縦/再横延伸し
たフィルムまたはそれ以上に強力化されたポリエステル
フィルムを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、固有粘
度が0.7〜3dl/gである実質的に無配向なポリエ
ステルフィルムを、該実質的に無配向なフィルムの昇温
結晶化温度Tcc−60℃〜+30℃の温度で長手方向
に延伸した後、該実質的に無配向なフィルムの昇温結晶
化温度−40℃〜+50℃の温度で幅方向に延伸するこ
とを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムの製造方
法、およびその製造方法により得られたフィルムによっ
て達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施の形
態を説明する。
【0009】本発明で用いるポリエステルフィルムの固
有粘度は0.7〜3dl/gであり、好ましくは0.7
〜2.5dl/gであり、より好ましくは0.7〜2d
l/gである。固有粘度が0.7dl/g未満では、本
発明と同程度の弾性率を得るには、縦・横に2回以上の
多段延伸を行うか、再縦・再横延伸を行う必要があり、
本発明のように縦・横に延伸するだけでは十分な強度が
得られず好ましくない。また、固有粘度が3dl/gを
超えてしまうと押出時の駆動電流値や濾圧が大きくなり
すぎ実用的でなくなるので好ましくない。
【0010】本発明のポリエステルフィルムの長手方向
の延伸温度は、実質的に無配向なポリエステルフィルム
の昇温結晶化温度−60〜+30℃の範囲がであり、好
ましくは−50℃〜+20℃であり、より好ましくは−
40℃〜+10℃の範囲である。長手方向の延伸温度
が、本発明の温度範囲より低い場合は、延伸性が悪化し
好ましくない。また、本発明の温度範囲より高い場合
は、フィルムの結晶化が進み、たとえ長手方向に延伸で
きたとしても、その後の幅方向の延伸が悪化するため好
ましくない。
【0011】本発明のポリエステルフィルムの幅方向の
延伸温度は、実質的に無配向なポリエステルフィルムの
昇温結晶化温度−40℃〜+50℃の範囲であり、好ま
しくは−30℃〜+40℃であり、より好ましくは−2
0℃〜+30℃の範囲である。幅方向の延伸温度が、本
発明の温度範囲を外れる場合は、熱量不足やフィルムの
結晶化により延伸破れが多発し、生産性が悪化するため
好ましくない。
【0012】本発明のポリエステルフィルムは、その昇
温結晶化温度は110℃〜160℃の範囲のものである
ことが好ましく、さらに好ましくは120℃〜150℃
であり、より好ましくは130℃〜140℃の範囲であ
る。ポリエステルフィルムの昇温結晶化温度が110℃
未満では、ポリエステル樹脂を溶融押出して実質的に無
配向な未延伸フィルムに成形する際に、フィルムが結晶
化して成形しにくくなるので好ましくない。また、昇温
結晶化温度が160℃を超えると、本発明の効果を得る
には長手方向の延伸温度が高くなりすぎるため好ましく
ない。長手方向の延伸温度が高くなると通常のロール延
伸では、ロールとフィルムが粘着してしまい延伸できな
くなる。たとえ延伸できたとしても、フィルムにロール
との剥離痕などが付き、表面欠点となるため好ましくな
い。例えば、オーブン延伸など非接触式の延伸方法を用
いれば粘着の問題はなくなるが、特別な装置が必要にな
り、新たに設備投資をする必要があり、好ましくない。
【0013】本発明のポリエステルフィルムを長手方向
に延伸したときの密度は、1.35〜1.39が好まし
く、さらに好ましくは1.355〜1.385であり、
より好ましくは1.36〜1.38である。密度が1.
35未満のフィルムを幅方向に延伸しても高弾性率のフ
ィルムを得ることができず好ましくない。また、密度が
1.39を超えると幅方向の延伸性が急激に悪化し好ま
しくない。
【0014】本発明のポリエステルフィルムは、長手方
向と幅方向の延伸の面積倍率が20〜50倍であること
が好ましく、より好ましくは25〜40倍である。面積
倍率が20倍未満では、高弾性率なフィルムを得ること
ができず好ましくない。また、面積倍率が50倍を超え
ることは、本発明のように縦・横延伸だけでは難しく現
実的でない。
【0015】本発明のポリエステルフィルムは、上述の
長手方向および幅方向に延伸後、該ポリエステルの融点
−80℃〜融点の間で熱固定することが好ましく、さら
に好ましくは融点−60℃〜融点の間であり、より好ま
しくは融点−40℃〜融点の間である。熱固定温度が本
発明の範囲より低い場合は、熱収縮率が大きくなりすぎ
るため好ましくない。また、融点以上になるとフィルム
が溶けるため好ましくない。
【0016】本発明のポリエステルフィルムは、熱固定
工程で少なくとも1ゾーン以上で1〜2倍に微延伸する
ことが高弾性なフィルムを得る上で好ましい。熱固定工
程での微延伸は、幅方向に限界近くまで延伸した上で行
ってこそ効果があるため2倍を超える延伸は、非常に難
しくなる。また、熱固定工程で2倍を超える延伸は、ほ
とんどの装置で想定されておらず既存の装置では機械的
に不可能である。
【0017】本発明に供されるポリエステルフィルム
は、非液晶性ポリエステル(A)と昇温結晶化温度降下
剤(B)からなる複合体である場合が好ましいが、その
複合方法は特に限定されるものではない。例えば、それ
ぞれを乾燥工程などで混ぜ合わせたドライブレンド方法
や、非液晶性ポリエステル(A)に高濃度の昇温結晶化
温度降下剤(B)を添加したマスターを使用する方法、
また、非液晶性ポリエステル(A)の重合時に添加する
方法などがある。本発明の特徴は固有粘度の高いフィル
ムを昇温結晶化温度近辺の温度で高倍率に延伸すること
にあるが、昇温結晶化温度が高すぎると縦延伸工程でロ
ール粘着などの問題があり、本発明の十分な効果が得ら
れない。しかし、昇温結晶化温度降下剤(B)を添加す
ることにより非液晶性ポリエステルの昇温結晶化温度が
低下するためロール粘着などの問題も起こらず好まし
い。該非液晶性ポリエステル(A)の代表的なものとし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2、6−ナフタレンジカルボキシレート、ポ
リシクロヘキサンメチレンテレフタレート、およびそれ
らの共重合体等を用いることができる。もちろん、主鎖
にエーテル成分を有したポリエステル、例えば、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを共
重合したものでもよい。
【0018】本発明で用いる昇温結晶化温度降下剤
(B)は、特に限定されるものではないが、主鎖にメソ
ゲン基を含有する共重合ポリエステルおよび/または結
晶増核剤であることが好ましい。本発明で言う共重合ポ
リエステルとしては、主鎖にメソゲン基(液晶性の構造
単位)を有する溶融成形性のポリエステルである。例え
ば、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単
位、芳香族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単
位、アルキレンジカルボニル単位などから選ばれた構造
単位からなる異方性溶融相を形成するポリエステルなど
である。
【0019】本発明で用いる好ましい共重合ポリエステ
ルとしては、下記(I)、(II)、(III)および(IV)
の構造単位からなる共重合ポリエステル、(I)、(II
I)および(IV)の構造単位からなる共重合ポリエステ
ル、(I)、(II)および(IV)の構造単位からなる共
重合ポリエステルから選ばれた一種以上であるもの等を
用いることができる。
【0020】
【化4】 (但し、式中のR1 は、
【化5】 を示し、R2
【化6】 から選ばれた一種以上の基を示し、R3 は、
【化7】 から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
原子または塩素原子を示し、構造単位[((II)+(II
I)]と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸および/
または6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成したポ
リエステルの構造単位を、構造単位(II)は、4、4´
−ジヒドロキシビフェニル、3、3´、5、5´−テト
ラメチル−4、4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイド
ロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイド
ロキノン、2、6−ジヒドキシナフタレン、2、7−ジ
ヒドキシナフタレン、2、2´−ビス(4ーヒドロキシ
フェニル)プロパンおよび4、4´−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテルから選ばれた芳香族ジヒドロキシ化合物
から生成した構造単位を、構造単位(III)はエチレン
グリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)
は、テレフタル酸、イソフタル酸、4、4´−ジフェニ
ルジカルボン酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、
1、2−ビス(フェノキシ)エタン−4、4´−ジカル
ボン酸、1、2−ビス(2ークロルフェノキシ)エタン
−4、4´−ジカルボン酸および4、4´−ジフェニル
エーテルジカルボン酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸
から生成した構造単位を各々示す。
【0021】また、上記構造単位(I)、(II)および
(IV)からなる共重合ポリエステルの場合は、R1
【化8】 であり、 R2
【化9】 から選ばれた一種以上であり、 R3
【化10】 から選ばれた一種以上であるものが好ましい。
【0022】また、上記構造単位(I)、(III)および
(IV)からなる共重合ポリエステルの場合は、R1
【化11】 であり、 R3
【化12】 であるものが特に好ましい。また、上記構造単位
(I)、(II)、(III)および(IV)からなる共重合ポ
リエステルの場合は、R1
【化13】 であり、R2
【化14】 であり、R3
【化15】 であるものが特に好ましい。
【0023】上記構造単位(I)、(II)、(III)およ
び(IV)の共重合量は任意であるが、電気絶縁特性、共
重合ポリエステルの微分散化の点から次の共重合量であ
ることが好ましい。
【0024】上記構造単位(I)、(II)および(IV)
からなる共重合ポリエステルの場合は、上記構造単位
(I)は、[(I)+(II)]の15〜90モル%が好ま
しく、40〜80モル%がより好ましい。構造単位(I
V)は構造単位(II)と実質的に等モルである。
【0025】また、上記構造単位(I)、(III)および
(IV)からなる共重合ポリエステルの場合は、上記構造
単位(I)は[(I)+(III)]の15〜90モル%が
好ましく、40〜80モル%がより好ましい。構造単位
(IV)は構造単位(III)と実質的に等モルである。
【0026】さらに、上記構造単位(I)、(II)、(I
II)および(IV)からなる共重合ポリエステルの場合
は、上記構造単位[(I)+(II)+(III)]に対する
[(I)+(II)]のモル分率は15〜90モル%が好
ましく、40〜80%がより好ましい。また、構造単位
[(I)+(II)+(III)]に対する(III)のモル分
率は85〜10モル%が好ましく、60〜20モル%が
より好ましい。また、構造単位(I)/(II)のモル比
は流動性の点から好ましくは75/25〜95/5であ
り、より好ましくは78/22〜93/7である。ま
た、構造単位(IV)のモル数は構造単位[(II)+(II
I)]のトータルモル数と実質的に等しい。
【0027】以上述べた説明中の「実質的に」とは、必
要に応じてポリエステルの末端基をカルボンキシル基末
端あるいはヒドロキシル末端基のいずれかを多くするこ
とができ、このような場合には構造単位(IV)のモル数
は構造単位[(II)+(III)]のトータルモル数と完
全に等しくないからである。
【0028】上記好ましい共重合ポリエステルを重縮合
する際には、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成
分以外に、3、3´−ジフェニルジカルボン酸、2、2
´−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、4、4´−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフォン、4、4´−ジヒドロキシジフェ
ニルスルフィド、4、4´−ジヒドロキシベンゾフェノ
ンなどの芳香族ジオール、1、4−ブタンジオール、
1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
1、4−シクロヘキサンジオール、1、4−シクロヘキ
サンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm
−ヒドロキシ安息香酸、2、6−ヒドロキシナフトエ酸
などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフ
ェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の効果が損
なわれない程度の少割合の範囲で、さらに共重合せしめ
ることができる。
【0029】本発明における共重合ポリエステルの製造
方法は、特に制限されなく、従来のポリエステルの重縮
合法に準じて製造できる。
【0030】例えば、上記の好ましく用いられる共重合
ポリエステルの製造法において、上記構造単位(III)
を含まない場合は下記(1)および(2)、構造単位
(III)を含む場合は下記(3)の製造方法が好まし
い。
【0031】(1)p−アセトキシ安息香酸および4、
4´−ジアセトキシビフェニル、4、4´−ジアセトキ
シベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル
化物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢
酸重縮合反応によって製造する方法。
【0032】(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4、
4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの
芳香族ジヒドロキシ化合物、テレフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水
酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造
する方法。
【0033】(3)ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステルのポリマ、オリゴマーまたはビス(β−ヒ
ドロキシエチル)テレフタレートなどの芳香族ジカルボ
ン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下
で(1)または(2)の方法により製造する方法。
【0034】これらの重縮合反応は無触媒でも進行する
が、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウ
ムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグ
ネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましい場合
もある。
【0035】本発明では、低粘度の共重合ポリエステ
ル、すなわち非液晶性ポリエステル(A)との溶融粘度
比(溶融粘度(非液晶性ポリエステル)/溶融粘度(共
重合ポリエステル))を大きくする共重合ポリエステル
が好ましい。押出工程での剪断発熱の抑制は、非液晶性
ポリエステル(A)に低粘度の共重合ポリエステルを添
加した場合ほどに効果的に達成できるからである。この
溶融粘度比は、少なくとも5以上であることが好まし
く、より好ましくは10以上、特に好ましくは50以上
である。従って、共重合ポリエステルの溶融粘度は、使
用する非液晶性ポリエステル(A)の溶融粘度にもよる
が、280℃、剪断速度200秒-1の条件下で0.1〜
50Pa・秒であることが望ましく、好ましくは0.3
〜10Pa・秒、さらに好ましくは0.5〜3Pa・秒
である。このような超低粘度の共重合ポリエステルを非
液晶性ポリエステルに適量添加することにより、共重合
ポリエステルが、非液晶性ポリエステル中により微分散
化され、透明性の良好な高弾性なフィルムが得られる。
【0036】このような低い溶融粘度を有し、本発明の
目的を達成する上で特に好適に用いることのできる共重
合ポリエステルは、上記構造単位(I)、(II)、(II
I)および(IV)からなる共重合ポリエステルである。
この共重合ポリエステルは、非液晶性ポリエステル
(A)中で均一に微分散する。
【0037】本発明のポリエステルフィルムは、非液晶
性ポリエステル(A)と昇温結晶化温度降下剤(B)と
の複合体からなる。特に昇温結晶化温度降下剤として共
重合ポリエステルを使用する場合、共重合ポリエステル
は非液晶性ポリエステル(A)中で微分散しており、そ
の分散形態としては、例えばスキン・コア型、海島型、
多層型繊維型などと呼ばれる種々の形態があるが、本発
明の場合、特に共重合ポリエステルが非液晶性ポリエス
テル(A)中に偏球状および小判状に微分散しているこ
とが好ましい。また、特に限定されないが、共重合ポリ
エステルのドメインが偏球状および小判状の場合には、
偏球状および小判状ドメインの長軸と単軸のアスペクト
比(L/D)は2〜50が好ましく、さらに好ましくは
3〜40であり、特に好ましくは5〜30である。ま
た、該共重合ポリエステルの平均分散径は0.001〜
5μmであり、好ましくは0.01〜3μmであり、さ
らに好ましくは0.1〜1μmである。このような分散
径で共重合ポリエステルが非液晶性ポリエステル(A)
中で微分散していると、非液晶性ポリエステル(A)の
熱分解の防止に優れているうえ、透明性の非常に良好な
フィルムを得ることができるため好ましい。
【0038】本発明のように共重合ポリエステルを非液
晶性ポリエステル(A)中に微分散させるには押出機で
の剪断速度を高めることが望ましい。しかし、押出機で
500sec-1以上の剪断速度がかかると、剪断発熱が
大きくなるため、ポリマーが熱分解し易くなり、その結
果、口金下面に目やに状付着物となりやすく凸状のスジ
状表面欠点の原因となるため好ましくない。なお、本発
明において押出機での剪断速度は、πDN/60h[D
=押出機シリンダー径(cm)、N=スクリュー回転数
(rpm)、h=スクリュー計量部溝深さ(cm)]で
ある。
【0039】本発明で昇温結晶化温度降下剤(B)とし
て用いられる結晶増核剤としては、ポリエステルの重合
時に使用するエステル交換触媒(金属塩)と燐酸化合物
の組み合わせで重合したポリエステル、または、タル
ク、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム
等の無機系核剤、安息香酸カルシウム、安息香酸ナトリ
ウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、サルチル酸亜鉛、N−アルキル−p−トルエンスル
ホンアミド等の有機系核剤およびポリブチレンテレフタ
レート樹脂、ナイロン6樹脂などの結晶増核作用を持つ
材料がある。特にポリエステル樹脂の重合時に使用する
エステル交換触媒(金属塩)と燐酸化合物の組み合わせ
で重合したポリエステルを使用する方法が、フィルムの
結晶化の均一性から好ましい。特にエステル交換触媒と
しては、酢酸マグネシウムが好ましく、また、燐酸化合
物としてはジメチルフェニルフォスフォネートが好まし
い。また、重合時にこれらの添加量を変化させることで
ポリエステルの昇温結晶化温度を変化させることができ
る。これら昇温結晶化温度降下剤は、それぞれ単独で使
用しても効果があるが、それぞれを組み合わせて添加し
ても同様の効果を得ることができる。
【0040】本発明の昇温結晶化温度降下剤(B)の添
加量は、0.01〜10重量%の範囲が好ましく、さら
に好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.
1〜1重量%である。添加量が0.01重量%未満であ
ると昇温結晶化温度降下剤(B)の効果が発現しにく
く、また、10重量%を超えると溶融押出した後のキャ
スト性が悪化するため好ましくない。また、機械特性な
どのフィルムの基本特性も悪化し易くなる。
【0041】本発明の非液晶性ポリエステル(A)がポ
リエチレンテレフタレートである場合引張弾性率が11
〜16GPaであることが好ましく、より好ましくは1
2〜16GPaである。
【0042】本発明の非液晶性ポリエステル(A)がポ
リエチレンナフタレートである場合引張弾性率が15〜
24GPaであることが好ましく、さらに好ましくは1
6〜24GPaであり、より好ましくは18〜24GP
aである。
【0043】なお、本発明のポリエステルフィルム中に
は、非液晶性ポリエステルと昇温結晶化温度降下剤以外
に本発明の効果を阻害しない範囲であれば、相溶化剤、
可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、
増白剤、着色剤、導電剤などを添加してもかまわない。
【0044】本発明のポリエステルフィルムは単膜でも
よいが、これに他のポリマー層、例えばポリエステル、
ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ア
クリル系ポリマーなどを積層してもよい。
【0045】次に、本発明のポリエステルフィルムを製
造する方法について説明するが、かかる例に限定される
ものではない。
【0046】ここでは非液晶性ポリエステル(A)とし
てポリエチレンテレフタレートを用いた例を示すが、使
用するポリマーにより製造条件は異なる。常法に従っ
て、テレフタル酸とエチレングリコールからエステル化
し、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコー
ルをエステル交換により、ビス−β−ヒドロキシエチル
テレフタレート(BHT)を得る。次に、このBHTを
重合槽に移行しながら、真空下で280℃に加熱して重
合反応を進める。ここで、固有粘度が0.6程度のポリ
エステルを得る。次に180℃減圧下で2時間予備結晶
化し、更に210℃で30時間固相重合を行い固有粘度
1.4dl/gの非液晶性ポリエステル(A)を得る。
【0047】次に、非液晶性ポリエステル(A)と昇温
結晶化温度降下剤(B)のチップを混合し、180℃で
3時間以上真空乾燥したのち、280℃に加熱された押
出機に供給し、フィルターにて濾過して、Tダイにより
シート状に押出す。非液晶性ポリエステル(A)と昇温
結晶化温度降下剤(B)は共にチップのまま混合しても
よいが、分散性を高めるために、いったん、二軸混練機
等を用いて、高濃度の昇温結晶化温度降下剤を含む非液
晶性ポリエステルマスターチップを作成し、該チップを
非液晶性ポリエステルチップで希釈して用いることも好
ましく行われる。また、このとき必要があれば、2台以
上の押出機、2層以上に分割されたピノール、または口
金を用いて、2層以上の積層フィルムとしてもよい。ま
た、異物を除去するために各種のフィルター、例えば焼
結金属、多孔性セラミック、サンド、金網などを用いる
ことが好ましい。Tダイから押出しされたシートを表面
温度25℃に冷却されたドラム上に静電気力により密着
固化せしめ実質的に非晶状態のキャストフィルムを得
る。口金から押出すときのドラフト比は、好ましくは2
〜200、より好ましくは5〜150であり、最も好ま
しくは10〜100である。該非晶フィルムを昇温結晶
化温度−50℃〜+30℃の加熱ロール群で加熱し、縦
方向に3〜6倍に延伸、20〜50℃の冷却ロール群で
冷却する。続いて、公知のテンターに導いて、該フィル
ムの両端をクリップで把持しながら、非晶フィルムの昇
温結晶化温度−40℃〜+50℃に加熱された熱風雰囲
気中で加熱し、横方向に3〜8倍延伸する。続いて、該
フィルムに融点−80℃〜融点の間の温度で熱固定を施
す。また、このとき、少なくとも1ゾーン以上で1〜2
倍に延伸を行う。熱固定は、緊張下で行ってもよく、ま
た熱寸法安定性をさらに向上させるために、幅方向に弛
緩することも好ましく行われる。
【0048】
【物性の測定方法ならびに効果の評価方法】
(1)固有粘度:オルトクロロフェノール中0.1g/
ml濃度で25℃で測定した値である。
【0049】なお、共重合ポリエステルはオルトクロロ
フェノールには溶解しないため、遠心分離により該ポリ
マを除去後測定した。 (2)昇温結晶化温度(Tcc)、融点(Tm)、熱処
理温度(Tmeta):セイコー電子工業(株)製ロボット
DSC RDC220を用いて、フィルム片約5mgを
アルミのパンに採取し、昇温速度20℃/分で昇温し、
Tmetaを測定した。その後、液体窒素で急冷してから、
2nd Runを同様の昇温速度で測定し、Tcc、Tmを測
定し、それぞれのピーク温度をTcc、Tmとした。
【0050】(3)密度:臭化ナトリウム水溶液からな
る密度勾配管を用いて、25℃でフィルム密度を求め
た。測定(数値読み取り)は、サンプルを勾配管に投入
して12時間後に行った。
【0051】(4)延伸倍率(面積倍率):長手方向の
延伸倍率は、製膜時のキャストドラム速度と縦延伸装置
の出口側の速度比より求めた。また、幅方向の延伸倍率
は横延伸装置に入る前のフィルムに幅方向に等間隔のマ
ークを入れ、横延伸装置から出てきたフィルムに付いた
マークの幅と横延伸装置に入る前に付けたマークの幅の
比により求めた。長手方向の延伸倍率と幅方向の延伸倍
率の積を面積倍率とした。
【0052】(5)溶融粘度:高下式フローテスターを
用いて、280℃、剪断速度200秒-1のときの値を測
定した。単位は[Pa・秒]で表す。 (6)共重合ポリエステルの平均長径L、平均短径D、
平均分散径およびアスペクト比:ポリエステルフィルム
を、(a)流れ方向に平行かつフィルム面に垂直な方向、
(b)幅方向に平行かつフィルム面に垂直な方向、(c)フィ
ルム面に対して平行な方向、に切断し、その切断面を透
過型電子顕微鏡(TEM)で観察する。(a)の切断面に
現れる共重合ポリエステルのドメインのフィルムの厚み
方向の厚さ(la)と流れ方向の長さ(lb)、(b)の
切断面に現れる共重合ポリエステルのドメインのフィル
ムの厚み方向の長さ(lc)と幅方向の長さ(ld)、
および(c)の切断面に現れる共重合ポリエステルのドメ
インの流れ方向の長さ(le)と幅方向の長さ(lf)
を、直接観察または顕微鏡写真により求めた。なお、こ
れらla、lb、lc、ld、le、lfは、各切断面
に分布する分散ドメインを無作為に用い、100個のド
メインに対して求めた。次いで、共重合ポリエステルの
分散ドメインの形状指数I、J、Kを求める。Iは(l
bの平均+leの平均)/2、Jは(ldの平均+lf
の平均)/2、Kは(laの平均+lcの平均)/2と
した。共重合ポリエステルの平均長径Lおよび平均短径
Dは上記I、J、Kと下記(I)および(II)式により
決定し、その比率L/Dをアスペクト比とした。
【0053】L=max[I、J、K]・・・(I) D=(I+J+K−L)/3・・(II) ここで、I、J、Kは共重合ポリエステルのドメインの
フィルム流れ方向、幅方向、および厚み方向の平均長さ
に対応する。max[I、J、K]は、I、J、Kの長
さを比較して、最も大きな値を選択する関数である。ま
た本発明では、(I・J・K)1/3 を平均分散径と
いう。
【0054】(7)引張弾性率:フィルムを標線間50
mm×幅10mmに切り出し、23℃、65%RHの雰
囲気下でオリエンテック社製テンシロンを用いて、引張
り速度200mm/分で引張試験を行った。
【0055】(8)製膜安定性:24時間連続で製膜し
たときの横延伸後のフィルム破れの頻度により次のよう
に分類し製膜安定性を評価した。
【0056】 フィルム破れの頻度[回/24時間] 記号 0 ◎ 1〜5 ○ 6〜10 △ 11以上 ×
【0057】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。
【0058】実施例1 ポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃減圧
下で2時間予備結晶化し、更に210℃で30時間固相
重合を行い固有粘度1.4dl/gのポリエチレンテレ
フタレートのペレットを得た。昇温結晶化温度降下剤と
しては、下記原料から重縮合した共重合ポリエステルA
(融点208℃、液晶開始温度190℃、溶融粘度5P
a・sec)を用いた。先のポリエチレンテレフタレー
トに共重合ポリエステル0.5wt%を添加混合し押出
機に供給し、280℃の温度で溶融して、80μm以下
に異物を95%カットする高精度フィルターを通過さ
せ、Tダイにて押出し、静電印加法を用いて、表面温度
25℃のキャスティングドラム上で冷却固化し、非晶状
態の未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの昇温結
晶化温度は135℃であった。このフィルムを縦延伸機
を用いて、縦方向に130℃で4.5倍延伸し、続いて
ステンターにより140℃で6倍横延伸し、続いて22
0℃で2秒間行う熱処理工程で1.25倍横延伸して厚
さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを得
た。このフィルムの特性は表1の通りであり、非常に高
弾性なフィルムであった。
【0059】 [共重合ポリエステルA原料] 共重合モル比 ヒドロキシ安息香酸 42.5 4、4´−ジヒドロキシビフェニル 7.5 エチレングリコール 50.0 テレフタル酸 57.5 実施例2〜8、比較例1〜4 非液晶性ポリエステルの固有粘度、降温結晶化温度降下
剤として用いる共重合ポリエステルの添加量、延伸温
度、延伸倍率を変更したポリエステルフィルムを製膜し
た。得られたフィルムの特性は表1の通りであった。延
伸温度が実質的に無配向なフィルムの昇温結晶化温度−
60℃〜+30℃で長手方向に延伸し、幅方向に実質的
に無配向なフィルムの昇温結晶化温度−40℃〜+50
℃で延伸する本発明の範囲であれば高弾性なフィルムが
得られるが、本発明の範囲から外れると弾性力が不十分
であったり製膜が困難となる。
【0060】実施例9〜10、比較例5 昇温結晶化温度降下剤を添加しない以外は、実施例1と
同様にして二軸延伸フィルムを得た。特性は表1の通り
延伸温度が実質的に無配向なフィルムの昇温結晶化−6
0℃〜+30℃で長手方向に延伸し、幅方向に実質的に
無配向なフィルムの昇温結晶化温度−40℃〜+50℃
で延伸する本発明の範囲であれば高弾性なフィルムを得
ることができる。
【0061】実施例11 昇温結晶化温度降下剤として使用する共重合ポリエステ
ルを、下記原料から重縮合した共重合ポリエステルB
(共重合ポリエステルB:融点265℃、液晶開始温度
240℃)に変更し、溶融粘度のみ変更し実施例1と同
様の方法でポリエステルフィルムを製膜した。実質的に
無配向なフィルムの昇温結晶化温度が135℃のフィル
ムを本発明の請求範囲で延伸することにより、表1の通
り特性の良好なフィルムを得ることができた。
【0062】 [共重合ポリエステルB原料] 共重合モル比 ヒドロキシ安息香酸 72.5 4、4´−ジヒドロキシビフェニル 7.5 エチレングリコール 20.0 テレフタル酸 27.5 実施例12 ポリエチレンテレフタレートの重合工程において、ポリ
エステルとしてエステル交換触媒を酢酸マグネシウム
0.1重量%、重合触媒を三酸化アンチモン0.03重
量%、熱安定剤をジメチルフェニルフォスネート0.3
5重量%としてポリエチレンテレフタレートのペレット
を作成し、実施例1と同様に固相重合を行い固有粘度
1.4dl/gのポリエチレンテレフタレートのペレッ
トを得た。後は、実施例1と同様に製膜を行い昇温結晶
化温度132℃の無配向なフィルムを得た。得られたフ
ィルムを本発明の請求範囲内である縦115℃、横14
0℃で二軸に延伸し二軸延伸フィルムを得た。特性は表
1に示したように良好であった。
【0063】実施例13 非液晶性ポリエステルとして固有粘度1.5dl/gの
ポリエチレンナフタレートを使用する以外は実施例1と
同様にして二軸延伸したポリエチレンナフタレートのフ
ィルムを得た。特性は表1の通り本発明の請求範囲内で
延伸することにより高弾性でありながら製膜安定性の良
好なフィルムであった。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明は、固有粘度の高いポリエステル
を用いて、長手方向に実質的に無配向なフィルムの昇温
結晶化温度−60℃〜+30℃の温度で延伸したのち、
幅方向に実質的に無配向なフィルムの昇温結晶化温度−
40℃〜+50℃の温度で延伸することにより、縦/横
のトータル弾性率が11GPa以上の高弾性なフィルム
を提供するものであり、次のような効果がある。
【0066】(1)再縦/再横延伸をしない単なる縦/横
延伸だけで、再縦/再横延伸したフィルムと同等もしく
はそれ以上の弾性率が得られるため特に設備投資する必
要がない。
【0067】(2)再縦/再横延伸しないため製膜ロスが
少なく、これによる管理収率アップにより、大幅なコス
トダウンがねらえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67:02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固有粘度が0.7〜3dl/gである実質
    的に無配向なポリエステルフィルムを、該実質的に無配
    向なフィルムの昇温結晶化温度Tcc−60℃〜+30
    ℃の温度で長手方向に延伸したのち、該実質的に無配向
    なフィルムの昇温結晶化温度−40℃〜+50℃の温度
    で幅方向に延伸することを特徴とする二軸配向ポリエス
    テルフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】前記実質的に無配向なポリエステルフィル
    ムの昇温結晶化温度Tccが110〜160℃であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の二軸配向ポリエステル
    フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】前記ポリエステルフィルムの延伸におい
    て、長手方向に一軸に延伸されたフィルムが密度1.3
    5〜1.39のものであり、該フィルムを幅方向に延伸
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】前記ポリエステルフィルムの長手方向と幅
    方向の面積倍率が20倍〜50倍であることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3のいずれかに記載の二軸配向ポリ
    エステルフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】前記ポリエステルフィルムを請求項1〜4
    のいずれかに記載の方法にて長手方向と幅方向に延伸
    後、該ポリエステルの融点−80℃〜融点の間で熱固定
    することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムの
    製造方法。
  6. 【請求項6】前記ポリエステルフィルムの熱固定工程に
    おいて、少なくとも1ゾーン以上で1〜2倍に延伸する
    ことを特徴とする請求項5に記載の二軸配向ポリエステ
    ルフィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】固有粘度が0.7〜3dl/gである実質
    的に無配向なポリエステルフィルムを、該実質的に無配
    向なフィルムの昇温結晶化温度Tcc−50℃〜+30
    ℃の温度で長手方向に延伸したのち、実質的に無配向な
    フィルムの昇温結晶化温度−40℃〜+50℃の温度で
    幅方向に延伸した得られたことを特徴とする二軸配向ポ
    リエステルフィルム。
  8. 【請求項8】前記二軸配向ポリエステルフィルムにおい
    て、ポリエステルフィルムが、非液晶性ポリエステル
    (A)と昇温結晶化温度降下剤(B)からなる複合体で
    あることを特徴とする請求項7に記載の二軸配向ポリエ
    ステルフィルム。
  9. 【請求項9】前記昇温結晶化温度降下剤(B)が、主鎖
    にメソゲン基を含有する共重合ポリエステルおよび/ま
    たは結晶増核剤であることを特徴とする請求項8に記載
    の二軸配向ポリエステルフィルム。
  10. 【請求項10】前記昇温結晶化温度降下剤(B)をポリ
    エステルフィルム中に0.01〜10重量%含有するこ
    とを特徴とする請求項8、請求項9のいずれかに記載の
    二軸配向ポリエステルフィルム。
  11. 【請求項11】前記昇温結晶化温度降下剤(B)のうち
    主鎖にメソゲン基を含有する共重合ポリエステル中のメ
    ソゲン基の共重合量が15〜90モル%であることを特
    徴とする請求項9に記載の二軸配向ポリエステルフィル
    ム。
  12. 【請求項12】前記昇温結晶化温度降下剤(B)のうち
    主鎖にメソゲン基を含有する共重合ポリエステルの溶融
    粘度が0.1〜50Pa・秒であることを特徴とする請
    求項9、請求項11のいずれかに記載の二軸配向ポリエ
    ステルフィルム。
  13. 【請求項13】前記昇温結晶化温度降下剤(B)のうち
    主鎖にメソゲン基を含有する共重合ポリエステルが下記
    (I)、(III)および(IV)の構造単位からなる共重合
    ポリエステル、(I)、(II)および(IV)の構造単位
    からなる共重合ポリエステル、(I)、(II)、(III)
    および(IV)の構造単位からなる共重合ポリエステルか
    ら選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求
    項9、請求項11、請求項12のいずれかに記載の二軸
    配向ポリエステルフィルム。 【化1】 (但し、式中のR1 は、 【化2】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2 は、 【化3】 から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または塩素原子を示し、構造単位[(II)+(II
    I)]と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
  14. 【請求項14】前記非液晶性ポリエステル(A)が、ポ
    リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
    およびそれらの変性体よりなる群から選ばれた少なくと
    も一種であることを特徴とする請求項8〜請求項13の
    いずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  15. 【請求項15】非液晶性ポリエステル(A)が、ポリエ
    チレンテレフタレートからなり、長手方向と幅方向の引
    張弾性率の和が11〜16GPaであることを特徴とす
    る請求項8〜請求項14のいずれかに記載の二軸配向ポ
    リエステルフィルム。
  16. 【請求項16】非液晶性ポリエステル(A)がポリエチ
    レンナフタレートからなり、長手方向と幅方向の引張弾
    性率の和が15〜24GPaであることを特徴とする請
    求項8〜請求項14のいずれかに記載の二軸配向ポリエ
    ステルフィルム。
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