JPH11103665A - アガリクス茸栽培培地とアガリクス茸の栽培法 - Google Patents

アガリクス茸栽培培地とアガリクス茸の栽培法

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JPH11103665A
JPH11103665A JP9289224A JP28922497A JPH11103665A JP H11103665 A JPH11103665 A JP H11103665A JP 9289224 A JP9289224 A JP 9289224A JP 28922497 A JP28922497 A JP 28922497A JP H11103665 A JPH11103665 A JP H11103665A
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scum
medium
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agaricus
fermentation
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Bunzo Kobayashi
文三 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アガリクス茸の増産を可能にする栽培培地を
提供する。 【解決手段】 アガリクス茸の栽培培地材料1の一部に
発酵材を加え、発酵処理を施した培地材料によりアガリ
クス茸の栽培培地を形成している。培地材料として、コ
ーヒー絞りカス、ブドウ絞りカス、ミカン絞りカス、モ
モ絞りカス、その他の果実の絞りカス、及びビールの濾
過カスの少なくとも1種以上を用いる。この栽培培地
は、アガリクス茸の収穫を増産することができる。ま
た、コーヒー絞りカスや果実の絞りカスの再利用を図る
ことができ、資源の有効利用を果たすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工栽培するアガ
リクス茸の栽培培地とその培地の製造方法、及びアガリ
クス茸の栽培方法に関し、特に、アガリクス茸の収量の
増大を図るものである。
【0002】
【従来の技術】アガリクス茸は、近年、癌や万病を防ぐ
と注目を集めている。このアガリクス茸は、学名を「ア
ガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agaricus Blazei Muri
ll)」、和名を「カワリハラタケ」という担子菌類ハラ
タケ科のキノコであり、ブラジルのサンパウロ郊外のピ
エダーテ地方が原産地である。
【0003】アガリクス茸は、制ガン効果物質である高
分子多糖体β−グルカンを多く含み、マウスを用いた動
物実験でも、癌阻止率が他の茸類に比べて高いことが確
かめられている。
【0004】原産地のピエダーテ地方は、気温が昼間3
5℃、夜間20〜25℃、湿度80%、夕方になると定
時的にスコールが降る気候であり、野生のアガリクス茸
は、この気候条件のピエダーテ地方にしか自生していな
い。そのため、自然からの採取により安定した生産量を
確保することは極めて難しい。
【0005】我が国では、1965年にアガリクス茸の
種菌が紹介され、アガリクス茸の薬理効果が明らかにな
るに及んで、人工栽培の研究に拍車が掛かり、稲ワラや
サトウキビの搾りカスのバガスなどを堆肥に用いる栽培
法が開発された。
【0006】収穫されたアガリクス茸は、乾燥され、煎
じて服用する乾燥茸として市販されており、また、抽出
液をレトルト包装したものや、乾燥後粉砕して顆粒タイ
プの健康食品としたものも販売されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の栽培法
で収穫できるアガリクス茸の量は、非常に少なく、例え
ば、稲ワラを栽培培地に用いる場合のアガリクス茸の収
穫量(乾燥状態での重量)は、培地材料の重量(乾燥状
態での重量)の凡そ10%が限度であり、4トンの稲ワ
ラを使用して400kgの収穫しか上げることができな
い。
【0008】また、雑菌やダニの発生などでアガリクス
茸が1本も生えないことがあり、収量が極めて不安定で
ある。これらのことがアガリクス製品の高価格化の原因
を作っている。
【0009】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、アガリクス茸の増産を可能にする栽培培
地とその製造方法を提供し、また、アガリクス茸を安定
して収穫することができる栽培法を提供することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、ア
ガリクス茸の培地材料の一部に発酵材を加え、発酵処理
を施した培地材料によりアガリクス茸の栽培培地を形成
している。
【0011】また、この培地材料として、コーヒー絞り
カス、ブドウ絞りカス、ミカン絞りカス、モモ絞りカ
ス、その他の果実の絞りカス、ビール醸造の濾過カス及
び植物性生ゴミの少なくとも1種以上を用いている。
【0012】この栽培培地は、アガリクス茸の収穫を増
産することができる。また、産業廃棄物であるコーヒー
絞りカスや果実の絞りカスなどの再利用を図ることがで
き、資源の有効利用を果たすことができる。
【0013】また、本発明のアガリクス茸の栽培方法で
は、このような培地を栽培ビンに詰め、この栽培ビンの
培地にアガリクス菌を施して、少なくとも、菌回りまで
の工程を管理している。
【0014】この栽培法では、アガリクス茸を安定して
収穫することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1は、本発明の栽培培地を用いて
アガリクス茸を栽培し、製品を得るまでの工程を示して
いる。各工程について、順を追って説明する。
【0016】1、培地材料の調整 培地材料の主材として、コーヒー絞りカスと、ブドウ絞
りカスとを用い、これに発酵材を加えて発酵させ、培地
材料を生成した。
【0017】コーヒー絞りカスは、インスタントコーヒ
ーや缶コーヒーメーカーから排出されたコーヒー豆の絞
りカスである。
【0018】これらのコーヒーメーカーでは、原料のコ
ーヒー豆を乾燥した後、200〜250℃、15〜20
分に渡って焙煎し、焙煎後のコーヒー豆を粗く挽いて、
これを抽出筒に入れ、熱水及び蒸気と圧力とを加えて濃
厚なコーヒー抽出液を抽出する。このとき、コーヒー豆
の絞りカスが発生する。抽出液の方は、熱風乾燥するス
プレードライ法や急冷して水分を飛ばすフリーズドライ
法で粉末化し容器に封入して商品としたり、あるいは、
抽出液に甘味料などを加えて缶に封入した後、製品とし
て出荷される。コーヒー絞りカスは、直径1〜3mmの
繊維質から成る粒子であり、極めて保水性に富んでい
る。
【0019】ブドウ絞りカスは、ワインメーカーがブド
ウを絞った後に排出する絞りカスであり、ブドウの皮と
それに付着した僅かな量の果肉とから成る。
【0020】発酵材には、遊離酸素の存在しない状態で
発酵を行なう嫌気性菌、酸素のある状態で発酵を行なう
好気性菌、光によって分解を促進する光合成細菌などを
複合して含む市販のものを使用した。この発酵剤は、嫌
気性菌として、アセトン−ブタノール発酵を行なうClos
tridium acetobutylicum系、Clostridium obutylicum系
の細菌、Clostridium Puctionolyticum系の嫌気性窒素
固定細菌、Streptococcus cremoris系、Streptococcus
lactis系の乳酸菌などを含み、好気性菌として、Azotob
acter chrooccum系、Azotobacter agilis系、Azotobact
er indicum系の窒素固定細菌を含み、光合成細菌とし
て、Rhodopseudomnas capsulata系の細菌を含み、その
他、Actinoplanes系の放線菌やAspergillus olyzae系、
Aspergillus sojae系、Penicillum roqueforti系、Peni
cillum Camemberti系の糸状菌群を含んでおり、これら
の微生物が培養成分と混合され、粉状態を成している。
【0021】培地材料は、コーヒー絞りカスとブドウ絞
りカスとを容量比で1:1の割合で配合し、発酵剤を、
それらの混合物に対して5%(容量比)程度加えた。
【0022】発酵材を加えて混合した培地材料は、屋内
の堆積置場に、堆積高さが凡そ1.5〜2mになるよう
に堆積し、放置して60日間発酵を行なわせた。この
間、堆積物の表面が乾き切らないように適宜灌水を施
し、また、均等な発酵を行なわせるため、1週間に1回
の割りで切り返しを行なった。堆積物は、堆積して2〜
3日後には発酵により内部温度が60〜70℃にまで上
昇し、その状態が50日目頃まで続いた。その後、内部
温度が徐々に低下して、55日目には40℃以下に下が
り、切り返しても内部温度が一定を保つ状態となり、発
酵が終了した。
【0023】2、菌床生成 こうして発酵が終了した培地材料を、縦40cm、横8
0cm、深さ20cmの発泡スチロールの栽培箱に、約
15cmの厚さまで入れ、水分を補給して菌床を形成し
た。この箱の底部分には、水抜き用の孔を複数形成して
いる。1ロットの培地材料から、100箱の菌床を形成
した。
【0024】3、菌蒔き 菌床の上に、アガリクスの種菌を蒔く。この種菌は、栽
培ビンの中に培養地を詰めて培養したものであり、菌糸
が十分に成長した状態の培養地を栽培ビンから掻き出
し、菌が付着している培養地を粗く砕いて、菌床の表面
に一様に蒔いた。 4、菌回り 菌蒔きを終えた菌床は、それ以降、室温を25℃前後に
調整し、絶えず換気した薄暗い育成室に置いて管理し
た。水やりは、菌床の表面が乾いたときに水を与える、
という工程を繰り返した。
【0025】育成室の菌床には、成長した菌糸が網の目
状に延び、菌蒔きから3週間経過した時点で、菌床の外
側全体が菌糸で覆われて真っ白になる「菌回り」の状態
に達した。菌回りした菌床は、菌糸の緊縛力で形が崩れ
ない状態になる。従って、菌床を栽培箱から出して、裏
面の菌回りの状態を確認することができる。
【0026】5、覆土 菌回りした菌床の表面に、鹿沼土を3cmの厚さに被せ
た。これはアガリクスの子実体の発芽を促すための処理
である。
【0027】また、覆土として鹿沼土を用いたのは、鹿
沼土の粒子径が大きく、粒子間の粘着力が弱いため、子
実体の発芽時に覆土の地割れの発生が少ないこと、採取
した子実体に付着した土を簡単に落とせることなどによ
る。
【0028】6、子実体の発芽 覆土後、凡そ1週間で子実体の発芽が始まり、覆土から
露出する子実体の先端が観察できた。
【0029】7、生育 発芽した子実体の凡そ1/3が成長し、残りは成長しな
いまま消滅した。成長を続ける子実体は、覆土から約3
週間で、採取可能な6〜7cmの長さにまで生育した。
このときの子実体の傘は紡錘形をしている。
【0030】8、採取 6〜7cmに成長し、収穫時期を迎えたアガリクス茸
は、1本1本、丁寧に摘み取った。収穫した1箱当たり
の茸の本数は、40.8本であった。 9、乾燥 摘み取ったアガリクス茸は、乾燥した。 10、製品 乾燥したアガリクス茸は袋詰めされ、製品として出荷さ
れる。
【0031】一方、採取が済んだ菌床には、凡そ2週間
経過して、再び、2回目の子実体の発芽が始まった。発
芽して成長を続けた子実体は、約3週間経って採取し
た。この繰り返しによって、同一の菌床からアガリクス
茸を平均8.3回に渡って収穫することができ、1箱当
たりのトータルの収穫量は314.2本に達した。
【0032】図2は、培地材料を種々変えてアガリクス
茸を栽培したときの収穫量を対比して示している。この
栽培方法は、培地材料を除けば、図1で説明したものと
同じである。従って、各培地材料に関して100箱の菌
床を作成しており、図2の数値は、1箱当たりの平均値
を示している。
【0033】図2において、「収穫回数」は、同一の菌
床からアガリクス茸を繰り返し収穫した回数を示してい
る。また、「生育数/箱」は、初回の収穫において1箱
から採取できたアガリクス茸の本数を示している。1箱
から採取できる本数は、収穫回数が増える程、減少する
傾向がある。各回の収穫における採取本数の合計数を
「収穫量」として示している。
【0034】No.1の培地材料は、先に説明した培地
材料であり、コーヒー絞りカスとブドウ絞りカスとを
1:1の容積比で配合し、これに発酵材を5%(容量
比)程度加えている。
【0035】No.2の培地材料は、No.1の培地材
料からブドウ絞りカスを除いたものである。
【0036】No.3の培地材料は、No.1の培地材
料からコーヒー絞りカスを除いたものである。
【0037】No.4の培地材料は、No.1の培地材
料に対して、5cm程度に裁断した稲ワラを50%(容
量比)加えたものである。
【0038】No.5の培地材料は、No.1の培地材
料のブドウ絞りカスに代えて、ジュースを絞った後のミ
カン絞りカスを用いている。
【0039】No.6からNo.8までは比較例であ
り、No.6の培地材料は、5cm程度に裁断した稲ワ
ラだけを用いている。
【0040】No.7の培地材料は、ブドウ絞りカスだ
けを用いている。
【0041】また、No.8の培地材料は、コーヒー絞
りカスだけを用いている。
【0042】収穫の結果を比較すると、発酵材を加えた
培地材料を用いた場合には、「生育数/箱」及び「収穫
回数」が共に増加し、アガリクス茸の収穫量が大幅に増
大することが分かる。この理由については、必ずしも明
らかでないが、発酵時の熱が、アガリクス茸の成長を阻
害する雑菌やダニを殺し、アガリクス茸の生育に好結果
を生むものと推測される。
【0043】また、発酵材を加えたNo.1、No.
2、No.3、No.4及びNo.5の培地材料を比較
すると、コーヒー絞りカス、ブドウ絞りカス及び発酵材
より成る組み合わせ(No.1)が、アガリクス茸の生
育に最も適していると考えられる。
【0044】また、No.4の結果から明らかなよう
に、発酵材を加えた培地材料に対して、稲ワラなどの既
存の培地材料を混合して培地材料の増量を図ることも可
能である。既存の培地材料としては、稲ワラの他に、バ
ガスやコーンコブ(トウモロコシの芯を細かく裁断した
もの)等を用いることができる。
【0045】また、ここでは、ブドウやミカン、コーヒ
ーの絞りカスを培地材料の一部に用いているが、これら
に代えて、モモやオレンジなど、他の果実の絞りカス、
あるいはビールの醸造で排出される麦芽の濾過カスや植
物性の生ゴミなどを用いることも可能である。
【0046】なお、培地材料の発酵処理に用いた前記微
生物は一例であって、それに限るものではない。
【0047】(第2の実施形態)第2の実施形態では、
栽培ビンを活用して行なうアガリクス茸の栽培法につい
て説明する。
【0048】図3は、この栽培法でアガリクス茸を栽培
し、製品を得るまでの工程を示している。
【0049】21、培地材料の調整 培地材料の調整は、第1の実施形態と全く同じように行
ない、主材としてコーヒー絞りカスとブドウ絞りカスと
を使用し、これに発酵材を加えて発酵させ、培地材料を
生成した。
【0050】22、培地材料のビン詰め 調整した培地材料を細かくカッティングした後、エノキ
栽培などで使用されている栽培ビンに詰め込んだ。この
栽培ビンは、1100ccの容量を持つ半透明のポリプ
ロピレン製のビンであり、図3に示すように、太い径の
筒状胴体と、口にまで繋がる小径の円筒状部分とを有し
ている。培地材料は、この小径の円筒状部分に達するま
で詰め込んだ。なお、培地材料を細かくカッティングし
ているのは、後の工程で、栽培ビンから培地を掻き出す
際に、その操作を仕易くするためである。
【0051】23、殺菌処理 培地材料を詰めた栽培ビンを、110℃前後に過熱して
殺菌処理を施した。この加熱によりダニ(ダニは60℃
で死滅)や雑菌が死滅する。
【0052】24、菌蒔き 栽培ビンに詰めた培地の露出面に、アガリクスの種菌を
蒔く。種菌は、第1の実施形態と同様に、別の栽培ビン
で培養地を使って培養したものであり、菌が付着してい
る培養地を細かく砕いて、培地の露出面に一様に蒔い
た。
【0053】25、菌回り 菌蒔きを終えた栽培ビンは、室温を25℃前後に調整
し、絶えず換気した薄暗い育成室に置いて管理した。水
やりは、特に行なわない。
【0054】菌蒔きから2週間が経過すると、「菌回
り」の状態に達し、栽培ビンを通して、その中が真っ白
に見える。
【0055】26、掻き出し 菌回りした培地を、回転するスクリューを使って栽培ビ
ンから掻き出す。培地は、菌糸が絡まった状態で粗い塊
となって掻き出される。
【0056】27、菌床形成 掻き出した培地の塊を、第1の実施形態で用いた、縦4
0cm、横80cm、深さ20cmの発泡スチロールの
栽培箱に、約15cmの厚さまで入れて菌床を形成し
た。
【0057】28、覆土 形成した菌床の上に、直ぐに、鹿沼土を3cmの厚さに
被せた。
【0058】覆土した後の工程や子実体の生育管理に関
しては、第1の実施形態と全く同じである。この栽培法
で収穫されたアガリクス茸の「生育数/箱」は40.5
本であり、「収穫回数」は8.2回、「収穫量」は31
1.8本であった。
【0059】この栽培法では、箱に比べて容量の少ない
栽培ビンを用いているため、「菌蒔き」から「菌回り」
までの時間を短縮することができる。また、この間の栽
培ビンの管理は、栽培箱を使う場合と違って、育成室の
状態を適切に制御するだけで足りるため、殆ど人手を必
要としない。
【0060】また、この栽培法では、アガリクスの菌糸
を安定して成長させることが可能である。これは、次の
理由による。
【0061】アガリクスの菌糸は、培地上に雑菌が共存
する場合、雑菌に負けて成長が止まり、終にはアガリク
ス菌が死滅してしまう。しかし、露出している培地の表
面が全てアガリクスの菌糸で覆い尽くされると、その後
から雑菌が培地に到達することはできなくなり、アガリ
クスの菌糸は順調に成長を続けることができる。
【0062】栽培ビンを使う栽培では、培地材料を詰め
た栽培ビンが過熱殺菌処理された段階で雑菌は一旦死滅
する。次いで、菌蒔きにより、アガリクスの菌が栽培ビ
ンの培地に蒔かれると、この培地の露出面は狭いため、
アガリクスの菌糸は、この露出面を直ぐに覆い尽くして
しまう。そうなると、雑菌が侵入する余地は無くなり、
アガリクスは、雑菌に邪魔されることなく、菌糸を成長
させて菌回りを果たすことができる。
【0063】従って、この実施形態の栽培法では、アガ
リクス茸の収量を増やすとともに、安定的に収穫するこ
とが可能になる。
【0064】なお、栽培ビンの代わりに、ビニール袋な
どを培地容器として用いることもできる。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の栽培培地は、増収が難しいとされているアガリクス茸
の収穫量を増やすことができる。また、産業廃棄物とし
て扱われているコーヒーや果実の絞りカスを、再度、活
用することにより、資源の有効利用を図ることができ
る。
【0066】また、本発明の栽培法は、アガリクス茸の
安定的な収穫を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における栽培培地を用いてアガ
リクス茸を栽培する工程を示す工程図、
【図2】各種栽培培地を使用したときのアガリクス茸の
収穫量を示す図、
【図3】第2の実施形態における栽培法の工程を示す工
程図である。
【符号の説明】
1、21 培地材料調整 2、27 菌床生成 3、24 菌蒔き 4、25 菌回り 5、28 覆土 6、29 子実体発芽 7、30 生育 8、31 採取 9、32 乾燥 10、33 製品 22 ビン詰め 23 殺菌処理 26 カキ出し

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アガリクス茸を栽培する栽培培地におい
    て、培地材料の一部に発酵材を含むことを特徴とするア
    ガリクス茸栽培培地。
  2. 【請求項2】 前記培地材料が、コーヒー絞りカス、ブ
    ドウ絞りカス、ミカン絞りカス、モモ絞りカス、その他
    の果実の絞りカス、ビール醸造の濾過カス及び植物性生
    ゴミの少なくとも1種以上を含むことを特徴とする請求
    項1に記載のアガリクス茸栽培培地。
  3. 【請求項3】 アガリクス茸を栽培する栽培培地の製造
    方法において、培地材料の一部に発酵材を加えて、発酵
    処理を施すことを特徴とするアガリクス茸栽培培地の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記培地材料として、コーヒー絞りカ
    ス、ブドウ絞りカス、ミカン絞りカス、モモ絞りカス、
    その他の果実の絞りカス、ビール醸造の濾過カス及び植
    物性生ゴミの少なくとも1種以上を用いることを特徴と
    する請求項3に記載のアガリクス茸栽培培地の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 アガリクス茸を栽培する栽培方法におい
    て、培地材料の一部に発酵材を加えて発酵処理を施した
    培地を栽培ビンに詰め、この栽培ビンの培地にアガリク
    ス菌を施して、少なくとも、菌回りまでの工程を管理す
    ることを特徴とするアガリクス茸の栽培方法。
  6. 【請求項6】 培地を詰めた前記栽培ビンに対して、過
    熱殺菌処理を施すことを特徴とする請求項5に記載のア
    ガリクス茸の栽培方法。
JP9289224A 1997-10-07 1997-10-07 アガリクス茸栽培培地とアガリクス茸の栽培法 Pending JPH11103665A (ja)

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