JPH11103599A - 発電装置の始動装置 - Google Patents

発電装置の始動装置

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JPH11103599A
JPH11103599A JP9264096A JP26409697A JPH11103599A JP H11103599 A JPH11103599 A JP H11103599A JP 9264096 A JP9264096 A JP 9264096A JP 26409697 A JP26409697 A JP 26409697A JP H11103599 A JPH11103599 A JP H11103599A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の原動機を始動して複数台の発電機を同期
させ並列運転して負荷に給電する動作を短時間に行う発
電機の始動装置を提供すること。 【解決手段】発電機の同期投入条件をチェックして遮断
器に投入指令を発する複数の発電セットを共通の発電機
母線に接続し並列運転して負荷に給電する給電システム
において、各発電セット毎に回転数設定値のリセット値
を設定するリセット値設定器と指令により回転数設定値
をリセットするリセットスイッチを設け、発電セット各
号機のリセット値は予め設定した所定の値だけ差をつけ
て設定し、発電セット始動時にリセットスイッチに指令
を送ってリセット動作を行い同期投入条件が整った順に
順次遮断器を投入するので、同期投入を高速化でき始動
時間を短縮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の原動機を始動
して複数台の発電機を同期させ並列運転して負荷に給電
する発電機の始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数台の発電機による従来の電源システ
ムとして図5に示す構成の給電システムがある。図の給
電システムにおいて、1は商用電力系統,2は受電遮断
器,3は一般負荷,4は連絡遮断器,5は防災負荷,6
は発電機母線連絡遮断器,7aは1号発電機遮断器,8
aは1号発電機,9aは1号原動機,10aは1号自動
電圧調整器,11aは1号ガバナ,12aは1号回転数
設定器,13aは1号自動同期投入装置,14aは1号
手動回転数下げ接点,15aは1号手動回転数上げ接
点,16aは1号自動回転数下げ接点,17aは1号自
動観点数上げ接点,7bは2号発電機遮断器,8bは2
号発電機,9bは2号原動機,10bは2号自動電圧調
整器,11bは2号ガバナ,12bは2号回転数設定
器,13bは2号自動同期投入装置,14bは2号手動
回転数下げ接点,15bは2号手動回転数上げ接点,1
6bは2号自動回転数下げ接点,17bは2号自動回転
数上げ接点,18は発電機母線である。
【0003】次に、上記した従来の給電システムの作用
について説明する。従来の給電システムでは、通常時は
商用電力系統から負荷に給電し、商用電力系統が停電し
た場合に商用電力系統を切り離し、防災負荷のみに発電
機から給電するように構成されている。すなわち、通常
時、1号発電機8a,2号発電機8bは運転せず、遮断
器6,7a,7bは開となっている。一般負荷3及び防
災負荷5には遮断器2及び遮断器4を閉として商用電力
系統1から給電している。商用電力系統が停電すると遮
断器2及び遮断器4を開とする。その後、1号発電機8
aと2号発電機8bを始動し、最初に始動した方の発電
機の発電機遮断器、例えば1号発電機8aが速く始動し
たとするなら1号発電機遮断器7aを投入して1号発電
機8aで発電機母線18を充電する。この時遮断器7a
投入前は発電機母線18は停電しているので、1号自動
同期投入装置13aは動作させない。次に、2号自動同
期投入装置13bにより遅れて始動した2号発電機8b
の端子電圧の周波数・位相を発電機母線18の電圧の周
波数・位相に一致させ、遮断器7bを投入して並列運転
する。その後、遮断器6を投入して、防災負荷5に給電
する。
【0004】ところで、自動電圧調整器10a,10b
は各発電機8a,8bの端子電圧を所定の定電圧に維持
し、ガバナ11a,11bは各原動機9a,9bの回転
数を指令された値に維持する。回転数設定器12a,1
2bは各原動機9a,9bの回転数指令値を設定しガバ
ナに伝達する。各原動機9a,9bの回転数を変化させ
る場合、接点14a,14b,15a,15bを用い
る。回転数設定器12a,12bでは前記接点がONし
た時間に比例して回転数指令値を変化させる。同期投入
のための自動同期投入装置13a,13bの動きはこれ
ら接点と並列に接続されて論理和で動作する接点16
a,16b,17a,17bにより回転数設定器12
a,12bに伝えられる。例えば2号発電機8bを発電
機母線に投入する場合、2号発電機8bの周波数が発電
機母線より高ければ回転数設定器に設定値減の指令を送
るため偏差量に応じた時間だけ接点16bをONさせ
る。そして,周波数偏差が所定の範囲内(例えば±0.
3Hz以内)に入った場合、両電圧の位相が所定の範囲
(例えば±10deg以内)で一致した瞬間に遮断器7
bを投入させる。逆に発電機の周波数が発電機母線の周
波数より低かった場合は接点17bを操作して回転数設
定値を大きくし、周波数を所定の偏差内に追い込む動作
を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように従来の発
電装置の始動装置は、自動同期投入装置で2台の発電機
の周波数と位相差を一致させ、同期投入するシステムで
ある。しかしながら、このシステムでは同期に長い時間
がかかる場合がある。図6は前述の動作説明における遮
断器7b投入前の遮断器7b両端子間の電圧の時間によ
る変化を示した波形図である。図6(a)が2号発電機
と発電機母線、すなわち1号発電機の周波数差が比較的
大きい場合の波形図であり、図6(b)が小さい場合の
波形図である。
【0006】図6に示す波形の電圧の包絡線が零になっ
た点が1号発電機と2号発電機の電圧位相が一致したタ
イミングであり、また電圧の包絡線が最大になった点が
1号発電機と2号発電機の電圧位相が180degずれ
たタイミングである。位相が所定の範囲で一致したタイ
ミングで遮断器を投入する。図6の包絡線の変化の周期
は1号発電機と2号発電機の周波数差に反比例する。周
波数差が大きい場合は周期は短くなり、小さい場合は長
くなる。
【0007】図6(a)のように周波数差が比較的大き
ければ同期投入可能なタイミングは短い周期で繰り返し
発生するため短時間で同期投入が可能である。これに対
し従来の発電装置の始動装置で用いられていた自動同期
投入装置は周波数差をできるだけ小さくするように動作
していた。
【0008】図7は同期投入前後の1号及び2号発電機
の回転子の回転位相角の関係の時間による変化を示した
図である。図中の矢印が同期投入タイミングである。同
図(a)が周波数差が大きい場合、同図(b)が周波数
差が小さい場合で、投入時の位相角差は両者とも同じに
している。また図7は投入前の1号発電機の回転子位相
角を基準に描いている。同期投入後位相角差は振動しな
がら減衰して零に至っている。
【0009】この図7に示すように周波数差が大きけれ
ば、同期投入後の位相振動が振幅・整定時間ともに大き
く長くなっている。周波数差が同図(a)よりさらに大
きくなった場合には同期失敗で脱調することも考えられ
る。そのため従来はできるだけ周波数差を小さくして同
期投入するようにしていた。
【0010】しかし、自動同期投入前に2台の発電機の
周波数差を非常に小さくしてしまった場合、図6(b)
に示すように位相が一致するのに長い時間がかかり遮断
器の同期投入までに長い時間を要することになる。
【0011】非常用の発電装置では停電検出から40秒
程度で防災負荷に給電せねばならないケースがあるが、
例えば2台の発電機の周波数差が0.05Hzに揃って
しまった場合には位相が一致するタイミングは20秒に
1回しか出現しないので、原動機の始動時間を考慮する
と停電検出後40秒以内での給電ができないケースが生
じる恐れがある。
【0012】本発明(請求項1乃至請求項3対応)は、
上記状況を鑑みてなされたもので、その目的は複数台の
発電機による電源システムにおいて、複数の原動機を始
動して複数台の発電機を同期させ並列運転して負荷に給
電する動作を短時間に行う発電機の始動装置を提供する
ことにある。
【0013】本発明(請求項4乃至請求項7対応)の他
の目的は、同期投入後の複数台発電機の負荷分担につい
ても発電機容量比と同一の負荷分担比とすることができ
るので、投入負荷量を最大限に確保することができる発
電機の始動装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1は、発電機と、この発電機を駆動す
る原動機と、この原動機の回転数を制御するガバナと、
このガバナの回転数指令値を設定する回転数設定器と、
前記発電機の出力のON−OFFを行う遮断器と、前記
発電機の同期投入条件をチェックして前記遮断器に投入
指令を発する同期投入回路とよりなる発電セットを複数
号機備え、これら発電セットを共通の発電機母線に接続
し並列運転して負荷に給電する給電システムにおいて、
各発電セット毎に前記回転数設定器の設定値のリセット
値を設定するリセット値設定器と、指令により前記リセ
ット値設定器に設定されたリセット値で前記回転数設定
器の設定値をリセットするリセットスイッチと、前記発
電セット各号機のリセット値はあらかじめ設定した所定
の値だけ差をつけて設定し,当該発電セット始動時に前
記リセットスイッチに指令を送ってリセット動作を行い
同期投入条件が整った順に順次前記遮断器を投入する同
期投入装置とを設けたことを特徴とする。
【0015】本発明の請求項2は、請求項1記載の発電
装置の始動装置において、同期投入装置の代りにガバナ
の回転数設定器を操作して発電機母線と発電機の周波数
差を調整する自動同期投入装置を設け、発電セット始動
時の所定の期間、前記自動同期投入装置の回転数設定器
の操作をロックすることを特徴とする。
【0016】本発明の請求項3は、請求項1及び請求項
2記載の発電装置の始動装置において、リセット値設定
器は、発電機母線の周波数を検出してその値に所定の周
波数差を加えた値をリセット値とすることを特徴とす
る。
【0017】本発明の請求項4は、請求項1乃至請求項
3記載の発電装置の始動装置において、各発電セット毎
に第2リセット値設定器と第2リセットスイッチを設
け、前記第2リセット値設定器のリセット値は発電セッ
ト各号機同一とし、同期投入完了後第2リセットスイッ
チを動作させ回転数設定器の設定値を第2リセット値設
定器のリセット値にリセットすることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項5は、請求項4記載の発電
装置の始動装置において、第2リセット値設定器の設定
値はリセット値設定器の各号機平均値とすることを特徴
とする。
【0019】本発明の請求項6は、請求項4記載の発電
装置の始動装置において、第2リセット値設定器の設定
値は、リセット値設定器の各号機設定値の最小値とする
ことを特徴とする。
【0020】本発明の請求項7は、請求項1乃至請求項
6記載の発電装置の始動装置において、当該始動装置の
構成要素の少なくとも一部をマイクロコンピュータのソ
フトウェアにより実現することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は本発明の第1実施例(請求項
1対応)の発電装置の始動装置の構成図であり、本実施
例が図5の従来例と異なる構成は、自動同期投入装置1
3a,13bと接点16a,16b,17a,17bを
設ける代わりに、1号リセット値設定器19a,1号リ
セットスイッチ20a,2号リセット値設定器19b,
2号リセットスイッチ20b,始動制御回路21,1号
同期投入装置22a,2号同期投入装置22bを追加し
ている点であり、その他の構成は同一であるので、同一
構成要素は同一符号を付してその説明を省略する。
【0022】次に、本実施例の動作について説明する。
1号リセット値設定器19aは1号回転数設定器12a
の出力のリセット値を設定する。1号リセットスイッチ
20aがONするとリセット値設定器19aはリセット
値を1号回転数設定器12へ送る。これにより1号回転
数設定器の出力はリセット値に変更される。2号リセッ
ト値設定器19b、2号リセットスイッチ20bも同様
の動作を行う。
【0023】今、停電を検出すると、始動制御回路21
はリセットスイッチ20a,20bをONさせて回転数
設定値をリセットする。この時リセット値設定器19
a,19bには許容される範囲で大きな周波数差をつけ
た値を設定しておく。例えば1号リセット値設定器には
60.0Hz、2号リセット値設定器には60.2Hz
と0.2Hzの周波数差を与えておく。原動機が始動す
れば各発電機はこの周波数で運転されるので、自動的に
5秒に1回という速い周期で同期ポイントが発生する。
速く始動完了した号機で発電機母線18を充電し、それ
に対して遅れて始動完了した号機を高速で同期投入させ
ることができる。
【0024】同期投入装置22a,22bは図5の従来
の自動同期投入装置13a,13bとは異なり、回転数
設定器12a,12bに信号を送ることなく、最適の位
相角差のポイントにおいて遮断器7aまたは7bを投入
して並列運転する。これにより停電を検出してから始動
指令信号を発し、複数の原動機を始動して同期させ並列
運転して負荷に給電する動作を短時間に行う発電機の始
動装置が実現できる。前述したように、本実施例では発
電機2台の場合で説明したが、発電機3台以上であって
も本実施例と同様の制御で短時間の始動を実現できる。
【0025】図2は本発明の第2実施例(請求項2対
応)の発電装置の始動装置の構成図であり、本実施例が
図5の従来例と異なる構成は、1号,2号リセット値設
定器19a,19b、1号,2号リセットスイッチ20
a,20b、始動制御回路21、ロックスイッチ23
a,24a,23b,24bを追加している点であり、
その他の構成は同一であるので、同一構成要素は同一符
号を付してその説明を省略する。
【0026】次に、本実施例の動作について説明する。
本実施例では始動制御回路21から信号を出し、非常用
発電装置として始動する場合には自動同期投入装置が回
転数設定器12a,12bの設定値を変更することをロ
ックスイッチ23a,24aまたは23b,24bによ
りロックしている。この場合でも自動同期投入装置13
a,13bは図1の第1実施例における同期投入装置2
2a,22bの代替をさせることが可能である。これに
より系統連系する常用・非常用兼用機でも、複数の原動
機を始動して同期させ並列運転して負荷に給電する動作
を短時間に行う発電機の始動装置が実現できる。
【0027】このように本実施例は発電装置を非常用専
用でなく、系統連系する常用・非常用兼用機とした場合
の構成例であり、また、ここでは発電機2台の場合で説
明したが3台以上であっても同様の制御で短時間の始動
を実現できる。
【0028】通常、系統連系する場合には自動同期投入
装置が必要であるが、第1実施例と同様の動作を行わせ
非常用発電装置として運転する場合には自動同期投入装
置の周波数を一致させようとする動作が、所定の周波数
差を与えて2台の発電機を始動しようとする動作に悪影
響を与える可能性があるが、本実施例によると、上記の
如き構成によりかかる悪影響を防止できる。
【0029】図3は本発明の第3実施例(請求項3対
応)の発電装置の始動装置の構成図であり、本実施例が
図1の第1実施例と異なる構成は、1号,2号リセット
値設定器19a,19b、始動制御回路21の代わり
に、リセット値演算器31a,31b、運転制御装置2
5、電流検出器26、電力検出器27を追加している点
であり、その他の構成は同一であるので、同一構成要素
は同一符号を付してその説明を省略する。
【0030】次に、本実施例の動作について説明する。
一般負荷3の消費電力が小さい場合には1号発電機また
は2号発電機のいずれかの1台の発電機で給電する。電
流検出器26と電力検出器27により負荷の消費電力を
検出し、消費電力が増加し1台の発電機ではまかなえな
い量に達した場合運転制御装置25はもう1台の発電機
を始動し運転中の発電機に同期投入して並列運転で給電
する。この場合も2台目の発電機は短時間のうちに始動
しなければ負荷の増加に対応できず問題である。
【0031】本実施例は基本的には図1の第1実施例と
同様の動作で短時間のうちに並列運転が可能であるが、
この場合先行して負荷に給電中の発電機の周波数が一定
でないことが課題である。これはガバナ11a,11b
にはドループ特性があり、負荷量によって周波数が変動
するためである。これに対応するため、2台目の発電機
を始動する場合の回転数設定値のリセット値は、リセッ
ト値演算器31aまたは31bによりその時の発電機母
線の周波数に所定の周波数偏差を加えて得られた値とす
るよう構成している。これにより2台目の発電機は変動
する発電機母線の周波数に追従して、かつ許容される範
囲で大きな周波数差を持つ周波数とできるため同期投入
を短時間のうちに行うことができる。
【0032】前述したように本実施例は常用で独立運転
を行う発電装置に関するものであり、また発電機2台の
場合で説明したが3台以上であっても本実施例と同様の
制御で短時間の始動を実現できる。
【0033】図4は本発明の第4実施例(請求項4対
応)の発電装置の始動装置の構成図であり、本実施例が
図1の第1実施例と異なる構成は、第2の1号,2号リ
セット値設定器29a,29b、始動制御回路28、第
2の1号,2号リセットスイッチ30a,30bを追加
している点であり、その他の構成は同一であるので、同
一構成要素は同一符号を付してその説明を省略する。
【0034】次に、本実施例の動作について説明する。
第1実施例から第3実施例までは同期投入を短時間に行
うために両発電機の周波数差を許容範囲内でできるだけ
大きくする構成としてきたが、この周波数差の設定値に
よっては並列運転後の両発電機の負荷バランスが均等に
ならない可能性がある。ガバナ11a,11bの速度調
停率が同一の場合、両発電機への回転数設定値が同一で
なければ両発電機の負荷分担比は発電機の容量比と同一
にならない。いずれかの発電機に大きな負荷を負ってし
まうことになる。
【0035】ガバナのドループ量(100%負荷時の回
転数垂下量、例えば1Hz)に比べ同期投入時の周波数
差が無視できない大きさ(例えば0.3Hz程度)であ
れば、同期投入して負荷投入した後の負荷アンバランス
が大きくなり、投入できる負荷量が小さくなる。
【0036】本実施例はこれに対応するもので、同期投
入後の両原動機9a,9bの回転数設定値を設定する第
2のリセット値設定器29a,29bで同一の設定値を
設定し、新しい始動制御回路28では投入される側の発
電機の同期投入回路22aまたは22bからの遮断器投
入指令が入力されると、即時または所定時間後に第2の
リセットスイッチ30a及び30bにより、回転数設定
器12a及び12bの回転数設定値を第2のリセット値
設定器29a,29bで設定した値にリセットする構成
としている。これにより同期投入後の負荷分担比を発電
機容量比に一致させることができ、負荷分担のアンバラ
ンスを防止することができる。ここでは発電機2台の場
合で説明したが3台以上であっても同様の制御で短時間
の始動を実現できる。
【0037】図4の第4実施例の第1変形例(請求項5
対応)は、第2のリセット値設定回路29a及び29b
の設定値を1号リセット値設定回路19aと2号リセッ
ト値設定回路19bの設定値の平均値としたものであ
る。
【0038】1号発電機と2号発電機に周波数差をつけ
て投入した場合に両原動機の容量が同一でガバナのドル
ープ特性が線形であれば(出力と回転数変化量が比例す
る特性)同期投入後の周波数は投入前周波数の平均値と
なる。
【0039】第4実施例の発電装置の始動装置により同
期投入後に回転数設定値をリセットすると過渡的には周
波数は振動しながら整定する。この過渡的振動を速く減
衰させるためには、外乱量をできるだけ小さくした方が
得策であり、第2のリセット値設定回路の設定値は投入
前周波数の平均値に設定するのがよい。これにより過渡
現象を最小化できる。発電機の台数が3台以上の場合も
その台数での平均値とすれば同様の効果を発揮する。
【0040】図4の第4実施例の第2変形例(請求項6
対応)は、第2のリセット値設定回路29a及び29b
の設定値を1号リセット値設定回路19aと2号リセッ
ト値設定回路19bの設定値のいずれか低い方の設定値
と同一としたものである。
【0041】1号発電機と2号発電機に周波数差をつけ
て投入した場合に、両原動機の容量が異なる場合やガバ
ナのドループ特性が非線形であれば(出力と回転数変化
量が比例しない特性)同期投入後の周波数は計算では容
易に算出できない。この場合、同期投入後の過渡的振動
を速く減衰させるためには、ガバナの制御によりできる
だけ速く整定させてやればよい。
【0042】通常、原動機には過給器が装備されてお
り、その遅れによりトルクを増加させる応答は遅い。ト
ルクを減少させる応答は燃料を減らすだけで実現できる
ので速い。これにより、ガバナの制御応答は回転数を下
げる方向の方が速い。したがって第2のリセット値設定
回路29a及び29bの設定値を1号リセット値設定回
路19aと2号リセット値設定回路19bの設定値のい
ずれか低い方の設定値と同一とする構成とすれば速やか
に過渡振動を減衰させることができる。発電機の台数が
3台以上の場合もリセット値設定器の設定値の最も小さ
い値に第2のリセット値設定回路の設定値を設定してや
れば同様の効果が得られる。
【0043】以上説明した各実施例及びその変形例で
は、構成図中の各々のブロックを独立したハードウェア
として説明したが、本発明はこれに限るものではなく制
御装置の一部又は全部をマイクロコンピュータのソフト
ウェア(請求項7対応)により実現することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明(請求項1
乃至請求項3対応)は、複数台の発電機による電源シス
テムにおいて、発電機始動時の同期投入前の状態で、許
容される範囲で大きな一定の周波数差をつけて発電機を
運転することにより同期投入を高速化でき始動時間を短
縮することができるので、非常用発電機では商用電力系
統停電時に迅速に防災負荷に電力を供給することがで
き、また、常用の発電装置では負荷の変動に合わせて発
電電力を速やかに対応させることができる。
【0045】さらに、本発明(請求項4乃至請求項7対
応)は、同期投入後の複数台発電機の負荷分担について
も発電機容量比と同一の負荷分担比とすることができる
ので、投入負荷量を最大限に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である発電装置の始動装置
の構成図。
【図2】本発明の第2実施例である発電装置の始動装置
の構成図。
【図3】本発明の第3実施例である発電装置の始動装置
の構成図。
【図4】本発明の第4実施例である発電装置の始動装置
の構成図。
【図5】従来の発電装置の始動装置の構成図。
【図6】図5の発電装置の始動装置の動作を説明するた
めの特性図。
【図7】図5の発電装置の始動装置の動作を説明するた
めの特性図。
【符号の説明】
1…商用電力系統、2…受電遮断器、3…一般負荷、4
…連絡遮断器、5…防災負荷、6…発電機母線連絡遮断
器、7a…1号発電機遮断器、7b…2号発電機遮断
器、8a…1号発電機、8b…2号発電機、9a…1号
原動機、9b…2号原動機、10a…1号自動電圧調整
器、10b…2号自動電圧調整器、11a…1号ガバ
ナ、11b…2号ガバナ、12a…1号回転数設定器、
12b…2号回転数設定器、13a…1号自動同期投入
装置、13b…2号自動同期投入装置、14a…1号手
動回転数下げ接点、14b…2号手動回転数下げ接点、
15a…1号手動回転数上げ接点、15b…2号手動回
転数上げ接点、16a…1号自動回転数下げ接点、16
b…2号自動回転数下げ接点、17a…1号自動回転数
上げ接点、17b…2号自動回転数上げ接点、18…発
電機母線、19a…1号リセット値設定器、19b…2
号リセット値設定器、20a…1号リセットスイッチ、
20b…2号リセットスイッチ、21…始動制御回路、
22a…1号同期投入装置、22b…2号同期投入装
置、23a,24a,23b,24b…ロックスイッ
チ、25…運転制御装置、26…電流検出器、27…電
力検出器、28…新しい始動制御回路、29a…第2の
1号リセット値設定器、29b…第2の2号リセット値
設定器、30a…第2の1号リセットスイッチ、30b
…第2の2号リセットスイッチ、31a…1号リセット
値演算器、31b…2号リセット値演算器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 外左 東京都港区海岸1丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 緒方 隆雄 東京都港区海岸1丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電機と、この発電機を駆動する原動機
    と、この原動機の回転数を制御するガバナと、このガバ
    ナの回転数指令値を設定する回転数設定器と、前記発電
    機の出力のON−OFFを行う遮断器と、前記発電機の
    同期投入条件をチェックして前記遮断器に投入指令を発
    する同期投入回路とよりなる発電セットを複数号機備
    え、これら発電セットを共通の発電機母線に接続し並列
    運転して負荷に給電する給電システムにおいて、各発電
    セット毎に前記回転数設定器の設定値のリセット値を設
    定するリセット値設定器と、指令により前記リセット値
    設定器に設定されたリセット値で前記回転数設定器の設
    定値をリセットするリセットスイッチと、前記発電セッ
    ト各号機のリセット値はあらかじめ設定した所定の値だ
    け差をつけて設定し,当該発電セット始動時に前記リセ
    ットスイッチに指令を送ってリセット動作を行い同期投
    入条件が整った順に順次前記遮断器を投入する同期投入
    装置とを設けたことを特徴とする発電装置の始動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発電装置の始動装置にお
    いて、同期投入装置の代りにガバナの回転数設定器を操
    作して発電機母線と発電機の周波数差を調整する自動同
    期投入装置を設け、発電セット始動時の所定の期間、前
    記自動同期投入装置の回転数設定器の操作をロックする
    ことを特徴とする発電装置の始動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1及び請求項2記載の発電装置の
    始動装置において、リセット値設定器は、発電機母線の
    周波数を検出してその値に所定の周波数差を加えた値を
    リセット値とすることを特徴とする発電装置の始動装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3記載の発電装置の
    始動装置において、各発電セット毎に第2リセット値設
    定器と第2リセットスイッチを設け、前記第2リセット
    値設定器のリセット値は発電セット各号機同一とし、同
    期投入完了後第2リセットスイッチを動作させ回転数設
    定器の設定値を第2リセット値設定器のリセット値にリ
    セットすることを特徴とする発電装置の始動装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の発電装置の始動装置にお
    いて、第2リセット値設定器の設定値はリセット値設定
    器の各号機平均値とすることを特徴とする発電装置の始
    動装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の発電装置の始動装置にお
    いて、第2リセット値設定器の設定値は、リセット値設
    定器の各号機設定値の最小値とすることを特徴とする発
    電装置の始動装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6記載の発電装置の
    始動装置において、当該始動装置の構成要素の少なくと
    も一部をマイクロコンピュータのソフトウェアにより実
    現することを特徴とする発電装置の始動装置。
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