JP4285895B2 - 補助発電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は補助発電装置に関し、特に常時運転していて独立した2系統の異電圧の電源を供給できる補助発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電源システムは、一般に電力会社からの商用電源をもとに各種負荷に供給する構成にしている。負荷には、大まかに分類すると、一般負荷、重要負荷および最重要負荷の3つの負荷種別がある。一般負荷は、電力系統の事故による停電や瞬時電圧低下を許容する負荷であり、重要負荷は、瞬時電圧低下を許容する負荷であり、最重要負荷は、停電も瞬時電圧低下も許容しない負荷である。
【0003】
一般負荷には、一般用途の負荷、保安負荷などが含まれ、停電発生から非常用発電機を立ち上げて、たとえば40秒以内に電力供給をバックアップすればよい。重要負荷には、病院内のたとえば人工透析室や救急処置室などの電源負荷、計算センタの電源負荷、インテリジェントビルの電源負荷、学校や研究施設の電源負荷などが含まれ、停電後短時間で常用発電機からの電源供給に切り換えられる。最重要負荷には、病院内のたとえば外科手術室や集中治療室などの電源負荷、半導体製造工場、金属熱処理工場などの電源負荷などが含まれ、無停電で電圧変動の少ない高い電源信頼度を要求される負荷である。
【0004】
重要負荷および最重要負荷に対応する電源には、商用電源の電源品質を高めるため、CVCF(Constant Voltage Constant Frequency)装置や無停電電源装置を用いている。特に、最重要負荷に対応する電源系統には、商用電源との間に無停電電源装置が設けられている。この無停電電源装置は、バッテリを備え、通常運転時はバッテリに充電しながらバッテリの電力を負荷に供給するようにすることで、商用電源に瞬時電圧低下または停電が発生しても、バッテリが吸収する方式がとられている。長期停電が発生した場合には、非常用発電装置のバックアップ電源へ切り換え接続するまでの間、バッテリによって電力を負荷に供給するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電源システムでは、最重要負荷に対応するには、バッテリを用いた無停電電源装置が必要であり、バッテリを収納する部屋が必要であったり、バッテリの定期交換などのメンテナンスが必要であるという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、最重要負荷に対して無停電電源装置を必要としない高品質の無停電電源が供給可能な補助発電装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、商用電源系統と連系する第1発電機と前記第1発電機を回転駆動する駆動機と、前記第1発電機の軸に連結されて前記第1発電機と同一回転速度で回転され、前記第1発電機による負荷系統とは独立した負荷系統に給電する無停電電源を構成する第2発電機とからなる発電装置を2組以上備えて並列運転を可能にし、それぞれの前記第2発電機には互いに位相が合うように調節する移相装置を備えていることを特徴とする補助発電装置が提供される。
【0008】
このような補助発電装置によれば、各発電装置の駆動機によって常時駆動されて発電する第1発電機は、重要負荷や一般負荷に給電する電源として使用し、第1発電機とは電気的に独立した第2発電機は、最重要負荷に給電する電源として使用され、かつ、商用電源系統と連系しない第2発電機は、移相装置で互いに位相が合うように構成されている。これにより、商用電源系統と連系した第1発電機による電源は、商用電源系統に停電や瞬時電圧低下が生じた場合にその影響を受けるが、第2発電機は、商用電源の影響をほとんど受けずに負荷に電源を供給することができる。したがって、第2発電機は、無停電電源装置を必要とすることなく、負荷に最も高い信頼度の電源を供給することができる。
【0009】
また、本発明では、第1発電機の電源系統と商用電源系統との間に配置され、商用電源系統が停電または瞬時電圧低下したときに第1発電機の電源系統を商用電源系統から遮断することによって第1発電機の電源系統が無瞬断電源を構成するようにした高速遮断器を備えるようにした。
【0010】
これにより、商用電源系統に瞬時電圧低下または停電が発生した場合に、高速遮断器を遮断することで、重要負荷に無瞬断で電力を供給することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は補助発電装置の一部を成す1組の発電装置および負荷系統を示す図である。
【0012】
本発明による補助発電装置は、駆動機1と、この駆動機1によって回転駆動される第1発電機2および第2発電機3とから構成される発電装置を有し、実際には、このような発電装置を複数組備えている。駆動機1と第1発電機2との間、および第1発電機2と第2発電機3との間はリジッドに連結されており、したがって駆動機1、第1発電機2および第2発電機3は、同一回転速度で回転されことになる。駆動機としては、ディーゼル型、ガスエンジン型、ガスタービン型などのエンジンを使用することができる。
【0013】
ここで、第1発電機2の発電出力は、遮断器4,5を介して重要負荷の系統に接続され、これら遮断器4,5の接続部は高速遮断器6を介して商用電源系統に接続され、その商用電源系統は遮断器7を介して一般負荷の系統に接続されている。また、第2発電機3の発電出力は、遮断器8を介して最重要負荷の系統に接続されている。この最重要負荷の系統は、一般負荷および重要負荷の系統と電気的に完全に独立している。
【0014】
この構成の補助発電機において、第1発電機2は商用電源と連系する構成をとっているので、第1発電機2による電源は、商用電源が停電や瞬時電圧低下を生じた場合にその影響を受けるが、第2発電機3は、商用電源の影響をほとんど受けずに最重要負荷に電源を供給することができる。したがって、第2発電機3は、無停電電源装置の機能を兼ねた発電機とすることができ、最重要負荷に最も高い信頼度の電源を供給することができる。
【0015】
また、第1発電機2と商用電源系統との間に高速遮断器6が設けられているので、商用電源系統に瞬時電圧低下または停電が発生した場合には、この高速遮断器6を遮断するようにしている。これにより、第1発電機2の発電出力系統は、商用電源系統から遮断することができ、重要負荷に対して、無瞬断で電力を供給することができる。
【0016】
図2は電源種別の違いによる電源品質を説明する図である。
商用電源は、電力系統の事故による停電および瞬時電圧低下などの外乱があるため、電源の品質および信頼性は最も低く、したがって、この商用電源から給電される一般負荷は、停電および瞬時電圧低下の影響を直接受けることになる。
【0017】
高速遮断器6を介して商用電源系統と連系され、第1発電機2によって構成されている無瞬断電源は、商用電源の周波数がたとえば50Hzであり、高速遮断器6がたとえば1サイクル(1Hz)を越える瞬時電圧低下を検出して遮断するような遮断器として、商用電源に0.02秒以上持続する瞬時電圧低下または停電が発生した場合、高速遮断器6が商用電源系統との連系を断つまでの0.02秒間の瞬時電圧低下がある。しかし、この第1発電機2は、商用電源の状態に拘らず発電を継続しているので、第1発電機2による電源は、瞬時電圧低下があるだけで、瞬断することはない。したがって、この第1発電機2は、重要負荷に無瞬断で電力を供給することができる。
【0018】
第2発電機3によって構成されている無停電電源は、第1発電機2の電源系統と電気的に隔離されているため、商用電源の電圧変動の影響は受けず、瞬時電圧低下も停電もしない最も電源の品質および信頼性の高い電源である。ただし、商用電源が停電した場合には、高速遮断器6が遮断することにより駆動機1の負荷が減って、それが外乱となるが、実際には、周波数の若干の変動は見られるものの電圧の変動はほとんど見られず、実質的には、商用電源の電圧変動の影響はまったくないといえる。
【0019】
次に、このような補助発電装置の構成を有する発電装置を複数組備えて並列運転するように構成し、ある組の発電装置に障害が発生したとしても、残りの組の発電装置でバックアップして電源信頼度をさらに高めるようにした補助発電装置の実施の形態について説明する。
【0020】
図3は2組の発電装置からなる補助発電装置の構成例を示す図である。
補助発電システムは、第1発電装置10と第2発電装置20とによって構成されている。第1発電装置10は、ディーゼル機関11と、高圧発電機12と、低圧発電機13とから構成され、ディーゼル機関11のクランク軸、高圧発電機12の軸および低圧発電機13の軸はリジッドに結合され、同一の回転速度で回転する。同様に、第2発電装置20は、ディーゼル機関21と、高圧発電機22と、低圧発電機23とから構成され、ディーゼル機関21のクランク軸、高圧発電機22の軸および低圧発電機23の軸はリジッドに結合され、同一の回転速度で回転する。したがって、第1発電装置10において、ディーゼル機関11の出力は、高圧発電機12および低圧発電機13の出力の合計になり、第2発電装置20では、ディーゼル機関21の出力は、高圧発電機22および低圧発電機23の出力の合計になる。
【0021】
高圧発電機12は、高圧側遮断器31を介して高圧母線32に接続され、高圧発電機22は、高圧側遮断器33を介して高圧母線32に接続されている。高圧母線32は、高速遮断器34を介して商用電源系統に接続され、また、遮断器35を介して無瞬断電源系統に接続されている。高速遮断器34は、1Hz遮断器、半導体スイッチなどによって構成され、商用電源系統の瞬時電圧低下が0.02秒以上継続するときに、重要負荷の無瞬断電源系統と商用負荷の一般負荷とを分離し、重要負荷に無瞬断で電力を供給する構成にしている。
【0022】
さらに、低圧発電機13は、低圧側遮断器36を介して無停電電源系統に接続され、同じく、低圧発電機23は、低圧側遮断器37を介して無停電電源系統に接続されている。
【0023】
ここで、高圧発電機12,22は、連系する商用電源の電圧に合わせてたとえば6600ボルトの高圧を発電し、低圧発電機13,23は、たとえば415ボルトの低圧を発電する。
【0024】
また、低圧発電機13,23の固定子には、図示はしないが、それぞれ固定子移相装置が設けられている。この固定子移相装置は、後述するように、低圧発電機13,23が並列運転する場合にお互いの位相調整および負荷分担の調整に使用される。
【0025】
以上の構成の補助発電装置において、第1発電装置10および第2発電装置20を並列運転する場合の手順について説明する。
まず、第1発電装置10のディーゼル機関11を始動し、高圧発電機12および低圧発電機13ともに電圧を確立する。
【0026】
次に、第1発電装置10の高圧側遮断器31を商用電源に同期投入し、第1発電装置10に一定負荷をかける。
次に、第1発電装置10の低圧側遮断器36を投入し、無停電電源系統の最重要負荷に電力を供給する。
【0027】
そして、第1発電装置10の高圧発電機12の側の負荷を増加し、高圧発電機12の出力と低圧発電機13の出力とが所定の電力になるようにする。
以上の操作により、高圧発電機12および低圧発電機13がそれぞれ所定の電力を供給するように運転を維持し、次に、この状態で第2発電装置20を操作する。
【0028】
まず、第2発電装置20のディーゼル機関21を始動し、高圧発電機22および低圧発電機23ともに電圧を確立する。
次に、第2発電装置20の高圧側遮断器33を商用電源に同期投入し、定負荷まで負荷を増加させる。
【0029】
次に、低圧発電機13および低圧発電機23の固定子移相装置を制御してこれらの電気位相を同期投入可能な位相差まで調節した後、低圧側遮断器37を同期投入する。
【0030】
次に、低圧発電機13および低圧発電機23の固定子移相装置を制御してこれらの負荷分担が均等になるようにする。
そして、第1発電装置10および第2発電装置20の高圧側の負荷を増加し、高圧発電機12の出力と低圧発電機13の出力との和および高圧発電機22の出力と低圧発電機23の出力との和がそれぞれ所定の電力になるようにディーゼル機関11およびディーゼル機関21の自動揃速機能によりガバナ調節する。
【0031】
次に、以上の各操作の詳細について説明する。ただし、ディーゼル機関11,21による高圧発電機12,22の位相および周波数(回転数)制御、電圧制御や同期投入制御については、従来の技術によって構成されるため、ここでは、本発明の装置に特有の構成およびその動作について説明する。
【0032】
図4は固定子移相装置の構成を示す図である。
第1発電装置10の低圧発電機13は、その固定子13aが軸の回りに回動可能に設けられ、固定子13aには、歯車13bが設けられて、制御用モータ13cの出力軸に設けられた歯車13dと噛合されていることにより、固定子移相装置を構成している。第2発電装置20の低圧発電機23も同様に、その固定子23aが軸の回りに回動可能に設けられていて、固定子23aには、歯車23bが設けられ、制御用モータ23cの出力軸に設けられた歯車23dと噛合されていることにより、固定子移相装置を構成している。これにより、低圧発電機13,23の固定子移相装置は、それぞれ制御用モータ13c,23cによって固定子13a,23aを正逆方向に回転させることで、電機子磁極中心と回転子13e,23eの界磁磁極中心との位置、すなわち位相を変えることができるようにしている。
【0033】
その低圧発電機13,23の固定子移相装置の制御は、低圧発電機13の端子電圧V1および低圧発電機23の端子電圧V2を入力してそれらの位相差を検出する電圧位相差検出部41と、その検出した位相差をもとに位相差がゼロになるように制御用モータ13c,23cを制御する位相差・負荷分担制御部42とによって行われる。
【0034】
ここで、高圧発電機12,22が商用電源と連系していて、低圧発電機13が負荷に給電しているときに、低圧発電機23を同期投入する場合、電圧位相差検出部41が低圧発電機13,23の端子電圧V1,V2を比較し、それら端子電圧V1,V2の位相差を検出する。この位相差の信号は位相差・負荷分担制御部42に入力され、位相差・負荷分担制御部42が、端子電圧V1,V2の位相差がゼロになるよう低圧発電機23側の制御用モータ23cを制御する。制御用モータ23cを制御し、固定子23aを回転させることにより端子電圧V1,V2の位相差がゼロに、もしくはあらかじめ設定した許容範囲、たとえば±8〜10電気角度以内になると、低圧側遮断器37を同期投入する。
【0035】
図5は同期投入時の固定子移相装置の動作を説明する図であって、(A)は移相動作前の状態を表し、(B)は移相動作後の状態を表している。
第1および第2発電装置10,20の低圧発電機13,23において、系統の電圧位相に一致している端子電圧V1,V2と、この端子電圧V1,V2に対して発電機の界磁起磁力による誘導起電力である内部同期リアクタンス電圧との位相の関係は、電機子に発生している回転磁界の磁束と界磁磁束との位相関係と同一であり、また、これら2つの磁束の相互関係は各々の磁極中心の相互関係により示される。
【0036】
第1および第2発電装置10,20の高圧発電機12,22が商用電源と連系していて、第1発電装置10の低圧発電機13が全負荷運転状態にあるとき、内部同期リアクタンス電圧は端子電圧V1よりも内部相差角δ1だけ位相が進んだ状態にあり、したがって、(A)に示したように、回転子が図の時計回りの方向に回転するとして、電機子の磁極中心51に対して界磁磁極中心52が時計回りの方向に電気角δ1だけずれている。一方、第2発電装置20の低圧発電機23は、無負荷運転であるため、内部相差角はゼロであるが、電機子の磁極中心51と界磁磁極中心52とがδ1だけずれた状態で運転している。
【0037】
ここで、低圧発電機13,23の端子電圧V1,V2より検出した位相差δ1がゼロになるように第1発電装置10の低圧発電機13の固定子13aを回転する。すなわち、(B)に示したように、第2発電装置20の低圧発電機23の固定子23aを時計回りの方向に回転して電機子の磁極中心51と界磁磁極中心52とを一致させる。これにより、端子電圧V1,V2の位相が一致し、低圧発電機23の同期投入が可能になる。
【0038】
第2発電装置20の低圧発電機23の同期投入後は、第1発電装置10の低圧発電機13および第2発電装置20の低圧発電機23の負荷分担を調節するが、次に、その負荷分担のための構成について説明する。
【0039】
図6は負荷分担制御部分の構成を示す図である。
第1発電装置10の低圧発電機13の出力には、電圧および電流を検出する電力変換器43が接続され、第2発電装置20の低圧発電機23の出力には、電圧および電流を検出する電力変換器44が接続され、これら電力変換器43,44の出力は位相差・負荷分担制御部42に接続されている。
【0040】
位相差・負荷分担制御部42は、電力変換器43,44から低圧発電機13,23の出力電力を受け、それらの電力が同じになるよう低圧発電機13,23の制御用モータ13c,23cを制御して固定子13a,23aを回転駆動することにより、負荷分担する。
【0041】
図7は負荷分担時の固定子移相装置の動作を説明する図であって、(A)は移相動作前の状態を表し、(B)は移相動作後の状態を表している。
第2発電装置20の低圧発電機23が同期投入した後は、低圧発電機13,23の電機子の磁極中心51と界磁磁極中心52との関係は、(A)に示したようになっている。
【0042】
ここで、負荷分担を均等にするには、低圧発電機13,23がそれぞれ50%負荷で運転するような内部相差角になるように固定子を回転制御することになる。すなわち、位相差・負荷分担制御部42が、低圧発電機13に対しては、制御用モータ13cを制御して、(B)に示したように、固定子13aを図の時計回りの方向に回転して、50%負荷に対応する内部相差角δ2になるようにし、低圧発電機23に対しては、制御用モータ23cを制御して、固定子23aを図の反時計回りの方向に回転して、同じく50%負荷に対応する内部相差角δ2になるようにする。
【0043】
以上、本発明をその好適な実施の形態について詳述したが、本発明はこの特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内での変更が可能である。たとえば、上記の実施の形態では、2組の発電装置を並列運転する場合を例に示したが、3組以上の発電装置を並列運転するように構成してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、商用電源系統と連系する第1発電機と駆動機とからなる発電装置に第2発電機を追加したものを2組以上備えて並列運転を可能にし、これらの第2発電機は、それぞれ第1発電機の軸に連結されてこの第1発電機と同一回転速度で回転されるとともに移相装置により互いに位相が合わせられており、かつ第1発電機による負荷系統とは独立した負荷系統に給電する構成にした。これにより、1つの駆動機で、2種類の異電圧を同時に電源供給可能であり、電圧種別や用途の違う負荷に対して、用途ごとの電源供給が可能であるため、系統がシンプルに構成され、配電計画が明確になる。
【0045】
また、第2発電機は、商用電源系統と連系する第1発電機とは独立した電源供給が可能なため、商用電源系統側の停電、瞬時電圧低下、事故などの事象に左右されず、また、雷サージなどの外部ノイズや、インバータ機器からの高調波に対して影響を受けない高品位の電源を提供することが可能である。
【0046】
しかも、第2発電機による電源は、無停電電源装置と同等の安定電源としての品質を保つため、無停電電源の代替電源として利用可能であるため、この第2発電機の電源を最重要負荷に供給するようにすることで、本質的に無停電電源装置の必要性がなくなり、したがって、バッテリの定期交換および収容室が不要になり、低コストで省スペースの補助発電装置を提供することができる。
【0047】
さらに、第1発電機の出力系統と商用電源系統との間に高速遮断器を配置したことにより、商用電源系統に停電などの事故が発生した場合に、高速遮断器が重要負荷と一般負荷とを分離し、重要負荷に無瞬断で電力を供給し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】助発電装置の一部を成す1組の発電装置および負荷系統を示す図である。
【図2】電源種別の違いによる電源品質を説明する図である。
【図3】2組の発電装置からなる補助発電装置の構成を示す図である。
【図4】固定子移相装置の構成を示す図である。
【図5】同期投入時の固定子移相装置の動作を説明する図であって、(A)は移相動作前の状態を表し、(B)は移相動作後の状態を表している。
【図6】負荷分担制御部分の構成を示す図である。
【図7】負荷分担時の固定子移相装置の動作を説明する図であって、(A)は移相動作前の状態を表し、(B)は移相動作後の状態を表している。
【符号の説明】
1 駆動機
2 第1発電機
3 第2発電機
4,5 遮断器
6 高速遮断器
7,8 遮断器
10 第1発電装置
11 ディーゼル機関
12 高圧発電機
13 低圧発電機
13a 固定子
13b 歯車
13c 制御用モータ
13d 歯車
13e 回転子
20 第2発電装置
21 ディーゼル機関
22 高圧発電機
23 低圧発電機
23a 固定子
23b 歯車
23c 制御用モータ
23d 歯車
23e 回転子
31 高圧側遮断器
32 高圧母線
33 高圧側遮断器
34 高速遮断器
35 遮断器
36,37 低圧側遮断器
41 電圧位相差検出部
42 位相差・負荷分担制御部
43,44 電力変換器
51 電機子の磁極中心
52 界磁磁極中心

Claims (4)

  1. 商用電源系統と連系する第1発電機と前記第1発電機を回転駆動する駆動機と、前記第1発電機の軸に連結されて前記第1発電機と同一回転速度で回転され、前記第1発電機による負荷系統とは独立した負荷系統に給電する無停電電源を構成する第2発電機とからなる発電装置を2組以上備えて並列運転を可能にし、それぞれの前記第2発電機には互いに位相が合うように調節する移相装置を備えていることを特徴とする補助発電装置。
  2. 前記移相装置は、並列運転しようとする側の前記第2発電機を同期投入する前に、既に運転している側と並列運転しようとする側との前記第2発電機の出力電圧の位相を比較して位相差がなくなるように並列運転しようとする側の前記第2発電機の固定子を軸の回りに回転させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の補助発電装置。
  3. 前記移相装置は、前記第2発電機の並列運転時にそれぞれの前記第2発電機の出力電力を比較し、前記出力電力が同じになるようにそれぞれの前記第2発電機の固定子を軸の回りに回転させて負荷が均等になるように制御することを特徴とする請求項2記載の補助発電装置。
  4. 前記第1発電機の電源系統と前記商用電源系統との間に配置され、前記商用電源系統が停電または瞬時電圧低下したときに前記第1発電機の電源系統を前記商用電源系統から分離することによって前記第1発電機の電源系統が無瞬断電源を構成するようにした高速遮断器を備えていることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項記載の補助発電装置。
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