JPH11103171A - 配線板及びその製造方法並びに無電解めっき方法 - Google Patents

配線板及びその製造方法並びに無電解めっき方法

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JPH11103171A
JPH11103171A JP10179980A JP17998098A JPH11103171A JP H11103171 A JPH11103171 A JP H11103171A JP 10179980 A JP10179980 A JP 10179980A JP 17998098 A JP17998098 A JP 17998098A JP H11103171 A JPH11103171 A JP H11103171A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無電解めっきによるビアホール1の充填を再現
性良く均一に制御し、第2の導体層を形成後、基板表面
からビアホール部分が確認できる配線板及びその製造方
法と無電解めっき方法を提供する。 【解決手段】本発明は、無電解めっきによるビアホール
充填時に、表面導体に無電解めっき電位よりも貴な電位
を印加することにより得られる特定の配線板及びその方
法にある。本発明の配線板はビアホール部分で第4の導
体と表面状態が異なり、また凹みが形成され、光学的に
認別可能なものが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置などを
搭載する新規な配線板その製造方法に関し、特に導体配
線の層間接続に金属充填されたビアホールを有する配線
板及びその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】絶縁体に形成した穴内に金属を充填する
技術は、LSI,薄膜多層基板,ビルドアップ基板等の
高密度配線基板の層間接続技術に応用されている。LS
Iの層間接続では、めっき等のウエットメタライズでは
なく、スパッタあるいはCVD(化学気相成長法)とい
ったドライメタライズ法を用いている。例えば、特開平
6−168907 号公報には、スパッタリング法によりアルミ
ニウムをビア内部に充填する方法が開示されている。ま
た、特開平8−31932号公報には、六フッ化タングステン
ガスのモノシラン還元CVD法、あるいは水素還元CV
D法でコンタクトホール内にタングステンを充填する方
法が開示されている。更に、特開平6−236879号公報に
は、有機銅化合物を原料とし、CVD法により銅の接続
プラグを形成する方法が開示されている。
【0003】しかし、これらはいずれもドライメタライ
ズ法であり、真空系を備えた装置で処理する方法である
ため、装置コストが高く、またスループットが低いとい
う問題がある。また、スパッタ法等のいわゆるPVD法
(物理気相成長法)は、成膜の選択性がなく、基板全面
に一様に金属膜を形成させる方法であり、層間接続部の
みをメタライズすることは不可能である。一方、CVD
法で形成した膜は不純物を多く含み、純度が低いという
問題がある。純度の低下は電気抵抗の増大や、信頼性の
低下をもたらし、問題である。
【0004】薄膜多層基板やビルドアップ基板では、無
電解めっきや電気めっき技術を用いて微小ビアホールを
充填する方法も開示されているが、膜厚のコントロール
が困難である。例えば特開平6−302965 号公報では、ビ
アホールをめっきで充填している。しかしこの場合、め
っき厚みのコントロールは非常に困難であるため、最終
的に研磨を施している。また、特開平5−335713 号公報
にも電解あるいは無電解めっきによりビアホール内を充
填する方法が開示されている。しかし、この方法では先
ず無電解めっきによるビアホール充填は不可能である。
無電解めっき反応はビアホール上層部の表側導体端面で
も進行するため、時間と共にビアホール開口部が小さく
なり塞がってしまうからである。この場合、ビアホール
内部にはボイド状の空間が残り、基板の信頼性は著しく
低下する。
【0005】また、電気めっきによる場合でも、ビアホ
ール底部よりめっきされてきた金属がビアホール上層部
の表側導体端面に接触した瞬間、ビアホール上層部の表
側導体端面からもめっき反応が進行し、ビアホール径が
表側導体厚みの2倍以下の場合にはビアホール開口部は
塞がってしまう。この場合もまた、ビアホール内部には
ボイド状の空間が残り、基板の信頼性は著しく低下する
ため問題である。更に、ビアホール径が表側導体厚みの
2倍以上の場合、ビアホール開口部が閉塞されることは
ないが、表側導体表面に達した時のめっき形状はビアホ
ール内部をめっきしていたときの「円柱状」ではなく、
「きのこ状」となってしまう。これはめっき反応が異方
性を示さず、等方的に成長するためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ドラ
イメタライズ法で微小穴内に金属を充填する場合には、
PVD法では選択性がなく研磨等の工程が必要になるた
め工程が複雑になり、また研磨時に基板にかかる応力が
大きいため歩留まりが低下し、問題である。CVD法では
原料に金属以外の元素を含む化合物を使用するため、得
られる金属に不純物が多く含まれる。不純物濃度の上昇
は、電気抵抗の増加や信頼性の低下等の特性低下をもた
らし、問題である。ドライメタライズ法全体の問題とし
ては、装置が真空系を有するため装置コストが高く、ま
た、スループットが低いということがあげられる。
【0007】一方、ウエットメタライズ法で微小穴内を
金属充填する場合には、上述のように電気めっき法と無
電解めっき法があるが、電気めっき法では下地にめっき
に必要な電流を供給するための給電層が必要である。電
気めっき法の場合、第1の導電層は予めパターニングせ
ず、給電層とすることが必要である。従って、ビアホー
ル内をめっきにより充填した後、絶縁層を剥離し、第1
の導電層のパターニングを行う。その後、再び絶縁層を
形成し、平坦化及びビアホール充填金属の頭出しのため
に研磨を行う。この研磨工程は長時間を要し、また、基
板にかかる応力が大きいため歩留まりの低下をもたら
し、問題である。
【0008】無電解めっき法を用いる場合には、めっき
反応を第1の導体層表面のみから進行させ、ビアホール
内をめっき金属で充填する。この場合、絶縁層表面の第
2の導体層はビアホール充填後形成する必要がある。な
ぜならば、めっき時に第2の導体層が予めあると、第2
の導体層表面からもめっき反応が進行し、ビアホール開
口部が塞がってしまうためである。第1の導体層表面か
らめっき反応を進行させ、ビアホール内部をめっき金属
で充填する場合には、めっき膜厚のコントロールが非常
に困難である。めっき膜厚が少ない場合には断線にな
り、厚すぎる場合には表面の平坦性が損なわれ、多層化
の際に問題となる。
【0009】従って、従来技術では、めっき膜厚の不足
による断線を回避するため、めっき膜厚を若干多めに
し、絶縁層よりめっき金属を飛び出させ、その後、過剰
なめっき部分を研磨し、表面を平坦化する方法でビアホ
ール内部を金属充填してきた。しかし、この方法では上
述のように研磨工程は長時間を要し、また、基板にかか
る応力が大きいため歩留まりの低下をもたらす。
【0010】本発明の目的は、ビアホール内を金属充填
した基板で多層化が容易に行えるように、基板表面か
ら、ビアホール部分が確認できる配線板を提供すること
にある。
【0011】更に、本発明の第2の目的は、従来膜厚の
制御が困難であった無電解めっきによるビアホール内へ
の金属の充填を再現性良く均一に行うことのできる配線
板の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明においては、ビア
ホール内部を無電解めっきにより充填する際、表面導体
層に無電解めっき反応の反応電位よりも貴な電位を印加
しながらめっきを行う。無電解めっきはビアホール底部
より上に向かって成長し、やがてビアホールを完全に充
填する。ビアホールを充填しためっき金属が表面導体層
に達したとき、表面導体層には外部電源によりめっき反
応電位よりも貴な電位が印加されているため、無電解め
っき反応は停止する。このようにして、すべてのビアホ
ールで、めっき面が表面導体層に到達した時めっき反応
を停止させることができ、従来非常に困難であっためっ
き膜厚を再現性良く一定にコントロールすることができ
る。
【0013】また、本発明の方法により製造された配線
板は、めっき金属により充填されたビアホールと絶縁層
の表面を共に覆う導体層を形成後においても、その導体
層の表面を観察することによりビアホール部を認識する
ことができる。
【0014】すなわち、本発明による配線板は、絶縁基
板上に第1の導体層が形成され、絶縁基板及び第1の導
体上に絶縁層が形成され、絶縁層上に第2の導体が形成
され、絶縁層には第1の導体と第2の導体を電気的に接
続するためのビアホールが形成され、ビアホール内部が
第3の導体によって充填された構造の導体接続部を有
し、第2の導体表面と第3の導体表面を共に覆う第4の
導体を有する配線板において、第4の導体の表面状態が
第2の導体上と第3の導体上とで異なることにより、あ
るいは第4の導体の表面状態が第2の導体と第3の導体
のビアホール充填金属の境界領域上で変化していること
により、ビアホールの部分を第4の導体認識できること
を特徴とする。
【0015】第4の導体上からのビアホールの認識は、
例えば顕微鏡による目視観察,反射率や光沢度の違いを
利用する方法、画像解析などの光学的方法によって行う
ことができる。
【0016】また、本発明による配線板は、絶縁基板上
に第1の導体が形成され、絶縁基板及び第1の導体上に
絶縁層が形成され、絶縁層上に第2の導体が形成され、
絶縁層には第1の導体と第2の導体を電気的に接続する
ためのビアホールが形成され、ビアホール内部が第3の
導体金属によって充填された構造の導体接続部を有し、
第2の導体表面と第3の導体金属の表面を共に覆う第4
の導体を有する配線板において、第4の導体が第3の導
体上で凹状に形成されていることを特徴とする。
【0017】また、本発明による配線板は、絶縁基板上
に第1の導体が形成され、絶縁基板及び第1の導体上に
絶縁層が形成され、絶縁層上に第2の導体が形成され、
絶縁層には第1の導体と第2の導体を電気的に接続する
ためのビアホールが形成され、ビアホール内部が第3の
導体金属によって充填された構造の導体接続部を有し、
第2の導体表面と前記第3の導体金属の表面を共に覆う
第4の導体を有する配線板において、第4の導体の表面
粗さが前記第4の導体の表面粗さの方が大きいことを特
徴とする。
【0018】また、本発明による配線板は、絶縁基板上
に第1の導体層が形成され、絶縁基板及び第1の導体層
上に絶縁層が形成され、絶縁層上に第2の導体層が形成
され、絶縁層には第1の導体層と第2の導体層を電気的
に接続するためのビアホールが形成され、ビアホール内
部が導体金属によって充填された構造の導体接続部を有
し、前記第2の導体表面と第3の導体表面を共に覆う第
4の導体を有する配線板において、第3の導体層が前記
絶縁層の高さと同等の高さを有することを特徴とする。
【0019】また、本発明は、絶縁基板上に第1の導体
を有し、絶縁基板及び第1の導体上に絶縁層を有し、絶
縁層上に第2の導体を有し、第1の導体と第2の導体を
電気的に接続するためのビアホールが絶縁層を貫通して
形成されており、ビアホール内部にめっき金属が充填さ
れている配線板の製造方法において、ビアホール内部に
無電解めっきによって第3の導体を充填する際に、第2
の導体にめっき反応電位よりも貴な電位を印加し、ビア
ホール底部の第1の導体を起点に無電解めっき反応を進
行させ、ビアホール内部をめっき金属により充填するこ
とを特徴とする。
【0020】また、本発明による配線板の製造方法は、
表面に第1の導体を有する絶縁基板上に絶縁層を形成す
る工程と、絶縁層上に第2の導体を形成する工程と、第
2の導体にパターニングを行う工程と、第2の導体をマ
スクとして第1の導体上の前記絶縁層にビアホールを形
成する工程と、第2の導体にめっき反応電位よりも貴な
電位を印加しながらビアホールの底部にあたる第1の導
体層上に無電解めっきにより、前記ビアホール内部に金
属を充填し、第3の導体を形成する工程とを含むことを
特徴とする。
【0021】また、本発明による配線板の製造方法は、
表面に第1の導体を有する絶縁基板上に、表面に第2の
導体を有するフィルム状の絶縁層を積層する工程と、第
2の導体にパターニングを行う工程と、第2の導体をマ
スクとして第1の導体層上の前記絶縁層にビアホールを
形成する工程と、第2の導体にめっき反応電位よりも貴
な電位を印加しながらビアホールの底部にあたる第1の
導体上に無電解めっきによりビアホール内部に金属を充
填し、第3の導体を形成する工程とを含むことを特徴と
する。
【0022】本発明においては、前述の如く被めっき体
と電気的に絶縁され、かつめっきしたい厚みだけ離れた
位置に第2の導体を設置し、第2の導体にめっき反応電
位より貴な電位を印加しながら無電解めっきを行うこと
により前記目的を達成する。すなわち、本発明は、被め
っき体表面に第1の導体と該導体に対して電気的に絶縁
された第2の導体が設けられた前記第1の導体の表面に
導体を無電解めっきによって堆積させる無電解めっき方
法において、前記第2の導体にめっき反応の電位より貴
な電位を印加することを特徴とする。
【0023】無電解めっきによって微小穴内又は溝内へ
所定量の金属を充填する場合には、予め微小穴周辺部又
は溝周辺部の絶縁層表面にある第2の導体層に、外部電
源によりめっき反応電位よりも貴な電位を印加する。
【0024】すなわち、本発明は、被めっき体に設けら
れた穴又は溝を有し、前記穴又は溝の周辺に第2の導体
が設けられた絶縁体に対して前記第1の導体を起点に無
電解めっき反応を進行させて前記穴又は溝内に金属を充
填する無電解めっき方法において、前記第2の導体に外
部電源によりめっき反応電位よりも貴な電位を印加しな
がら無電解めっき反応を行うことを特徴とする。
【0025】前記第2の導体に印加する電位は、めっき
反応電位に対して+0.1〜+1.5ボルトとするのが好
ましく、更に好ましくは+0.4〜+0.7ボルトとする
のがよい。
【0026】本発明によって金属を充填することのでき
る微小穴の典型例としては、ICの層間接続部、薄膜多
層配線基板やプリント基板の層間接続部等を挙げること
ができるが、それ以外にも絶縁体に形成した任意の非貫
通穴への金属充填に適用することができる。また、金属
を充填したい穴を有する絶縁体の形状・材質は特に問わ
ない。さらに本発明を適用可能な構造は穴のみではな
く、溝状でも良く、配線形成工程にも適用可能である。
【0027】本発明は、表面に微細配線パターンが形成
された絶縁層が複数積層された多層薄膜配線基板と該配
線基板の少なくとも一方の面に半導体素子が搭載された
モジュールにおいて、前記配線基板が前述に記載の配線
板よりなることを特徴とする。
【0028】本発明は、プリント配線基板上に接続ピン
を介して接続されたモジュール基板が搭載され、該モジ
ュール基板上に表面に微細配線パターンが形成された絶
縁層が複数積層された多層薄膜配線基板が搭載され、該
配線基板上に半導体素子が搭載されている大型計算機実
装において、前記配線基板が前述に記載の配線板よりな
ることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
〔実施例A〕図1は、本発明を穴又は溝への金属の充填
に適用する場合の配置の一例を模式的に示した断面図で
ある。絶縁層1には穴又は溝2a,2bが設けられ、そ
の底面には金属層等からなる第1の導体3a,3bが形
成されている。また、絶縁層1の表面には、金属層等に
よる第2の導体4が形成されている。いま、穴又は溝2
a,2bの底面に設けられた導体3a,3bを起点とし
た無電解めっきによって穴又は溝2a,2bの内部を金
属で充填するものとする。このとき、本発明では、絶縁
層1の表面に設けられた第2の導体4に、めっき反応電
位より貴な電位を印加しながら無電解めっきを行う。
【0030】めっき反応電位より貴な電位の印加は、無
電解めっき液中に浸漬された参照電極10の電位を基準
として第2の導体4へ外部電源9により所定の電位を印
加することによって行う。外部電源9は、結線8により
第2の導体4と接続される。このようにして無電解めっ
きを行うと、穴又は溝2a,2bの底面に設けられた第
1の導体3a,3bを起点として進行する無電解めっき
は、めっき厚が次第に増し、穴又は溝2a,2bを充填
して行くめっき金属の上端が第2の導体4に触れた時点
でめっき反応が停止し、それ以上めっき厚が増すことは
ない。これは、図1に図示するように深さの異なる穴又
は溝2a,2bが混在する場合でも同じである。
【0031】すなわち、深さの浅い穴又は溝2aを充填
するめっき金属は比較的短時間で第2の導体4に接触す
る厚さとなり、めっき金属の一部が第2の導体4に接触
した時点で穴又は溝2aの充填を終了する。一方、より
深い穴又は溝2bを充填するめっき金属は、第2の導体
4に達するまでに比較的長い時間を要する。しかし、深
い穴又は溝2bを充填する無電解めっき反応は、浅い穴
又は溝2aを充填する無電解めっき反応が終了した後
も、その穴又は溝2bを充填するめっき金属が第2の導
体4に接触するまで継続する。こうして、絶縁層1に深
さの異なる複数の穴又は溝2a,2bがランダムに設け
られている場合であっても、全ての穴又は溝をめっき金
属で第2の導体4の高さまで均一に充填することが可能
となる。
【0032】また、外部電源より電圧を印加する第2の
導体は、無電解めっきにより充填する穴あるいは溝の上
端ではなく穴又は溝の深さ方向の途中に設けることもで
きる。このとき第2の導体を置く位置すなわち無電解め
っきの起点となる導体からの高さを調整することによ
り、無電解めっき反応を停止させる位置を任意にコント
ロールすることができ、めっき膜厚を任意に制御するこ
とが可能である。
【0033】図2は、底面に無電解めっきの起点となる
第1の導体3a,3bを有する穴又は溝2a,2bの深
さ方向の途中に第2の導体層4を設け、穴又は溝充填の
途中でめっき反応を停止させる場合の配置の一例を模式
的に示した断面図である。説明を簡単にするため、図2
において、図1と同じ機能部分には図1と同じ符号を付
して示した。図1の配置と異なるのは、めっき反応電位
より貴な電位を印加する第2の導体4を絶縁層1の表面
ではなく絶縁層1の内部に設けた点である。
【0034】第2の導体4は、その端面が絶縁層1に設
けた穴又は溝2a,2bの側面に露出している。この場
合には、絶縁層1に設けられた深さの異なる穴又は溝2
a,2bの全てをめっき金属で第2の導体4の深さまで
均一に充填することが可能となる。
【0035】また、第2の導体は被めっき体から離れた
めっき液中にあっても良い。このように、本発明は、絶
縁材に設けられた穴や溝だけではなく、平面状の被めっ
き体表面に無電解めっきを行う際にも適用可能である。
この第2の導体を設置する位置をコントロールすること
で、被めっき体に施すめっき膜厚を任意に制御すること
が可能である。
【0036】図3は、被めっき体の表面に無電解めっき
によって定められた膜厚のめっきを行う場合の配置の一
例を模式的に示す図である。外部電源9によってめっき
反応電位より貴な電位とされた第2の導体4は、表面に
無電解めっき反応の起点となる第1の導体3を有する絶
縁層1から距離hだけ離れためっき液中に固定されてい
る。絶縁層1は図示したような平板等の平坦な物体に限
らず、連続した表面を持つ物体であってもよい。例え
ば、絶縁層1は球状や筒状であってもよいし、ある形状
に加工された成形体であってもよい。このような配置で
無電解めっきを行うと、めっき反応は、絶縁層1の第1
の導体3上に形成される金属が第2の導体4に接触した
時点で停止するため、絶縁層1に厚さhの均一なめっき
膜を形成することができる。
【0037】このように、本発明は無電解めっきをする
際、あらゆる形態の被めっき体に適用可能であり、めっ
き反応電位より貴な電位を印加する第2の導体の設置位
置を何らかの方法で調整することにより、めっき膜厚を
任意にコントロールできるのである。
【0038】次に、本発明の原理について、無電解銅め
っきを例にとって説明する。無電解銅めっき反応は、次
の反応式〔化1〕で表すことができる。
【0039】
【化1】Cu2+(L)+2HCHO+4OH- → Cu+
2HCOO-+2H2O+H2+L ここで、Lは銅と錯体を形成する錯形成剤で、エチレン
ジアミン四酢酸(EDTA)が用いられる場合が多い。この反
応は銅やパラジウム等の金属上で選択的に進行するが、
それはそれらの金属がホルムアルデヒドの酸化反応に対
し触媒活性を示すためであると言われている。ホルムア
ルデヒドは酸化される際、電子を放出し、その電子を受
け取った銅イオンは金属銅に還元され、析出する。銅の
析出反応は、飽和カロメル電極(SCE)を基準とし
て、室温で約−0.8V より卑な電位(マイナスの電
位)で進行する。従って、ホルムアルデヒドの酸化反応
と、銅イオンの還元析出反応が同時に進行する無電解銅
めっき反応では、被めっき体の表面電位は、室温では−
0.8V(vs.SCE)より卑な電位になっている。実
際にめっきを行う場合には、めっきの析出速度を確保す
るため、めっき液を温め、約60〜80℃程度で使用す
る場合が多く、その場合には電位は異なるが、原理的に
は同じである。約70℃でめっきする場合には、被めっ
き体の電位は約−0.75V(vs.SCE)と実測され
る。
【0040】無電解めっき反応で銅イオンが還元され析
出するためには、上述のように室温では−0.8V(v
s.SCE)(70℃では−0.75V(vs.SCE))
より卑な電位であることが必要であるが、何らかの方法
で被めっき体の電位を銅イオンが還元される電位よりも
貴な電位、すなわち−0.8V(vs.SCE)(70℃で
は−0.75V(vs.SCE))よりもプラス側にすれ
ば、めっき反応は停止することになる。任意のめっき膜
厚になった時点で、外部より電位を印加し、上述のよう
に金属イオンの還元電位より貴な電位を被めっき面に印
加することで、めっき反応を停止させることができるの
である。
【0041】めっき反応の停止に必要な電位はめっきの
系により異なると考えられるが、その範囲は、一般にめ
っき反応が進行している被めっき体の電位に対し+0.
1 〜+1.5ボルトで良い。+0.1ボルトより小さい
電位では、その効果が十分に現れず、めっき反応が停止
しない場合がある。また、+1.5 ボルトより大きな電
位では、電位を印加している第2の導体層が酸化されて
しまうため好ましくない。第2の導体層の材質にもよる
が、酸化された際、不導体層を形成したり、あるいはめ
っき液中に酸化溶解してしまう場合がある。発明者らの
検討によると、めっき反応電位に対して+0.1〜+1.
5ボルトの範囲の電位を印加することでめっき反応を停
止させることができるが、印加電位を+0.4〜+0.7
ボルトの範囲とすることで最も良好な結果が得られてい
る。
【0042】基板に絶縁層を形成し、ビアホールを介し
配線を逐次形成していくビルドアップ法で形成した配線
板では、通常、ビアホール内を金属で充填しないため、
導体形成後もビアホールに穴がある。これは配線の高密
度化に不利である。これはめっき法でも、スパッタ等の
ドライメタライズ法でも同様である。そこで、無電解め
っき法によりビアホール内部を完全に充填する方法が高
密度化に有利であると考えられるが、めっき膜厚制御が
困難であるため、続いて研磨工程が必要となる。研磨工
程を経て、ビアホール表面と絶縁層表面を覆うように形
成した導体層では、外観からビアホールの位置が認識で
きないため、配線パターンの位置合わせが不可能とな
る。
【0043】本発明では、ビアホール表面と絶縁層表面
を覆うように形成した導体層表面からビアホールの位置
が認識可能で、かつ下層ビアホールの直上に上層のビア
ホールが形成可能な配線板を見出した。その配線板の形
態を断面図で図4及び図5に示す。
【0044】図4に示した配線板は、表面に第1の導体
22を有する絶縁基板21上の絶縁層23にビアホール
を形成し、絶縁層23上の第2の導体24にめっき反応
電位よりも貴な電位を印加しながらビアホール底部の第
1の導体22を起点に無電解めっき反応を進行させるこ
とでビアホール内部をめっき金属により充填し、第3の
導体25を形成し、その上に第4の導体層26を形成し
たものである。第2の導体層24と第4の導体層26
は、同じ金属であっても、異なる金属であってもよい。
【0045】図4の構造の配線板の場合、上面から配線
板を観察すると、絶縁層23の上面に形成した第4の導
体26表面にわずかな凹凸があることが分かる。この凹
みの部分はめっき金属で充填された第3の導体25のビ
アホール部に相当し、導体層のパターニング用のマスク
と位置合わせをすることができる。この凹凸は、第2の
導体24が非常に薄い場合、あるいは第4の導体26が
厚い場合には小さくなり認識し難くなる。しかし、その
場合でも、ビアホール内部を充填した第3の導体25の
表面を研磨していないため、第4の導体26を形成後、
ビアホール部とそれ以外とでは表面の粗さが異なってい
る。従って、配線板上面からの観察で、ビアホール部を
認識可能である。
【0046】図5に示した配線板は、図4に示した配線
板と同様にしてビアホール内部をめっき金属で充填し第
3の導体25を形成したのち、絶縁層23上の導体24
(図4参照)をエッチング等により一旦除去し、そのの
ち導体層27を全面に形成したものである。図5に示し
た構造の配線板の場合にも、その表面粗さからビアホー
ル部を認識することができる。
【0047】上述したように、本発明を適用することが
可能な被めっき体及びその構造は多岐に渡るが、ここで
は多層配線基板に設けられた微小穴内への金属充填に本
発明を適用した場合について説明する。基板に絶縁層を
形成し、微小穴を介し配線を逐次形成していくビルドア
ップ基板では、配線の高密度化のため微小穴による層間
接続技術の確立が必要不可欠である。特に、必要な層間
のみ接続する片側閉塞タイプの非貫通穴(ビアホール)
による層間接続が重要である。ビアホールの形成方法と
しては、エキシマレーザや炭酸ガスレーザ等のレーザ加
工による方法、絶縁層に感光性樹脂を使用し写真法で形
成する方法、エッチング性プラズマを用いるドライエッ
チング法等がある。配線板の高密度配線を達成するため
には、配線幅の微小化はもちろんであるが、層間接続の
ために必要とされるパッド面積を小さくすることもまた
重要である。パッド面積の微小化にはビアホール内部を
金属充填する方法が有効であるが、前述したように、ド
ライメタライズ法,ウエットメタライズ法いずれも現状
技術では困難である。
【0048】ビルドアップ基板で、無電解めっきによる
ビアホール内部への金属充填に、本発明を適用する場合
の例を以下に記す。
【0049】図6に示したプロセスフローに従い説明す
る。基板5は、図6(a)に示すように、表面に第1の
導体3を有する。その基板5の表面に、図6(b)に示
すように絶縁層1を形成する。次いで、図6(c)に示
すように、絶縁層1の表面に第2の導体4を形成する。
第2の導体4の形成は、スパッタや蒸着等のドライメタ
ライズ法によっても、あるいは無電解めっきや電気めっ
きのウエットメタライズ法によってもよい。フォイル状
の金属膜を熱圧着や接着材を介して接着しても良い。あ
るいは図7に示すように、予め表面に金属膜14を有す
るフィルム状の絶縁層(Bで示す)を、表面に第1の導
体3が形成された基板5(Aで示す)上に積層してもよ
い。
【0050】次いで、図6(d)に示すように、第2の
導体4上に感光性のレジスト6を形成し、写真法により
パターンを形成する。このパターンは絶縁層1にビアホ
ールを形成したい部分のみ第2の導体4がエッチングで
きるよう形成する。その後、図6(e)に示すように、
エッチングを施して、第2の導体4をパターニングし、
必要ならばレジストを剥離する。次に、図6(f)に示
すように、レーザ又はプラズマにより第2の導体4をマ
スクとして絶縁層1にビアホール2を形成する。ビアホ
ール2が第1の導体3表面に達したところでビアホール
加工を終了する。
【0051】次いで、洗浄後、図8に示すように、基板
Cをめっき槽11中の無電解めっき液12中に浸漬し、
ビアホール2底部の第1の導体3表面を起点として無電
解めっきを行う。この無電解めっき工程で、基板表面の
第2の導体4に外部電源(ポテンシオスタット)9によ
り無電解めっき反応の反応電位より貴な電位を印加す
る。具体的には、例えば無電解銅めっきでは、めっき温
度70℃での無電解銅めっき反応の反応電位は約−75
0〜−800mV(vs.SCE)なので、第2の導体
4が−300mV(vs.SCE)程度になるように外
部電源9により結線8を介して電位を印加する。
【0052】この例は、参照電極10のSCE(飽和カ
ロメル電極)に対し電位を印加する場合であるが、もち
ろん参照電極10はSCEに限らない。また、参照電極
を用いず、無電解銅めっき反応の進行している別の基板
に対し、第2の導体4の電位を外部電源により例えば約
500mV程度貴側に印加してもよい。この場合、電位
を印加する基準になる別の基板の表面積は第2の導体4
の表面積に比べ十分に大きいことが望ましい。
【0053】無電解めっきはビアホール2の底部より上
に向かって成長し、やがてビアホールを完全に充填す
る。ビアホールを充填しためっき金属が第2の導体4に
達したとき、第2の導体4には外部電源9によりめっき
反応電位よりも貴な電位が印加されているため、無電解
めっき反応は停止する。
【0054】このように、ビアホール2の内部を無電解
めっきにより充填する際、第2の導体4に無電解めっき
反応の反応電位よりも貴な電位を印加しながら行うこと
により、すべてのビアホール2で、めっき面が第2の導
体4に到達した時めっき反応を停止させることができ、
従来非常に困難であっためっき膜厚のコントロールを再
現性良く行うことができる。
【0055】無電解めっきによるビアホール充填後、ビ
アホール充填金属からなる第3の導体25と第2の導体
4の電気的な接続の信頼性を向上させるため、図9に示
すように、更に第4の導体7を形成する。第4の導体7
は無電解めっき,電気めっき,ドライメタライズ等、い
ずれの方法で形成してもよい。また、第2の導体4をエ
ッチング等により一旦除去し、そののち第4の導体7を
全面に形成しても良い。
【0056】第1の導体3,第2の導体4,第4の導体
7,ビアホール充填金属は同一の金属であっても、同一
でなくても良い。また、それぞれの導体は単一金属で
も、多種金属の多層構造導体や、合金でも良い。
【0057】第1の導体3としては銅,ニッケル,銀,
金,白金,亜鉛,パラジウム,ロジウム,タングステ
ン,クロム,チタン,コバルトが好ましく、電気抵抗の
小さな銅,銀,金が特に好ましい。また、第1の導体3
と下地基板や絶縁層等の各界面の接着性等を考慮し、多
層構造や、合金にしても良い。本発明で第1の導体3は
ビアホールを充填するための無電解めっき反応の起点と
なるので、当該無電解めっき反応に対する活性を示す金
属が表面に存在するか、あるいはエッチング等何らかの
処理により表面に露出あるいは析出させることができる
ことが必要である。逆に、それ以外の制約はない。
【0058】第2の導体4としては銅,ニッケル,銀,
金,白金,パラジウム,ロジウム,タングステン,クロ
ム,チタン,アルミニウム,コバルト,鉄でよいが、や
はり電気抵抗の小さな銅,銀,金が特に好ましい。ま
た、絶縁層や第1の導体3との接着性を考慮し、多層構
造や、合金にしても良い。
【0059】第4の導体7としては銅,ニッケル,銀,
金,白金,パラジウム,ロジウム,タングステン,クロ
ム,チタン,コバルトが好ましく、電気抵抗の小さな
銅,銀,金が特に好ましい。また、第2の導体4や絶縁
層等との界面の接着性等を考慮し、多層構造や、合金に
しても良い。
【0060】ビアホール充填金属としての第3の導体2
5としては、無電解めっき可能な金属ならば何れでも良
く、例えば銅,ニッケル,銀,金,パラジウム,はん
だ,コバルトが使用可能である。ニッケルの場合は還元
剤の種類により、リンあるいはほう素との合金になる。
【0061】〔実施例B〕以下、本発明の実施例につい
て述べる。ただし、ここで述べる絶縁材料の形状,材質
や導体金属の種類等はあくまでも本発明を説明するため
の一例にすぎず、これによって本発明を限定するもので
はない。
【0062】以下の基板及び処理液を用意した。
【0063】(1)基板A ガラスエポキシ基材上の片面に厚さ18μmの銅箔を有
する銅張り積層板。
【0064】(2)基板B ガラスエポキシ基材上に厚さ18μmの銅箔を有する銅
張り積層板表面に、エッチングレジストを形成し、エッ
チングにより銅パターンを形成した。その後、基板を酸
化処理液中に浸漬し、化学的酸化処理により銅表面を粗
化した基板。
【0065】(3)基板C セラミックグリーンシート表面に、タングステンペース
トを所定のパターンにスクリーン印刷して15層積層
し、同時焼成したセラミック配線基板。
【0066】(4)基板D セラミックグリーンシート表面に、銅ペーストを所定の
パターンにスクリーン印刷して15層積層し、同時焼成
したセラミック配線基板。
【0067】(5)基板E ポリイミド表面に、スパッタリングによりクロムを厚さ
0.05μm 、次いで銅を厚さ5.0μm、更にクロム
を厚さ0.05μm形成後、表面にエッチングレジスト
を形成し、エッチングによりクロム/銅/クロムの3層
導体パターンを形成した基板。
【0068】(6)基板F ポリイミド表面に、スパッタリングによりチタンを厚さ
0.05μm 、次いで銅を厚さ5.0μm、更にチタン
を厚さ0.05μm形成後、表面にエッチングレジスト
を形成し、エッチングによりチタン/銅/チタンの3層
導体パターンを形成した基板。
【0069】(7)基板G 表面に、パターニングされた銅を有するガラス基板。
【0070】(8)基板H 表面に、パターニングされたニッケルを有するガラス基
板。
【0071】(9)基板I 表面に、パターニングされた銅/ニッケル/金の3層導
体パターンを有するガラスエポキシ基板。
【0072】(10)基板J 表面に銀ペーストをスクリーン印刷し加熱硬化した、パ
ターニングされた銀を有するガラスエポキシ基板。
【0073】(11)基板K 表面にパターニングされたアルミニウム電極を有し、該
電極表面を亜鉛処理(ジンケート処理)したシリコンウ
エハ。
【0074】(12)基板L 表面にパターニングされたタングステンを有するシリコ
ンウエハ。
【0075】(13)基板M 表面にパターニングされたチタンを有するシリコンウエ
ハ。
【0076】 (14)酸化処理液 亜塩素酸ナトリウム 1.0mol/l リン酸ナトリウム 0.1mol/l 水酸化ナトリウム 0.4mol/l 液温 70℃ (15)無電解Ni−Pめっき液 硫酸ニッケル 0.08mol/l 乳酸 0.3mol/l プロピオン酸 0.03mol/l 次亜リン酸ナトリウム 0.2mol/l pH 5.0 液温 90℃ (16)無電解銅めっき液 硫酸銅 0.04mol/l エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.1mol/l ホルムアルデヒド 0.03mol/l 水酸化ナトリウム 0.1mol/l 2,2′−ビピリジル 0.0002mol/l ポリエチレングリコール(平均分子量600) 0.03mol/l pH 12.8 液温 70℃ (17)無電解コバルトめっき液 硫酸コバルト 0.05mol/l エチレンジアミン 0.4mol/l ロッセル塩 0.05mol/l 水酸化ナトリウム 0.7mol/l 水素化ほう素ナトリウム 0.7mol/l 塩化鉛 30ppm 液温 60℃ 〔実施例1〕100mm角の大きさの基板Aを、35℃,
200g/lの過硫酸アンモニウム水溶液中に2分間浸
漬し、銅のソフトエッチング処理を施し、銅の清浄面を
露出させた。銅の表面から30μm離れた位置に、マイ
クロメータを用いて、エナメル線先端部を固定した。そ
の際、このエナメル線先端部の被覆は予め除去しておい
た。
【0077】次いで、水洗後基板を無電解銅めっき液中
に浸漬し、銅表面に無電解銅めっきを施した。その時、
エナメル線にはポテンシオスタットを用いて−350m
V(vs.SCE)の電位を印加しながらめっきを行っ
た。尚、この電位は70℃での値であり、無電解銅めっ
きの反応電位は−780mV(vs.SCE)と実測さ
れたため、エナメル線に印加された電位はめっき反応電
位に比べ+0.43ボルトである。
【0078】無電解銅めっきのめっき速度は約3μm/
hであるので、基板表面の銅より成長しためっき膜がエ
ナメル線先端に接触するまでには約10時間を要する。
そこで、無電解銅めっきを15時間行った。その結果、
めっき反応はエナメル線に接触した時点で停止してお
り、めっき膜厚は基板銅表面とエナメル線の間隔とほぼ
同値の約30μmであった。めっきが連続的に進行する
と仮定すると、15時間のめっきではめっき膜厚は45
μmになるはずであり、基板とエナメル線間の30μm
を大きく上回るはずであったが、めっき反応はめっき面
がエナメル線に接触した時点で停止しており、めっき膜
厚は基板とエナメル線間との距離に等しい30μmであ
った。
【0079】以上のように、無電解めっきを行う際、電
位を印加する第2の導体と基板との距離を調整すること
で、めっき膜厚を任意にコントロールすることができる
ことが明らかとなった。
【0080】〔実施例2〕100mm角の大きさの基板B
の表面に、エポキシを主成分とする厚さ75μmの熱硬
化性接着フィルムを挟み、厚み25μmのポリイミドフ
ィルム(片面銅箔付き、日立化成工業社製:MCF−5
000I)を加熱圧着した。銅箔の厚みは18μmで、
接着フィルムとは反対側にくるようにした。接着後、銅
箔表面に感光性を有するエッチングレジスト(東京応化
製:OFPR−800)を形成し、所定の露光,現像工
程によりビアホールを形成したい部分のレジストを除去
した。次いで、銅箔をエッチングによりパターニング
し、その後、所定の剥離液を用いてエッチングレジスト
を剥離した。
【0081】次に、ビアホールを加工した。ビアホール
加工にはエキシマレーザを用いた。幅20mmのレーザ光
を、基板表面より照射した。基板表面の銅箔がマスクに
なり、銅箔のパターニングされた部分のみが加工され
る、いわゆるコンフォーマルマスク法でビアホールを形
成した。この時形成したビアホールは、大きさφ100
μm,2mmピッチで合計2500穴である。
【0082】ビアホール形成後、基板を無電解銅めっき
液中に浸漬し、ガラスエポキシ基板表面の銅パターンを
起点に無電解銅めっきを行った。この時、ポテンシオス
タット用いて、基板表面にあり、ビアホール形成時には
マスクとして使用した銅箔に−380mV(vs.SC
E)の電位を印加した。尚、この電位は70℃での値で
あり、無電解銅めっきの反応電位は−780mV(v
s.SCE)と実測されたため、表面の銅箔に印加され
た電位はめっき反応電位に比べ+0.4 ボルトである。
【0083】熱硬化性接着フィルムとポリイミドフィル
ムの厚みの合計は、約100μmである。また、無電解
銅めっきのめっき速度は約3μm/hであるので、ガラ
スエポキシ基材表面の銅パターンを起点に成長した銅め
っきは、約33時間後に表面の銅箔に達する。そこで、
無電解銅めっきを40時間行った。その結果、2500穴の
ビアホールは全て基板表面の銅箔に触れた時点でめっき
反応が停止しており、めっき膜厚のばらつきは2500
穴で±1μm以下であった。
【0084】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることがわか
り、本発明のめっき方法が、本発明の目的であるところ
の、各穴毎のめっき厚みを再現性良く均一に制御できる
無電解めっき方法を提供するという目的を十分に達成で
きることが解った。
【0085】次に、同様な実験を、表面の銅箔に印加す
る電圧をめっき電位に対し0.1 ボルト,0.4ボル
ト,0.7ボルト,1.2ボルト,1.5ボルトと変化さ
せて検討した。0.1ボルト では印加する電圧が小さい
ため、若干銅が析出した。そのため、めっき液投入以前
18μmの厚みだった表面の銅箔は、40時間のめっき
終了時には約34μmになっていた。また、ビアホール
を充填した銅はポリイミド面よりも平均で約2.8μm
突き出ていた。すなわち、めっき電位に対し0.1ボル
トの電圧を印加した場合には、めっき反応は完全には停
止せず、約0.4μm/hの速度でめっき反応が進行し
ていたと考えられる。本実施例では、33時間でビアホ
ールが充填される条件にもかかわらず、40時間ものめ
っきを施したため、ビアホールを充填した銅はポリイミ
ド面よりも平均で約2.8μm 突き出たが、0.1ボル
トを印加した場合のめっき速度は0.4μm/hと本来
のめっき速度3μm/hに比べ十分遅いため、めっき時
間を約35時間程度で最適化することによりこの問題は
回避できる。
【0086】印加する電圧がめっき電位に対し0.4ボ
ルト,0.7ボルトの条件では、40時間のめっき後、
ビアホールは全て基板表面の銅箔に触れた時点でめっき
反応が停止しており、めっき膜厚のばらつきは2500
穴で±1μm以下であった。
【0087】印加電圧をめっき電位に対して1.2ボル
ト,1.5ボルトとした条件では、電圧を印加した銅箔
が酸化した。特に1.5 ボルト印加した場合には銅箔が
溶解し、一部ポリイミドが露出した。しかし、銅箔の残
っている部分のビアホールでは全て基板表面の銅箔に触
れた時点でめっき反応は停止していた。従って、この場
合でも、原理的には本発明の効果を発現させることは可
能であることが分かった。銅の酸化電位や溶解電位ある
いは溶解速度はめっき液のpHや温度により異なるの
で、本実施例と異なるpHや液温条件、あるいは第2の
導体が銅以外の場合には1.5ボルトの条件でもなんら
問題のない条件が見いだせるはずである。
【0088】以上の結果より、第2の導体に印加する電
圧は、めっきする金属や第2導体金属の種類・組み合わ
せにより異なると考えられるが、0.1〜1.5ボルトと
することで本発明の効果を発現させることができ、特に
0.4〜0.7ボルト程度とするのが好ましいことがわか
った。
【0089】〔実施例3〕100mm角の大きさの基板B
表面に、エポキシを主成分とする厚さ75μmの熱硬化
性接着フィルムを挟み、片面に厚み12μmの銅箔を有
する厚み25μmのポリイミドフィルムを銅箔が下側に
来るように接着した。すなわち、基板の構造は下側より
順に、ガラスエポキシ基材,エポキシ基材の銅箔,接着
材,ポリイミド表面の銅箔,ポリイミドである。
【0090】次に、ビアホールを加工した。加工には短
パルス炭酸ガスレーザを用い、先ずポリイミド表面の銅
箔まで、直接加工した。その後、露出した銅箔を化学エ
ッチングし、再び同様のレーザを用いて、ガラスエポキ
シ基材表面の銅に達するまで加工した。その時、同時に
基板の1隅(5mm角程度)にもレーザを照射し、ポリイ
ミド表面の銅箔を露出させた。この時形成したビアホー
ルは、大きさφ100μm,2mmピッチで合計2500
穴である。
【0091】ビアホール形成後、基板を無電解銅めっき
液中に浸漬し、ガラスエポキシ基板表面の銅パターンを
起点に無電解銅めっきを行った。この時、ポテンシオス
タット用いて、基板の一隅で露出させたポリイミド表面
の銅箔に端子を接触させ電位を印加した。その時の電位
は−350mV(vs.SCE)であった。尚、この電
位は70℃での値であり、無電解銅めっきの反応電位は
−780mV(vs.SCE)と実測されたために印加
された電位はめっき反応電位に比べ+0.43ボルトで
ある。
【0092】熱硬化性接着フィルムの厚みは、75μm
である。また、無電解銅めっきのめっき速度は約3μm
/hであるので、ガラスエポキシ基材表面の銅パターン
を起点に成長した銅めっきは、約25時間後にポリイミ
ド表面の銅箔に達する。また、ガラスエポキシ基板上に
形成した熱硬化性接着フィルム、銅箔付ポリイミドフィ
ルムの合計厚みは112μmであるので、めっき反応が
連続的に進行すると仮定すると、約37.3 時間後にめ
っき銅は最上面のポリイミドフィルム上面に達する。そ
こで、無電解銅めっきを40時間行った。その結果、2
500穴のビアホールは全てポリイミド表面の銅箔に触
れた時点でめっき反応が停止していた。すなわち、ガラ
スエポキシ基材表面の銅パターンより、熱硬化性接着フ
ィルムの厚み分の約75μmのみめっきされており、そ
れらのめっき膜厚のばらつきは2500穴で±1μm以
下であった。
【0093】このように、表面ではなくビアホールの途
中にある銅箔に電圧を印加しながら無電解めっきを行う
ことで、多数のビアホール内のめっきの膜厚を均一にコ
ントロール可能であることが分かった。
【0094】〔実施例4〕実施例2と同様の基板を用
い、同様な方法でビアホール形成まで行った。ビアホー
ル形成後、基板を無電解銅めっき液中に浸漬し、ガラス
エポキシ基板表面の銅パターンを起点に無電解銅めっき
を行った。この時、予めめっき浴中には表面積2000
cm2 の銅板を投入し銅板上に無電解銅めっきを行ってい
た。基板をめっき液に浸漬後、ポテンシオスタット用い
て、基板表面にあり、ビアホール形成時にはマスクとし
て使用した銅箔に、予め投入してあった2000cm2
銅板に対し+500mVの電圧を印加した。
【0095】熱硬化性接着フィルムとポリイミドフィル
ムの厚みの合計は、約100μmである。また、無電解
銅めっきのめっき速度は約3μm/hであるので、ガラ
スエポキシ基材表面の銅パターンを起点に成長した銅め
っきは、約33時間後に表面の銅箔に達する。そこで、
無電解銅めっきを40時間行った。その結果、2500穴の
ビアホールは全て基板表面の銅箔に触れた時点でめっき
反応が停止しており、めっき膜厚のばらつきは2500
穴で±1μm以下であった。
【0096】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0097】〔実施例5〕基板Bの代わりに基板Cを用
いた以外は全て実施例2と同様な方法で、内部をめっき
金属で充填したビアホールを有する基板を作製した。そ
の結果、2500穴のビアホールは全て基板表面の銅箔
に触れた時点でめっき反応が停止しており、めっき膜厚
のばらつきは2500穴で±1μm以下であった。
【0098】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0099】〔実施例6〕基板Bの代わりに基板Dを用
いた以外は全て実施例2と同様な方法で実施した。その
結果、2500穴のビアホールは全て基板表面の銅箔に
触れた時点でめっき反応が停止しており、めっき膜厚の
ばらつきは2500穴で±1μm以下であった。
【0100】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0101】〔実施例7〕基板Bの代わりに基板Eを用
い、実施例2と同様な方法でビアホールを形成した。そ
の後、ビアホール底部の3層導体の最上面にあるクロム
層を、18%塩酸水溶液により除去し、銅を露出させ無
電解銅めっき液中に浸漬した。その後は実施例2と同様
に、表面銅箔に電圧を印加しながらめっきを行った。
【0102】その結果、2500穴のビアホールは全て
基板表面の銅箔に触れた時点でめっき反応が停止してお
り、めっき膜厚のばらつきは2500穴で±1μm以下
であった。
【0103】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0104】〔実施例8〕基板Bの代わりに基板Fを用
い、実施例2と同様な方法でビアホールを形成した。そ
の後、ビアホール底部の3層導体の最上面にあるチタン
層を、18%塩酸水溶液により除去し、銅を露出させ無
電解銅めっき液中に浸漬した。その後は実施例2と同様
に、表面銅箔に電圧を印加しながらめっきを行った。
【0105】その結果、2500穴のビアホールは全て
基板表面の銅箔に触れた時点でめっき反応が停止してお
り、めっき膜厚のばらつきは2500穴で±1μm以下
であった。
【0106】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0107】〔実施例9〕基板Bの代わりに基板Gを用
いた以外は全て実施例2と同様な方法でビアホールの内
部をめっき金属で充填した。その結果、2500穴のビ
アホールは全て基板表面の銅箔に触れた時点でめっき反
応が停止しており、めっき膜厚のばらつきは2500穴
で±1μm以下であった。
【0108】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0109】〔実施例10〕基板Bの代わりに基板Iを
用いた以外は全て実施例2と同様な方法でビアホールの
内部をめっき金属で充填した。その結果、2500穴の
ビアホールは全て基板表面の銅箔に触れた時点でめっき
反応が停止しており、めっき膜厚のばらつきは2500
穴で±1μm以下であった。
【0110】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0111】〔実施例11〕基板Bの代わりに基板Jを
用いた以外は全て実施例2と同様な方法でビアホールの
内部をめっき金属で充填した。その結果、2500穴の
ビアホールは全て基板表面の銅箔に触れた時点でめっき
反応が停止しており、めっき膜厚のばらつきは2500
穴で±1μm以下であった。
【0112】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0113】〔実施例12〕φ5インチの基板Kの表面
にポリイミドワニスをスピンコートし、窒素雰囲気下で
400℃1時間加熱キュアした後、ポリイミド表面にチ
タンを0.05μm、次いで銅を3μmスパッタリング
により形成した。尚、この時のポリイミド層の厚みは5
μmであった。形成した銅箔上に実施例2と同様なエッ
チングレジストを形成し、露光・現像によりビアホール
部のみレジストを除去した。その後、銅,チタンをエッ
チングによりパターニングし、ビアホール形成部のみ
銅,チタンを除去した。次いで、ドライエッチングによ
りポリイミドにビアホールを形成した。ドライエッチン
グは、平行平板型のドライエッチャー(アネルバ製:DE
A−506)を用い、出力800W,酸素圧力3Paで
行った。その時形成したビアホールの数は5000穴で
あり、その大きさはφ10μmであった。
【0114】その後、実施例2又は3と同様な方法でポ
リイミド表面の銅に電圧を印加しながら無電解銅めっき
を行った。めっき時間は2時間とした。その結果、50
00穴のビアホールは全て基板表面の銅箔に触れた時点
でめっき反応が停止しており、めっき膜厚のばらつきは
5000穴で±0.2μm以下であった。
【0115】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0116】〔実施例13〕基板Kの代わりに基板Lを
用いた以外は全て実施例12と同様な方法でビアホール
の内部にめっき金属を充填した。その結果、5000穴
のビアホールは全て基板表面の銅箔に触れた時点でめっ
き反応が停止しており、めっき膜厚のばらつきは500
0穴で±0.2μm以下であった。
【0117】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0118】〔実施例14〕基板Kの代わりに基板Mを
用いた以外は全て実施例12と同様な方法でビアホール
の内部にめっき金属を充填した。その結果、5000穴
のビアホールは全て基板表面の銅箔に触れた時点でめっ
き反応が停止しており、めっき膜厚のばらつきは500
0穴で±0.2μm以下であった。
【0119】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0120】〔実施例15〕基板Lを用い、絶縁層とし
て熱酸化膜を用いた。熱酸化膜表面にチタンを0.1μ
m、次いで銅を3μmスパッタリングにより形成した。
尚、この時の熱酸化膜の厚みは1μmであった。形成し
た銅箔上に実施例2と同様なエッチングレジストを形成
し、露光・現像によりビアホール部のみレジストを除去
した。その後、銅,チタンをエッチングによりパターニ
ングし、ビアホール形成部のみ銅,チタンを除去し、ミ
リングによりビアホールを5000穴形成した。ビアホ
ールの大きさはφ0.5μm であった。その後、実施例
2又は3と同様な方法で熱酸化膜表面の銅に電圧を印加
しながら無電解銅めっきを行った。めっき時間は1時間
とした。その結果、5000穴のビアホールは全て基板
表面の銅箔に触れた時点でめっき反応が停止していた。
【0121】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0122】〔実施例16〕基板Bの代わりに基板Hを
用い、実施例1と同様な方法でビアホールを形成した。
その後、基板を無電解Ni−Pめっき液中に浸漬し、ガ
ラス基板表面のニッケルパターンを起点に無電解ニッケ
ルめっきを行った。
【0123】この時、予めめっき浴中には表面積200
0cm2 のニッケル板を投入しニッケル板上に無電解Ni
−Pめっきを行っていた。基板をめっき液に浸漬後、ポ
テンシオスタット用いて、基板表面にあり、ビアホール
形成時にはマスクとして使用した銅箔に、予め投入して
あった2000cm2 のニッケル板に対し+500mVの
電圧を印加した。
【0124】熱硬化性接着フィルムとポリイミドフィル
ムの厚みの合計は、約100μmである。また、無電解
Ni−Pめっきのめっき速度は約15μm/hであるの
で、ガラスエポキシ基材表面のニッケルパターンを起点
に成長したNi−Pめっきは、約6.7 時間後に表面の
銅箔に達する。そこで、無電解Ni−Pめっきを8時間
行った。その結果、2500穴のビアホールは全て基板
表面の銅箔に触れた時点でめっき反応が停止しており、
めっき膜厚のばらつきは2500穴で±1μm以下であ
った。
【0125】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0126】〔実施例17〕大きさ100mm角の基板B
を、ジメチルアミンボランを10g/l含むアルカリ水
溶液中に浸漬し、化学酸化処理により粗化された銅表面
を還元した。その後、基板を無電解コバルトめっき液中
に浸漬し銅表面にコバルトを0.5μm めっきした。次
いで、実施例2と同様な方法でビアホール形成まで行
い、基板を無電解コバルトめっき液中に浸漬した。
【0127】この時、予めめっき浴中には表面積200
0cm2 のコバルト被覆鋼板を投入しコバルト被覆鋼板上
に無電解コバルトめっきを行っていた。基板をめっき液
に浸漬後、ポテンシオスタット用いて、基板表面にあ
り、ビアホール形成時にはマスクとして使用した銅箔
に、予め投入してあった2000cm2 のコバルト被覆鋼
板に対し+500mVの電圧を印加した。
【0128】熱硬化性接着フィルムとポリイミドフィル
ムの厚みの合計は、約100μmである。また、無電解
コバルトめっきのめっき速度は約15μm/hであるの
で、ガラスエポキシ基材表面のコバルトめっき銅パター
ンを起点に成長したコバルトめっきは、約6.7 時間後
に表面の銅箔に達する。そこで、無電解コバルトめっき
を8時間行った。その結果、2500穴のビアホールは
全て基板表面の銅箔に触れた時点でめっき反応が停止し
ており、めっき膜厚のばらつきは2500穴で±1μm
以下であった。
【0129】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面の銅箔に電圧を印加しながら無電解
めっきを行うことで、多数のビアホールを充填するめっ
きの膜厚を均一にコントロール可能であることが分かっ
た。
【0130】〔実施例18〕基板B上に、熱硬化性接着
フィルムを用いて接着するポリイミドフィルムとして、
表面に銅箔ではなく、ステンレス合金箔を有するものを
用いた。ステンレス合金の厚みは12μmであった。実
施例2と同様、熱硬化性接着フィルムを用いて基板B上
に接着後、ステンレス合金箔表面に感光性を有するエッ
チングレジスト(東京応化製:OFPR−800)を形
成し、所定の露光,現像工程によりビアホールを形成し
たい部分のレジストを除去する。次いで、ステンレス合
金箔をエッチングによりパターニングし、その後、所定
の剥離液を用いてエッチングレジストを剥離した。
【0131】次に、ビアホールを加工した。ビアホール
加工にはエキシマレーザを用いた。幅20mmのレーザ光
を、基板表面より照射した。基板表面のステンレス合金
箔がマスクになり、ステンレス合金箔のパターニングさ
れた部分のみが加工される、いわゆるコンフォーマルマ
スク法でビアホールを形成した。この時形成したビアホ
ールは、大きさφ100μm,2mmピッチで合計250
0穴である。
【0132】ビアホール形成後、基板を無電解銅めっき
液中に浸漬し、ガラスエポキシ基板表面の銅パターンを
起点に無電解銅めっきを行った。
【0133】この時、予めめっき浴中には表面積200
0cm2 の銅板を投入し銅板上に無電解銅めっきを行って
いた。基板をめっき液に浸漬後、ポテンシオスタット用
いて、基板表面にあり、ビアホール形成時にはマスクと
して使用したステンレス合金箔に、予め投入してあった
2000cm2 の銅板に対し+500mVの電圧を印加し
た。
【0134】熱硬化性接着フィルムとポリイミドフィル
ムの厚みの合計は、約100μmである。また、無電解
銅めっきのめっき速度は約3μm/hであるので、ガラ
スエポキシ基材表面の銅パターンを起点に成長した銅め
っきは、約33時間後に表面の銅箔に達する。そこで、
無電解銅めっきを40時間行った。その結果、2500穴の
ビアホールは全て基板表面のステンレス合金箔に触れた
時点でめっき反応が停止しており、めっき膜厚のばらつ
きは2500穴で±1μm以下であった。
【0135】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面のステンレス合金箔に電圧を印加し
ながら無電解めっきを行うことで、多数のビアホールを
充填するめっきの膜厚を均一にコントロール可能である
ことが分かった。
【0136】〔実施例19〕基板B上に、熱硬化性接着
フィルムを用いて接着するポリイミドフィルムとして、
表面に金属箔を有しないものを用いた。熱硬化性接着フ
ィルムを用いて基板B上に接着後、ポリイミド表面にタ
ングステンを1μmスパッタリングにより形成した。そ
の後、タングステン表面に感光性を有するエッチングレ
ジスト(東京応化製:OFPR−800)を形成し、所
定の露光,現像工程によりビアホールを形成したい部分
のレジストを除去した。次いで、タングステンをエッチ
ングによりパターニングし、その後、所定の剥離液を用
いてエッチングレジストを剥離した。
【0137】次に、ビアホールを加工した。ビアホール
加工にはエキシマレーザを用いた。幅20mmのレーザ光
を、基板表面より照射した。基板表面のタングステンが
マスクになり、タングステンのパターニングされた部分
のみが加工される、いわゆるコンフォーマルマスク法で
ビアホールを形成した。この時形成したビアホールは、
大きさφ100μm,2mmピッチで合計2500穴であ
る。
【0138】ビアホール形成後、基板を無電解銅めっき
液中に浸漬し、ガラスエポキシ基板表面の銅パターンを
起点に無電解銅めっきを行った。
【0139】この時、予めめっき浴中には表面積200
0cm2 の銅板を投入し銅板上に無電解銅めっきを行って
いた。基板をめっき液に浸漬後、ポテンシオスタット用
いて、基板表面にあり、ビアホール形成時にはマスクと
して使用したタングステンに、予め投入してあった20
00cm2 の銅板に対し+500mVの電圧を印加した。
【0140】熱硬化性接着フィルムとポリイミドフィル
ムの厚みの合計は、約100μmである。また、無電解
銅めっきのめっき速度は約3μm/hであるので、ガラ
スエポキシ基材表面の銅パターンを起点に成長した銅め
っきは、約33時間後に表面の銅箔に達する。そこで、
無電解銅めっきを40時間行った。その結果、2500穴の
ビアホールは全て基板表面のタングステンに触れた時点
でめっき反応が停止しており、めっき膜厚のばらつきは
2500穴で±1μm以下であった。
【0141】このように、ビアホール加工時マスクとし
て使用した基板表面のタングステンに電圧を印加しなが
ら無電解めっきを行うことで、多数のビアホールを充填
するめっきの膜厚を均一にコントロール可能であること
が分かった。
【0142】次に、比較のために、本発明を実施しない
場合の例を比較例として示す。
【0143】〔実施例20〕実施例2で無電解銅めっき
によりビアホールを充填した基板を用いた。その基板を
10%硫酸水溶液中に2分間浸漬し、表面を洗浄した。
基板の裏面全面をセロファンテープで保護し、その後、
無電解めっき触媒のパラジウムコロイドを含む日立化成
工業(株)製増感剤HS101Bを含む酸性水溶液に5分
間浸漬し、水洗を行った後、希塩酸を主成分とする促進
処理液で5分間処理し、水洗の後、裏面のセロファンテ
ープを剥離し、無電解銅めっきを施した。めっき時間は
10時間で、めっきした銅の厚みは約30μmであっ
た。その結果、ビアホール部にはめっき後、約7μm程
度の凹みが残り、顕微鏡観察によりビアホール部が確認
できた。
【0144】本実施例より、本発明の目的であるところ
の、ビアホール内を金属充填した基板で多層化が容易に
行えるように、次層の導体層を形成後、基板表面からビ
アホール部分が確認できる配線板を提供できることがわ
かった。
【0145】〔実施例21〕実施例19で無電解銅めっ
きによりビアホールを充填した基板を用いた。無電解銅
めっきによるビアホール充填後、17%塩酸水溶液中に
基板を浸漬し、タングステンをエッチングで除去した。
水洗後、その基板を10%硫酸水溶液中に2分間浸漬
し、表面を洗浄した。基板の裏面全面をセロファンテー
プで保護し、その後、無電解めっき触媒のパラジウムコ
ロイドを含む日立化成工業(株)製増感剤HS101Bを
含む酸性水溶液に5分間浸漬し、水洗を行った後、希塩
酸を主成分とする促進処理液で5分間処理し、水洗の
後、裏面のセロファンテープを剥離し、無電解銅めっき
を施した。めっき時間は5時間で、めっきした銅の厚み
は約15μmであった。その結果、ビアホール部にめっ
きした銅表面はポリイミド上にめっきした銅表面よりも
粗いことが、顕微鏡観察により確認できた。従って、め
っき後も顕微鏡観察によりビアホール部が確認できるこ
とがわかった。
【0146】本実施例より、本発明の目的であるところ
の、ビアホール内を金属充填した基板で多層化が容易に
行えるように、次層の導体層を形成後、基板表面からビ
アホール部分が確認できる配線板を提供できることがわ
かった。
【0147】〔実施例22〕実施例19で無電解銅めっ
きによりビアホールを充填した基板を用いた。無電解銅
めっきによるビアホール充填後、17%塩酸水溶液中に
基板を浸漬し、タングステンをエッチングで除去した。
水洗後、その基板を10%硫酸水溶液中に2分間浸漬
し、表面を洗浄した。流水による洗浄後、基板を120
℃の真空乾燥機中で1時間乾燥させた。乾燥後、基板表
面に、スパッタリングによりクロム/銅/クロムの3層
導体を厚み0.05/10/0.05μm形成した。
【0148】その結果、ビアホール部に形成された3層
導体表面はポリイミド上に形成された3層導体表面より
も粗いことが、顕微鏡観察により確認できた。従って、
スパッタリングによる導体形成後も顕微鏡観察によりビ
アホール部が確認できることがわかった。
【0149】本実施例より、本発明の目的であるところ
の、ビアホール内を金属充填した基板で多層化が容易に
行えるように、次層の導体層を形成後、基板表面からビ
アホール部分が確認できる配線板を提供できることがわ
かった。
【0150】〔比較例1〕実施例2と同様にビアホール
加工までを行った。その後、基板を無電解めっき液中に
浸漬した。この時、基板表面の銅箔には電位を印加しな
かった。ビアホール底部にあたるガラスエポキシ基板表
面の銅パターンを起点に無電解めっき反応は進行した
が、同時に基板表面の銅箔上でも無電解銅めっき反応は
進行した。その結果、ビアホールが、ビアホール底部よ
り析出してきた銅で充填される以前に閉塞されてしまっ
た。従って、めっき後においてもビアホール部には空洞
が残り、ビアホールを金属充填することはできなかっ
た。
【0151】〔比較例2〕実施例19と同様にビアホー
ル加工までを行った。その後、基板表面のアルミニウム
のみを17%塩酸を用いてエッチングにより除去した。
次いで基板を無電解めっき液中に浸漬した。ビアホール
底部にあたるガラスエポキシ基板表面の銅パターンを起
点に無電解めっき反応は進行した。
【0152】熱硬化性接着フィルムとポリイミドフィル
ムの厚みの合計は、約100μmである。また、無電解
銅めっきのめっき速度は約3μm/hであるので、ガラ
スエポキシ基材表面の銅パターンを起点に成長した銅め
っきは、約33.3 時間後にポリイミド表面に達する。
そこで、無電解銅めっきを33.3 時間行った。
【0153】その結果、2500穴中、10%以上のビ
アホールでポリイミド表面より5μm以上膜厚が凹んで
いた。また、2500穴で、ポリイミド表面から見ため
っき膜厚のばらつきは±8μm以上であった。
【0154】以上の比較例によれば、めっき膜厚の制御
を再現性良く行うことは不可能であった。
【0155】〔実施例C〕前述の実施例A及びBに基づ
いて作製した具体的な薄膜多層基板への応用例を示す。
【0156】本発明のビアスタッド接続型の薄膜多層基
板の一例を図10に示す。セラミックスまたはガラスエ
ポキシからなる基板31上に絶縁層(例えばポリイミド
等)32を形成し、該絶縁層32にビアホールを形成
し、金属配線層34間を無電解めっきの導電性金属の充
填体からなるビアスタッド33で接続しながら絶縁層3
2を積層し、上記と同様にしてビアスタッド33で逐次
接続した金属配線層34を積層した薄膜多層配線基板で
ある。
【0157】図11は薄膜多層基板の製法の一例を断面
模式図で示したフロー図である。金属配線層34を有す
る基板31上に絶縁層32を形成する。その後、スパッ
タリング法により絶縁層32上にクロムを厚み0.05
μm 形成し、次いで銅を厚み3μm形成することで導
体36を形成する。銅表面にレジスト37を形成し、露
光,現像工程により所望のパターンを形成する。銅,ク
ロムからなる導体36をエッチングし、次いでレジスト
37を剥離する。パターニングされた導体36をマスク
にして、ドライエッチングによりビアホール38を形成
する。この時のドライエッチングとしては酸素プラズマ
を用い、ガス圧が5Pa以下の低圧の条件で行った。ビ
アホール38形成後、基板をめっき槽42中の無電解銅
めっき液43中に浸漬し、基板表面の導体34を起点に
無電解銅めっきを行った。この時、ポテンシオスタット
40を用いて、導体36に参照電極41を基準に−38
0mV(vs.SCE)の電位を印加した。尚、この電
位は70℃での値であり、無電解銅めっきの反応電位は
−780mV(vs.SCE)と実測されたため、導体
36に印加された電位はめっき反応電位に比べ+0.4
ボルトである。また、図中39は結線である。絶縁層3
2の膜厚以上のめっき厚みが得られるに十分な時間無電
解めっき処理を行った。その結果、全てのビアホールで
基板表面の導体36に触れた時点でめっき反応が停止し
ており、めっき膜厚のばらつきは全ての穴で±1μm以
下であった。めっき処理後、その基板を10%硫酸水溶
液中に2分間浸漬し、表面を洗浄した。その後、無電解
めっき触媒のパラジウムコロイドを含む日立化成工業
(株)製増感剤HS101Bを含む酸性水溶液に5分間浸
漬し、水洗を行った後、希塩酸を主成分とする促進処理
液で5分間処理し、水洗の後、無電解銅めっきを施し導
体44を形成し、導体44をエッチングにより回路とし
た。
【0158】以上の工程により基板31上に1層の薄膜
配線層が形成される。図11中(b)〜(i)の工程を繰
り返すことにより多層化することができる。この工程を
5回繰り返し多層構造にしたのが図10である。
【0159】また、図13は本実施例まで得た薄膜多層
配線基板54に、LSI44を搭載した実装基板の模式
断面図である。セラミックス基板45上にポリイミド/
銅からなる薄膜配線層を形成し、ビアスタッド接続した
薄膜多層配線基板54に、はんだバンプ46によりLS
I44を搭載,接続した。
【0160】図14は本実施例によって得られる薄膜多
層配線基板を大型計算機用基板に用いた実装例を示す模
式断面図で、大型プリント配線基板51上にピン挿入型
のモジュール基板52を搭載した一例である。
【0161】モジュール基板52は、ガラスセラミック
スと銅層との多層焼結体からなり、下面に接続ピン53
が設けられている。このモジュール基板52上に本発明
になる薄膜多層配線基板54を形成して、はんだバンプ
46によりLSI44が接続搭載されている。
【0162】本実施例の実装基板によれば、配線総数も
約1/4に減らすことができ、配線密度を上げることが
できた。また、信号伝送速度を従来のものに比べて約
1.5倍速くすることができる。
【0163】本発明による薄膜多層配線基板は、実装の
高密度化と配線長の短縮による信号伝送の高速化を図る
ことができる。また、大型電子計算機用基板,ワークス
テーション用実装基板,ビデオカメラ等の小型電子機器
用実装基板として優れている。
【0164】
【発明の効果】本発明によると、ビアホールを導体金属
で充填しているにもかかわらず、その表面に次層の導体
層を形成後も表面よりビアホール部が確認できる配線板
を得ることができる。これにより、導体層をパターニン
グする際の位置合わせを容易にかつ、精度良く行うこと
ができる。また、ビアホールを金属で充填する本発明の
配線板の製造方法においては、無電解めっきによるビア
ホール充填時に、表面導体に無電解めっき電位よりも貴
な電位を印加することで、再現性良く、めっき膜厚を一
定にコントロールすることができる。
【0165】本発明によると、無電解めっき方法でめっ
き厚みを高精度に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を穴又は溝への金属の充填に適用する場
合の配置の一例を模式的に示した断面図。
【図2】穴又は溝充填の途中でめっき反応を停止させる
場合の配置の一例を模式的に示した断面図。
【図3】被めっき体の表面に無電解めっきによって定め
られた膜厚のめっきを行う場合の配置の一例を模式的に
示す図。
【図4】本発明による配線板の一例の断面模式図。
【図5】本発明による配線板の他の例の断面模式図。
【図6】本発明の無電解めっき方法のプロセスを示した
断面模式図。
【図7】基板上に絶縁層と導体層を形成するプロセスの
他の例を示す説明図。
【図8】無電解めっき装置の説明図。
【図9】本発明による薄膜多層配線基板の一例の断面模
式図。
【図10】本発明のビアスタッド接続による薄膜多層基
板の模式断面図。
【図11】本発明のビアスタッド接続型の薄膜2層配線
基板の製造工程の一例を模式断面図で示すフロー図。
【図12】本発明の薄膜多層配線基板を用いた実装構造
体の模式断面図。
【図13】本発明による大型電子計算機用基板の実装例
を示す模式断面図。
【符号の説明】
1…絶縁層、2,15…ビアホール、3,22…第1の
導体、4,24…第2の導体、5…基板、6…エッチン
グレジスト、7,26…第4の導体、8…結線、9…外
部電源、10…参照電極、11…めっき槽、12…無電
解めっき液、15…めっき金属、21…絶縁基板、2
3,32…絶縁層、25…第3の導体、27…導体層、
33…ビアスタッド、34…金属配線層、35…接続用
スルーホール、36…レーザマスク、44…LSI、4
5…セラミックス基板、46…はんだバンプ、47…複
合シート、48…接着層、49…ポリイミドシート、5
0…銅張り複合シート、51…大型プリント配線基板、
52…モジュール基板、53…接続ピン、54…薄膜多
層配線基板、55…スルホール。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に第1の導体が形成され、前記
    絶縁基板及び前記第1の導体上に絶縁層が形成され、前
    記絶縁層上に第2の導体が形成され、前記絶縁層には前
    記第1の導体と前記第2の導体を電気的に接続するため
    のビアホールが形成され、前記ビアホール内部が第3の
    導体によって充填された構造の導体接続部を有し、前記
    第2の導体表面と前記第3の導体層表面を覆う第4の導
    体を有する配線板において、 前記第3の導体の表面状態が前記第2の導体上と前記第
    3の導体上とで異なること、あるいは前記第3の導体の
    表面状態が前記第4の導体の表面状態と異なることを特
    徴とする配線板。
  2. 【請求項2】絶縁基板上に第1の導体が形成され、前記
    絶縁基板及び前記第1の導体上に絶縁層が形成され、前
    記絶縁層上に第2の導体が形成され、前記絶縁層には前
    記第1の導体と前記第2の導体を電気的に接続するため
    のビアホールが形成され、前記ビアホール内部が第3の
    導体によって充填された構造の導体接続部を有し、前記
    第2の導体表面と前記第3の導体表面を覆う第4の導体
    を有する配線板において、 前記第4の導体が前記第3の導体上で凹状に形成されて
    いることを特徴とする配線板。
  3. 【請求項3】絶縁基板上に第1の導体が形成され、前記
    絶縁基板及び前記第1の導体上に絶縁層が形成され、前
    記絶縁層上に第2の導体が形成され、前記絶縁層には前
    記第1の導体と前記第2の導体を電気的に接続するため
    のビアホールが形成され、前記ビアホール内部が第3の
    導体によって充填された構造の導体接続部を有し、前記
    第2の導体表面と前記第3の導体表面を覆う第4の導体
    を有する配線板において、 前記第3の導体の表面粗さよりも前記第4の導体の表面
    粗さの方が大きいことを特徴とする配線板。
  4. 【請求項4】絶縁基板上に第1の導体が形成され、前記
    絶縁基板及び前記第1の導体上に絶縁層が形成され、前
    記絶縁層上に第2の導体が形成され、前記絶縁層には前
    記第1の導体と前記第2の導体を電気的に接続するため
    のビアホールが形成され、前記ビアホール内部が第3の
    導体によって充填された構造の導体接続部を有し、前記
    第2の導体表面と第3の導体表面を覆う第4の導体層を
    有する配線板において、 前記第3の導体が前記絶縁層の高さと同等の高さを有す
    ることを特徴とする配線板。
  5. 【請求項5】絶縁基板上に第1の導体を有し、前記絶縁
    基板及び前記第1の導体上に絶縁層を有し、前記絶縁層
    上に第2の導体を有し、前記第1の導体と前記第2の導
    体を電気的に接続するためのビアホールが前記絶縁層を
    貫通して形成されており、前記ビアホール内部に無電解
    めっきによって第3の導体層を充填する配線板の製造方
    法において、 前記無電解めっきの際に、前記第2の導体にめっき反応
    電位よりも貴な電位を印加することを特徴とする配線板
    の製造方法。
  6. 【請求項6】表面に第1の導体を有する絶縁基板上に絶
    縁層を形成する工程と、前記絶縁層上に第2の導体を形
    成する工程と、前記第2の導体層にパターニングを行う
    工程と、前記第2の導体をマスクとして前記第1の導体
    上の前記絶縁層にビアホールを形成する工程と、前記第
    2の導体にめっき反応電位よりも貴な電位を印加しなが
    ら前記ビアホールの底部にあたる前記第1の導体層上に
    無電解めっきにより前記ビアホール内部に金属を充填
    し、第3の導体層を形成する工程とを含むことを特徴と
    する配線板の製造方法。
  7. 【請求項7】表面に第1の導体層を有する絶縁基板上
    に、表面に第2の導体層を有するフィルム状の絶縁層を
    積層する工程と、前記第2の導体層にパターニングを行
    う工程と、前記第2の導体層をマスクとして前記第1の
    導体層上の前記絶縁層にビアホールを形成する工程と、
    前記第2の導体層にめっき反応電位よりも貴な電位を印
    加しながら前記ビアホールの底部にあたる前記第1の導
    体層上に無電解めっきにより前記ビアホール内部に金属
    を充填し、第3の導体層を形成する工程とを含むことを
    特徴とする配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】被めっき体表面に第1の導体と該導体に対
    して電気的に絶縁された第2の導体が設けられた前記第
    1の導体の表面に導体を無電解めっきによって堆積させ
    る無電解めっき方法において、前記第2の導体にめっき
    反応の電位より貴な電位を印加することを特徴とする無
    電解めっき方法。
  9. 【請求項9】被めっき体に設けられた穴又は溝の底面に
    第1の導体を有し、該第1の導体に対して電気的に絶縁
    された第2の導体が前記被めっき体の表面に有し、前記
    第1の導体の表面に導体を無電解めっきによって堆積さ
    せる無電解めっき方法において、 前記第2の導体に外部電源によりめっき反応電位よりも
    貴な電位を印加しながら無電解めっき反応を行うことを
    特徴とする無電解めっき方法。
  10. 【請求項10】請求項8又は9に記載の無電解めっき方
    法において、前記第2の導体に印加する電位は、めっき
    反応の電位に対して+0.1〜+1.5ボルトであること
    を特徴とする無電解めっき方法。
  11. 【請求項11】表面に微細配線パターンが形成された絶
    縁層が複数積層された多層薄膜配線基板と該配線基板の
    少なくとも一方の面に半導体素子が搭載されたモジュー
    ルにおいて、前記配線基板が請求項1〜4のいずれかに
    記載の配線板よりなることを特徴とするモジュール。
  12. 【請求項12】プリント配線基板上に接続ピンを介して
    接続されたモジュール基板が搭載され、該モジュール基
    板上に表面に微細配線パターンが形成された絶縁層が複
    数積層された多層薄膜配線基板が搭載され、該配線基板
    上に半導体素子が搭載されている大型計算機実装におい
    て、前記配線基板が請求項1〜4のいずれかに記載の配
    線板よりなることを特徴とする大型計算機実装。
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