JPH11101943A - 顕微鏡用カバーフイルム - Google Patents
顕微鏡用カバーフイルムInfo
- Publication number
- JPH11101943A JPH11101943A JP26302297A JP26302297A JPH11101943A JP H11101943 A JPH11101943 A JP H11101943A JP 26302297 A JP26302297 A JP 26302297A JP 26302297 A JP26302297 A JP 26302297A JP H11101943 A JPH11101943 A JP H11101943A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive layer
- coupling agent
- silane coupling
- polymer adhesive
- cover film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Landscapes
- Microscoopes, Condenser (AREA)
- Sampling And Sample Adjustment (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ロール状で保存しても接着剤層と支持体裏面
との間にブロッキングが生じることなく、かつカバーガ
ラスと接着して試料を封入した後長期間保存しても、経
時変化によるフイルムの剥がれが生じない、自動封入に
適する顕微鏡用カバーフイルムを提供すること。 【解決手段】 透明支持体上にガラス転移温度が50℃
以上のポリマー接着剤層を設けてなる顕微鏡用カバーフ
イルムにおいて、該ポリマー接着剤層の表面および/ま
たは該ポリマー接着剤層中にシランカップリング剤を含
有させたことを特徴とする上記顕微鏡用カバーフイル
ム。
との間にブロッキングが生じることなく、かつカバーガ
ラスと接着して試料を封入した後長期間保存しても、経
時変化によるフイルムの剥がれが生じない、自動封入に
適する顕微鏡用カバーフイルムを提供すること。 【解決手段】 透明支持体上にガラス転移温度が50℃
以上のポリマー接着剤層を設けてなる顕微鏡用カバーフ
イルムにおいて、該ポリマー接着剤層の表面および/ま
たは該ポリマー接着剤層中にシランカップリング剤を含
有させたことを特徴とする上記顕微鏡用カバーフイル
ム。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動封入に適する
顕微鏡用カバーフイルムに関し、特に経時変化によるス
ライドガラスからの剥がれが小さく、かつ自動封入に適
する顕微鏡用カバーフイルムに関する。
顕微鏡用カバーフイルムに関し、特に経時変化によるス
ライドガラスからの剥がれが小さく、かつ自動封入に適
する顕微鏡用カバーフイルムに関する。
【従来技術】予め透明支持体上に接着剤を塗布して作成
したカバーフイルムを、該接着剤を膨潤或いは溶解しう
る有機溶剤が数滴滴下され、かつ被検体が載せられたス
ライドガラスに、自動的に重ね合わせて接着させる(以
下、封入と呼ぶ)ことにより、顕微鏡観察用標本を作成
する方法が知られている。特公平5−19684号公報
には、このようなカバーフイルムにおいて、ロール状態
で保存する間に発生する接着剤層とフイルム裏面(接着
剤層と反対側の支持体表面)とのブロッキング防止のた
めにガラス転移温度50℃以上の接着剤を使用すること
が記載されている。しかし、かかるフイルムをスライド
ガラスに接着させて通常の温湿度環境下で長期間保存す
ると、フイルムがスライドガラスから剥がれてしまい、
この時、被検体も一緒にスライドガラスから剥がれた
り、また場合によっては被検体を破損してしまうという
問題があった。従って、長期保存時にも剥がれのないカ
バーフイルムが望まれていた。
したカバーフイルムを、該接着剤を膨潤或いは溶解しう
る有機溶剤が数滴滴下され、かつ被検体が載せられたス
ライドガラスに、自動的に重ね合わせて接着させる(以
下、封入と呼ぶ)ことにより、顕微鏡観察用標本を作成
する方法が知られている。特公平5−19684号公報
には、このようなカバーフイルムにおいて、ロール状態
で保存する間に発生する接着剤層とフイルム裏面(接着
剤層と反対側の支持体表面)とのブロッキング防止のた
めにガラス転移温度50℃以上の接着剤を使用すること
が記載されている。しかし、かかるフイルムをスライド
ガラスに接着させて通常の温湿度環境下で長期間保存す
ると、フイルムがスライドガラスから剥がれてしまい、
この時、被検体も一緒にスライドガラスから剥がれた
り、また場合によっては被検体を破損してしまうという
問題があった。従って、長期保存時にも剥がれのないカ
バーフイルムが望まれていた。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ロール状で
保存しても接着剤層と支持体裏面との間にブロッキング
が生じることなく、かつカバーガラスと接着して試料の
封入を行った後長期間保存しても、経時変化によるフイ
ルムの剥がれが生じない顕微鏡用カバーフイルムを提供
することを目的とする。
保存しても接着剤層と支持体裏面との間にブロッキング
が生じることなく、かつカバーガラスと接着して試料の
封入を行った後長期間保存しても、経時変化によるフイ
ルムの剥がれが生じない顕微鏡用カバーフイルムを提供
することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、透
明支持体上にガラス転移温度が50℃以上のポリマー接
着剤層を設けてなる顕微鏡用カバーフイルムにおいて、
該ポリマー接着剤層の表面および/または該ポリマー接
着剤層中にシランカップリング剤を含有させたことを特
徴とする上記顕微鏡用カバーフイルムにより達成でき
る。
明支持体上にガラス転移温度が50℃以上のポリマー接
着剤層を設けてなる顕微鏡用カバーフイルムにおいて、
該ポリマー接着剤層の表面および/または該ポリマー接
着剤層中にシランカップリング剤を含有させたことを特
徴とする上記顕微鏡用カバーフイルムにより達成でき
る。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明のカバーフイルムは、透明
支持体上に塗布されたガラス転移温度が50℃以上のポ
リマー接着剤層の表面上に、さらにシランカップリング
剤を塗布するか、および/または透明支持体上にシラン
カップリング剤を含有するポリマー接着剤層を塗布する
ことにより作成される。このようなカバーフイルムを使
用することにより、ロール状で保存しても接着剤層と支
持体裏面との間にブロッキングが生じることなく、かつ
カバーガラスと接着して試料を封入した後、長期間保存
しても、フイルムのガラスからの剥がれが生じなくな
る。ここで、シランカップリング剤とは、分子中に2個
以上の異なった反応基を有し、反応基の一つは無機質と
化学結合する反応基であり、もう一つは有機材料と化学
結合する反応基である、有機珪素単量体である。
支持体上に塗布されたガラス転移温度が50℃以上のポ
リマー接着剤層の表面上に、さらにシランカップリング
剤を塗布するか、および/または透明支持体上にシラン
カップリング剤を含有するポリマー接着剤層を塗布する
ことにより作成される。このようなカバーフイルムを使
用することにより、ロール状で保存しても接着剤層と支
持体裏面との間にブロッキングが生じることなく、かつ
カバーガラスと接着して試料を封入した後、長期間保存
しても、フイルムのガラスからの剥がれが生じなくな
る。ここで、シランカップリング剤とは、分子中に2個
以上の異なった反応基を有し、反応基の一つは無機質と
化学結合する反応基であり、もう一つは有機材料と化学
結合する反応基である、有機珪素単量体である。
【0005】本発明の好ましいシランカップリング剤と
しては下記の一般式で表されるシランカップリング剤が
挙げられる。 Y−R−Si(CH3 )3-n Xn (式中、Yはビニル、メタクリル、エポキシ、アミノ、
メルカプトまたはクロル基を表し;Rは単結合、メチレ
ン基、ポリメチレン基または少なくとも一つのメチレン
基がO、SあるいはNHで置き代わったポリメチレン基
を表し;Xはクロル、メトキシ、エトキシ、メトキシエ
トキシ、アセトキシ、メチルビニルオキシ、またはアミ
ノ基を表し;nは2または3である。) 本発明において使用されるシランカップリング剤として
は、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メト
キシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピ
ル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
クロロプロピルトリメトキシシランが好ましく、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランが特に好ま
しい。
しては下記の一般式で表されるシランカップリング剤が
挙げられる。 Y−R−Si(CH3 )3-n Xn (式中、Yはビニル、メタクリル、エポキシ、アミノ、
メルカプトまたはクロル基を表し;Rは単結合、メチレ
ン基、ポリメチレン基または少なくとも一つのメチレン
基がO、SあるいはNHで置き代わったポリメチレン基
を表し;Xはクロル、メトキシ、エトキシ、メトキシエ
トキシ、アセトキシ、メチルビニルオキシ、またはアミ
ノ基を表し;nは2または3である。) 本発明において使用されるシランカップリング剤として
は、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メト
キシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピ
ル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
クロロプロピルトリメトキシシランが好ましく、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランが特に好ま
しい。
【0006】使用するシランカップリング剤種は、ガラ
スと接着させたい有機材料、すなわち接着剤種により選
定するものであることは、当業者により容易に理解され
る。シランカップリング剤をカバーフイルムに含有させ
る方法としては、予め接着剤に添加し、支持体に接着剤
とともに塗布、乾燥させる方法と、支持体上に塗布乾燥
した接着剤層の表面上にシランカップリング剤を塗布す
る方法があるが、シランカップリング剤を少量かつ有効
に活かせるには後者の方が好ましい。また、塗布方法と
して接着剤とシランカップリング剤をフイルムに同時に
塗布する(重層塗布)方法もある。すなわち、後の2者
は支持体/接着剤/シランカップリング剤の層構成を有
する。本発明のカバーフイルムにおけるシランカップリ
ング剤の含有量は0.1mg/m 2 以上が好ましく、5mg/
m2 〜25mg/m2 の間が最も好ましい。
スと接着させたい有機材料、すなわち接着剤種により選
定するものであることは、当業者により容易に理解され
る。シランカップリング剤をカバーフイルムに含有させ
る方法としては、予め接着剤に添加し、支持体に接着剤
とともに塗布、乾燥させる方法と、支持体上に塗布乾燥
した接着剤層の表面上にシランカップリング剤を塗布す
る方法があるが、シランカップリング剤を少量かつ有効
に活かせるには後者の方が好ましい。また、塗布方法と
して接着剤とシランカップリング剤をフイルムに同時に
塗布する(重層塗布)方法もある。すなわち、後の2者
は支持体/接着剤/シランカップリング剤の層構成を有
する。本発明のカバーフイルムにおけるシランカップリ
ング剤の含有量は0.1mg/m 2 以上が好ましく、5mg/
m2 〜25mg/m2 の間が最も好ましい。
【0007】本発明において使用されるポリマー接着剤
としては、自動封入装置に使用される有機溶剤に溶解す
ることが望ましく、少なくとも該溶剤で膨潤することが
必要である。キシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸メ
チル、アセトンおよびメチルエチルケトンのうちいずれ
かの単独溶媒に、あるいはこれらの2種以上の混合溶媒
に可溶性であることが好ましい。カバーフイルムをロー
ル状にて保存する際に、接着剤層と支持体裏面とのブロ
ッキングを防止するため、上記溶媒に可溶で、かつガラ
ス転移温度が50℃のポリマー接着剤が望ましい。この
ようなポリマー接着剤としては、ポリエステル系接着剤
としてバイロン200(東洋紡績(株)、日本)が挙げ
られ、アクリル系接着剤としてアロンS−1017、ア
ロンS−1030C(東亜合成化学工業(株)、日本)
等が挙げられる。
としては、自動封入装置に使用される有機溶剤に溶解す
ることが望ましく、少なくとも該溶剤で膨潤することが
必要である。キシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸メ
チル、アセトンおよびメチルエチルケトンのうちいずれ
かの単独溶媒に、あるいはこれらの2種以上の混合溶媒
に可溶性であることが好ましい。カバーフイルムをロー
ル状にて保存する際に、接着剤層と支持体裏面とのブロ
ッキングを防止するため、上記溶媒に可溶で、かつガラ
ス転移温度が50℃のポリマー接着剤が望ましい。この
ようなポリマー接着剤としては、ポリエステル系接着剤
としてバイロン200(東洋紡績(株)、日本)が挙げ
られ、アクリル系接着剤としてアロンS−1017、ア
ロンS−1030C(東亜合成化学工業(株)、日本)
等が挙げられる。
【0008】2種の単量体からなるコポリマーのガラス
転移温度の算定に関しては、Foxの式が知られており
(岡村誠三ら著、高分子化学序論第2版、化学同人(1
72頁)参照)、また3種以上の単量体からなるコポリ
マーのガラス転移温度も同様な方法で算出することが可
能である。算出方法については特公平5−19684号
にも詳細に記載されており、この内容を全てここに引用
する。2種の単量体からなるアクリル系接着剤として好
ましいものは、アルキルメタクリレートとアルキルアク
リレートとのコポリマーである。これらのポリマー接着
剤の皮膜の屈折率(ηD ) は、顕微鏡観察の際の光学的
な問題から、1.45以上であることが好ましく、1.47
以上であることがさらに好ましい。
転移温度の算定に関しては、Foxの式が知られており
(岡村誠三ら著、高分子化学序論第2版、化学同人(1
72頁)参照)、また3種以上の単量体からなるコポリ
マーのガラス転移温度も同様な方法で算出することが可
能である。算出方法については特公平5−19684号
にも詳細に記載されており、この内容を全てここに引用
する。2種の単量体からなるアクリル系接着剤として好
ましいものは、アルキルメタクリレートとアルキルアク
リレートとのコポリマーである。これらのポリマー接着
剤の皮膜の屈折率(ηD ) は、顕微鏡観察の際の光学的
な問題から、1.45以上であることが好ましく、1.47
以上であることがさらに好ましい。
【0009】これらポリマー接着剤は単独で使用しても
よいが、2種以上のポリマー接着剤をブレンドして使用
してもよい。ブレンドして使用する場合には、有機溶剤
が蒸発した後の皮膜に濁りが生じない比率で用いる必要
がある。有機溶剤が蒸発した後のポリマー接着剤層の塗
布量は、およそ1g/m2 〜50g/m2 の間が好まし
く、7g/m2 〜25g/m2 の間が最も好ましい。前
記のポリマー接着剤をブレンドする態様としては、ガラ
ス転移温度が80℃以上のポリマー接着剤(例えばアク
リル系ポリマー接着剤)と、ガラス転移温度が50℃以
上80℃より小さいポリマー接着剤(例えばアクリル系
ポリマー接着剤)を7:3〜5:5の重量比の範囲にお
いてブレンドして使用することが好ましい。
よいが、2種以上のポリマー接着剤をブレンドして使用
してもよい。ブレンドして使用する場合には、有機溶剤
が蒸発した後の皮膜に濁りが生じない比率で用いる必要
がある。有機溶剤が蒸発した後のポリマー接着剤層の塗
布量は、およそ1g/m2 〜50g/m2 の間が好まし
く、7g/m2 〜25g/m2 の間が最も好ましい。前
記のポリマー接着剤をブレンドする態様としては、ガラ
ス転移温度が80℃以上のポリマー接着剤(例えばアク
リル系ポリマー接着剤)と、ガラス転移温度が50℃以
上80℃より小さいポリマー接着剤(例えばアクリル系
ポリマー接着剤)を7:3〜5:5の重量比の範囲にお
いてブレンドして使用することが好ましい。
【0010】また、シランカップリング剤表面および/
またはポリマー接着剤表面および/または支持体表面に
キズがついたり、非常に高温において保存される際のブ
ロッキングをより確実に防止するために、あるいはまた
カーリングバランスをとるために、該シランカップリン
グ剤および/または接着剤層の上に保護層を塗設した
り、支持体の裏面側(接着剤と反対側)にバッキング層
を塗設してもよい。保護層およびバッキング層の構成物
質としては、例えばポリスチレン、ポリメチルメタクリ
レート等のガラス転移温度の高い合成ポリマー、または
ゼラチン等が挙げられる。
またはポリマー接着剤表面および/または支持体表面に
キズがついたり、非常に高温において保存される際のブ
ロッキングをより確実に防止するために、あるいはまた
カーリングバランスをとるために、該シランカップリン
グ剤および/または接着剤層の上に保護層を塗設した
り、支持体の裏面側(接着剤と反対側)にバッキング層
を塗設してもよい。保護層およびバッキング層の構成物
質としては、例えばポリスチレン、ポリメチルメタクリ
レート等のガラス転移温度の高い合成ポリマー、または
ゼラチン等が挙げられる。
【0011】透明支持体として世の中に知られているも
のは全て本発明の支持体として使用できるが、好ましい
例としては、トリアセテートセルロース膜、ジアセテー
トセルロース膜、ポリエチレンテレフタレート膜が挙げ
られる。これら支持体の厚さは50μm〜250μmの
間が好ましく、100μm〜150μmの間が最も好ま
しい。これら支持体には写真感光材料業界ではよく知ら
れている下びき層が塗設されていたり、紫外線照射、コ
ロナ放電あるいはグロー放電等の表面処理がなされてい
てもよい。
のは全て本発明の支持体として使用できるが、好ましい
例としては、トリアセテートセルロース膜、ジアセテー
トセルロース膜、ポリエチレンテレフタレート膜が挙げ
られる。これら支持体の厚さは50μm〜250μmの
間が好ましく、100μm〜150μmの間が最も好ま
しい。これら支持体には写真感光材料業界ではよく知ら
れている下びき層が塗設されていたり、紫外線照射、コ
ロナ放電あるいはグロー放電等の表面処理がなされてい
てもよい。
【0012】
【実施例】実施例1〜4 支持体は120μmの厚さの透明なトリアセテートセル
ロース、ポリマー接着剤はアロンS−1017とアロン
S−1030C(いづれも東亜合成化学工業(株)、日
本)を重量比で2:3でブレンドしたものを使用した。
これらのポリマー接着剤のガラス転移温度はFoxの式
から約65℃と算出された。シランカップリング剤は、
KBM403(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン)、KBM602(N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)(信越化
学工業(株))をそれぞれ使用し、5mg/m 2 〜100
mg/m2 でポリマー接着剤層表面に塗布し、表1に示さ
れるカバーフイルムを作成した。塗布方式はエクストル
ージョン重層塗布方式を用いた。ポリマー接着剤とシラ
ンカップリング剤はそれぞれ酢酸エチルで希釈し、それ
ぞれ塗布した。希釈濃度はポリマー接着剤(アロンブレ
ンド)が55%、シランカップリング剤は0.1%で行っ
た。塗布後、100℃で5分間乾燥を行った。接着剤の
乾燥後の厚さは19μmであった。これらのカバーフイ
ルムはカバーエイド自動封入装置SCA−1800(サ
クラ精機(株)、日本)を用いてスライドガラスと貼り
合わせた。封入後、40℃、80%(RH)の環境下に
各カバーフイルムを置いて、フイルム剥がれ加速試験を
行った。
ロース、ポリマー接着剤はアロンS−1017とアロン
S−1030C(いづれも東亜合成化学工業(株)、日
本)を重量比で2:3でブレンドしたものを使用した。
これらのポリマー接着剤のガラス転移温度はFoxの式
から約65℃と算出された。シランカップリング剤は、
KBM403(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン)、KBM602(N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)(信越化
学工業(株))をそれぞれ使用し、5mg/m 2 〜100
mg/m2 でポリマー接着剤層表面に塗布し、表1に示さ
れるカバーフイルムを作成した。塗布方式はエクストル
ージョン重層塗布方式を用いた。ポリマー接着剤とシラ
ンカップリング剤はそれぞれ酢酸エチルで希釈し、それ
ぞれ塗布した。希釈濃度はポリマー接着剤(アロンブレ
ンド)が55%、シランカップリング剤は0.1%で行っ
た。塗布後、100℃で5分間乾燥を行った。接着剤の
乾燥後の厚さは19μmであった。これらのカバーフイ
ルムはカバーエイド自動封入装置SCA−1800(サ
クラ精機(株)、日本)を用いてスライドガラスと貼り
合わせた。封入後、40℃、80%(RH)の環境下に
各カバーフイルムを置いて、フイルム剥がれ加速試験を
行った。
【0013】比較例1 実施例1〜4と同様にして支持体にポリマー接着剤のみ
を塗布し、乾燥してカバーフイルムを作成した。塗布
後、スライドガラスと貼り合わせて、実施例1〜4と同
様にフイルム剥がれ加速試験を行った。
を塗布し、乾燥してカバーフイルムを作成した。塗布
後、スライドガラスと貼り合わせて、実施例1〜4と同
様にフイルム剥がれ加速試験を行った。
【0014】
【表1】 シランカップリング剤 実施例 種類 添加量 フイルム剥がれ状況 1 KBM403 5 mg/m2 剥がれ無し(200 日経過まで評価) 2 KBM403 50 mg/m2 同上 3 KBM403 100 mg/m2 同上 4 KBM602 5 mg/m2 剥がれ無し(100 日経過まで評価)比較例 1 なし − 20日経過で剥がれはじめ、 90日経過で全て剥がれてしまった。
【0015】表1から明らかなように、シランカップリ
ング剤を塗布したカバーフイルムを使用した場合には、
長期間フイルムの剥がれが生じなかったが、シランカッ
プリング剤を塗布しないカバーフイルムを用いた場合に
は、90日以内に全て剥がれてしまった。
ング剤を塗布したカバーフイルムを使用した場合には、
長期間フイルムの剥がれが生じなかったが、シランカッ
プリング剤を塗布しないカバーフイルムを用いた場合に
は、90日以内に全て剥がれてしまった。
【0016】
【発明の効果】ガラス転移温度が50℃以上の接着剤の
みを用いた顕微鏡用カバーフイルムでスライドガラスに
重ね合わせて試料を封入接着したものは、通常の温湿度
環境下で長期間保存するとフイルムがスライドガラスか
ら剥がれてしまうという問題があったが、シランカップ
リング剤を接着剤層表面および/または接着剤層中に含
有させることにより、経時変化によるカバーフイルムの
剥離を生じなくなった。
みを用いた顕微鏡用カバーフイルムでスライドガラスに
重ね合わせて試料を封入接着したものは、通常の温湿度
環境下で長期間保存するとフイルムがスライドガラスか
ら剥がれてしまうという問題があったが、シランカップ
リング剤を接着剤層表面および/または接着剤層中に含
有させることにより、経時変化によるカバーフイルムの
剥離を生じなくなった。
Claims (1)
- 【請求項1】 透明支持体上にガラス転移温度が50℃
以上のポリマー接着剤層を設けてなる顕微鏡用カバーフ
イルムにおいて、該ポリマー接着剤層の表面および/ま
たは該ポリマー接着剤層中にシランカップリング剤を含
有させたことを特徴とする、上記顕微鏡用カバーフイル
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26302297A JPH11101943A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 顕微鏡用カバーフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26302297A JPH11101943A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 顕微鏡用カバーフイルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11101943A true JPH11101943A (ja) | 1999-04-13 |
Family
ID=17383803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26302297A Pending JPH11101943A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 顕微鏡用カバーフイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11101943A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002012857A1 (en) * | 2000-08-07 | 2002-02-14 | 3M Innovative Properties Company | Microscope cover slip materials |
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