JPH11100641A - 耐衝突特性と成形性に優れる複合組織熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐衝突特性と成形性に優れる複合組織熱延鋼板およびその製造方法

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JPH11100641A
JPH11100641A JP26368497A JP26368497A JPH11100641A JP H11100641 A JPH11100641 A JP H11100641A JP 26368497 A JP26368497 A JP 26368497A JP 26368497 A JP26368497 A JP 26368497A JP H11100641 A JPH11100641 A JP H11100641A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高歪み速度での強度上昇率が高く、耐衝突特性
と成形性に優れる熱延鋼板の提供。 【解決手段】wt%で、C:0.02〜0.2、Si:0.1 〜
2.5、Mn:0.5 〜3.0、S:0.010以下を含
み、かつP:0.01〜0.15、Cr:0.003 〜2.0、M
o:0.003 〜2.0の1種以上を含有し、残部はFeお
よび不可避的不純物からなり、かつ、組織が、体積率で
60〜97%のフェライト相と、残部はマルテンサイ
ト、ベイナイト、オーステナイトのうちの1種以上の相
で構成される第2相とからなり、しかもフェライト相お
よび第2相の硬さが、HV2/3〉HV1/3+20、ただ
し、HV1:フェライト相のビッカース硬さ、HV2:第2
相領域のビッカース硬さ、の式の関係を満足し、かつフ
ェライト相の結晶粒径が4μm未満である、耐衝突特性
と成形性に優れる複合組織熱延鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として自動車
用部品で、高強度かつ高成形性が必要とされる部位の素
材として、さらには、自動車が走行中に万一衝突した場
合に優れた耐衝撃性(以下、単に「耐衝突特性」と略記
する)が求められる部位の素材として用いて好適な複合
組織熱延鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車車体の設計思想において
は、単なる鋼板の高強度化のみでなく、走行中に万一衝
突した場合において、耐衝撃性に優れた鋼板、すなわち
高歪速度で変形した場合の変形抵抗が大きい鋼板の開発
が、自動車の安全性の向上をもたらすとともに、車体の
軽量化の実現に有効に寄与するものとして注目されてい
る。一方、近年の部材のコストダウン指向により、従来
から用いられていた冷延鋼板に替えて、3.0mm 以下とい
った板厚の熱延鋼板を採用しようとする気運が高まりつ
つある。このような最近の状況から、自動車の安全性向
上とコストダウンの観点から、耐衝突特性に優れる熱延
高張力鋼板が開発が熱望されている。
【0003】ところで、従来、自動車用鋼板の材質強化
は、フェライト単相組織では、主としてSi, Mn, Pとい
った置換型元素を添加することによる固溶強化、あるい
はNb,Ti といった炭窒化物形成元素を添加することによ
る析出強化による方法が一般的であった。例えば、特開
昭56−139654号公報等では、極低炭素鋼に加工性、時効
性を改善するためにTi、Nbを含有させ、さらにP等の強
化成分を加工性を害しない範囲で含有させて高強度化を
図った鋼板を提案している。また、例えば特開昭59−19
3221号公報には、極低炭素鋼にSiを添加して高強度化を
図る方法の提案がなされている。また、特開昭60-52528
号公報には、低炭素鋼を高温で焼鈍し、冷却後にマルテ
ンサイト相を析出させることにより、延性に優れた高強
度鋼板の製造方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来から提案されていた方法により高強度化を図った鋼板
では、自動車ボディの板厚をある程度減少させることは
できても、上記の耐衝突特性を本質的に改善するもので
はなかった。なぜなら、これらの提案は、鋼板強度の指
標である降伏強度あるいは引張強度を、歪速度が10-3
10-2(sec-1) と極めて遅い、いわゆる静的な評価方法の
みに基づいて求めている。これに対し、実際の自動車ボ
ディの設計では、このような静的な強度よりもむしろ、
衝突時の安全性を考慮した、歪速度が10〜104 (sec-1)
の衝撃的な変形を伴う、いわゆる動的な評価方法に基づ
く強度の方が重要となるからである。従って、静的強度
のみに着目して開発されている、上述した従来の各提案
は、自動車車体の軽量化に対して根本的な指標たり得な
いという問題があった。
【0005】なお、特開平7-90482 号公報には鋼板の耐
衝撃性を向上させることを目的として、マルテンサイト
とフェライトの2相組織鋼板が提案されている。しか
し、このフェライトとマルテンサイトの2相組織鋼板
は、比較的優れた耐衝突特性を有するものの、今日の自
動車メーカーが要求している、より一層高レベルの特性
を満たすまでには至っていないのが現状である。
【0006】そこで、本発明の目的は、従来の熱延鋼板
よりもさらに優れた、耐衝突特性と成形性とを具えた複
合組織熱延鋼板を提供することにある。また本発明の他
の目的は、歪速度0.02 sec-1の強度に対する歪速度2000
sec-1の強度上昇量の比で表す強度上昇率が真歪0.1 で
35%以上、真歪0.25で25%以上である耐衝突特性に優れ
た複合組織熱延鋼板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上掲の目的
の実現に向け、フェライトとマルテンサイトをはじめと
する第2相とからなる2相組織鋼をベースに、熱延条
件、金属組織などの影響について詳細に検討を行い本発
明を完成するに到った。すなわち、本発明は、下記の内
容を要旨構成とするものである。
【0008】(1) C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.
5 wt%、Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下を
含み、かつP:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt
%、Mo:0.003 〜2.0 wt%から選ばれる1種以上を含有
し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、かつ組織
が、体積率で60〜97%のフェライト相と、残部はマルテ
ンサイト、ベイナイト、オーステナイトのうちの1種以
上の相で構成される第2相とからなり、しかもフェライ
ト相および第2相の硬さが次式の関係を満足し、かつフ
ェライト相の結晶粒径が4μm未満であることを特徴と
する、耐衝突特性と成形性に優れる複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
【0009】(2) C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.
5 wt%、Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下を
含み、かつP:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt
%、Mo:0.003 〜2.0 wt%から選ばれる1種以上を含有
し、さらにTi:0.003 〜1.0 wt%、Nb:0.003 〜0.5 wt
%、V:0.003 〜1.0 wt%から選ばれる1種以上を含有
し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、かつ組織
が、体積率で60〜97%のフェライト相と、残部はマルテ
ンサイト、ベイナイト、オーステナイトのうちの1種以
上の相で構成される第2相領域とからなり、しかもフェ
ライト相および第2相の硬さが次式の関係を満足し、か
つフェライト相の結晶粒径が4μm未満であることを特
徴とする、耐衝突特性と成形性に優れる複合組織熱延鋼
板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
【0010】(3) C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.
5 wt%、Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下を
含み、かつP:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt
%、Mo:0.003 〜2.0 wt%から選ばれる1種以上を含有
し、さらにNi:0.003 〜3.0 wt%、Cu:0.003 〜3.0 wt
%、B:0.0005〜1.0 wt%、N:0.003 〜0.1 wt%から
選ばれる1種以上を含有し、残部はFeおよび不可避的不
純物からなり、かつ組織が、体積率で60〜97%のフェラ
イト相と、残部はマルテンサイト、ベイナイト、オース
テナイトのうちの1種以上の相で構成される第2相領域
とからなり、しかもフェライト相および第2相の硬さが
次式の関係を満足し、かつフェライト相の結晶粒径が4
μm未満であることを特徴とする、耐衝突特性と成形性
に優れる複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
【0011】(4) C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.
5 wt%、Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下を
含み、かつP:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt
%、Mo:0.003 〜2.0 wt%から選ばれる1種以上を含有
し、さらにCa:0.0005〜1.0 wt%、Zr:0.0005〜1.0 wt
%、REM :0.0005〜0.5 wt%から選ばれる1種以上を含
有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、かつ組
織が、体積率で60〜97%のフェライト相と、残部はマル
テンサイト、ベイナイト、オーステナイトのうちの1種
以上の相で構成される第2相領域とからなり、しかもフ
ェライト相および第2相の硬さが次式の関係を満足し、
かつフェライト相の結晶粒径が4μm未満であることを
特徴とする、耐衝突特性と成形性に優れる複合組織熱延
鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
【0012】(5) C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.
5 wt%、Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下を
含み、かつP:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt
%、Mo:0.003 〜2.0 wt%から選ばれる1種以上を含有
し、さらにTi:0.003 〜1.0 wt%、Nb:0.003 〜0.5 wt
%、V:0.003 〜1.0 wt%から選ばれる1種以上、およ
びNi:0.003 〜3.0 wt%、Cu:0.003 〜3.0 wt%、B:
0.0005〜1.0 wt%、N:0.003 〜0.1 wt%から選ばれる
1種以上を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物から
なり、かつ組織が、体積率で60〜97%のフェライト相
と、残部はマルテンサイト、ベイナイト、オーステナイ
トのうちの1種以上の相で構成される第2相領域とから
なり、しかもフェライト相および第2相の硬さが次式の
関係を満足し、かつフェライト相の結晶粒径が4μm未
満であることを特徴とする、耐衝突特性と成形性に優れ
る複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
【0013】(6) C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.
5 wt%、Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下を
含み、かつP:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt
%、Mo:0.003 〜2.0 wt%から選ばれる1種以上を含有
し、さらにTi:0.003 〜1.0 wt%、Nb:0.003 〜0.5 wt
%、V:0.003 〜1.0 wt%から選ばれる1種以上、およ
びCa:0.0005〜1.0 wt%、Zr:0.0005〜1.0 wt%、REM
:0.0005〜0.5 wt%から選ばれる1種以上を含有し、
残部はFeおよび不可避的不純物からなり、かつ組織が、
体積率で60〜97%のフェライト相と、残部はマルテンサ
イト、ベイナイト、オーステナイトのうちの1種以上の
相で構成される第2相領域とからなり、しかもフェライ
ト相および第2相の硬さが次式の関係を満足し、かつフ
ェライト相の結晶粒径が4μm未満であることを特徴と
する、耐衝突特性と成形性に優れる複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
【0014】(7) C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.
5 wt%、Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下を
含み、かつP:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt
%、Mo:0.003 〜2.0 wt%から選ばれる1種以上を含有
し、さらにNi:0.003 〜3.0 wt%、Cu:0.003 〜3.0 wt
%、B:0.0005〜1.0 wt%、N:0.003 〜0.1 wt%から
選ばれる1種以上、およびCa:0.0005〜1.0 wt%、Zr:
0.0005〜1.0 wt%、REM :0.0005〜0.5 wt%から選ばれ
る1種以上を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物か
らなり、かつ組織が、体積率で60〜97%のフェライト相
と、残部はマルテンサイト、ベイナイト、オーステナイ
トのうちの1種以上の相で構成される第2相領域とから
なり、しかもフェライト相および第2相の硬さが次式の
関係を満足し、かつフェライト相の結晶粒径が4μm未
満であることを特徴とする、耐衝突特性と成形性に優れ
る複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
【0015】(8) C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.
5 wt%、Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下を
含み、かつP:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt
%、Mo:0.003 〜2.0 wt%から選ばれる1種以上を含有
し、さらにTi:0.003 〜1.0 wt%、Nb:0.003 〜0.5 wt
%、V:0.003 〜1.0 wt%から選ばれる1種以上、Ni:
0.003 〜3.0 wt%、Cu:0.003 〜3.0 wt%、B:0.0005
〜1.0 wt%、N:0.003 〜0.1 wt%から選ばれる1種以
上、およびCa:0.0005〜1.0 wt%、Zr:0.0005〜1.0 wt
%、REM :0.0005〜0.5 wt%から選ばれる1種以上を含
有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、かつ組
織が、体積率で60〜97%のフェライト相と、残部はマル
テンサイト、ベイナイト、オーステナイトのうちの1種
以上の相で構成される第2相領域とからなり、しかもフ
ェライト相および第2相の硬さが次式の関係し、かつフ
ェライト相の結晶粒径が4μm未満であるを満足するこ
とを特徴とする、耐衝突特性と成形性に優れる複合組織
熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
【0016】(9) C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.
5 wt%、Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下を
含み、かつP:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt
%、Mo:0.003 〜2.0 wt%から選ばれる1種以上を含有
する鋼素材を、(Ar3変態点−50℃)〜(Ar3変態点+
150 ℃)で熱間圧延を終了し、その後0.1 〜5.0 秒の間
に、次式を満たす速度で冷却を開始して、 820〜620 ℃
まで冷却 (1次強制冷却) し、0.5 〜15sec間空冷し、
次いで30℃/sec 以上の冷却速度で、 570〜 300℃まで
冷却 (2次強制冷却) し、巻き取ることを特徴とする、
耐衝突特性と成形性に優れる複合組織熱延鋼板の製造方
法。 v≧1000×t1 1/2 ÷h1/2 ÷t ただし、v:冷却速度(℃/sec ) h:板厚(mm) t1 :仕上圧延を終了してから1次強制冷却開始するま
での時間(sec) t:1次強制冷却後、2次強制冷却を開始するまでの空
冷時間(sec) なお、HV2を第2相領域内のビッカース硬さとしたの
は、複数の相が第2相に混在する場合には、その平均硬
さを採用したためである。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、この発明において、鋼の化
学成分、組織、製造条件等を要旨構成のとおりに限定し
た理由について説明する。 C:0.02〜0.2 wt% Cは、2相組織中のマルテンサイトの強度と体積分率を
高めるために必要な成分である。C量が0.02wt%未満で
は十分な量の炭化物およびマルテンサイトを主相とする
第2相が得られない。一方、0.2 wt%を超えるとフェラ
イト中に固溶Cが存在し、成形性を阻害する。よって、
Cの含有量は0.02〜0.2 wt%とする。
【0018】Si:0.1 〜2.5 wt% Siは、フェライト中の固溶Cをオーステナイト中に濃化
させ、鋼の焼き入れ性を向上させると共に、フェライト
の純度を高めることにより鋼板の成形性を向上させる。
この効果は、0.1 wt%以上の添加で現われるが、2.5 wt
%を超えて含有させた場合には、熱延板の表面性状およ
び表面処理性が顕著に劣化する。したがって、Siの含有
量は0.1 〜2.5 wt%、好ましくは 0.8〜1.5 wt%とす
る。
【0019】Mn:0.5 〜3.0 wt% Mnは、オーステナイト安定化型元素であり、0.5 wt%未
満では、焼き入れ性が低下し、2相組織が得られにくく
なる。また、3.0 wt%を超えると、鋼板が硬化し、成形
性が低下する。従ってMn含有量は、0.5 〜3.0 wt%、好
ましくは 0.8〜1.8 wt%とする。
【0020】S:0.010 wt%以下 Sは、その含有量を低減することにより、鋼中の析出物
が減少し、加工性が向上する。このような効果は、S量
を0.010 wt%以下に制限することにより得られる。
【0021】P:0.01〜0.15wt% Pは、オーステナイトを安定化し、パーライトの生成を
抑制する作用を有しているが、この効果は0.01wt%以上
の添加により現れる。一方、0.15wt%を超えて含有させ
ると、鋼板の硬化のため成形性が低下し、また表面処理
性も劣化する。したがって、Pの含有量は0.01〜0.15wt
%とする。
【0022】Cr:0.003 〜2.0 wt% Crは、パーライト生成を抑制する作用を有しており、そ
の効果は0.003 wt%以上の添加で現れる。一方、2.0 wt
%を超えて含有しても、その効果は飽和し、製造コスト
の上昇を招くことになる。従って、Crの含有量は0.003
〜2.0 wt%とする。
【0023】Mo:0.003 〜2.0 wt% Moは、パーライト生成を抑制する作用を有しており、そ
の効果は0.003 wt%以上の添加で現れる。一方、2.0 wt
%を超えて含有させてもその効果は飽和し、製造コスト
の上昇を招く。従って、Moの含有量は0.003 〜2.0 wt%
とする。
【0024】Ti:0.003 〜1.0 wt% Tiは、高温に加熱したときの結晶粒径の粗大化を抑制す
る効果があるが、その効果は0.003 wt%以上で現れ、1.
0 wt%で飽和する。
【0025】Nb:0.003 〜0.5 wt% Nbは、高温に加熱したときの結晶粒径の粗大化を抑制す
る効果があるが、その効果は0.003 wt%以上で現れ、0.
5 wt%で飽和する。
【0026】V:0.003 〜1.0 wt% Vは、高温に加熱したときの結晶粒径の粗大化を抑制す
る効果があるが、その効果は0.003 wt%以上で現れ、1.
0 wt%で飽和する。
【0027】Ni:0.003 〜3.0 wt% Niは、オーステナイトを安定化して、パーライト変態を
抑制し、フェライト−マルテンサイトもしくはベイナイ
ト, オーステナイト組織を得やすくする効果を有してい
る。その効果は0.003 wt%以上で現れるが、3.0 wt%を
超えると製造コストの上昇を招くので、0.003 〜3.0 wt
%の範囲で添加する。
【0028】Cu:0.003 〜3.0 wt% Cuは、オーステナイトを安定化して、パーライト変態を
抑制し、フェライト−マルテンサイトもしくはベイナイ
ト, オーステナイト組織を得やすくする効果を有してい
る。その効果は0.003 wt%以上で現れるが、3.0 wt%を
超えると製造コストの上昇を招くので、0.003 〜3.0 wt
%の範囲で添加する。
【0029】B:0.0005〜1.0 wt% Bは、パーライト変態を抑制し、フェライト−マルテン
サイトもしくはベイナイト、オーステナイト組織を得や
すくする効果を有している。その効果は0.0005wt%以上
で現れるが、1.0 wt%を超えると窒化物の形成による組
織の不均一性を増し、成形性を低下させるので、0.0005
〜1.0 wt%の範囲で添加する。
【0030】N:0.003 〜0.1 wt% Nは、オーステナイトを安定化して、フェライト−マル
テンサイトもしくはオーステナイト組織を得やすくする
効果を有している。その効果は0.003 wt%以上で現れる
が、0.1 wt%を超えると鋼中でN2 の気泡を生じて鋼板
の表面性状を劣化させるので、0.003 〜0.1 とする。
【0031】Ca:0.0005〜1.0 wt% Caは、Sを固定することにより高速変形時の強度を上昇
させる。その効果は0.0005wt%以上で現れるが、1.0 wt
%で飽和するので、0.0005〜1.0 wt%とする。
【0032】Zr:0.0005〜1.0 wt% Zrは、高速変形時の強度を上昇させる。その効果は0.00
05wt%以上で現れるが、1.0 wt%で飽和するので、0.00
05〜1.0 wt%とする。
【0033】REM :0.0005〜0.5 wt% REM は、高速変形時の強度を上昇させる。その効果は0.
0005wt%以上で現れるが、0.5 wt%で飽和するので、0.
0005〜0.5 wt%とする。
【0034】・鋼組織と硬さ 本発明における熱延鋼板は、前述したように、フェライ
トとマルテンサイト、ベイナイト、オーステナイトの1
種類以上の相とからなる第2相とからなる複合組織であ
り、フェライトの体積率が60〜97%である必要がある。
フェライト相の体積率が60%未満では、硬質第2相が増
加するため、成形性が低下し、一方、97%を超えると、
逆に、硬質第2相が少なくなり、耐衝突性を低下させ
る。さらに、フェライト相のビッカース硬さHV1と第2
相領域のビッカース硬さとの間に、HV2/3>HV1/3
+20の関係が満たされ、かつフェライト粒径が4μm
未満であるときに、十分な耐衝突性が得られる。このよ
うな現象があらわれる理由は必ずしも明らかではない
が、その一つとして、フェライトと第2相の硬度差に起
因する変形の不均一性にともなう強度の上昇が歪速度が
高いほど大きくなることと、組織 (特にフェライト粒
径) の微細化により強度の歪速度依存性がおおきくなる
ことが考えられる。なお、上記硬さ要件を満たせば、第
2相の構成にはとくに制限はないが、マルテンサイトは
硬度を増大させ、ベイナイトは比較的低硬度であるか
ら、ベイナイトよりマルテンサイトの形成を促進するの
が有利である。
【0035】次に、本発明に係る複合組織熱延鋼板の製
造方法について説明する。この製造工程において、とく
に、熱間圧延のあと巻き取りまでの冷却条件の制御が重
要である。すなわち、(Ar3変態点−50℃)〜(Ar3
態点+150 ℃)で熱間圧延を終了し、その後0.1 〜5.0
秒の間に、下記式を満たす速度で冷却を開始して、 820
〜620 ℃まで冷却(「1次強制冷却」と称す)し、0.5
〜15sec 間空冷し、次いで30℃/sec 以上の冷却速度
で、 570〜 300℃まで冷却(「2次強制冷却」と称す)
し、巻き取る必要がある。以下にその理由を説明する。 記 v≧1000×t1 1/2 ÷h1/2 ÷t ただし、v:冷却速度(℃/sec ) h:板厚(mm) t1 :仕上げ圧延終了から1次強制冷却を開始するまで
の時間(sec) t:1次強制冷却と2次強制冷却の間の空冷時間(sec)
【0036】・熱間圧延終了温度 熱間仕上げ圧延を(Ar3変態点−50℃)以下で行うと、
熱延板中のフェライトに歪みが蓄積され、成形性が著し
く低下し、一方、(Ar3変態点+150 ℃)を超えて仕上
げ圧延するとフェライト変態速度が低下して材料特性を
満たすために必要な適正組織が得られなくなる。このた
め熱間圧延は、(Ar3変態点−50℃)〜(Ar3変態点+
150 ℃)の範囲で終了する。
【0037】・熱間圧延後の冷却と巻き取り 熱間圧延後0.1 〜5.0 秒の間に、1000×t1 1/2 ÷h
1/2 ÷t(ここで、h:板厚(mm)、t1 :仕上げ圧延終
了から1次冷却開始までの時間(sec) , t:1次強制冷
却と2次強制冷却の間の空冷時間(sec) )以上の速度で
1次強制冷却を開始する。その理由は、熱間圧延終了後
1次強制冷却までの経過時間が、0.1 秒未満では、圧延
終了温度の制御が難しくなり、一方、5.0 秒を超える
と、オーステナイト粒の粗大化によりフェライト変態の
遅延を招き、その結果オーステナイト中への炭素の濃化
が阻害され、第2相がパーライトに変態し、成形性と耐
衝突特性の低下を招くからである。また、1次強制冷却
の冷却速度が1000×t1 1/2 ÷h1/2 ÷t未満の場合
は、同様の理由に加えてフェライト粒径が粗大化し、耐
衝突特性の低下を招くからである。さらに、板厚3.0 mm
t 以下の鋼板を製造する場合、その生産性の観点および
仕上圧延温度を確保するために、圧延速度を速くするこ
とが好ましい。そのため、仕上圧延終了から冷却までの
時間は2sec 以下、空冷時間は12sec 以下として、圧延
速度を確保することが好ましい。
【0038】この1次強制冷却を 820〜620 ℃まで行う
のは、冷却終了時の温度が820 ℃を超えた場合には、フ
ェライト変態速度が遅いため、マルテンサイトを主相と
する第2相が得られなくなり、成形性が劣化するからで
ある。また、冷却終了時の温度が620 ℃未満になると、
オーステナイトからパーライト変態が開始するため、耐
衝突特性が劣化するからである。
【0039】次いで、0.5 〜15sec の間空冷するのは、
空冷時間が0.5sec未満では、フェライト変態する時間が
短いため、フェライト析出量が少なく、成形性が劣化す
るからであり、一方、15秒を超えると、フェライト粒が
粗大化して、耐衝突特性が低下するからである。好まし
くは2秒以上空冷する。
【0040】上記空冷を挟んで、30℃/sec 以上の冷却
速度で、 570〜 300℃まで2次強制冷却を行うのは、冷
却速度が30℃/sec 未満もしくは冷却停止温度が570 ℃
を超えると、オーステナイトがパーライト変態を開始
し、成形性が劣化するからである。また、冷却停止温度
が300 ℃未満になると、フェライト中に固溶Cが残存
し、成形性が劣化するからである。
【0041】なお、以上の説明では、専ら自動車用の用
途に用いる場合について述べたが、本発明による技術
は、高歪速度下での強度を要求される他の用途にも同様
に有効であることはいうまでもない。
【0042】
【実施例】表1に示す化学組成の鋼を、転炉にて溶製し
た。これらのスラブを、表2に示す条件で、熱間圧延
し、冷却ののち、コイルに巻き取り、板厚1.4 〜2.9 mm
の熱延鋼板を製造した。得られた鋼板から供試材を採取
して、光学顕微鏡により構成組織を調査するとともに、
荷重3gで各相の相内ビッカース硬さおよび第2相の体
積率を測定した。また、歪速度を0.02 sec-1と2000 sec
-1の2水準で引張試験を行って、真歪み0.1 および0.25
における真応力を測定し、歪速度2000 sec-1のときの強
度上昇率、すなわち(2000 sec-1での強度−0.02 sec-1
での強度)/(0.02 sec-1での強度)を求めた。なお、
第2相の体積率は、画像処理により第1相および第2相
の数と平均直径を求め、平均直径を下式により3次元の
直径に換算し、第1相および第2相の数、平均3次元直
径より体積率を求めた。 D=1.128 L ただしD:平均直径(2次元)、L:平均3次元直径
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】得られたこれらの結果を表3に示す。ま
た、図1および図2は、強度上昇率と(HV2/3)/
(HV1/3+20)との関係を示したものである。
【0046】
【表3】
【0047】以上の試験結果から、本発明鋼板は、いず
れも、所定の硬さを有するフェライトと第2相とを適正
量比で含む複合組織であり、良好な耐衝突特性と成形性
を併せ具えていることがわかる。その耐衝突特性は、真
歪みが0.1 から0.25といった広い歪み域でも、高い強度
上昇率が得られることがわかる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
化学組成、金属組織および各相の硬さを適正に制御した
複合組織にすることによって、従来よりも一段と優れ
た、耐衝突特性と成形性を具える熱延鋼板を提供するこ
とが可能となる。また本発明によれば、低歪み域から高
歪み域までの広い領域で強度上昇率が高く優れた耐衝突
特性を有することがわかる。したがって、本発明に従う
熱延鋼板を自動車用に適用することによって、自動車車
体の軽量化と安全性の向上を、一層経済的に達成するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】低歪み域における強度上昇率と(HV2/3)/
(HV1/3+20)との関係を示すグラフである。
【図2】高歪み域における強度上昇率と(HV2/3)/
(HV1/3+20)との関係を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 古君 修 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 小原 隆史 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下 を含み、かつ P:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt%、 Mo:0.003 〜2.0 wt% から選ばれる1種以上を含有し、残部はFeおよび不可避
    的不純物からなり、かつ組織が、体積率で60〜97%のフ
    ェライト相と、残部はマルテンサイト、ベイナイト、オ
    ーステナイトのうちの1種以上の相で構成される第2相
    とからなり、しかもフェライト相および第2相の硬さが
    次式の関係を満足し、かつフェライト相の結晶粒径が4
    μm未満であることを特徴とする、耐衝突特性と成形性
    に優れる複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
  2. 【請求項2】C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下 を含み、かつ P:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt%、 Mo:0.003 〜2.0 wt% から選ばれる1種以上を含有し、さらに Ti:0.003 〜1.0 wt%、 Nb:0.003 〜0.5 wt%、 V:0.003 〜1.0 wt% から選ばれる1種以上を含有し、残部はFeおよび不可避
    的不純物からなり、かつ組織が、体積率で60〜97%のフ
    ェライト相と、残部はマルテンサイト、ベイナイト、オ
    ーステナイトのうちの1種以上の相で構成される第2相
    領域とからなり、しかもフェライト相および第2相の硬
    さが次式の関係を満足し、かつフェライト相の結晶粒径
    が4μm未満であることを特徴とする、耐衝突特性と成
    形性に優れる複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
  3. 【請求項3】C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下 を含み、かつ P:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt%、 Mo:0.003 〜2.0 wt% から選ばれる1種以上を含有し、さらに Ni:0.003 〜3.0 wt%、 Cu:0.003 〜3.0 wt%、 B:0.0005〜1.0 wt%、 N:0.003 〜0.1 wt% から選ばれる1種以上を含有し、残部はFeおよび不可避
    的不純物からなり、かつ組織が、体積率で60〜97%のフ
    ェライト相と、残部はマルテンサイト、ベイナイト、オ
    ーステナイトのうちの1種以上の相で構成される第2相
    領域とからなり、しかもフェライト相および第2相の硬
    さが次式の関係を満足し、かつフェライト相の結晶粒径
    が4μm未満であることを特徴とする、耐衝突特性と成
    形性に優れる複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
  4. 【請求項4】C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下 を含み、かつ P:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt%、 Mo:0.003 〜2.0 wt% から選ばれる1種以上を含有し、さらに Ca:0.0005〜1.0 wt%、 Zr:0.0005〜1.0 wt%、 REM :0.0005〜0.5 wt% から選ばれる1種以上を含有し、残部はFeおよび不可避
    的不純物からなり、かつ組織が、体積率で60〜97%のフ
    ェライト相と、残部はマルテンサイト、ベイナイト、オ
    ーステナイトのうちの1種以上の相で構成される第2相
    領域とからなり、しかもフェライト相および第2相の硬
    さが次式の関係を満足し、かつフェライト相の結晶粒径
    が4μm未満であることを特徴とする、耐衝突特性と成
    形性に優れる複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
  5. 【請求項5】C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下 を含み、かつ P:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt%、 Mo:0.003 〜2.0 wt% から選ばれる1種以上を含有し、さらに Ti:0.003 〜1.0 wt%、 Nb:0.003 〜0.5 wt%、 V:0.003 〜1.0 wt% から選ばれる1種以上、および Ni:0.003 〜3.0 wt%、 Cu:0.003 〜3.0 wt%、 B:0.0005〜1.0 wt%、 N:0.003 〜0.1 wt% から選ばれる1種以上を含有し、残部はFeおよび不可避
    的不純物からなり、かつ組織が、体積率で60〜97%のフ
    ェライト相と、残部はマルテンサイト、ベイナイト、オ
    ーステナイトのうちの1種以上の相で構成される第2相
    領域とからなり、しかもフェライト相および第2相の硬
    さが次式の関係を満足し、かつフェライト相の結晶粒径
    が4μm未満であることを特徴とする、耐衝突特性と成
    形性に優れる複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
  6. 【請求項6】C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下 を含み、かつ P:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt%、 Mo:0.003 〜2.0 wt% から選ばれる1種以上を含有し、さらに Ti:0.003 〜1.0 wt%、 Nb:0.003 〜0.5 wt%、 V:0.003 〜1.0 wt% から選ばれる1種以上、および Ca:0.0005〜1.0 wt%、 Zr:0.0005〜1.0 wt%、 REM :0.0005〜0.5 wt% から選ばれる1種以上を含有し、残部はFeおよび不可避
    的不純物からなり、かつ組織が、体積率で60〜97%のフ
    ェライト相と、残部はマルテンサイト、ベイナイト、オ
    ーステナイトのうちの1種以上の相で構成される第2相
    領域とからなり、しかもフェライト相および第2相の硬
    さが次式の関係を満足し、かつフェライト相の結晶粒径
    が4μm未満であることを特徴とする、耐衝突特性と成
    形性に優れる複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
  7. 【請求項7】C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下 を含み、かつ P:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt%、 Mo:0.003 〜2.0 wt% から選ばれる1種以上を含有し、さらに Ni:0.003 〜3.0 wt%、 Cu:0.003 〜3.0 wt%、 B:0.0005〜1.0 wt%、 N:0.003 〜0.1 wt% から選ばれる1種以上、および Ca:0.0005〜1.0 wt%、 Zr:0.0005〜1.0 wt%、 REM :0.0005〜0.5 wt% から選ばれる1種以上を含有し、残部はFeおよび不可避
    的不純物からなり、かつ組織が、体積率で60〜97%のフ
    ェライト相と、残部はマルテンサイト、ベイナイト、オ
    ーステナイトのうちの1種以上の相で構成される第2相
    領域とからなり、しかもフェライト相および第2相の硬
    さが次式の関係を満足し、かつフェライト相の結晶粒径
    が4μm未満であることを特徴とする、耐衝突特性と成
    形性に優れる複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
  8. 【請求項8】C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下 を含み、かつ P:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt%、 Mo:0.003 〜2.0 wt% から選ばれる1種以上を含有し、さらに Ti:0.003 〜1.0 wt%、 Nb:0.003 〜0.5 wt%、 V:0.003 〜1.0 wt% から選ばれる1種以上、 Ni:0.003 〜3.0 wt%、 Cu:0.003 〜3.0 wt%、 B:0.0005〜1.0 wt%、 N:0.003 〜0.1 wt% から選ばれる1種以上、および Ca:0.0005〜1.0 wt%、 Zr:0.0005〜1.0 wt%、 REM :0.0005〜0.5 wt% から選ばれる1種以上を含有し、残部はFeおよび不可避
    的不純物からなり、かつ組織が、体積率で60〜97%のフ
    ェライト相と、残部はマルテンサイト、ベイナイト、オ
    ーステナイトのうちの1種以上の相で構成される第2相
    領域とからなり、しかもフェライト相および第2相の硬
    さが次式の関係を満足し、かつフェライト相の結晶粒径
    が4μm未満であることを特徴とする、耐衝突特性と成
    形性に優れる複合組織熱延鋼板。 HV2/3>HV1/3+20 ただし、HV1:フェライト相のビッカース硬さ HV2:第2相領域のビッカース硬さ
  9. 【請求項9】C:0.02〜0.2 wt%、 Si:0.1 〜2.5 wt%、 Mn:0.5 〜3.0 wt%、 S:0.010 wt%以下 を含み、かつ P:0.01〜0.15wt%、 Cr:0.003 〜2.0 wt%、 Mo:0.003 〜2.0 wt% から選ばれる1種以上を含有する鋼素材を、(Ar3変態
    点−50℃)〜(Ar3変態点+150 ℃)で熱間圧延を終了
    し、その後0.1 〜5.0 秒の間に、次式を満たす速度で冷
    却を開始して、 820〜620 ℃まで冷却し、0.5 〜15sec
    間空冷し、次いで30℃/sec 以上の冷却速度で、 570〜
    300℃まで冷却し、巻き取ることを特徴とする、耐衝突
    特性と成形性に優れる複合組織熱延鋼板の製造方法。 v≧1000×t1 1/2 ÷h1/2 ÷t ただし、v:冷却速度(℃/sec ) h:板厚(mm) t1 :仕上げ圧延終了からはじめの冷却を開始するまで
    の時間(sec) t:はじめの冷却後、次の冷却を開始するまでの空冷時
    間(sec)
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