JP2002363653A - プレス成形性と歪時効硬化特性に優れた高延性熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

プレス成形性と歪時効硬化特性に優れた高延性熱延鋼板およびその製造方法

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JP2002363653A
JP2002363653A JP2001170402A JP2001170402A JP2002363653A JP 2002363653 A JP2002363653 A JP 2002363653A JP 2001170402 A JP2001170402 A JP 2001170402A JP 2001170402 A JP2001170402 A JP 2001170402A JP 2002363653 A JP2002363653 A JP 2002363653A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】優れたプレス成形性を有し、かつΔTS:80MP
a以上になる歪時効硬化特性に優れた高延性熱延鋼板お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】質量%で、C:0.05〜0.20%とし、Si、M
n、P、S、Al、N含有量を適正範囲とし、Cu:0.5〜3.
0%を含む組成を有する鋼スラブに、仕上圧延終了温度
が780〜980℃である熱間圧延を施し、仕上げ圧延終了
後、2秒以内に50℃/s以上の冷却速度で620〜780℃の
温度域まで冷却し、該温度域で1〜10s間の等温保持処
理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施したの
ち、再び50℃/s以上の冷却速度で300〜500℃まで冷却
し、コイルに巻き取る。なお、Cu含有に代えて、Mo、C
r、Wのうちの1種または2種以上を合計で2.0%以下含
有してもよい。また、更にNb,Ti,Vの内の1種ま
たは2種以上を合計で2%以下含有しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車用
熱延鋼板に係り、とくに、延性、伸びフランジ加工性、
絞り加工性等のプレス成形性が良好で、しかもプレス成
形後の熱処理により引張強さが顕著に増加する、極めて
大きな歪時効硬化特性を有する高延性熱延鋼板およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境の保全問題からの排出ガ
ス規制に関連して、自動車の車体重量の軽減が極めて重
要な課題となっている。最近、車体重量の軽減のため
に、自動車用鋼板を高強度化して鋼板板厚を低減するこ
とが検討されている。鋼板を素材とする自動車の車体用
部品の多くがプレス加工により成形されるため、使用さ
れる熱延鋼板には、優れたプレス成形性を有することが
要求される。優れたプレス成形性を有する鋼板となるた
めには、まず高い延性を確保することが肝要となる。ま
た、伸びフランジ成形が多用される場合もあり、高い穴
拡げ率を有することも必要となる。しかし、一般に、鋼
板を高強度化すると、延性が低下し、穴拡げ率が低下し
て、プレス成形性が低下する傾向となる。このため、従
来から、高い延性を有し、プレス成形性に優れた高強度
熱延鋼板が要望されていた。
【0003】また最近では、衝突時に乗員を保護するた
め、自動車車体の安全性が重視され、そのために衝突時
における安全性の目安となる耐衝撃特性の向上が要求さ
れている。耐衝撃特性の向上には、完成車での強度が高
いほど有利になる。したがって、自動車部品の成形時に
は、強度が低く、高い延性を有してプレス成形性に優
れ、完成品となった時点には、強度が高くて耐衝撃特性
に優れる熱延鋼板が最も強く望まれていた。
【0004】このような要望に対し、プレス成形性と高
強度化とを両立させた鋼板が開発された。この鋼板は、
プレス加工後に100〜200℃の高温保持を含む塗装焼付処
理を施すと降伏応力が上昇する塗装焼付硬化型鋼板であ
る。この鋼板では、最終的に固溶状態で存在するC量
(固溶C量)を適正範囲に制御し、プレス成形時には軟
質で、形状凍結性、延性を確保し、プレス成形後に行わ
れる塗装焼付処理時に、残存する固溶Cがプレス成形時
に導入された転位に固着して、転位の移動を妨げ、降伏
応力を上昇させる。しかしながら、塗装焼付硬化型自動
車用鋼板では、降伏応力は上昇させることができるもの
の、引張強さまでは上昇させることができなかった。
【0005】また、特公平5-24979号公報には、C:0.0
8〜0.20%、Mn:1.5〜3.5%を含み、残部Feおよび不可
避的不純物からなる成分組成を有し、組織がフェライト
量5%以下の均一なベイナイトもしくは一部マルテンサ
イトを含むベイナイトで構成された焼付硬化性高張力冷
延鋼板が開示されている。特公平5-24979号公報に記載
された冷延鋼板は、連続焼鈍後の冷却過程で400〜200℃
の温度範囲を急冷し、その後を徐冷とすることにより、
組織を従来のフェライト主体の組織からベイナイト主体
の組織として、従来になかった高い焼付け硬化量を得よ
うとするものである。
【0006】しかしながら、特公平5-24979号公報に記
載された鋼板では、塗装焼付け後に降伏応力が上昇し、
従来になかった高い焼付け硬化量が得られるものの、依
然として引張強さまでは上昇させることが難しく、耐衝
撃特性の向上が期待できないという問題があった。プレ
ス成形後に熱処理を施し、降伏応力のみならず引張強さ
をも上昇させようとする熱延鋼板がいくつか提案されて
いる。
【0007】例えば、特公平8-23048号公報には、C:
0.02〜0.13%、Si:2.0%以下、Mn:0.6〜2.5%、sol.A
l:0.10%以下、N:0.0080〜0.0250%を含む鋼を、110
0℃以上に再加熱し、850〜950℃で仕上圧延を終了する
熱間圧延を施し、ついで15℃/s以上の冷却速度で150
℃未満の温度まで冷却し巻取り、フェライトとマルテン
サイトを主体とする複合組織とする、熱延鋼板の製造方
法が提案されている。しかしながら、特公平8-23048号
公報に記載された技術で製造された鋼板は、歪時効硬化
により降伏応力とともに引張強さが増加するものの、15
0℃未満という極めて低い巻取温度で巻き取るため、機
械的特性の変動が大きいという問題があった。また、プ
レス成形−塗装焼付処理後の降伏応力の増加量のばらつ
きが大きく、さらに、穴拡げ率(λ)が低く、伸びフラ
ンジ加工性が低下しプレス成形性が不足するという問題
もあった。
【0008】また、特許第2802513号公報には、熱延板
をめっき原板とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法が提
案されている。この方法は、C:0.05%以下、Mn:0.05
〜0.5%、Al:0.1%以下、Cu:0.8〜2.0%を含む鋼スラ
ブを巻取温度:530℃以下の条件で熱間圧延を行い、続
いて530℃以下の温度に加熱し鋼板表面を還元したの
ち、溶融亜鉛めっきを施すことにより、成形後の熱処理
による著しい硬化が得られるとしている。しかしなが
ら、この方法で製造された鋼板では、成形後熱処理によ
り著しい硬化を得るためには、熱処理温度を500℃以上
とする必要があり、熱処理温度が高く、実用上問題を残
していた。
【0009】また、特開平10-310824号公報には、熱延
板あるいは冷延板をめっき原板とし、成形後の熱処理に
より強度上昇が期待できる合金化溶融亜鉛めっき鋼板の
製造方法が提案されている。この方法は、C:0.01〜0.
08%を含み、Si、Mn、P、S、Al、Nを適正量としたう
えで、Cr、W、Moの1種または2種以上を合計で0.05〜
3.0%含有する鋼を熱間圧延したのち、あるいはさらに
冷間圧延または、調質圧延し焼鈍したのち、溶融亜鉛め
っきを行い、その後、加熱合金化処理を施すというもの
である。この鋼板は、成形後、200〜450℃の温度域で加
熱することにより引張強さ上昇が得られるとされる。し
かしながら、得られた鋼板は、ミクロ組織が、フェライ
ト単相、フェライト+パーライト、またはフェライト+
ベイナイト組織であるため、高い延性と低い降伏強さが
得られず、プレス成形性が低下するという問題があっ
た。
【0010】また、特開平11-199975号公報には、C:
0.03〜0.20%を含み、Si、Mn、P、S、Alを適正量とし
たうえで、Cu:0.2〜2.0%とB:0.0002〜0.002%を含
み、ミクロ組織が、フェライトを主相とし、マルテンサ
イトを第2相とする複合組織であり、フェライト相にお
けるCuの存在状態を2nm以下の固溶状態および/または
析出状態とした、疲労特性に優れた加工用熱延鋼板が提
案されている。特開平11-199975 号公報に記載された鋼
板は、CuとBを複合添加し、しかもCuの存在状態を2nm
以下と極微細としてはじめて疲労限度比が向上するもの
である。しかも、そのためには、Ar3 変態点以上で熱間
仕上圧延を終了し、冷却過程のAr3 〜Ar 1 変態点までの
温度域で1〜10s間空冷し、その後20℃/s以上の冷却
速度で冷却し、350℃以下の温度で巻き取ることを必須
としている。このように巻取温度を350℃以下という低
温にすると、熱延鋼板の形状が大きく乱れやすく、工業
的に安定して製造することが難しいという問題があっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うに、極めて強い要求があるにもかかわらず、これらの
特性を満足する鋼板を工業的に安定して製造する技術が
これまでなかったことに鑑み成されたものであり、上記
した問題を有利に解決し、自動車用鋼板として好適な、
優れたプレス成形性を有し、かつプレス成形後に、比較
的低い温度での熱処理によって引張強さが極めて大きく
上昇する歪時効硬化特性に優れた高延性高張力熱延鋼板
およびこの高延性高張力熱延鋼板を安定して生産できる
製造方法を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するために、歪時効硬化特性におよぼす鋼板
組織と合金元素の影響について鋭意研究を重ねた。その
結果、鋼板組織をフェライトと残留オーステナイトを含
む相との複合組織とし、さらに加えて、C含有量を低炭
素域〜中炭素域とし、適正範囲内のCu、あるいはCuに代
えてMo、Cr、Wのうちの1種または2種以上を含有する
ことにより、予歪量:5%以上とした予変形処理と150
℃以上350℃以下の比較的低い温度の熱処理後に、降伏
応力の増加に加え、引張強さも顕著に増加する高い歪時
効硬化を有する鋼板が得られることを見い出した。ま
た、この鋼板は、このような高い歪時効硬化特性に加え
て、良好な延性、高い穴拡げ率を有し、プレス成形性に
優れた鋼板となることを見いだした。
【0013】まず、本発明者らが行った基礎的な実験結
果について説明する。質量%で、C:0.10%、Si:1.4
%、Mn:1.5%、P:0.01%、S:0.005%、Al:0.04
%、N:0.002%を含有し、Cuを0.3%、1.3%と変化し
た組成を有するシートバーについて、1250℃に加熱−均
熱後、仕上圧延終了温度が850℃となるように3パス圧
延を行って板厚2.0mmとした後、冷却条件と巻取り温度
を種々変化させて、組織がフェライト単相から、フェラ
イトを主相とし残留オーステナイトを含む相を第2相と
する複合組織(以下、フェライト+残留オーステナイト
の複合組織ともいう)を有する熱延板とした。
【0014】得られた熱延板について、引張試験を実施
し引張特性を調査した。さらに、これら熱延板から採取
した試験片に引張予歪量5%の予変形処理を施し、つい
で50〜350℃×20minの熱処理を施したのち、引張試験を
実施し引張特性を求め、 歪時効硬化特性を評価した。歪
時効硬化特性は、熱処理前後の引張強さ増加量ΔTSで
評価した。ΔTSは、熱処理を施した後の引張強さTS
HTと、熱処理を施さない場合の引張強さTSとの差{=
(熱処理後の引張強さTSHT)−(予変形処理前の引張
強さTS)}とした。なお、引張試験は、圧延方向に採
取したJIS 5号引張試験片を用いて実施した。
【0015】図1に、ΔTSと鋼板組織の関係におよぼ
すCu含有量の影響を示す。なお、ΔTSは、引張予歪量
5%の予変形処理を施し、ついで250℃×20minの熱処理
を施して求めた。図1から、Cu含有量が1.3質量%の場
合には、鋼板組織をフェライト+残留オーステナイトの
複合組織にすることにより、ΔTS:80MPa以上という
高い歪時効硬化特性が得られることがわかる。Cu含有量
が0.3質量%の場合には、鋼板組織にかかわらず、ΔT
S:80MPa未満であり、高い歪時効硬化特性は得られな
い。
【0016】このように、Cu含有量を適正範囲とし、組
織を、フェライトを主相とし、第2相を残留オーステナ
イトを含む相とする複合組織とすることにより、高い歪
時効硬化特性を有する熱延鋼板を製造することが可能で
あることがわかる。図2に、ΔTSと予変形処理後の熱
処理温度の関係におよぼすCu含有量の影響を示す。鋼板
のミクロ組織は、フェライトを主相とし、第2相を残留
オーステナイトを含む相とする複合組織であり、残留オ
ーステナイトの組織分率は組織全体に対する体積率で8
%であった。
【0017】図2から、ΔTSは、熱処理温度が上昇す
るとともに増加するが、その増加量はCu含有量に大きく
依存する。Cu含有量が1.3質量%の場合には、熱処理温
度が150℃以上でΔTS:80MPa以上という高い歪時効硬
化特性が得られることがわかる。Cu含有量が0.3質量%
の場合には、いずれの熱処理温度でも、ΔTS:80MPa
未満であり、高い歪時効硬化特性は得られない。
【0018】また、組織がフェライト単相組織あるい
は、フェライト+残留オーステナイトの複合組織とし、
Cuを0.3質量%と1.3質量%含有する熱延板について、穴
拡げ試験を実施し、穴拡げ率λを求めた。穴拡げ試験
は、10mmφのポンチで打ち抜いて供試片にポンチ穴を形
成したのち、 頂角60度の円錐ポンチを用い、 バリが外側
となるようにして、 板厚を貫通する割れが発生するまで
の穴拡げを行い、 穴拡げ率λを求めた。穴拡げ率λは、
λ(%)={(dーd0)/d0}×100で求めた。ここ
で、d0:初期穴径、d:割れ発生時の内穴径である。
【0019】Cu含有量が1.3質量%で、かつ組織がフェ
ライト+残留オーステナイトの複合組織を有する熱延板
の場合には、穴拡げ率が約 140%であり、また、組織が
フェライト単相の場合にも、穴拡げ率は約 140%であっ
た。一方、Cu含有量が0.3%の場合には、 組織がフェラ
イト単相の場合、穴拡げ率は 120%であったが、組織が
フェライト+残留オーステナイトの複合組織を有する場
合では、穴拡げ率は約80%と低かった。
【0020】このように、組織をフェライト+残留オー
ステナイトの複合組織とする熱延鋼板では、Cuの含有量
が多くなると、穴拡げ率が高くなり、穴拡げ成形性が向
上することが明らかになった。Cuを含有することにより
穴拡げ成形性が高くなる詳細な機構については、現在ま
でには明確とはなっていないが、Cu含有によりフェライ
トと残留オーステナイトおよび歪誘起変態したマルテン
サイトとの硬度差が小さくなったためではないかと考え
られる。
【0021】また、本発明の熱延鋼板では、通常の熱処
理前後の変形応力増加量測定時の予歪量である2%より
も多い歪量での予変形と、150℃以上350℃以下といった
比較的低温度域での熱処理により、鋼板中に極微細Cuが
析出する。本発明者らの検討によれば、この極微細Cuの
析出により、降伏応力の増加に加え、引張強さが顕著に
増加する高い歪時効硬化特性が得られたと考えられる。
このような低温域での熱処理による極微細Cuの析出は、
これまで報告されている極低炭素鋼あるいは低炭素鋼で
は全く認められなかった。低温域での熱処理によって極
微細Cuが析出することについては、現在まで、その理由
は明確となっていないが、熱間圧延終了後急冷し、620
〜 780℃の温度域での等温保持処理または該温度域から
の徐冷処理中に、γ相にCuが多量に分配され、それが冷
却後も引き継がれて残留オーステナイト中にCuが過飽和
に固溶した状態になる。そして、5%以上の予歪によ
り、残留オーステナイトがマルテンサイトに歪誘起変態
し、歪誘起変態したマルテンサイト中に、その後の低温
熱処理により、極微細にCuが析出したものと考えられ
る。
【0022】本発明者らは、以上の新知見に基づき、さ
らに鋭意研究を重ねた結果、上記のような現象は、Cuを
含まない鋼組成に関しても起こりうることを見いだし
た。Mo、Cr、Wの1種または2種以上を含む組成の鋼の
組織を、フェライト相を主相とし、残留オーステナイト
を含む相を第2相とする複合組織とし、予歪を付加し、
低温域にて熱処理を施すことにより、歪誘起したマルテ
ンサイト中に極微細炭化物が歪誘起析出し、引張強さが
上昇することを見出した。この歪誘起低温微細析出は、
Mo、Cr、Wの1種または2種以上に加え、Nb、Ti、Vの
1種または2種以上を複合添加することにより、より顕
著になることも見出した。本発明は、上記した知見に基
づき、さらに検討して完成されたものである。本発明の
要旨は下記のとおりである。
【0023】(1)組織が、フェライト相を主相とし、
体積率で1%以上の残留オーステナイト相を含む相を第
2相とする複合組織を有することを特徴とする、プレス
成形性に優れ、かつΔTS:80MPa以上になる歪時効硬
化特性に優れた高延性熱延鋼板。 (2)(1)において、鋼組成が、質量%で、C:0.05
〜0.20%、Si:1.0〜3.0%、Mn:3.0%以下、P:0.10%
以下、S:0.02%以下、Al:0.30%以下、N:0.02%以
下、Cu:0.5〜3.0%を含み、残部がFeおよび不可避的不
純物からなる組成を有することを特徴とする、プレス成
形性に優れ、かつΔTS:80MPa以上になる歪時効硬化
特性に優れた高延性熱延鋼板。 (3)(2)において、前記組成に加えてさらに、質量
%で、次A群〜C群 A群:Ni:2.0%以下 B群:Cr,Moのうちの1種または2種を合計で2.0%以下 C群:Nb、Ti、Vのうちの1種または2種以上を合計で
0.2%以下 のうちの1群または2群以上を含有することを特徴とす
る、プレス成形性に優れ、かつΔTS:80MPa以上にな
る歪時効硬化特性に優れた高延性熱延鋼板。 (4)(1)において、鋼組成が、質量%で、C:0.05
〜0.20%、Si:1.0〜3.0%、Mn:3.0%以下、P:0.10%
以下、S:0.02%以下、Al:0.30%以下、N:0.02%以下
を含み、さらにMo:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜2.0%、
W:0.05〜2.0%のうちの1種または2種以上を合計で
2.0%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から
なる組成を有することを特徴とする、プレス成形性に優
れ、かつΔTS:80MPa以上になる歪時効硬化特性に優
れた高延性熱延鋼板。 (5)(4)において、前記組成に加えてさらに、質量
%で、Nb、Ti、Vのうちの1種または2種以上を合計で
2.0%以下含有することを特徴とする、プレス成形性に
優れ、かつΔTS:80MPa以上になる歪時効硬化特性に
優れた高延性熱延鋼板。 (6) 質量%で C:0.05〜0.20%、 Si:1.0〜3.0%、 Mn:3.0%以下、 P:0.10%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.30%以下、 N:0.02%以下、 Cu:0.5〜3.0% を含む組成を有する鋼スラブに、熱間圧延を施し所定板
厚の熱延板とするにあたり、前記熱間圧延を、仕上圧延
終了温度が780〜980℃である熱間圧延とし、仕上げ圧延
終了後、2秒以内に50℃/s以上の冷却速度で620〜780
℃の温度域まで冷却し、該温度域で1〜10s間の等温保
持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施し
たのち、ついで再び50℃/s以上の冷却速度で300〜500
℃まで冷却し、コイルに巻き取ることを特徴とする、プ
レス成形性に優れ、かつΔTS:80MPa以上になる歪時
効硬化特性に優れた高延性熱延鋼板の製造方法。 (7)(6)において、前記鋼スラブを、質量%で、
C:0.05〜0.20%、Si:1.0〜3.0%、Mn:3.0%以下、
P:0.10%以下、S:0.02%以下、Al:0.30%以下、
N:0.02%以下を含み、さらにMo:0.05〜2.0%、Cr:
0.05〜2.0%、W:0.05〜2.0%のうちの1種または2種
以上を合計で2.0%以下含有する組成を有する鋼スラブ
とすることを特徴とするプレス成形性に優れ、かつ、△
TS:80MPa 以上になる歪時効硬化特性に優れた高延性
熱延鋼板の製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の熱延鋼板は、引張強さT
S:440MPa以上の高張力熱延鋼板であり、組織がフェラ
イト相を主相とし、体積率で1%以上の残留オーステナ
イト相を含む相を第2相とする複合組織を有し、プレス
成形性に優れ、かつプレス成形後の比較的低い温度での
熱処理により引張強さが顕著に上昇し、ΔTS:80MPa
以上になる歪時効硬化特性に優れた高延性熱延鋼板であ
る。
【0025】本発明でいう「高延性熱延鋼板」とは、強
度(TS)と延性(El)のバランス(TS×El)が
19000MPa %以上の引張特性を有することを意味する。
まず、本発明熱延鋼板の組織について説明する。本発明
の熱延鋼板は、組織が、フェライト相を主相とし、体積
率で全組織に対して1%以上の残留オーステナイト相を
含む相を第2相とする複合組織を有する。
【0026】このような複合組織とすることにより、高
い延性(El)と高い強度延性バランス(TS×El)
を有し、優れたプレス成形性を有する鋼板となる。主相
であるフェライト相は、体積率で50%以上とするのが好
ましい。フェライト相が、50%未満では、高い延性を確
保することが困難となりプレス成形性が低下する。ま
た、さらに良好な延性が要求される場合には、フェライ
ト相の体積率は80%以上とするのが好ましい。なお、複
合組織の利点を利用するため、フェライト相は98%以下
とするのが好ましい。
【0027】また、第2相として、本発明では、残留オ
ーステナイト相を体積率で全組織に対して1%以上含有
する相とする必要がある。残留オーステナイト相が1%
未満では、高い延性(El)を得ることができない。よ
り高い延性を得るためには、残留オーステナイト相は2
%以上含有することが好ましく、より好ましくは3%以
上である。なお、第2相は、体積率で1%以上の残留オ
ーステナイト相単独としても、あるいは体積率で1%以
上の残留オーステナイト相と、それ以外のパーライト
相、ベイナイト相、マルテンサイト相のいずれかと混合
する相としてもよく、とくに限定されない。
【0028】上記した組織を有する熱延鋼板は、高延性
を有するとともに、プレス成形性に優れ、かつ歪時効硬
化特性に優れた鋼板である。本発明でいう、「極めて優
れた歪時効硬化特性」あるいは「歪時効硬化特性に優れ
た」とは、引張塑性歪量5%以上の予変形処理後、150
〜350℃の範囲の温度で保持時間:30s以上の熱処理を
施したとき、この熱処理前後の引張強さ増加量ΔTS
{=(熱処理後の引張強さTSHT)―(予変形処理前の
引張強さTS)}が80MPa以上となることを意味する。
なお、望ましくはΔTSは100MPa以上である。この熱処
理により降伏応力も上昇し、ΔYS{=(熱処理後の降
伏応力YS HT)―(予変形処理前の降伏応力YS)}が
80MPa以上となることはいうまでもない。
【0029】歪時効硬化特性を規定する場合、予歪(予
変形)量は重要な因子である。本発明者らは、自動車用
鋼板が適用される変形様式を想定して、予歪量がその後
の歪時効硬化特性に及ぼす影響について調査した。その
結果、極めて深い絞り加工以外はおおむね1軸相当歪
(引張歪)量で整理できること、また、実部品において
は、この1軸相当歪量がおおむね5%を上回っているこ
と、また、部品強度が予歪5%の歪時効処理後に得られ
る強度と良く対応すること、が明らかになった。これら
のことから、本発明では、熱処理の予歪(変形)5%以
上の引張塑性歪とした。
【0030】従来の塗装焼付処理条件は、170℃×20min
が標準として採用されているが、本発明におけるよう
に、極微細Cuあるいは微細炭化物の析出強化を利用する
場合には、熱処理温度は150℃以上が必要となる。一
方、350℃を超える条件では、その効果が飽和し、逆に
やや軟化する傾向を示す。また、350℃を超える温度に
加熱すると、熱歪みやテンパーカラーの発生などが顕著
となる。このようなことから、本発明では、歪時効硬化
のための熱処理温度は150〜350℃とした。なお、熱処理
温度における保持時間は30s以上とする。熱処理の保持
時間については、150〜350℃ではおおむね30s程度以上
保持すれば、ほぼ十分な歪時効硬化が達成される。より
大きな安定した歪時効硬化を得たい場合は60s以上とす
るのが望ましく、より好ましくは300 s以上である。
【0031】予変形後の熱処理における加熱方法は、と
くに限定されないが、通常の塗装焼付処理におけるよう
に、炉による雰囲気加熱以外に、たとえば誘導加熱、無
酸化炎、レーザー、プラズマなどによる加熱などがいず
れも好適である。また、鋼板の温度を高めてプレスす
る、いわゆる温間プレスも、本発明においては極めて有
効な方法である。
【0032】つぎに、本発明熱延鋼板の組成限定理由に
ついて説明する。なお、質量%は単に%と記す。 C:0.05〜0.20% Cは、鋼板の強度を増加し、さらにフェライトと残留オ
ーステナイトの複合組織の形成を促進する元素であり、
本発明では複合組織形成の観点から0.05%以上含有する
必要がある。一方、0.20%を超える含有は、鋼中の炭化
物の分率が増加し、延性、さらにはプレス成形性を低下
させる。さらに、より重要な問題として、C含有量が0.
20%を超えると、スポット溶接性、アーク溶接性等が顕
著に低下する。このため、本発明では、Cは0.05〜0.20
%に限定した。なお、成形性の観点からは0.18%以下と
するのが好ましい。
【0033】Si:1.0〜3.0% Siは、鋼板の延性を顕著に低下させることなく、鋼板を
高強度化させることができる有用な強化元素であるとと
もに、残留オーステナイト相を得るために必要な元素で
あり、1.0%以上含有する必要がある。より好ましくは
1.2%以上とする。一方、Si含有量が3.0%を超えると、
プレス成形性の劣化を招くとともに、表面性状が悪化す
る。このため、Siは1.0〜3.0%に限定した。
【0034】Mn:3.0%以下 Mnは、鋼を強化する作用があり、また、Sによる熱間割
れを防止する有効な元素であり、含有するS量に応じて
含有するのが好ましい。このような効果は、0.5%以上
の含有で顕著となる。一方、3.0%を超える含有は、プ
レス成形性および溶接性が劣化する。このため、本発明
ではMnは3.0%以下に限定した。なお、より好ましくは
1.0%以上である。
【0035】P:0.10%以下 Pは、鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて必
要量含有することができるが、強度増加の観点からは
0.005%以上含有することが好ましい。一方、0.10%を
超えて含有するとプレス成形性が劣化する。このため、
Pは0.10%以下に限定した。なお、より優れたプレス成
形性が要求される場合には、0.08%以下とするのが好ま
しい。
【0036】S:0.02%以下 Sは、鋼板中では介在物として存在し、鋼板の延性、成
形性、とくに伸びフランジ成形性の劣化をもたらす元素
であり、できるだけ低減するのが好ましいが、0.02%以
下に低減すると、さほど悪影響をおよぼさなくなるた
め、本発明ではSは0.02%を上限とした。なお、より優
れた伸びフランジ成形性を要求される場合には、Sは0.
010%以下とするのが好ましい。
【0037】Al:0.30%以下 Alは、鋼の脱酸元素として添加され、鋼の清浄度を向上
させるのに有用な元素であり、また残留オーステナイト
の形成にも有効な元素である。このような効果は0.01%
以上の含有で顕著となるが、0.30%を越えて含有しても
より一層の効果は得られず、逆にプレス成形性が劣化す
る。このため、Alは0.30%以下に限定した。なお、好ま
しくは0.10%以下である。また、本発明では、Al脱酸以
外の脱酸方法による溶製方法を排除するものではなく、
たとえばTi脱酸やSi脱酸を行ってもよく、これらの脱酸
法による鋼板も本発明の範囲に含まれる。その際、Caや
REM等を溶鋼に添加しても、本発明鋼板の特徴はなんら
阻害されない。
【0038】N:0.02%以下 Nは、固溶強化や歪時効硬化で鋼板の強度を増加させる
元素であり、これらの効果を得るためには0.0010%以上
含有することが好ましいが、0.02%を超えて含有して
も、鋼板中に窒化物が増加し、鋼板の延性、さらにはプ
レス成形性が顕著に劣化する。このため、Nは0.02%以
下に限定した。なお、よりプレス成形性の向上が要求さ
れる場合には0.01%以下とするのが好ましく、さらに好
ましくは0.0050%未満である。
【0039】Cu:0.5〜3.0% Cuは、鋼板の歪時効硬化(予変形―熱処理後の強度増
加)を顕著に増加させる元素であり、本発明において最
も重要な元素である。Cu含有量が0.5%未満では、たと
え予変形―熱処理条件を変化させても、ΔTS:80MPa
以上の引張強さの増加は得られない。一方、3.0%を超
える含有は、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待
できず経済的に不利となるうえ、プレス成形性の劣化を
招き、さらに鋼板の表面性状が悪化する。このため、Cu
は0.5〜3.0%に限定した。なお、より大きなΔTSと優
れたプレス成形性とを両立させるためには、Cuは1.0〜
2.5%の範囲にするのが好ましい。
【0040】また、本発明では、Cuを含有する上記した
組成に加えてさらに、質量%で、次A群〜C群 A群:Ni:2.0%以下 B群:Cr,Moのうちの1種または2種を合計で2.0%以
下 C群:Nb,Ti,Vのうちの1種または2種以上を合計で
0.2%以下 のうちの1群または2群以上を含有することが好まし
い。
【0041】A群:Ni:2.0%以下 A群:Niは、Cu添加時に鋼板表面に発生する表面欠陥の
防止に有効であり、必要に応じ含有できる。含有する場
合には、その含有量は、Cu含有量に依存し、およそCu含
有量の半分程度、すなわちCu含有量(%)の30〜80%程
度とするのが好ましい。なお、2.0%を超えて含有して
も、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなく経
済的に不利となるうえ、逆にプレス成形性が劣化する。
このようなことから、Niは2.0%以下に限定することが
好ましい。
【0042】B群:Cr,Moのうちの1種または2種を合
計で2.0%以下 B群:Cr,Moは、いずれもMnと同様に、鋼板を強化する
作用を有しており、必要に応じて1種または2種を含有
できる。このような効果はCr 0.1%以上、Mo 0.1%以上
含有することにより顕著となり、このため、Cr:0.1 %
以上、Mo:0.1%以上のうちの1種または2種含有する
ことが好ましい。一方、Cr、Moのうちの1種または2種
を合計で2.0%超えて含有すると、プレス成形性が低下
する。このため、Cr、Moのうちの1種または2種を合計
で2.0%以下に限定するのが好ましい。
【0043】C群:Nb,Ti,Vのうちの1種または2種
以上を合計で0.2%以下 C群:Nb,Ti,Vは、いずれも炭化物形成元素であり、
炭化物の微細分散により高強度化に有効に作用するた
め、必要に応じ選択して含有できる。このような効果
は、各々Nb:0.01%以上、Ti:0.01%以上、V:0.01%
以上で有利に得ることができる。しかし、Nb、Ti、Vの
うちの1種または2種以上を合計で2.0%超えて含有す
ると、プレス成形性が劣化する。このため、Nb、Ti、V
は合計で2.0%以下に限定するのが好ましい。
【0044】また、本発明では、上記したCu、あるいは
さらに上記したA群〜C群のうちの1群または2群以上
の含有に代えて、Mo:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜2.0%、
W:0.05〜2.0%のうちの1種または2種以上を合計で
2.0%以下、あるいはさらにNb、Ti、Vの1種または2
種以上を合計で2.0%以下含有してもよい。 Mo:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜2.0%、W:0.05〜2.0%
のうちの1種または2種以上を合計で2.0%以下 Mo、Cr、Wは、鋼板の歪時効硬化(予変形―熱処理後の
強度増加)を顕著に増加させる元素であり、本発明にお
いて最も重要な元素である。すなわち、本発明者らは、
鋼板組織を、フェライトを主相とし、残留オーステナイ
トを含む相を第2相とする複合組織とし、さらにMo、C
r、Wのうちの1種または2種以上を含有させることに
より、5%以上の予歪みの付加と低温熱処理を施した際
に、残留オーステナイトがマルテンサイトに歪誘起変態
し、歪誘起変態したマルテンサイト中に微細炭化物の歪
誘起低温析出が起こり、ΔTS:80MPa以上の引張強さ
の増加が得られる。なお、これらMo、Cr、Wのうちの1
種または2種以上の含有量が、それぞれ0.05%未満で
は、鋼板組織および予変形―熱処理条件を変化させて
も、ΔTS:80MPa以上の引張強さの増加は得られな
い。一方、Mo、Cr、Wのうちの1種または2種以上の含
有量が、それぞれ2.0%を超えると、効果が飽和し、含
有量に見合う効果が期待できず経済的に不利となるう
え、プレス成形性の劣化を招く。このため、Mo、Cr、W
はそれぞれ0.05〜2.0%に限定することが好ましい。な
お、プレス成形性の観点から、複合して含有する場合に
は、Mo、Cr、Wの含有量の合計を2.0%以下に限定する
ことがより好ましい。
【0045】Nb、Ti、Vのうちの1種または2種以上を
合計で2.0%以下 Nb、Ti、Vは、いずれも炭化物形成元素であり、必要に
応じ含有できる。Mo、Cr、Wのうちの1種または2種以
上に加えて、これらNb、Ti、Vのうちの1種または2種
以上を含有させ、さらにフェライト相を主相とし残留オ
ーステナイトを含む相を第2相とする複合組織とするこ
とにより、歪誘起変態したマルテンサイト中に微細炭化
物が形成され、歪誘起低温析出が誘発され、ΔTS:80
MPa以上の引張強さの増加が得られる。このような効果
を得るためには、Nb、Ti、VはそれぞれNb:0.01%以
上、Ti:0.01%以上、V:0.01%以上とすることが好ま
しく、必要に応じて1種または2種以上を選択して含有
できる。しかし、Nb、Ti、Vのうちの1種または2種以
上を合計で2.0%超えて含有すると、プレス成形性が劣
化する。このため、Nb、Ti、Vのうちの1種または2種
以上を合計で2.0%以下に限定することが好ましい。
【0046】なお、上記した成分以外に、Ca:0.1%以
下、REM:0.1%以下のうちの1種または2種を含有して
もよい。Ca、REMはいずれも介在物の形態制御を通して
伸びフランジ性の向上に寄与する元素である。しかし、
Ca:0.1%、REM:0.1%をそれぞれ超える含有は清浄度
を低下させ、延性をかえって低下させる。上記した成分
以外の残部は,Feおよび不可避的不純物からなる。不可
避的不純物としては、Sb:0.01%以下、Sn:0.1%以
下、Zn:0.01%以下、Co:0.1%以下、Zr:0.1%以下、
B:0.1%以下が許容できる。
【0047】つぎに、本発明の熱延鋼板の製造方法につ
いて説明する。本発明の熱延鋼板は、上記した範囲内の
組成を有する鋼スラブを素材とし、該素材に熱間圧延を
施し所定板厚の熱延板とする。使用する鋼スラブは、成
分のマクロ偏析を防止するために連続鋳造法で製造する
のが好ましいが、造塊法、薄スラブ鋳造法で製造しても
よい。また、鋼スラブを製造したのち、いったん室温ま
で冷却し、その後再加熱する従来法に加え、冷却しない
で、温片のままで加熱炉に挿入する、あるいはわずかの
保熱を行った後に直ちに圧延する直送圧延・直接圧延な
どの省エネルギープロセスも問題なく適用できる。
【0048】上記した素材(鋼スラブ)の加熱温度SR
Tはとくに限定する必要はないが、900℃以上とするの
が好ましい。 スラブ加熱温度:900℃以上 スラブ加熱温度は、素材がCuを含有する組成の場合に
は、Cu起因の表面欠陥を防止するために低い方が望まし
い。しかし、加熱温度が900℃未満では、圧延荷重が増
大し、熱間圧延時のトラブル発生の危険が増大する。な
お、酸化重量の増加にともなうスケールロスの増大など
から、スラブ加熱温度は1300℃以下とすることが望まし
い。
【0049】なお、スラブ加熱温度を低くし、かつ熱間
圧延時のトラブルを防止するといった観点から、シート
バーを加熱する、いわゆるシートバーヒーターを活用す
ることは、有効な方法であることは言うまでもない。加
熱された鋼スラブは、ついで熱間圧延されて熱延板とさ
れる。熱間圧延は仕上げ圧延終了温度FDTを780〜980
℃とする熱間圧延とすることが好ましい。
【0050】本発明では、仕上げ圧延条件が特に重要で
あり、仕上げ圧延終了温度FDTを780〜980℃とするこ
とが好ましい。FDTが、780℃未満では鋼板中に加工
組織が残存して延性の劣化を招き、一方980℃を越える
と組織が粗大化し、フェライト変態の遅延に起因して成
形性の低下を招く。このため、FDTは780〜980℃とす
ることが好ましい。
【0051】仕上げ圧延後、強制冷却処理を施すが、本
発明ではこの強制冷却条件が特に重要である。本発明で
は、仕上げ圧延終了後、2s以内に50℃/s以上の冷却
速度で620〜780℃まで強制冷却することが好ましい。 冷
却開始時間が2sを越えると、組織が粗大化し、フェラ
イト変態が遅延してプレス成形性が低下する。このた
め、仕上げ圧延終了後の冷却開始時間は2s以内に限定
することが好ましい。
【0052】また、仕上げ圧延終了後の冷却速度が50℃
/s未満では、強制冷却中にフェライト変態が開始して
しまい、その後の等温保持処理または徐冷処理でのフェ
ライト変態が遅延し、プレス成形性の低下につながる。
そのため、冷却速度は50℃/s以上に限定することが好ま
しい。しかしながら、冷却速度が300℃/sを越えると
鋼板形状の悪化が懸念されるので、冷却速度の上限は30
0℃/sとするのが好ましい。
【0053】上記した強制冷却により、620〜780℃の温
度域の初析フェライト域のノーズ近傍まで冷却されるこ
とが好ましい。強制冷却の冷却停止温度が620℃未満で
は、初析フェライトが生成せずパーライトが生成すると
いう問題があり、一方、780℃を超えると、初析フェラ
イトの生成に伴う炭素のオーステナイトへの濃化が低下
するという問題がある。なお、より好ましくは、 強制冷
却の冷却停止温度は 650〜 750℃である。
【0054】620〜780℃の温度域の初析フェライト域の
ノーズ近傍まで強制冷却したのち、該温度域で1〜10s
間の等温保持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷
処理を施すことが好ましい。上記した温度域(620〜780
℃)での短時間の等温保持処理または上記した温度域で
の短時間の徐冷処理により、所望量の初析フェライトを
得ることができる。
【0055】なお、等温保持処理あるいは徐冷処理は、
フェライト変態に伴う炭素のオーステナイトへの濃化の
ため、620 ℃以上 750℃以下の温度域で行うことがより
好ましい。また、等温保持処理の保持時間あるいは徐冷
処理に要する時間が1s未満では、炭素のオーステナイ
トへの濃化が不十分であり、一方、10sを超えると、パ
ーライト変態が生じる。
【0056】また、徐冷処理の冷却速度が20℃/sを超
えると、 オーステナイトへの炭素の濃化が不十分という
問題がある。等温保持処理または徐冷処理を施したの
ち、再び50℃/s以上の冷却速度で300〜500℃まで冷却
してから、すなわち巻取り温度CT300〜500℃で、コイ
ルに巻き取ることが好ましい。
【0057】等温保持処理または徐冷処理後、300〜500
℃まで冷却するが、この時の冷却速度も50℃/s以上と
することが好ましい。というのは、この時の冷却速度が
50℃/sに満たないと、パーライト変態が生じて延性が
低下するためである。なお、より好ましくは、50〜 200
℃/sである。また、巻取り温度CTが、300 ℃未満で
は、第2相がマルテンサイトとなり、一方、500 ℃を超
えると、第2相がパーライトとなる。このため、巻取り
温度CTは300〜500℃とすることが好ましい。
【0058】なお、本発明では、熱間圧延時の圧延荷重
を低減するために仕上げ圧延の一部または全部を潤滑圧
延としてもよい。潤滑圧延を行うことは、鋼板形状の均
一化、材質の均一化の観点からも有効である。なお、潤
滑圧延の際の摩擦係数は0.25〜0.10の範囲とすることが
好ましい。また、相前後するシートバー同士を接合し、
連続的に仕上圧延する連続圧延プロセスとすることが好
ましい。連続圧延プロセスを適用することは、熱間圧延
の操業安定性の観点からも望ましい。
【0059】熱間圧延後、形状矯正、表面粗度等の調整
のために、10%以下の調質圧延を施してもよい。なお、
本発明の熱延鋼板は、加工用としてのみならず、表面処
理用原板としても適用できる。表面処理としては、亜鉛
めっき(合金系を含む)、すずめっき、ほうろう等があ
る。
【0060】また、本発明の熱延鋼板には、焼鈍または
亜鉛めっき後、特殊な処理を施して、化成処理性、溶接
性、プレス成形性および耐食性等の改善を行ってもよ
い。
【0061】
【実施例】(実施例1)表1に示す組成の溶鋼を転炉で
溶製し、連続鋳造法で鋼スラブとした。ついで、これら
鋼スラブを加熱し、表2に示す条件で熱間圧延して、板
厚2.0mmの熱延鋼帯(熱延板)にし、さらに圧下率:1.0
%の調質圧延を施した。
【0062】得られた熱延鋼帯(熱延板)について、微
視組織、引張特性、歪時効硬化特性、穴拡げ率を求め
た。なお、プレス成形性は、伸びEl(延性)、TS×
Elバランスおよび穴拡げ率λから評価した。試験方法
はつぎのとおりとした。 (1)微視組織 得られた熱延板から試験片を採取し、鋼板の圧延方向に
直交する断面(C断面)について、光学顕微鏡あるいは
走査型電子顕微鏡を用いて微視組織を観察した。鋼板中
のフェライト相、ベイナイト相およびマルテンサイト相
については、倍率1000倍の断面組織写真を用いて、画像
解析装置により各組織の組織分率を求め、該当相の体積
率とした。また、残留オーステナイト相については、鋼
板を板厚方向の中心面まで研磨し、板厚中心面での回折
X線強度測定により求めた。入射X線にはMoKα線を使
用し、フェライト相の{110}、{200}、{211}の各
面の回折X線強度に対する、残留オーステナイト相の
{200}、{220}、{311}各面の回折X線強度比を求
め、これらの平均値から残留オーステナイトの体積率を
求めた。 (2)引張特性 得られた熱延板からJIS5号引張試験片を圧延方向に
採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を行
い、降伏強さYS、引張強さTS、伸びElを求めた。 (3)歪時効硬化特性 得られた熱延板から、JIS5号引張試験片を圧延方向
に採取し、予変形(引張予歪)として5%の塑性変形を
与えて、ついで250℃×20minの熱処理を施したのち、引
張試験を実施し、熱処理後の引張特性(降伏応力Y
TH、引張強さTS HT)を求め、ΔYS=YSTH−Y
S、ΔTS=TSHT−TSを算出した。なお、YSTH
TSHTは予変形―熱処理後の降伏応力、引張強さであ
り、YS、TSは熱延板の降伏応力、引張強さである。 (4)穴拡げ率 得られた熱延板から採取した試験片について、日本鉄鋼
連盟規格(JFS T 1001-1996 )に準拠して、10mmφのポ
ンチで打ち抜いてポンチ穴を形成したのち、頂角60°の
円錐ポンチを用い、ばりが外側になるようにして、板厚
を貫通する割れが発生するまで穴拡げ試験を行い、穴拡
げ率λを求めた。なお、穴拡げ率λは、λ(%)=
{(d−d0)/d0}×100で求めた。なお、d0:初期
穴径(ポンチ径)、d:割れ発生時の内穴径である。
【0063】これらの結果を表3に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】本発明例は、いずれも、高い伸びElと高い
強度延性バランス(TS×El)を有し、さらに大きな穴
拡げ率λを示して、伸びフランジ成形性に優れている。
また、 本発明例は、いずれも、極めて大きなΔTSを示
し、歪時効硬化特性に優れた鋼板となっている。これに
対し、本発明の範囲を外れる比較例では、伸びElが低い
か、あるいは穴拡げ率λが小さいか、ΔTSが小さく、
プレス成形性、歪時効硬化特性が低下した鋼板となって
いる。
【0068】(実施例2)表4に示す組成の溶鋼を転炉
で溶製し、連続鋳造法でスラブとした。ついで、これら
鋼スラブを加熱し、表5に示す条件で熱間圧延して、板
厚2.0mmの熱延鋼帯(熱延板)にし、さらに圧下率:1.0
%の調質圧延を施した。得られた熱延鋼帯(熱延板)に
ついて、実施例1と同様の方法で、微視組織、引張特
性、歪時効硬化特性、穴拡げ率を求めた。なお、プレス
成形性は、伸びEl(延性)、TS×Elバランスおよ
び穴拡げ率λから評価した。
【0069】得られた結果を表6に示す。
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】本発明例は、いずれも、高い伸びElと高い
強度延性バランス(TS×El)を有し、プレス成形性に
優れるとともに、極めて大きなΔTSを示し、歪時効硬
化特性に優れた鋼板となっている。これに対し、本発明
の範囲を外れる比較例では、伸びElが低いか、あるいは
ΔTSが小さく、プレス成形性、歪時効硬化特性が低下
した鋼板となっている。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、優れたプレス成形性を
維持しつつ、プレス成形後の熱処理により引張強さが顕
著に上昇する熱延鋼板を、安定して製造することが可能
となり、産業上格段の効果を奏する。本発明の熱延鋼板
を自動車部品に適用した場合、プレス成形が容易で、か
つ完成後の部品特性を安定して高くでき、自動車車体の
軽量化に十分に寄与できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】予変形−熱処理後のΔTSと鋼板組織の関係に
およぼすCu含有量の影響を示すグラフである。
【図2】予変形−熱処理後のΔTSと熱処理温度の関係
におよぼすCu含有量の影響を示すグラフである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4K037 EA01 EA05 EA06 EA11 EA13 EA15 EA16 EA17 EA18 EA19 EA20 EA23 EA25 EA28 EA31 EA32 EA33 EB06 EB07 EB09 EB12 EC04 FA01 FA02 FA03 FC03 FC04 FD04 FD08 FE01 FE06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織が、フェライト相を主相とし、体積
    率で1%以上の残留オーステナイト相を含む相を第2相
    とする複合組織を有することを特徴とする、プレス成形
    性に優れ、かつΔTS:80MPa 以上になる歪時効硬化特
    性に優れた高延性熱延鋼板。
  2. 【請求項2】 質量%で C:0.05〜0.20%、 Si:1.0 〜3.0 %、 Mn:3.0 %以下、 P:0.10%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.30%以下、 N:0.02%以下、 Cu:0.5 〜3.0 % を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を
    有することを特徴とする請求項1に記載の高延性熱延鋼
    板。
  3. 【請求項3】 前記組成に加えてさらに、質量%で、下
    記A群〜C群のうちの1群または2群以上を含有するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の高延性熱延鋼板。 記 A群:Ni:2.0%以下、 B群:Cr、Moのうちの1種または2種を合計で2.0%以
    下、 C群:Nb、Ti、Vのうちの1種または2種以上を合計で
    0.2%以下
  4. 【請求項4】 質量%で C:0.05〜0.20%、 Si:1.0〜3.0%、 Mn:3.0%以下、 P:0.10 %以下、 S:0.02%以下、 Al:0.30%以下、 N:0.02%以下 を含み、さらにMo:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜2.0%、
    W:0.05〜2.0%のうちの1種または2種以上を合計で
    2.0%以下含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から
    なる組成を有することを特徴とする請求項1に記載の高
    延性熱延鋼板。
  5. 【請求項5】 前記組成に加えてさらに、質量%で、N
    b、Ti、Vのうちの1種または2種以上を合計で2.0%以
    下含有することを特徴とする請求項4に記載の高延性熱
    延鋼板。
  6. 【請求項6】 質量%で C:0.05〜0.20%、 Si:1.0〜3.0%、 Mn:3.0 %以下、 P:0.10%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.30%以下、 N:0.02%以下、 Cu:0.5〜3.0% を含む組成を有する鋼スラブに、熱間圧延を施し所定板
    厚の熱延板とするにあたり、前記熱間圧延を、仕上圧延
    終了温度が780〜980℃である熱間圧延とし、仕上げ圧延
    終了後、2秒以内に50℃/s以上の冷却速度で620〜780
    ℃の温度域まで冷却し、該温度域で1〜10s間の等温保
    持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施し
    たのち、ついで再び50℃/s以上の冷却速度で300〜500
    ℃まで冷却し、コイルに巻き取ることを特徴とする、プ
    レス成形性に優れ、かつΔTS:80MPa以上になる歪時
    効硬化特性に優れた高延性熱延鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記鋼スラブを、質量%で C:0.05〜0.20%、 Si:1.0〜3.0%、 Mn:3.0 %以下、 P:0.10%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.30%以下、 N:0.02%以下 を含み、さらにMo:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜2.0%、
    W:0.05〜2.0%のうちの1種または2種以上を合計で
    2.0%以下含有する組成を有する鋼スラブとすることを
    特徴とする請求項6に記載の高延性熱延鋼板の製造方
    法。
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