JPH11100448A - 架橋ポリエチレンを含む成形材料 - Google Patents
架橋ポリエチレンを含む成形材料Info
- Publication number
- JPH11100448A JPH11100448A JP26298597A JP26298597A JPH11100448A JP H11100448 A JPH11100448 A JP H11100448A JP 26298597 A JP26298597 A JP 26298597A JP 26298597 A JP26298597 A JP 26298597A JP H11100448 A JPH11100448 A JP H11100448A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crosslinked polyethylene
- thermoplastic polymer
- temperature
- kneading
- molding material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、それ自体は溶融し難い架橋ポリエチ
レンを溶融成形可能に変性した材料を提供する。 【解決手段】架橋ポリエチレンと熱可塑性ポリマ−の混
合物を、二軸混練押出し機や石臼型混練押出し機等を用
いて、該熱可塑性ポリマ−の溶融温度以上の温度で、剪
断力をかけながら混練することにより溶融成形可能な材
料が効率的に得られる。本発明の材料は、架橋ポリエチ
レンと熱可塑性ポリマ−の単なる混合物より溶融性、流
動性に優れ、はるかに成形性が良好であり、得られる成
形品の物性も優れている。
レンを溶融成形可能に変性した材料を提供する。 【解決手段】架橋ポリエチレンと熱可塑性ポリマ−の混
合物を、二軸混練押出し機や石臼型混練押出し機等を用
いて、該熱可塑性ポリマ−の溶融温度以上の温度で、剪
断力をかけながら混練することにより溶融成形可能な材
料が効率的に得られる。本発明の材料は、架橋ポリエチ
レンと熱可塑性ポリマ−の単なる混合物より溶融性、流
動性に優れ、はるかに成形性が良好であり、得られる成
形品の物性も優れている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電線被覆などに用
いられている架橋ポリエチレンから得られる成形材料に
関わり、更に詳しくは架橋ポリエチレンと熱可塑性ポリ
マ−の混合物から得られる溶融成形可能な材料に関する
ものである。
いられている架橋ポリエチレンから得られる成形材料に
関わり、更に詳しくは架橋ポリエチレンと熱可塑性ポリ
マ−の混合物から得られる溶融成形可能な材料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリエチレンは、それ自身を単独
で、射出成形や押出し成形のような生産性の高い加工プ
ロセスにかけることが難しい。 そのため、電線などに
使われている架橋ポリエチレンの絶縁被覆材は、それを
リサイクルして利用しようとする場合、一旦粒状あるい
は粉末状にして、熱可塑性樹脂にフィラ−として混合
し、射出成形や押出し成形にかけて、成形品を得ようと
する試みが一般に行われている。
で、射出成形や押出し成形のような生産性の高い加工プ
ロセスにかけることが難しい。 そのため、電線などに
使われている架橋ポリエチレンの絶縁被覆材は、それを
リサイクルして利用しようとする場合、一旦粒状あるい
は粉末状にして、熱可塑性樹脂にフィラ−として混合
し、射出成形や押出し成形にかけて、成形品を得ようと
する試みが一般に行われている。
【0003】しかしながら、現在までのところ架橋ポリ
エチレンを直接溶融成形可能な材料に変換してリサイク
ル利用される技術は確立されていない。
エチレンを直接溶融成形可能な材料に変換してリサイク
ル利用される技術は確立されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、それ自体は
溶融し難い架橋ポリエチレンを変性して溶融成形可能な
材料を提供することを課題とする。
溶融し難い架橋ポリエチレンを変性して溶融成形可能な
材料を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の採用する手段
は、架橋ポリエチレンの破砕体と熱可塑性ポリマ−の混
合物を、該熱可塑性ポリマ−の溶融温度以上の温度で、
剪断力をかけながら混練することにより溶融成形可能な
材料を得ようとするものである。
は、架橋ポリエチレンの破砕体と熱可塑性ポリマ−の混
合物を、該熱可塑性ポリマ−の溶融温度以上の温度で、
剪断力をかけながら混練することにより溶融成形可能な
材料を得ようとするものである。
【0006】発明者らは、それ自体は溶融し難い架橋ポ
リエチレンに溶融性、流動性を付与することについて鋭
意研究した結果、驚くべきことに、架橋ポリエチレンに
熱可塑性ポリマ−を添加して混合し、剪断力のかかる装
置を用いて、熱可塑性ポリマ−の溶融温度以上の温度で
混練することにより、溶融成形可能な材料が得られるこ
とを発見し、本発明に到達した。
リエチレンに溶融性、流動性を付与することについて鋭
意研究した結果、驚くべきことに、架橋ポリエチレンに
熱可塑性ポリマ−を添加して混合し、剪断力のかかる装
置を用いて、熱可塑性ポリマ−の溶融温度以上の温度で
混練することにより、溶融成形可能な材料が得られるこ
とを発見し、本発明に到達した。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の架橋ポリエチレン
を溶融成形可能にした材料について詳しく説明する。
を溶融成形可能にした材料について詳しく説明する。
【0008】本発明に適用される架橋ポリエチレンは、
有機過酸化物やシラン化合物などによる化学的方法であ
る化学架橋ポリエチレンと電子線照射による電子線架橋
ポリエチレンである。 これら架橋ポリエチレンは、加
熱により部分的には溶融することはあっても、全体とし
ては極めて溶融し難いため、流動性に乏しく、架橋ポリ
エチレン単独では射出成形や押出し成形が不可能なポリ
マ−である。
有機過酸化物やシラン化合物などによる化学的方法であ
る化学架橋ポリエチレンと電子線照射による電子線架橋
ポリエチレンである。 これら架橋ポリエチレンは、加
熱により部分的には溶融することはあっても、全体とし
ては極めて溶融し難いため、流動性に乏しく、架橋ポリ
エチレン単独では射出成形や押出し成形が不可能なポリ
マ−である。
【0009】これら架橋方法の異なる架橋ポリエチレン
の中でも、成形加工性、得られる成形体の性能の点で化
学架橋ポリエチレンの方が優れている。
の中でも、成形加工性、得られる成形体の性能の点で化
学架橋ポリエチレンの方が優れている。
【0010】本発明に用いる架橋ポリエチレンの破砕体
の形状は好ましくはペレット状で、50mm以下、好ま
しくは10mm以下の粒径のものであることが望まし
い。
の形状は好ましくはペレット状で、50mm以下、好ま
しくは10mm以下の粒径のものであることが望まし
い。
【0011】本発明の熱可塑性ポリマ−としては、一般
の熱溶融性のポリマ−が使用可能である。 本発明によ
り得られる材料には、架橋ポリエチレンの他に添加した
熱可塑性ポリマ−が含まれるので、得られる材料の用途
により、適切な熱可塑性ポリマ−を予め選択することが
好ましい。 例えば電線被覆材の架橋ポリエチレンを用
い、それらのリサイクル利用を目的とする場合には、熱
可塑性ポリマ−としては低廉で加工性が良く、汎用性の
あるポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ンが好適である。
の熱溶融性のポリマ−が使用可能である。 本発明によ
り得られる材料には、架橋ポリエチレンの他に添加した
熱可塑性ポリマ−が含まれるので、得られる材料の用途
により、適切な熱可塑性ポリマ−を予め選択することが
好ましい。 例えば電線被覆材の架橋ポリエチレンを用
い、それらのリサイクル利用を目的とする場合には、熱
可塑性ポリマ−としては低廉で加工性が良く、汎用性の
あるポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ンが好適である。
【0012】熱可塑性ポリマ−の添加量は、架橋ポリエ
チレンを溶融成形可能にする必要最小限の量であれば良
く、5重量%以上である。 5重量%より低い熱可塑性
ポリマ−の添加量では、得られる材料に溶融成形性を付
与する能力が乏しい。
チレンを溶融成形可能にする必要最小限の量であれば良
く、5重量%以上である。 5重量%より低い熱可塑性
ポリマ−の添加量では、得られる材料に溶融成形性を付
与する能力が乏しい。
【0013】架橋ポリエチレンの破砕体に熱可塑性ポリ
マ−の好ましくはペレットを添加してブレンダ−などの
攪拌機により混合する。 この混合物を加熱しながら、
剪断力のかかる装置、例えば2軸混練押出し機、石臼型
混練押出し機、混練用オ−プンロ−ル或いはバンバリ−
ミキサ−などに通して、熱可塑性ポリマ−の溶融状態で
混練する。 これらの装置の中でも、2軸混練押出し
機、石臼型混練押出し機は生産性が高く、剪断、混練性
能も勝れており、混練条件による性能変動も小さいので
本発明の材料の製造にはより適した装置として挙げるこ
とが出来る。計量投入が可能な複数個の投入口を有する
混練装置の場合には、架橋ポリエチレンと熱可塑性ポリ
マ−を前以て混合することなく、装置の別々の投入口か
ら各ポリマ−を投入して混練しても良い。
マ−の好ましくはペレットを添加してブレンダ−などの
攪拌機により混合する。 この混合物を加熱しながら、
剪断力のかかる装置、例えば2軸混練押出し機、石臼型
混練押出し機、混練用オ−プンロ−ル或いはバンバリ−
ミキサ−などに通して、熱可塑性ポリマ−の溶融状態で
混練する。 これらの装置の中でも、2軸混練押出し
機、石臼型混練押出し機は生産性が高く、剪断、混練性
能も勝れており、混練条件による性能変動も小さいので
本発明の材料の製造にはより適した装置として挙げるこ
とが出来る。計量投入が可能な複数個の投入口を有する
混練装置の場合には、架橋ポリエチレンと熱可塑性ポリ
マ−を前以て混合することなく、装置の別々の投入口か
ら各ポリマ−を投入して混練しても良い。
【0014】熱可塑性ポリマ−の溶融温度以上の温度
で、架橋ポリエチレンと熱可塑性ポリマ−を混練するこ
とにより、混練装置からは一体となって溶融した両ポリ
マ−の複合体が得られる。 この溶融した複合体は、混
練装置から取り出し、破砕或いは裁断して、粗粒体或い
はペレット化することにより、溶融成形用の材料として
供することが出来る。
で、架橋ポリエチレンと熱可塑性ポリマ−を混練するこ
とにより、混練装置からは一体となって溶融した両ポリ
マ−の複合体が得られる。 この溶融した複合体は、混
練装置から取り出し、破砕或いは裁断して、粗粒体或い
はペレット化することにより、溶融成形用の材料として
供することが出来る。
【0015】両ポリマ−混合物の混練温度は、熱可塑性
ポリマ−の溶融温度乃至溶融温度より100℃、好まし
くは溶融温度より5℃乃至40℃高い温度が適当であ
る。混練機の剪断力をより有効に発揮させるために、そ
の温度は混練機の許容能力の範囲で出来るだけ低いこと
が好ましい。
ポリマ−の溶融温度乃至溶融温度より100℃、好まし
くは溶融温度より5℃乃至40℃高い温度が適当であ
る。混練機の剪断力をより有効に発揮させるために、そ
の温度は混練機の許容能力の範囲で出来るだけ低いこと
が好ましい。
【0016】ここで得られる架橋ポリエチレンを含む材
料は、従来の成形装置を用いて射出成形、押出し成形及
び圧縮成形などにより、種々の形状の成形品、シ−ト及
びフィルムなどにすることが出来る。 また、この架橋
ポリエチレンを含む材料をマスタ−バッチとし、熱可塑
性ポリマ−の任意の量を加えて同様の成形品、シ−ト及
びフィルムなどにすることが出来る。 更に特殊な形態
として、高い剪断力がかけられる混練機能を有する押出
し成形機を用いて、架橋ポリエチレンの破砕体と熱可塑
性ポリマ−の混合物を熱可塑性ポリマ−の溶融温度以上
の温度で剪断力をかけながら混練し、直接シ−ト或いは
フィルムを成形することもできる。本発明の成形材料は
熱可塑性ポリマ−と架橋ポリエチレンが部分的にアロイ
化している。アロイ化の程度はDSCの熱的性質の測定
によって知ることができる。10℃/分の昇温速度で測
定したDSCの溶融挙動で吸熱ピ−クの温度が熱可塑性
ポリマ−単体よりも低下しているのが観測される。吸熱
ピ−ク温度の低下は1℃以上であり、高度にアロイ化し
ているものは5℃以上に及ぶ。
料は、従来の成形装置を用いて射出成形、押出し成形及
び圧縮成形などにより、種々の形状の成形品、シ−ト及
びフィルムなどにすることが出来る。 また、この架橋
ポリエチレンを含む材料をマスタ−バッチとし、熱可塑
性ポリマ−の任意の量を加えて同様の成形品、シ−ト及
びフィルムなどにすることが出来る。 更に特殊な形態
として、高い剪断力がかけられる混練機能を有する押出
し成形機を用いて、架橋ポリエチレンの破砕体と熱可塑
性ポリマ−の混合物を熱可塑性ポリマ−の溶融温度以上
の温度で剪断力をかけながら混練し、直接シ−ト或いは
フィルムを成形することもできる。本発明の成形材料は
熱可塑性ポリマ−と架橋ポリエチレンが部分的にアロイ
化している。アロイ化の程度はDSCの熱的性質の測定
によって知ることができる。10℃/分の昇温速度で測
定したDSCの溶融挙動で吸熱ピ−クの温度が熱可塑性
ポリマ−単体よりも低下しているのが観測される。吸熱
ピ−ク温度の低下は1℃以上であり、高度にアロイ化し
ているものは5℃以上に及ぶ。
【0017】
【実施例】以下、例をあげて本発明を説明するが、これ
らの例によって本発明の範囲が制限されるものではな
い。
らの例によって本発明の範囲が制限されるものではな
い。
【0018】実施例−1 化学架橋ポリエチレンで被覆された廃電線から銅線を取
り除いて得られた廃架橋ポリエチレンをクラッシャ−で
破砕した約5mm粒径の化学架橋ポリエチレンの粗粒体
80重量部に、粒径約3mmの高密度ポリエチレンペレ
ット20重量部を加え、ブレンダ−を用いて均一に混合
して両ポリマ−の混合物を得た。次いで、スクリュ−回
転数を200rpmにセットした二軸混練押出し機(ベ
ルストルフ社製:ZE−40A)に、このポリマ−混合
物を連続的に投入し、剪断混練中は該押出し機のシリン
ダ−温度を180℃に保持しながら混練を行った。 混
練物をノズルから押出し冷却、カットして、粒径約5m
mのペレットを得た。得られたペレットを射出成形し
て、3.0mm厚さのJIS K7113、1号形試験
片を作製した。 引張速度100mm/分で、引張試験
を行った。 引張強度; 175Kgf/cm2 伸度 ; 250% Izod衝撃強さ(幅3mm、ノッチ付)を測定したが、
30Kgf・cmハンマ−で破壊しなかった。また、試
験片のショア−硬度(Dスケ−ル)は50であった。
り除いて得られた廃架橋ポリエチレンをクラッシャ−で
破砕した約5mm粒径の化学架橋ポリエチレンの粗粒体
80重量部に、粒径約3mmの高密度ポリエチレンペレ
ット20重量部を加え、ブレンダ−を用いて均一に混合
して両ポリマ−の混合物を得た。次いで、スクリュ−回
転数を200rpmにセットした二軸混練押出し機(ベ
ルストルフ社製:ZE−40A)に、このポリマ−混合
物を連続的に投入し、剪断混練中は該押出し機のシリン
ダ−温度を180℃に保持しながら混練を行った。 混
練物をノズルから押出し冷却、カットして、粒径約5m
mのペレットを得た。得られたペレットを射出成形し
て、3.0mm厚さのJIS K7113、1号形試験
片を作製した。 引張速度100mm/分で、引張試験
を行った。 引張強度; 175Kgf/cm2 伸度 ; 250% Izod衝撃強さ(幅3mm、ノッチ付)を測定したが、
30Kgf・cmハンマ−で破壊しなかった。また、試
験片のショア−硬度(Dスケ−ル)は50であった。
【0019】実施例−2 実施例−1と同様の化学架橋ポリエチレン(化学架橋P
E)の粗粒体とペレットの粒径が約3mmのポリプロピ
レン(PP)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)およ
びポリアミド−12(PA−12)を各々下記の割合で
混合して、3種の混合物を得た。 化学架橋PE/PP =70重量部/30重量部 化学架橋PE/HIPS =70重量部/30重量部 化学架橋PE/PA−12=70重量部/30重量部 次いで、多段石臼型混練押出し機(KCK社製:KCK
EX80×6)のブレ−ド段数は6段、ブレ−ドクリ
アランスは、3mm、2mm、1mmの3段階で、前段
は広く、後段は狭くなるようにセットし、混練部の温度
を180℃に、回転数を60rpmに設定した。この混
練押出し機に上記ポリマ−の混合物を連続投入して混練
を行い、実施例1と同じように混練物をノズルから押出
し3種のペレットを得た。得られた3種のペレットから
加熱圧縮成形により、約2mm厚さのシ−トを作製し
た。 これらのシ−トからJIS K7113、2号形
試験片をつくり、実施例1と同条件で引張試験を行っ
た。 試験結果を表−1に示す。 表−1 混 練 物 組 成 試験片厚さ 引張強度 伸 度 (m) (Kgf/cm2) (%) 化学架橋PE/PP 2.05 205 550 化学架橋PE/HIPS 2.09 150 50 化学架橋PE/PA−12 1.95 170 220
E)の粗粒体とペレットの粒径が約3mmのポリプロピ
レン(PP)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)およ
びポリアミド−12(PA−12)を各々下記の割合で
混合して、3種の混合物を得た。 化学架橋PE/PP =70重量部/30重量部 化学架橋PE/HIPS =70重量部/30重量部 化学架橋PE/PA−12=70重量部/30重量部 次いで、多段石臼型混練押出し機(KCK社製:KCK
EX80×6)のブレ−ド段数は6段、ブレ−ドクリ
アランスは、3mm、2mm、1mmの3段階で、前段
は広く、後段は狭くなるようにセットし、混練部の温度
を180℃に、回転数を60rpmに設定した。この混
練押出し機に上記ポリマ−の混合物を連続投入して混練
を行い、実施例1と同じように混練物をノズルから押出
し3種のペレットを得た。得られた3種のペレットから
加熱圧縮成形により、約2mm厚さのシ−トを作製し
た。 これらのシ−トからJIS K7113、2号形
試験片をつくり、実施例1と同条件で引張試験を行っ
た。 試験結果を表−1に示す。 表−1 混 練 物 組 成 試験片厚さ 引張強度 伸 度 (m) (Kgf/cm2) (%) 化学架橋PE/PP 2.05 205 550 化学架橋PE/HIPS 2.09 150 50 化学架橋PE/PA−12 1.95 170 220
【0020】実施例−3 化学架橋ポリエチレン(化学架橋PE)とポリプロピレ
ン(PP)は実施例2と同様のポリマ−を使用し、両者
の混合比を変化させて、混練用オ−プンロ−ルにより混
練を行った。 混練温度はポリプロピレン含量の小さい
ものは高く、その含量が大きいものは低くセットした。
混練物ペレットから加熱圧縮成形によりシ−トを作製し
た。 これらのシ−トからJIS K7113、2号形
試験片をつくり、実施例1と同条件で引張試験を行っ
た。 化学架橋PEとPPの混合比、混練温度および試
験結果を表−2に示す。さらに、表−2No.3の材料
の加熱圧縮成形シ−トを切り出して、昇温速度10℃/
分の条件でDSC測定を行なった所、吸熱ピ−ク温度が
164.0℃で、原料として用いたポリプロピレンの吸
熱ピ−ク温度170.0℃よりも6.0℃低く、ポリプ
ロピレンと架橋ポリエチレンが部分的にアロイ化してい
ることが認められた。 表−2 No. 化学架橋PE/PP 混練温度 試験片厚さ 引張強度 伸 度 (部) (℃) (mm) (Kgf/cm2) (%) 1 95/ 5 200 2.50 160 150 2 90/10 190 2.07 175 170 3 80/20 185 2.10 185 190 4 70/30 180 2.30 180 200 5 60/40 175 2.06 175 210 6 50/50 170 1.90 182 220
ン(PP)は実施例2と同様のポリマ−を使用し、両者
の混合比を変化させて、混練用オ−プンロ−ルにより混
練を行った。 混練温度はポリプロピレン含量の小さい
ものは高く、その含量が大きいものは低くセットした。
混練物ペレットから加熱圧縮成形によりシ−トを作製し
た。 これらのシ−トからJIS K7113、2号形
試験片をつくり、実施例1と同条件で引張試験を行っ
た。 化学架橋PEとPPの混合比、混練温度および試
験結果を表−2に示す。さらに、表−2No.3の材料
の加熱圧縮成形シ−トを切り出して、昇温速度10℃/
分の条件でDSC測定を行なった所、吸熱ピ−ク温度が
164.0℃で、原料として用いたポリプロピレンの吸
熱ピ−ク温度170.0℃よりも6.0℃低く、ポリプ
ロピレンと架橋ポリエチレンが部分的にアロイ化してい
ることが認められた。 表−2 No. 化学架橋PE/PP 混練温度 試験片厚さ 引張強度 伸 度 (部) (℃) (mm) (Kgf/cm2) (%) 1 95/ 5 200 2.50 160 150 2 90/10 190 2.07 175 170 3 80/20 185 2.10 185 190 4 70/30 180 2.30 180 200 5 60/40 175 2.06 175 210 6 50/50 170 1.90 182 220
【0021】実施例−4 実施例−2と同様の化学架橋ポリエチレン(化学架橋P
E)とポリプロピレン(PP)を各50重量部を混合
し、混練温度を165℃および240℃で、実施例−2
と同様の石臼型混練押出し機により混練物のペレットを
得た。 これらのペレットから実施例−3と同様にして
JIS K7113、2号形試験片をつくり、引張試験
を行って、表−3の試験結果を得た。 表−3 化学架橋PE/PP 混練温度 試験片厚さ 引張強度 伸 度 (部) (℃) (mm) (Kgf/cm2) (%) 50/50 165 2.00 195 700 50/50 240 2.05 180 150
E)とポリプロピレン(PP)を各50重量部を混合
し、混練温度を165℃および240℃で、実施例−2
と同様の石臼型混練押出し機により混練物のペレットを
得た。 これらのペレットから実施例−3と同様にして
JIS K7113、2号形試験片をつくり、引張試験
を行って、表−3の試験結果を得た。 表−3 化学架橋PE/PP 混練温度 試験片厚さ 引張強度 伸 度 (部) (℃) (mm) (Kgf/cm2) (%) 50/50 165 2.00 195 700 50/50 240 2.05 180 150
【0022】実施例−5 実施例−1と同様の化学架橋ポリエチレン(化学架橋P
E)と低密度ポリエチレン(PE)を使用して、化学架
橋PE/PEの混合比を80重量部/20重量部および
50重量部/50重量部の2種の混合物を単軸混練押出
し機(陸亞社製:RY−30)で混練した。 混練温度
はいずれも160℃に設定した。混練物をペレット化
し、加熱圧縮成形でシ−トを作製して、JIS K71
13、2号形試験片をつくり、引張試験を行って、表−
4の試験結果を得た。 表−4 化学架橋PE/PE 混練温度 試験片厚さ 引張強度 伸 度 (部) (℃) (mm) (Kgf/cm2) (%) 80/20 160 2.10 200 250 50/50 160 2.15 175 30
E)と低密度ポリエチレン(PE)を使用して、化学架
橋PE/PEの混合比を80重量部/20重量部および
50重量部/50重量部の2種の混合物を単軸混練押出
し機(陸亞社製:RY−30)で混練した。 混練温度
はいずれも160℃に設定した。混練物をペレット化
し、加熱圧縮成形でシ−トを作製して、JIS K71
13、2号形試験片をつくり、引張試験を行って、表−
4の試験結果を得た。 表−4 化学架橋PE/PE 混練温度 試験片厚さ 引張強度 伸 度 (部) (℃) (mm) (Kgf/cm2) (%) 80/20 160 2.10 200 250 50/50 160 2.15 175 30
【0023】
【発明の効果】単独では溶融し難い架橋ポリエチレンに
熱可塑性ポリマ−を加え、熱可塑性ポリマ−の溶融温度
以上の温度に加熱して、剪断力をかけながら混練して得
られる本発明の材料は、溶融性、流動性が生起されてい
るので、射出成形や押出し成形など溶融成形が可能であ
る。また、本発明の材料によって、従来、焼却廃棄され
ていた電線被覆などの廃架橋ポリエチレンに有用なリサ
イクル利用の途が見出された。
熱可塑性ポリマ−を加え、熱可塑性ポリマ−の溶融温度
以上の温度に加熱して、剪断力をかけながら混練して得
られる本発明の材料は、溶融性、流動性が生起されてい
るので、射出成形や押出し成形など溶融成形が可能であ
る。また、本発明の材料によって、従来、焼却廃棄され
ていた電線被覆などの廃架橋ポリエチレンに有用なリサ
イクル利用の途が見出された。
Claims (7)
- 【請求項1】 架橋ポリエチレンの破砕体に熱可塑性
ポリマ−を添加して混合物となし、熱可塑性ポリマ−の
溶融温度以上の温度で、剪断力をかけながら該混合物を
混練してなる成形材料 - 【請求項2】 架橋ポリエチレンが化学架橋ポリエチ
レンである特許請求の範囲第1項記載の成形材料 - 【請求項3】 熱可塑性ポリマ−がポリオレフィンで
ある特許請求の範囲第1項乃至第2項のいずれかに記載
の成形材料 - 【請求項4】 熱可塑性ポリマ−の含有量が5重量%
以上である特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか
に記載の成形材料 - 【請求項5】 熱可塑性ポリマ−の溶融温度乃至溶融
温度より100℃高い温度で混練してなる特許請求の範
囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の成形材料 - 【請求項6】 熱可塑性ポリマ−の溶融温度より5℃
乃至40℃高い温度で混練してなる特許請求の範囲第1
項乃至第4項のいずれかに記載の成形材料 - 【請求項7】 10℃/分の昇温速度で測定したDS
Cの溶融挙動で、吸熱ピ−クの温度が用いたポリオレフ
ィン単体よりも1℃以上低いことを特徴とする請求項3
に記載の成形材料
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26298597A JPH11100448A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 架橋ポリエチレンを含む成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26298597A JPH11100448A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 架橋ポリエチレンを含む成形材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11100448A true JPH11100448A (ja) | 1999-04-13 |
Family
ID=17383303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26298597A Pending JPH11100448A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 架橋ポリエチレンを含む成形材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11100448A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002079303A1 (fr) * | 2001-03-28 | 2002-10-10 | Sony Corporation | Procede de recuperation de resine |
JP2010235702A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Tohoku Paul Kk | 架橋ポリエチレン廃材混入オレフィン系樹脂組成物 |
JP2010235706A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Tohoku Electric Power Co Inc | 架橋ポリエチレン廃材混入再生合成樹脂組成物 |
-
1997
- 1997-09-29 JP JP26298597A patent/JPH11100448A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002079303A1 (fr) * | 2001-03-28 | 2002-10-10 | Sony Corporation | Procede de recuperation de resine |
US7037951B2 (en) | 2001-03-28 | 2006-05-02 | Sony Corporation | Process for regenerating resins |
JP2010235702A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Tohoku Paul Kk | 架橋ポリエチレン廃材混入オレフィン系樹脂組成物 |
JP2010235706A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Tohoku Electric Power Co Inc | 架橋ポリエチレン廃材混入再生合成樹脂組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR910000946B1 (ko) | 열가소성 수지용 셀룰로즈계 충전제 | |
Pawlak et al. | Recycling of postconsumer poly (ethylene terephthalate) and high‐density polyethylene by compatibilized blending | |
US20190177448A1 (en) | Molecular modification of polyethylene resin | |
Kim et al. | Study on the thermoplastic vulcanizate using ultrasonically treated rubber powder | |
JP2011006521A (ja) | リサイクルpetペレットの製造方法、ペレット及びそれを用いた成形品 | |
US4313873A (en) | Novel method for reducing the processing temperature of thermoplastic polymers | |
JPH11100448A (ja) | 架橋ポリエチレンを含む成形材料 | |
CN109721928B (zh) | 一种聚丙烯组合物及其制备方法和应用 | |
JPH1036600A (ja) | 架橋ポリエチレンを含む成形材料 | |
JP3462808B2 (ja) | 石炭灰混入熱可塑性樹脂材料及びその製造方法 | |
JPS58134137A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH11100447A (ja) | 架橋ポリマ−を含む複合体粉末 | |
JP4536269B2 (ja) | ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した鉛筆ないし鉛筆型化粧品 | |
JP2001164015A (ja) | 多孔質フィルムとその製造方法、及び樹脂ノート | |
JPH01161043A (ja) | ポリエステル樹脂組成物の製造方法 | |
Kallel et al. | Effect of model pollutants on the recycling of PE/PS plastic blends | |
JPH1046037A (ja) | 架橋ポリマーを含む複合体粉末 | |
JP2002225011A (ja) | 成形用木質系組成物及びその製造方法 | |
JP2004075872A (ja) | ポリオレフィン発泡用成形材料 | |
JP3573219B2 (ja) | 艶消し熱可塑性樹脂成形品の製造方法 | |
JPS5930837A (ja) | 導電性樹脂組成物 | |
KR20060025432A (ko) | 열가소성 수지 조성물의 상용성 향상방법 | |
JP2003096231A (ja) | 発泡ポリエチレンを含む発泡体用成形材料 | |
US5849819A (en) | Vibration damping material | |
JP2024510003A (ja) | バッテリ電極プレート用の導電性組成物 |