JPH11100447A - 架橋ポリマ−を含む複合体粉末 - Google Patents

架橋ポリマ−を含む複合体粉末

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JPH11100447A
JPH11100447A JP9262986A JP26298697A JPH11100447A JP H11100447 A JPH11100447 A JP H11100447A JP 9262986 A JP9262986 A JP 9262986A JP 26298697 A JP26298697 A JP 26298697A JP H11100447 A JPH11100447 A JP H11100447A
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thermoplastic resin
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crosslinked polymer
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JP9262986A
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Toshimi Nakaki
喜 代 巳 中
Norihiro Kikuchi
地 紀 洋 菊
Ikuo Narisawa
澤 郁 夫 成
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、それ自体は溶融し難い架橋ポリマ−
を変性して、溶融成形可能な複合体粉末を提供する。 【解決手段】架橋ポリマ−と熱可塑性樹脂の混合物を、
二軸混練押出し機や石臼型混練押出し機等を用いて、該
熱可塑性樹脂の溶融温度以下の温度で、固相状態で剪断
力をかけながら粉砕することなどにより溶融成形可能な
複合体粉末が効率的に得られる。本発明の複合体粉末
は、架橋ポリマ−と熱可塑性樹脂の単独粉末の混合物よ
り溶融性、流動性に優れ、はるかに成形性が良好であ
り、得られる成形品の物性も優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリマ−が熱
可塑性樹脂に包含されている複合体粉末に関わるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリマ−はそれ自身を単独で射出成
形や押出し成形のような生産性の高い加工プロセスにか
けることが難しい。 そのため、架橋ゴムや架橋ポリエ
チレンなどの架橋ポリマ−は、これを粒状にして熱可塑
性樹脂にフィラ−として混合し、射出成形や押出し成形
にかけて、成形品を得ようとする試みが一般に行われて
いる。
【0003】しかしながら、従来の粒状架橋ポリマ−
は、熱可塑性樹脂との相溶性に乏しいために、熱可塑性
樹脂と混合して射出成形や押出し成形を行っても性能の
劣悪な成形体しか得られなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、そのままで
射出成形や押出し成形ができ、良好な性能の成形体が得
られる架橋ポリマ−を含む複合体粉末を提供することを
課題とする。 さらには、熱可塑性樹脂と混合して射出
成形や押出し成形を行うことにより良好な性能の成形体
が得られる架橋ポリマ−を含む複合体粉末を提供するこ
とをもう一つの課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
に包含された架橋ポリマ−を含む複合体粉末を得ること
によって上記の課題を解決するものである。
【0006】発明者らは、架橋ポリマ−を固相状態で剪
断力によって機械的に粉砕することによって粉末化する
ことについて鋭意研究した結果、驚くべきことに架橋ポ
リマ−に易溶融性ポリマ−である熱可塑性樹脂を添加し
て混合し、熱可塑性樹脂の溶融温度以下の温度で固相の
状態で剪断力をかけて粉砕することによって、目的とす
る熱可塑性樹脂に包含された架橋ポリマ−を含む複合体
粉末が得られることを見出した。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の架橋ポリマ−を含
む複合体粉末について詳しく説明する。
【0008】本発明に用いられる架橋ポリマ−は、熱に
より部分的に溶融することはあっても、全体としては極
めて溶融し難いため、流動性に乏しい。 また、常温以
上で一般に靱性が高く、衝撃や剪断などの外力に対して
抵抗し、破壊され難い。これらの架橋ポリマ−の例とし
ては、架橋ゴム、架橋ポリオレフィン、架橋ポリウレタ
ンなどをあげることができる。
【0009】ここで云う架橋ゴムとは、一般に加硫ゴム
と言われるイオウ架橋ゴムと炭素−炭素架橋である非イ
オウ架橋ゴムなどである。 イオウ架橋には架橋剤であ
るイオウと加硫促進剤が使われ、非イオウ架橋には、有
機過酸化物、金属酸化物、キノンジオキシム、チオ尿素
などが用いられる。 具体的な架橋ゴムの例としては、
ポリイソプレン、ポリブチレン、ポリブタジエン、スチ
レン−ブタジエンポリマ−、エチレン−プロピレンポリ
マ−、ポリクロロプレンなどの合成ゴムおよび天然ゴム
の一種或いは二種以上をイオウまたは炭素−炭素架橋し
たものをあげることができる。
【0010】一方、架橋ポリオレフィンは、有機過酸化
物やシラン化合物などによる化学的方法と電子線照射に
よる方法などで、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィンを架橋したものである。
【0011】また、架橋ポリウレタンとしては、例え
ば、グリコ−ル化合物とジイソシアネ−ト化合物の中
に、分子中に3個以上の水酸基を有するポリオ−ル化合
物及び/又は3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリ
イソシアネ−ト化合物を一部含んでいるモノマ−から得
られる架橋されたポリウレタン、或いは側鎖にイソシア
ネ−ト基が残存するポリウレタンを水などで架橋したも
のをあげることができる。
【0012】本発明に用いられる架橋ポリマ−はクラッ
シャ−などの破砕機で粗粒体にしたものが好ましく、そ
の形状は好ましくはペレット状で、10mm以下、好ま
しくは5mm以下の粒径であることが望ましい。
【0013】本発明に用いる熱可塑性樹脂は、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチ
レン、ABS樹脂などのスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル
などのビニル樹脂、ナイロン、ポリカ−ボネ−ト、ポリ
アセタ−ル、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレ
ンテレフタレ−ト、ポリフェニレンサルファイド、変性
ポリフェニレンエ−テルなどのエンジニアリング樹脂の
中から目的に応じて選択する。 例えば、廃タイヤの架
橋ゴムや廃電線被覆の架橋ポリエチレンを用い、そのリ
サイクル利用を目的とする場合には、熱可塑性樹脂とし
ては加工性が良く、低廉なポリエチレンやポリプロピレ
ンが好適である。
【0014】熱可塑性樹脂の添加量は、5重量%以上5
0重量%であることが好ましい。
【0015】本発明の架橋ポリマ−を含む複合体粉末
は、例えば架橋ポリマ−の粗粒体に熱可塑性樹脂のペレ
ットを添加して混合した後、一軸或いは二軸混練押出し
機または石臼型混練押出し機に投入し、固相状態の混合
物に剪断力をかけて粉砕することによって得ることがで
きる。 架橋ポリマ−に熱可塑性樹脂を添加した後、両
者の混合物を押出し機等を通して加熱し、熱可塑性樹脂
を溶融させ、両者を密着した状態に至らしめ、次いでそ
の溶融混合物を冷却し、そのまま同一の押出し機で固相
剪断粉砕を行わせるか、或いは該溶融混合物を押出し機
から取り出して冷却し、破砕或いは裁断して粗粒体を形
成させ、その粗粒体を別の粉砕機に投入して固相で剪断
粉砕すると粒径の小さい複合体粉末が得られる。 特に
混練粉砕機として石臼型混練押出し機或いは二軸混練押
出し機を用いて熱可塑性樹脂の溶融温度よりも10〜5
0℃低い温度に制御し、高剪断力によって粉砕すると良
好な複合体粉末が得られる。
【0016】本発明の架橋ポリマ−を含む複合体粉末
は、熱可塑性樹脂の中に架橋ポリマ−が包含されている
複合体粉末である。 粉末の粒径は粉末化の方法、条件
によって定まる。 複合体粉末の応用の面からは、粒径
は3mm以下、さらには300μm以下であることが好
ましい。 複合体粉末の中での架橋ポリマ−と熱可塑性
樹脂との分散状態は、熱可塑性樹脂の中に架橋ポリマ−
がドメインとして分散していることが基本であるが、架
橋ポリマ−のドメインの大きさは1μm以下のものから
数百μmのものまで種々のものが含まれる。本発明の複
合体粉末は熱可塑性樹脂と架橋ポリマ−が部分的にアロ
イ化している。 アロイ化の程度はDSCの熱的性質の
測定によって知ることができる。10℃/分の昇温速度
で測定したDSCの溶融挙動で吸熱ピ−クの温度が熱可
塑性樹脂単体よりも低下しているのが観測される。 吸
熱ピ−ク温度の低下の程度は熱可塑性樹脂と架橋ポリマ
−との組み合わせや剪断の条件によって異なる。吸熱ピ
−ク温度の低下は1℃以上であり、高度にアロイ化して
いるものは5℃以上、場合によっては10℃以上に及ぶ
ものもある。
【0017】本発明の複合体粉末は、粉末自身を射出成
形機、押出し成形機などの生産性の高い成形機に投入し
て、容易に成形加工することができる。 また、本発明
の複合体粉末を、熱可塑性樹脂のペレットと混合して、
射出成形機、押出し成形機などに投入して、成形加工す
ることも容易にできる。 この場合、複合体粉末と混合
する熱可塑性樹脂としては、複合体粉末の構成成分であ
る熱可塑性樹脂と同種のものはもちろんのこと、ケ−ス
によっては、他種の熱可塑性樹脂も用いることができ
る。 場合によっては、複合体粉末を複数の熱可塑性樹
脂と混合して、成形加工することもできる。 また、本
発明の複合体粉末を押出し機などによってペレット化
し、成形作業性を改良した成形用材料とすることができ
る。 さらには、本発明の複合体粉末と熱可塑性樹脂の
ペレットとを混合した後、押出し機などによってペレッ
ト化して成形用材料とすることができる。
【0018】
【実施例】以下、例をあげて本発明を説明するが、これ
らの例によって本発明の範囲が制限されるものではな
い。
【0019】実施例−1 約2mmの粒径に粗砕した天然ゴム/合成ゴム(組成
比:40/60)からなる廃タイヤゴム60重量部に、
粒径が約3mmの低密度ポリエチレンペレット40重量
部を加え、ブレンダ−を用いて均一に混合して両ポリマ
−の混合物を得た。次いで、多段石臼型混練押出し機
(KCK社製:KCK EX80×6)のブレ−ド段数
は6段、ブレ−ドクリアランスは2mm、1.5mm及
び1mmの3段階で、前段は広く後段は狭くなるようセ
ットし、ブレ−ド前段部の温度は70℃に、後段部は4
0℃に調整した。 また、回転数は60rpmに設定し
た。この押出し機に上記ポリマ−の混合物を連続投入し
て剪断粉砕を行なった。ポリマ−混合物は固相で剪断粉
砕が円滑に行なわれて、架橋ゴムとポリエチレンの複合
体粉末が得られた。この複合体粉末の形態を光学顕微
鏡、走査型電子顕微鏡で観察した結果、低密度ポリエチ
レンの中に架橋ゴムが包含されていることが確認され
た。 粉末の平均粒径は200μmであった。 この複
合体粉末を昇温速度10℃/分の条件でDSC測定を行
なった所、吸熱ピ−ク温度が112.8℃で、原料とし
て用いた低密度ポリエチレンの吸熱ピ−ク温度114.
2℃よりも1.4℃低かった。この複合体粉末を射出成
形、押出し成形したところ成形性は良好であった。ま
た、この複合体粉末を加熱圧縮成形機にかけて、約2m
m厚さのシ−トを作製し、このシ−トからJIS K7
113、2号試験片をつくり、引張速度100mm/分
で、引張試験などを行った。 結果は次の通りであっ
た。 引張強度; 91.5Kgf/cm2 伸度 ; 200% 硬度 ; 90(JIS−A) Izod衝撃強さ(幅3mm、ノッチ付)の測定結果、
30Kgf・cmハンマ−で破壊しなかった
【0020】実施例−2 架橋ポリエチレンで被覆された廃電線から銅線を取り除
いて得られた廃架橋ポリエチレンをクラッシャ−で破砕
した約3mm粒径の架橋ポリエチレンペレット80重量
部に、粒径が約3mmの低密度ポリエチレンペレット2
0重量部を加え、ブレンダ−を用いて均一に混合して両
ポリマ−の混合物を得た。多段石臼型混練押出し機のブ
レ−ドクリアランスを3mm、2mm及び1mmにした
以外は混練押出し機の設定条件を実施例−1と同じにし
て、上記ポリマ−の混合物を連続投入して剪断粉砕し
た。この複合体粉末の形態を光学顕微鏡、走査型電子顕
微鏡で観察した結果、低密度ポリエチレンの中に架橋ポ
リエチレンが包含されている平均粒径は150μmの粉
末であった。 この複合体粉末を昇温速度10℃/分の
条件でDSC測定を行なった所、吸熱ピ−ク温度が10
6.8℃で、原料として用いた低密度ポリエチレンの吸
熱ピ−ク温度114.2℃よりも7.4℃低く、低密度
ポリエチレンと架橋ポリエチレンが部分的にアロイ化し
ていることが認められた。この複合体粉末は溶融時に流
動性があり、射出成形、押出し成形の成形性が良好であ
った。 Izod衝撃強さ試験でも30Kgf・cmハ
ンマ−で破壊しなかった。得られた複合体粉末を射出成
形して、3.0mm厚さのJIS K7113、1号形
試験片をつくり、引張速度100mm/分で、引張試験
などを行った。試験結果は以下の通りであった。 引張強度; 210Kgf/cm2 伸度 ; 230% 硬度 ; 48(ショア−D)
【0021】実施例−3 実施例−2と同様の架橋ポリエチレンペレット(架橋P
E)と粒径が約3mmのポリプロピレン(PP)を用
い、両者の混合比を変化させて、多段石臼型混練押出し
機により剪断粉砕して5種の複合体粉末を得た。混練押
出し機の設定条件及びポリマ−混合物の投入速度は次の
通りとした。 ブレ−ド段数 : 10段 ブレ−ドクリアランス: 3mm、2mm、1mmの3段階 ブレ−ド部温度 : 前段部;230℃、後段部;50℃ 回 転 数 : 60rpm 混合物投入速度 : 12kg/hr これらポリマ−の混合物は、前段の混練部でポリプロピ
レンが溶融し、後段の剪断部では冷却固化され、固相で
の剪断粉砕が円滑に行われた。得られた複合体粉末から
加熱圧縮成形によりシ−トを作製した。 これらのシ−
トからJIS K7113、2号試験片をつくり、実施
例−1と同一条件で引張試験を行った。 架橋PEとP
Pの混合比、試験結果を表−1に示す。 表−1 架橋PE/PP 試験片厚さ 引張強度 伸 度 (部) (mm) (Kgf/cm2) (%) 95/ 5 2.20 170 190 90/10 2.05 185 200 80/20 2.15 195 220 70/30 2.30 180 250 60/40 2.10 190 230 これらの複合体粉末は、すべて溶融成形性を有し、射出
成形等で良好な成形品得られた。 また、成形品の耐衝
撃性も優れていた。
【0022】実施例−4 粒径を約4mmに粗砕した実施例−1と同一品種の廃タ
イヤゴム70重量部と粒径が約3mmのポリプロピレン
ペレット30重量部を実施例−1と同様の方法で均一に
混合した。この混合物を、混練部の温度を230℃、ス
クリュ−回転数を200rpmにセットした二軸混練押
出し機(ベルストルフ社製:ZE−40A)にかけて、
ポリプロピレンの溶融した複合体をノズルから押し出し
て冷却、カットし、粒径が約4mmの複合体ペレットを
調製した。ブレ−ド段数を5段、ブレ−ドクリアランス
を1mm、ブレ−ド前段部の温度を120℃に、後段部
を50℃にセットした実施例−1と同様の多段石臼型混
練押出し機に、この複合体ペレットを14〜15Kg/
hrのフィ−ド量で連続投入し、剪断粉砕して粉末化し
た。得られた複合体粉末はポリプロピレンの中にゴムが
包含されている平均粒径300μmの粉末であった。こ
の複合体粉末を昇温速度10℃/分の条件でDSC測定
を行なったところ、吸熱ピ−ク温度が153.3℃で、
原料として用いたポリプロピレンの吸熱ピ−ク温度16
5.5℃よりも12.2℃低かった。この複合体粉末を
射出成形機にかけて成形したところ流動性が良好であっ
た。射出成形試験片の引張強度、伸度は各々、95Kg
f/cm2、165%で、あった。 また、耐衝撃性も
充分であった。
【0023】実施例−5 実施例−2と同様の方法で粗砕した約4mm粒径の架橋
ポリエチレンペレット70重量部に、粒径が約3mmの
高密度ポリエチレンペレット30重量部を加えて均一に
混合した。実施例−1と同様の多段石臼型混練押出し機
でブレ−ド段数を5段、ブレ−ドクリアランスを1m
m、ブレ−ド部温度を190℃にして、この両ポリマ−
の混合物を混練し、ノズルから押出し冷却、カットし
て、粒径約5mmの複合体ペレットを調製した。次い
で、スクリュ−回転数を200rpmにセットした二軸
混練押出し機に、この複合体ペレットを連続投入し、剪
断粉砕中は該押出し機のシリンダ−温度を60℃〜40
℃に保持しながら粉末化を行なった。この架橋ポリエチ
レン/低密度ポリエチレンの複合体粉末は射出成形、押
出し成形等の溶融成形性が良好であった。この複合体粉
末から加熱圧縮成形による1.5mm厚さのシ−トと射
出成形試験片を作製した。 それらの引張強度、伸度は
次の通りであった。 加熱圧縮成形品: 引張強度; 220Kgf/cm2 伸度 ; 300% 射出成形試験片: 引張強度; 210Kgf/cm2 伸度 ; 190%
【0024】実施例−6 粒径を約4mmに粗砕した実施例−1と同一品種の廃タ
イヤゴム(架橋ゴム)90重量部と粒径が約3mmの低
密度ポリエチレンペレット(PE)10重量部を実施例
−1と同様の方法で均一に混合した。この混合物を、混
練部の温度を190℃、スクリュ−回転数を200rp
mにセットした実施例−4と同様の二軸混練押出し機に
かけて、ポリエチレンの溶融した複合体をノズルから押
し出して冷却、カットし、粒径が約4mmの複合体ペレ
ットを調製した。ブレ−ド段数を5段、ブレ−ドクリア
ランスを1mm、ブレ−ド前段部の温度を70℃に、後
段部を40℃にセットした実施例−1と同様の多段石臼
型混練押出し機に、この複合体ペレットを10〜12K
g/hrのフィ−ド量で連続投入し、剪断粉砕して「架
橋ゴム/PE」の複合体粉末を得た。得られた「架橋ゴ
ム/PE」の複合体粉末に同種の低密度ポリエチレンペ
レットを加えて、数種の配合比の異なる「架橋ゴム/P
E」の混合物を調製し、上記の二軸混練押出し機により
複合体ペレットをつくった。得られた複合体粉末及び全
ての複合体ペレットは射出成形性、押出し成形性が良好
であった。 また、複合体ペレットを顕微鏡観察したと
ころ、架橋ゴム粉末が均一に分散していることも確認で
きた。上記複合体粉末と複合体ペレットをシ−ト化し
て、実施例−1の場合と同様に引張試験などを行って、
表−2の結果を得た。 表−2 架橋ゴム/PE 試験片厚さ 引張強度 伸 度 硬 度 (部) (mm) (Kgf/cm2) (%) (JIS-A) 90/10(粉末) 2.2 40.6 140 70 80/20(ペレット) 2.0 51.0 170 79 70/30(ペレット) 2.1 77.5 190 84 50/50(ペレット) 2.3 100.5 250 93 30/70(ペレット) 2.1 120.7 320 94 20/80(ペレット) 1.9 145.0 400 95
【0025】実施例−7 架橋ポリマ−として、架橋ゴム、架橋ポリエチレンおよ
び架橋ポリウレタンを、熱可塑性樹脂にはポリオレフィ
ン以外の樹脂を使用して、多段石臼型混練押出し機を用
い、溶融混練、固相剪断粉砕を連続的に行い、複合体粉
末を調製した。架橋ゴム、架橋ポリエチレンは前記実施
例と同一のものを、架橋ポリウレタンはクラッシャ−に
より粒径3乃至4mmに粗砕したものを使用した。架橋
ポリマ−と熱可塑性樹脂の組合せは、架橋ゴムには、ポ
リスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)と、架橋ポリエチレンには、ポリエチレンテレフタ
レ−ト(PET)、ポリカ−ボネ−ト(PC)と、架橋ポ
リウレタンには、ポリアミド−12(PA−12)とし
た。また、架橋ポリマ−と熱可塑性樹脂の混合比は、全
て架橋ポリマ−が80重量部、熱可塑性樹脂が20重量
部とした。多段石臼型混練押出し機の設定条件は、ブレ
−ド段数を10段に、ブレ−ドクリアランスを3mm、
2mm、1mm(前段は広く、後段は狭く)に、回転数
を60rpmに、混合物投入速度を12kg/hrに設
定した。 また、ブレ−ド部の温度は、前段を熱可塑性
樹脂の溶融温度より高い温度に、後段を熱可塑性樹脂の
種類により120℃から50℃にセットした。以上のよ
うにして得られた5種の複合体粉末は全て射出成形、押
出し成形が可能であった。更に、架橋ゴム/PSの複合
体粉末とアクリル・ブタジエン・スチレンコポリマ−
(ABS)、ポリフェニレンエ−テル(PPE)および
架橋ポリエチレン/PETの複合体粉末とポリエチレン
テレフタレ−ト(PET)、ポリブチレンテレフタレ−
ト(PBT)の混合物を調製した。 複合体粉末と熱可
塑性樹脂の混合比は、全て複合体粉末が60重量部、熱
可塑性樹脂が40重量部とした。次いで、これら4種の
混合物を二軸混練押出し機を用いて混練して、複合体ペ
レットを得た。 得られた複合体ペレットには架橋ポリ
マ−が均一に分散していることが顕微鏡観察により確認
された。 また、これら複合体ペレットも射出成形、押
出し成形することが出来た。
【0026】
【発明の効果】単独では溶融し難い架橋ポリマ−に熱可
塑性樹脂を混合し、熱可塑性樹脂の溶融温度以下の温度
で、剪断力をかけながら粉砕すること等によって得られ
る本発明の架橋ポリマ−を含む複合体粉末は、溶融性、
流動性が生起されているので、射出成形や押出し成形な
ど溶融成形が可能である。また、本発明の複合体粉末
は、従来、焼却廃棄されていた電線被覆などの廃架橋ポ
リエチレンや燃焼による熱源利用が主であった廃タイヤ
などの架橋ゴムを有用にリサイクル利用するものであ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ポリマ−が熱可塑性樹脂の中に包含
    されている複合体粉末
  2. 【請求項2】 架橋ポリマ−に熱可塑性樹脂を添加して
    混合物となし、熱可塑性樹脂の溶融温度以下の温度で、
    剪断力によって該混合物を粉砕してなる特許請求の範囲
    第1項記載の複合体粉末
  3. 【請求項3】 架橋ポリマ−が架橋ゴム或いは架橋ポリ
    オレフィンである特許請求の範囲第1項乃至第2項のい
    ずれか1つに記載の複合体粉末
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂がポリオレフィンである特
    許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1つに記載の
    複合体粉末
  5. 【請求項5】 架橋ポリマ−の配合量が50〜95重
    量%である特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか
    1つに記載の複合体粉末
  6. 【請求項6】 粉末の平均粒径が3mm以下である特許
    請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか1つに記載の複
    合体粉末
  7. 【請求項7】 粉末の平均粒径が300μm以下である
    特許請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか1つに記載
    の複合体粉末
  8. 【請求項8】 10℃/分の昇温速度で測定したDSC
    の溶融挙動で、吸熱ピ−クの温度が用いたポリオレフィ
    ン単体よりも1℃以上低いことを特徴とする請求項4に
    記載の複合体粉末
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002212342A (ja) * 2001-01-16 2002-07-31 Bridgestone Corp ゴム組成物及びその製造方法
JP2008050534A (ja) * 2006-08-28 2008-03-06 Japan Electric Cable Technology Center Inc 硬化性材の添加粒体
JP2008069209A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 J-Power Systems Corp 架橋ポリオレフィン樹脂の熱可塑化方法及びポリオレフィン樹脂

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