JPH1046037A - 架橋ポリマーを含む複合体粉末 - Google Patents

架橋ポリマーを含む複合体粉末

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JPH1046037A
JPH1046037A JP23121596A JP23121596A JPH1046037A JP H1046037 A JPH1046037 A JP H1046037A JP 23121596 A JP23121596 A JP 23121596A JP 23121596 A JP23121596 A JP 23121596A JP H1046037 A JPH1046037 A JP H1046037A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
crosslinked
composite powder
crosslinked polymer
composite
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JP23121596A
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English (en)
Inventor
Kiyomi Naka
喜代巳 中
Norihiro Kikuchi
紀洋 菊地
Ikuo Narisawa
郁夫 成澤
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AMUKO ENTERP KK
Original Assignee
AMUKO ENTERP KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、それ自体は溶融し難い架橋ポリ
マーを変性して、溶融成形可能な複合体粉末を提供す
る。 【構成】 架橋ポリマーと熱可塑性樹脂の混合物を、
二軸混練押出し機や石臼型混練押出し機等を用いて、該
熱可塑性樹脂の溶融温度以下の温度で、固相状態で剪断
力をかけながら粉砕することなどにより溶融成形可能な
複合体粉末が効率的に得られる。 【効果】本発明の複合体粉末は、架橋ポリマーと熱可塑
性樹脂の単独粉末の混合物より溶融性、流動性に優れ、
はるかに成形性が良好であり、得られる成形品の物性も
優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリマーが熱
可塑性樹脂に包含されている複合体粉末に関わるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリマーはそれ自身を単独で射出成
形や押出し成形のような生産性の高い加工プロセスにか
けることが難しい。 そのため、架橋ゴムや架橋ポリエ
チレンなどの架橋ポリマーは、これを粒状にして熱可塑
性樹脂にフィラーとして混合し、射出成形や押出し成形
にかけて、成形品を得ようとする試みが一般に行われて
いる。
【0003】しかしながら、従来の粒状架橋ポリマー
は、熱可塑性樹脂との相溶性に乏しいために、熱可塑性
樹脂と混合して射出成形や押出し成形を行っても性能の
劣悪な成形体しか得られなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、そのままで
射出成形や押出し成形ができ、良好な性能の成形体が得
られる架橋ポリマーを含む複合体粉末を提供することを
課題とする。 さらには、熱可塑性樹脂と混合して射出
成形や押出し成形を行うことにより良好な性能の成形体
が得られる架橋ポリマーを含む複合体粉末を提供するこ
とをもう一つの課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
に包含された架橋ポリマーを含む複合体粉末を得ること
によって上記の課題を解決するものである。
【0006】架橋ポリマーの粉末化方法として、発明者
らは先に、架橋ポリマーの粗粒に易溶融性ポリマーであ
る熱可塑性樹脂を添加して混合し、易溶融性ポリマーの
溶融温度以下の温度で、混合物を固相の状態で剪断力を
かけて粉砕することによって、極めて効率的に架橋ポリ
マーの微粉末が得られることを見出した(特願平7−2
25148及び特願平7−225149)。
【0007】発明者らは、この方法について詳細に検討
した結果、条件を適正化することによって、目的とする
熱可塑性樹脂に包含された架橋ポリマーを含む複合体粉
末を得て、本発明に到達した。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の架橋ポリマーを含
む複合体粉末について詳しく説明する。
【0009】本発明に用いられる架橋ポリマーは、熱に
より部分的に溶融することはあっても、全体としては極
めて溶融し難いため、流動性に乏しい。 また、常温以
上で一般に靭性が高く、衝撃や剪断などの外力に対して
抵抗し、破壊され難い。これらの架橋ポリマーの例とし
ては、架橋ゴム、架橋ポリオレフィン、架橋ポリウレタ
ンなどをあげることができる。
【0010】ここで云う架橋ゴムとは、一般に加硫ゴム
と言われるイオウ架橋ゴムと炭素−炭素架橋である非イ
オウ架橋ゴムなどである。 イオウ架橋には架橋剤であ
るイオウと加硫促進剤が使われ、非イオウ架橋には、有
機過酸化物、金属酸化物、キノンジオキシム、チオ尿素
などが用いられる。 具体的な架橋ゴムの例としては、
ポリイソプレン、ポリブチレン、ポリブタジエン、スチ
レン−ブタジエンポリマー、エチレン−プロピレンポリ
マー、ポリクロロプレンなどの合成ゴムおよび天然ゴム
の一種或いは二種以上をイオウまたは炭素−炭素架橋し
たものをあげることができる。
【0011】一方、架橋ポリオレフィンは、有機過酸化
物やシラン化合物などによる化学的方法と電子線照射に
よる方法などで、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィンを架橋したものである。
【0012】また、架橋ポリウレタンとしては、例え
ば、グリコール化合物とジイソシアネート化合物の中
に、分子中に3個以上の水酸基を有するポリオール化合
物及び/又は3個以上のイソシアネート基を有するポリ
イソシアネート化合物を一部含んでいるモノマーから得
られる架橋されたポリウレタン、或いは側鎖にイソシア
ネート基が残存するポリウレタンを水などで架橋したも
のをあげることができる。
【0013】本発明に用いられる架橋ポリマーはクラッ
シャーなどの破砕機で粗粒体にしたものが好ましく、そ
の形状は好ましくはペレット状で、10mm以下、好ま
しくは5mm以下の粒径であることが望ましい。
【0014】本発明に用いる熱可塑性樹脂は、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチ
レン、ABS樹脂などのスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル
などのビニル樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、ポリ
アセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、変性
ポリフェニレンエーテルなどのエンジニアリング樹脂の
中から目的に応じて選択する。 例えば、廃タイヤの架
橋ゴムや廃電線被覆の架橋ポリエチレンを用い、そのリ
サイクル利用を目的とする場合には、熱可塑性樹脂とし
ては加工性が良く、低廉なポリエチレンやポリプロピレ
ンが好適である。
【0015】熱可塑性樹脂の添加量は、5重量%以上5
0重量%であることが好ましい。
【0016】本発明の架橋ポリマーを含む複合体粉末
は、例えば架橋ポリマーの粗粒体に熱可塑性樹脂のペレ
ットを添加して混合した後、一軸或いは二軸混練押出し
機または石臼型混練押出し機に投入し、固相状態の混合
物に剪断力をかけて粉砕することによって得ることがで
きる。 架橋ポリマーに熱可塑性樹脂を添加した後、両
者の混合物を押出し機等を通して加熱し、熱可塑性樹脂
を溶融させ、両者を密着した状態に至らしめ、次いでそ
の溶融混合物を冷却し、そのまま同一の押出し機で固相
剪断粉砕を行わせるか、或いは該溶融混合物を押出し機
から取り出して冷却し、破砕或いは裁断して粗粒体を形
成させ、その粗粒体を別の粉砕機に投入して固相で剪断
粉砕すると粒径の小さい複合体粉末が得られる。 特に
混練粉砕機として石臼型混練押出し機或いは二軸混練押
出し機を用いて熱可塑性樹脂の溶融温度よりも10〜5
0℃低い温度に制御し、高剪断力によって粉砕すると良
好な複合体粉末が得られる。
【0017】本発明の架橋ポリマーを含む複合体粉末
は、熱可塑性樹脂の中に架橋ポリマーが包含されている
複合体粉末である。 粉末の粒径は粉末化の方法、条件
によって定まる。 複合体粉末の応用の面からは、粒径
は3mm以下、さらには1mm以下であることが好まし
い。 複合体粉末の中での架橋ポリマーと熱可塑性樹脂
との分散状態は、熱可塑性樹脂の中に架橋ポリマーがド
メインとして分散していることが基本であるが、架橋ポ
リマーのドメインの大きさは1μm以下のものから数百
μmのものまで種々のものが含まれる。
【0018】本発明の複合体粉末は、粉末自身を射出成
形機、押出し成形機などの生産性の高い成形機に投入し
て、容易に成形加工することができる。 また、本発明
の複合体粉末を、熱可塑性樹脂のペレットと混合して、
射出成形機、押出し成形機などに投入して、成形加工す
ることも容易にできる。 この場合、複合体粉末と混合
する熱可塑性樹脂としては、複合体粉末の構成成分であ
る熱可塑性樹脂と同種のものはもちろんのこと、ケース
によっては、他種の熱可塑性樹脂も用いることができ
る。 場合によっては、複合体粉末を複数の熱可塑性樹
脂と混合して、成形加工することもできる。 また、本
発明の複合体粉末を押出し機などによってペレット化
し、成形作業性を改良した成形用材料とすることができ
る。 さらには、本発明の複合体粉末と熱可塑性樹脂の
ペレットとを混合した後、押出し機などによってペレッ
ト化して成形用材料とすることができる。
【0019】
【実施例】以下、例をあげて本発明を説明するが、これ
らの例によって本発明の範囲が制限されるものではな
い。
【0020】実施例−1 約2mmの粒径に粗砕した天然ゴム/合成ゴム(組成
比:40/60)からなる廃タイヤゴム60重量部に、
粒径が約3mmの低密度ポリエチレンペレット40重量
部を加え、ブレンダーを用いて均一に混合して両ポリマ
ーの混合物を得た。次いで、多段石臼型混練押出し機
(KCK社製:KCK EX80×6)のブレード段数
は6段、ブレードクリアランスは2mm、1.5mm及
び1mmの3段階で、前段は広く後段は狭くなるようセ
ットし、ブレード前段部の温度は70℃に、後段部は4
0℃に調整した。 また、回転数は60rpmに設定し
た。この押出し機に上記ポリマーの混合物を連続投入し
て剪断粉砕を行なった。ポリマー混合物は固相で剪断粉
砕が円滑に行なわれて、架橋ゴムとポリエチレンの複合
体粉末が得られた。 この複合体粉末を射出成形、押出
し成形したところ成形性は良好であった。 また、この
複合体粉末を加熱圧縮成形機にかけて、約2mm厚さの
シートを作製し、このシートからJIS K711.
3、2号試験片をつくり、引張速度100mm/分で、
引張試験などを行った。 結果は次の通りであった。 引張強度; 91.5Kgf/cm 伸度 ; 200% 硬度 ; 90(JIS−A) Tzod衝撃強さ(幅3mm、ノッチ付)の測定結果、
30Kgf・cmハンマーで破壊しなかった。
【0021】実施例−2 架橋ポリエチレンで被覆された廃電線から銅線を取り除
いて得られた廃架橋ポリエチレンをクラッシャーで破砕
した約3mm粒径の架橋ポリエチレンペレット80重量
部に、粒径が約3mmの低密度ポリエチレンペレット2
0重量部を加え、ブレンダーを用いて均一に混合して両
ポリマーの混合物を得た。多段石臼型混練押出し機のブ
レードクリアランスを3mm、2mm及び1mmにした
以外は混練押出し機の設定条件を実施例−1と同じにし
て、上記ポリマーの混合物を連続投入して剪断粉砕し
た。 この複合体粉末は溶融時に流動性があり、射出成
形、押出し成形の成形性が良好であった。 Izod衝
撃強さ試験でも30Kgf・cmハンマーで破壊しなか
った。得られた複合体粉末を射出成形して、3.0mm
厚さのJIS K7113、1号形試験片をつくり、引
張速度100mm/分で、引張試験などを行った。試験
結果は以下の通りであった。 引張強度; 210Kgf/cm 伸度 ; 230% 硬度 ; 48(ショア−D)
【0022】実施例−3 実施例−2と同様の架橋ポリエチレンペレット(架橋P
E)と粒径が約3mmのポリプロピレン(PP)を用
い、両者の混合比を変化させて、多段石臼型混練押出し
機により剪断粉砕して5種の複合体粉末を得た。混練押
出し機の設定条件及びポリマー混合物の投入速度は次の
通りとした。 ブレード段数 : 10段 ブレードクリアランス: 3mm、2mm、1mmの3段階 ブレード部温度 : 前段部;230℃、後段部:50℃ 回転数 : 60rpm 混合物投入速度 : 12kg/hr これらポリマーの混合物は、前段の混練部でポリプロピ
レンが溶融し、後段の剪断部では冷却固化され、固相で
の剪断粉砕が円滑に行われた。得られた複合体粉末から
加熱圧縮成形によりシートを作製した。 これらのシー
トからJIS K7113、2号試験片をつくり、実施
例−1と同一条件で引張試験を行った。 架橋PEとP
Pの混合比、試験結果を表−1に示す。 これらの複合体粉末は、すべて溶融成形性を有し、射出
成形等で良好な成形品得られた。 また、成形品の耐衝
撃性も優れていた。
【0023】実施例−4 粒径を約4mmに粗砕した実施例−1と同一品種の廃タ
イヤゴム70重量部と粒径が約3mmのポリプロピレン
ペレット30重量部を実施例−1と同様の方法で均一に
混合した。この混合物を、混練部の温度を230℃、ス
クリュー回転数を200rpmにセットした二軸混練押
出し機(ベルストルフ社製:ZE−40A)にかけて、
ポリプロピレンの溶融した複合体をノズルから押し出し
て冷却、カットし、粒径が約4mmの複合体ペレットを
調製した。ブレード段数を5段、ブレードクリアランス
を1mm、ブレード前段部の温度を120℃に、後段部
を50℃にセットした実施例−1と同様の多段石臼型混
練押出し機に、この複合体ペレットを14〜15Kg/
hrのフィード量で連続投入し、剪断粉砕して粉末化し
た。得られた複合体粉末は短繊維状或いはそれらが絡ま
り合った形状をしており、その粉末の中には微粉化され
たゴム微粉末が複数個単分散した状態で含まれていた。
この複合体粉末を射出成形機にかけて成形したところ流
動性が良好であった。射出成形試験片の引張強度、伸度
は各々、95Kgf/cm、165%であった。 ま
た、耐衝撃性も充分であった。
【0024】実施例−5 実施例−2と同様の方法で粗砕した約4mm粒径の架橋
ポリエチレンペレット70重量部に、粒径が約3mmの
高密度ポリエチレンペレット30重量部を加えて均一に
混合した。実施例−1と同様の多段石臼型混練押出し機
でブレード段数を5段、ブレードクリアランスを1m
m、ブレード部温度を190℃にして、この両ポリマー
の混合物を混練し、ノズルから押出し冷却、カットし
て、粒径約5mmの複合体ペレットを調製した。次い
で、スクリュー回転数を200rpmにセットした二軸
混練押出し機に、この複合体ペレットを連続投入し、剪
断粉砕中は該押出し機のシリンダー温度を60℃〜40
℃に保持しながら粉末化を行なった。この架橋ポリエチ
レン/低密度ポリエチレンの複合体粉末は射出成形、押
出し成形等の溶融成形性が良好であった。この複合体粉
末から加熱圧縮成形による1.5mm厚さのシートと射
出成形試験片を作製した。 それらの引張強度、伸度は
次の通りであった。 加熱圧縮成形品: 引張強度; 220Kgf/cm 伸度 ; 300% 射出成形試験片: 引張強度; 210Kgf/cm 伸度 ; 190%
【0025】実施例−6 粒径を約4mmに粗砕した実施例−1と同一品種の廃タ
イヤゴム(架橋ゴム)90重量部と粒径が約3mmの低
密度ポリエチレンペレット(PE)10重量部を実施例
−1と同様の方法で均一に混合した。この混合物を、混
練部の温度を190℃、スクリュー回転数を200rp
mにセットした実施例−4と同様の二軸混練押出し機に
かけて、ポリエチレンの溶融した複合体をノズルから押
し出して冷却、カットし、粒径が約4mmの複合体ペレ
ットを調製した。ブレード段数を5段、ブレードクリア
ランスを1mm、ブレード前段部の温度を70℃に、後
段部を40℃にセットした実施例−1と同様の多段石臼
型混練押出し機に、この複合体ペレットを10〜12K
g/hrのフィード量で連続投入し、剪断粉砕して「架
橋ゴム/PE」の複合体粉末を得た。得られた「架橋ゴ
ム/PE」の複合体粉末に同種の低密度ポリエチレンペ
レットを加えて、数種の配合比の異なる「架橋ゴム/P
E」の混合物を調製し、上記の二軸混練押出し機により
複合体ペレットをつくった。得られた複合体粉末及び全
ての複合体ペレットは射出成形性、押出し成形性が良好
であった。 また、複合体ペレットを顕微鏡観察したと
ころ、架橋ゴム粉末が均一に分散していることも確認で
きた。上記複合体粉末と複合体ペレットをシート化し
て、実施例−1の場合と同様に引張試験などを行って、
表−2の結果を得た。
【0026】実施例−7 架橋ポリマーとして、架橋ゴム、架橋ポリエチレンおよ
び架橋ポリウレタンを、熱可塑性樹脂にはポリオレフィ
ン以外の樹脂を使用して、多段石臼型混練押出し機を用
い、溶融混練、固相剪断粉砕を連続的に行い、複合体粉
末を調製した。架橋ゴム、架橋ポリエチレンは前記実施
例と同一のものを、架橋ポリウレタンはクラッシャーに
より粒径3乃至4mmに粗砕したものを使用した。架橋
ポリマーと熱可塑性樹脂の組合せは、架橋ゴムには、ポ
リスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド(P
PS)と、架橋ポリエチレンには、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)、ポリカーボネート(PC)と、架
橋ポリウレタンには、ポリアミド−12(PA−12)
とした。また、架橋ポリマーと熱可塑性樹脂の混合比
は、全て架橋ポリマーが80重量部、熱可塑性樹脂が2
0重量部とした。多段石臼型混練押出し機の設定条件
は、ブレード段数を10段に、ブレードクリアランスを
3mm、2mm、1mm(前段は広く、後段は狭く)
に、回転数を60rpmに、混合物投入速度を12kg
/hrに設定した。 また、ブレード部の温度は、前段
を熱可塑性樹脂の溶融温度より高い温度に、後段を熱可
塑性樹脂の種類により120℃から50℃にセットし
た。以上のようにして得られた5種の複合体粉末は全て
射出成形、押出し成形が可能であった。更に、架橋ゴム
/PSの複合体粉末とアクリル・ブタジエン・スチレン
コポリマー(ABS)、ポリフェニレンエーテル(PP
E)および架橋ポリエチレン/PETの複合体粉末とポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)の混合物を調製した。 複合体
粉末と熱可塑性樹脂の混合比は、全て複合体粉末が60
重量部、熱可塑性樹脂が40重量部とした。次いで、こ
れら4種の混合物を二軸混練押出し機を用いて混練し
て、複合体ペレットを得た。 得られた複合体ペレット
には架橋ポリマーが均一に分散していることが顕微鏡観
察により確認された。 また、これら複合体ペレットも
射出成形、押出し成形することが出来た。
【0027】
【発明の効果】単独では溶融し難い架橋ポリマーに熱可
塑性樹脂を混合し、熱可塑性樹脂の溶融温度以下の温度
で、剪断力をかけながら粉砕すること等によって得られ
る本発明の架橋ポリマーを含む複合体粉末は、溶融性、
流動性が生起されているので、射出成形や押出し成形な
ど溶融成形が可能である。また、本発明の複合体粉末
は、従来、焼却廃棄されていた電線被覆などの廃架橋ポ
リエチレンや燃焼による熱源利用が主であった廃タイヤ
などの架橋ゴムを有用にリサイクル利用するものであ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】発明者らは、架橋ポリマ−を固相状態で剪
断力によって機械的に粉砕することによって粉末化する
ことについて鋭意研究した結果、驚くべきことに架橋ポ
リマ−に易溶融性ポリマ−である熱可塑性樹脂を添加し
て混合し、熱可塑性樹脂の溶融温度以下の温度で固相の
状態で剪断力をかけて粉砕することによって、目的とす
る熱可塑性樹脂に包含された架橋ポリマ−を含む複合体
粉末が得られることを見出した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】本発明の架橋ポリマ−を含む複合体粉末
は、熱可塑性樹脂の中に架橋ポリマ−が包含されている
複合体粉末である。 粉末の粒径は粉末化の方法、条件
によって定まる。 複合体粉末の応用の面からは、粒径
は3mm以下、さらには300μm以下であることが好
ましい。 複合体粉末の中での架橋ポリマ−と熱可塑性
樹脂との分散状態は、熱可塑性樹脂の中に架橋ポリマ−
がドメインとして分散していることが基本であるが、架
橋ポリマ−のドメインの大きさは1μm以下のものから
数百μmのものまで種々のものが含まれる。本発明の複
合体粉末は熱可塑性樹脂と架橋ポリマ−が部分的にアロ
イ化している。 アロイ化の程度はDSCの熱的性質の
測定によって知ることができる。10℃/分の昇温速度
で測定したDSCの溶融挙動で吸熱ピ−クの温度が熱可
塑性樹脂単体よりも低下しているのが観測される。 吸
熱ピ−ク温度の低下の程度は熱可塑性樹脂と架橋ポリマ
−との組み合わせや剪断の条件によって異なる。吸熱ピ
−ク温度の低下は1℃以上であり、高度にアロイ化して
いるものは5℃以上、場合によっては10℃以上に及ぶ
ものもある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】実施例−1 約2mmの粒径に粗砕した天然ゴム/合成ゴム(組成
比:40/60)からなる廃タイヤゴム60重量部に、
粒径が約3mmの低密度ポリエチレンペレット40重量
部を加え、ブレンダ−を用いて均一に混合して両ポリマ
−の混合物を得た。次いで、多段石臼型混練押出し機
(KCK社製:KCK EX80×6)のブレ−ド段数
は6段、ブレ−ドクリアランスは2mm、1.5mm及
び1mmの3段階で、前段は広く後段は狭くなるようセ
ットし、ブレ−ド前段部の温度は70℃に、後段部は4
0℃に調整した。 また、回転数は60rpmに設定し
た。この押出し機に上記ポリマ−の混合物を連続投入し
て剪断粉砕を行なった。ポリマ−混合物は固相で剪断粉
砕が円滑に行なわれて、架橋ゴムとポリエチレンの複合
体粉末が得られた。この複合体粉末の形態を光学顕微
鏡、走査型電子顕微鏡で観察した結果、低密度ポリエチ
レンの中に架橋ゴムが包含されていることが確認され
た。 粉末の平均粒径は200μmであった。 この複
合体粉末を昇温速度10℃/分の条件でDSC測定を行
なった所、吸熱ピ−ク温度が112.8℃で、原料とし
て用いた低密度ポリエチレンの吸熱ピ−ク温度114.
2℃よりも1.4℃低かった。この複合体粉末を射出成
形、押出し成形したところ成形性は良好であった。ま
た、この複合体粉末を加熱圧縮成形機にかけて、約2m
m厚さのシ−トを作製し、このシ−トからJIS K7
113、2号試験片をつくり、引張速度100mm/分
で、引張試験などを行った。 結果は次の通りであっ
た。 引張強度; 91.5Kgf/cm2 伸度 ; 200% 硬度 ; 90(JIS−A) Izod衝撃強さ(幅3mm、ノッチ付)の測定結果、
30Kgf・cmハンマ−で破壊しなかった
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】実施例−2 架橋ポリエチレンで被覆された廃電線から銅線を取り除
いて得られた廃架橋ポリエチレンをクラッシャ−で破砕
した約3mm粒径の架橋ポリエチレンペレット80重量
部に、粒径が約3mmの低密度ポリエチレンペレット2
0重量部を加え、ブレンダ−を用いて均一に混合して両
ポリマ−の混合物を得た。多段石臼型混練押出し機のブ
レ−ドクリアランスを3mm、2mm及び1mmにした
以外は混練押出し機の設定条件を実施例−1と同じにし
て、上記ポリマ−の混合物を連続投入して剪断粉砕し
た。この複合体粉末の形態を光学顕微鏡、走査型電子顕
微鏡で観察した結果、低密度ポリエチレンの中に架橋ポ
リエチレンが包含されている平均粒径は150μmの粉
末であった。 この複合体粉末を昇温速度10℃/分の
条件でDSC測定を行なった所、吸熱ピ−ク温度が10
6.8℃で、原料として用いた低密度ポリエチレンの吸
熱ピ−ク温度114.2℃よりも7.4℃低く、低密度
ポリエチレンと架橋ポリエチレンが部分的にアロイ化し
ていることが認められた。この複合体粉末は溶融時に流
動性があり、射出成形、押出し成形の成形性が良好であ
った。 Izod衝撃強さ試験でも30Kgf・cmハ
ンマ−で破壊しなかった。得られた複合体粉末を射出成
形して、3.0mm厚さのJIS K7113、1号形
試験片をつくり、引張速度100mm/分で、引張試験
などを行った。試験結果は以下の通りであった。 引張強度; 210Kgf/cm2 伸度 ; 230% 硬度 ; 48(ショア−D)
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】実施例−4 粒径を約4mmに粗砕した実施例−1と同一品種の廃タ
イヤゴム70重量部と粒径が約3mmのポリプロピレン
ペレット30重量部を実施例−1と同様の方法で均一に
混合した。この混合物を、混練部の温度を230℃、ス
クリュ−回転数を200rpmにセットした二軸混練押
出し機(ベルストルフ社製:ZE−40A)にかけて、
ポリプロピレンの溶融した複合体をノズルから押し出し
て冷却、カットし、粒径が約4mmの複合体ペレットを
調製した。ブレ−ド段数を5段、ブレ−ドクリアランス
を1mm、ブレ−ド前段部の温度を120℃に、後段部
を50℃にセットした実施例−1と同様の多段石臼型混
練押出し機に、この複合体ペレットを14〜15Kg/
hrのフィ−ド量で連続投入し、剪断粉砕して粉末化し
た。得られた複合体粉末はポリプロピレンの中にゴムが
包含されている平均粒径300μmの粉末であった。こ
の複合体粉末を昇温速度10℃/分の条件でDSC測定
を行なったところ、吸熱ピ−ク温度が153.3℃で、
原料として用いたポリプロピレンの吸熱ピ−ク温度16
5.5℃よりも12.2℃低かった。この複合体粉末を
射出成形機にかけて成形したところ流動性が良好であっ
た。射出成形試験片の引張強度、伸度は各々、95Kg
f/cm2、165%で、あった。 また、耐衝撃性も
充分であった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ポリマーが熱可塑性樹脂の中に包
    含されている複合体粉末
  2. 【請求項2】 架橋ポリマーに熱可塑性樹脂を添加し
    て混合物となし、熱可塑性樹脂の溶融温度以下の温度
    で、剪断力によって該混合物を粉砕してなる特許請求の
    範囲第1項記載の複合体粉末
  3. 【請求項3】 架橋ポリマーが架橋ゴム或いは架橋ポ
    リオレフィンである特許請求の範囲第1項乃至第2項の
    いずれか1つに記載の複合体粉末
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂がポリオレフィンである
    特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1つに記載
    の複合体粉末
  5. 【請求項5】 架橋ポリマーの配合量が50〜95重
    量%である特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか
    1つに記載の複合体粉末
  6. 【請求項6】 粉末の粒径が3mm以下である特許請
    求の範囲第1項乃至第5項のいずれか1つに記載の複合
    体粉末
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7247675B2 (en) 2003-12-30 2007-07-24 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Elastomer compositions and method of making them

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