JP3573219B2 - 艶消し熱可塑性樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、艶消し熱可塑性樹脂成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂は、その加工性及びその物理的特性を利用して、幅広い分野で使われている。一般に、これらの樹脂の成形品には艶があり、このことは用途によっては有効な特性とされるのであるが、自動車内装部品、建材、家庭用電機機器部品等の分野においては、成形品の表面を艶消しの状態にしたものが望まれる場合がある。
【0003】
従来、成形品の艶消しの方法としては、金型表面にシボ加工を施す方法、成形品表面に艶消し塗料を塗布する方法、無機充填材を樹脂に混合する方法(特開昭55−73742号公報、特開昭60−20955号公報、特開昭64−4639号公報等参照)、熱可塑性樹脂にゴム質重合体をその重合後に添加する方法(特開昭61−l36547号公報、特開昭62一l24l38号公報、特開昭62−225559号公報等参照)、ゴムで変性した熱可塑性樹脂を用いる方法(特開昭57−23652号公報、特開昭59−193950号公報、特開昭60一202143号公報、特開昭61−255919号公報、特開昭62−48709号公報、特開昭62−l99647号公報、特開昭63−182368号公報等参照)、熱可塑性樹脂に架橋ポリマーを混合する方法(特開昭50一5l142号公報、特開昭53−71146号公報、特開昭57−l4650号公報、特開昭58−ll3242号公報、特開昭59−161459号公報等参照)、熱可塑性樹脂を成形後熱処理する方法(特開平l−256575号公報参照)等がある。
【0004】
しかし、シボ加工による方法では、金型製作費が高価になり、保守管理が繁雑になる。また、塗装による方法では、塗装工程にコストがかかり、さらに溶剤による樹脂表面の劣化等の恐れがある。無機充填剤および架橋ポリマーを混合する方法では、樹脂の耐衝撃性を大幅に低下させる。ゴム質重合体を重合後に添加する方法では、耐熱性や剛性の低下を招く。ゴム変性熱可塑性樹脂を用いる方法では成形条件により艶消しの程度が変化する。また、成形後熱処理する方法では熱処置工程が繁雑になるなど問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、熱的、機械的物性に優れ、艶消しの外観を有する熱可塑性樹脂成形品の製造を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、AAS樹脂とポリカーボネート樹脂(PC樹脂)の混合物又は変性ポリフェニレンオキサイド樹脂(変性PPO樹脂)から選ばれる少なくとも一種の非晶性樹脂98〜30重量%および(B)結晶性樹脂2〜70重量%を含む熱可塑性樹脂混合物を、結晶性樹脂の溶融温度より10℃以上低い温度で成形加工することを特徴とする艶消し熱可塑性樹脂の製造方法に関する。
【0007】
本発明で用いられる非晶性樹脂(A)としては、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、AAS樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物又は変性ポリフェニレンオキサイド樹脂が挙げられ、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)は、アクリルゴムの中に核としてポリブタジエン等のジエン系ゴムを含んでいても良い。変性PPO樹脂は、ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレン等とポリフェニレンオキサイド(PPO樹脂)をブレンドしてPPO樹脂の溶融粘度を低下させ成形性を改良したものである。本発明における非晶性樹脂(A)としては、特に、AAS樹脂、AAS樹脂とPC樹脂の混合物又は変性ポリフェニレンオキサイド樹脂が用いられる。
【0008】
本発明で用いられる結晶性樹脂(B)としては特に限定されないが、ポリオレフィン、ポリアセタール、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド等が挙げられ、これらのうち、芳香族ポリエステル、ポリアミドが好ましく使用される。
【0009】
芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンー1,2一ビス(フェノキシ)エタンー4,4'一ジカルボキシレート等が挙げられる。これらのうち、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートが好ましく使用できる。
【0010】
本発明において使用する芳香族ポリエステルとしては、その芳香族ポリエステルの0.5%オルト−クロルフエノール溶液を25℃で測定した相対粘度がl.15〜3.0のものが好ましく、1.3〜2.5のものが特に好ましい。相対粘度が小さすぎると、得られる成形品の衝撃強度が低く、相対粘度が大きすぎる場合、成形性が低下し、実用的でない。
【0011】
また、ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610等が挙げられる。これらのうち、ポリアミド6、ポリアミド66が特に好ましい。これらのポリアミド樹脂の製造方法や重合度については特に制限がなく、一般的に200〜350℃の範囲で常圧、減庄、加圧を組み合わせた溶融重合法を用いて合成される硫酸相対粘度1.5〜4.5のものを使用することができる。
【0012】
本発明の樹脂組成物は、非晶性樹脂(A)98〜30重量%、好ましくは95〜40重量%、特に好ましくは90〜50重量%と、結晶性樹脂(B)2〜70重量%、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%とを含有する。ここで、(A)の割合が30重量%未満では成形性が劣り、逆に98重量%を越えると十分な艶消し効果が発揮できない。
【0013】
非晶性樹脂(A)と結晶性樹脂(B)の相溶性を改良するため、必要に応じ相溶化剤を加えることができる。例えば、非晶性樹脂(A)がAAS樹脂で結晶性樹脂(B)がポリアミド樹脂の場合には、相溶化剤としてカルボキシル基、酸無水物基等を有する重合性単量体(アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等)とアクリロニトリルとスチレンとの共重合体をさらに混合することが有効である。
【0014】
本発明の成形品を得るための成形加工前の工程については特に制限がなく、公知の方法を採用することができる。すなわち、本発明で用いる非晶性樹脂(A)および結晶性樹脂(B)それぞれをペレット、粉末、細片等の形状で高速撹拌機等を用いて均一に混合した後、十分な混練能力のある一軸又は多軸の押出機等で溶融混練する方法など、種々の方法を用いることができる。
【0015】
得られた樹脂組成物は押出成形、射出成形等公知の方法で成形加工されるが、押出成形が好ましい。成形は結晶性樹脂(B)の融点より10℃以上低い温度で成形される。成形温度が高いと十分に艶が消えない。成形温度の下限は、成形できる範囲であれば特に制限はない。
【0016】
【実施例】
本発明を実施例および比較例を挙げて説明する。ここでは、特にことわりのない限り、「部」は重量部、「%」は重量%を表す。
【0017】
参考例l (グラフト重合体の製造)
ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.37μm、ゲル含率80%)9部の存在下にアクリル酸ブチル20.7部及びトリアリルイソシアヌレート0.3部を重合し、更にスチレン75%とアクリロニトリル25%から成る単量体混合物70部を乳化重合した。得られたグラフト重合体は硫酸アルミで塩析後、脱水乾燦して、パウダー状のグラフト重合体を得た。
【0018】
非晶性樹脂(A)として次のものを使用した。
A−1:参考例lで製造したグラフト重合体
A−2:高衝撃ポリスチレンとしてエスブライト400(昭和電工(株)商品名)。
A−3:変性ポリフエニレンオキサイド樹脂としてユピエースAN30(三菱ガス化学(株)商品名)。
A−4:ポリカーボネートとしてタフロンFN−2200(出光化学(株)商品名)。
A−5:アクリロニトリル28部−無水マレイン酸2部−スチレン30部の共重合体
【0019】
結晶性樹脂(B)として、次のものを使用した。
B一l:ポリブチレンテレフタレート(PBTl401−X06、東レ(株)商品名、融点233℃)。
B−2:ポリエチレンテレフタレート(ベルペツトEFG−6、鐘淵化学工業(株)商品名、融点=230℃)。
B−3:ポリアミドとしてウベナイロンl0l3B(宇部輿産(株)商品名、融点220℃)。
【0020】
実施例l〜7、比較例l〜2、参考例1、2
前記の非晶性樹脂(A)および結晶性樹脂(B)をそれぞれ表1に示した配合割合で、ヘンシェルミキサーで混合し、30mm2軸押出機で溶融混練してペレット化した。各ぺレットについてアイ・ケー・ジー(株)製MS40−25型異形押出機を用いて、表lに示す温度で押出し加工した。その結果を表2に示す。
【0021】
【表l】
【0022】
【表2】
【0023】
実施例および比較例から次のことが明らかである。すなわち、本発明で得られた成形品は、いずれも表面の光択が均一に低下しており、特性の低下も認められない。それに対して、押出し温度の高いもの(比較例1)、および結晶性樹脂を配合しないもの(比較例2)は、艶消し効果が不十分である。また、表には示していないが結晶性樹脂の配合量の多いものは押出し加工性に劣る。
【0024】
前記表2における特性の測定方法は次のとおりである。
光沢度(%):JIS Z 8741 に準じて入射角及び反射角60度で測定した。
アイゾット衝撃強さ:ASTM−D256に準じて行った。試験片は厚さ1/8インチ、ノッチ付とした。
熱変形温度:ASTM D−648−56に準じて行った。試験片は幅1/2インチのものを用い、荷重18.4kgf、昇温速度2.0±0.2℃/分の条件で行い、試験片の変形が0.26mmに達したときの温度を熱変形温度とした。
【0025】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項5における製造方法により、耐熱性、耐衝撃性が良好で、しかも、艶消しされた成形品が得られる。
【産業上の利用分野】
本発明は、艶消し熱可塑性樹脂成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂は、その加工性及びその物理的特性を利用して、幅広い分野で使われている。一般に、これらの樹脂の成形品には艶があり、このことは用途によっては有効な特性とされるのであるが、自動車内装部品、建材、家庭用電機機器部品等の分野においては、成形品の表面を艶消しの状態にしたものが望まれる場合がある。
【0003】
従来、成形品の艶消しの方法としては、金型表面にシボ加工を施す方法、成形品表面に艶消し塗料を塗布する方法、無機充填材を樹脂に混合する方法(特開昭55−73742号公報、特開昭60−20955号公報、特開昭64−4639号公報等参照)、熱可塑性樹脂にゴム質重合体をその重合後に添加する方法(特開昭61−l36547号公報、特開昭62一l24l38号公報、特開昭62−225559号公報等参照)、ゴムで変性した熱可塑性樹脂を用いる方法(特開昭57−23652号公報、特開昭59−193950号公報、特開昭60一202143号公報、特開昭61−255919号公報、特開昭62−48709号公報、特開昭62−l99647号公報、特開昭63−182368号公報等参照)、熱可塑性樹脂に架橋ポリマーを混合する方法(特開昭50一5l142号公報、特開昭53−71146号公報、特開昭57−l4650号公報、特開昭58−ll3242号公報、特開昭59−161459号公報等参照)、熱可塑性樹脂を成形後熱処理する方法(特開平l−256575号公報参照)等がある。
【0004】
しかし、シボ加工による方法では、金型製作費が高価になり、保守管理が繁雑になる。また、塗装による方法では、塗装工程にコストがかかり、さらに溶剤による樹脂表面の劣化等の恐れがある。無機充填剤および架橋ポリマーを混合する方法では、樹脂の耐衝撃性を大幅に低下させる。ゴム質重合体を重合後に添加する方法では、耐熱性や剛性の低下を招く。ゴム変性熱可塑性樹脂を用いる方法では成形条件により艶消しの程度が変化する。また、成形後熱処理する方法では熱処置工程が繁雑になるなど問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、熱的、機械的物性に優れ、艶消しの外観を有する熱可塑性樹脂成形品の製造を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、AAS樹脂とポリカーボネート樹脂(PC樹脂)の混合物又は変性ポリフェニレンオキサイド樹脂(変性PPO樹脂)から選ばれる少なくとも一種の非晶性樹脂98〜30重量%および(B)結晶性樹脂2〜70重量%を含む熱可塑性樹脂混合物を、結晶性樹脂の溶融温度より10℃以上低い温度で成形加工することを特徴とする艶消し熱可塑性樹脂の製造方法に関する。
【0007】
本発明で用いられる非晶性樹脂(A)としては、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、AAS樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物又は変性ポリフェニレンオキサイド樹脂が挙げられ、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)は、アクリルゴムの中に核としてポリブタジエン等のジエン系ゴムを含んでいても良い。変性PPO樹脂は、ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレン等とポリフェニレンオキサイド(PPO樹脂)をブレンドしてPPO樹脂の溶融粘度を低下させ成形性を改良したものである。本発明における非晶性樹脂(A)としては、特に、AAS樹脂、AAS樹脂とPC樹脂の混合物又は変性ポリフェニレンオキサイド樹脂が用いられる。
【0008】
本発明で用いられる結晶性樹脂(B)としては特に限定されないが、ポリオレフィン、ポリアセタール、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド等が挙げられ、これらのうち、芳香族ポリエステル、ポリアミドが好ましく使用される。
【0009】
芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンー1,2一ビス(フェノキシ)エタンー4,4'一ジカルボキシレート等が挙げられる。これらのうち、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートが好ましく使用できる。
【0010】
本発明において使用する芳香族ポリエステルとしては、その芳香族ポリエステルの0.5%オルト−クロルフエノール溶液を25℃で測定した相対粘度がl.15〜3.0のものが好ましく、1.3〜2.5のものが特に好ましい。相対粘度が小さすぎると、得られる成形品の衝撃強度が低く、相対粘度が大きすぎる場合、成形性が低下し、実用的でない。
【0011】
また、ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610等が挙げられる。これらのうち、ポリアミド6、ポリアミド66が特に好ましい。これらのポリアミド樹脂の製造方法や重合度については特に制限がなく、一般的に200〜350℃の範囲で常圧、減庄、加圧を組み合わせた溶融重合法を用いて合成される硫酸相対粘度1.5〜4.5のものを使用することができる。
【0012】
本発明の樹脂組成物は、非晶性樹脂(A)98〜30重量%、好ましくは95〜40重量%、特に好ましくは90〜50重量%と、結晶性樹脂(B)2〜70重量%、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%とを含有する。ここで、(A)の割合が30重量%未満では成形性が劣り、逆に98重量%を越えると十分な艶消し効果が発揮できない。
【0013】
非晶性樹脂(A)と結晶性樹脂(B)の相溶性を改良するため、必要に応じ相溶化剤を加えることができる。例えば、非晶性樹脂(A)がAAS樹脂で結晶性樹脂(B)がポリアミド樹脂の場合には、相溶化剤としてカルボキシル基、酸無水物基等を有する重合性単量体(アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等)とアクリロニトリルとスチレンとの共重合体をさらに混合することが有効である。
【0014】
本発明の成形品を得るための成形加工前の工程については特に制限がなく、公知の方法を採用することができる。すなわち、本発明で用いる非晶性樹脂(A)および結晶性樹脂(B)それぞれをペレット、粉末、細片等の形状で高速撹拌機等を用いて均一に混合した後、十分な混練能力のある一軸又は多軸の押出機等で溶融混練する方法など、種々の方法を用いることができる。
【0015】
得られた樹脂組成物は押出成形、射出成形等公知の方法で成形加工されるが、押出成形が好ましい。成形は結晶性樹脂(B)の融点より10℃以上低い温度で成形される。成形温度が高いと十分に艶が消えない。成形温度の下限は、成形できる範囲であれば特に制限はない。
【0016】
【実施例】
本発明を実施例および比較例を挙げて説明する。ここでは、特にことわりのない限り、「部」は重量部、「%」は重量%を表す。
【0017】
参考例l (グラフト重合体の製造)
ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.37μm、ゲル含率80%)9部の存在下にアクリル酸ブチル20.7部及びトリアリルイソシアヌレート0.3部を重合し、更にスチレン75%とアクリロニトリル25%から成る単量体混合物70部を乳化重合した。得られたグラフト重合体は硫酸アルミで塩析後、脱水乾燦して、パウダー状のグラフト重合体を得た。
【0018】
非晶性樹脂(A)として次のものを使用した。
A−1:参考例lで製造したグラフト重合体
A−2:高衝撃ポリスチレンとしてエスブライト400(昭和電工(株)商品名)。
A−3:変性ポリフエニレンオキサイド樹脂としてユピエースAN30(三菱ガス化学(株)商品名)。
A−4:ポリカーボネートとしてタフロンFN−2200(出光化学(株)商品名)。
A−5:アクリロニトリル28部−無水マレイン酸2部−スチレン30部の共重合体
【0019】
結晶性樹脂(B)として、次のものを使用した。
B一l:ポリブチレンテレフタレート(PBTl401−X06、東レ(株)商品名、融点233℃)。
B−2:ポリエチレンテレフタレート(ベルペツトEFG−6、鐘淵化学工業(株)商品名、融点=230℃)。
B−3:ポリアミドとしてウベナイロンl0l3B(宇部輿産(株)商品名、融点220℃)。
【0020】
実施例l〜7、比較例l〜2、参考例1、2
前記の非晶性樹脂(A)および結晶性樹脂(B)をそれぞれ表1に示した配合割合で、ヘンシェルミキサーで混合し、30mm2軸押出機で溶融混練してペレット化した。各ぺレットについてアイ・ケー・ジー(株)製MS40−25型異形押出機を用いて、表lに示す温度で押出し加工した。その結果を表2に示す。
【0021】
【表l】
【0022】
【表2】
【0023】
実施例および比較例から次のことが明らかである。すなわち、本発明で得られた成形品は、いずれも表面の光択が均一に低下しており、特性の低下も認められない。それに対して、押出し温度の高いもの(比較例1)、および結晶性樹脂を配合しないもの(比較例2)は、艶消し効果が不十分である。また、表には示していないが結晶性樹脂の配合量の多いものは押出し加工性に劣る。
【0024】
前記表2における特性の測定方法は次のとおりである。
光沢度(%):JIS Z 8741 に準じて入射角及び反射角60度で測定した。
アイゾット衝撃強さ:ASTM−D256に準じて行った。試験片は厚さ1/8インチ、ノッチ付とした。
熱変形温度:ASTM D−648−56に準じて行った。試験片は幅1/2インチのものを用い、荷重18.4kgf、昇温速度2.0±0.2℃/分の条件で行い、試験片の変形が0.26mmに達したときの温度を熱変形温度とした。
【0025】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項5における製造方法により、耐熱性、耐衝撃性が良好で、しかも、艶消しされた成形品が得られる。
Claims (5)
- (A)アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、AAS樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物又は変性ポリフェニレンオキサイド樹脂から選ばれる少なくとも一種の非晶性樹脂98〜30重量%および(B)結晶性樹脂2〜70重量%を含む熱可塑性樹脂混合物を、結晶性樹脂の溶融温度より10℃以上低い温度で成形加工することを特徴とする艶消し熱可塑性樹脂の製造方法。
- 結晶性樹脂が芳香族ポリエステル又はポリアミドである請求項1記載の艶消し熱可塑性樹脂の製造方法。
- 芳香族ポリエステルがポリブチレンテレフタレート又はポリエチレンテレフタレートである請求項2記載の艶消し熱可塑性樹脂の製造方法。
- 非晶性樹脂(A)95〜40重量%と、結晶性樹脂(B)5〜60重量%とを含有する請求項1記載の艶消し熱可塑性樹脂の製造方法。
- 非晶性樹脂(A)90〜50重量%と結晶性樹脂(B)10〜50重量%とを含有する請求項1記載の艶消し熱可塑性樹脂の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11579194A JP3573219B2 (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | 艶消し熱可塑性樹脂成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP11579194A JP3573219B2 (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | 艶消し熱可塑性樹脂成形品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07314519A JPH07314519A (ja) | 1995-12-05 |
JP3573219B2 true JP3573219B2 (ja) | 2004-10-06 |
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ID=14671164
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JP11579194A Expired - Fee Related JP3573219B2 (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | 艶消し熱可塑性樹脂成形品の製造方法 |
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002080728A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法 |
US20220171104A1 (en) | 2019-03-28 | 2022-06-02 | Kimoto Co., Ltd. | Low reflective film and optical sensing kit using the same, and low reflective molded product |
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1994
- 1994-05-30 JP JP11579194A patent/JP3573219B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07314519A (ja) | 1995-12-05 |
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