JPH11100392A - 芳香族ホスフェート類の粉末化方法 - Google Patents
芳香族ホスフェート類の粉末化方法Info
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- JPH11100392A JPH11100392A JP26401797A JP26401797A JPH11100392A JP H11100392 A JPH11100392 A JP H11100392A JP 26401797 A JP26401797 A JP 26401797A JP 26401797 A JP26401797 A JP 26401797A JP H11100392 A JPH11100392 A JP H11100392A
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Abstract
以上の芳香族ホスフェート類の油状物を、油状物に対し
て1〜500重量%の固体の粉末または粒子と共に供給
し、芳香族ホスフェート類の融点より5〜100℃低い
温度で応力付加を行って芳香族ホスフェート類を強制的
に固化粉末化する。 【効果】 本発明は、工業的製造法で得られる芳香族ホ
スフェート類、特にその融点以下では高粘度のためにニ
ーダー伝熱面に付着してニーダーの長時間連続運転が困
難であった芳香族ホスフェート類においても、長時間の
連続運転で固化粉末化ができる。
Description
ト類の粉末化方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、合成樹脂の難燃剤や可塑剤として有用な芳香族ホス
フェート類を、製造後、特別な精製手段に付すことな
く、油状物から簡便に粉末化する方法に関する。
ホスフェート類は、合成樹脂の難燃剤や可塑剤として、
樹脂に難燃性や熱的安定性および/または良好な成型加
工性を与えることができる。このことから該芳香族ホス
フェート類は各種樹脂の有用な添加剤として利用されて
きた。
通常の工業的製造法によってこれを得ようとする限り、
同族体または類似体の副生が避けられず、本来結晶性の
ものでも油状物として得られることが殆どである。さら
に、油状物を長時間にわたり放置しておくと、使用時に
は一部または全体が固化してしまい、使用のためには加
熱して溶解させなければならないという不都合もあっ
た。芳香族ホスフェート類を難燃剤や可塑剤として使用
する場合、製品としての包装や運搬の点から、油状物よ
り粉末(結晶性粉末)の方が有利である。
結晶を得るには、有機溶剤を使用した再結晶法(晶析
法)や分別蒸留法のようなコスト高の精製処理に付す必
要があった。そこで、本発明者らは、このような粉末化
が困難な純度約90%以上の芳香族ホスフェート類を、
その融点より5〜100℃以下の温度でニーダーで応力
付加を行うことにより簡便、安価かつ連続的に固化粉末
化する方法を見出した(特開平9―87290号公報参
照)。
族ホスフェート類は、副生する同族体や類似体または触
媒等の添加物等によりその融点以下の過冷却領域におい
て高粘度および粘着性を有するものが多い。このような
芳香族ホスフェート類の油状物をその融点以下でニーダ
ーに供給すると、油状物がニーダーの伝熱面に付着し、
ニーダーの冷却能力が著しく損なわれる結果、長時間の
ニーダーの連続運転ができないという問題があった。ま
た、ニーダーに供給する芳香族ホスフェート類の油状物
を融点以下に冷却する際、その粘度のために冷却器内で
閉塞してしまうという問題もあった。
のような芳香族ホスフェート類のニーダーによる長時間
の連続固化粉末化方法について種々検討した結果、芳香
族ホスフェート類の油状物を、固体の粉末または粒子
(例えば、該芳香族ホスフェートの粉末)と共にニーダ
ーに供給し、応力付加を行うことにより、長時間の連続
固化粉末化が可能であることを見出し、本発明に到っ
た。
ニーダーに、純度85%以上の芳香族ホスフェート類の
油状物を、油状物に対して1〜500重量%の固体の粉
末または粒子と共に供給し、芳香族ホスフェート類の融
点より5〜100℃低い温度で応力付加を行って固化粉
末化することを特徴とする芳香族ホスフェート類の粉末
化方法が提供される。
の合成に引き続いた連続的な処理により、粉末化した芳
香族ホスフェート類を得るために用いることが望まし
い。本発明に用いることのできる芳香族ホスフェート類
の油状物は、工業的製造法で得られる純度約85%以上
の芳香族ホスフェート類の油状物であって、例えば一般
式(I):
って低級アルキル基、R3 およびR4は同一または異な
って水素原子あるいは低級アルキル基、Yは結合手、−
CH2−、−C(CH3 )2 −、−S−、−SO2 −、
−O−、−CO−もしくは−N=N−基、kは0または
1、mは0〜4の整数、nは0〜10の整数)で表され
る化合物が挙げられる。
よびR4 の「低級アルキル基」とは、炭素数1〜6の直
鎖状または分枝鎖状のアルキル基であって、具体的に
は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブ
チル、iso-ブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、n-ペン
チル、iso-ペンチル、 tert-ペンチル、neo-ペンチル、
n-ヘキシル等が挙げられるが、R1 およびR2 にあって
はメチル基が特に好ましく、R3 およびR4 にあっては
水素原子が特に好ましい。一般式(I)の化合物として
は、n=1場合の次式:
およびmは、式(I)と同意義)で表される芳香族ジホ
スフェート類が好ましく、テトラキス(2,6−ジメチ
ルフェニル)m−フェニレンビスホスフェート(以下、
化合物(1)と称す)、テトラキス(2,6−ジメチル
フェニル)p−フェニレンビスホスフェート、テトラキ
ス(2,6−ジメチルフェニル)4, 4' −ジフェニレ
ンビスホスフェート等が例示されるが、これらに限定さ
れるものではない。
ト類の油状物は、例えば特開平5−1079号公報に記
載の製造方法等により合成することができる。すなわ
ち、芳香族モノヒドロキシ化合物とオキシハロゲン化リ
ンとをルイス酸触媒の存在下に有機溶媒中で反応させ
て、ジアリールホスホロハリデートを得、次いでこの生
成物に芳香族ジヒドロキシ化合物をルイス酸触媒の存在
下で反応させ、得られる反応混合物から触媒および有機
溶媒を除去し、一般式(I)で表される芳香族ホスフェ
ート類を油状物として得る。
度は、原料、合成法および条件により異なるが、多量
体、単量体、中間体等の副生により90〜99%程度で
ある。芳香族ホスフェート類の純度が90%以上であれ
ば、本発明の方法のような固体の粉末または粒子の供給
を必ずしも必要としない。しかしながら、固体の粉末ま
たは粒子を供給した方が、ニーダーの温度制御が容易に
なり、また処理時間を短縮することもできる。本発明で
用いることができる芳香族ホスフェート類の純度は、約
85%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは
約92%以上である。但し、前記の純度の値は厳密に限
定されるものではない。純度が約85%以上であれば、
簡便にしかも短時間に固化粉末化することができる。
とは、結晶核となり結晶化を促進させる核剤効果、固化
熱を徐冷する冷却効果、油状物の粘着性を抑制する効果
などを有し、最終的に芳香族ホスフェート類の固化粉末
化を促進する効果のあるものを意味する。固体の粉末ま
たは粒子の大きさは、小さい方が表面積が大きく、芳香
族ホスフェート類の油状物およびニーダー内部の壁面と
の接触効果が大きくなり、油状物の粘着性を抑制する効
果が期待できるので好ましい。
たは粒子は、通常、芳香族ホスフェートの油状物と同種
の化合物粉末または粒子を好適に用いることができる。
また、固化粉末化に影響を与えない限りにおいては異種
の芳香族ホスフェートの粉末または粒子を用いることも
できる。この場合、粉末化と同時に、複数の芳香族ホス
フェートのブレンド品を得ることができる。
粉末または粒子としては、ハロゲン系難燃剤、無機系難
燃剤などの異種の難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
紫外線安定剤など、樹脂に対して難燃剤と共に通常用い
られる添加剤の粉末または粒子が望ましい。
フェノールA(TBA)、デカブロムジフェニルオキサ
イド、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロ
モフェニル)プロパン、ヘキサブロモベンゼン(HB
B)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌ
レート(TAIC−6B)、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン
(TBA−EO)およびデカブロモジフェニルオキサイ
ド(DBDPO)等のハロゲン系難燃剤、赤リン、酸化
スズ、三酸化アンチモン、水酸化ジルコニウム、メタホ
ウ酸バリウム、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネ
シウム等の無機系難燃剤が挙げられる。
られる添加剤としては、具体的には、2,2’−メチレ
ンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチル
フェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)および3,
9−ビス〔1,1−ジメチル−2−〔β−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオ
キシ〕エチル〕2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカン等のビスフェノール系酸化防止
剤、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−
〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンおよび
1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,
4,6−(1H,3H,5H)トリオン等の高分子型フ
ェノール系酸化防止剤、9,10−ジヒドロ−9−オキ
サ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイ
ド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−
ホスファフェナントレン−10−オキサイド、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サ
イクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオ
ペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4
メチルフェニル)ホスファイトおよび2,2−メチレン
ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト
等のリン系酸化防止剤、アルミニウムビス(p−t−ブ
チルベンゾエイト)、ビス(p−エチルベンジリデン)
ソルビトールなどの酸化防止剤、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホ
ベンゾフェノンおよびビス(2−メトキシ−4−ヒドロ
キシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3’−t−ブ
チル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−
t−ブチル−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾールおよび2−{2’−ヒドロキシ−3’−
(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミド
メチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾー
ル、2,2’−メチレンビス{4−(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)フェノール}等のベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェ
ニルアクリレートのようなシアノアクリレート系紫外線
吸収剤などの紫外線吸収剤、
フェノラート)〕−n−ブチルアミンニッケル、ニッケ
ルコンプレックス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル・リン酸モノエチレートおよびニッケル
・ジブチルジチオカーバメート等の紫外線安定剤、Sa
nol LS−770(三共社製)、Chimasso
rb 994LD(チバガイギー社製)、アデカスタブ
LA−57、LA−63、LA−68、LA−77(以
上、旭電化社製)等のヒンダードアミン系光安定剤など
の紫外線安定剤が挙げられる。
給量は、芳香族ホスフェート類の油状物の純度、粘度、
粘着性、濡れ性等の物性、ニーダーへの供給温度および
使用する装置の特性、ならびにブレンド品の配合比など
により変動し得る。また、供給する固体の粉末または粒
子の温度が低いほど冷却効果が得られ、固体の粉末また
は粒子の供給量を減らすことができるので好ましい。固
体の粉末または粒子の供給量は、一般的には芳香族ホス
フェート類の油状物に対して1〜500重量%、好まし
くは20〜300重量%、より好ましくは50〜150
重量%である。但し、前記の供給量の値は厳密に限定さ
れるものではない。供給量が1〜500重量%の範囲で
あれば、混練物の粘着性が低下し、伝熱面への付着を防
止できるので、ニーダーの長時間連続運転が可能とな
る。
練に使用されるニーダーを用いることができる。「混
練」とは、プラスチック材料に数種の添加剤を混ぜ合わ
せる場合、材料と添加剤に同時に煎断力を与え、添加剤
を材料内部に均一に分散させることをいう。本発明の
「応力付加」とは、ニーダーに供給される材料の温度を
均一にすると同時に、材料に煎断力、すなわち応力を付
与する点で「混練」と同義である。
羽根型混練機、インテンシブミキサ等の回分式、および
高速二軸連続ミキサ、押出機型混練機等の連続式に分類
される。本発明のように固化目的でこれらの混練機を用
いる場合、生成した固化物を同時に圧搾することができ
る連続式ニーダーが好ましい。また連続式はその処理能
力が高く、工業的利用面からも有利である。
としては、押出機型混練機の一種であり強力な煎断力を
持ち混練効果が高く、連続的な固化粉末化が可能である
コニーダー型混練機が適当であるが、同様の効果がある
機種であれば特にこれに限定されるものではない。ま
た、ニーダーは電気抵抗型バンドヒーター、アルミニウ
ム鋳込みヒーターまたは誘電加熱方式等の加熱機構、な
らびにシリンダに設けたジャケット部およびスクリュー
内に設けたパイプに、水または油を流通させる等の加熱
または冷却機構を備え、ニーダー内部の温度を制御する
ことができる。
1および図2によって説明する。図1は本発明の粉末化
法に用いることのできるニーダーの回転軸方向の断面図
であり、図2は図1中のA―A断面図である。その工程
は、少なくとも固化粉末化に適する温度に調節された芳
香族ホスフェートの油状物が処理缶(1)より、バルブ
およびポンプからなる原料搬送系(2)を経て、原料受
入口(3)に送液される。ここで、固体の粉末または粒
子はホッパー(12)より供給され、原料受け入れ口
(3)に投入されて芳香族ホスフェートの油状物と共に
ニーダーに供給される。次いで、お互いに逆転しながら
係合する二軸のスクリューおよびシリンダからなる混練
部(4)にて応力付加による固化粉末化が連続的に行わ
れ、最後に排出口(5)から芳香族ホスフェート類の粉
体が連続的に排出されることになる。排出された粉体の
一部は、高圧空気(図中、HPA)が供給されるインジ
ェクションフィーダ(14)によりホッパー(12)に
空気輸送され、粉末フィーダー(13)を経て固体の粉
末または粒子として再びニーダーに供給される。なお、
図中の矢印FSおよびHPAはそれぞれ固体の粉末また
は粒子の流れ、および高圧空気の流れを示す。
て固化粉末化された同種の芳香族ホスフェートを用いて
いるが、異種の芳香族ホスフェート、異種の難燃剤また
は樹脂に対して難燃剤と共に通常用いられる添加剤を用
いる場合には、それらの固体の粉末または粒子をホッパ
ー(12)に供給すればよい。固体の粉末または粒子の
供給は、芳香族ホスフェート類の固化粉末化状態に応じ
て連続的または間欠的に行うことができ、また両方を組
み合わせて行うこともできる。
の例のように芳香族ホスフェート類の油状物と同一場所
とするのが混練効果が高く効果的である。しかし、スク
リューの形状などニーダーの構造により、固体の粉末ま
たは粒子供給の適切な位置は異なる場合があり、固化粉
末化状態に応じて固体の粉末または粒子の供給位置を変
えてもよい。このような点から、固体の粉末または粒子
の供給位置を変えることができるニーダーが好ましい。
給しながら芳香族ホスフェート類を混練するだけでは効
率的ではなく、ニーダー内部を適当な温度範囲に制御す
るのが望ましい。最適な温度範囲は、固化粉末化させる
芳香族ホスフェート類の熱的物性(固化熱、顕熱など)
の他、特に混練時の粘度、流動性、摩擦熱等、また使用
する装置の特性により変動し得る。その温度は、一般的
には芳香族ホスフェート類の融点より、5〜100℃低
い温度、好ましくは10〜70℃低い温度、より好まし
くは10〜50℃低い温度である。但し、前記の温度の
値は厳密に限定されるものではない。温度が5〜100
℃の範囲であれば、ニーダー内の化合物に適当な応力が
付加され、完全固化および固化時間の短縮が達成でき
る。
り芳香族ホスフェート類の油状物を加熱または冷却する
ためのジャケット(6)をシリンダの周辺に形成すると
共に、スクリューとして内部を加熱または冷却すること
のできるスクリュー(9)を備えている。例えば、冷却
する場合には、ジャケット(6)には冷却液が給液口
(7)から排液口(8)に流通し、ニーダー容器内部の
化合物を冷却する。同様にしてスクリュー(9)には冷
却液が軸の一端に形成された給液口(10)から中心の
往路を通って軸の他端で折り返し、往路の外周辺に形成
された復路を通って軸の一端に形成された排液口(1
1)に流通し、スクリュー(9)に接触する化合物を冷
却する。なお、図中の矢印FCおよびFWはそれぞれ化
合物および、加熱または冷却液の流れを示す。
のニーダー中の滞留時間は、一般に1〜120時間程度
であり、滞留時間を長くすることにより、より低純度の
芳香族ホスフェートの固化粉末化が可能となる。
度約85%以上の芳香族ホスフェート類の油状物を、油
状物に対して1〜500重量%の固体の粉末または粒子
と共に供給し、芳香族ホスフェート類の融点より5〜1
00℃低い温度で応力付加を行って、芳香族ホスフェー
ト類を強制的に固化粉末化する。これは、固体の粉末ま
たは粒子の供給によって芳香族ホスフェート類の油状物
自体の粘着性が低下し、同時に固体の粉末または粒子に
より結晶化が促進され、さらに粘着性が抑えられ、ニー
ダーの伝熱面への付着を防止できるためであると考えら
れる。
なしではニーダーによる固化粉末化が可能な芳香族ホス
フェート類の純度は90%以上、より好ましくは95%
以上が必要であったが、固体の粉末または粒子の供給に
より、さらに純度の低い芳香族ホスフェート類において
も固化粉末化が可能となる。さらに、供給する固体の粉
末または粒子の冷却効果により、芳香族ホスフェート類
の油状物をニーダーへ供給する際、固体の粉末または粒
子を供給しない場合より高い温度で供給できるので冷却
器内での閉塞などのトラブルも防止できる。
が、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものでは
ない。また、各種物性は下記の試験方法により測定し
た。 外観 :目視観察 純度 :ゲル浸透クロマトグラフィー 融点 :JIS規格K−0064 粘度 :JIS規格K−2283 固化熱:DSC(示差走査熱量計)法 比熱 :DSC(示差走査熱量計)法
ルフェニル)m−フェニレンビスホスフェート(化合物
(1))を、特開平9―87290号公報に記載の合成
例1にしたがって、工業的スケールで合成した。つま
り、2,6−キシレノールとキシレンとを塩化マグネシ
ウムの触媒存在下で反応させ、次いでオキシ塩化リンを
添加し、発生する塩酸ガスを除去しながら反応させて化
合物(1)を得た。得られた化合物(1)は、不純物と
して三量体、中間体、トリエステル体を含有していた。
物性および構造式を以下に示す。
5℃)
NES―KO 280型、φ280mm×2100mm
×2軸、46rpm、材質SUS304、内面ハブ#2
00、冷却水温32〜33℃)の投入口より、化合物
(1)の油状物(80℃)を200kg/時間の速度
で、同じ投入口より固体の粉末または粒子として化合物
(1)の粉末(50℃)を100kg/時間の速度でそ
れぞれ連続供給し(固体供給量50重量%)、油状物を
固化した。その結果、油状物がスクリューおよび冷却ジ
ャケットに付着することなく24時間以上の連続運転を
することができた。固化条件およびその結果を表1に示
す。表中、固体は化合物(1)の粉末を表す。
温度を90℃、粉末の供給速度を200kg/時間(固
体供給量100重量%)にした以外は、実施例1と同様
にして油状物を固化したところ、24時間以上の連続運
転をすることができた。固化条件およびその結果を表1
に示す。
施例1と同様にして油状物を固化したところ、油状物が
スクリューおよび冷却ジャケットに付着し、冷却効果が
失われ、約4時間で運転不能状態になった。固化条件お
よびその結果を表1に示す。
化合物(1)の粉末の供給量(重量%) *2:ニーダーの排出口(5)より固化不良品が排出さ
れた時点までを連続運転時間とした 判定:○はニーダーの長時間連続運転が可能であるこ
と、×はニーダーの長時間連続運転が不能であることを
示す。
純度約85%以上の芳香族ホスフェート類の油状物を、
油状物に対して1〜500重量%の固体の粉末または粒
子と共に供給し、芳香族ホスフェート類の融点より5〜
100℃低い温度で応力付加を行って芳香族ホスフェー
ト類を強制的に固化粉末化する。したがって、従来、工
業的製造法で得られる芳香族ホスフェート類、特にその
融点以下では高粘度のためにニーダー伝熱面に付着して
ニーダーの長時間連続運転が困難であった芳香族ホスフ
ェート類においても、長時間の連続運転で固化粉末化が
できる。
の断面図と、油状物および固体の粉末または粒子供給設
備の概略図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 温度制御可能なニーダーに、純度85%
以上の芳香族ホスフェート類の油状物を、油状物に対し
て1〜500重量%の固体の粉末または粒子と共に供給
し、芳香族ホスフェート類の融点より5〜100℃低い
温度で応力付加を行って固化粉末化することを特徴とす
る芳香族ホスフェート類の粉末化方法。 - 【請求項2】 少なくとも溶媒を除去した製造後の芳香
族ホスフェート類の油状物を連続的にニーダーに供給
し、固化粉末化することを特徴とする請求項1記載の粉
末化方法。 - 【請求項3】 固体の粉末または粒子が、芳香族ホスフ
ェート類の油状物と同種または異種の芳香族ホスフェー
ト類である請求項1または2に記載の粉末化方法。 - 【請求項4】 固体の粉末または粒子が、ハロゲン系難
燃剤、無機系難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤および
紫外線安定剤から少なくとも1つ選択される請求項1ま
たは2に記載の粉末化方法。 - 【請求項5】 芳香族ホスフェート類が、一般式
(I): 【化1】 (式中、R1 およびR2 は同一または異なって低級アル
キル基、R3 およびR4は同一または異なって水素原子
あるいは低級アルキル基、Yは結合手、−CH2−、−
C(CH3 )2 −、−S−、−SO2 −、−O−、−C
O−もしくは−N=N−基、kは0または1、mは0〜
4の整数、nは0〜10の整数)で表される化合物であ
る請求項1〜4のいずれかに記載の粉末化方法。
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---|---|---|---|
JP26401797A JP3366232B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 芳香族ホスフェート類の粉末化方法 |
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WO2009150706A1 (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | 株式会社Adeka | リン酸エステル系難燃剤の固体化方法 |
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1997
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