JPH1099989A - 被溶接部材の支持装置およびこれを用いた構造物の製造方法 - Google Patents
被溶接部材の支持装置およびこれを用いた構造物の製造方法Info
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- JPH1099989A JPH1099989A JP25983496A JP25983496A JPH1099989A JP H1099989 A JPH1099989 A JP H1099989A JP 25983496 A JP25983496 A JP 25983496A JP 25983496 A JP25983496 A JP 25983496A JP H1099989 A JPH1099989 A JP H1099989A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 長尺の被溶接部材を、他の構造部材との間に
空間を設けるようにしてその長さ方向に沿って溶接した
場合、溶接作業後の熱収縮により被溶接部材が変形する
ことがある。 【解決手段】 脚部材4に沿って配置される支持部材1
0と、脚部材4の長さ方向に間隔を空けて複数配設さ
れ、支持部材10から脚部材4に向けて形成された貫通
孔11に挿通されるボルト12と、これらボルト12に
螺合されて支持部材10に脚部材4を固定するナット部
材13とを備えており、ナット部材13は、隣り合うも
のどうしが柔軟なワイヤー14に一連に連結されている
構成を有する支持装置を採用する。
空間を設けるようにしてその長さ方向に沿って溶接した
場合、溶接作業後の熱収縮により被溶接部材が変形する
ことがある。 【解決手段】 脚部材4に沿って配置される支持部材1
0と、脚部材4の長さ方向に間隔を空けて複数配設さ
れ、支持部材10から脚部材4に向けて形成された貫通
孔11に挿通されるボルト12と、これらボルト12に
螺合されて支持部材10に脚部材4を固定するナット部
材13とを備えており、ナット部材13は、隣り合うも
のどうしが柔軟なワイヤー14に一連に連結されている
構成を有する支持装置を採用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、他の部材に溶接さ
れる長尺の被溶接部材の熱収縮による変形を防止するた
めの被溶接部材の支持装置およびこれを用いた構造物の
製造方法に関する。
れる長尺の被溶接部材の熱収縮による変形を防止するた
めの被溶接部材の支持装置およびこれを用いた構造物の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンや軽油、化学原料等の液体を運
搬するタンクローリー車の荷台部には、これら液体を内
部に貯蔵する筒型のローリータンクが搭載されている。
このローリータンクは、図4に示すように、断面形状が
楕円もしくは円形の筒状に形成された胴体部材1と、こ
の胴体部材1両端の開口部に嵌め合わされて溶接される
蓋部材2と、これら胴体部材1と蓋部材2とからなる容
器体3をタンクローリー車に設置するための脚部材4と
から構成されている。
搬するタンクローリー車の荷台部には、これら液体を内
部に貯蔵する筒型のローリータンクが搭載されている。
このローリータンクは、図4に示すように、断面形状が
楕円もしくは円形の筒状に形成された胴体部材1と、こ
の胴体部材1両端の開口部に嵌め合わされて溶接される
蓋部材2と、これら胴体部材1と蓋部材2とからなる容
器体3をタンクローリー車に設置するための脚部材4と
から構成されている。
【0003】このローリータンクを製作する手順として
は、まず、矩形の金属板をベンディングロールによって
断面形状が楕円もしくは円形の筒状に湾曲成形させた
後、対向する金属板の両端を溶接して筒状の胴体部材1
を製作する。次に、周縁に立ち上げ部を形成した蓋部材
2を胴体部材1の開口部に嵌め合わせて押し込み、周縁
に沿って溶接して容器体3を製作する。そして、この容
器体3の側面に長さ方向に沿って脚部材4を溶接してロ
ーリータンクが完成する。
は、まず、矩形の金属板をベンディングロールによって
断面形状が楕円もしくは円形の筒状に湾曲成形させた
後、対向する金属板の両端を溶接して筒状の胴体部材1
を製作する。次に、周縁に立ち上げ部を形成した蓋部材
2を胴体部材1の開口部に嵌め合わせて押し込み、周縁
に沿って溶接して容器体3を製作する。そして、この容
器体3の側面に長さ方向に沿って脚部材4を溶接してロ
ーリータンクが完成する。
【0004】ところで、容器体3の側面にあたる胴体部
材1に脚部材4を溶接する際、双方の接合部分に沿って
溶接を進めていくと、熱が冷めた後の熱収縮により脚部
材4が胴体部材1側に向けて反りを生じることがある。
このため、脚部材4にはあらかじめ図5および図6に示
すような支持部材5を取り付けておくことが実施されて
いる。この支持部材5は、脚部材4に沿って配置されて
副え木のような役目を果すH鋼からなり、この支持部材
5のフランジ部5a上に、脚部材4の下面に間隔を空け
て溶接された複数の座板6が設置され、この座板6とフ
ランジ部5aとが左右両側からクランプ7により把持さ
れることによって脚部材4に固定されている。この支持
部材5を使用すれば、脚部材4に反りを生じさせること
なく胴体部材1との溶接を進めることができる。
材1に脚部材4を溶接する際、双方の接合部分に沿って
溶接を進めていくと、熱が冷めた後の熱収縮により脚部
材4が胴体部材1側に向けて反りを生じることがある。
このため、脚部材4にはあらかじめ図5および図6に示
すような支持部材5を取り付けておくことが実施されて
いる。この支持部材5は、脚部材4に沿って配置されて
副え木のような役目を果すH鋼からなり、この支持部材
5のフランジ部5a上に、脚部材4の下面に間隔を空け
て溶接された複数の座板6が設置され、この座板6とフ
ランジ部5aとが左右両側からクランプ7により把持さ
れることによって脚部材4に固定されている。この支持
部材5を使用すれば、脚部材4に反りを生じさせること
なく胴体部材1との溶接を進めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
支持部材を脚部材に固定して溶接を進めていくと、クラ
ンプが邪魔をして溶接機が胴体部材と脚部材との接合部
に届かない場合があり、こういった場合にはそのクラン
プを取り外して溶接を行い、その後再び取り付けるとい
った作業を行わなければならない。また、クランプを取
り付けるために事前に脚部材に座板を溶接し、脚部材の
溶接を終えたらこの座板を除去しなければならない等、
支持部材を用いても未だ繁雑な作業を必要としているの
が現状である。
支持部材を脚部材に固定して溶接を進めていくと、クラ
ンプが邪魔をして溶接機が胴体部材と脚部材との接合部
に届かない場合があり、こういった場合にはそのクラン
プを取り外して溶接を行い、その後再び取り付けるとい
った作業を行わなければならない。また、クランプを取
り付けるために事前に脚部材に座板を溶接し、脚部材の
溶接を終えたらこの座板を除去しなければならない等、
支持部材を用いても未だ繁雑な作業を必要としているの
が現状である。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、構造物の溶接作業を効率良く実施し、かつ被溶
接部材の熱収縮による変形を防止することを目的とす
る。
であり、構造物の溶接作業を効率良く実施し、かつ被溶
接部材の熱収縮による変形を防止することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、脚部材に沿って配置される支持部材
と、脚部材の長さ方向に間隔を空けて複数配設され、支
持部材から脚部材に向けて形成された貫通孔に挿通され
るボルトと、これらボルトに螺合されて支持部材に脚部
材を固定するナット部材とを備えてなる支持装置を採用
し、さらに隣り合うナット部材どうしを、柔軟な連結部
材によって一連に連結してしておく。
めの手段として、脚部材に沿って配置される支持部材
と、脚部材の長さ方向に間隔を空けて複数配設され、支
持部材から脚部材に向けて形成された貫通孔に挿通され
るボルトと、これらボルトに螺合されて支持部材に脚部
材を固定するナット部材とを備えてなる支持装置を採用
し、さらに隣り合うナット部材どうしを、柔軟な連結部
材によって一連に連結してしておく。
【0008】この支持装置においては、溶接時の加熱に
よって脚部材が冷却によってその長さ方向、幅方向に伸
縮し、それに伴ってボルトどうしの間隔が変化しても、
ナット部材どうしが柔軟な連結部材にたるみをもたせた
状態で連結されているので、ナットどうしの間隔が支障
なく変化するようになっている。また、従来のように脚
部材が内部に空間を設けるようにして容器体に溶接され
る場合、ナット部材が連結部材によって一連になってい
るので、各ボルトとの螺合が解かれたナット部材をこの
空間から容易に取り出すことができる。
よって脚部材が冷却によってその長さ方向、幅方向に伸
縮し、それに伴ってボルトどうしの間隔が変化しても、
ナット部材どうしが柔軟な連結部材にたるみをもたせた
状態で連結されているので、ナットどうしの間隔が支障
なく変化するようになっている。また、従来のように脚
部材が内部に空間を設けるようにして容器体に溶接され
る場合、ナット部材が連結部材によって一連になってい
るので、各ボルトとの螺合が解かれたナット部材をこの
空間から容易に取り出すことができる。
【0009】なお、支持部材から脚部材に向けて形成さ
れた貫通孔のうち、支持部材側の貫通孔を、ボルトのま
わりに間隙を設けるべくボルトよりも大径に形成してお
けば、脚部材が溶接時の加熱や冷却によってその長さ方
向、幅方向に伸縮しそれに伴ってボルトが変位しても、
その変位分を貫通孔の遊びの部分が吸収するので、脚部
材の伸縮を妨げないようにすることができる。
れた貫通孔のうち、支持部材側の貫通孔を、ボルトのま
わりに間隙を設けるべくボルトよりも大径に形成してお
けば、脚部材が溶接時の加熱や冷却によってその長さ方
向、幅方向に伸縮しそれに伴ってボルトが変位しても、
その変位分を貫通孔の遊びの部分が吸収するので、脚部
材の伸縮を妨げないようにすることができる。
【0010】また、ナット部材を脚部材の凹溝の底部に
配置した状態でボルトが螺合されて支持部材に脚部材が
固定されるとき、ナット部材には、凹溝の底部の幅方向
よりも僅かに狭い間隔を空けて略平行に離間してなる2
辺を有するものを採用し、これら2辺を脚部材の両壁に
沿わせてナット部材を配置すれば、ナット部材が溝の両
壁に保持されてその回転が阻まれるので、ナット部材を
スパナのような保持手段で抑えなくてもボルトを緩めて
螺合を解くことができる。
配置した状態でボルトが螺合されて支持部材に脚部材が
固定されるとき、ナット部材には、凹溝の底部の幅方向
よりも僅かに狭い間隔を空けて略平行に離間してなる2
辺を有するものを採用し、これら2辺を脚部材の両壁に
沿わせてナット部材を配置すれば、ナット部材が溝の両
壁に保持されてその回転が阻まれるので、ナット部材を
スパナのような保持手段で抑えなくてもボルトを緩めて
螺合を解くことができる。
【0011】さらに、上記の支持装置を用いたローリー
タンクの製造方法としては、支持装置に固定された脚部
材を溶接すべき他の構造部材に沿わせて配置して双方の
接合部分を溶接し、溶接の熱が冷めるまで放置した後、
ボルトとナット部材との螺合を解除してボルトと支持部
材とを取り外し、さらに一連に連結されたナット部材を
脚部材の内側の空間から連結部材とともに引き寄せて取
り出せばよい。この製造方法を採用すれば、溶接の際の
熱収縮によって生じる脚部材の反りを防止してローリー
タンクを精度良く製作することができ、後で加工し直す
といった手間をなくすことができる。また、溶接作業が
円滑に進められ、溶接後の支持装置の撤去も簡単に行え
るので、溶接に要する工期やコストが削減されてローリ
ータンク自体の製造コストを削減することができる。
タンクの製造方法としては、支持装置に固定された脚部
材を溶接すべき他の構造部材に沿わせて配置して双方の
接合部分を溶接し、溶接の熱が冷めるまで放置した後、
ボルトとナット部材との螺合を解除してボルトと支持部
材とを取り外し、さらに一連に連結されたナット部材を
脚部材の内側の空間から連結部材とともに引き寄せて取
り出せばよい。この製造方法を採用すれば、溶接の際の
熱収縮によって生じる脚部材の反りを防止してローリー
タンクを精度良く製作することができ、後で加工し直す
といった手間をなくすことができる。また、溶接作業が
円滑に進められ、溶接後の支持装置の撤去も簡単に行え
るので、溶接に要する工期やコストが削減されてローリ
ータンク自体の製造コストを削減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る被溶接部材の支持装
置およびこれを用いた構造物の製造方法の実施の形態を
図1ないし図3に示して説明する。図1に示す支持装置
は、脚部材4に沿って配置される支持部材10と、脚部
材4の長さ方向に間隔を空けて複数配され、支持部材1
0のフランジ部10aから脚部材4にかけて形成された
貫通孔11に挿通されるボルト12と、これらボルト1
2に螺合されて支持部材10に脚部材4を固定するナッ
ト部材13とを備えている。
置およびこれを用いた構造物の製造方法の実施の形態を
図1ないし図3に示して説明する。図1に示す支持装置
は、脚部材4に沿って配置される支持部材10と、脚部
材4の長さ方向に間隔を空けて複数配され、支持部材1
0のフランジ部10aから脚部材4にかけて形成された
貫通孔11に挿通されるボルト12と、これらボルト1
2に螺合されて支持部材10に脚部材4を固定するナッ
ト部材13とを備えている。
【0013】支持部材10は剛性の非常に高いH鋼から
なり、一方のフランジ部10aを脚部材4の下面に沿わ
せた状態で配置されている。この支持部材10は脚部材
4と同程度の長さに設定され、脚部材4をその長さ方向
の全てにわたって支持している。
なり、一方のフランジ部10aを脚部材4の下面に沿わ
せた状態で配置されている。この支持部材10は脚部材
4と同程度の長さに設定され、脚部材4をその長さ方向
の全てにわたって支持している。
【0014】ボルト12は、図2に示すように、支持部
材10のフランジ部10aおよびこのフランジ部10a
に沿う脚部材4の底部を厚さ方向に貫いて形成された貫
通孔11に挿通されているが、特にフランジ部10aを
貫いて形成された貫通孔11aは、挿通されるボルト1
2のまわりに間隙Sを設けるべくボルト12よりも大径
に形成されている。
材10のフランジ部10aおよびこのフランジ部10a
に沿う脚部材4の底部を厚さ方向に貫いて形成された貫
通孔11に挿通されているが、特にフランジ部10aを
貫いて形成された貫通孔11aは、挿通されるボルト1
2のまわりに間隙Sを設けるべくボルト12よりも大径
に形成されている。
【0015】ナット部材13は、図3に示すように、矩
形の板材13aに雌ネジ部13bが形成されたものであ
り、脚部材4の内側に突出したボルト12に螺合されて
いる。この板材13aの対向する平行な2辺13c、1
3cの間隔は、脚部材4の内側底面の幅よりも僅かに狭
く設定されており、この2辺13c、13cを脚部材4
の両壁4a、4aにそれぞれ沿わせるようにして脚部材
4の内側に配置されている。
形の板材13aに雌ネジ部13bが形成されたものであ
り、脚部材4の内側に突出したボルト12に螺合されて
いる。この板材13aの対向する平行な2辺13c、1
3cの間隔は、脚部材4の内側底面の幅よりも僅かに狭
く設定されており、この2辺13c、13cを脚部材4
の両壁4a、4aにそれぞれ沿わせるようにして脚部材
4の内側に配置されている。
【0016】また、各ナット部材13は、脚部材4の長
さ方向に沿って配置された1本のワイヤー14にそれぞ
れ溶接等によって接続されて一連になっている。このワ
イヤー14は、隣り合うナット部材13間においてやや
たるみをもたせた状態で溶接等により接続されている。
このたるみは、溶接時に脚部材4が熱膨張した場合のナ
ット部材13間の長さの変化を見込んで与えられてい
る。
さ方向に沿って配置された1本のワイヤー14にそれぞ
れ溶接等によって接続されて一連になっている。このワ
イヤー14は、隣り合うナット部材13間においてやや
たるみをもたせた状態で溶接等により接続されている。
このたるみは、溶接時に脚部材4が熱膨張した場合のナ
ット部材13間の長さの変化を見込んで与えられてい
る。
【0017】上記のように構成された支持装置を用いて
ローリータンクを製作する手順を説明する。まず、従来
と同様にして容器体3を製作した後、支持装置に固定さ
れた脚部材4を、専用の治具(図示せず)を使用して容
器体3側面の所定の位置に脚部材4を設置する。このと
き、必ずしも脚部材4を下に、容器体3を上にした状態
で溶接を行う必要はなく、容器体3をその軸方向まわり
に回転させて溶接作業に都合のよい角度に配置する。そ
して、胴体部材1と脚部材4との接合部分に沿って溶接
を進めていく。脚部材4の両壁部に沿う2箇所の溶接が
終了したら、溶接による熱が冷めるまで十分に時間をお
き、その後、支持部材10のフランジ部10a裏側に露
出しているボルト12を回してナット部材13との螺合
を解除する。ボルト12との螺合が解除されたナット部
材13は、脚部材4の端からワイヤー14を徐々に引き
出すことによって袋状に形成された溶接部から取り出
し、支持装置を脚部材4から取り外す。
ローリータンクを製作する手順を説明する。まず、従来
と同様にして容器体3を製作した後、支持装置に固定さ
れた脚部材4を、専用の治具(図示せず)を使用して容
器体3側面の所定の位置に脚部材4を設置する。このと
き、必ずしも脚部材4を下に、容器体3を上にした状態
で溶接を行う必要はなく、容器体3をその軸方向まわり
に回転させて溶接作業に都合のよい角度に配置する。そ
して、胴体部材1と脚部材4との接合部分に沿って溶接
を進めていく。脚部材4の両壁部に沿う2箇所の溶接が
終了したら、溶接による熱が冷めるまで十分に時間をお
き、その後、支持部材10のフランジ部10a裏側に露
出しているボルト12を回してナット部材13との螺合
を解除する。ボルト12との螺合が解除されたナット部
材13は、脚部材4の端からワイヤー14を徐々に引き
出すことによって袋状に形成された溶接部から取り出
し、支持装置を脚部材4から取り外す。
【0018】以上のように、支持装置を使用してローリ
ータンクを製作すれば、脚部材4が剛性の高い支持部材
10に沿って固定されているので、溶接作業後の熱収縮
によって生じる脚部材4の反りを防止してローリータン
クを精度良く製作することができるだけでなく、溶接す
べき接合部分を邪魔するものがないので溶接作業を円滑
に進めることができる。
ータンクを製作すれば、脚部材4が剛性の高い支持部材
10に沿って固定されているので、溶接作業後の熱収縮
によって生じる脚部材4の反りを防止してローリータン
クを精度良く製作することができるだけでなく、溶接す
べき接合部分を邪魔するものがないので溶接作業を円滑
に進めることができる。
【0019】胴体部材1と脚部材4との接合部分に沿っ
て溶接を進めていくと、脚部材4の溶接時の熱により脚
部材4がその長さ方向に伸縮し、これによって脚部材4
に取り付けられている各ボルト12の間隔が変化すると
いった現象が起こるが、ナット部材13どうしを連結し
ているワイヤー14にはたるみをもたせてあり、ボルト
12に螺合されたナット部材13どうしの間隔が開いて
もその変化分を支障なく吸収することができる。また、
ボルト12が挿通された支持部材10側の貫通孔11a
がボルト12のまわりに間隙Sを設けるべく大径に形成
されているので、脚部材4の伸縮に伴ってボルトが貫通
孔11aに対する位置を変化させても、貫通孔11aの
内部でその変位分を貫通孔11aまわりの遊びの部分が
吸収することで脚部材4の伸縮を妨げないようにするこ
とができる。また、間隙Sはボルト12のまわりに形成
されているので、熱膨張、収縮によりボルト12が如何
なる方向にずれて変位してもその変位分を吸収すること
ができる。このように、溶接の際の熱により脚部材4や
支持装置に生じる熱膨張の差を各部が吸収して余計な応
力が脚部材4やボルト12に作用しないようにしてロー
リータンクをさらに精度良く製作することができる。
て溶接を進めていくと、脚部材4の溶接時の熱により脚
部材4がその長さ方向に伸縮し、これによって脚部材4
に取り付けられている各ボルト12の間隔が変化すると
いった現象が起こるが、ナット部材13どうしを連結し
ているワイヤー14にはたるみをもたせてあり、ボルト
12に螺合されたナット部材13どうしの間隔が開いて
もその変化分を支障なく吸収することができる。また、
ボルト12が挿通された支持部材10側の貫通孔11a
がボルト12のまわりに間隙Sを設けるべく大径に形成
されているので、脚部材4の伸縮に伴ってボルトが貫通
孔11aに対する位置を変化させても、貫通孔11aの
内部でその変位分を貫通孔11aまわりの遊びの部分が
吸収することで脚部材4の伸縮を妨げないようにするこ
とができる。また、間隙Sはボルト12のまわりに形成
されているので、熱膨張、収縮によりボルト12が如何
なる方向にずれて変位してもその変位分を吸収すること
ができる。このように、溶接の際の熱により脚部材4や
支持装置に生じる熱膨張の差を各部が吸収して余計な応
力が脚部材4やボルト12に作用しないようにしてロー
リータンクをさらに精度良く製作することができる。
【0020】さらに、ナット部材13が脚部材4の両壁
部間に嵌まり込んで保持され、その回転が阻まれるの
で、ボルト12とナット部材13との螺合を解除する
際、スパナのような保持手段で抑えなくてもボルト12
を回転させてその螺合を解くことができる。
部間に嵌まり込んで保持され、その回転が阻まれるの
で、ボルト12とナット部材13との螺合を解除する
際、スパナのような保持手段で抑えなくてもボルト12
を回転させてその螺合を解くことができる。
【0021】螺合が解除されたナット部材13は、ワイ
ヤー14によって一連に連結されているので、ボルト1
2との螺合が解除された後はこのワイヤー14を袋状に
形成された溶接部から引き出すことによってすべてのナ
ット部材13を簡単に取り出すことができる。
ヤー14によって一連に連結されているので、ボルト1
2との螺合が解除された後はこのワイヤー14を袋状に
形成された溶接部から引き出すことによってすべてのナ
ット部材13を簡単に取り出すことができる。
【0022】こうして製作されたローリータンクは、溶
接作業に要する工期やコストが削減され、ローリータン
ク自体の製造コストが下がるので、製品として安価に提
供することができる。
接作業に要する工期やコストが削減され、ローリータン
ク自体の製造コストが下がるので、製品として安価に提
供することができる。
【0023】なお、本実施の形態においては、ローリー
タンクを製作する際、樋(とい)に似た形状を有する脚
部材を胴体部材の側面に溶接する場合を例に挙げて説明
したが、脚部材が複数の部材から構成されるものに適用
することも可能である。また、本発明はこの実施の形態
のようにローリータンクの製作においてのみ採用される
ものではなく、例えば複数の部材を組み合わせて溶接し
内側に細長の空間を形成するといった場合に適用可能な
技術である。
タンクを製作する際、樋(とい)に似た形状を有する脚
部材を胴体部材の側面に溶接する場合を例に挙げて説明
したが、脚部材が複数の部材から構成されるものに適用
することも可能である。また、本発明はこの実施の形態
のようにローリータンクの製作においてのみ採用される
ものではなく、例えば複数の部材を組み合わせて溶接し
内側に細長の空間を形成するといった場合に適用可能な
技術である。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載さ
れた被溶接部材の支持装置によれば、被溶接部材が剛性
の高い支持部材に沿って固定されているので、脚部材の
溶接の際の熱収縮によって生じる脚部材の反りを防止し
ながら精度良く溶接を進めることができる。しかも溶接
すべき接合部分がクランプ等に邪魔されず開放されてい
るので、溶接作業を円滑に進めることができる。また、
ボルトに螺合されて支持部材を被溶接部材に固定するナ
ット部材は、隣り合うものどうしが柔軟な連結部材によ
って一連に連結されているので、被溶接部材が溶接時の
加熱やその後の冷却によってその長さ方向、幅方向に伸
縮しそれに伴ってボルトどうしの間隔が開いても、その
変化分を支障なく吸収することができ、これによって、
余計な応力が脚部材やボルトに作用しないようにして被
溶接部材を精度良く溶接することができる。さらに、被
溶接部材が内部に空間を設けるようにして溶接される場
合、ナット部材が連結部材により一連に連結されている
ので、各ボルトとの螺合が解かれたナット部材を狭い空
間から引き出して簡単に取り出すことができる。
れた被溶接部材の支持装置によれば、被溶接部材が剛性
の高い支持部材に沿って固定されているので、脚部材の
溶接の際の熱収縮によって生じる脚部材の反りを防止し
ながら精度良く溶接を進めることができる。しかも溶接
すべき接合部分がクランプ等に邪魔されず開放されてい
るので、溶接作業を円滑に進めることができる。また、
ボルトに螺合されて支持部材を被溶接部材に固定するナ
ット部材は、隣り合うものどうしが柔軟な連結部材によ
って一連に連結されているので、被溶接部材が溶接時の
加熱やその後の冷却によってその長さ方向、幅方向に伸
縮しそれに伴ってボルトどうしの間隔が開いても、その
変化分を支障なく吸収することができ、これによって、
余計な応力が脚部材やボルトに作用しないようにして被
溶接部材を精度良く溶接することができる。さらに、被
溶接部材が内部に空間を設けるようにして溶接される場
合、ナット部材が連結部材により一連に連結されている
ので、各ボルトとの螺合が解かれたナット部材を狭い空
間から引き出して簡単に取り出すことができる。
【0025】請求項2に記載された被溶接部材の支持装
置によれば、支持部材から被溶接部材に向けて形成され
た貫通孔のうち、支持部材側の貫通孔が、ボルトのまわ
りに間隙を設けるべくボルトよりも大径に形成されてい
るので、被溶接部材が溶接時の加熱や冷却によってその
長さ方向、幅方向に伸縮しそれに伴ってボルトが変位し
ても、その変位分を貫通孔の遊びの部分が吸収するの
で、脚部材の伸縮を妨げないようにすることができ、こ
れによって、余計な応力が脚部材やボルトに作用しない
ようにして被溶接部材をさらに精度良く溶接することが
できる。
置によれば、支持部材から被溶接部材に向けて形成され
た貫通孔のうち、支持部材側の貫通孔が、ボルトのまわ
りに間隙を設けるべくボルトよりも大径に形成されてい
るので、被溶接部材が溶接時の加熱や冷却によってその
長さ方向、幅方向に伸縮しそれに伴ってボルトが変位し
ても、その変位分を貫通孔の遊びの部分が吸収するの
で、脚部材の伸縮を妨げないようにすることができ、こ
れによって、余計な応力が脚部材やボルトに作用しない
ようにして被溶接部材をさらに精度良く溶接することが
できる。
【0026】請求項3に記載された被溶接部材の支持装
置によれば、被溶接部材がその長さ方向に溝を有し、こ
の溝の底部にナット部材を配置して支持部材を被溶接部
材に固定するとき、ナット部材が溝の底部の幅方向より
も僅かに狭い間隔を空けて略平行に形成された2辺を有
しており、これら2辺を溝の両側の壁面に沿わせてナッ
ト部材を配置することによって両側の壁面がナット部材
を噛んだ状態となってその回転が阻まれ、スパナのよう
な保持手段で抑えなくてもボルトを緩めて簡単に螺合を
解除することができる。
置によれば、被溶接部材がその長さ方向に溝を有し、こ
の溝の底部にナット部材を配置して支持部材を被溶接部
材に固定するとき、ナット部材が溝の底部の幅方向より
も僅かに狭い間隔を空けて略平行に形成された2辺を有
しており、これら2辺を溝の両側の壁面に沿わせてナッ
ト部材を配置することによって両側の壁面がナット部材
を噛んだ状態となってその回転が阻まれ、スパナのよう
な保持手段で抑えなくてもボルトを緩めて簡単に螺合を
解除することができる。
【0027】請求項4に記載された被溶接部材の支持装
置を用いた構造物の製造方法によれば、脚部材の反りを
防止して被溶接部材を精度良く溶接することができるの
で、後で加工し直すといった手間を廃することができ
る。また、溶接作業を円滑に進めることができ、溶接後
の支持装置の撤去も簡単に行えるので、溶接作業に要す
る工期の短縮やコストの削減を実現することができる。
置を用いた構造物の製造方法によれば、脚部材の反りを
防止して被溶接部材を精度良く溶接することができるの
で、後で加工し直すといった手間を廃することができ
る。また、溶接作業を円滑に進めることができ、溶接後
の支持装置の撤去も簡単に行えるので、溶接作業に要す
る工期の短縮やコストの削減を実現することができる。
【図1】 本発明に係る被溶接部材の支持装置の実施の
形態を示す斜視図である。
形態を示す斜視図である。
【図2】 図1におけるII−II線矢視断面図であ
る。
る。
【図3】 図2におけるIII−III線矢視断面図で
ある。
ある。
【図4】 ローリータンクの分解斜視図である。
【図5】 従来の被溶接部材の支持手段の一例を示す側
方平面図である。
方平面図である。
【図6】 図5におけるVI−VI線矢視断面図であ
る。
る。
【符号の説明】 3 容器体 4 脚部材(被溶接部材) 10 支持部材 10a フランジ部 11a 貫通孔 12 ボルト 13 ナット部材 14 ワイヤー(連結部材) S 間隙
Claims (4)
- 【請求項1】 長尺の被溶接部材を、他の構造部材にそ
の長さ方向に沿って溶接する際に、被溶接部材の熱収縮
による変形を防止するための被溶接部材の支持装置であ
って、 前記被溶接部材に沿って配置される支持部材と、 被溶接部材の長さ方向に間隔を空けて複数配設され、支
持部材から被溶接部材に向けて形成された貫通孔に挿通
されるボルトと、 該ボルトに螺合されて支持部材に被溶接部材を固定する
ナット部材とを備えてなり、 前記ナット部材は、隣り合うものどうしが柔軟な連結部
材によって一連に連結されていることを特徴とする被溶
接部材の支持装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載された被溶接部材の支持
装置において、 支持部材から被溶接部材に向けて形成された貫通孔のう
ち、支持部材側の貫通孔は、挿通されるボルトのまわり
に間隙を設けるべくボルトよりも大径に形成されている
ことを特徴とする被溶接部材の支持装置。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載された被溶接部
材の支持装置において、 前記被溶接部材がその長さ方向に溝を有し、該溝の底部
に前記ナット部材を配置して前記支持部材に被溶接部材
が固定されるものであり、 前記ナット部材は、溝の底部の幅方向よりも僅かに狭い
間隔を空けて略平行に離間する2辺を有し、該2辺が溝
の両壁に沿わせて配置されることを特徴とする被溶接部
材の支持装置。 - 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかに記載され
た被溶接部材の支持装置を用いた構造物の製造方法であ
って、 前記支持装置に固定された被溶接部材を他の構造部材に
沿わせて配置して双方の接合部分を溶接し、溶接の熱が
冷めるまで放置した後、前記ボルトと前記ナット部材と
の螺合を解除してボルトと支持部材とを被溶接部材から
取り外し、一連に連結されたナット部材を前記空間から
連結部材とともに引き寄せて取り出すことを特徴とする
被溶接部材の支持装置を用いた構造物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25983496A JPH1099989A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 被溶接部材の支持装置およびこれを用いた構造物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25983496A JPH1099989A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 被溶接部材の支持装置およびこれを用いた構造物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1099989A true JPH1099989A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17339645
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25983496A Withdrawn JPH1099989A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 被溶接部材の支持装置およびこれを用いた構造物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1099989A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007014995A (ja) * | 2005-07-08 | 2007-01-25 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 角変形防止装置 |
JP2013172692A (ja) * | 2012-02-27 | 2013-09-05 | Samson Co Ltd | 加熱殺菌装置 |
JP2017225406A (ja) * | 2016-06-23 | 2017-12-28 | 三浦工業株式会社 | 加熱殺菌装置 |
CN113084381A (zh) * | 2021-03-18 | 2021-07-09 | 宜昌船舶柴油机有限公司 | 一种燃气轮机排气缸隔热层组件装配工装及组焊方法 |
-
1996
- 1996-09-30 JP JP25983496A patent/JPH1099989A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007014995A (ja) * | 2005-07-08 | 2007-01-25 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 角変形防止装置 |
JP2013172692A (ja) * | 2012-02-27 | 2013-09-05 | Samson Co Ltd | 加熱殺菌装置 |
JP2017225406A (ja) * | 2016-06-23 | 2017-12-28 | 三浦工業株式会社 | 加熱殺菌装置 |
CN113084381A (zh) * | 2021-03-18 | 2021-07-09 | 宜昌船舶柴油机有限公司 | 一种燃气轮机排气缸隔热层组件装配工装及组焊方法 |
CN113084381B (zh) * | 2021-03-18 | 2022-06-14 | 宜昌船舶柴油机有限公司 | 一种燃气轮机排气缸隔热层组件装配工装及组焊方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031202 |