JPH109943A - 振動測定装置 - Google Patents

振動測定装置

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JPH109943A
JPH109943A JP18557696A JP18557696A JPH109943A JP H109943 A JPH109943 A JP H109943A JP 18557696 A JP18557696 A JP 18557696A JP 18557696 A JP18557696 A JP 18557696A JP H109943 A JPH109943 A JP H109943A
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Tetsuro Maruyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非接触式で振動の変位を測定すること。 【解決手段】 測定対象物から反射したレーザ光を観測
する光検出手段10と、この光検出手段10から出力さ
れた波形信号を解析すると共に鋸歯状波を検出する信号
処理手段12と、この信号処理手段12によって検出さ
れた各鋸歯状波毎の波長差に基づいて測定対象物の振動
方向の切り替わり時を算出する演算手段14とを備えて
いる。しかも、この演算手段14に、当該演算手段14
によって算出された切り替わり時情報に基づいて各鋸歯
状波の波長を対象物の変位データに変換するデータ変換
手段16を併設している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動測定装置に係
り、特に、対象物の構造解析の基礎となる当該対象物の
振動を測定する振動測定装置に関する。
【0002】振動測定装置の測定対象は、エンジン、ボ
ディ、ドア、窓、マフラーなど、騒音や車体特性を測定
するときのみならず、ドリル、バイトなど加工機器の異
常振動の検出にも用いる。また、その他振動解析が必要
な種々の対象物を含む。
【0003】
【従来の技術】従来より、車体の振動計測は、対象物に
設置する加速度ピックアップや、スリット光を用いたモ
アレ振動計により行っている。
【0004】振動測定装置で測定した対象物の振動は、
当該対象物の振動解析に利用される。例えば、図14に
示すように、測定対象物52に加速度ピックアップ51
を設置し、この加速度ピックアップ(ピックアップセン
サ)51から出力される加速度データを周波数伝達関数
に変換し、共振周波数での振幅に基づいて対象物の構造
を解析することが行われている。このような解析によ
り、測定対象物の剛性の判定(例えば、溶接の良否の判
定)などを行う。
【0005】また、振動解析の応用例として、車室内騒
音対策がある。車室内騒音の低減を行うためには剛性及
び減衰の向上が必要となるが、これをどのように行うか
を定めるにあっては、車両ボディの詳細な振動解析結果
が参考となる。このための車両ボディの振動測定では、
車両の複数箇所に加速度ピックアップを取り付けるな
ど、複数箇所の振動を測定する必要がある。
【0006】また、加工機(例えば、ドリルモータ5
4)の異常振動検出は、従来より、モータの駆動電流変
化による検出や、AE (Acoustic Emission)による衝撃
音の検出や、また、図15に示すように、取付治具を5
3を介して設置したピックアップセンサ51により行っ
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、加速度ピック
アップ(ピックアップセンサ)51は接触式であるた
め、センサや接続ケーブル56の重量が振動に影響を与
えるため、正確な測定が困難となる。さらに、モアレ振
動計では、全体の振動傾向は判るが、対象物の振動の変
位を測定することができない。
【0008】また、モータなど加工機の振動測定につい
ては、モータの駆動電流変化による検出では、後付けが
難しく、ドリル径が3mm以下になると検出が難しい。
このため、正常な対象物の振動解析結果との比較による
モータのギヤの欠けなどの検出が難しく、特に、小型モ
ータでは振動測定装置及び振動解析装置による異常判定
を行うことができない、という不都合があった。
【0009】さらに、衝撃音による検出は、歯が折れた
衝撃音を検出するものであるが、装置が高価であり、周
囲騒音の影響を受けやすく衝撃音の検出が難しい、とい
う不都合があり、さらに、ピックアップマイクロホンを
接触させる面は平面が望まれることなど条件が厳しい。
【0010】また、センサとケーブルの重量によって振
動特性が変化し、センサを取り付ける位置で異常振動検
出条件が変化してしまうため、対象物の構造を安定して
良好に解析することができなくなる。このため、非接触
式での振動測定装置が望まれるが、非接触式で振動の変
位までも測定する振動測定装置は知られていない。
【0011】さらに、車体ボディから小型モータまで振
動測定の対象は広く、さらに、溶接の良否検査や加工機
の良否検査などは製造工程に組み込むことが望まれるた
め、振動測定装置も、コンパクトで設置が容易でかつ安
価なものが望まれる。
【0012】
【発明の目的】本発明は、係る従来例の有する不都合を
改善し、特に、非接触式で振動の変位を測定することの
できる簡易な振動測定装置を提供することを、その目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、測
定対象物から反射したレーザ光を観測する光検出手段
と、この光検出手段から出力された波形信号を解析する
と共に鋸歯状波を検出する信号処理手段と、この信号処
理手段によって検出された各鋸歯状波毎の波長差に基づ
いて前記測定対象物の振動方向の切り替わり時を算出す
る演算手段とを備えている。しかも、この演算手段に、
当該演算手段によって算出された切り替わり時情報に基
づいて前記各鋸歯状波の波長を前記対象物の変位データ
に変換するデータ変換手段を併設した、等の構成を採っ
ている。これにより前述した目的を達成しようとするも
のである。
【0014】レーザドップラ速度計は測定対象物の移動
速度を測定できるため、測定対象物の振動面の変位の測
定が可能である。しかし、振動面の移動方向が変化する
ときには、測定対象面は移動しないため、レーザドップ
ラ速度計が出力する信号が乱れ、振動面の進行方向切り
替わり位置(時)を出力信号から判定することができな
かった。本発明では、レーザドップラ速度計により振動
面の変位を測定する際の出力信号の特性を利用し、この
振動面の進行方向切り替わり時を演算により求め、これ
により、測定対象物の振動面の変位を測定するものであ
る。振動面の進行方向切り替わり時を演算により正確に
求めることで、振動解析を行うための要求に適した振動
測定信号となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0016】図1は、本発明による振動測定装置の構成
を示すブロック図である。振動測定装置は、測定対象物
から反射したレーザ光を観測する光検出手段10と、こ
の光検出手段10から出力された波形信号を解析すると
共に鋸歯状波を検出する信号処理手段12と、この信号
処理手段12によって検出された各鋸歯状波毎の波長差
に基づいて測定対象物の振動方向の切り替わり時を算出
する演算手段14とを備えている。
【0017】しかも、この演算手段14に、当該演算手
段14によって算出された切り替わり時情報に基づいて
各鋸歯状波の波長を対象物の変位データに変換するデー
タ変換手段16を併設している。
【0018】図1に示す構成では、信号処理手段12
が、振動対象物の振動面の変位に応じた鋸歯状波を検出
し、データ変換手段16が、鋸歯状波の波長に応じて測
定対象物の変位データを出力するため、対象物の振動面
の変位を測定することができ、さらに、演算手段14
が、各鋸歯状波毎の波長差に基づいて測定対象物の振動
方向の切り替わり時を算出するため、対象物の振動面の
移動方向の変化時を検出することができ、このため、鋸
歯状波の波長に応じた変位量の変位方向を特定すること
ができる。従って、レーザドップラ速度計(LDV)に
より対象物の振動を測定することが可能となる。
【0019】また、図2に示すように、演算手段14
は、信号処理手段12によって検出された隣り合う各鋸
歯状波のピーク間時間を順次計時する計時部と、この計
時部によって計時された各鋸歯状波毎のピーク間時間に
基づいて対象測定物の振動の半周期に応じた信号波形を
抽出する半周期波形信号抽出部と、この半周期波形信号
抽出部によって抽出された半周期信号波形の中心位置を
切り替わり時として算出する切り替わり時算出部とを備
えている。
【0020】この図2に示す構成では、計時部が、鋸歯
状波のピーク間時間(波長)を順次計時し、半周期波形
信号抽出部が、鋸歯状波のピーク間時間に基づいて測定
対象物の振動面の振動の半周期に応じた長さの半周期波
形信号を出力する。そして、切り替わり時算出部は、半
周期信号の中心位置を振動面の移動方向の切り替わり時
として算出する。
【0021】具体的には、半周期波形信号抽出部が、計
時部によって計時された複数の鋸歯状波のピーク間時間
のうち最長のピーク間時間を検索する第1の検索機能
と、この第1の検索機能によって検索された最長のピー
ク間時間に基づいて比較範囲を定めると共に当該比較範
囲内の最短ピーク時間を持つ鋸歯状波を検索する第2の
検索機能と、この第2の検索機能によって検索された鋸
歯状波間の信号波形を半周期信号波形として抽出する抽
出機能とを備えている。
【0022】図3に示すように、信号処理手段12は、
測定対象物の振動面aの変位量bに応じた鋸歯状波dを
検出される。鋸歯状波は、振動面がレーザ波長の半分の
距離(λ/2)変位したとき、一波発生する。このた
め、第1の検索機能により検索された最長のピーク間時
間は、最長の波長であるから、変位によって鋸歯状波が
生ずるLDVにあっては測定対象物が移動していないこ
とを意味する。
【0023】従って、この波長が最長となるところで、
振動面の移動方向が切り替わっていることとなる。しか
し、図4に示すように、変位がないときの波形の乱れ方
はは一様ではないため、振動方向切り替わり時前後の波
形dである最長波長の解析によっては振動方向切り替わ
り位置c1(c2)を正確に知ることができない。
【0024】このため、第2の検索機能は、第1の検索
機能によって検索された最長のピーク間時間に基づいて
比較範囲を定めると共に、当該比較範囲内の最短ピーク
時間を持つ鋸歯状波を検索する。この第2の検索機能に
より、一方の振動方向切り替わり位置c1から、他方の
振動方向切り替わり位置c2までの波形信号を比較範囲
として、最短ピーク時間を持つ鋸歯状波を検索する。こ
の最短ピーク時間は、振動面が最も高速に振動する位置
となる。
【0025】第2の検索機能によって順次検索される最
短ピーク時間は、一般的に、一方の振動方向切り替わり
位置c1から、他方の振動方向切り替わり位置c2の中心
位置となる。さらに、抽出機能は、第2の検索機能によ
って検索された鋸歯状波間の信号波形を半周期信号波形
として抽出する。すなわち、1つの振動方向切り替わり
時を含む半周期分の波形を抽出する。
【0026】次いで、切り替わり時算出部24は、半周
期信号の中心位置を振動面の移動方向の切り替わり時と
して算出する。物体の振動には対称性があるため、半周
期信号の中心位置は振動面の移動方向の切り替わり位置
となる。
【0027】〔実施例〕次に、自己混合型LDVを用い
た実施例を説明する。自己混合型LDVは、非接触で測
定ができ、センサヘッドが小型、安価であるため、複数
用意することができ、さらに、相対変位をサブミクロン
オーダーで測定することが可能であるため、振動計測に
最適と考えられる。この自己混合型LDVの詳細につい
ては、特公昭8−27350号公報に開示されている。
【0028】自己混合型LDVでは、振動面にレーザビ
ームを照射して反射光をレーザに戻すことにより、振動
面の変位に応じた鋸歯状波が発生する。上述したよう
に、鋸歯状波は、振動面がレーザ波長の半分の距離(λ
/2)変位したとき、一波発生する。従って、鋸歯状波
をカウントすると測定対象物の変位を測定することとな
る。時間経過に沿って変位(鋸歯状波)を数えれば、振
動状態を測定することができる。
【0029】しかし、振動面の移動方向が変わるとき
は、移動速度はゼロに近づき、鋸歯状波の波長は長く波
形が間延びした状態となるため、波形形状による識別が
難しい。すなわち、振動面の移動方向が変わるときに
は、鋸歯状波の傾きによる判定ができない。さらに、振
動面の変位がλ/2の倍数であるとは限らないので、図
4(A)〜(C)に示すように、方向の切り替わり近く
の鋸歯状波はさまざまな波形となる。
【0030】また、加工機の振動を検出する場合にも、
この付近に特徴のある振動周波数が現れるので、他の周
波数が加算された場合にも、方向切り替わり時間を正確
に判断する必要がある。
【0031】〔信号処理〕図5は本実施例の第1実施例
の構成を示すブロック図である。演算部14は、パルス
毎の波長データを記憶するメモリ14Aと、このメモリ
14Aから波長データを読み出すと共に当該各鋸歯状波
毎の波長データに基づいて測定対象物の振動方向の切り
替わり時を演算する切り替わり時演算回路14Bとを備
えている。また、光検出手段10として、センサヘッド
10を採用し、このセンサヘッドの10の出力は、信号
処理手段12のアンプ12Aにより増幅される。
【0032】図5に示す例では、信号処理手段12は、
波形信号を鋸歯状波毎のパルス信号に変換するパルス化
部13を備えている。パルス化部13は、アンプ12A
の出力をデジタルデータに変換するA/Dコンバータ1
2Bと、このA/Dコンバータ12Bが出力するデジタ
ルデータから鋸歯状波を検出する鋸歯状波検出回路12
Dとを備えている。この鋸歯状波検出回路12Dは、検
出した鋸歯状波に番号を付与する番号付与部を備えてい
る。さらに、演算手段14は、鋸歯状波検出回路12D
から出力される鋸歯状波のピーク間時間を計測する時間
計測回路12Eを備えている。
【0033】図5に示す例では、センサヘッド10のフ
ォトダイオードで検出した鋸歯状波を、アンプ12Aで
増幅してデジタルデータに変換し、メモリ12Cに蓄積
する。次いで、メモリの波形データから、鋸歯状波を識
別し、ナンバーを付けると共に、経過時間を記録する。
一波あたりの経過時間から、方向切り替わり時間を演算
により求め、メモリ14A内の変位増減情報を修正す
る。
【0034】図6は、デジタル変換せずアナログ波形か
ら鋸歯状波を判定、番号を付け経過時間を記録する構成
である。図6に示す例では、信号処理手段12が、波形
信号を鋸歯状波毎のパルス信号に変換するパルス化部
(パルス化回路)12Fと、このパルス化回路12Fか
ら出力されるパルス信号の各パルスにパルス番号を付与
する番号付与部とを備え、演算手段14が、パルス化手
段12Fから出力されるパルス信号に基づいて当該各パ
ルス出力間の時間を計時するカウンタ12Hと、このカ
ウンタ12Hから出力されるパルス毎の波長データを記
憶するメモリ14Aと、このメモリ14Aから波長デー
タを読み出すと共に当該各鋸歯状波毎の波長データに基
づいて前記測定対象物の振動方向の切り替わり時を演算
する切り替わり時演算回路14Bとを備えている。
【0035】パルス化回路12Fは、波形を微分するこ
とにより時間に対する電圧の変化量から鋸歯状波を識別
する。識別した後は、鋸歯状波に応じてパルスを出力す
る。パルスに番号を付けると同時に、フリーランニング
カウンタ等により時間経過を表すデータを受信し記録す
る。次に、一波あたりの経過時間から、方向切り替わり
時間を演算によって求め、メモリ内の変位増減情報を修
正する。そして、時間経過に対する振動面の変位をグラ
フ化すると、振動状態が解析できる。
【0036】図5又は図6に示す構成により、図7に示
すように、鋸歯状波をパルス化してパルス番号を付与す
ることができる。
【0037】〔振動方向の切り替わり時〕振動方向の切
り替わり時を求める手法について図8を参照して説明す
る。図8の横軸は、図5の処理構成で鋸歯状波をパルス
化したとき、各パルスに付与した番号である。縦軸は、
パルス間の時間、すなわち、一鋸歯状波の波長である。
方向切り替わり時間における鋸歯状波には、次の特徴が
みられる。
【0038】(1). 方向切り替わり時間を中心とし
て対照的 (2). 多様な鋸歯状波となるため、鋸歯状波長の長
い山は複数出現する可能性がある。 (3). 振動方向切り替わり時間付近の鋸歯状波長は
他の部分に比べて確実に長い。
【0039】これらのことから、振動方向の切り替わり
時間を、鋸歯状波長と時系列パルス化したときのパルス
番号をN、パルス列の大きさをm、パルス列最初のパル
ス番号をMs、最後のパルス番号をMe、鋸歯状波長を
λB(N)、とすると、中心点すなわち振動方向が反転
したときのパルス番号Ncは次式(1)で求めることが
できる。
【0040】
【数1】
【0041】図9に示すように、振動方向切り替わり時
Ncが算出されたため、Nc<N<Meの範囲内eにあ
るメモリ内の変位増減情報を変更する。図9に示す例で
は、Nc以降の変位増減情報eである「1」を変位増減
情報fである「0」に変更する。この演算は、回路を作
成して行うこともできるが、積算、除算の必要があるた
め、マイコンなどプログラムを使って処理するのが望ま
しい。
【0042】図10に示すように、時間経過に対して振
動面の変位をグラフ化する際、変位増減情報が前のデー
タと変わらなければ、鋸歯状波長分ごとにλ/2づつ加
算(または減算)し続ける。変位増減情報が前のデータ
と異なるときは、一転してλ/2づつ減算(又は加算)
し、グラフ化する。
【0043】次に、パルス列の抽出処理を説明する。移
動方向反転時のパルス番号を求めるには、移動方向反転
時を中心として振動の半周気分のパルス列を抽出して演
算しなくてはならない。
【0044】ここでは、振動面の移動速度が最も速いと
きのパルスを基点にMs、Meを求める。移動速度が最
も速いということは、鋸歯状波の波長が最も短いという
ことであるから、順次波長を比較して最小の鋸歯状波長
を探し、これに対応するパルス番号をMs、Meとす
る。
【0045】図11はこのパルス列の抽出処理の一例を
示すフローチャートである。まず、鋸歯状波波長を順次
比較する場合、振動の半周期内で比較を終える必要があ
る。この範囲を決めるために、記憶した全ての波長の中
から最大波長を探し(ステップS1)、許容範囲を定め
る(ステップS2)。
【0046】次いで、順次鋸歯状波波長を比較して最小
波長を検索する(ステップS3)。最小波長を探すため
に比較している波長がこの最大波長範囲に入ったら、比
較すべき範囲を越えたと判断するし、最小波長に対する
パルス番号を配列に入れる(ステップS4)。これを繰
り返すと、配列には最小は長を持つパルス番号が残り、
パルス列を抽出するために必要なMs,Meになる(ス
テップS5)。
【0047】別のパルス列抽出方法としては、最大波長
を見つけ最大波長許容範囲を定め、その波長を持つパル
ス列を抽出する方法も考えられる。この場合、最小波長
も同様に探しておき、波長の変化幅から許容範囲を決定
する。
【0048】さらに別のパルス列抽出方法として、最大
波長を見つけ最大波長許容範囲を定め、その波長をもつ
パルス列を抽出する方法も考えられる。この場合、最小
波長も同様に探しておき、波長の変化幅から許容範囲を
決定する。
【0049】振動状態が定常的であれば、最大・最小波
長はいつも同じ値であり、上記2方法とも有効である。
振動状態が変動的である場合、常に抽出する範囲を探す
前者の方法が優れている。
【0050】図12及び図13に本実施例による自己混
合型LDVを用いた振動測定の一例を示す。図12に示
すように、ドアパネルa1の複数箇所の振動を測定する
ときでも、比較的安価な半導体レーザヘッドの複数備え
るだけでよく、また、振動測定個所の変化に容易に対応
でき、さらに、測定個所が多数となっても、非接触式で
あるため、測定対象物の振動に影響を与えない。
【0051】しかも、図13に示すように、非接触式で
レーザ光により対象物の振動を測定するため、対象物の
大きさにかかわらず振動測定を行うことができ、さら
に、測定面は必ずしも平面でなくとも測定が可能であ
る。従って、振動解析によるモータの歯欠けの検出等の
処理を良好に行うことができる。さらに、本実施例によ
ると、従来例と比較して飛躍的に簡易でかつ耐久性の良
い振動測定装置を提供できることができるため、対象物
の剛性良否や溶接不良の検出など製造工程における振動
解析を容易に行うことが可能となる。
【0052】また、振動方向切り替わり時間検出方法に
ついて効果を述べると、次の点があげられる。 (1). 鋸歯状波の形が乱れても、振動方向切り替わり時
間の検出ができる。 (2). 振動方向切り替わり時、鋸歯状波の波長が多様に
変わっても、正確に切り替わり時間を検出できる。 (3). パルス列の抽出範囲が多少ズレても、検出結果に
影響はない。
【0053】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され機能する
ので、これによると、信号処理手段が、振動対象物の振
動面の変位に応じた鋸歯状波を検出し、データ変換手段
が、鋸歯状波の波長に応じて測定対象物の変位データを
出力するため、対象物の振動面の変位を測定することが
でき、さらに、演算手段が、各鋸歯状波毎の波長差に基
づいて測定対象物の振動方向の切り替わり時を算出する
ため、対象物の振動面の移動方向の変化時を良好に検出
することができ、このため、鋸歯状波の波長に応じた変
位量の変位方向を演算により特定することができ、従っ
て、レーザドップラ速度計により対象物の振動を測定す
ることが可能となり、このため、簡易な構成で且つ非接
触式で振動の変位を測定することのできる従来にない優
れた振動測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】図1に示した演算手段の構成を示すブロック図
である。
【図3】測定対象物の振動面の変位量を示す説明図であ
る。
【図4】図4(A)〜(C)が振動方向切り替わり時の
前後の波形を示す波形図である。
【図5】本発明の第1実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】本発明の第2実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図7】信号処理手段によってパルス化された鋸歯状波
の一例を示す説明図である。
【図8】パルス列の抽出を説明するためのグラフ図であ
る。
【図9】変位増減情報の変更を説明するための説明図で
ある。
【図10】データ変換手段によるデータ変換の一例を示
す説明図である。
【図11】パルス列の抽出処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図12】ドアパネルを測定対象物とした振動測定の一
例を示す説明図である。
【図13】ドリルモータを測定対象物とした振動測定の
一例を示す説明図である。
【図14】従来の振動測定の一例を示す説明図である。
【図15】従来の振動測定の他の例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10 光検出手段 12 信号処理手段 14 演算手段 16 データ変換手段 20 計時部 22 半周期波形信号抽出部 24 切り替わり時算出部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物から反射したレーザ光を観測
    する光検出手段と、この光検出手段から出力された波形
    信号を解析すると共に鋸歯状波を検出する信号処理手段
    と、この信号処理手段によって検出された各鋸歯状波毎
    の波長差に基づいて前記測定対象物の振動方向の切り替
    わり時を算出する演算手段とを備えると共に、 この演算手段に、当該演算手段によって算出された切り
    替わり時情報に基づいて前記各鋸歯状波の波長を前記対
    象物の変位データに変換するデータ変換手段を併設した
    ことを特徴とする振動測定装置。
  2. 【請求項2】 前記演算手段が、前記信号処理手段によ
    って検出された隣り合う各鋸歯状波のピーク間時間を順
    次計時する計時部と、この計時部によって計時された各
    鋸歯状波毎のピーク間時間に基づいて前記測定対象物の
    振動の半周期に応じた信号波形を抽出する半周期波形信
    号抽出部と、この半周期波形信号抽出部によって抽出さ
    れた半周期信号波形の中心位置を前記切り替わり時とし
    て算出する切り替わり時算出部とを備えたことを特徴と
    する請求項1記載の振動測定装置。
  3. 【請求項3】 前記半周期波形信号抽出部が、前記計時
    部によって計時された複数の鋸歯状波のピーク間時間の
    うち最長のピーク間時間を検索する第1の検索機能と、
    この第1の検索機能によって検索された最長のピーク間
    時間に基づいて比較範囲を定めると共に当該比較範囲内
    の最短ピーク時間を持つ鋸歯状波を検索する第2の検索
    機能と、この第2の検索機能によって前記比較範囲毎に
    検索された鋸歯状波間の信号波形を半周期信号波形とし
    て抽出する抽出機能とを備えたことを特徴とする請求項
    2記載の振動測定装置。
  4. 【請求項4】 前記信号処理手段が、前記波形信号を鋸
    歯状波毎のパルス信号に変換するパルス化部と、このパ
    ルス化部から出力されるパルス信号の各パルスにパルス
    番号を付与する番号付与部とを備え、 前記演算手段が、前記パルス化部から出力される前記パ
    ルス信号に基づいて当該各パルス出力間の時間を計時す
    るカウンタと、このカウンタから出力されるパルス毎の
    波長データを記憶するメモリと、このメモリから波長デ
    ータを読み出すと共に当該各鋸歯状波毎の波長データに
    基づいて前記測定対象物の振動方向の切り替わり時を演
    算する切り替わり時演算回路とを備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の振動測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US8529460B2 (en) 2008-09-18 2013-09-10 Fuji Xerox Co., Ltd. Measuring apparatus
JP2013186027A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Azbil Corp 状態検知装置および方法
US8636668B2 (en) 2008-09-18 2014-01-28 Fuji Xerox Co., Ltd. Measuring apparatus

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