JP3543497B2 - 振動測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動測定装置に係り、特に、対象物の構造解析の基礎となる当該対象物の振動を測定する振動測定装置に関する。
【0002】
振動測定装置の測定対象は、エンジン、ボディ、ドア、窓、マフラーなど、騒音や車体特性を測定するときのみならず、ドリル、バイトなど加工機器の異常振動の検出にも用いる。また、その他振動解析が必要な種々の対象物を含む。
【0003】
【従来の技術】
従来より、車体の振動計測は、対象物に設置する加速度ピックアップや、スリット光を用いたモアレ振動計により行っている。
【0004】
振動測定装置で測定した対象物の振動は、当該対象物の振動解析に利用される。例えば、図14に示すように、測定対象物52に加速度ピックアップ51を設置し、この加速度ピックアップ(ピックアップセンサ)51から出力される加速度データを周波数伝達関数に変換し、共振周波数での振幅に基づいて対象物の構造を解析することが行われている。このような解析により、測定対象物の剛性の判定(例えば、溶接の良否の判定)などを行う。
【0005】
また、振動解析の応用例として、車室内騒音対策がある。車室内騒音の低減を行うためには剛性及び減衰の向上が必要となるが、これをどのように行うかを定めるにあっては、車両ボディの詳細な振動解析結果が参考となる。このための車両ボディの振動測定では、車両の複数箇所に加速度ピックアップを取り付けるなど、複数箇所の振動を測定する必要がある。
【0006】
また、加工機(例えば、ドリルモータ54)の異常振動検出は、従来より、モータの駆動電流変化による検出や、AE (Acoustic Emission)による衝撃音の検出や、また、図15に示すように、取付治具を53を介して設置したピックアップセンサ51により行っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、加速度ピックアップ(ピックアップセンサ)51は接触式であるため、センサや接続ケーブル56の重量が振動に影響を与えるため、正確な測定が困難となる。さらに、モアレ振動計では、全体の振動傾向は判るが、対象物の振動の変位を測定することができない。
【0008】
また、モータなど加工機の振動測定については、モータの駆動電流変化による検出では、後付けが難しく、ドリル径が3mm以下になると検出が難しい。このため、正常な対象物の振動解析結果との比較によるモータのギヤの欠けなどの検出が難しく、特に、小型モータでは振動測定装置及び振動解析装置による異常判定を行うことができない、という不都合があった。
【0009】
さらに、衝撃音による検出は、歯が折れた衝撃音を検出するものであるが、装置が高価であり、周囲騒音の影響を受けやすく衝撃音の検出が難しい、という不都合があり、さらに、ピックアップマイクロホンを接触させる面は平面が望まれることなど条件が厳しい。
【0010】
また、センサとケーブルの重量によって振動特性が変化し、センサを取り付ける位置で異常振動検出条件が変化してしまうため、対象物の構造を安定して良好に解析することができなくなる。このため、非接触式での振動測定装置が望まれるが、非接触式で振動の変位までも測定する振動測定装置は知られていない。
【0011】
さらに、車体ボディから小型モータまで振動測定の対象は広く、さらに、溶接の良否検査や加工機の良否検査などは製造工程に組み込むことが望まれるため、振動測定装置も、コンパクトで設置が容易でかつ安価なものが望まれる。
【0012】
【発明の目的】
本発明は、係る従来例の有する不都合を改善し、特に、非接触式で振動の変位を測定することのできる簡易な振動測定装置を提供することを、その目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、測定対象物から反射したレーザ光を観測する光検出手段と、この光検出手段から出力された波形信号を解析すると共に鋸歯状波を検出する信号処理手段と、この信号処理手段によって検出された各鋸歯状波毎の波長差に基づいて前記測定対象物の振動方向の切り替わり時を算出する演算手段とを備えている。
しかも、この演算手段に、当該演算手段によって算出された切り替わり時情報に基づいて前記各鋸歯状波の波長を前記対象物の変位データに変換するデータ変換手段を併設した、等の構成を採っている。これにより前述した目的を達成しようとするものである。
【0014】
レーザドップラ速度計は測定対象物の移動速度を測定できるため、測定対象物の振動面の変位の測定が可能である。しかし、振動面の移動方向が変化するときには、測定対象面は移動しないため、レーザドップラ速度計が出力する信号が乱れ、振動面の進行方向切り替わり位置(時)を出力信号から判定することができなかった。本発明では、レーザドップラ速度計により振動面の変位を測定する際の出力信号の特性を利用し、この振動面の進行方向切り替わり時を演算により求め、これにより、測定対象物の振動面の変位を測定するものである。振動面の進行方向切り替わり時を演算により正確に求めることで、振動解析を行うための要求に適した振動測定信号となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明による振動測定装置の構成を示すブロック図である。振動測定装置は、測定対象物から反射したレーザ光を観測する光検出手段10と、この光検出手段10から出力された波形信号を解析すると共に鋸歯状波を検出する信号処理手段12と、この信号処理手段12によって検出された各鋸歯状波毎の波長差に基づいて測定対象物の振動方向の切り替わり時を算出する演算手段14とを備えている。
【0017】
しかも、この演算手段14に、当該演算手段14によって算出された切り替わり時情報に基づいて各鋸歯状波の波長を対象物の変位データに変換するデータ変換手段16を併設している。
【0018】
図1に示す構成では、信号処理手段12が、振動対象物の振動面の変位に応じた鋸歯状波を検出し、データ変換手段16が、鋸歯状波の波長に応じて測定対象物の変位データを出力するため、対象物の振動面の変位を測定することができ、さらに、演算手段14が、各鋸歯状波毎の波長差に基づいて測定対象物の振動方向の切り替わり時を算出するため、対象物の振動面の移動方向の変化時を検出することができ、このため、鋸歯状波の波長に応じた変位量の変位方向を特定することができる。従って、レーザドップラ速度計(LDV)により対象物の振動を測定することが可能となる。
【0019】
また、図2に示すように、演算手段14は、信号処理手段12によって検出された隣り合う各鋸歯状波のピーク間時間を順次計時する計時部と、この計時部によって計時された各鋸歯状波毎のピーク間時間に基づいて対象測定物の振動の半周期に応じた信号波形を抽出する半周期波形信号抽出部と、この半周期波形信号抽出部によって抽出された半周期信号波形の中心位置を切り替わり時として算出する切り替わり時算出部とを備えている。
【0020】
この図2に示す構成では、計時部が、鋸歯状波のピーク間時間(波長)を順次計時し、半周期波形信号抽出部が、鋸歯状波のピーク間時間に基づいて測定対象物の振動面の振動の半周期に応じた長さの半周期波形信号を出力する。そして、切り替わり時算出部は、半周期信号の中心位置を振動面の移動方向の切り替わり時として算出する。
【0021】
具体的には、半周期波形信号抽出部が、計時部によって計時された複数の鋸歯状波のピーク間時間のうち最長のピーク間時間を検索する第1の検索機能と、この第1の検索機能によって検索された最長のピーク間時間に基づいて比較範囲を定めると共に当該比較範囲内の最短ピーク時間を持つ鋸歯状波を検索する第2の検索機能と、この第2の検索機能によって検索された鋸歯状波間の信号波形を半周期信号波形として抽出する抽出機能とを備えている。
【0022】
図3に示すように、信号処理手段12は、測定対象物の振動面aの変位量bに応じた鋸歯状波dを検出される。鋸歯状波は、振動面がレーザ波長の半分の距離(λ/2)変位したとき、一波発生する。このため、第1の検索機能により検索された最長のピーク間時間は、最長の波長であるから、変位によって鋸歯状波が生ずるLDVにあっては測定対象物が移動していないことを意味する。
【0023】
従って、この波長が最長となるところで、振動面の移動方向が切り替わっていることとなる。しかし、図4に示すように、変位がないときの波形の乱れ方はは一様ではないため、振動方向切り替わり時前後の波形dである最長波長の解析によっては振動方向切り替わり位置c1(c2)を正確に知ることができない。
【0024】
このため、第2の検索機能は、第1の検索機能によって検索された最長のピーク間時間に基づいて比較範囲を定めると共に、当該比較範囲内の最短ピーク時間を持つ鋸歯状波を検索する。この第2の検索機能により、一方の振動方向切り替わり位置c1から、他方の振動方向切り替わり位置c2までの波形信号を比較範囲として、最短ピーク時間を持つ鋸歯状波を検索する。この最短ピーク時間は、振動面が最も高速に振動する位置となる。
【0025】
第2の検索機能によって順次検索される最短ピーク時間は、一般的に、一方の振動方向切り替わり位置c1から、他方の振動方向切り替わり位置c2の中心位置となる。さらに、抽出機能は、第2の検索機能によって検索された鋸歯状波間の信号波形を半周期信号波形として抽出する。すなわち、1つの振動方向切り替わり時を含む半周期分の波形を抽出する。
【0026】
次いで、切り替わり時算出部24は、半周期信号の中心位置を振動面の移動方向の切り替わり時として算出する。物体の振動には対称性があるため、半周期信号の中心位置は振動面の移動方向の切り替わり位置となる。
【0027】
〔実施例〕
次に、自己混合型LDVを用いた実施例を説明する。自己混合型LDVは、非接触で測定ができ、センサヘッドが小型、安価であるため、複数用意することができ、さらに、相対変位をサブミクロンオーダーで測定することが可能であるため、振動計測に最適と考えられる。この自己混合型LDVの詳細については、特公昭8−27350号公報に開示されている。
【0028】
自己混合型LDVでは、振動面にレーザビームを照射して反射光をレーザに戻すことにより、振動面の変位に応じた鋸歯状波が発生する。上述したように、鋸歯状波は、振動面がレーザ波長の半分の距離(λ/2)変位したとき、一波発生する。従って、鋸歯状波をカウントすると測定対象物の変位を測定することとなる。時間経過に沿って変位(鋸歯状波)を数えれば、振動状態を測定することができる。
【0029】
しかし、振動面の移動方向が変わるときは、移動速度はゼロに近づき、鋸歯状波の波長は長く波形が間延びした状態となるため、波形形状による識別が難しい。すなわち、振動面の移動方向が変わるときには、鋸歯状波の傾きによる判定ができない。さらに、振動面の変位がλ/2の倍数であるとは限らないので、図4(A)〜(C)に示すように、方向の切り替わり近くの鋸歯状波はさまざまな波形となる。
【0030】
また、加工機の振動を検出する場合にも、この付近に特徴のある振動周波数が現れるので、他の周波数が加算された場合にも、方向切り替わり時間を正確に判断する必要がある。
【0031】
〔信号処理〕
図5は本実施例の第1実施例の構成を示すブロック図である。演算部14は、パルス毎の波長データを記憶するメモリ14Aと、このメモリ14Aから波長データを読み出すと共に当該各鋸歯状波毎の波長データに基づいて測定対象物の振動方向の切り替わり時を演算する切り替わり時演算回路14Bとを備えている。また、光検出手段10として、センサヘッド10を採用し、このセンサヘッドの10の出力は、信号処理手段12のアンプ12Aにより増幅される。
【0032】
図5に示す例では、信号処理手段12は、波形信号を鋸歯状波毎のパルス信号に変換するパルス化部13を備えている。パルス化部13は、アンプ12Aの出力をデジタルデータに変換するA/Dコンバータ12Bと、このA/Dコンバータ12Bが出力するデジタルデータから鋸歯状波を検出する鋸歯状波検出回路12Dとを備えている。この鋸歯状波検出回路12Dは、検出した鋸歯状波に番号を付与する番号付与部を備えている。さらに、演算手段14は、鋸歯状波検出回路12Dから出力される鋸歯状波のピーク間時間を計測する時間計測回路12Eを備えている。
【0033】
図5に示す例では、センサヘッド10のフォトダイオードで検出した鋸歯状波を、アンプ12Aで増幅してデジタルデータに変換し、メモリ12Cに蓄積する。次いで、メモリの波形データから、鋸歯状波を識別し、ナンバーを付けると共に、経過時間を記録する。一波あたりの経過時間から、方向切り替わり時間を演算により求め、メモリ14A内の変位増減情報を修正する。
【0034】
図6は、デジタル変換せずアナログ波形から鋸歯状波を判定、番号を付け経過時間を記録する構成である。図6に示す例では、信号処理手段12が、波形信号を鋸歯状波毎のパルス信号に変換するパルス化部(パルス化回路)12Fと、このパルス化回路12Fから出力されるパルス信号の各パルスにパルス番号を付与する番号付与部とを備え、演算手段14が、パルス化手段12Fから出力されるパルス信号に基づいて当該各パルス出力間の時間を計時するカウンタ12Hと、このカウンタ12Hから出力されるパルス毎の波長データを記憶するメモリ14Aと、このメモリ14Aから波長データを読み出すと共に当該各鋸歯状波毎の波長データに基づいて前記測定対象物の振動方向の切り替わり時を演算する切り替わり時演算回路14Bとを備えている。
【0035】
パルス化回路12Fは、波形を微分することにより時間に対する電圧の変化量から鋸歯状波を識別する。識別した後は、鋸歯状波に応じてパルスを出力する。パルスに番号を付けると同時に、フリーランニングカウンタ等により時間経過を表すデータを受信し記録する。次に、一波あたりの経過時間から、方向切り替わり時間を演算によって求め、メモリ内の変位増減情報を修正する。そして、時間経過に対する振動面の変位をグラフ化すると、振動状態が解析できる。
【0036】
図5又は図6に示す構成により、図7に示すように、鋸歯状波をパルス化してパルス番号を付与することができる。
【0037】
〔振動方向の切り替わり時〕
振動方向の切り替わり時を求める手法について図8を参照して説明する。図8の横軸は、図5の処理構成で鋸歯状波をパルス化したとき、各パルスに付与した番号である。縦軸は、パルス間の時間、すなわち、一鋸歯状波の波長である。方向切り替わり時間における鋸歯状波には、次の特徴がみられる。
【0038】
(1). 方向切り替わり時間を中心として対照的
(2). 多様な鋸歯状波となるため、鋸歯状波長の長い山は複数出現する可能性がある。
(3). 振動方向切り替わり時間付近の鋸歯状波長は他の部分に比べて確実に長い。
【0039】
これらのことから、振動方向の切り替わり時間を、鋸歯状波長と時系列パルス化したときのパルス番号をN、パルス列の大きさをm、パルス列最初のパルス番号をMs、最後のパルス番号をMe、鋸歯状波長をλB(N)、とすると、中心点すなわち振動方向が反転したときのパルス番号Ncは次式(1)で求めることができる。
【0040】
【数1】
【0041】
図9に示すように、振動方向切り替わり時Ncが算出されたため、Nc<N<Meの範囲内eにあるメモリ内の変位増減情報を変更する。図9に示す例では、Nc以降の変位増減情報eである「1」を変位増減情報fである「0」に変更する。この演算は、回路を作成して行うこともできるが、積算、除算の必要があるため、マイコンなどプログラムを使って処理するのが望ましい。
【0042】
図10に示すように、時間経過に対して振動面の変位をグラフ化する際、変位増減情報が前のデータと変わらなければ、鋸歯状波長分ごとにλ/2づつ加算(または減算)し続ける。変位増減情報が前のデータと異なるときは、一転してλ/2づつ減算(又は加算)し、グラフ化する。
【0043】
次に、パルス列の抽出処理を説明する。移動方向反転時のパルス番号を求めるには、移動方向反転時を中心として振動の半周気分のパルス列を抽出して演算しなくてはならない。
【0044】
ここでは、振動面の移動速度が最も速いときのパルスを基点にMs、Meを求める。移動速度が最も速いということは、鋸歯状波の波長が最も短いということであるから、順次波長を比較して最小の鋸歯状波長を探し、これに対応するパルス番号をMs、Meとする。
【0045】
図11はこのパルス列の抽出処理の一例を示すフローチャートである。まず、鋸歯状波波長を順次比較する場合、振動の半周期内で比較を終える必要がある。この範囲を決めるために、記憶した全ての波長の中から最大波長を探し(ステップS1)、許容範囲を定める(ステップS2)。
【0046】
次いで、順次鋸歯状波波長を比較して最小波長を検索する(ステップS3)。最小波長を探すために比較している波長がこの最大波長範囲に入ったら、比較すべき範囲を越えたと判断するし、最小波長に対するパルス番号を配列に入れる(ステップS4)。これを繰り返すと、配列には最小は長を持つパルス番号が残り、パルス列を抽出するために必要なMs,Meになる(ステップS5)。
【0047】
別のパルス列抽出方法としては、最大波長を見つけ最大波長許容範囲を定め、その波長を持つパルス列を抽出する方法も考えられる。この場合、最小波長も同様に探しておき、波長の変化幅から許容範囲を決定する。
【0048】
さらに別のパルス列抽出方法として、最大波長を見つけ最大波長許容範囲を定め、その波長をもつパルス列を抽出する方法も考えられる。この場合、最小波長も同様に探しておき、波長の変化幅から許容範囲を決定する。
【0049】
振動状態が定常的であれば、最大・最小波長はいつも同じ値であり、上記2方法とも有効である。振動状態が変動的である場合、常に抽出する範囲を探す前者の方法が優れている。
【0050】
図12及び図13に本実施例による自己混合型LDVを用いた振動測定の一例を示す。図12に示すように、ドアパネルa1の複数箇所の振動を測定するときでも、比較的安価な半導体レーザヘッドの複数備えるだけでよく、また、振動測定個所の変化に容易に対応でき、さらに、測定個所が多数となっても、非接触式であるため、測定対象物の振動に影響を与えない。
【0051】
しかも、図13に示すように、非接触式でレーザ光により対象物の振動を測定するため、対象物の大きさにかかわらず振動測定を行うことができ、さらに、測定面は必ずしも平面でなくとも測定が可能である。従って、振動解析によるモータの歯欠けの検出等の処理を良好に行うことができる。さらに、本実施例によると、従来例と比較して飛躍的に簡易でかつ耐久性の良い振動測定装置を提供できることができるため、対象物の剛性良否や溶接不良の検出など製造工程における振動解析を容易に行うことが可能となる。
【0052】
また、振動方向切り替わり時間検出方法について効果を述べると、次の点があげられる。
(1). 鋸歯状波の形が乱れても、振動方向切り替わり時間の検出ができる。
(2). 振動方向切り替わり時、鋸歯状波の波長が多様に変わっても、正確に切り替わり時間を検出できる。
(3). パルス列の抽出範囲が多少ズレても、検出結果に影響はない。
【0053】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、信号処理手段が、振動対象物の振動面の変位に応じた鋸歯状波を検出し、データ変換手段が、鋸歯状波の波長に応じて測定対象物の変位データを出力するため、対象物の振動面の変位を測定することができ、さらに、演算手段が、各鋸歯状波毎の波長差に基づいて測定対象物の振動方向の切り替わり時を算出するため、対象物の振動面の移動方向の変化時を良好に検出することができ、このため、鋸歯状波の波長に応じた変位量の変位方向を演算により特定することができ、従って、レーザドップラ速度計により対象物の振動を測定することが可能となり、このため、簡易な構成で且つ非接触式で振動の変位を測定することのできる従来にない優れた振動測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した演算手段の構成を示すブロック図である。
【図3】測定対象物の振動面の変位量を示す説明図である。
【図4】図4(A)〜(C)が振動方向切り替わり時の前後の波形を示す波形図である。
【図5】本発明の第1実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】信号処理手段によってパルス化された鋸歯状波の一例を示す説明図である。
【図8】パルス列の抽出を説明するためのグラフ図である。
【図9】変位増減情報の変更を説明するための説明図である。
【図10】データ変換手段によるデータ変換の一例を示す説明図である。
【図11】パルス列の抽出処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】ドアパネルを測定対象物とした振動測定の一例を示す説明図である。
【図13】ドリルモータを測定対象物とした振動測定の一例を示す説明図である。
【図14】従来の振動測定の一例を示す説明図である。
【図15】従来の振動測定の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 光検出手段
12 信号処理手段
14 演算手段
16 データ変換手段
20 計時部
22 半周期波形信号抽出部
24 切り替わり時算出部
Claims (4)
- 測定対象物から反射したレーザ光を観測する光検出手段と、この光検出手段から出力された波形信号を解析すると共に鋸歯状波を検出する信号処理手段と、この信号処理手段によって検出された各鋸歯状波毎の波長差に基づいて前記測定対象物の振動方向の切り替わり時を算出する演算手段とを備えると共に、
この演算手段に、当該演算手段によって算出された切り替わり時情報に基づいて前記各鋸歯状波の波長を前記対象物の変位データに変換するデータ変換手段を併設したことを特徴とする振動測定装置。 - 前記演算手段が、前記信号処理手段によって検出された隣り合う各鋸歯状波のピーク間時間を順次計時する計時部と、この計時部によって計時された各鋸歯状波毎のピーク間時間に基づいて前記測定対象物の振動の半周期に応じた信号波形を抽出する半周期波形信号抽出部と、この半周期波形信号抽出部によって抽出された半周期信号波形の中心位置を前記切り替わり時として算出する切り替わり時算出部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の振動測定装置。
- 前記半周期波形信号抽出部が、前記計時部によって計時された複数の鋸歯状波のピーク間時間のうち最長のピーク間時間を検索する第1の検索機能と、この第1の検索機能によって検索された最長のピーク間時間に基づいて比較範囲を定めると共に当該比較範囲内の最短ピーク時間を持つ鋸歯状波を検索する第2の検索機能と、この第2の検索機能によって前記比較範囲毎に検索された鋸歯状波間の信号波形を半周期信号波形として抽出する抽出機能とを備えたことを特徴とする請求項2記載の振動測定装置。
- 前記信号処理手段が、前記波形信号を鋸歯状波毎のパルス信号に変換するパルス化部と、このパルス化部から出力されるパルス信号の各パルスにパルス番号を付与する番号付与部とを備え、
前記演算手段が、前記パルス化部から出力される前記パルス信号に基づいて当該各パルス出力間の時間を計時するカウンタと、このカウンタから出力されるパルス毎の波長データを記憶するメモリと、このメモリから波長データを読み出すと共に当該各鋸歯状波毎の波長データに基づいて前記測定対象物の振動方向の切り替わり時を演算する切り替わり時演算回路とを備えたことを特徴とする請求項1記載の振動測定装置。
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