JP2004177136A - コイルの絶縁診断方法および診断システム - Google Patents
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Abstract
【課題】周辺雑音の大きい測定環境でも精度の良いコイル絶縁層の劣化診断方法および装置を実現する。
【解決手段】マイカをレジンで固着したコイル絶縁層の劣化の程度を、衝撃力に対する応答振動で評価する方法において、応答振動を光学式の非接触変位計で計測する。また衝撃力付与機構と光学式の非接触変位計センサ部を1つの筐体に納めて、衝撃応答特性計測装置を構成する
。
【効果】精度の高い評価信号を収集し、信頼性の高いコイルの絶縁劣化診断方法を提供することができる。また、試験工程を簡略化するとともに、ばらつきを低減し、信頼性が高く、評価時間を短縮できるコイルの絶縁劣化診断システムを提供することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】マイカをレジンで固着したコイル絶縁層の劣化の程度を、衝撃力に対する応答振動で評価する方法において、応答振動を光学式の非接触変位計で計測する。また衝撃力付与機構と光学式の非接触変位計センサ部を1つの筐体に納めて、衝撃応答特性計測装置を構成する
。
【効果】精度の高い評価信号を収集し、信頼性の高いコイルの絶縁劣化診断方法を提供することができる。また、試験工程を簡略化するとともに、ばらつきを低減し、信頼性が高く、評価時間を短縮できるコイルの絶縁劣化診断システムを提供することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコイルの絶縁診断方法および診断システムに関し、特に、発電機等の高電圧回転電気機械に係る固定子に組込まれる高電圧コイル絶縁層の構造変化による絶縁性能の劣化を診断する方法およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
高電圧回転電気機械の固定子コイルの絶縁層の劣化を診断する方法として、例えば特開2000−146929号や特開平11−27904号に示されているように、絶縁層を機械的に打撃して、発生する音の時間波形や周波数スペクトルを評価する方法が検討されている。また特公平6−40723号に記載されているように、絶縁層の機械的振動の伝達率を電気的特性の変化で検知しようとする方法が検討されている。
【0003】
一方、構造体の機械的な特性を診断する方法として、特開平10−300730号には打撃力と発生する音響信号を同時に計測して、両者に各種の演算処理を施して評価する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−146929号公報
【特許文献2】
特開平11−27904号公報
【特許文献3】
特公平6−40723号公報
【特許文献4】
特開平10−300730号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の各種診断技術のうち、特開2000−146929号,特開平11−27904号,特開平10−300730号に記載されている、絶縁層や構造体を打撃した際に生じる振動を音響信号として採取して処理する方法は、評価対象の音響信号に重畳して測定環境の騒音が雑音として入り込むという課題があった。このため、診断したい機械の周囲に運転中の他の機械がある工場や発電所では適正な診断が出来ない場合が多かった。また複数の作業を同時に進めなければならない定期点検などの際には作業音などが障害となる場合もあった。そして診断する過程で新しい雑音を加えることは避けなければならないため、打撃操作を自動化するためには操作機構を十分に低騒音化した複雑な機構が必要となっていた。
【0006】
打撃で生じる振動を音響で評価する場合には、原理的に構造体のしかるべき面積の平均の振動に対応した信号を評価することになる。局所的な振動を評価しようとすればするほど、検出するべき音響は微小なものとなり、雑音との分離が一層難しくなる。
【0007】
特公平6−40723号に記載されている、打撃によりコイル絶縁層の振動伝達の強度をインダクタンスや静電容量といった電気的な特性の変化で評価する方法は、コイル全体の平均的な評価を表わすが、局部的な評価はできない。また一般的に電気機械のコイルは絶縁層よりも弾性率が小さいスプリング部材等で保持されている場合が多く、絶縁層の劣化に伴う弾性の変化が保持部材に埋もれて見えないことが多い。
【0008】
本発明の目的は、精度の高い評価信号を収集し、信頼性の高いコイルの絶縁劣化診断方法を提供するところにある。
【0009】
また本発明の他の目的は、試験工程を簡略化するとともに、ばらつきを低減し、信頼性が高く、評価時間を短縮できるコイルの絶縁劣化診断システムを提供するところにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明はコイル絶縁層にインパルス状の衝撃力を加えた時に生じる絶縁層の応答振動を光学式に非接触で、変位の時間特性として検出し、そのデータを演算処理して得られた結果を絶縁層の劣化診断の指標とすることを特徴とする。
【0011】
また、本発明はコイル絶縁層に対する衝撃力付加機構と、光学式の応答振動変位検出機構を組合わせて、衝撃力応答評価装置を構成したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の上記特徴及び他の特徴は、特許請求の範囲及び明細書,図面の記載により、更に明らかにされる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施例を図を用いて説明する。高電圧回転電気機械の一例として発電機に適用した場合について、図1に対象とする発電機1の構成例を示す。回転子20を囲んで固定子コア21が配置されている。固定子コア21にはスロット30が設けられて、固定子コイル40が組込まれている。
【0014】
図2に固定子コイル40の詳しい構造を示す。固定子コア21に設けられた1つのスロット30には上コイル40Uと底コイル40Bの2本1組の固定子コイル40が組込まれる。そして固定子コイル40はスプリング部材23,26,絶縁スペーサ部材24,25,楔22でスロット30内に固定される。上コイル40Uはさらに詳しくはコイル導体42の周囲に絶縁層43が形成されている。これは底コイル40Bについても同じである。コイル導体42は高電位、固定子コア21は接地電位であるので、この絶縁層43には厳しい電界が加わり、ここが絶縁破壊すると機械が機能しなくなることから、機械の運転に伴う経時劣化には十分な注意が必要である。本実施例は、この絶縁層43の劣化診断技術に関するものである。
【0015】
絶縁層43はマイカ片を多層に重ねて有機レジン、代表的にはエポキシレジンで固着して形成される。絶縁特性上は内部がマイカとレジンで完全に充填されている絶縁層が望まれるが、工業的な製品として製作される実際の発電機用コイルはある程度の空隙が存在することが避けられない。内部に空隙のある絶縁層に高電圧が加わると誘電率の違いにより、空隙で部分放電が発生する。
【0016】
一方、電気機械を長時間運転すると、絶縁層内部には電気的,機械的,熱的,その他のストレスが加わる。そして最初からある空隙や、主に機械的な負荷要因で新たに発生した空隙が拡大進展して剥離や亀裂につながる恐れがある。そして空隙が拡大すると部分放電電荷量が増加するので、これがさらなる劣化要因となって剥離やボイドを誘起,拡大し、劣化が加速度的に進展する。
【0017】
このような劣化形態をとるコイルの絶縁層の劣化を検出,評価する手段として、絶縁層にインパルス状の衝撃力を加えて、発生する振動を検出して分析する方法が有効である。つまり内部に空隙や剥離が増えると絶縁層の応答振動の周波数や減衰率が変化するので、劣化の程度を知ることができる。
【0018】
図3に本発明によるコイル絶縁層の衝撃力応答評価システムの一構成例を示す。コイル絶縁層43の表面をハンマ5のハンマヘッド51で打撃し、インパルス状の衝撃力を加える。ハンマ5には衝撃力を検知するための荷重計センサ61が取り付けられており、荷重計コントローラ6により衝撃力を電気信号に変換する。一方、衝撃点近傍に光学式非接触変位計センサ71を配置し、インパルス状の衝撃力を加えた際にコイル絶縁層43に生じる振動変位を検出して、変位計コントローラ7により、振動変位を電気信号に変換する。
【0019】
図4に本発明における振動変位計測形態の詳細を示す。光学式非接触変位計センサ71は被測定体であるコイル絶縁層43の表面に向けてレーザー光72を照射し、反射光73を受光する。そして送受光の位相差や周波数の変化から三角測量やドップラー効果の原理に基づいて振動変位を計測する。ここで光学式非接触変位計センサ71はコイル絶縁層43の表面と測定上必要な所定の距離を隔てて配置しなければならない。本実施例では一例として弾性支持体74を介してコイル絶縁層43に接触されている。図示では弾性支持体74を2個の弾性支持体74aと74bの組合わせで構成しているが、一体の部材でも構わないし、3個以上の部材の組合わせでも構わない。ここで弾性支持体74の剛性が大きいと、検出したい絶縁層43の表面の振動が光学式非接触変位計センサ71に伝達し、正確な測定ができなくなる。そこで光学式非接触変位計センサ71と弾性支持体74で形成する振動系の固有振動数が、検出したい振動の周波数よりも十分に小さくなるように構成する必要がある。これまでの実測データの知見から、コイル絶縁層43が劣化した場合の振動は100Hz〜20kHzに特徴が表われることがわかっている。そこで、弾性支持体74のばね定数をk、光学式非接触変位計センサ71の質量をmとして、式〔数1〕で決まる固有振動数fnが10Hz程度以下となるように弾性支持体74のばね定数kを設定するのが適当である。
【0020】
fn=(1/2π)×√(k/m) …〔数1〕
電気信号として収集された衝撃力と振動変位は信号処理装置11に送られて、演算処理される。ここで行われる演算処理の一例を示すと、高速フーリエ変換,平均化,時間波形の包絡線抽出や包絡線の減衰率算出,ウェーブレット変換,メカニカルインピーダンス算出等である。そして適切に処理された信号は評価装置12に送られて、劣化診断が行われる。具体的な処理内容の一例を示すと、各種特性の基準特性や閾値との比較による劣化レベルの評価や良否の判定がある。ここでいう各種特性とは振動レベル,メカニカルインピーダンス,減衰率等のそれぞれ個別の特性または複数を組合わせた特性のことである。また他の例としては、振動レベルの周波数スペクトルやウェーブレットパターンのパターン認識による劣化レベルの評価や良否の判定がある。
【0021】
本実施例における信号処理装置11と評価装置12の動作の一例を以下に説明する。被検査体のコイル絶縁層43に加えたインパルス状の衝撃力は荷重計センサ61で電圧信号に変換されて、一例として図5に示すような時間波形として荷重計コントローラ6から信号処理装置11に送られる。この衝撃力は信号処理装置11の内部の演算機能で周波数スペクトルに変換すると、一例として図6に示すような、ある程度の周波数までほぼ一様な大きさとなる。一方、光学式非接触変位計センサ71で検出した変位は変位計コントローラ7から、一例として図7に示すような時間波形として信号処理装置11に送られる。これを信号処理装置11で周波数スペクトルに変換し、さらに図6に示した衝撃力のスペクトルで除算すると、一例として図8に示すような振動スペクトルが得られる。これは検出した振動を衝撃力で除算していることから、同じ大きさの力に対する応答振動のし易さ、つまりメカニカルインピーダンスの逆数に相当するスペクトルである。
【0022】
被検査体のコイル絶縁層43は初期の良好な状態と、劣化して内部の構造が変化した状態で同じ衝撃力に対する応答振動の特性が変化する。この変化は図8に一例を示した周波数スペクトルの大きさや周波数分布に表われる。コイル絶縁層43の劣化モデルと応答振動の関係の一例を図9に示す。図9に例示した応答振動の周波数スペクトルは図8に例示した周波数スペクトルを、1/3オクターブバンドと呼ばれる、式〔数2〕で規定される周波数範囲ごとに加算したもので、特徴を単純化する効果があり、1/3オクターブスペクトルと呼ばれるものである。
【0023】
fi+1=3√2×fi …〔数2〕
ここでfi+1,fiは区切りの周波数である。
【0024】
図9に示すように、良好な絶縁層,やや劣化した絶縁層,劣化が進んだ絶縁層で、応答振動の時間波形やスペクトル分布に差異が生じることがわかる。本実施例の評価装置12で行う劣化評価の一方法例としては、たとえば特定の周波数スペクトルに着目して、その大きさに予め基準値を設定しておいて、それとの大小で劣化を判定する方法がある。また全体の周波数分布のパターンに着目して、パターン認識技術により評価する方法もある。また特開2000−146929号に記されている、時間波形の減衰率から劣化の程度を評価する方法を取り入れることもできる。さらに応答振動を時間周波数分析、いわゆるウェーブレット変換して、周波数スペクトルの時間的な変化から評価することもできる。
【0025】
本実施例において、インパルス状の衝撃力に対するコイル絶縁層43の表面の振動応答を、光学式非接触センサーを用いて変位信号として検出する方法には次のような長所がある。まず測定環境周辺の騒音の影響が無視できる程度に小さいため、従来行われていた、インパルス状の衝撃力の応答をマイクロホンにより可聴音で検出する方法に比べて大幅に精度が向上する。特に周辺で他の機械が動いていたり、近くで修理等の作業が行われていたりすることの多い工場や発電所での測定における測定精度が大幅に向上する。
【0026】
またマイクロホンで収録する可聴音はコイル絶縁層43の表面の、数cm級の距離に囲まれた面積の振動の平均的なエネルギーに対応したものであるのに対し、光学式非接触センサーで収録する変位データは数十μm級の距離に囲まれた微小なエリアなので、劣化診断の分解能を大幅に上げることが可能となる。さらに非接触センサーを用いることで、非検査体であるコイル絶縁層43の表面に加工痕を残すことはなく、かつ測定位置の移動が簡単で、多くの標本点のデータを短時間に収集できる。
【0027】
以上の実施例においてはコイル絶縁層にインパルス状の衝撃力を加えた際の応答振動を変位として捕らえる例を説明したが、振動の速度や加速度で検出する方法も本発明に適用することができ、同様な効果を得ることができる。このための計測装置は変位計ではなく、振動計という名称が使われる場合が多い。
【0028】
以上の実施例においては、応答振動の大きさを、付与した衝撃力の大きさに対する比率として評価する例を示した。より簡易に評価する方法としては、衝撃力の検出機構を省略して、応答振動の大きさだけで評価する方法もある。この場合には振動の大きさの絶対値で評価することはできないが、時間的な減衰特性や周波数スペクトルの分布パターンによりコイル絶縁層の劣化の程度を評価することができる。
【0029】
図10に本発明の他の実施例を示す。本実施例では光学式非接触変位計センサ71,ハンマ5,ハンマ駆動機構82を一つの筐体87に収納して、衝撃応答特性計測装置81を構成している。そして衝撃力付加と応答振動計測を遠隔操作により行うことができる装置としている。この衝撃応答特性計測装置81を、弾性支持体74を介して非検査体であるコイル絶縁層43の表面に接触させて、ハンマ5により絶縁層43に衝撃力を加えた際に生じる表面の応答振動の変位を光学式非接触変位計センサ71で計測する。ハンマ5には衝撃力を検出するための荷重計センサ61を取り付けてある。ここでは衝撃応答特性計測装置81の質量と、弾性支持体74のばね定数で形成する振動系の固有振動数が10Hz程度以下となるように弾性支持体74のばね定数を設定する必要がある。また光学式非接触変位計センサ71や衝撃応答特性計測装置81の構成部材の1つであるモータ83は筐体87に対して弾性部材88や89を介して取り付けられ、駆動系の振動が測定結果に影響するのを防いでいる。
【0030】
ハンマ駆動機構82の主な構成部材例は、遠隔操作の可能な動力源の一例としてのモータ83,動力伝達機構84,カム85,ばね86である。図11によりこれらの部材の動作の一例を説明する。測定前には(a)に示すようにハンマ5は軸52で支持され、ばね86の作用により絶縁層43の表面から離れている。衝撃力を付加する直前には(b)に示すようにモータ83と動力伝達機構84で駆動されたカム85でばね86が引き伸ばされ、ハンマヘッド51は絶縁層43の表面から離される。さらに行程が進むと(c)のようにカム85はハンマ5の柄尻53から外れ、ばね86の復元力でハンマ5は軸52を中心に回転し、回転運動の後半には慣性も加わって、ハンマヘッド51は絶縁層43の表面に衝突し、衝撃力を加える。その後は(d)のようにばね86が原点に復帰し、ハンマ5の動作は終了する。
【0031】
本実施例においてはハンマ5の衝撃力に対する絶縁層43の表面の応答振動を光学式非接触変位計センサ71で計測している。この方法により、応答振動をマイクロホンを用いて可聴音で計測する方法に比べて、精度の高いデータ収集を実現している。すなわち、ハンマ駆動機構82は動作時に雑音を発生する。主な音源はモータ83の回転音と動力伝達機構84の摺動音であり、その他可動各部の擦過音等もある。絶縁層43の振動を音響で検出する際には、マイクの近くで発生するこれらの雑音が本来計測したい振動音に重畳するため、測定したデータの信頼性が損なわれる。またマイクにとっては、ハンマ5が高速で動く際の気流も雑音になり、これも精度低下の要因になる。これに対して本実施例のように応答振動を光学式非接触変位計センサ71で検出する方法では周辺の雑音の妨害をほぼ排除できるので、測定したデータは十分に高い信頼性を有する。
【0032】
以上の実施例を説明したように、コイルの絶縁劣化診断方法としての衝撃力応答特性評価方法において、絶縁層に生じる応答振動の変位を光学的に非接触で計測していることから、測定環境の雑音の影響を抑制した精度の高い測定データを収集することができる。また微小領域の応答振動を評価できることから、局所的な劣化を評価することができる。また周辺雑音の影響を抑制できることから、雑音の発生を許容せざるを得ない衝撃力付加機構を併用した遠隔操作型測定装置においても十分に精度の高いデータを得ることができる。そしてこれらの精度の高いデータを基に行う絶縁層の劣化診断は、より評価精度の高いものとなる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、精度の高い評価信号を収集し、信頼性の高いコイルの絶縁劣化診断方法を提供することができる。
【0034】
また、本発明によれば、試験工程を簡略化するとともに、ばらつきを低減し、信頼性が高く、評価時間を短縮できるコイルの絶縁劣化診断システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施対象の一例としての発電機の全体構成例を示す概念図である。
【図2】本発明の実施対象の一例としての発電機固定子と固定子コイルの構成例を示す概念図である。
【図3】本発明の一実施例としてのコイル絶縁層の衝撃力応答評価システムの一構成例を示す概念図である。
【図4】本発明の一実施例としてのコイル絶縁層の振動変位計測形態を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施例におけるコイル絶縁層に付与する衝撃力の一例の時間特性図である。
【図6】本発明の一実施例におけるコイル絶縁層に付与する衝撃力の一例の周波数特性図である。
【図7】本発明の一実施例において計測したコイル絶縁層の振動変位の一例の時間特性図である。
【図8】本発明の一実施例において計測したコイル絶縁層の振動変位の一例の周波数特性図である。
【図9】コイル絶縁層の劣化の概念と振動変位の時間および周波数特性図の関係例を示す概念図である。
【図10】本発明の一実施例としての衝撃力付与機構と応答振動変位計測機構を組合わせた衝撃応答特性計測装置の一構成例を示す断面図である。
【図11】本発明の一実施例としての衝撃応答特性計測装置で用いる衝撃力付与機構の駆動行程の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…発電機、5…ハンマ、6…荷重計コントローラ、7…変位計コントローラ、11…信号処理装置、12…評価装置、20…回転子、21…固定子コア、
40…固定子コイル、42…コイル導体、43…絶縁層、51…ハンマヘッド、61…荷重計センサ、71…光学式非接触変位計センサ、81…衝撃応答特性計測装置、83…モータ、84…動力伝達機構、85…カム。
【発明の属する技術分野】
本発明はコイルの絶縁診断方法および診断システムに関し、特に、発電機等の高電圧回転電気機械に係る固定子に組込まれる高電圧コイル絶縁層の構造変化による絶縁性能の劣化を診断する方法およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
高電圧回転電気機械の固定子コイルの絶縁層の劣化を診断する方法として、例えば特開2000−146929号や特開平11−27904号に示されているように、絶縁層を機械的に打撃して、発生する音の時間波形や周波数スペクトルを評価する方法が検討されている。また特公平6−40723号に記載されているように、絶縁層の機械的振動の伝達率を電気的特性の変化で検知しようとする方法が検討されている。
【0003】
一方、構造体の機械的な特性を診断する方法として、特開平10−300730号には打撃力と発生する音響信号を同時に計測して、両者に各種の演算処理を施して評価する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−146929号公報
【特許文献2】
特開平11−27904号公報
【特許文献3】
特公平6−40723号公報
【特許文献4】
特開平10−300730号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の各種診断技術のうち、特開2000−146929号,特開平11−27904号,特開平10−300730号に記載されている、絶縁層や構造体を打撃した際に生じる振動を音響信号として採取して処理する方法は、評価対象の音響信号に重畳して測定環境の騒音が雑音として入り込むという課題があった。このため、診断したい機械の周囲に運転中の他の機械がある工場や発電所では適正な診断が出来ない場合が多かった。また複数の作業を同時に進めなければならない定期点検などの際には作業音などが障害となる場合もあった。そして診断する過程で新しい雑音を加えることは避けなければならないため、打撃操作を自動化するためには操作機構を十分に低騒音化した複雑な機構が必要となっていた。
【0006】
打撃で生じる振動を音響で評価する場合には、原理的に構造体のしかるべき面積の平均の振動に対応した信号を評価することになる。局所的な振動を評価しようとすればするほど、検出するべき音響は微小なものとなり、雑音との分離が一層難しくなる。
【0007】
特公平6−40723号に記載されている、打撃によりコイル絶縁層の振動伝達の強度をインダクタンスや静電容量といった電気的な特性の変化で評価する方法は、コイル全体の平均的な評価を表わすが、局部的な評価はできない。また一般的に電気機械のコイルは絶縁層よりも弾性率が小さいスプリング部材等で保持されている場合が多く、絶縁層の劣化に伴う弾性の変化が保持部材に埋もれて見えないことが多い。
【0008】
本発明の目的は、精度の高い評価信号を収集し、信頼性の高いコイルの絶縁劣化診断方法を提供するところにある。
【0009】
また本発明の他の目的は、試験工程を簡略化するとともに、ばらつきを低減し、信頼性が高く、評価時間を短縮できるコイルの絶縁劣化診断システムを提供するところにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明はコイル絶縁層にインパルス状の衝撃力を加えた時に生じる絶縁層の応答振動を光学式に非接触で、変位の時間特性として検出し、そのデータを演算処理して得られた結果を絶縁層の劣化診断の指標とすることを特徴とする。
【0011】
また、本発明はコイル絶縁層に対する衝撃力付加機構と、光学式の応答振動変位検出機構を組合わせて、衝撃力応答評価装置を構成したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の上記特徴及び他の特徴は、特許請求の範囲及び明細書,図面の記載により、更に明らかにされる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施例を図を用いて説明する。高電圧回転電気機械の一例として発電機に適用した場合について、図1に対象とする発電機1の構成例を示す。回転子20を囲んで固定子コア21が配置されている。固定子コア21にはスロット30が設けられて、固定子コイル40が組込まれている。
【0014】
図2に固定子コイル40の詳しい構造を示す。固定子コア21に設けられた1つのスロット30には上コイル40Uと底コイル40Bの2本1組の固定子コイル40が組込まれる。そして固定子コイル40はスプリング部材23,26,絶縁スペーサ部材24,25,楔22でスロット30内に固定される。上コイル40Uはさらに詳しくはコイル導体42の周囲に絶縁層43が形成されている。これは底コイル40Bについても同じである。コイル導体42は高電位、固定子コア21は接地電位であるので、この絶縁層43には厳しい電界が加わり、ここが絶縁破壊すると機械が機能しなくなることから、機械の運転に伴う経時劣化には十分な注意が必要である。本実施例は、この絶縁層43の劣化診断技術に関するものである。
【0015】
絶縁層43はマイカ片を多層に重ねて有機レジン、代表的にはエポキシレジンで固着して形成される。絶縁特性上は内部がマイカとレジンで完全に充填されている絶縁層が望まれるが、工業的な製品として製作される実際の発電機用コイルはある程度の空隙が存在することが避けられない。内部に空隙のある絶縁層に高電圧が加わると誘電率の違いにより、空隙で部分放電が発生する。
【0016】
一方、電気機械を長時間運転すると、絶縁層内部には電気的,機械的,熱的,その他のストレスが加わる。そして最初からある空隙や、主に機械的な負荷要因で新たに発生した空隙が拡大進展して剥離や亀裂につながる恐れがある。そして空隙が拡大すると部分放電電荷量が増加するので、これがさらなる劣化要因となって剥離やボイドを誘起,拡大し、劣化が加速度的に進展する。
【0017】
このような劣化形態をとるコイルの絶縁層の劣化を検出,評価する手段として、絶縁層にインパルス状の衝撃力を加えて、発生する振動を検出して分析する方法が有効である。つまり内部に空隙や剥離が増えると絶縁層の応答振動の周波数や減衰率が変化するので、劣化の程度を知ることができる。
【0018】
図3に本発明によるコイル絶縁層の衝撃力応答評価システムの一構成例を示す。コイル絶縁層43の表面をハンマ5のハンマヘッド51で打撃し、インパルス状の衝撃力を加える。ハンマ5には衝撃力を検知するための荷重計センサ61が取り付けられており、荷重計コントローラ6により衝撃力を電気信号に変換する。一方、衝撃点近傍に光学式非接触変位計センサ71を配置し、インパルス状の衝撃力を加えた際にコイル絶縁層43に生じる振動変位を検出して、変位計コントローラ7により、振動変位を電気信号に変換する。
【0019】
図4に本発明における振動変位計測形態の詳細を示す。光学式非接触変位計センサ71は被測定体であるコイル絶縁層43の表面に向けてレーザー光72を照射し、反射光73を受光する。そして送受光の位相差や周波数の変化から三角測量やドップラー効果の原理に基づいて振動変位を計測する。ここで光学式非接触変位計センサ71はコイル絶縁層43の表面と測定上必要な所定の距離を隔てて配置しなければならない。本実施例では一例として弾性支持体74を介してコイル絶縁層43に接触されている。図示では弾性支持体74を2個の弾性支持体74aと74bの組合わせで構成しているが、一体の部材でも構わないし、3個以上の部材の組合わせでも構わない。ここで弾性支持体74の剛性が大きいと、検出したい絶縁層43の表面の振動が光学式非接触変位計センサ71に伝達し、正確な測定ができなくなる。そこで光学式非接触変位計センサ71と弾性支持体74で形成する振動系の固有振動数が、検出したい振動の周波数よりも十分に小さくなるように構成する必要がある。これまでの実測データの知見から、コイル絶縁層43が劣化した場合の振動は100Hz〜20kHzに特徴が表われることがわかっている。そこで、弾性支持体74のばね定数をk、光学式非接触変位計センサ71の質量をmとして、式〔数1〕で決まる固有振動数fnが10Hz程度以下となるように弾性支持体74のばね定数kを設定するのが適当である。
【0020】
fn=(1/2π)×√(k/m) …〔数1〕
電気信号として収集された衝撃力と振動変位は信号処理装置11に送られて、演算処理される。ここで行われる演算処理の一例を示すと、高速フーリエ変換,平均化,時間波形の包絡線抽出や包絡線の減衰率算出,ウェーブレット変換,メカニカルインピーダンス算出等である。そして適切に処理された信号は評価装置12に送られて、劣化診断が行われる。具体的な処理内容の一例を示すと、各種特性の基準特性や閾値との比較による劣化レベルの評価や良否の判定がある。ここでいう各種特性とは振動レベル,メカニカルインピーダンス,減衰率等のそれぞれ個別の特性または複数を組合わせた特性のことである。また他の例としては、振動レベルの周波数スペクトルやウェーブレットパターンのパターン認識による劣化レベルの評価や良否の判定がある。
【0021】
本実施例における信号処理装置11と評価装置12の動作の一例を以下に説明する。被検査体のコイル絶縁層43に加えたインパルス状の衝撃力は荷重計センサ61で電圧信号に変換されて、一例として図5に示すような時間波形として荷重計コントローラ6から信号処理装置11に送られる。この衝撃力は信号処理装置11の内部の演算機能で周波数スペクトルに変換すると、一例として図6に示すような、ある程度の周波数までほぼ一様な大きさとなる。一方、光学式非接触変位計センサ71で検出した変位は変位計コントローラ7から、一例として図7に示すような時間波形として信号処理装置11に送られる。これを信号処理装置11で周波数スペクトルに変換し、さらに図6に示した衝撃力のスペクトルで除算すると、一例として図8に示すような振動スペクトルが得られる。これは検出した振動を衝撃力で除算していることから、同じ大きさの力に対する応答振動のし易さ、つまりメカニカルインピーダンスの逆数に相当するスペクトルである。
【0022】
被検査体のコイル絶縁層43は初期の良好な状態と、劣化して内部の構造が変化した状態で同じ衝撃力に対する応答振動の特性が変化する。この変化は図8に一例を示した周波数スペクトルの大きさや周波数分布に表われる。コイル絶縁層43の劣化モデルと応答振動の関係の一例を図9に示す。図9に例示した応答振動の周波数スペクトルは図8に例示した周波数スペクトルを、1/3オクターブバンドと呼ばれる、式〔数2〕で規定される周波数範囲ごとに加算したもので、特徴を単純化する効果があり、1/3オクターブスペクトルと呼ばれるものである。
【0023】
fi+1=3√2×fi …〔数2〕
ここでfi+1,fiは区切りの周波数である。
【0024】
図9に示すように、良好な絶縁層,やや劣化した絶縁層,劣化が進んだ絶縁層で、応答振動の時間波形やスペクトル分布に差異が生じることがわかる。本実施例の評価装置12で行う劣化評価の一方法例としては、たとえば特定の周波数スペクトルに着目して、その大きさに予め基準値を設定しておいて、それとの大小で劣化を判定する方法がある。また全体の周波数分布のパターンに着目して、パターン認識技術により評価する方法もある。また特開2000−146929号に記されている、時間波形の減衰率から劣化の程度を評価する方法を取り入れることもできる。さらに応答振動を時間周波数分析、いわゆるウェーブレット変換して、周波数スペクトルの時間的な変化から評価することもできる。
【0025】
本実施例において、インパルス状の衝撃力に対するコイル絶縁層43の表面の振動応答を、光学式非接触センサーを用いて変位信号として検出する方法には次のような長所がある。まず測定環境周辺の騒音の影響が無視できる程度に小さいため、従来行われていた、インパルス状の衝撃力の応答をマイクロホンにより可聴音で検出する方法に比べて大幅に精度が向上する。特に周辺で他の機械が動いていたり、近くで修理等の作業が行われていたりすることの多い工場や発電所での測定における測定精度が大幅に向上する。
【0026】
またマイクロホンで収録する可聴音はコイル絶縁層43の表面の、数cm級の距離に囲まれた面積の振動の平均的なエネルギーに対応したものであるのに対し、光学式非接触センサーで収録する変位データは数十μm級の距離に囲まれた微小なエリアなので、劣化診断の分解能を大幅に上げることが可能となる。さらに非接触センサーを用いることで、非検査体であるコイル絶縁層43の表面に加工痕を残すことはなく、かつ測定位置の移動が簡単で、多くの標本点のデータを短時間に収集できる。
【0027】
以上の実施例においてはコイル絶縁層にインパルス状の衝撃力を加えた際の応答振動を変位として捕らえる例を説明したが、振動の速度や加速度で検出する方法も本発明に適用することができ、同様な効果を得ることができる。このための計測装置は変位計ではなく、振動計という名称が使われる場合が多い。
【0028】
以上の実施例においては、応答振動の大きさを、付与した衝撃力の大きさに対する比率として評価する例を示した。より簡易に評価する方法としては、衝撃力の検出機構を省略して、応答振動の大きさだけで評価する方法もある。この場合には振動の大きさの絶対値で評価することはできないが、時間的な減衰特性や周波数スペクトルの分布パターンによりコイル絶縁層の劣化の程度を評価することができる。
【0029】
図10に本発明の他の実施例を示す。本実施例では光学式非接触変位計センサ71,ハンマ5,ハンマ駆動機構82を一つの筐体87に収納して、衝撃応答特性計測装置81を構成している。そして衝撃力付加と応答振動計測を遠隔操作により行うことができる装置としている。この衝撃応答特性計測装置81を、弾性支持体74を介して非検査体であるコイル絶縁層43の表面に接触させて、ハンマ5により絶縁層43に衝撃力を加えた際に生じる表面の応答振動の変位を光学式非接触変位計センサ71で計測する。ハンマ5には衝撃力を検出するための荷重計センサ61を取り付けてある。ここでは衝撃応答特性計測装置81の質量と、弾性支持体74のばね定数で形成する振動系の固有振動数が10Hz程度以下となるように弾性支持体74のばね定数を設定する必要がある。また光学式非接触変位計センサ71や衝撃応答特性計測装置81の構成部材の1つであるモータ83は筐体87に対して弾性部材88や89を介して取り付けられ、駆動系の振動が測定結果に影響するのを防いでいる。
【0030】
ハンマ駆動機構82の主な構成部材例は、遠隔操作の可能な動力源の一例としてのモータ83,動力伝達機構84,カム85,ばね86である。図11によりこれらの部材の動作の一例を説明する。測定前には(a)に示すようにハンマ5は軸52で支持され、ばね86の作用により絶縁層43の表面から離れている。衝撃力を付加する直前には(b)に示すようにモータ83と動力伝達機構84で駆動されたカム85でばね86が引き伸ばされ、ハンマヘッド51は絶縁層43の表面から離される。さらに行程が進むと(c)のようにカム85はハンマ5の柄尻53から外れ、ばね86の復元力でハンマ5は軸52を中心に回転し、回転運動の後半には慣性も加わって、ハンマヘッド51は絶縁層43の表面に衝突し、衝撃力を加える。その後は(d)のようにばね86が原点に復帰し、ハンマ5の動作は終了する。
【0031】
本実施例においてはハンマ5の衝撃力に対する絶縁層43の表面の応答振動を光学式非接触変位計センサ71で計測している。この方法により、応答振動をマイクロホンを用いて可聴音で計測する方法に比べて、精度の高いデータ収集を実現している。すなわち、ハンマ駆動機構82は動作時に雑音を発生する。主な音源はモータ83の回転音と動力伝達機構84の摺動音であり、その他可動各部の擦過音等もある。絶縁層43の振動を音響で検出する際には、マイクの近くで発生するこれらの雑音が本来計測したい振動音に重畳するため、測定したデータの信頼性が損なわれる。またマイクにとっては、ハンマ5が高速で動く際の気流も雑音になり、これも精度低下の要因になる。これに対して本実施例のように応答振動を光学式非接触変位計センサ71で検出する方法では周辺の雑音の妨害をほぼ排除できるので、測定したデータは十分に高い信頼性を有する。
【0032】
以上の実施例を説明したように、コイルの絶縁劣化診断方法としての衝撃力応答特性評価方法において、絶縁層に生じる応答振動の変位を光学的に非接触で計測していることから、測定環境の雑音の影響を抑制した精度の高い測定データを収集することができる。また微小領域の応答振動を評価できることから、局所的な劣化を評価することができる。また周辺雑音の影響を抑制できることから、雑音の発生を許容せざるを得ない衝撃力付加機構を併用した遠隔操作型測定装置においても十分に精度の高いデータを得ることができる。そしてこれらの精度の高いデータを基に行う絶縁層の劣化診断は、より評価精度の高いものとなる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、精度の高い評価信号を収集し、信頼性の高いコイルの絶縁劣化診断方法を提供することができる。
【0034】
また、本発明によれば、試験工程を簡略化するとともに、ばらつきを低減し、信頼性が高く、評価時間を短縮できるコイルの絶縁劣化診断システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施対象の一例としての発電機の全体構成例を示す概念図である。
【図2】本発明の実施対象の一例としての発電機固定子と固定子コイルの構成例を示す概念図である。
【図3】本発明の一実施例としてのコイル絶縁層の衝撃力応答評価システムの一構成例を示す概念図である。
【図4】本発明の一実施例としてのコイル絶縁層の振動変位計測形態を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施例におけるコイル絶縁層に付与する衝撃力の一例の時間特性図である。
【図6】本発明の一実施例におけるコイル絶縁層に付与する衝撃力の一例の周波数特性図である。
【図7】本発明の一実施例において計測したコイル絶縁層の振動変位の一例の時間特性図である。
【図8】本発明の一実施例において計測したコイル絶縁層の振動変位の一例の周波数特性図である。
【図9】コイル絶縁層の劣化の概念と振動変位の時間および周波数特性図の関係例を示す概念図である。
【図10】本発明の一実施例としての衝撃力付与機構と応答振動変位計測機構を組合わせた衝撃応答特性計測装置の一構成例を示す断面図である。
【図11】本発明の一実施例としての衝撃応答特性計測装置で用いる衝撃力付与機構の駆動行程の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…発電機、5…ハンマ、6…荷重計コントローラ、7…変位計コントローラ、11…信号処理装置、12…評価装置、20…回転子、21…固定子コア、
40…固定子コイル、42…コイル導体、43…絶縁層、51…ハンマヘッド、61…荷重計センサ、71…光学式非接触変位計センサ、81…衝撃応答特性計測装置、83…モータ、84…動力伝達機構、85…カム。
Claims (3)
- 回転機コイルの絶縁層の劣化の程度を、機械的な衝撃力に対する応答振動の特性から評価するコイルの絶縁診断方法において、応答振動を光学的非接触変位センサで計測することを特徴とするコイルの絶縁診断方法。
- 回転機コイルの絶縁層の劣化の程度を、機械的な衝撃力に対する応答振動の特性から評価するコイルの絶縁診断システムにおいて、その構成要素に少なくとも、光学的非接触変位センサおよびそのコントローラ,信号処理装置,評価装置が含まれていることを特徴とするコイルの絶縁診断システム。
- 回転機コイルの絶縁層の劣化の程度を、機械的な衝撃力に対する応答振動の特性から評価するコイルの絶縁診断システムにおいて、衝撃力の付加機構には少なくとも遠隔操作可能な動力源により駆動されるハンマを含み、応答振動の検出機構には少なくとも光学的非接触変位センサを含むことを特徴とするコイルの絶縁診断システム。
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