JP4591309B2 - モータ絶縁検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は,モータのコイルの絶縁を検査するモータ絶縁検査装置に関する。さらに詳細には,ステータ,ロータ,およびケースを組み付けてモータアッシとする前にコイルの絶縁不良を検出し,その絶縁不良が発生している部位を特定できるモータ絶縁検査装置に関するものである。
近年,低公害等の観点からハイブリッド自動車,電気自動車等が注目されている。従来から,これらの車両に搭載される車両駆動用モータにおいては,高精度の性能特性が要求されることから,そのモータの構成部品について種々の性能検査が行われている。特に,コイルの装着工程や成形工程中,機械または治具等による打撃,機械的圧力,摩擦等により,表面のエナメル部が破損し易い。そのため,コイルの絶縁不良を検出するための検査が行われている。
また,車両駆動用モータは,ステータ,ロータ,およびそれらを収容するケースを組み付けたモータアッシとして車載される。近年,モータアッシのコンパクト化が要請されており,モータを構成する部品がケース内に殆ど隙間なく収容されている。このモータアッシは,全体をコンパクトにするほど,ステータに巻装されたコイルのコイルエンドとケースとの間隔が狭くなる。そのため,コンパクトなモータアッシほどコイルとケースとの間の距離が短く,コイル−ケース間の絶縁が問題となる。
コイル−ケース間の絶縁検査は,ケースの組み付け前に直接行うことができない。そのため,モータアッシとして組み付けた後でそのモータアッシの絶縁検査を行い,絶縁不良が生じた不良モータを取り除いている。
また,コイルの絶縁を検査する検査装置としては,例えば特許文献1に示す回転電機の絶縁診断装置がある。この絶縁診断装置では,部分放電電流を検出し,その部分放電電流の極性を判別し,当該部分放電電流が層間絶縁によるものか対地絶縁によるものかを判別している。またこの他にも,例えば特許文献2に示す絶縁不良箇所特定装置がある。この絶縁不良箇所特定装置では,ステータの周囲を周方向に移動するアンテナを設け,アンテナから検出された信号を基に絶縁不良箇所を特定している。
特開2002−365326号公報 特開2005−69745号公報
しかしながら,前記した従来の技術には,次のような問題があった。すなわち,モータアッシとした後は,ステータに巻装されたコイルのコイルエンドがワニス等で固着され,さらにケースと一体化され,ステータ,ロータおよびケースが電気的に繋がった状態となる。そのため,モータアッシの絶縁検査の際に絶縁不良を検出しても,絶縁不良が生じた部位を特定できない。具体的には,絶縁不良が生じた部位が,コイル−ステータ間なのか,コイル−ロータ間なのか,あるいはコイル−ケース間なのかを特定できない。また,モータアッシとした後では,ステータ,ロータおよびケースが一体となっているため,絶縁不良が検出されたとしても,その不良モータの手直しはできない。
また,特許文献1や特許文献2の絶縁検査装置では,コイル−ステータ間やコイル相間の絶縁不良は検出できるが,コイル−ロータ間の絶縁不良やコイル−ケース間の絶縁不良を検出できない。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,モータアッシとする前にコイルの絶縁不良を検出するとともに,その絶縁不良が発生している部位を特定するモータ絶縁検査装置を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされたモータ絶縁検査装置は,ステータにコイルが巻装され,そのステータの内側にロータ部を配したモータを被検体とし,その被検体のコイルの絶縁を検査するモータ絶縁検査装置であって,被検体のコイルに所定の電圧を印加する電力供給部と,被検体のコイルエンドの収容が可能な凹部を備え,その凹部が被検体のコイルエンドに対向配置されるケース電極と,被検体のステータに電気的に接続され,そのステータに流れる電流を検出するステータ電流検出部と,被検体のロータ部に電気的に接続され,そのロータ部に流れる電流を検出するロータ電流検出部と,ケース電極に電気的に接続され,そのケース電極に流れる電流を検出するケース電流検出部と,ステータ電流検出部,ロータ電流検出部,およびケース電流検出部からの信号を基に被検体の絶縁不良部位を特定する絶縁不良特定部とを有することを特徴としている。
被検体の「ロータ部」は,製品として組み込まれるロータであってもよいし,製品となるロータを模した形状の電極であってもよい。
本発明のモータ絶縁検査装置では,被検体のコイルと電力供給部とを電気的に接続する。また,ステータ電流検出部を被検体のステータに,ロータ電流検出部を被検体のロータ部に,それぞれ電気的に接続する。そして,ステータ電流検出部によって,電力供給部による検査電圧印加時にコイル−ステータ間に流れる放電電流を検出する。また,ロータ電流検出部によって,電力供給部による検査電圧印加時にコイル−ロータ間に流れる放電電流を検出する。
さらに,本発明のモータ絶縁検査装置は,被検体のコイルエンドの収容が可能な凹部を備えたケース電極,すなわちモータアッシとしたときのケースに相当するケース電極を有し,そのケース電極の凹部を被検体のコイルエンドに対向配置する。このケース電極によって,コイルエンドがケース内に収容された状態,すなわちモータアッシとなった状態を模擬する。そして,このケース電極にケース電流検出部を電気的に接続する。このケース電流検出部によって,電力供給部による検査電圧印加時にコイル−ケース電極間に流れる放電電流を検出する。
そして,絶縁不良特定部によって,絶縁不良を検出するとともに絶縁不良が生じた部位を特定する。すなわち,ステータ電流検出部にて放電電流が検出された場合には,コイル−ステータ間に絶縁不良が生じていると判断し,ロータ電流検出部にて放電電流が検出された場合には,コイル−ロータ間に絶縁不良が生じていると判断し,ケース電流検出部にて放電電流が検出された場合には,コイル−ケース電極間に絶縁不良が生じていると判断する。コイル−ケース電極間は,コイルをケースに収容した後,すなわちモータアッシとした後のコイル−ケース間に相当する。これにより,コイル−ステータ間およびコイル−ロータ間に加え,コイル−ケース間の絶縁不良を特定できる。
また,本発明のモータ絶縁検査装置は,ステータにコイルが巻装され,そのステータの内側にロータ部を配置したモータを被検体としている。すなわち,ステータおよびロータをケースに収容する前のモータを被検体としている。そのため,絶縁不良が検出されたモータの手直しをすることができる。
なお,ケース電極の凹部の具体的な形状としては,例えば,モータアッシとした際に被検体を収容するケースの内側形状を模した形状であることとするとよい。このような形状にすることで,より製品に近い状態を模擬することができる。また,例えば,コイルエンドの外形形状を模した形状であることとするとよい。このような形状にすることで,コイルエンドの形状の良否を基にコイル−ケース間の絶縁を判断することができる。
本発明によれば,モータアッシとする前の状態のモータを被検体とし,絶縁不良部位を,コイル−ステータ間,コイル−ロータ間,あるいはコイル−ケース間のいずれかに特定することができる。よって,モータアッシとする前にコイルの絶縁不良を検出するとともに,その絶縁不良が発生している部位を特定するモータ絶縁検査装置が実現されている。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお,本実施の形態は,ハイブリッド車,電気自動車等に搭載される車両駆動用モータのモータ絶縁検査装置に本発明を適用したものである。
まず,車両駆動用モータの構成について簡単に説明する。車両駆動用モータは,図1に示すように,回転磁界を形成するステータ2と,ステータ2の内側で回転するロータ3とを備えている。また,車両駆動用モータは,ステータ2にコイル1が巻装され,さらにそのコイル1のコイルエンドが所定の形に成形されている。
ステータ2は,図2に示すように,円環板状の磁性鋼板21を積層してなるステータコア22を有している。各磁性鋼板21の内周部には,コイル1が挿入されるスロット23が複数個に形成されている。このステータコア22のスロット23にU,V,Wの各相のコイルが挿入されることによってステータ2が形成される。
一方,ロータ3は,図3に示すように,ロータ軸31と,そのロータ軸31の外周に永久磁石が所定の間隔で配置され,磁性鋼板を積層してなるロータコア32と,そのロータコア32の軸方向の両端部に配置されたアルミ製のエンドプレート33と,ロータ軸31の両端部に配置された軸受け35とを有している。コイル−ロータ間では,主としてコイルエンドとエンドプレート33との間の絶縁が問題となる。
また,図3に示したロータ3を,図2に示したステータ2の内側に配置し,さらにケース4によってケーシングすることにより,図4に示すようなモータアッシ40が形成される。モータアッシ40では,ステータ2と,ロータ3と,ケース4とが電気的に繋がった状態である。
続いて,モータ絶縁検査装置について説明する。なお,本実施の形態の検査では,製品としてモータアッシに組み込まれるロータの替わりに,そのロータの外形を模した形状のロータ相当電極を利用する。そのため,以下の説明では,このロータ相当電極をロータ3とし,ロータ相当電極をステータの内側に配したものを被検体10とする。
[第1の形態]
第1の形態のモータ絶縁検査装置100は,図5に示すように,被検体10のコイル1への電力供給を制御する電力供給部5と,放電電流を検出する電流検出センサ62,63,64と,各電流検出センサからの信号を取得し,絶縁不良の有無を判断する絶縁検査部7とを有している。
また,モータ絶縁検査装置100は,被検体10のコイル1と対向する面に凹部411が設けられたケース相当電極41を有している。このケース相当電極41の凹部411は,モータアッシ40のケース4の内側形状を模した形状になっている。そして,絶縁検査時には,被検体10のコイル1のコイルエンドがケース相当電極41の凹部411と対向するように配置される。これにより,モータアッシ40とする前に,コイル1がケース4に収納された状態,すなわちモータアッシ40となった状態を模擬することができる。なお,ケース相当電極41はあくまでもコイル−ケース間を模擬しただけであり,ステータ2,ロータ3,およびケース相当電極41は,それぞれ電気的に独立した状態である。
また,モータ絶縁検査装置100は,ステータ2,ロータ3,およびケース相当電極41にそれぞれ放電電流検出用の電流センサを配置する。すなわち,モータ絶縁検査装置100は,ステータ2と電気的に接続される電流検出センサ62と,ロータ3と電気的に接続される電流検出センサ63と,ケース相当電極41と電気的に接続される電流検出センサ64とを有している。各電流検出センサから出力された信号は,絶縁検査部7に送られる。
電力供給部5は,被検体10のコイル1と電気的に接続される。電力供給部5により,コイル1に所定の検査電圧(例えば,2kV,60Hzの正弦波)が印加される。また,検査者は,切替ボックス等によってU相,V相,W相のいずれか1つのコイルを選択することができ,選択されたコイルに検査電圧が印加される。
絶縁検査部7は,コイル1に検査電圧を印加することによって各電流検出センサから得られる信号を基に,絶縁不良を検出するとともに絶縁不良が生じている部位を特定するものである。すなわち,電流検出センサ62にて放電電流が検出された場合には,コイル−ステータ間に絶縁不良が生じていると判断し,電流検出センサ63にて放電電流が検出された場合には,コイル−ロータ間に絶縁不良が生じていると判断し,電流検出センサ64にて放電電流が検出された場合には,コイル−ケース間に絶縁不良が生じていると判断する。検査結果は,絶縁検査部7に付設されたモニタやプリンタ等の出力手段に出力される。検査者は,例えばモニタを通じて試験結果を知ることができる。
続いて,本形態のモータ絶縁検査装置100による絶縁検査の手順について,図6のフローチャートを基に説明する。まず,絶縁不良の情報を初期化する(S101)。次に,電力供給部5によってコイル1に検査電圧を印加する(S102)。次に,電流検出センサ62,63,64にて放電電流が検出されたか否かをそれぞれ判断する(S103,S105,S107)。このとき,正常であれば,電流検出センサ62,63,64にて閾値以上の電流は検出されない。すなわち,放電電流は検出されない。一方,絶縁不良であれば,閾値以上の電流が検出される。
具体的に,電流検出センサ62によって放電電流が検出された場合(S103:YES)には,コイル−ステータ間にて絶縁不良が生じたと判断する(S104)。また,電流検出センサ63によって放電電流が検出された場合(S105:YES)には,コイル−ロータ間にて絶縁不良が生じたと判断する(S106)。また,電流検出センサ64によって放電電流が検出された場合(S107:YES)には,コイル−ケース相当電極間,すなわちコイル−ケース間にて絶縁不良が生じたと判断する(S108)。
次に,S103からS108の各処理の判断結果をモニタやプリンタ等の出力手段に出力する(S109)。S109の処理後,本検査を終了する。この出力結果により,被検体10の絶縁不良を検出するとともに,その絶縁不良が生じている部位を特定することができる。すなわち,絶縁不良部位がコイル−ステータ間なのか,コイル−ロータ間なのか,あるいはコイル−ケース間なのかを特定することができる。
以上詳細に説明したように第1の形態のモータ絶縁検査装置100では,被検体10のステータ2に電流検出センサ62を,ロータ3に電流検出センサ63をそれぞれ接続することとしている。そして,電流検出センサ62によって,コイル−ステータ間の放電電流を検出している。また,電流検出センサ63によって,コイル−ロータ間の放電電流を検出している。さらに,モータ絶縁検査装置100では,被検体10のケース4の内側形状を模した凹部411を有するケース相当電極41を設け,そのケース相当電極41の凹部411をコイルエンドに対向させている。すなわち,ケース相当電極41によって,モータアッシ40を模擬している。また,ケース相当電極41に電流検出センサ64を接続し,コイル−ケース相当電極間に流れる放電電流を検出している。
そして,絶縁検査部7によって,各電流検出センサから送られてくる信号を基に,絶縁不良を検出するとともに絶縁不良が生じた部位を特定することとしている。これにより,モータ絶縁検査装置100では,コイル−ステータ間およびコイル−ロータ間に加え,コイル−ケース間の絶縁不良を特定できる。
また,モータ絶縁検査装置100は,モータアッシとする前のモータを被検体10としている。そのため,絶縁不良が検出された場合であっても,そのモータの手直しをすることができる。よって,モータアッシとする前にコイルの絶縁不良を検出するとともに,その絶縁不良が発生している部位を特定するモータ絶縁検査装置が実現している。
[第2の形態]
第2の形態のモータ絶縁検査装置200は,図7に示すように,被検体10のコイル1への電力供給を制御する電力供給部5と,放電電流を検出する電流検出センサ61と,電流検出センサ61からの信号を取得し,その電流波形を測定する波形測定部6と,波形測定部6にて測定した電流波形を取得し,その電流波形を基に絶縁不良の有無を判断する絶縁検査部8とを有している。
モータ絶縁検査装置200の電流検出センサ61は,ステータ2およびロータ3に電気的に接続されている。この電流検出センサ61により,ステータ2とロータ3との少なくとも一方に流れた放電電流が検出される。電流検出センサ61から出力された信号は,波形測定部6に送られる。
波形測定部6は,電流検出センサ61から送られてくる信号の電流波形を測定するものである。測定された電流波形の情報は絶縁検査部8に送られる。絶縁検査部8は,その電流波形を基にその電流の周波数帯域を解析するものである。さらに,絶縁検査部8は,その周波数帯域を基に絶縁良否の判定を行うとともに絶縁不良が生じている部位を特定するものである。検査結果は,絶縁検査部8に付設されたモニタやプリンタ等の出力手段に出力される。検査者は,例えばモニタを通じて試験結果を知ることができる。
具体的に,絶縁検査部8は次のように絶縁不良部位を特定する。すなわち,放電電流の周波数帯域は,絶縁不良が発生した部位によって異なる。例えば,図8(a)に示すように,コイルと電極とが絶縁紙を挟んで対向している場所(コイル−ステータコア間の構造に相当)では,図8(b)に示すような波形の放電電流が検出される。
一方,図9(a)に示すように,コイルと電極とが何も挟まない状態で対向している場所では,図9(b)に示すような波形の放電電流が検出される。また,図10(a)に示すように,コイルと電極とが絶縁スリーブあるいはレーシング糸を挟んで対向している場所では,図10(b)に示すような波形の放電電流が検出される。なお,図9(a)および図10(a)は,コイル−ロータ間の構造に相当する。
図11は,図8(b)に示した放電電流波形のFFT(高速フーリエ変換)解析結果を示している。これにより,コイル−ステータ間の放電電流は,0Hz〜10kHzの周波数帯域を有していることがわかる。一方,図12は,図9(b)に示した放電電流波形のFFT解析結果を示している。これにより,コイル−ロータ間の放電電流は,10kHz〜25kHzの周波数帯域を有していることがわかる。
つまり,図11および図12のグラフから明らかなように,放電電流の周波数帯域は絶縁不良が発生した場所ごとに異なる。そのため,絶縁不良検査部8では,波形測定部6によって送られた電流波形の周波数帯域を解析することによって絶縁不良箇所を特定することができる。
続いて,本形態のモータ絶縁検査装置200による絶縁検査の手順について,図13のフローチャートを基に説明する。まず,絶縁不良の情報を初期化する(S201)。次に,電力供給部5によってコイル1に検査電圧を印加する(S202)。次に,絶縁検査部8によって電流検出センサ61にて放電電流が検出されたか否かを判断する(S203)。このとき,正常であれば,電流検出センサ61にて所定値以上の電流は検出されない。すなわち,放電電流は検出されない。一方,絶縁不良であれば,電流検出センサ61にて閾値以上の電流が検出される。
次に,電流検出センサ61によって放電電流が検出された場合(S203:YES)には,波形測定部6によってその放電電流の電流波形を取得し(S204),さらに絶縁検査部8によってその放電電流の周波数帯域を取得する(S205)。次に,その周波数帯域の最大値が閾値以下であるか否かを判断する(S206)。閾値以下である場合(S206:YES)には,コイル−ステータ間にて絶縁不良が生じたと判断する(S206)。一方,閾値よりも大きい場合(S206:NO)には,コイル−ロータ間にて絶縁不良が生じたと判断する(S208)。
次に,S206からS208の処理の判断結果をモニタやプリンタ等の出力手段に出力する(S209)。S209の処理後,本検査を終了する。この出力結果により,被検体10の絶縁不良を検出できるとともに,その絶縁不良部位を特定することができる。すなわち,絶縁不良部位がコイル−ステータ間なのか,コイル−ロータ間なのかを特定することができる。
以上詳細に説明したように第2の形態のモータ絶縁検査装置200では,被検体10のステータ2およびロータ3に電気的に接続された電流検出センサ61を設けることとしている。そして,電流検出センサ61によって,コイル−ステータ間あるいはコイル−ロータ間に流れる放電電流を検出している。そして,波形測定部6では,電流検出センサ61によって検出された放電電流の波形を取得することとしている。
そして,絶縁検査部8では,波形測定部6から送られてきた波形の周波数帯域を取得することとしている。そして,その周波数帯域を基に,絶縁不良が生じた部位を特定している。すなわち,取得した周波数帯域によって,その周波数帯域がコイル−ステータ間の放電による周波数帯域なのかコイル−ロータ間の放電による周波数帯域なのかを判断している。これにより,1つの電流検出センサにより,コイル−ステータ間の絶縁不良とコイル−ロータ間の絶縁不良とを区別できる。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,第2の形態のモータ絶縁検査装置200では,コイル−ケース間の絶縁不良は検出していない。そこで,図14に示すモータ絶縁検査装置300のように,第1の形態と同様のケース相当電極41および電流検出センサ64を設け,絶縁検査部9にてコイル−ステータ間,コイル−ロータ間とは別にコイル−ケース間の絶縁を検査してもよい。
また,第1の形態のモータ絶縁検査装置100では,ケース相当電極41の凹部411がケース4の内側形状を模した形状であるが,これに限るものではない。例えば,図15に示すように,コイルエンドの外形形状に倣う形状の凹部421を有するケース相当電極42を設けてもよい。このような形状にすることで,コイルエンドの形状の良否を判断することができ,より厳しい条件でのコイル−ケース間の絶縁検査を行うことができる。一方,第1の形態のようにケースの内側形状に倣うことで,より製品に近い状態を模擬することができる。
また,本実施の形態では,製品のロータの外形を模したロータ相当電極を用意し,そのロータ相当電極をステータの内側に組み込んだものを被検体としているが,製品として実際にモータアッシに組み込まれるロータを使用してもよい。
また,本実施の形態では,車両駆動用モータについて検査を行っているが,これに限るものではない。すなわち,家電製品用モータの検査に本発明を適用してもよい。
車両駆動用モータの概略構成を示す図である。 ステータの概略構成を示す図である。 ロータの概略構成を示す図である。 モータアッシの概略構成を示す図である。 第1の形態にかかるモータ絶縁検査装置の概略構成を示す図である。 第1の形態にかかるモータ絶縁検査装置の評価手順を示すフローチャートである。 第2の形態にかかるモータ絶縁検査装置の概略構成を示す図である。 コイル−絶縁紙−電極間の構造および放電電流の一例を示す図である。 コイル−空間−電極間の構造および放電電流の一例を示す図である。 コイル−絶縁スリーブ−電極間の構造および放電電流の一例を示す図である。 コイル−絶縁紙−電極間の放電電流波形のFFT解析結果を示すグラフである。 コイル−空間−電極間の放電電流波形のFFT解析結果を示すグラフである。 第2の形態にかかるモータ絶縁検査装置の評価手順を示すフローチャートである。 応用例にかかるモータ絶縁検査装置の概略構成を示す図である。 ケース相当電極の応用例を示す図である。
符号の説明
1 コイル
2 ステータ
3 ロータ
4 ケース
40 モータアッシ
41 ケース相当電極(ケース電極)
411 凹部
5 電力供給部
6 波形測定部(電流波形取得部)
61 電流検出センサ(電流検出部)
62 電流検出センサ(ステータ電流検出部)
63 電流検出センサ(ロータ電流検出部)
64 電流検出センサ(ケース電流検出部)
7 絶縁検査部(絶縁不良特定部)
8 絶縁検査部(周波数帯域取得部,絶縁不良特定部)
10 被検体
100 モータ絶縁検査装置

Claims (3)

  1. ステータにコイルが巻装され,そのステータの内側にロータ部を配したモータを被検体とし,その被検体のコイルの絶縁を検査するモータ絶縁検査装置において,
    被検体のコイルに所定の電圧を印加する電力供給部と,
    被検体のコイルエンドの収容が可能な凹部を備え,その凹部が被検体のコイルエンドに対向配置されるケース電極と,
    被検体のステータに電気的に接続され,そのステータに流れる電流を検出するステータ電流検出部と,
    被検体のロータ部に電気的に接続され,そのロータ部に流れる電流を検出するロータ電流検出部と,
    前記ケース電極に電気的に接続され,そのケース電極に流れる電流を検出するケース電流検出部と,
    前記ステータ電流検出部,前記ロータ電流検出部,および前記ケース電流検出部からの信号を基に被検体の絶縁不良部位を特定する絶縁不良特定部とを有することを特徴とするモータ絶縁検査装置。
  2. 請求項1に記載するモータ絶縁検査装置において,
    前記ケース電極の凹部は,被検体を収容するケースの内側形状を模した形状であることを特徴とするモータ絶縁検査装置。
  3. 請求項1に記載するモータ絶縁検査装置において,
    前記ケース電極の凹部は,コイルエンドの外形形状を模した形状であることを特徴とするモータ絶縁検査装置。
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