JPH1096466A - 自動変速機のセレクトショック軽減装置 - Google Patents

自動変速機のセレクトショック軽減装置

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JPH1096466A
JPH1096466A JP8250053A JP25005396A JPH1096466A JP H1096466 A JPH1096466 A JP H1096466A JP 8250053 A JP8250053 A JP 8250053A JP 25005396 A JP25005396 A JP 25005396A JP H1096466 A JPH1096466 A JP H1096466A
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弘正 酒井
Motoharu Nishio
元治 西尾
Taku Murasugi
卓 村杉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ライン圧を元圧とする電子制御圧で発進用摩
擦要素の作動圧をセレクトショック軽減用に上昇制御す
る際、セレクト操作時のライン圧低下によってセレクト
ショック軽減効果が不確実になるのを防止する。 【解決手段】 NレンジからDレンジへのセレクト操作
瞬時t1 より所定時間Δt1 が経過するまでの間、第3
クラッチ作動圧制御指令Sc の出力を禁じ、発進用摩擦
要素である第3クラッチの締結を遅延させ、その後に制
御指令Sc を、Δtp 時間中プリチャージ用の高い値と
し、更に瞬時t2 までの間、リターンスプリング相当の
値に保持し、以後、漸増させることで、第3クラッチを
徐々に締結させる。よって、セレクト操作でライン圧P
L がαのように低下された時も、これによってセレクト
ショック軽減効果が不確実になるのを防止し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の非走
行レンジから走行レンジへのセレクト時におけるショッ
クを軽減するための、セレクトショック軽減装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機はマニュアルバルブを走行レ
ンジにされている間、複数の摩擦要素(摩擦クラッチ
や、摩擦ブレーキ)の選択的油圧作動(締結)により対
応変速段を選択し、作動する摩擦要素の変更により他の
変速段への変速を行うよう構成する。
【0003】そして、当該自動変速機の変速を司る変速
制御装置として、特開昭63−210443号公報に記
載されているように、複数の摩擦要素の作動圧を個々に
電子制御することで所定の変速を行わせるようにした変
速制御装置を用いる場合、油圧回路の構成を簡単にする
ことができるほか、あらゆる走行条件に対して好適とな
るようなきめ細かな摩擦要素の作動圧制御が可能となる
点で有利である。
【0004】そして、かかる変速制御装置にあっては例
えば特開平3−28571号公報に記載されているよう
に、マニュアルバルブを非走行レンジから走行レンジに
切り換えるセレクト操作時に締結されるべき発進用摩擦
要素の作動圧を電子制御により徐々に上昇させること
で、発進用摩擦要素の締結を徐々に進行させるように
し、これにより当該セレクト操作時におけるセレクトシ
ョックを軽減する対策も容易に可能である。
【0005】かようなセレクトショックの軽減を目的と
した発進用摩擦要素の作動圧制御を、図11により以下
に説明するに、マニュアルバルブを非走行(N)レンジ
から走行(D)レンジへセレクト操作した瞬時t1 から
所定のΔtp 時間中、発進用摩擦要素の作動圧制御指令
c をプリチャージ用の高い値にし、次いでリターンス
プリング相当圧の指令値に維持した後の瞬時t2 より徐
々に大きくしてゆくことで、発進用摩擦要素の作動圧P
c を漸増させ、これにより発進用摩擦要素の締結を徐々
に進行させて、発進用摩擦要素の締結に伴うセレクトシ
ョックを軽減することを狙っている。
【0006】ところで、各摩擦要素の作動圧を個々に制
御する場合一般的には、図11に示すように自動変速機
の圧力源であるライン圧PL を一定値に減圧して得られ
るパイロット圧Pp を作りだし、これを元圧として上記
作動圧制御指令Sc に応じた電子制御圧(図11には示
さなかった)を作りだす。そして、この電子制御圧を信
号圧とする弁で摩擦要素の作動圧を個々に制御するのが
常套である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、自動変速機の
変速制御装置においては、発進用摩擦要素の作動圧回路
が比較的大きなボリュームを持つものであることから、
特に該作動圧回路中に空気混入している場合において、
上記のセレクト操作時に発進用摩擦要素の作動に多量の
作動流体が消費され、これをポンプ吐出量で賄いきれな
いような事態を発生することがある。
【0008】この場合、当該ポンプの吐出流体を媒体と
するライン圧PL が、図11にαで示すように過渡的に
一時落ち込み、パイロット圧Pp の上記一定圧に対応し
た規定値に満たないような値に低下し、その影響でパイ
ロット圧Pp 自身も規定値未満に低下してしまうことが
ある。
【0009】この時、上記の作動圧制御指令Sc にもか
かわらず、これに対応した電子制御圧が発生しないこと
となって、発進用摩擦要素の作動圧が狙い通りに立ち上
がらず、実際に発進用摩擦要素の作動圧Pc が立ち上が
るのは図11に示すように、ライン圧PL がパイロット
圧Pp の上記規定値と同じ値になるまで回復して、パイ
ロット圧Pp が規定の一定圧に戻った時である。
【0010】かかる発進用摩擦要素作動圧Pc の発生遅
れは、図11に示すエンジン回転数Ne の変化傾向およ
び変速機出力トルクTo の波形から明らかなように、発
進用摩擦要素の締結ショックを生起させ、セレクトショ
ック軽減効果が得られないばかりか、ショック対策をし
ない場合よりもセレクトショックが大きくなるといった
弊害すら払拭し切れない。
【0011】本発明は、発進用摩擦要素の作動圧制御指
令を、非走行レンジから走行レンジへのセレクト操作に
伴う上記ライン圧低下中は、遅延させておくことにより
上記の問題を生ずることのないようにした、自動変速機
のセレクトショック軽減装置を提案することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的のため、請求項
1に記載の第1発明による自動変速機のセレクトショッ
ク軽減装置は、走行レンジにおいて複数の摩擦要素が流
体圧で選択的に締結されることにより変速歯車機構の選
択変速段を決定し、非走行レンジから走行レンジへのセ
レクト操作時に締結されるべき発進用摩擦要素の流体圧
を、ライン圧を元圧とする電子制御圧により徐々に上昇
させることで、セレクトショックを軽減するようにした
自動変速機において、前記発進用摩擦要素の流体圧を徐
々に上昇させる電子制御圧の制御指令を、前記セレクト
操作瞬時から遅延させて出力し始めるよう構成したこと
を特徴とするものである。
【0013】また、請求項2に記載の第2発明による自
動変速機のセレクトショック軽減装置は、上記第1発明
において、前記制御指令の遅延を、セレクト操作から所
定時間中とするよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0014】更に、請求項3に記載の第3発明による自
動変速機のセレクトショック軽減装置は、上記第2発明
において、前記所定時間を、自動変速機の前段における
エンジンの回転数に応じ、エンジン回転数が低いほど長
くしたことを特徴とするものである。
【0015】請求項4に記載の第4発明による自動変速
機のセレクトショック軽減装置は、上記第2発明または
第3発明において、前記所定時間を、自動変速機の作動
油温に応じ、高温ほど長くしたことを特徴とするもので
ある。
【0016】請求項5に記載の第5発明による自動変速
機のセレクトショック軽減装置は、前記第1発明におい
て、セレクト操作時における前記ライン圧の低下、また
は該ライン圧から一定圧となるよう作り出され、前記電
子制御圧の元圧として用いるパイロット圧の、セレクト
操作時における低下を検知する圧力低下検知手段を設
け、該手段により圧力低下が検知される間、前記制御指
令の遅延を行うよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0017】請求項6に記載の第6発明による自動変速
機のセレクトショック軽減装置は、前記第5発明におけ
る上記圧力低下検知手段を以下のように、つまり、上記
パイロット圧が上記一定圧に対応する規定値に満たなく
なった時をもって圧力低下と判断するよう構成したこと
を特徴とするものである。
【0018】請求項7に記載の第7発明による自動変速
機のセレクトショック軽減装置は、第5発明または第6
発明において、セレクト操作瞬時から設定時間が経過す
るまでの間は、前記圧力低下検知手段が圧力低下を検知
しなくても前記制御指令の遅延を行うよう構成したこと
を特徴とするものである。
【0019】
【発明の効果】第1発明において自動変速機は、走行レ
ンジである間、複数の摩擦要素を流体圧で選択的に締結
させることにより変速歯車機構の選択変速段を決定す
る。
【0020】ここでセレクトショック軽減装置は、非走
行レンジから走行レンジへのセレクト操作時に締結され
るべき発進用摩擦要素の流体圧を、ライン圧を元圧とす
る電子制御圧により徐々に上昇させ、これにより発進用
摩擦要素の締結を徐々に進行させることにより、セレク
トショックを軽減することができる。
【0021】ところで第1発明においては特に、上記発
進用摩擦要素の流体圧を徐々に上昇させる電子制御圧の
制御指令を、セレクト操作瞬時から遅延させて出力し始
める。よって、当該セレクト操作時に電子制御圧の元圧
であるライン圧が、発進用摩擦要素の流体圧制御を上記
狙い通りに行い得ないよう低下する間において、当該制
御が強行されるのを防止することができ、この制御が強
行される時に前記のごとく発生するセレクトショックの
悪化を回避することができる。
【0022】第2発明においては、上記制御指令の遅延
を、セレクト操作から所定時間中とするから、当該遅延
の制御を、時間管理のもとで簡単になし得ることとな
り、コスト上大いに有利である。
【0023】第3発明においては、上記第2発明におけ
る所定時間を、自動変速機の前段におけるエンジンの回
転数に応じ、エンジン回転数が低いほど長くしたことか
ら、ライン圧の媒体である流体を吐出するポンプがエン
ジン駆動され、低エンジン回転数のもとでは前記圧力低
下の時間が長くなるのに符合して、如何なるエンジン回
転数のもとでも前記の作用効果を達成し得るという利点
がある。
【0024】第4発明においては、第2発明における所
定時間を、自動変速機の作動油温に応じ、高温ほど長く
したことことから、作動油温が高温であるほど、前記圧
力低下の時間が長くなるのに符合して、如何なる作動油
温のもとでも前記の作用効果を達成し得るという利点が
ある。
【0025】第5発明においては、第1発明における前
記制御指令の遅延を以下の如くに行う。つまり、圧力低
下検知手段が、セレクト操作時における前記ライン圧の
低下、または該ライン圧から一定圧となるよう作り出さ
れ、前記電子制御圧の元圧として用いるパイロット圧
の、セレクト操作時における低下を検知する間、上記制
御指令の遅延を行う。
【0026】この場合、セレクト操作時に電子制御圧の
元圧であるライン圧が、発進用摩擦要素の流体圧制御を
前記狙い通りに行い得ないよう低下する事実を検知して
制御指令の遅延を行うことになるため、当該制御指令の
遅延が無駄に行われたり、必要であるにもかかわらず行
われなかったりする弊害を皆無にして、第1発明の前記
作用効果を一層確実に達成することができる。
【0027】第6発明において圧力低下検知手段は、上
記パイロット圧が上記一定圧に対応する規定値に満たな
くなった時をもって圧力低下と判断することから、セレ
クト操作時に電子制御圧の元圧であるライン圧が、発進
用摩擦要素の流体圧制御を前記狙い通りに行い得ないよ
う低下した事実を一層確実に検知し得ることとなり、第
5発明の上記作用効果を更に確実なものにすることがで
きる。
【0028】第7発明においては、前記圧力低下検知手
段が圧力低下を検知しなくても、セレクト操作瞬時から
設定時間が経過するまでの間は、前記制御指令の遅延を
行わせることから、セレクト操作から前記圧力低下まで
の間に時間遅れがある場合において、当該時間遅れ中に
前記の制御指令の遅延がなされないといった弊害を解消
し、前記の作用効果を更に確実なものにすることができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になるセレクトショック軽減装置を適用した自動変速
機の動力伝達列を成す変速歯車機構を示し、図2は、当
該動力伝達列における複数の摩擦要素の締結論理表を示
す。
【0030】図1に示す変速歯車機構の伝動列は、本願
出願人が開発して実用中で、「NISSANマキシマ新
型車解説書J30型系車変更点の紹介」1991年8月
発行(FOO7671)に記載されたものに類似のもの
とし、トルクコンバータT/Cを介しエンジンENGの
クランクシャフトC/Sから回転動力を伝達される入力
軸I/S、およびこれに同軸に配置した出力軸O/Sを
具え、これら入出力軸上に同軸に設けた第1遊星歯車組
G1および第2遊星歯車組G2と、後述の各種摩擦要素
とで構成する。
【0031】なお、トルクコンバータT/Cはロックア
ップクラッチL/Cを有し、トルクコンバータT/Cに
作動流体を通流させるに際しこの作動流体を、アプライ
室APからレリーズ室REへと通流させる時、ロックア
ップクラッチL/Cの締結でトルクコンバータT/C
が、入出力要素間を直結されたロックアップ状態とな
り、作動流体を逆向きに通流させる時、ロックアップク
ラッチL/Cの解放でトルクコンバータT/Cが、入出
力要素間の直結を解かれたコンバータ状態になるものと
する。
【0032】第1遊星歯車組G1はサンギヤS1、リン
グギヤR1、これらに噛合するピニオンP1およびピニ
オンP1を回転自在に支持するピニオンキャリアPC1
よりなる通常の単純遊星歯車組とし、第2遊星歯車組G
2もサンギヤS2、リングギヤR2、ピニオンP2およ
びピニオンキャリアPC2よりなる単純遊星歯車組とす
る。
【0033】次に、変速制御を司る各種摩擦要素である
第1〜第3クラッチC1,C2,C3、第1および第2
ブレーキB1,B2、およびワンウエイクラッチOWC
を説明する。キャリアPC1は第2クラッチC2を介し
て入力軸I/Sに適宜結合可能とし、サンギヤS1は第
2ブレーキB2により適宜固定可能とする他、第1クラ
ッチC1により入力軸I/Sに適宜結合可能とする。キ
ャリアPC1は更に第1ブレーキB1により適宜固定可
能にすると共に、ワンウェイクラッチOWCを介して逆
転(エンジンと逆方向の回転)を阻止する。リングギヤ
R1はキャリアPC2に一体結合して出力軸O/Sに駆
動結合し、サンギヤS2を入力軸I/Sに結着する。リ
ングギヤR2は第3クラッチC3を介して適宜キャリア
PC1に結合可能とする.
【0034】第1〜第3クラッチC1,C2,C3と、
第1および第2ブレーキB1,B2は夫々、油圧の供給
により作動されて前記の適宜結合及び固定を行うもので
あるが、図1の動力伝達列は、第1〜第3クラッチC
1,C2,C3と、第1および第2ブレーキB1,B2
を図2の表中に示す如く種々の組合せで作動(○印で示
す)させることにより、ワンウエイクラッチOWCの適
宜作動(係合)と相俟って、遊星歯車組G1,G2を構
成する要素の回転状態を変え、これにより入力軸I/S
の回転速度に対する出力軸O/Sの回転速度比を変えて
前進4速、後退1速の変速段をそれぞれ得ることができ
る。
【0035】なお、第1速で第1ブレーキB1を作動さ
せるのは、当該第1速でエンジンブレーキが必要な場合
で、第1ブレーキB1を作動させない場合は、ワンウエ
イクラッチOWCが反力受けとなって第1速を実現する
も、エンジンブレーキはワンウエイクラッチOWCの空
転により不能である。
【0036】ここで本発明における発進用摩擦要素は、
発進に際して非走行レンジから走行レンジへセレクト操
作した時に締結作動される摩擦要素のことであるから、
図2から明らかなように前進時は第3クラッチC3が、
また後退時は第1クラッチC1がそれに相当する。
【0037】図2に示すような第1〜第3クラッチC
1,C2,C3の作動、非作動と、第1および第2ブレ
ーキB1,B2の作動、非作動とを実行して所定の変速
段を選択する変速制御装置を、本実施の形態では図3お
よび図4に示す構成とする。ここで図3および図4は紙
面の制約上、変速制御装置の油圧回路を油路部分A.
B,C,Dにおいて分断して示す。
【0038】この変速制御装置は、オイルポンプO/P
と、プレッシャーレギュレータ弁1と、マニュアル弁2
と、トルクコンバータリリーフ弁3と、ロックアップ制
御弁4と、パイロット弁5と、第1シフト弁6と、第2
シフト弁7と、第3クラッチ制御弁8と、第2ブレーキ
制御弁9と、第2クラッチ制御弁10と、Lレンジ減圧
弁11と、ライン圧ソレノイドSOL1と、ロックアッ
プソレノイドSOL2と、第3クラッチソレノイドSO
L3と、第2ブレーキソレノイドSOL4と、第2クラ
ッチソレノイドSOL5と、アキュムレータACCとを
具え、これらを第1〜第3クラッチC1,C2,C3、
第1および第2ブレーキB1,B2、トルクコンバータ
T/Cに対し図示の如くに接続して構成する。
【0039】オイルポンプO/Pは、吐出油を油路10
1を経てプレッシャーレギュレータ弁1のポート201
に供給する。ここでプレッシャーレギュレータ弁1は、
油路101からポート201への作動油を圧力上昇さ
せ、ライン圧PL を発生させる。このライン圧PL が油
路102を経てスプール301にフィードバックされる
ことから、プレッシャーレギュレータ弁1は基本的には
ライン圧PL をレギュレータスプリング302のばね力
に対応した値に調圧する。
【0040】ところで、レギュレータスプリング302
がプラグ303に着座しており、また当該プラグ303
のストローク位置が、ライン圧ソレノイドSOL1から
回路103を経てライン圧制御用のソレノイド圧によ
り、またマニュアル弁2から油路104を経て供給され
る後退走行レンジ圧により決定されるため、ライン圧P
L はライン圧ソレノイドSOL1を介し運転状態に応じ
て任意に制御することができると共に、後退走行時にお
いて要求通りの特別な値にすることができる。
【0041】パイロット弁5は、油路101から油路1
05を経て入力されるライン圧PLを元圧として、ばね
311のばね力に対応した一定のパイロット圧Pp に減
圧し、これを油路106へ出力する。
【0042】このパイロット圧Pp は、油路108を経
てロックアップソレノイドSOL2に、また油路10
9,112を経て第3クラッチソレノイドSOL3に、
更に油路109,113を経て第3ブレーキソレノイド
SOL4に、また油路109,114を経て第2クラッ
チソレノイドSOL5に達する他、油路115を経てラ
イン圧ソレノイドSOL1に達する。
【0043】ライン圧ソレノイドSOL1は、上記の油
路115を経て入力される一定のパイロット圧Pp を駆
動デューティに応じ減圧してライン圧制御用のソレノイ
ド圧を作りだし、これを油路103を介しプレッシャー
レギュレータ弁1に供給して前記したライン圧PL の制
御に資する。よって、ライン圧ソレノイドSOL1のデ
ューティ制御により、運転状態に合ったライン圧PL
油路101に発生させることができ、これをマニュアル
弁2の入力ポート210に供給すると共に、アキュムレ
ータACCにその背圧として供給する。
【0044】前記したプレッシャーレギュレータ弁1に
よるライン圧PL の調圧中、そのポート205より排出
された余剰油は油路120を介してトルクコンバータリ
リーフ弁3に流入し、このトルクコンバータリリーフ弁
3は、流入油をばね321のばね力に対応した一定の油
圧にして油路122に出力する。
【0045】ここで油路122への一定油圧は、トルク
コンバータT/Cが破壊されることのない値に設定され
ており、トルクコンバータリリーフ弁3はトルクコンバ
ータT/Cの破壊防止機能を持つ。かようにトルクコン
バータリリーフ弁3で調圧された油路122への一定油
圧はロックアップ制御弁4に供給する。
【0046】次に、トルクコンバータT/Cのロックア
ップ制御系を説明するに、このロックアップ制御は、ロ
ックアップソレノイドSOL7によりロックアップ制御
弁4を介して以下の如くに行う。
【0047】ロックアップソレノイドSOL2は前述し
たように、油路108を介してパイロット弁5より一定
のパイロット圧Pp を供給されており、このパイロット
圧P p を走行状態に応じた駆動デューティにより調圧し
て、油路123からロックアップ制御弁4の端部室24
0に供給する。
【0048】走行状態よりトルクコンバータT/Cをロ
ックアップ状態にすべきであると判定してロックアップ
指令が発せられると、ロックアップソレノイドSOL2
から油路123へのソレノイド圧が最大にされる。この
時、ロックアップ制御弁4のバルブスプール330およ
びプラグ332を図中左方向に付勢する力が、これらを
逆に右方向に付勢する力に打ち勝って、ロックアップ制
御弁4内のスプール330およびプラグ332を図中左
方向にシフトする。
【0049】従ってトルクコンバータT/Cのレリーズ
室REが、油路127およびロックアップ制御弁4のポ
ート244およびドレンポート243を介して大気開放
にされ、トルクコンバータT/Cのアプライ室APが、
油路128およびロックアップ制御弁4のポート245
を経てポート242に通じる。よって、トルクコンバー
タリリーフ弁3から油路122,126に導入された油
は、ポート242および245を介し、更に油路128
を介してトルクコンバータアプライ室APに供給され
る。
【0050】この時トルクコンバータT/Cは、作動流
体をアプライ室APからレリーズ室REへと通流される
こととなり、図1に示すロックアップクラッチL/Cを
締結されたロックアップ状態で動力伝達を行うことがで
きる。
【0051】次に、走行状態よりトルクコンバータT/
Cをコンバータ状態にすべきであると判定してロックア
ップ指令を消失させると、ロックアップソレノイドSO
L2から油路123へのソレノイド圧が最小にされる。
この時、ロックアップ制御弁4内のバルブスプール33
0およびプラグ332を図中左方向に付勢する力が減じ
られることとなり、その結果、バルブスプール330お
よびプラグ332を右方向に付勢する力が左方向に付勢
する力に打ち勝って、バルブスプール330およびプラ
グ332を図中右方向にシフトする。よって、トルクコ
ンバータT/Cのレリーズ室REが油路127およびポ
ート244,241を経て油路125,124に通じ、
またトルクコンバータアプライ室APが油路128およ
びポート245,246を経て油路130に通じる。
【0052】この時トルクコンバータT/Cは、作動流
体をレリーズ室REからアプライ室APへと通流される
こととなり、図1に示すロックアップクラッチL/Cを
解放されたコンバータ状態で動力伝達を行うことができ
る。
【0053】マニアル弁2は、運転者が図示しないセレ
クトレバーによりシフトリンケージを介して、希望する
走行形態に応じ手動操作するもので、当該選択可能な走
行形態として、駐車(P)レンジ、後退走行(R)レン
ジ、停車(N)レンジ、前進自動変速走行(D)レン
ジ、1速エンジンブレーキ(L)レンジを設定する。
【0054】ここで、駐車(P)レンジおよび停車
(N)レンジが非走行レンジに相当し、それ以外が走行
レンジに相当するも、本発明の目的であるセレクトショ
ック軽減が発進時における摩擦要素の締結制御であるこ
とから、本明細書では特に、前進自動変速走行(D)レ
ンジおよび後退走行(R)レンジが走行レンジを意味す
るものとする。
【0055】一方でマニュアル弁2は前述したように、
プレッシャーレギュレータ弁1で調圧された油路101
のライン圧PL を入力ポート210に導入されており、
選択レンジに応じ入力ポート210へのライン圧PL
出力ポート2D,2L,2Rへ選択的に導き、ライン圧
L を供給されない出力ポートを全てドレンするものと
する。
【0056】マニュアル弁2のP,Nレンジにおいて
は、全ての出力ポート2D,2L,2Rをドレンに通
じ、Dレンジにおいては、ポート210のライン圧PL
をポート2DにDレンジ圧として供給し、Lレンジにお
いては、ポート210のライン圧PL をポート2Dおよ
び2LにLレンジ圧として供給し、Rレンジにおいて
は、ポート210のライン圧PL をポート2RにRレン
ジ圧として供給するものとする。
【0057】ここで、マニュアル弁出力ポート2Rは、
前記プレッシャーレギュレータ弁1からの油路104に
接続すると共に、油路118,119を介しワンウエイ
オリフィス212およびアキュムレータACCを経て第
1クラッチC1に接続する他、油路118およびシャト
ル弁211を経て第1ブレーキB1に接続する。
【0058】また、マニュアル弁出力ポート2Dは、油
路116を経て第2シフト弁7のポート281に接続す
ると共に、油路116から分岐した油路132を経て第
1シフト弁6のポート261に接続する他、油路116
から分岐した油路133および134を経て第2ブレー
キ制御弁9のポート401に接続すると共に、油路11
6から分岐した油路133および135を経て第2クラ
ッチ制御弁10のポート411に接続する。
【0059】なお、マニュアル弁出力ポート2Lは、油
路117を経て第1シフト弁6のポート263に接続す
る。
【0060】次に、第1シフト弁6、および第2シフト
弁7について説明するに、これらシフト弁には、マニュ
アル弁2のDレンジでポート2Dから出力されたDレン
ジ圧が以下のように供給される。つまりDレンジ圧は、
油路116,132を経て第1シフト弁6のポート26
1に導入され、加えて、油路116を経て第2シフト弁
7のポート281にも導入される。更に、マニアル弁2
のLレンジでポート2Lから油路117へLレンジ圧が
出力される場合は、第1シフト弁6および第2シフト弁
7に対して上記したと同様にDレンジ圧が導入されるの
に加えて、油路117のLレンジ圧が第1シフト弁6の
ポート263へ付加的に導入される。
【0061】第1シフト弁6は、スプール350をスプ
リング351で左半部図示位置に弾支して具え、第2ク
ラッチC2の作動圧油路149に通じた油路136から
第2クラッチ作動圧を端部室264へ供給される時、つ
まり第2クラッチC2の作動時、この第2クラッチ作動
圧によりスプール350をスプリング351に抗して逆
の右半部図示位置に切り換えられるものとする。
【0062】また第2シフト弁7は、スプール360を
スプリング361で左半部図示位置に弾支して具え、第
2ブレーキB2の作動圧油路146に通じた油路137
から第2ブレーキ作動圧を端部室282へ供給される
時、つまり第2ブレーキB2の作動時、この第2ブレー
キ作動圧によりスプール360をスプリング361に抗
して逆の右半部図示位置に切り換えられるものとする。
【0063】第1シフト弁6は、スプール350がスプ
リング351で左半部図示位置にされている時、ポート
262をポート261に通じると共に、ポート265を
ポート263に通じ、スプール350が端部室264へ
の第2クラッチ作動圧によりスプリング351に抗して
右半部図示位置にストロークされている時、ポート26
2をドレンポート266に切り換え接続すると共に、ポ
ート265をドレンポート267に切り換え接続するも
のとする。
【0064】また第2シフト弁7は、スプール360が
スプリング361で左半部図示位置にされている時、ポ
ート283をポート281に通じると共に、ポート28
4をポート285に通じ、スプール360が端部室28
2への第2ブレーキ作動圧によりスプリング361に抗
して右半部図示位置にストロークされている時、ポート
283をポート286に切り換え接続すると共に、ポー
ト284をドレンポート287に切り換え接続するもの
とする。
【0065】ここで、第1シフト弁6のポート262
と、第2シフト弁7のポート286との間を、油路13
8により接続し、第1シフト弁6のポート265と、第
2シフト弁7のポート285との間を、油路139によ
り接続する。
【0066】そして、第2シフト弁7のポート284は
油路140を経てLレンジ減圧弁11の入力ポート25
0に接続する。このLレンジ減圧弁11は、マニュアル
弁2のLレンジでポート2Lから油路117へ出力され
るLレンジ圧を、後述のごとく第1および第2シフト弁
6,7および油路140を経て入力ポート250に供給
されるものとする。
【0067】ここでLレンジ減圧弁11は、スプール3
40をスプリング341により図の下方向に付勢して具
え、マニュアル弁2のLレンジでポート2Lから油路1
17、第1および第2シフト弁6,7および油路140
を経て出力されるLレンジ圧(ライン圧PL と同じ値)
を、スプリング341のばね力に対応した値に減圧して
油路130に出力し、これをシャトル弁211を介して
第1ブレーキB1に供給するものとする。
【0068】そして、第2シフト弁7のポート283を
油路150により第3クラッチ制御弁8の入力ポート2
91に接続し、油路150中に、第2シフト弁7から第
3クラッチ制御弁8への油流を許容し、逆方向の油流を
阻止する逆止弁151を挿置すると共に、逆止弁151
に並列に接続してバイパスオリフィス152を設ける。
【0069】第3クラッチ制御弁8は、第3クラッチソ
レノイドSOL3の出力油路141から端部室292に
供給されるソレノイド圧(電子制御圧)に応じ、ポート
291への入力圧を制御下にポート293へ第3クラッ
チ圧として出力するもので、上記端部室292における
ソレノイド圧に応動するスプール370を具え、当該ス
プール370に、上記のソレノイド圧と対向する向きに
ばね371を作用させる。ここで、ポート293からの
第3クラッチ圧は、一方で油路142を経てばね371
が収容された端部室294にフィードバックし、他方で
油路143を介し第3クラッチC3に供給する。
【0070】第3クラッチソレノイドSOL3は、油路
112からのパイロット圧Pp を元圧として、駆動デュ
ーティ(制御指令)に応じたソレノイド圧(電子制御
圧)を油路141から第3クラッチ制御弁8の端部室2
92に供給するもので、駆動デューティは、走行状態に
応じて任意にマイクロコンピュータで決定するものとす
る。
【0071】第3クラッチ制御弁8は、端部室292へ
のソレノイド圧の上昇によりスプール370を図示位置
からばね371に抗してストロークされ、ポート293
をソレノイド圧の上昇につれ大きくポート291に通じ
させて、ポート293からの第3クラッチ圧を上昇させ
る。この第3クラッチ圧は、端部室294にフィードバ
ックされることから、その上昇につれスプール370を
押し戻してポート293をドレンポート295に通じさ
せ、従って第3クラッチ圧は端部室292へのソレノイ
ド圧に対応した値以上には上昇せず、第3クラッチ圧を
第3クラッチソレノイドSOL3の駆動デューティによ
り任意に制御することができる。
【0072】第2ブレーキ制御弁9は、第2ブレーキソ
レノイドSOL4の出力油路144から端部室402に
供給されるソレノイド圧に応じ、ポート401への入力
圧を制御下にポート403へ第2ブレーキ圧として出力
するもので、上記端部室402におけるソレノイド圧に
応動するスプール380を具え、当該スプール380
に、上記のソレノイド圧と対向する向きにばね381を
作用させる。ここで、ポート403からの第2ブレーキ
圧は、一方で油路145を経てばね381が収容された
端部室404にフィードバックし、他方で油路146を
経て第2ブレーキB2に供給する。
【0073】第2ブレーキソレノイドSOL4は、油路
113からのパイロット圧Pp を元圧として、駆動デュ
ーティに応じたソレノイド圧を油路144から第2ブレ
ーキ制御弁9の端部室402に供給するもので、駆動デ
ューティは、走行状態に応じて任意にマイクロコンピュ
ータで決定するものとする。
【0074】第2ブレーキ制御弁9は、端部室402へ
のソレノイド圧の上昇によりスプール380を図示位置
からばね381に抗してストロークされ、ポート403
をソレノイド圧の上昇につれ大きくポート401に通じ
させて、ポート403からの第2ブレーキ圧を上昇させ
る。この第2ブレーキ圧は、端部室404にフィードバ
ックされることから、その上昇につれスプール380を
押し戻してポート403をドレンポート405に通じさ
せ、従って第2ブレーキ圧は端部室402へのソレノイ
ド圧に対応した値以上には上昇せず、第2ブレーキ圧を
第2ブレーキソレノイドSOL4の駆動デューティによ
り任意に制御することができる。
【0075】第2クラッチ制御弁10は、第2クラッチ
ソレノイドSOL5の出力油路147から端部室412
に供給されるソレノイド圧に応じ、ポート411への入
力圧を制御下にポート413へ第2クラッチ圧として出
力するもので、上記端部室412におけるソレノイド圧
に応動するスプール390を具え、当該スプール390
に、上記のソレノイド圧と対向する向きにばね391を
作用させる。ここで、ポート413からの第2クラッチ
圧は、一方で油路148を経てばね391が収容された
端部室414にフィードバックし、他方で油路149を
経て第2クラッチC2に供給する。
【0076】第2クラッチソレノイドSOL5は、油路
114からのパイロット圧Pp を元圧として、駆動デュ
ーティに応じたソレノイド圧を油路147から第2クラ
ッチ制御弁10の端部室412に供給するもので、駆動
デューティは、走行状態に応じて任意にマイクロコンピ
ュータで決定するものとする。
【0077】第2クラッチ制御弁10は、端部室412
へのソレノイド圧の上昇によりスプール390を図示位
置からばね391に抗してストロークされ、ポート41
3をソレノイド圧の上昇につれ大きくポート411に通
じさせて、ポート413からの第2クラッチ圧を上昇さ
せる。この第2クラッチ圧は、端部室414にフィード
バックされることから、その上昇につれスプール390
を押し戻してポート413をドレンポート415に通じ
させ、従って第2クラッチ圧は端部室412へのソレノ
イド圧に対応した値以上には上昇せず、第2クラッチ圧
を第2クラッチソレノイドSOL5の駆動デューティに
より任意に制御することができる。
【0078】上記実施の形態になる変速制御装置の作用
を次に説明する。 (P,Nレンジ)運転者が駐車または停車を希望して、
マニュアル弁2をPレンジまたはNレンジにする時、当
該マニュアル弁2は入力ポート210のライン圧PL
何れの出力ポート2L,2D,2Rにも供給せず、これ
ら出力ポート2L,2D,2Rを全てドレンする。よっ
て図3および図4の油圧回路上、マニュアル弁出力ポー
ト2L,2D,2Rからの圧力を作動油圧とする全ての
摩擦要素C1,C2,C3,B1,B2が非作動にされ
ることとなり、図1の歯車伝動機構は動力伝達を行わな
い中立状態となって、駐車または停車を可能にする。
【0079】(Dレンジ)運転者が前進自動変速走行を
希望して、マニュアル弁2をDレンジにする時、当該マ
ニュアル弁2は入力ポート210のライン圧PL をポー
ト2DにDレンジ圧として出力し、このDレンジ圧を第
1および第2シフト弁6,7の対応ポート261,28
1に供給すると共に、第2ブレーキ制御弁9および第2
クラッチ制御弁10の対応ポート401,411に供給
している。
【0080】Dレンジ第1速 マイクロコンピュータは走行条件から、第1速を選択す
べきと判定する時、第3クラッチソレノイドSOL3を
ONし、第2ブレーキソレノイドSOL4および第2ク
ラッチソレノイドSOL5をそれぞれOFFする。第2
ブレーキソレノイドSOL4のOFFは、第2ブレーキ
制御弁9の端部室402を無圧状態にし、第2ブレーキ
制御弁9をしてポート403およびドレンポート405
間が通じた図示状態となし、第2ブレーキB2の作動圧
を発生させず、この第2ブレーキB2を解放させてい
る。第2クラッチソレノイドSOL5のOFFも、第2
クラッチ制御弁10の端部室412を無圧状態にし、第
2クラッチ制御弁10をしてポート413およびドレン
ポート415間が通じた図示状態となし、第2クラッチ
C2の作動圧を発生させず、この第2クラッチC2を解
放させている。
【0081】ここで、第2クラッチC2の作動圧および
第2ブレーキB2の作動圧に応動する第1シフト弁6お
よび第2シフト弁7はそれぞれ、端部室264,282
に対応する作動圧を供給されないことで左半部図示位置
となっている。
【0082】この結果、第1シフト弁6のポート261
と262が連通状態となり、油路132を経てポート2
61に導入されたDレンジ圧はポート262を介して油
路138に導入され、更に第2シフト弁のポート286
に導入される。しかし、第2シフト弁スプール360は
左半部図示位置にあって、ポート286を遮断している
ため、当該経路からのDレンジ圧が変速に関与すること
がない。これに対し、油路116を経て第2シフト弁7
のポート281に導入されたDレンジ圧は、該第2シフ
ト弁7のスプール360が左半部図示位置にあって、ポ
ート281,283間を連通していることから、これら
ポート281,283を介して油路150へと導入さ
れ、更に逆止弁151を経て第3クラッチ制御弁8の入
力ポート291へ導入される。
【0083】ここで第3クラッチソレノイドSOL3の
上記ONに際し、これを適切にデューティ制御(電子制
御)することで、これから油路141へ出力されるソレ
ノイド圧に応じて前記のごとくに作用する第3クラッチ
制御弁8は、第3クラッチC3が締結するための第3ク
ラッチ圧を逐一、任意に決定することができ、かかる第
3クラッチ圧の制御下で第1速時には第3クラッチC3
を締結させることができる。しかして、第2ブレーキB
2および第2クラッチC2が上記のように解放されてお
り、また、当該Dレンジではマニュアル弁出力ポート2
L,2Rから油路117,118にLレンジ圧およびR
レンジ圧が出力されることはないため、これら作動圧源
とする第1クラッチC1および第1ブレーキB1も解放
されている。
【0084】以上により、第1速の選択に際しては摩擦
要素のうち第3クラッチC3のみが締結されることにな
り、他のクラッチおよびブレーキは何れも締結されな
い。よって、図2から明らかなように要求通り、第1速
選択状態を得ることができる。かかる第3クラッチC3
の締結に際し、この締結を、非走行レンジであるNレン
ジから走行レンジであるDレンジへのセレクト操作時、
後述のごとくに過渡制御することで、セレクトショック
を軽減することができる。
【0085】なお上記のDレンジ第1速においては、図
2におけるB1(OWC)の欄に○印が付されているよ
うに、ワンウエイクラッチOWCが作動し、従って当該
Dレンジ第1速ではエンジンブレーキが効かない。
【0086】Dレンジ第2速(1→2アップシフト変
速) マイクロコンピュータは走行条件から、第2速を選択す
べきと判定する時、上記第1速選択状態において第2ブ
レーキソレノイドSOL4を追加的にONする。ここで
第2ブレーキソレノイドSOL4のONに際し、これを
適切にデューティ制御することで、これから油路144
へ出力されるソレノイド圧に応じて前記のごとくに作用
する第2ブレーキ制御弁9は、第2ブレーキB2が締結
するための第2ブレーキ圧を逐一、任意に決定すること
ができ、かかる第2ブレーキ圧の制御下で第2速時には
第2ブレーキB2を付加的に締結させることができる。
【0087】この時、第2ブレーキB2の作動圧に応動
する第2シフト弁7は、端部室282に第2ブレーキ圧
を供給されるようになることから、右半部図示位置に切
り換わるが、この時も油路150から第3クラッチソレ
ノイド8へのDレンジ圧の供給が、油路116,13
2、第1シフト弁6のポート261,262、および第
2シフト弁7のポート286,283を経て継続的にな
されるため、第3クラッチC3を引き続き締結させてお
くことができる。従って、第3クラッチC3が締結作動
されると共に、第2ブレーキB2が締結作動され、他の
クラッチおよびブレーキは締結しないこととなり、図2
から明らかなように要求通り、第2速選択状態を得るこ
とができる。
【0088】Dレンジ第3速(2→3アップシフト変
速) マイクロコンピュータは走行条件から、第3速を選択す
べきと判定する時、第2ブレーキソレノイドSOL4を
OFFに戻すと同時に、第2クラッチソレノイドSOL
5をONする。ここで第2ブレーキソレノイドSOL4
のOFFに際し、これを適切にデューティ制御すること
で、これから油路144へ出力されるソレノイド圧に応
じて第2ブレーキ制御弁9は、第2ブレーキB2の締結
圧を任意の時系列変化をもって低下させ、これにより第
3速時には第2ブレーキB2を制御下で解放させること
ができる。また、第2クラッチソレノイドSOL5のO
Nに際しては、これを適切にデューティ制御すること
で、これから油路147へ出力されるソレノイド圧に応
じて前記のごとくに作用する第2クラッチ制御弁10
は、第2クラッチC2が締結するための第2クラッチ圧
を逐一、任意に決定することができ、かかる第2クラッ
チ圧の制御下で第3速時には第2クラッチC2を、上記
第2ブレーキB2の解放に調時させて締結させることが
できる。
【0089】この時、第2ブレーキB2の作動圧に応動
する第2シフト弁7は、端部室282に第2ブレーキ圧
を供給されなくなることから、左半部図示位置に戻り、
また、第2クラッチC2の作動圧に応動する第1シフト
弁6は、端部室264に第2クラッチ圧を供給されるよ
うになることから、右半部図示位置に切り換わるが、こ
の時も油路150から第3クラッチソレノイド8へのD
レンジ圧の供給が、油路116および第2シフト弁7の
ポート281,283を経て継続的になされるため、第
3クラッチC3を引き続き締結させておくことができ
る。従って、第3クラッチC3の締結状態を保持したま
ま、第2ブレーキB2を解放すると同時に、第2クラッ
チC2を締結する掛け代えによって、図2から明らかな
ように要求通り、第3速選択状態を得ることができる。
【0090】Dレンジ第4速(3→4アップシフト変
速) マイクロコンピュータは走行条件から、第4速を選択す
べきと判定する時、第2クラッチソレノイドSOL5の
ON状態保持により第2クラッチC2の締結を保ったま
ま、第2ブレーキソレノイドSOL4を再度、デューテ
ィ制御のもとでONにすると同時に、第1速〜第3速で
ONされていた第3クラッチソレノイドSOL3をOF
Fする。第2ブレーキソレノイドSOL4のONで第2
ブレーキ制御弁9は、第2ブレーキB2の締結圧を上昇
させ、これを締結させることができる。第3クラッチソ
レノイドSOL3のOFFで第3クラッチ制御弁8は、
第3クラッチC3の締結圧を低下させ、これを解放させ
ることができる。よって、第2クラッチC2の締結を保
ったまま、第3クラッチC3を解放させると同時に、第
2ブレーキB2を締結させる掛け代え制御により第4速
選択状態を得ることができる。
【0091】(Lレンジ)運転者が第1速でのエンジン
ブレーキ走行を希望して、マニュアル弁2をLレンジに
すると、マニュアル弁2はポート210へのライン圧P
L を、Dレンジの場合と同じくポート2Dへ出力するの
に加えて、ポート2Lにもポート210のライン圧PL
をLレンジ圧として出力する。ポート2Lから出力され
るLレンジ圧は、油路117より第1シフト弁6のポー
ト263に供給される。
【0092】当該Lレンジにおいてマイクロコンピュー
タは、前記したDレンジ第1速の場合と同じく、第3ク
ラッチソレノイドSOL3をONして第3クラッチC3
を締結し、第2ブレーキソレノイドSOL4および第2
クラッチソレノイドSOL5をそれぞれOFFして、第
2ブレーキB2および第2クラッチC2をそれぞれ解放
する。この結果、図1の歯車伝動機構は第1速選択状態
となる。
【0093】一方、第2クラッチC2の作動圧および第
2ブレーキB2の作動圧に応動する第1シフト弁6およ
び第2シフト弁7はそれぞれ、端部室264,282に
対応する作動圧を供給されないことで左半部図示位置と
なっており、この結果、第1シフト弁6のポート26
3,265が相互に連通し、第2シフト弁のポート28
5,284が相互に連通している。従って、油路117
を経てポート263に導入されたLレンジ圧は、第1シ
フト弁6のポート265を介して油路139に導入さ
れ、更に第2シフト弁のポート285,284、および
油路140を順次経てLレンジ減圧弁11に達する。
【0094】ここでLレンジ減圧弁11は、入力される
Lレンジ圧を前記の作用により一定圧に減圧し、これを
シャトル弁211を経て第1ブレーキB1に供給し、こ
の第1ブレーキB1を締結作動させることができる。
【0095】よってLレンジにおいては、Dレンジ第1
速の場合と同様に、第3クラッチC3を締結作動させる
のに加えて第1ブレーキB1を締結作動させることとな
り、第1速でのエンジンブレーキ走行を可能ならしめ
る。
【0096】(Rレンジ)運転者が後退走行を希望し
て、マニュアル弁2をRレンジにすると、マニュアル弁
2はポート210へのライン圧PL をポート2Rのみへ
Rレンジ圧として出力し、他の出力ぽート2D,2Lを
全てドレンする。ポート2RからのRレンジ圧は、一方
で油路118およびシャトル弁211を介し第1ブレー
キB1に至ってこれを締結作動させ、他方で油路11
8,119、およびワンウエイオリフィス212、並び
にアキュムレータACCを介し第1クラッチC1に供給
されて、これを締結作動させる。
【0097】かように第1クラッチC1および第1ブレ
ーキB1が締結されることで、図1の歯車伝動機構は図
2から明らかなように要求通り、後退変速段選択状態に
なり得る。
【0098】前記したライン圧制御およびロックアップ
制御と、上記の変速制御はそれぞれ、前記のマイクロコ
ンピュータを可とする図5の変速機コントローラ500
によって、ライン圧ソレノイドSOL1、ロックアップ
ソレノイドSOL2、第3クラッチソレノイドSOL
3、第2ブレーキソレノイドSOL4、第2クラッチソ
レノイドSOL5をデューティ制御することで達成し、
これがためコントローラ500には、マニュアルバルブ
2による現在の選択レンジを検出するインヒビタスイッ
チ501からの信号と、自動変速機の前段におけるエン
ジンの回転数Neを検出するエンジン回転センサ502
からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ503
からの信号と、エンジンスロットル開度TVOを検出す
るスロットル開度センサ504からの信号と、変速機作
動油温Tを検出する油温センサ505からの信号を入力
する。
【0099】そして、コントローラ500は前記の変速
制御に際し、特にNレンジからDレンジへのセレクト操
作時、図6の制御プログラムを実行して本発明が狙いと
するセレクトショック軽減機能を果たすものとする。
【0100】図6においては、先ずステップ511で、
当該NレンジからDレンジへのセレクト操作があったか
否かを判定し、このセレクト操作があるまでステップ5
11の判定を繰り返す。NレンジからDレンジへのセレ
クト操作がなされた時、ステップ512において、エン
ジン回転数Ne を読み込むとともに、変速機作動油温T
を読み込み、次いでステップ513において、図7に対
応するマップから、エンジン回転数Neおよび変速機作
動油温Tをもとに、制御指令遅延時間Δt1 をマップ検
索する。
【0101】ここで制御指令遅延時間Δt1 は、N→D
セレクト瞬時から、当該セレクト操作に起因して前記の
ごとくに生じたライン圧PL の低下が収まるまでの時間
に対応させ、この時間中、NレンジからDレンジへのセ
レクト操作時に締結すべき第3クラッチC3(発進用摩
擦要素)に係わる作動圧制御指令の出力を遅延させるた
めのものである。
【0102】ところで、図7から明らかなように制御指
令遅延時間Δt1 は、エンジン回転数Ne が低いほど長
くし、また、変速機作動油温Tが高温であるほど長くす
るが、その理由は以下に由来する。つまり、上記ライン
圧PL の圧力媒体である変速機作動油はエンジン駆動さ
れるオイルポンプから吐出されるものであり、エンジン
回転数Ne が低いほど、N→Dセレクト操作に起因した
ライン圧低下の収束時間が長くなるためである。また、
変速機作動油温Tが高温であるほど変速機作動油の粘度
が低下し、この粘度が低いほど、N→Dセレクト操作に
起因したライン圧低下の収束時間が長くなるためであ
る。
【0103】次のステップ514においては、N→Dセ
レクト操作があってから1回目の制御であることを示す
ように、フラグFLAGを1にセットし、次のステップ
515が制御をステップ516,517に進めるように
なす。ステップ516では、タイマtを0にリセットし
て当該N→Dセレクト操作からの経過時間を計測可能と
し、ステップ517では、上記のフラグFLAGを0に
戻してステップ515が2回目以後、制御をステップ5
18に進めるようにする。
【0104】ステップ518においては、上記のタイマ
tを演算周期Δtづつ加算してN→Dセレクト操作から
の経過時間を計測し、ステップ519において、このタ
イマtがステップ513で設定した制御指令遅延時間Δ
1 を越えたと判別するまでの間、ステップ520で、
第3クラッチソレノイドSOL3への第3クラッチ作動
圧制御指令Sc (図5も参照)を0に保って、制御をス
テップ515に戻す。つまり、N→Dセレクト操作に伴
って締結されるべき第3クラッチC3の作動圧制御指令
c の出力を、N→Dセレクト操作から制御指令遅延時
間Δt1 が経過するまでの間は禁止し、この間、第3ク
ラッチC3の締結制御開始を遅延させる。
【0105】ステップ519において、タイマtがステ
ップ513で設定した制御指令遅延時間Δt1 を越えた
と判別する時、ステップ521で、第3クラッチC3の
作動圧制御指令Sc を周知のごとくに上昇制御し、N→
Dセレクト操作に伴って締結されるべき第3クラッチC
3の締結を、セレクトショックが生じないよう徐々に進
行させて、自動変速機を中立状態から第1速選択状態に
持ち来す。
【0106】上記のセレクトショック軽減対策をなした
第3クラッチC3の締結制御は、タイムチャートにより
示すと図8に示すごときもので、N→Dセレクト操作瞬
時t 1 から制御指令遅延時間Δt1 が経過した瞬時より
第3クラッチC3の作動圧制御指令Sc を上昇制御し始
めて、第3クラッチC3の作動圧Pc を、同図に示すご
とくセレクトショックが生じないよう徐々に上昇させ
る。
【0107】よって、N→Dセレクト操作時に前記した
理由からライン圧PL が、図8にαで示すように一時落
ち込み、パイロット圧Pp を上記一定圧に対応した規定
値にし得ないような値に低下して、狙い通りの制御がで
きないにもかかわらず、この間に、作動圧制御指令Sc
を出力してしまうといったことがなくなり、図11につ
き前述した問題、つまり狙い通りのセレクトショック軽
減効果が得られないばかりか、ショック対策をしない場
合よりもセレクトショックが大きくなるといった問題の
発生を回避することができる。
【0108】かくして本実施の形態においては、N→D
セレクト操作瞬時t1 から制御指令遅延時間Δt1 が経
過した瞬時以後における周知の第3クラッチ作動圧制御
指令Sc により、図8に示すエンジン回転数Ne の変化
傾向および変速機出力トルクTo の波形から明らかなご
とく、狙い通りに第3クラッチC3の締結ショック、つ
まりN→Dセレクトショックを軽減することができる。
【0109】なお、第3クラッチ作動圧制御指令Sc
ついては、セレクトショック対策として周知であるが、
例えば以下のようなものとすることができる。つまり、
制御指令遅延時間Δt1 の経過瞬時から所定時間Δtp
時間中、第3クラッチC3の作動圧制御指令Sc をプリ
チャージ用の高い値にし、次いでリターンスプリング相
当圧の指令値に維持した後の瞬時t2 より徐々に大きく
してゆくことで、第3クラッチC3の作動圧Pc を図示
のごとく漸増させ、これにより第3クラッチC3の締結
を徐々に進行させて、第3クラッチC3の締結に伴うセ
レクトショックを軽減する。
【0110】図9および図10は、本発明の他の実施の
形態になるセレクトショック軽減装置を示し、本実施の
形態においては、図5に2点鎖線で示すように、本発明
における圧力低下検知手段に相当する油圧スイッチ50
6からの信号をコントローラ500に入力する。ここで
油圧スイッチ506は、ライン圧PL 、若しくはパイロ
ット圧Pp に応動し、これらが図10に例示する設定圧
S 以上であればONになり、設定圧P S 未満であれば
OFFになるものとする。そして設定圧PS は、パイロ
ット圧P p の規定値よりも若干の余裕分だけ低い値に決
定し、何れにしてもパイロット圧Pp を規定値にし得な
い条件として定めるものとする。
【0111】そして、N→Dセレクト時に実行すべき第
3クラッチ締結制御プログラムを図6に示すものから図
9の如きものに変更する。つまり、図6におけるステッ
プ512,513を削除し、ステップ511でN→Dセ
レクト操作を検知する時、ステップ514で、N→Dセ
レクト操作があってから1回目の制御であることを示す
ように、フラグFLAGを1にセットし、次のステップ
515が制御をステップ516,517に進めるように
なす。
【0112】ステップ516では、タイマtを0にリセ
ットして当該N→Dセレクト操作からの経過時間を計測
可能とし、ステップ517では、上記のフラグFLAG
を0に戻してステップ515が2回目以後、制御をステ
ップ518に進めるようにし、ステップ518において
は、上記のタイマtを演算周期Δtづつ加算してN→D
セレクト操作からの経過時間を計測する。
【0113】本実施の形態においては更に、図6におけ
るステップ519をステップ531〜533に置換す
る。ステップ531においては、ステップ518でイン
クリメントするタイマtが図10に示す設定時間Δt0
を越えたと判別するまでの間、ステップ520で、第3
クラッチソレノイドSOL3への第3クラッチ作動圧制
御指令Sc を0に保って、制御をステップ515に戻
す。
【0114】ここで上記の設定時間Δt0 は例えば図1
0に示すごとく、N→Dセレクト操作から、当該操作に
伴う前記ライン圧低下を生じている期間中までの時間と
し、N→Dセレクト操作に伴って締結されるべき第3ク
ラッチC3の作動圧制御指令Sc の出力を、N→Dセレ
クト操作から設定時間Δt0 が経過するまでの間は、無
条件に禁止し、少なくともこの間は無条件に第3クラッ
チC3の締結開始を遅延させる。
【0115】ステップ531において、タイマtが設定
時間Δt0 を越えたと判別する時、ステップ532で、
油圧スイッチ506のON,OFFを確認し、ステップ
533で、油圧スイッチ506がOFFであると判定す
る限りにおいて、つまり、パイロット圧Pp またはライ
ン圧PL が設定圧PS に満たないと判定する限りにおい
て、ステップ520により第3クラッチ作動圧制御指令
c の出力を継続的に禁止し、第3クラッチC3の締結
開始を引き続き遅延させる。
【0116】ステップ533で、油圧スイッチ506が
ONであると判定した時、つまり、パイロット圧Pp
たはライン圧PL が設定圧PS 以上であると判定した
時、ステップ521において、第3クラッチ作動圧制御
指令Sc を周知のごとくに上昇制御し、N→Dセレクト
操作に伴って締結されるべき第3クラッチC3の締結
を、セレクトショックが生じないよう徐々に進行させ
て、自動変速機を中立状態から第1速選択状態に持ち来
す。
【0117】本実施の形態になるセレクトショック軽減
対策をなした第3クラッチC3の締結制御は、タイムチ
ャートにより示すと図10に示すごときもので、N→D
セレクト操作瞬時t1 から設定時間Δt0 の間は、第3
クラッチ作動圧制御指令Scの出力を無条件に禁止して
第3クラッチC3の締結開始を遅延させる。そして、設
定時間Δt0 の経過瞬時に油圧スイッチ506がOFF
であれば、つまりパイロット圧Pp を規定値にし得ない
圧力低下状態であれば、第3クラッチ作動圧制御指令S
c の出力を継続的に禁止して第3クラッチC3の締結開
始を引き続き遅延させる。
【0118】その後、油圧スイッチ506がONになっ
た時に、つまりN→Dセレクト時の圧力低下状態が収束
してパイロット圧Pp をほぼ規定値にし得る状態になっ
た時に、第3クラッチ作動圧制御指令Sc を上昇制御し
始めて、第3クラッチC3の作動圧Pc を、同図に示す
ごとくセレクトショックが生じないよう徐々に上昇させ
る。
【0119】よって、N→Dセレクト操作時に前記した
理由からライン圧PL が、図10にαで示すように一時
落ち込み、パイロット圧Pp を上記一定圧に対応した規
定値にし得ないような値に低下し、狙い通りの制御が行
われないにもかかわらず、この間に、作動圧制御指令S
c を出力してしまうといったことがなくなり、図11に
つき前述した問題、つまり狙い通りのセレクトショック
軽減効果が得られないばかりか、ショック対策をしない
場合よりも却ってセレクトショックが大きくなるといっ
た問題の発生を回避することができる。
【0120】かように本実施の形態においては、前記実
施の形態におけると同様の作用効果を達成し得るが、そ
れに加えて以下の作用効果を達成することができる。つ
まり、油圧スイッチ506により圧力低下を検知する限
りにおいて第3クラッチの締結制御開始を遅延させるこ
とから、前記実施の形態における作用効果を一層確実な
ものにすることができ、さらに、セレクト操作から上記
の圧力低下までの間に時間遅れが有る場合において、こ
の時間遅れ中に第3クラッチの締結制御開始の遅延がな
されないといた問題を解消することができる。
【0121】なお、上記の実施形態では何れも、N→D
セレクト時におけるセレクトショック軽減対策について
説明したが、N→Rセレクト時におけるセレクトショッ
ク軽減対策についても、後退(R)レンジで締結される
べき第1クラッチC1を、上記と同様に締結制御するこ
とで実現し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるセレクトショック
軽減装置を具えた自動変速機の動力伝達列を示すスケル
トン図である。
【図2】図1に示す動力伝達列における各種摩擦要素の
締結論理表と、選択変速段との関係を示す説明図であ
る。
【図3】図1に示す動力伝達列に適用した変速制御油圧
回路の一部を示す油圧回路図である。
【図4】同変速制御油圧回路の残部を示す油圧回路図で
ある。
【図5】同変速制御油圧回路におけるソレノイドをデュ
ーティ制御する電子制御系を示すブロック線図である。
【図6】同電子制御系が実行する第3クラッチのセレク
トショック軽減用締結制御プログラムを示すフローチャ
ートである。
【図7】第3クラッチ作動圧制御指令の遅延時間に係わ
る変化特性を示す線図である。
【図8】同第3クラッチのセレクトショック軽減用締結
制御を示すタイムチャートである。
【図9】本発明の他の実施の形態における第3クラッチ
のセレクトショック軽減用締結制御プログラムを示すフ
ローチャートである。
【図10】同第3クラッチのセレクトショック軽減用締
結制御を示すタイムチャートである。
【図11】従来のセレクトショック軽減装置による発進
用摩擦要素のセレクトショック軽減用締結制御を示すタ
イムチャートである。
【符号の説明】
T/C トルクコンバータ I/S 入力軸 O/S 出力軸 G1 第1遊星歯車組 G2 第2遊星歯車組 C1 第1クラッチ(発進用摩擦要素) C2 第2クラッチ C3 第3クラッチ(発進用摩擦要素) B1 第1ブレーキ B2 第2ブレーキ OWC ワンウエイクラッチ 1 プレッシャーレギュレータ弁 2 マニュアル弁 3 トルクコンバータリリーフ弁 4 ロックアップ制御弁 5 パイロット弁 6 第1シフト弁 7 第2シフト弁 8 第3クラッチ制御弁 9 第2ブレーキ制御弁 10 第2クラッチ制御弁 11 Lレンジ減圧弁 SOL1 ライン圧ソレノイド SOL2 ロックアップソレノイド SOL3 第3クラッチソレノイド SOL4 第2ブレーキソレノイド SOL5 第2クラッチソレノイド ACC アキュムレータ 500 変速機コントローラ 501 インヒビタスイッチ 502 エンジン回転センサ 503 車速センサ 504 スロットル開度センサ 505 油温センサ 506 油圧スイッチ(圧力低下検知手段) PL ライン圧 Pp パイロット圧

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行レンジにおいて複数の摩擦要素が流
    体圧で選択的に締結されることにより変速歯車機構の選
    択変速段を決定し、 非走行レンジから走行レンジへのセレクト操作時に締結
    されるべき発進用摩擦要素の流体圧を、ライン圧を元圧
    とする電子制御圧により徐々に上昇させることで、セレ
    クトショックを軽減するようにした自動変速機におい
    て、 前記発進用摩擦要素の流体圧を徐々に上昇させる電子制
    御圧の制御指令を、前記セレクト操作瞬時から遅延させ
    て出力し始めるよう構成したことを特徴とする自動変速
    機のセレクトショック軽減装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記制御指令の遅延
    を、セレクト操作から所定時間中とするよう構成したこ
    とを特徴とする自動変速機のセレクトショック軽減装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記所定時間を、自
    動変速機の前段におけるエンジンの回転数に応じ、エン
    ジン回転数が低いほど長くしたことを特徴とする自動変
    速機のセレクトショック軽減装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、前記所定時
    間を、自動変速機の作動油温に応じ、高温ほど長くした
    ことを特徴とする自動変速機のセレクトショック軽減装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記セレクト操作時
    における前記ライン圧の低下、または該ライン圧から一
    定圧となるよう作り出され、前記電子制御圧の元圧とし
    て用いるパイロット圧の、前記セレクト操作時における
    低下を検知する圧力低下検知手段を設け、 該手段により圧力低下が検知される間、前記制御指令の
    遅延を行うよう構成したことを特徴とする自動変速機の
    セレクトショック軽減装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記圧力低下検知手
    段は、前記パイロット圧が前記一定圧に対応する規定値
    に満たなくなった時をもって圧力低下と判断するよう構
    成したことを特徴とする自動変速機のセレクトショック
    軽減装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、前記セレク
    ト操作瞬時から設定時間が経過するまでの間は、前記圧
    力低下検知手段が圧力低下を検知しなくても前記制御指
    令の遅延を行うよう構成したことを特徴とする自動変速
    機のセレクトショック軽減装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009002401A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Denso Corp 自動変速機の異常診断装置及び自動変速制御システム
WO2017073464A1 (ja) * 2015-10-28 2017-05-04 ジヤトコ株式会社 自動変速機の制御装置

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