JPH1096008A - 廃棄物焼却飛灰の無害化方法 - Google Patents

廃棄物焼却飛灰の無害化方法

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JPH1096008A
JPH1096008A JP24954196A JP24954196A JPH1096008A JP H1096008 A JPH1096008 A JP H1096008A JP 24954196 A JP24954196 A JP 24954196A JP 24954196 A JP24954196 A JP 24954196A JP H1096008 A JPH1096008 A JP H1096008A
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fly ash
hot metal
waste
incineration fly
incinerated
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JP24954196A
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Hiroaki Nishio
浩明 西尾
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 都市ゴミ等廃棄物の焼却時、排ガスの浄化処
理により発生するアルカリ性の焼却飛灰の、安価で且つ
焼却飛灰中に含まれるCa化合物を有効活用した無害化
方法を求める。 【解決手段】 消石灰を10wt%以上含有する廃棄物
焼却飛灰3を、溶銑鍋1の底部に入れ置きし、その後溶
銑鍋内に溶銑2を供給して廃棄物焼却飛灰を溶融させ、
廃棄物焼却飛灰にて溶銑の脱硫を行なうと共に、廃棄物
焼却飛灰中の重金属を気化させて分離する。その際に、
廃棄物焼却飛灰の上に固体鉄源4を入れ置きすること、
及び廃棄物焼却飛灰に脱硫促進剤を配合することが望ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ゴミ等の廃棄
物を燃焼する際、排ガスの浄化処理により発生するアル
カリ性の廃棄物焼却飛灰から重金属を除去して無害化す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミ等の廃棄物は焼却炉で焼却され
ると、鉄片や陶磁器のかけら等の未燃焼物を含む粗い主
灰と煤塵を含む排ガスとになる。排ガスは煤塵以外にH
Cl、SOX 等の有害ガス成分を含むので、これら有害
ガスの浄化処理が施される。
【0003】この浄化処理は、一般に以下のようにして
行なわれている。先ず、消石灰(Ca(OH)2 )の粉
末を排ガス中へ吹き込むか、又は石灰乳(Ca(OH)
2 の水スラリー)をポンプ輸送して排ガス中へ噴霧し
て、排ガス中のHClをCaCl2 に、又、SOX をC
aSO4 の共に固体状物質に変化させ、これらを焼却炉
から飛散する煤塵と共に焼却炉の下流側に設置した集塵
機にて捕集して排ガス中から除去し、こうして浄化され
た排ガスが大気に放散される。
【0004】このように集塵機にて捕集されたCaCl
2 やCaSO4 と煤塵との混合物である廃棄物焼却飛灰
(以下、「焼却飛灰」と記す)は、未反応のCa(O
H)2を10〜40wt%と、反応生成物のCaCl2
を10〜40wt%含み、アルカリ性を有している。そ
して、焼却飛灰は嵩密度が小さいため、埋立地の有効利
用の観点から埋立の前に体積を縮小すること(以下、
「減容化」と記す)が望まれている。
【0005】又、焼却飛灰は、Ca(OH)2 、CaC
2 、Al2 3 、SiO2 、及びCaSO4 等の無害
な主成分以外に、Zn、Pb、Hg、Cd、As等の重
金属を酸化物や塩化物、又は水酸化物の形で含有してい
る。そのため、このまま埋立ると重金属が地中の水に溶
出して土壌を汚染する可能性があり、従って、埋立ある
いは有効利用に先立って、無害化のための中間処理を施
すことが法的に義務づけられている。
【0006】この中間処理は、溶融固化処理、セメント
固化処理、薬剤による安定化処理、又は酸抽出による安
定化処理のうちいずれかの方法で行なわねばならない。
【0007】そのうちの1つの方法である溶融固化処理
について説明する。伊織等は、化学装置「1995年2
月号、27〜32頁」(以下、「先行技術1」と記す)
において、発熱体を通電加熱した炉に焼却飛灰を廃ガラ
スと共に供給して溶融し、焼却飛灰中の重金属を溶融ガ
ラス中に固定して封じ込み、一部の気化する重金属は冷
却して煤塵として捕集する方法を開示している。この方
法は焼却飛灰を重金属の溶出しないガラス状スラグにす
ることを特徴とし、そして捕集された煤塵は、重金属の
一部を回収後、上記の無害化のための中間処理が施され
無害化された後、処分されるとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】先行技術1に開示され
ているように、従来の溶融固化処理は焼却飛灰を無害化
されたスラグとするために専用の溶融炉を必要とする。
このため、高額の初期投資を必要とし、更に、焼却飛灰
を溶融するために電力、化石燃料等のエネルギーを供給
して1200℃以上に加熱することが不可欠であり、高
額の運転費をも必要とする。
【0009】又、エネルギーコスト削減のために溶融温
度を下げた場合には、重金属の気化による除去が不十分
となり、廃ガラスを過剰に添加してスラグのガラス化を
図り、重金属をガラス化したスラグに封じ込める処置が
不可欠となる。このため、処理する焼却飛灰よりも発生
するスラグの重量の方が多くなり、溶融処理による減容
化の目的と相反することも発生する。
【0010】又、焼却飛灰中には多量のCa(OH)2
やCaCl2 が含まれており、従来の溶融固化処理で
は、これらCa化合物も同時にスラグ化され廃棄される
ので、資源の有効活用の点からも好ましくない。
【0011】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは焼却飛灰中のCa(OH)2
有効活用した溶融処理により、焼却飛灰の減容化と共に
焼却飛灰に含まれる重金属を気化させ分離除去して無害
化する方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明の
廃棄物焼却飛灰の無害化方法は、消石灰を10wt%以
上含有する廃棄物焼却飛灰を、溶銑鍋の底部に入れ置き
し、その後溶銑鍋内に溶銑を供給して廃棄物焼却飛灰を
溶融させ、廃棄物焼却飛灰にて溶銑の脱硫を行なうと共
に、廃棄物焼却飛灰中の重金属を気化させて分離するこ
とを特徴とするものである。
【0013】請求項2に係る本発明の廃棄物焼却飛灰の
無害化方法は、消石灰を10wt%以上含有する廃棄物
焼却飛灰を、溶銑鍋の底部に入れ置きし、更にその上に
固体鉄源を入れ置きし、その後溶銑鍋内に溶銑を供給し
て廃棄物焼却飛灰を溶融させ、廃棄物焼却飛灰にて溶銑
の脱硫を行なうと共に、廃棄物焼却飛灰中の重金属を気
化させて分離することを特徴とするものである。
【0014】請求項3に係る本発明の廃棄物焼却飛灰の
無害化方法は、消石灰を10wt%以上含有する廃棄物
焼却飛灰を100重量部に対し、脱硫促進剤を1〜30
重量部の配合割合として混合し、この混合物を溶銑鍋の
底部に入れ置きし、更にその上に固体鉄源を入れ置き
し、その後溶銑鍋内に溶銑を供給して廃棄物焼却飛灰を
溶融させ、廃棄物焼却飛灰にて溶銑の脱硫を行なうと共
に、廃棄物焼却飛灰中の重金属を気化させて分離するこ
とを特徴とするものである。
【0015】本発明で対象とする溶銑は、高炉及び溶融
還元炉等で製造されるものや、それらを凝固後再溶解し
たもので、通常、C;3〜5wt%、S;0.02〜
0.07wt%を含有する。
【0016】この溶銑温度は通常1250℃から150
0℃であり、又、焼却飛灰は900℃から1150℃で
溶融するので、溶銑鍋内に入れ置きされた焼却飛灰は、
溶銑から熱を受けて昇温し、溶融処理される。この昇温
過程で焼却飛灰中の結晶水やNaCl、KCl等の塩
類、及びZn、Pb、Hg、Cd、As等の重金属化合
物の殆どは気化し、焼却飛灰から分離する。そして、気
化しない残留物は溶融して溶銑中を浮上し、溶銑湯面上
でスラグ状(以下、「溶融スラグ状焼却飛灰」と記す)
になり、溶銑湯面上を浮遊する。
【0017】この溶融処理時に焼却飛灰中のCa(O
H)2 は、CaOとなって溶銑の脱硫剤として機能す
る。即ち、(1)式に従い、焼却飛灰中のCaOは溶銑
中のSと反応してCaSとなり、溶銑の脱硫反応が進行
する。
【0018】 (CaO)+〔S〕→(CaS)+〔O〕 ……(1) そして、この反応により溶銑の脱硫を効率良く実施する
には、焼却飛灰はCa(OH)2 を10wt%以上含有
することが必要である。焼却飛灰中のCa(OH)2
有量が10wt%未満では、溶銑中のSと平衡する溶融
スラグ状焼却飛灰中のS濃度が低くなり、脱硫率が低下
するためである。この場合、焼却飛灰の供給量を増加す
れば、脱硫率の低下を補償できるが、供給量を多くする
と溶銑温度の低下が大きくなり好ましくない。尚、ここ
で表示するCa(OH)2 の含有量とは、付着水分を実
質的に除去した乾燥状態の焼却飛灰における含有量を示
したものである。
【0019】焼却飛灰に含まれるCaCl2 は、焼却飛
灰自体の融点を下げて焼却飛灰の溶融化を容易にし、且
つ溶融スラグ状焼却飛灰の粘度を下げて溶銑中のSの溶
融スラグ状焼却飛灰への移動を容易にし、脱硫速度を大
きくするので好ましい。
【0020】溶融処理後、溶融スラグ状焼却飛灰を溶銑
鍋から排出して固化すれば、有害物質が実質的に含まれ
ていないため、通常の製鉄用脱硫スラグと同一の処理で
処分できる。又、気化して集塵機で捕集された重金属
は、前述の無害化処理を施された後処分される。
【0021】溶銑鍋の底部に予め層状に入れ置きされた
焼却飛灰の上に、直接溶銑を供給すると、溶銑の焼却飛
灰への衝突による衝撃で焼却飛灰の層が崩れ、焼却飛灰
が未反応のまま溶銑上に浮上するので、これを防止する
ために焼却飛灰の上に固体鉄源を入れ置きしてから溶銑
を供給することが望ましい。この固体鉄源は落下して衝
突する溶銑の衝撃を緩和して焼却飛灰層の崩壊を防止す
る。固体鉄源が付着水分を含む場合には、固体鉄源投入
後、必要に応じてバーナー等にて乾燥してもよい。固体
鉄源としては、製鉄所内で発生するスクラップや市中発
生スクラップ、又は冷銑等が適用される。
【0022】焼却飛灰の脱硫性能を向上させるために、
脱硫促進剤を配合してもよい。脱硫促進剤としてはCa
O、CaCO3 、CaC2 、Na2 CO3 の中から選ば
れた物質が好ましい。いずれも溶銑の脱硫を促進する効
果があり、配合割合が高いほど脱硫性能は向上するが、
その配合割合は焼却飛灰100重量部に対し、30重量
部以下とすることが好ましい。これは一方で、脱硫促進
剤の配合により焼却飛灰の減容化が損なわれるからであ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明では、焼却飛灰を溶融させ
る熱源として、溶銑の有する顕熱を利用する。溶銑は高
炉、溶融還元炉等で製造されたものや、それらの凝固後
に再溶解したものを使用する。本発明の適用には、溶銑
温度は1250℃以上あれば十分である。ちなみに高炉
出銑直後の溶銑成分の例はC;3〜5wt%、Si;
0.1〜0.8wt%、Mn;0.2〜1.0wt%、
P;0.08〜0.15wt%、及び、S;0.02〜
0.07wt%である。そして、このような溶銑が本発
明の適用前に、脱珪処理、脱燐処理等の溶銑予備処理を
施されていても、本発明の適用に何ら支障とならない。
【0024】図1は高炉から出銑された溶銑を溶銑鍋に
受銑する工程において本発明を適用したときの概要図で
あり、以下、図1に基づき本発明を説明する。
【0025】図1において、溶銑2を収納した溶銑鍋1
は台車8に搭載されている。溶銑鍋1の開口部はフード
9で覆われ、フード9には煙道11がフード9を貫通し
て設置されている。そして、煙道11の下流側にはバグ
フィルター12と排風機13が設置され、溶銑鍋1から
発生する煤塵はバグフィルター12で回収され、除塵さ
れた排ガスは排風機13を経由して大気へ放散される。
溶銑鍋1の鉛直上方には傾注樋6が設置され、図示せぬ
高炉から出銑された溶銑2は傾注樋6を介して溶銑鍋1
に注入される。傾注樋6からの注入流7はフード9に設
けた注入孔10を通り、こうして溶銑2が溶銑鍋1に供
給される。
【0026】溶銑2の溶銑鍋1内への供給前に、溶銑鍋
1内に予め焼却飛灰3を溶銑鍋1の底部全体に行き渡る
ように図示せぬ装入装置から投入して、焼却飛灰3の層
を形成する。そして溶銑2の供給時、溶銑2の焼却飛灰
3への衝突による衝撃で焼却飛灰3が未反応のまま溶銑
2上に浮上することを防止するために、焼却飛灰3の上
に固体鉄源4を入れ置きすることが望ましい。固体鉄源
4の入れ置きは、焼却飛灰3からの水蒸気の発生が終わ
った後、図示せぬ装入装置から焼却飛灰3の上に全面を
覆うように固体鉄源4を投入して行い、固体鉄源4の層
を形成する。その後必要に応じて、焼却飛灰3及び固体
鉄源4を乾燥させるために、溶銑鍋1内にバーナー等を
配置して加熱・乾燥を行なうものとする。
【0027】こうして、焼却飛灰3と固体鉄源4との入
れ置きが完了した後、溶銑鍋1内に傾注樋6を介して溶
銑2の供給を開始する。
【0028】層状の固体鉄源4上に溶銑2が供給される
と固体鉄源4は加熱され、下部の焼却飛灰3に熱を伝え
る。そして加熱された焼却飛灰3は昇温し、900〜1
150℃になると溶融する。この溶融した焼却飛灰3に
未溶融の固体鉄源4が沈み、逆に溶融した焼却飛灰3の
液面が上昇して、溶融した焼却飛灰3は溶銑2と直接接
触するようになる。そして前述の脱硫反応がこの接触界
面で起こる。同時に、焼却飛灰3に含有された重金属が
金属又は塩化物の蒸気となって溶銑中2中を浮上する。
【0029】溶融した焼却飛灰3中の固体鉄源4は上部
から徐々に溶融する。固体鉄源4が溶融するとその近傍
の溶融した焼却飛灰3には浮力が働き、溶銑2中への浮
上を開始する。浮上の間に脱硫反応や、重金属酸化物の
溶銑による還元と還元された重金属の気化、及び、Na
ClやKClの気化が活発に起こる。そして溶銑2の湯
面上で、脱硫生成物であるCaSを含む溶融スラグ状焼
却飛灰5として蓄積される。一方、重金属の蒸気は、溶
銑2中を浮上し溶融スラグ状焼却飛灰5の層を突き抜け
ると空気と接触して直ちに酸化され、酸化物微粒子とし
て析出し、NaClやKClと共にバグフィルター12
で回収される。このようにして最終的には、溶銑鍋1の
底部に入れ置きした焼却飛灰3及び固体鉄源4は共に溶
融して消滅する。
【0030】尚、上記説明は焼却飛灰3の上に固体鉄源
4を入れ置きした場合の溶融状況であるが、焼却飛灰3
のみ入れ置きした場合は、焼却飛灰3が溶銑2に直接接
触し、焼却飛灰3が昇温して上記に準じて焼却飛灰3が
溶融する。
【0031】受銑終了後、台車8をスラグ処理場へ搬送
し、溶融スラグ状焼却飛灰5を、図示せぬスラグドラッ
ガーや真空式スラグ除去機にて、溶銑鍋1からスラグ処
理場へ排出して冷却・固化する。固化した溶融スラグ状
焼却飛灰5は、破砕、磁選されて、実質的に重金属を含
まない塊状スラグとなり、無害化される。
【0032】バグフィルター12で捕集された煤塵は、
重金属が濃縮されているため、それらを回収した後、前
述の無害化のための中間処理を施した後に処分される。
【0033】本発明では、Ca(OH)2 の含有量が1
0wt%以上の焼却飛灰3を溶融処理の対象とし、溶銑
鍋1への入れ置き量は、溶銑トン当たり3kgから20
kgが望ましい。20kgを超える入れ置き量は溶銑温
度の低下が大きくなり好ましくなく、又、3kg未満の
入れ置き量では、目的(通常70%以上)とする脱硫率
を得ることができないためである。又、焼却飛灰3が含
有する初期S濃度は低いほど好ましく、3wt%以下で
あることが望ましい。3wt%を超えると、目的とする
脱硫率を得ることが困難となるからである。
【0034】又、焼却飛灰3を溶銑鍋1の底部に入れ置
きする際に、乾燥状態の焼却飛灰3を溶銑鍋1に投入す
ると発塵のため飛散が避けられない。従って本発明には
湿気のある焼却飛灰3の適用が望ましく、付着水分量が
不足する場合には適宜調整することが望ましい。そして
焼却飛灰3に含まれる付着水分量は、焼却飛灰3の乾燥
重量に対して5〜20wt%とすることが望ましい。5
wt%未満では溶銑鍋1への投入時に発塵が激しく飛散
が多くなり、又、20wt%を超えると溶銑鍋1への投
入時、溶銑鍋1の内壁耐火物と接触した際に、多量の付
着水分が急激に気化して、焼却飛灰3の塊が飛散するか
らである。
【0035】本発明では、脱硫率を高めるために、焼却
飛灰3に脱硫促進剤を配合し、混合したものを入れ置き
してもよい。脱硫促進剤としてはCaO、CaCO3
Na 2 CO3 、CaC2 の中から選ばれた物質が好まし
い。いずれも脱硫の促進に効果があるが、配合割合は焼
却飛灰100重量部に対し、30重量部以下とすること
が望ましい。配合割合は焼却飛灰3のCa(OH)2
含有量を考慮して決めればよい。
【0036】溶銑鍋1の内壁耐火物表面は200℃以上
に予め加熱されていることが望ましい。溶銑鍋1が繰り
返し使用されている場合には、この条件は満足される
が、新鍋を使用する場合はこの点の配慮が必要である。
これは溶銑鍋1に溶銑2を供給する前に、付着水分を含
む焼却飛灰3を十分乾燥して、溶銑2の供給開始時にお
ける溶銑2の飛散事故を回避するためである。
【0037】バグフィルター12の前段に冷却装置を設
け、排ガスを冷却すれば、焼却飛灰3から気化した重金
属の固化を促進すると共に、バグフィルター12の損耗
が少なくなるので、排ガスの冷却装置を設けてもよい。
【0038】
【実施例】本発明を以下の実施例1及び実施例2により
具体的に説明する。本実施例では図1に示す高炉からの
溶銑の溶銑鍋への受銑工程を利用した。
【0039】本実施例では、都市ゴミの焼却飛灰を用
い、その組成と環境庁告示13号に基づく溶出試験によ
る重金属溶出量とを表1に示す。尚、表1に示す組成は
乾燥状態の焼却飛灰の組成である。埋立基準の重金属の
溶出量は、Pb<0.3mg/リットル、Cd<0.3
mg/リットル、六価Cr<1.5mg/リットルであ
るが、本実施例に用いた焼却飛灰ではPbが19mg/
リットルであり、規制値を大幅に超えている。又、焼却
飛灰中のCa(OH)2 含有量は27.8wt%であ
り、付着水分は乾燥状態の焼却飛灰の重量に対し15.
0wt%であった。実施例1及び実施例2ともに一回当
たりに溶融処理する焼却飛灰は、付着水分を含む重量で
1410kgの一定量とした。1410kgの焼却飛灰
の体積は2820リットルであった。
【0040】
【表1】
【0041】そして実施例2では、脱硫促進剤として3
2メッシュ以下の生石灰(CaO;95wt%)を、乾
燥状態の焼却飛灰3が100重量部に対して10重量部
となる120kgを配合し均一に混合した。
【0042】繰り返し使用して、内壁耐火物の表面温度
が300℃以上に確保された溶銑鍋に、焼却飛灰(実施
例1)又は焼却飛灰と生石灰との混合物(実施例2)
を、底面を均一に覆うように投入して、焼却飛灰の層を
形成した。投入後水蒸気が激しく発生したが、これが収
まったところで、付着水分4.0wt%の市中発生スク
ラップを付着水分を含む重量で2190kg、固体鉄源
として焼却飛灰層の上に投入し、固体鉄源の層を形成し
た。そして、コークス炉ガスを燃料とするバーナーを溶
銑鍋内に挿入して、約1時間加熱して乾燥した。
【0043】その後、溶銑鍋を高炉の受銑位置に設置し
て受銑した。受銑量、受銑時間、及び受銑初期の溶銑温
度は、実施例1では140トン、23分、1480℃、
及び実施例2では142トン、20分、1460℃であ
った。この受銑中に、焼却飛灰が溶融すると共に、溶銑
の脱硫がおこなわれた。
【0044】受銑終了後、溶銑鍋をスラグ処理場に移動
し、溶融スラグ状焼却飛灰をスラグドラッガーにて溶銑
鍋内から排出した。そして冷却後、破砕・磁選して塊状
として重量、体積、及び組成を調査した。更に、この塊
状焼却飛灰を、環境庁告示13号に従って、重金属の溶
出試験を実施した。
【0045】バグフィルターで捕集した煤塵は、産業廃
棄物処理会社に引き渡され、無害化処理が施された後、
処分された。
【0046】表2に、実施例1及び実施例2の溶融処理
条件、溶銑の脱硫率、溶融後の焼却飛灰の組成及び重金
属溶出量等の測定結果を示す。
【0047】
【表2】
【0048】溶銑の脱硫率は、実施例1で87%、脱硫
促進剤を配合した実施例2では94%となり、高い脱硫
率を確保することができた。
【0049】表2に示す減容化率は、溶融処理前の焼却
飛灰の体積に対する溶融処理により発生した塊状焼却飛
灰の体積の減少量を、溶融処理前の焼却飛灰の体積を基
準として百分率で示した値であり、実施例1及び実施例
2共に減容化率は80%を達成することができた。又、
表2に示すように、実施例1及び2において、焼却飛灰
中に含まれる重金属はZn、Pb、Hg、Cd、As、
Crの合計で90wt%以上気化して分離されており、
更に、重金属の溶出試験結果でもPbの溶出が激減し、
上記の埋立基準を十分に満足している。
【0050】以上のように、焼却飛灰を溶銑と接触させ
て溶融させることで、焼却飛灰は脱硫剤として機能し、
且つ焼却飛灰の減容化、無害化が達成できた。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、溶銑鍋への受銑工程を
利用して、アルカリ性を有する都市ゴミ等の焼却飛灰と
溶銑とを接触させ、焼却飛灰を溶融させて、焼却飛灰を
脱硫剤として機能させ溶銑の脱硫を実施すると共に、焼
却飛灰の減容化と無害化とを同時に達成することができ
る。そのため、専用の溶融設備により溶融処理する場合
に比較し、はるかに安価で焼却飛灰の減容化と無害化と
を図ることが可能となると共に、通常の溶銑脱硫剤の使
用量を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉から出銑された溶銑を溶銑鍋に受銑する工
程において本発明を適用したときの概要図である。
【符号の説明】
1 溶銑鍋 2 溶銑 3 焼却飛灰 4 固体鉄源 5 溶融スラグ状焼却飛灰 6 傾注樋 7 注入流 8 台車 9 フード 10 注入孔 11 煙道 12 バグフィルター 13 排風機

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消石灰を10wt%以上含有する廃棄物
    焼却飛灰を、溶銑鍋の底部に入れ置きし、その後溶銑鍋
    内に溶銑を供給して廃棄物焼却飛灰を溶融させ、廃棄物
    焼却飛灰にて溶銑の脱硫を行なうと共に、廃棄物焼却飛
    灰中の重金属を気化させて分離することを特徴とする廃
    棄物焼却飛灰の無害化方法。
  2. 【請求項2】 消石灰を10wt%以上含有する廃棄物
    焼却飛灰を、溶銑鍋の底部に入れ置きし、更にその上に
    固体鉄源を入れ置きし、その後溶銑鍋内に溶銑を供給し
    て廃棄物焼却飛灰を溶融させ、廃棄物焼却飛灰にて溶銑
    の脱硫を行なうと共に、廃棄物焼却飛灰中の重金属を気
    化させて分離することを特徴とする廃棄物焼却飛灰の無
    害化方法。
  3. 【請求項3】 消石灰を10wt%以上含有する廃棄物
    焼却飛灰を100重量部に対し、脱硫促進剤を1〜30
    重量部の配合割合として混合し、この混合物を溶銑鍋の
    底部に入れ置きし、更にその上に固体鉄源を入れ置き
    し、その後溶銑鍋内に溶銑を供給して廃棄物焼却飛灰を
    溶融させ、廃棄物焼却飛灰にて溶銑の脱硫を行なうと共
    に、廃棄物焼却飛灰中の重金属を気化させて分離するこ
    とを特徴とする廃棄物焼却飛灰の無害化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000047781A1 (fr) * 1999-02-12 2000-08-17 Pechiney Electrometallurgie Melange desulfurant a base de carbure de calcium et/ou de chaux
FR2789697A1 (fr) * 1999-02-12 2000-08-18 Pechiney Electrometallurgie Melange desulfurant a base de carbure de calcium et/ou de chaux

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