JPH101707A - ダスト中亜鉛の回収設備 - Google Patents

ダスト中亜鉛の回収設備

Info

Publication number
JPH101707A
JPH101707A JP32038596A JP32038596A JPH101707A JP H101707 A JPH101707 A JP H101707A JP 32038596 A JP32038596 A JP 32038596A JP 32038596 A JP32038596 A JP 32038596A JP H101707 A JPH101707 A JP H101707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dust
zinc
furnace
hot metal
slag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP32038596A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ichikawa
宏 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP32038596A priority Critical patent/JPH101707A/ja
Publication of JPH101707A publication Critical patent/JPH101707A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【課題】 亜鉛含有ダスト中の酸化亜鉛を還元、気化し
回収することで、回収されるダスト中の亜鉛含有率を約
50%以上に濃縮し、亜鉛含有率量に応じた価格で亜鉛
含有ダストを販売すると共に、亜鉛含有ダストを用いて
溶銑の脱燐が可能になる設備を提供する。 【解決手段】 金属精錬炉から排出される主としてFe
O,Fe2 3 ,ZnOを含有するダスト、炭材、及び
CaOを原料投入口より炉本体内に添加し、前記炉本体
内に酸素及び/又は酸素富化ガスを吹き込んで溶鉄又は
溶銑を直接製造すると共にダスト中の亜鉛を回収する設
備において、上記FeO,Fe2 3 ,ZnOを含有す
るダスト及びCaOの全部又は一部を溶銑中に吹き込む
羽口を炉本体の底面及び側面に配設したことを特徴とす
るダスト中亜鉛の回収設備。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属精錬炉から排
出される主としてFeO,Fe2 3 ,ZnOを含有す
るダストから、有用金属である亜鉛を回収すると同時
に、上記FeO,Fe2 3 ,ZnOを含有するダスト
を精錬剤として活用する設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉一環製鉄所において、金属精錬炉か
ら排出されるダストは鉄分等の有効成分を回収等の観点
から焼結原料として大半が利用されてきた。一方、高炉
2次灰及び転炉ダスト等の亜鉛を数%含むダストの焼結
原料への使用は、高炉耐火物に悪影響を及ぼすため、焼
結原料としての使用は厳しく制限されているので、工場
によっては、高炉2次灰及び転炉ダスト等の亜鉛を数%
含むダストの多くは埋め立てられている。
【0003】一方、製鋼用電気炉において、亜鉛メッキ
鋼板のスクラップを含む鋼スクラップを原料にして鋼を
製造するに際し、精錬中に発生するダストの中には、鉄
の他に有用金属が、例えば亜鉛が10〜30%、と多量
に含有されている。このようなダストをそのまま廃棄す
ることは、資源の有効利用上極めて不経済であるのみな
らず、前記有用金属は反面有害物質であることから、こ
れをそのまま廃棄することは公害上重大な問題である。
【0004】図4に亜鉛含有ダストにおける亜鉛含有率
とその利用方法を示す。亜鉛含有率が約15%以上であ
れば亜鉛精錬業者が引き取るが、亜鉛含有率が約15〜
50%の場合、亜鉛1次精錬が必要となり処理コストが
高くつくため、亜鉛含有率に応じた処理費用をつけて亜
鉛含有ダストを引き取ってもらうことになり、電気炉に
おける製鋼コストを押し上げる結果となっている。亜鉛
含有率が約50%以上の場合、亜鉛2次精錬のみで精錬
可能となり処理コストが安くなるため、亜鉛含有量に応
じた価格で亜鉛含有ダストを販売することになる。一
方、亜鉛含有率が約0.5%以下であれば、焼結原料と
しての使用が可能で、亜鉛含有率が約2%以下であれ
ば、鉄源としてセメント原料で使用可能である。従っ
て、亜鉛含有率が約2〜15%の亜鉛含有ダスト、例え
ば高炉2次灰及び転炉ダスト等は再利用が困難である。
【0005】これらの課題を解決するために、溶融スラ
グに電気炉ダストペレットをバブリングガスと共に吹き
込み、気化する亜鉛を主体とする金属酸化物を回収し、
亜鉛を主体とする金属酸化物を濃縮する方法が特公昭6
0−28894号、特公昭60−28895号、特公昭
60−28896号、特公昭60−28897号の各公
報等で提案されている。しかるに、この方法では、なお
以下の課題を抱えている。 溶融スラグの顕熱を利用して亜鉛を還元及び気化する
ために、溶融スラグの量に対して処理する電気炉ダスト
の量に制限があり、大量の電気炉ダストの処理ができな
い。 電気炉ダスト中の鉄分は、溶融スラグの顕熱を利用し
て溶解され、溶融スラグ中に混ざり合うため、電気炉ダ
スト中の鉄分を有効に回収できない。
【0006】これらの課題を解決するために、亜鉛含有
ダストペレットをコークスと石英と共にロータリーキル
ンに装入し、前記コークスと石英によって亜鉛分を還元
及び気化し、亜鉛酸化物を濃縮する方法が特公昭61−
54094号、特開昭58−144436号公報等で提
案されている。しかるに、この方法でも、なお以下の課
題を抱えている。即ち、亜鉛含有ダストペレットの鉄分
は、亜鉛等の気化する成分以外の不純物、例えばSiO
2 ,CaO等と共に焼結され、焼結ペレットとして回収
されるため、この鉄分を有効回収するためには、別の溶
融及び還元設備が必要となる。
【0007】これらの課題を解決するために、特開昭5
4−158320号、特開昭56−81655号公報等
で提案されている、底吹羽口から溶銑に向けて酸素含有
ガスを吹き込み、上部ランスから酸素を上吹きし、原
料、炭材、造滓剤を炉の上方且つ排ガスタクトの途中か
ら投入する転炉型の溶融還元炉において、前記亜鉛含有
ダストを処理する方法も考えられた。この方法では、亜
鉛含有ダスト中の鉄分はスラグ中で前記炭材によって還
元され、溶銑として回収することが可能となる。
【0008】しかるに、この方法でも、なお以下の課題
を抱えている。 底吹羽口から溶銑に向けて酸素含有ガスを吹き込んで
いるため、溶銑の粒がスラグ中及びスラグ上に吹き上げ
られることで、燃焼性ガスと共に飛散するダスト中の鉄
分が増加する。 亜鉛含有ダスト、炭材、造滓剤を炉の上方且つ排ガス
ダストの途中から投入するため、前記亜鉛含有ダスト、
炭材、造滓剤が排ガス流速の早い箇所を通過するため、
前記亜鉛含有ダスト、炭材、造滓剤が炉内のスラグに到
達する前に前記燃焼性ガスと共に飛散する量が増加し、
回収されるダスト中の亜鉛以外の成分(例えば鉄分,S
iO2 ,CaO等)が増加する。
【0009】上記,により、炉内に投入される亜鉛
含有ダスト、炭材、造滓剤の内、燃焼性ガスと共に飛散
する割合が約10〜15%に達することで、結果として
回収されるダスト中の亜鉛含有率が低下するという課題
があった。
【0010】一方、溶銑の脱燐は例えば、特開昭56−
23212公報に提案されているように、CaOと酸化
鉄(鉄鉱石やミルスケール等のFeO,Fe2 3 )を
主成分とし、反応性を高めるためにCaFやCaCl2
等の添加剤を加えたフラックスを用いて実施しており、
酸化鉄の代替えとして酸素ガスが活用されてはいるが、
高温で容易に分解する酸化物の活用に関しての提示はな
い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題点を解決するためになされたものであり、その目
的とするところは、亜鉛含有ダスト中の酸化亜鉛を還
元、気化し回収することで、回収されるダスト中の亜鉛
含有量を50%以上に濃縮し、亜鉛含有量に応じた価格
で亜鉛含有ダストを販売すると共に、亜鉛含有ダストを
用いて溶銑の脱燐が可能になる設備を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、金属精錬炉から排出される主としてF
eO,Fe2 3 ,ZnOを含有するダスト、炭材、及
び造滓剤を原料投入口より炉本体内に添加し、前記炉本
体内に酸素及び/又は酸素富化ガスを吹き込んでダスト
中の亜鉛を回収する設備において、上記FeO,Fe2
3 ,ZnOを含有するダスト及びCaOの全部又は一
部を溶銑中に吹き込む羽口を炉本体の底面及び側面に配
設したことを特徴とするダスト中亜鉛の回収設備であ
る。また、前記のダスト中の亜鉛を回収する設備におい
て、上記FeO,Fe2 3 ,ZnOを含有するダスト
及びCaOの全部又は一部を溶銑中に吹き込むランスを
溶銑中に挿脱自在に配設したことを特徴とするものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の溶融還元炉の炉体構造に
おいては、上記手段により、以下の作用がある。 炉本体の底面及び側面に配設した羽口または溶銑中に
挿脱自在に配設したランスからFeO,Fe2 3 ,Z
nOを含有するダスト及びCaOの全部又は一部を溶銑
中に吹き込むことにより、還元反応により亜鉛及び鉄分
を回収と同時に、溶銑の脱燐が可能となる。
【0014】炉本体の底面及び側面に配設した羽口ま
たは溶銑中に挿脱自在に配設したランスからFeO,F
2 3 ,ZnOを含有するダスト及びCaOの全部又
は一部を溶銑中に吹き込むことにより、前記ダストが炉
内のスラグに到達する前に前記燃焼性ガスと共に飛散す
る割合が約2%に低下し、回収されるダスト中の亜鉛以
外の成分(例えば鉄分,SiO2 ,CaO等)が減少す
ることで、結果として回収されるダスト中の亜鉛含有率
が上昇する。
【0015】以下、本発明の一実施例を図1〜図3に基
づいて説明する。図1は、本発明に係わる溶融還元設備
の第1の実施例のフロー図である。水平断面が長方形の
炉体1は基礎2に固定され、炉体1の内面は水冷パネル
3及び耐火物4を内張りされており、炉体1上面には、
亜鉛含有ダスト、炭材、及び造滓剤を添加する原料投入
口5と炉体1から発生する燃焼性ガスを排出するガス排
出口6が各々配設されている。
【0016】炉体1の底部には溶銑7が溜まり、その上
部に溶銑7より比重の軽いスラグ8が溜まっており、溶
銑7は溶銑溜まり9を介して出銑口11から、スラグは
スラグ溜まり10を介して出滓口12からそれぞれ連続
又は断続的に排出される。本実施例は、炉体1の内面が
水冷パネル3及び耐火物4を内張りされているダスト処
理炉について説明しているが、本発明が炉体1の内面が
耐火物4のみで内張りされているダスト処理炉について
も適用可能なことは、言うまでもない。
【0017】原料投入口5から投入された亜鉛含有ダス
ト中の酸化鉄(FeO及びFe2 3 )及び酸化亜鉛
(ZnO)は、同じく原料投入口5から投入された炭材
中炭素分により、スラグ8中で以下の式(1),
(2),(3)に示す反応により還元される。 FeO + C→ Fe+ CO (吸熱反応) ‥‥(1) Fe2 3 +3C→2Fe+3CO (吸熱反応) ‥‥(2) ZnO + C→ Zn+ CO (吸熱反応) ‥‥(3)
【0018】式(1),(2)で還元された鉄分は、ス
ラグ中で粒鉄となり、この粒鉄は比重がスラグ8よりも
重いため、スラグ8内を沈降し、溶銑7に至る。一方、
式(3)で還元された金属亜鉛は、その沸点が906℃
とスラグ8の温度:約1400℃より低いため、亜鉛蒸
気となり炉から排出される燃焼性ガスと共にガス排出口
6より排出される。
【0019】また、原料投入口5から投入された炭材中
炭素分の一部は、炉体1を貫通してスラグ8に向けて配
設された下部羽口13を通じてスラグ8中に吹き込まれ
る酸素と以下の式(4)に示す反応により酸化される。 C+1/2O2 →CO (発熱反応) ‥‥(4) このダスト処理炉のエネルギー効率即ち炭材原単位は、
式(1)〜(4)の反応に必要な炭素分の合計によって
決定される。
【0020】一方、溶銑7に粒体羽口25を用いて脱燐
剤(FaO,Fe2 3 ,ZnOを含有するダスト、C
aO,CaFやCaCl2 混合物)を吹き込み、溶銑脱
燐を実施する。ZnOは、FeOやFe2 3 よりも還
元されやすく、酸素供給源としては極めて反応性が高
い。CaOと共に吹き込まれたZnOは、以下の式
(5)により燐(P)と反応し、亜鉛蒸気として溶銑か
ら離脱し、炉から排出される燃焼性ガスと共にガス排出
口6より排出される。 n(CaO)+5ZnO+2P→n(CaO)・P2 5 +Zn ‥‥(5) また、上記の式(5)によって発生するn(CaO)・
2 5 を含んだスラグは、出滓口12を通って炉外に
排出される。
【0021】本実施例は、FeO,Fe2 3 ,ZnO
を含有するダスト及びCaOの全部又は一部を溶銑中に
吹き込む粉体羽口25を炉本体の底面に配設したダスト
処理炉について説明しているが、本発明が粉体羽口25
を炉本体の側面に配設したダスト処理炉についても適用
可能なことは、言うまでもない。
【0022】さらに、上記式(1)〜(4)によりスラ
グ8中で発生したCOガス及び炭材中水素分は、炉体1
を貫通して2次燃焼帯16に向けて配設された上部羽口
14を通じて2次燃焼帯15中に吹き込まれる酸素と以
下の式(6),(7)に示す反応により酸化される。 CO+1/2O2 →CO2 (発熱反応) ‥‥(6) H2 +1/2O2 →H2 O (発熱反応) ‥‥(7)
【0023】この式(6),(7)の反応を炉内2次燃
焼と呼び、この2次燃焼の度合いの大小を以下の式
(8)で定義される炉内2次燃焼率で表すことと、この
2次燃焼率は上部羽口14を通じて2次燃焼帯15中に
吹き込まれる酸素の流量を増加することで増加すること
は広く知られている。 炉内2次燃焼率=(CO2 %+H2 O%)/(CO2 %+CO%+H2 O% +H2 %) ‥‥(8) 但し、(8)式中のCO2 %,CO%,H2 O%,H2
%は、ガス排出口6における燃焼性ガスの各成分の体積
分率を示す。
【0024】炉内2次燃焼率を上昇させると、2次燃焼
帯15における式(6),(7)の反応熱の一部がスラ
グ8に伝達し、スラグ中の式(4)の発熱反応に必要な
炭素分を減少せしめることで、炭材原単位が減少する。
【0025】一方、炉体1で発生した高温の燃焼性ガス
は、炉体1の上部に配設されたガス排出口5、排ガスダ
クト16を通して、廃熱ボイラー17に導かれ、ガス排
出口5と排ガスダクト16の間の隙間から流入した2次
燃焼用空気中の酸素により完全燃焼し、燃焼性ガスの顕
熱、潜熱を蒸気化して回収された後、サイクロン等の1
次集塵機18、バグフィルター又は電気集塵機等の2次
集塵機19、ブロアー20、煙突23等を通して系外に
排出される。一方、廃熱ボイラー17で燃焼性ガスの顕
熱、潜熱によって高圧蒸気化された蒸気は、蒸気配管2
2を通ってタービン23及び発電器24に導かれ電力に
変換される。
【0026】本実施例は、炉体1で発生した高温の燃焼
性ガスを完全燃焼し、燃焼性ガスの顕熱、潜熱を蒸気化
して回収し、タービン23及び発電器24により電力に
変換するダスト処理炉について説明しているが、本発明
が前記燃焼性ガスを未燃ガスのままで回収するダスト処
理炉についても適用可能なことは、言うまでもない。
【0027】図2は、本発明に係わる溶融還元設備の第
2の実施例の炉本体断面図であり、粉体羽口25を溶銑
溜まり9の底面及び側面に配設し、溶銑溜まり9中の溶
銑7に脱燐剤(FeO,Fe2 3 ,ZnOを含有する
ダスト、CaO,CaFやCaCl2 混合物)を吹き込
む如くなしたものである。この場合、溶銑溜まり9で発
生する蒸気亜鉛を含むガスを回収する分岐ダクト27
を、溶銑溜まり9と排ガスダクト16間に設置する。
【0028】また、溶銑溜まり9中の溶銑7の浴面より
Hsだけ上方に出滓口29を設置することにより、上記
の式(5)によって発生するn(CaO)・P2 5
含んだスラグ28は、溶銑溜まり9中の溶銑7の浴面上
にHsの厚みを保持しながら、出滓口29を通って炉外
に排出される。
【0029】また、出銑口11は溶銑溜まり9中の溶銑
7の浴面より下の高さに設置する。出銑樋30の出銑口
11と反対側から溶銑溜まり9中の溶銑7の浴面までの
高低差:Hmを以下の式(9)で決定することにより、
溶銑溜まり9中の溶銑7とスラグは完全に分離され、溶
銑7は出銑口11から、スラグ28は出滓口29から排
出される。 Hm=Hs×ys/ym ‥‥(9) ここで、ys:スラグの密度、ym:溶銑の密度
【0030】図3は、本発明に係わる溶融還元設備の第
3の実施例の炉本体断面図であり、粉体ランス26を溶
銑溜まり9に挿脱自在に配設し、溶銑溜まり9中の溶銑
7に脱燐剤を吹き込む如くなしたものである。この場合
も、図2と同様に溶銑溜まり9中で発生する蒸気亜鉛を
含むガスを回収する分岐ダクト27を溶銑溜まり9と排
ガスダクト16間に設置すると共に、溶銑溜まり9中の
溶銑7の浴面よりHsだけ上方に出滓口29を設置す
る。
【0031】一方、前記亜鉛蒸気は、炉体1から排出さ
れる燃焼性ガスと共に排出口6より排出された後、廃熱
ボイラー17中で冷却されると共に、前記完全燃焼の課
程で酸化され再び酸化亜鉛の細粒となる。この酸化亜鉛
の細粒は、飛散ダスト中の他の成分(例えば鉄分,Si
2 ,CaO,炭素分等)と共にサイクロン等の1次集
塵機18、バグフィルター又は電気集塵機等の2次集塵
機19によって捕集されるわけであるが、酸化亜鉛は、
前述のように一旦蒸気化しているため他のダスト成分よ
り粒度が小さく、サイクロン等の1次集塵機18を通過
して、バグフィルター又は電気集塵機等の2次集塵機1
9によって捕集される割合が他のダスト成分より高い。
以下の表1に、発明者らが実炉試験等で求めた各ダスト
成分の1次集塵機18及び2次集塵機19ての捕集割合
を示す。
【0032】
【表1】
【0033】従って、1次集塵機18で捕集される粗粒
ダストを炉体1に再び投入すると共に、2次集塵機19
で捕集される細粒ダストを回収することにより、回収さ
れるダスト中の亜鉛含有率が更に上昇する。
【0034】また、炉体1から排出される燃焼性ガスと
共にガス排出口から排出される飛散ダスト中の炭素分
は、下流側に前記完全燃焼型の廃熱ボイラー17を配し
た場合には、その約90%が完全燃焼の課程で酸化さ
れ、CO2 ガスとなることも発明者らの実炉試験等で求
められている。
【0035】表2に、高炉2次灰の成分の1例を示す。
また、それを従来技術(特開昭56−81655公報等
で提案されている転炉型の溶融還元炉)及び本発明に係
わるダスト中亜鉛の回収設備で処理した場合の、1次集
塵機18で捕集される粗粒ダスト(炉体1に再び投入)
及び2次集塵機19で捕集される細粒ダスト(回収ダス
ト)の成分及び溶銑中〔P〕の1例を表3に示す。回収
される細粒ダストの亜鉛含有率が従来技術では約43%
であったのが、本発明に係わるダスト中亜鉛の回収設備
では約70%にまで濃縮することができた。また、溶銑
中〔P〕については、高炉2次灰の一部を溶銑7中に吹
き込むことにより、従来技術の約30%とすることがで
きた。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】本発明の溶融還元炉の炉体構造において
は、上記手段により、以下の効果が期待できる。 炉本体の底面及び側面に配設した羽口または溶銑中に
挿脱自在に配設したランスからFeO,Fe2 3 ,Z
nOを含有するダスト及びCaOの全部又は一部を溶銑
中に吹き込むことにより、還元反応により亜鉛及び鉄分
を回収と同時に、溶銑の脱燐が可能となる。
【0039】炉本体の底面及び側面に配設した羽口ま
たは溶銑中に挿脱自在に配設したランスからFeO,F
2 3 ,ZnOを含有するダスト及びCaOの全部又
は一部を溶銑中に吹き込むことにより、前記ダストが炉
内のスラグに到達する前に前記燃焼性ガスと共に飛散す
る割合が約2%に低下し、回収されるダスト中の亜鉛以
外の成分(例えば鉄分,SiO2 ,CaO等)が減少す
ることで、結果として回収されるダスト中の亜鉛含有率
が上昇する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のフロー図。
【図2】本発明の第2の実施例における炉本体断面説明
図。
【図3】本発明の第3の実施例における炉本体断面説明
図。
【図4】亜鉛含有ダストにおける亜鉛含有率とその利用
方法を示す図。
【符号の説明】
1 炉体 2 基礎 3 水冷パネル 4 耐火物 5 原料投入口 6 ガス排出口 7 溶銑 8,28 スラグ 9 溶銑溜まり 10 スラグ溜まり 11 出銑口 12,29 出滓口 13 下部羽口 14 上部羽口 15 2次燃焼帯 16 排ガスダスト 17 廃熱ボイラー 18 1次集塵機 19 2次集塵機 20 ブロアー 21 煙突 22 蒸気配管 23 タービン 24 発電器 25 粉体羽口 26 粉体ランス 27 分岐ダクト 30 出銑樋 31 出滓樋 Hs 溶銑溜まり9中の溶銑7の浴面から出滓口29
までの高低差 Hm 出銑樋30の出銑口11と反対側から溶銑溜ま
り9中の溶銑7の浴面までの高低差

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属精錬炉から排出される主としてFe
    O,Fe2 3 ,ZnOを含有するダスト、炭材、及び
    CaOを原料投入口より炉本体内に添加し、前記炉本体
    内に酸素及び/又は酸素富化ガスを吹き込んで溶鉄又は
    溶銑を直接製造すると共に、ダスト中の亜鉛を回収する
    設備において、上記FeO,Fe2 3 ,ZnOを含有
    するダスト及びCaOの全部又は一部を溶銑中に吹き込
    む羽口を炉本体の底面及び側面に配設したことを特徴と
    するダスト中亜鉛の回収設備。
  2. 【請求項2】 金属精錬炉から排出される主としてFe
    O,Fe2 3 ,ZnOを含有するダスト、炭材、及び
    CaOを原料投入口より炉本体内に添加し、前記炉本体
    内に酸素及び/又は酸素富化ガスを吹き込んで溶鉄又は
    溶銑を直接製造すると共にダスト中の亜鉛を回収する設
    備において、上記FeO,Fe2 3,ZnOを含有す
    るダスト及びCaOの全部又は一部を溶銑中に吹き込む
    ランスを溶銑中に挿脱自在に配設したことを特徴とする
    ダスト中亜鉛の回収設備。
JP32038596A 1996-04-12 1996-11-29 ダスト中亜鉛の回収設備 Withdrawn JPH101707A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32038596A JPH101707A (ja) 1996-04-12 1996-11-29 ダスト中亜鉛の回収設備

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-91569 1996-04-12
JP9156996 1996-04-12
JP32038596A JPH101707A (ja) 1996-04-12 1996-11-29 ダスト中亜鉛の回収設備

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH101707A true JPH101707A (ja) 1998-01-06

Family

ID=26433008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32038596A Withdrawn JPH101707A (ja) 1996-04-12 1996-11-29 ダスト中亜鉛の回収設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH101707A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4692189A (en) * 1986-07-21 1987-09-08 Ciba-Geigy Corporation Novel compositions based on indanthrone blue pigments
JP2007009240A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Kobe Steel Ltd 転炉ダストの再利用方法
KR20160077304A (ko) * 2014-12-22 2016-07-04 재단법인 포항산업과학연구원 더스트로부터 자원을 회수하는 방법
JP2021025687A (ja) * 2019-08-02 2021-02-22 日本エア・リキード合同会社 炉の制御システム、炉の制御方法およびその制御システムを備える炉

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4692189A (en) * 1986-07-21 1987-09-08 Ciba-Geigy Corporation Novel compositions based on indanthrone blue pigments
JP2007009240A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Kobe Steel Ltd 転炉ダストの再利用方法
KR20160077304A (ko) * 2014-12-22 2016-07-04 재단법인 포항산업과학연구원 더스트로부터 자원을 회수하는 방법
JP2021025687A (ja) * 2019-08-02 2021-02-22 日本エア・リキード合同会社 炉の制御システム、炉の制御方法およびその制御システムを備える炉

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2671053B2 (ja) 亜鉛含有ダストからの有価金属の回収方法
US5431710A (en) Method for continuously producing iron, steel or semi-steel and energy
EP2823073B1 (en) Iron reduction process and equipment
US6685761B1 (en) Method for producing beneficiated titanium oxides
JP3513832B2 (ja) 移動型炉床炉の操業方法および移動型炉床炉
US6241797B1 (en) Process for reducing oxidic slags
US5728193A (en) Process for recovering metals from iron oxide bearing masses
EP1469086A1 (en) Process for producing molten iron
WO2008014538A1 (en) Lead slag reduction
US6136059A (en) Process for reducing the electric steelworks dusts and facility for implementing it
US5542963A (en) Direct iron and steelmaking
US3734717A (en) Production of phosphorus and steel from iron-containing phosphate rock
JPH101707A (ja) ダスト中亜鉛の回収設備
JP3817969B2 (ja) 還元金属の製造方法
CN111918973A (zh) 锌的回收方法
JPH11152511A (ja) 製鋼炉ダストの処理方法及びダストペレット
CN214327826U (zh) 一种冶金含锌灰悬态熔融还原回收氧化锌的治理及利用装置
EP1373581B1 (en) Reduction smelting method in a shaft furnace with recovery of volatile secondary metals
US6364929B1 (en) Method for reprocessing steel slags and ferriferous materials
GB2234528A (en) Zinc recovery process
JPH09279265A (ja) ダスト中亜鉛の回収設備及び操業方法
EP0216618A2 (en) Recovery of volatile metal values from metallurgical slags
JPH1017916A (ja) ダスト中亜鉛の回収設備
WO1995035392A2 (en) Method for reducing particulate iron ore to molten iron with hydrogen
Daiga et al. Production of crude zinc oxide from steel mill waste oxides using a rotary hearth furnace

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040203