JPH1095336A - 上下線制御用ａｔｃ地上装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】軌道回路を上り列車と下り列車が共通に走行す
る場合、上り用と下り用のＡＴＣ送受信器を使用するた
め、ＡＴＣ地上装置の小型化と低コスト化を図ることは
困難であった。 【解決手段】条件入力部７は入力している送信方向切替
条件と制御条件を選択部８に送る。選択部８は送られた
送信方向切替条件と制御条件からデ−タ記憶部６を検索
し、送信方向切替条件に応じた搬送周波数の種別を選択
し、制御条件に応じた制御デ−タを選択する。論理部９
は選択部８で選択した制御デ−タによりＡＴＣ情報を発
生する。制御部１０は発生したＡＴＣ情報を選択部８で
選択した搬送周波数で変調してＡＴＣ信号を生成し送信
部４に送り、軌道回路の送信方向切替条件で定まる方向
にＡＴＣ信号を送信する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は上り方向と下り方
向とを兼用して列車が走行する軌道回路の上下線制御用
ＡＴＣ地上装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上り方向に走行する列車と下り方向に走
行する列車が共通に走行する軌道回路においては、図４
に示すように、上り列車１ａにＡＴＣ信号を送信する上
り用ＡＴＣ送受信器３ａと下り列車１ｂにＡＴＣ信号を
送信する下り用ＡＴＣ送受信器３ｂと、軌道回路２Ｔの
境界点にそれぞれ接続された切替器２ａ，２ｂを有す
る。そして軌道回路２Ｔの上り方向の境界点に接続した
切替器２ａに上り用ＡＴＣ送受信器３ａの送信器４ａと
下り用ＡＴＣ送受信器３ｂの受信器５ｂを接続し、軌道
回路２Ｔの下り方向の境界点に接続した切替器２ｂに下
り用ＡＴＣ送受信器３ｂの送信器４ｂと上り用ＡＴＣ送
受信器３ａの受信器５ａとを接続している。各切替器２
ａ，２ｂは条件連絡回路部１１から送られる上り列車１
ａに対する送信か下り列車１ｂに対する送信かを示す送
信方向切替条件により軌道回路２Ｔに対する上り用ＡＴ
Ｃ送受信器３ａと下り用ＡＴＣ送受信器３ｂの接続を切
り替える。この各切替器２ａ，２ｂの接続切替により、
上り列車１ａにＡＴＣ信号を送信するときは上り用ＡＴ
Ｃ送受信器３ａの論理部９ａで発生した情報から搬送周
波数ｆ１のＡＴＣ信号を制御部１０ａで生成し、生成し
たＡＴＣ信号を送信器４ａから切替器２ａを介して軌道
回路２Ｔに送信する。また、下り列車１ｂにＡＴＣ信号
を送信するときは下り用ＡＴＣ送受信器３ｂの制御部１
０ｂで生成した搬送周波数ｆ２のＡＴＣ信号を送信器４
ｂから切替器２ｂを介して軌道回路２Ｔに送信してい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、軌道回
路２Ｔを上り列車１ａと下り列車１ｂが共通に走行する
場合、ＡＴＣ地上装置としては上り用ＡＴＣ送受信器３
ａと下り用ＡＴＣ送受信器３ｂの２組のＡＴＣ送受信器
を使用するため、ＡＴＣ地上装置の小型化と低コスト化
を図ることは困難であった。

【０００４】この発明は短所を解消するためになされた
ものであり、上り用と下り用の送受信器を共通にして小
型化と低コスト化を図ったＡＴＣ地上装置を提供するこ
とを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明に係るＡＴＣ地
上装置は、２組の切替器とＡＴＣ送受信器を有し、２組
の切替器は軌道回路の境界点にそれぞれ接続され、上り
方向の列車に対する送信か下り方向の列車に対する送信
かを示す送信方向切替条件を入力して送受信方向を切り
替え、ＡＴＣ送受信器は送信器と受信器とデ−タ記憶部
と条件入力部と選択部及び制御部を有し、送信器と受信
器はそれぞれ軌道回路の両境界点に設けられた切替器に
接続され、デ−タ記憶部は列車の走行方向の上り方向と
下り方向に応じた搬送周波数の識別デ−タと制御デ−タ
があらかじめ格納され、条件入力部は上り方向に対する
送信か下り方向に対する送信かを示す送信方向切替条件
と制御条件を入力し、選択部は条件入力部からの送信方
向切替条件と制御条件に応じてデ−タ記憶部に記憶した
搬送周波数の識別デ−タと制御デ−タを選択し、制御部
は選択部で選択した搬送周波数の識別デ−タと制御デ−
タによりＡＴＣ信号を発生して送信器に送ることを特徴
とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】この発明のＡＴＣ地上装置は、軌
道回路の上り側の境界点に接続された切替器と軌道回路
の下り側の境界点に接続された切替器とＡＴＣ送受信器
を有する。各切替器は上り方向の列車に対する送信か下
り方向の列車に対する送信かを示す送信方向切替条件を
入力して送受信方向を切り替える。ＡＴＣ送受信器は送
信器と受信器とデ−タ記憶部と条件入力部と選択部と論
理部及び制御部とを有する。送信器は２組の切替器の送
信側に接続され、受信器は２組の切替器の受信側に接続
されている。デ−タ記憶部には列車の走行方向の上り方
向と下り方向に応じた搬送周波数の識別デ−タと制御デ
−タがあらかじめ格納されている。

【０００７】そして、送信方向切替条件と制御条件が条
件入力部に入力すると、条件入力部は入力している送信
方向切替条件と制御条件を選択部に送る。選択部は送ら
れた送信方向切替条件と制御条件からデ−タ記憶部を検
索し、送信方向切替条件に応じた搬送周波数の種別を選
択し、制御条件に応じた制御デ−タを選択する。論理部
は選択部で選択した制御デ−タによりＡＴＣ情報を発生
する。制御部は発生したＡＴＣ情報を選択部で選択した
搬送周波数で変調してＡＴＣ信号を生成し送信部に送
り、送信部は送られたＡＴＣ信号を出力する。このとき
送信方向切替条件は２組の切替器にも送られ、送信方向
切替条件により２組の切替器の送信側と受信側が切り替
えられているから、軌道回路の送信方向切替条件で定ま
る方向にＡＴＣ信号を送信する。このようにして上り方
向と下り方向を示す送信方向切替条件により搬送周波数
を選択して送信することにより、送受信器の数を一般の
軌道回路と同じ数でＡＴＣ信号を上下方向に送信するこ
とができる。

【０００８】

【実施例】図１はこの発明の一実施例の構成を示すブロ
ック図である。図に示すように、ＡＴＣ地上装置は２組
の切替器２ａ，２ｂとＡＴＣ送受信器３を有する。切替
器２ａは軌道回路２Ｔの上り側の境界点に接続され、切
替器２ｂは軌道回路２Ｔの下り側の境界点に接続されて
いる。各切替器２ａ，２ｂは上り方向の列車１ａに対す
る送信か下り方向の列車１ｂに対する送信かを示す送信
方向切替条件を入力して送受信方向を切り替える。ＡＴ
Ｃ送受信器３は送信器４と受信器５とデ−タ記憶部６と
条件入力部７と選択部８と論理部９及び制御部１０とを
有する。送信器４は切替器２ａ，２ｂの送信側に接続さ
れ、受信器５は切替器２ａ，２ｂの受信側に接続されて
いる。デ−タ記憶部６は列車の走行方向の上り方向と下
り方向に応じた搬送周波数の識別デ−タと制御デ−タを
記憶するものであり、図２の説明図に示すように、上下
線を兼用する軌道用の記憶テ−ブルＡと、上下線を兼用
しない軌道用の記憶テ−ブルＢ，Ｃを有する。記憶テ−
ブルＡには上り方向の搬送周波数の種別と複数の制御デ
−タの格納部Ａ１と、下り方向の搬送周波数の種別と複
数の制御デ−タの格納部Ａ２を有する。上下線を兼用し
ない軌道用の記憶テ−ブルＢには、例えば上り方向を順
方向とした場合、順方向である上り方向の搬送周波数の
種別と複数の制御デ−タが格納され、記憶テ−ブルＣに
は下り方向を順方向とした場合の下り方向の搬送周波数
の種別と複数の制御デ−タが格納されている。条件入力
部７は例えばＬＡＮ等で構成された条件連絡回路部１１
から送られる列車１の進行方向により定まる送信方向切
替条件や走行している各列車１の位置条件等に応じた制
御条件を入力する。選択部８は条件入力部７で入力した
送信方向切替条件と制御条件によりデ−タ記憶部６に記
憶した搬送周波数の種別と制御デ−タを選択する。論理
部９は選択部８で選択した制御デ−タによりＡＴＣ現示
を発生する。制御部１０は論理部９で発生したＡＴＣ現
示を選択部８で選択した搬送周波数で変調してＡＴＣ信
号を生成する。送信器４は生成したＡＴＣ信号を切替器
２ａ又は切替器２ｂを介して軌道回路２Ｔに送信する。
受信器５は軌道回路２Ｔに送信されている情報を受信す
る。制御部１０は受信した情報を検定する。

【０００９】上記のように構成されたＡＴＣ地上装置の
動作を図３のフロ−チャ−トを参照して説明する。

【００１０】例えば図１に示すように上下線を兼用する
軌道回路２ＴにＡＴＣ地上装置が設置されているとき
は、条件連絡回路部１１から上下線兼用の軌道回路であ
ることを示す設定条件が条件入力部７に入力されてい
る。この状態で、例えば上り方向を示す送信方向切替条
件と制御条件が条件連絡回路部１１から条件入力部７に
入力すると、条件入力部７は入力している設定条件と送
信方向切替条件と制御条件を選択部８に送る（ステップ
Ｓ１）。選択部８は上下線を兼用することを示す設定条
件と上り方向を示す送信方向切替条件でデ−タ記憶部６
の上り方向の搬送周波数の種別と制御デ−タの格納部Ａ
１を選択し、格納部Ａ１に格納されている搬送周波数ｆ
１を決定して制御部１０に送り（ステップＳ２）、格納
部Ａ１に格納された複数の制御デ−タのなかから制御条
件に対応した制御デ−タを選択して論理部９に送る（ス
テップＳ３）。論理部９は送られた制御デ−タによりＡ
ＴＣ現示を発生して制御部１０に送る。制御部１０は送
られたＡＴＣ現示を選択部８で選択した搬送周波数ｆ１
で変調してＡＴＣ信号を生成し送信部４に送る（ステッ
プＳ４）。送信部４は送られたＡＴＣ信号を出力する。
このとき条件連絡回路部１１から出力した上り方向を示
す送信方向切替条件は切替器２ａ，２ｂにも送られ、切
替器２ａを送信側に切り替え、切替器２ｂを受信側に切
り替える。そこで送信部４から出力されたＡＴＣ信号は
切替器２ａから軌道回路２Ｔに送信される（ステップＳ
５）。

【００１１】また、条件連絡回路部１１から下り方向を
示す送信方向切替条件と制御条件が出力され、条件入力
部７を介して選択部８に送られると（ステップＳ１）、
選択部８はデ−タ記憶部６の下り方向の搬送周波数の種
別と制御デ−タの格納部Ａ２を選択し、格納部Ａ２に格
納されている搬送周波数ｆ２を決定して制御部１０に送
り（ステップＳ６）、格納部Ａ２に格納された複数の制
御デ−タのなかから制御条件に対応した制御デ−タを選
択して論理部９に送る（ステップＳ７）。論理部９は送
られた制御デ−タによりＡＴＣ現示を発生して制御部１
０に送る。制御部１０は送られたＡＴＣ現示を選択部８
で選択した搬送周波数ｆ２で変調してＡＴＣ信号を生成
し送信部４に送る（ステップＳ４）。送信部４は送られ
たＡＴＣ信号を出力する。このとき条件連絡回路部１１
から出力した下り方向を示す送信方向切替条件により、
切替器２ｂが送信側に切り替えられ、切替器２ａが受信
側に切り替えられているから、送信部４から出力された
ＡＴＣ信号は切替器２ｂから軌道回路２Ｔに送信される
（ステップＳ５）。

【００１２】このようにして上り方向と下り方向を示す
送信方向切替条件により搬送周波数を選択して送信する
ようにしたから、送受信器の数を一般の軌道回路と同じ
数でＡＴＣ信号を上下方向に送信することができ、ＡＴ
Ｃ地上装置を小型化することができるとともに低コスト
化することができる。

【００１３】また、デ−タ記憶部６に上下線を兼用する
軌道用の記憶テ−ブルＡと、上下線を兼用しない軌道用
の記憶テ−ブルＢ，Ｃを設けておくことにより、上下線
を兼用する軌道回路に使用するＡＴＣ地上装置と上下線
を兼用しない軌道回路に使用するＡＴＣ地上装置を共通
装置にすることができ、ＡＴＣ地上装置のコストダウン
を図るとともに保守点検を容易にすることができる。

【００１４】

【発明の効果】この発明は以上説明したように、上り方
向と下り方向を示す送信方向切替条件により搬送周波数
を選択して送信するようにしたから、１組の送受信器で
上下線を兼用する軌道回路にＡＴＣ信号を送信すること
ができ、ＡＴＣ地上装置を小型化することができるとと
もに低コスト化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の構成を示すブロック図であ
る。

【図２】上記実施例のデ−タ記憶部の構成を示す説明図
である。

【図３】上記実施例の動作を示すフロ−チャ−トであ
る。

【図４】従来例の構成を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ 列車 ２ 切替器 ３ ＡＴＣ送受信器 ４ 送信器 ５ 受信器 ６ デ−タ記憶部 ７ 条件入力部 ８ 選択部 ９ 論理部 １０ 制御部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２組の切替器とＡＴＣ送受信器を有し、 ２組の切替器は軌道回路の境界点にそれぞれ接続され、
   上り方向の列車に対する送信か下り方向の列車に対する
   送信かを示す送信方向切替条件を入力して送受信方向を
   切り替え、 ＡＴＣ送受信器は送信器と受信器とデ−タ記憶部と条件
   入力部と選択部及び制御部を有し、送信器と受信器はそ
   れぞれ軌道回路の両境界点に設けられた切替器に接続さ
   れ、デ−タ記憶部は列車の走行方向の上り方向と下り方
   向に応じた搬送周波数の識別デ−タと制御デ−タがあら
   かじめ格納され、条件入力部は上り方向に対する送信か
   下り方向に対する送信かを示す送信方向切替条件と制御
   条件を入力し、選択部は条件入力部からの送信方向切替
   条件と制御条件に応じてデ−タ記憶部に記憶した搬送周
   波数の識別デ−タと制御デ−タを選択し、制御部は選択
   部で選択した搬送周波数の識別デ−タと制御デ−タによ
   りＡＴＣ信号を発生して送信器に送ることを特徴とする
   上下線制御用ＡＴＣ地上装置。