JPH1094236A - 小形モータ - Google Patents

小形モータ

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JPH1094236A
JPH1094236A JP24350796A JP24350796A JPH1094236A JP H1094236 A JPH1094236 A JP H1094236A JP 24350796 A JP24350796 A JP 24350796A JP 24350796 A JP24350796 A JP 24350796A JP H1094236 A JPH1094236 A JP H1094236A
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JP
Japan
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cut
resin
raised
hole
yoke
Prior art date
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Pending
Application number
JP24350796A
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English (en)
Inventor
Shinji Takehana
慎二 竹花
Hideki Akabane
英樹 赤波根
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Sanyo Electric Co Ltd
Nidec Seimitsu Corp
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Seimitsu Co Ltd
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Publication date
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  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロポール形アウターステータを持つ小形モ
ータにおいて、コイルボビン部の高線績化を実現でき、
部品点数が少なく低コスト化が可能であり、しかも、金
属製の軸受け部を持つ高耐久性の小形モータを提供す
る。 【解決手段】 アウターステータを構成するスチール製
ヨークのうちアウターヨーク81aは、内周側に折曲形
成した軸受け部と、外周側から切り起こした極歯Kと、
極歯の切り起こし元部81dの板厚端側に穿設されてお
り、切り起こし穴Hに連通する樹脂湯流通用切欠き穴
G,Gと、切り起こし穴81e及び樹脂湯流通用切欠き
穴Gの板厚隙間に充填された樹脂封止層85,86とを
備えて成る。アウターヨーク内面には樹脂封止層85の
樹脂がはみ出さずに切り起こし穴Hが塞がれているた
め、コイルボビン部内面に薄膜の絶縁性塗膜を形成する
ことでコイルボビン部の線積を拡大でき、またアウター
ヨーク自身が金属製の軸受け部を有するため、軸受メタ
ルの抜け強度等が高くなると共に、金属板の枚数を削減
できる。更に樹脂封止層で極歯の固定力が増強する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロポール形アウ
ターステータを有する小形モータに関し、特に、そのア
ウターヨークの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、PM形(永久磁石形)インナー
ロータとクロポール形アウターステータとを有する小形
ステッピングモータなどの励磁コイル(電機子コイル)
には、図12に示すようなコイルボビン部を兼用する軟
鉄製王冠形のヨーク組み50が用いられている。このヨ
ーク組み50は2相巻線用であり、王冠形の軟鉄製ヨー
ク51a,51b,51c,51d(51)の組み合わ
せから構成されている。
【0003】各ヨーク51は環状鍔52の内周縁にて直
角に切り起こして環状列に並ぶ複数の極歯(極爪)53
を有しているため、クロポール形と称されており、軸方
向端部に位置するアウターヨーク51aと内側に挟まれ
たインナーヨーク51bの相対向する極歯53,53は
A相のN極とS極を形成し、インナーヨーク51cとア
ウターヨーク51dの極歯53,53はB相のN極とS
極を形成するものである。
【0004】アウターヨーク51a(51d)の極歯5
3がインナーヨーク51b(51c)の極歯53の間に
位置する状態で金型内に収納され、図13(a),
(b)に示すように、インサート成形により4連のヨー
ク51から成るヨーク組み50が樹脂モールドで相互連
結されて一体化したクロポール形アウターステータ60
が得られる。
【0005】ここで、各ヨーク51の連結は、極歯53
間の板厚隙間に充填された極歯間樹脂層54と極歯53
の外周面を覆う外周面樹脂層55(図13では樹脂部分
にハッチングを付してある)で達成されている。そし
て、極歯53の外周面樹脂層55は、コイル巻線57が
コイルボビン部に巻回されたときに、コイル巻線57と
ヨーク51とを電気的に絶縁する絶縁層として機能して
いる。また、インナーヨーク51c,51dの外周側に
は、ヨーク51を樹脂層54,55でモールドするとき
に、樹脂製の端子台59も同時に形成され、この端子台
59に植立した端子ピン58にコイル巻線57の端部引
出し線が半田等で接続される。このようなクロポール形
アウターステータ60のロータ空間には永久磁石61に
モータシャフト61aを固定したインナーロータ62が
貫通する状態で取付けられる。なお、インナーロータと
しては突極鉄心を有するものでも良い。
【0006】このような小形ステッピングモータにおい
ては、4枚の軟鉄製ヨーク51a〜51dから成るイン
サート成形品のクロポール形アウターステータ60と軟
鉄製ケースとの磁気的結合により極歯53に回転磁界の
磁極が形成されるようになっているが、軟鉄製ケースは
図14(a)に示す如くケースカップ71とケースキャ
ップ(取付板)72とから構成されている。ケースカッ
プ71の軸受け折曲部(バーリング部)71aには軸受
メタル73が圧入されており、またケースキャップ72
の軸受け折曲部(バーリング部)72aには軸受メタル
74が圧入されている。
【0007】しかしながら、図14(a)に示す小形ス
テッピングモータのステータ構造にあっては、次のよう
な問題点がある。
【0008】 アウターステータ60のコイルボビン
部は外周面樹脂層55のみならず、ヨーク51a〜51
dの環状鍔52の面上も絶縁性樹脂層55aで被覆され
ているため、その層厚の分、コイル巻線57の線積が縮
小されているので、小形モータの高トルク化の障害にな
っている。
【0009】 コイルボビン部を構成するアウタース
テータ60の軟鉄製ヨーク51a〜51dの板数は4枚
で、ケースカップ71とケースキャップ72を必要とす
るので、都合6枚の軟鉄板を必要としており、部品点数
や組立工数の増大を招いている。
【0010】上記の問題点を解決するためのステータ
構造としては、外周面樹脂層55及びアウターヨーク5
1a,51dにおける環状鍔52の樹脂層55aの代わ
りに、図14(b)に示す如く、薄い絶縁性塗膜75で
被覆したアウターステータ60′を用いた構造とするこ
とができる。樹脂層55,55aの層厚(0.3 〜0.5mm
)に比べて絶縁性塗膜75の膜厚(0.1mm 以下)は薄
いものであるため、コイルボビン部の線積を大きく確保
できる利点がある。ただ、塗装工程の追加を余儀無くさ
れ、また上記の問題点は未解決のままである。
【0011】他方、上記の問題点を解決するためのス
テータ構造としては、図15(a)に示す如く、アウタ
ーヨーク自身をケースとして用いるようにすべく、B相
のアウターヨーク51d′に軸受け折曲部(バーリング
部)71aを設けると共に、A相のアウターヨーク51
a′に軸受け折曲部(バーリング部)72aを設けた構
造とすることができる。アウターヨーク51d′,51
a′では内周側に折曲部71a,72aを起立させるた
め、極歯53は外周側から切り起こす必要があり、切り
起こし穴Hが露出する。このため、アウターヨーク51
d′,51a′では切り起こし穴Hを覆う絶縁性樹脂層
55aを設けなければならず、それ故、コイルボビン部
の内面では線積が抑えられており、また上記の問題点
は未解決のままである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況において、
本発明者は、上記及びの問題点を解決するためのス
テータ構造として、図15(b)に示す構造を提案する
ものである。このステータ構造は、図14(b)に示す
構造において、ケースキャップ72の代わりに、ヨーク
組み50のインサート成形時においてA相のアウターヨ
ーク51aの内周側に樹脂製軸受け部78をモールドし
たものであり、5枚の軟鉄板でステータを構成でき、ま
たコイルボビン部の高線積化を達成できる。
【0013】しかしながら、樹脂製軸受け部78のアウ
ターヨーク51aとの連結部分が弱く、特に軸受けメタ
ル74の径が大きくなると、樹脂製軸受け部90ではメ
タルの抜け強度が不十分であり、信頼性に乏しい。メタ
ル軸受け部は是非とも金属材で構成する必要がある。
【0014】そこで、上記問題点に鑑み、本発明の課題
は、クロポール形アウターステータを持つ小形モータに
おいて、コイルボビン部の高線績化を実現でき、部品点
数が少なく低コスト化が可能であり、しかも、金属製の
軸受け部を持つ高耐久性の小形モータを提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の講じた手段は、切り起こした極歯などの切
り起こした穴をインサート成形時に樹脂封止できる樹脂
湯流通穴を切り起こし基部の板厚端側に形成したところ
にある。
【0016】即ち、本発明は、金属磁性板に極歯を切り
起こしたヨークの複数個組みをインサート成形樹脂で一
体化して成るクロポール形アウターステータを備える小
形モータにおいて、上記ヨークのうちアウターヨーク
は、内周側に折曲形成した軸受け部と、外周側から切り
起こした上記極歯と、この極歯の切り起こし元部の板厚
端側に穿設されており、当該極歯の切り起こし穴に連通
する樹脂湯流通穴と、上記切り起こし穴及び上記樹脂湯
流通穴の板厚隙間に充填された樹脂封止層とを備えて成
ることを特徴とする。
【0017】このように、アウターヨークの切り起こし
元部の板厚端側に樹脂湯流通穴が開けられていると、イ
ンサート成形時には樹脂湯(溶融樹脂材)が起立した複
数の極歯間の板厚隙間を埋めると同時に、樹脂湯が極歯
間の板厚隙間から樹脂湯流通穴を介して切り起こし穴の
板厚隙間へ流れ込むため、切り起こし穴及び樹脂湯流通
穴の板厚隙間も埋め込まれて樹脂封止層で塞がれる。
【0018】このため、アウターヨークの内面には樹脂
封止層の樹脂がはみ出さずに、切り起こし穴が塞がれて
いる。従って、ヨークのコイルボビン部の内面には薄膜
の絶縁性塗膜を形成することで、コイルボビン部の線積
を大きく確保でき、小形モータの高トルク化を図ること
ができる。また、アウターヨークが金属製の軸受け部を
持っているため、軸受けメタルの抜け強度等を高めるこ
とができ、高耐久性の小形モータを実現できる。更に、
金属製の軸受け部を持つアウターヨークであることか
ら、金属製の軸受け部付き取付け板などを用いる必要が
なく、金属板の枚数を削減でき、低コスト化を図ること
ができる。
【0019】加えて、切り起こし穴及び樹脂湯流通穴の
板厚隙間が樹脂封止層で埋め込まれていると、異物の侵
入を防止できることは勿論のこと、極歯の切り起こし元
部の固定力が強くなり、ぶれ止め作用が強固で、ステッ
プ精度等の特性の向上に資する。
【0020】この樹脂湯流通穴としては、極歯間に余裕
がある場合は、切り起こし基部の板厚端から離して形成
しても良いが、通常は板厚端を含む切欠き穴とすること
が好ましい。切欠き穴とすると、極歯間の中実部分を広
くできるので、極歯数が多くなっても強度を保つことが
できる。
【0021】そして、上記の樹脂湯流通用の切欠き穴が
切り起こし元部の板厚端の両端に形成されて成る構成に
おいては、インサート成形時の樹脂湯の流通能力が旺盛
になるので、樹脂回りが良く、切り起こし穴の完全密封
が確実化する。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態に係る小
形ステッピングモータを示す縦断面図、図2は同モータ
の分解斜視図、図3は同モータにおけるヨーク組みを示
す斜視図、図4は同ヨーク組みの分解斜視図、図5は同
モータにおけるアウターヨークを示す斜視図、図6
(a)は同アウターヨークの底面図、図6(b)は同ア
ウターヨークの平面図、図7(a)は図6(a)のA−
A′に沿って切断した状態を示す切断矢視図、図7
(b)は図6(b)のB−B′に沿って切断した状態を
示す切断矢視図である。
【0023】本例の小形ステッピングモータは、4枚の
軟鉄製ヨーク81a〜81dから成るインサート成形品
のクロポール形アウターステータ80と、A相のヨーク
81a及び81bのコイルボビン部に巻装されたコイル
巻線57と、B相のヨーク81c及び81dのコイルボ
ビン部に巻装されたコイル巻線57と、B相のアウター
ヨーク81dを底面に収めた軟鉄製ケースカップ71
と、軟鉄製ケースカップ71の軸受け折曲部(バーリン
グ部)71aに嵌めた軸受メタル73と、A相のアウタ
ーヨーク81aの軸受け折曲部(バーリング部)81b
に嵌合した軸受メタル74と、ロータ空間に収められ、
永久磁石61にモータシャフト61aを固定したインナ
ーロータ62とを有している。なお、インナーロータと
しては突極鉄心を有するものでも良い。
【0024】クロポール形アウターステータ80は、図
3に示す如く、コイルボビン部を兼用する軟鉄製王冠形
のヨーク組み90が用いられている。このヨーク組み9
0は2相巻線用であり、王冠形の軟鉄製アウターヨーク
81a,インナーヨーク81b,インナーヨーク81
c,アウターヨーク81dの組み合わせから構成されて
いる。各ヨーク81b,81c,81dは環状鍔82の
内周縁にて直角に切り起こして環状列に並ぶ複数の極歯
(極爪)83を有している。
【0025】A相のアウターヨーク81aは、環状鍔8
2の内周側に折曲形成した軸受け部バーリング部)81
bと、外周側から切り起こした複数の極歯Kと、この極
歯Kの切り起こし元部81dの板厚端側に開けられお
り、当該極歯Kの切り起こし穴Hに連通する樹脂湯流通
用切欠き穴G,Gと、環状鍔82の耳部に形成された取
付穴81hと、インサート成形時の位置決めピンの挿通
穴81iと、環状鍔82の外周縁に形成されてケースカ
ップ71の開口縁に係合する止め片81jとを有してい
る。
【0026】クロポール形アウターステータ80は、イ
ンサート成形により、A相のアウターヨーク81aの極
歯Kとインナーヨーク81bの極歯83との間の板厚隙
間に充填された極歯間樹脂層54Aと、B相のアウター
ヨーク81dの極歯83とインナーヨーク81cの極歯
83との間の板厚隙間に充填された極歯間樹脂層54B
と、端子台59と共にインナーヨーク81b,81cの
面上に被覆された絶縁性樹脂層55a,55aと、切り
起こし穴Hの板厚隙間に充填された樹脂封止層85と、
切欠き穴Gの板厚隙間に充填された樹脂封止層86とを
有している。端子台59には端子ピン58が植立され、
これにコイル巻線57の端部引出し線が半田等で接続さ
れる。なお、樹脂層55aを省略することができる。そ
して、クロポール形アウターステータ80のコイルボビ
ン部の内面は絶縁性塗膜75で被覆されているクロポー
ル形アウターステータ80を得るインサート成形時にお
いては、図8に示す如く、金型1,2,3内にヨーク8
1a〜81dを収めると、所要部分に板厚隙間が形成さ
れるが、例えばサイドゲートを介して図示矢印方向へ樹
脂湯を注入すると、極歯間樹脂層54A,54B,端子
台59,樹脂層55aが成形されるが、図9に示す如
く、A相のアウターヨーク81aの極歯Kとインナーヨ
ーク81bの極歯83との板厚隙間から樹脂湯流通用切
欠き穴G,Gを介して切り起こし穴Hの板厚隙間へも流
れ込むため、切り起こし穴H及び樹脂湯流通用切欠き穴
H,Hの板厚隙間も埋め込まれて樹脂封止層85,86
で塞がれる。なお、サイドゲートに限らず、ヨーク81
c側のピンゲートによっても樹脂成形が可能である。
【0027】本例では樹脂湯流通用切欠き穴Gは、極歯
Kの切り起こし部の板厚に相当した部分Sと、そこから
切り起こし穴Hの縦方向に延びた部分Tをから成る。部
分Sは切り起こし部の板厚以下の長さでも良い。本例で
は部分Sは板厚Dの深さで貫通穴となっているが、深さ
が板厚Dに満たない盲穴でも構わない。
【0028】このように、アウターヨーク81aの内面
には樹脂封止層85の樹脂がはみ出ずに、切り起こし穴
Hが塞がれている。従って、図1に示す如く、ヨーク8
1a〜81dのコイルボビン部の内面には薄膜の絶縁性
塗膜75を形成することで、コイルボビン部の線積を大
きく確保でき、小形モータの高トルク化を図ることがで
きる。
【0029】また、A相のアウターヨーク81aがスチ
ール製の軸受け部81bを持っているため、軸受けメタ
ル74の抜け強度等を高めることができ、高耐久性の小
形モータを実現できる。
【0030】そしてまた、スチール製の軸受け部81b
を持つアウターヨーク81aであることから、スチール
製の軸受け部付き取付け板などを用いる必要がなく、ス
チール板の枚数を削減でき、低コスト化を図ることがで
きる。
【0031】このように、切り起こし穴H及び切欠き穴
Gの板厚隙間が樹脂封止層85,86で埋め込まれて塞
がれていると、異物の侵入を防止できることは勿論のこ
と、極歯の切り起こし元部の固定力が強くなり、ぶれ止
め作用が強固で、ステップ精度等の特性の向上に資す
る。
【0032】ここで、極歯K間に寸法余裕がある場合
は、切り起こし元部81dの板厚端から離して樹脂湯流
通穴を形成しても良い。しかし、本例のように、極歯数
が12で、極歯K間の環状鍔82の中実部分の面積が少
ないと、強度が弱く、変形を生じ易い。そのため、切り
起こし元部81dの板厚端を含む切欠き穴Gとし、極歯
間の中実部分を広くしてある。
【0033】また本例では、樹脂湯流通用の切欠き穴G
が切り起こし元部81dの板厚端の両端に形成されてい
るため、インサート成形時の樹脂湯の流通能力が旺盛に
なるので、樹脂回りが良く、切り起こし穴Hの完全密封
が確実化する。なお、インサート成形時に、切り起こし
穴Hや切欠き穴Gを介してアウターヨーク81aの外面
に被覆層や特別の樹脂部分を形成しても良い。
【0034】ところで、図15(a)に示すステータ構
造においては、A相へ励磁を行った場合、励磁によって
発生する磁路は図11に示す実線ループLA となり、漏
洩した磁束はB相側に破線ループLa を形成する。ま
た、B相へ励磁を行った場合、励磁によって発生する磁
路は実線ループLB となり、漏洩した磁束はA相側に破
線ループLb を形成する。ところが、ケースカップとし
てのアウターヨーク51d′の周壁部とインナーヨーク
51b,51cとの突き合わせ部分αやアウターヨーク
51d′,51a′の突き合わせ部分βでは高磁気抵抗
部分となっているため、A相の励磁ループLA は部分α
とβの2箇所で、A相の漏洩ループLa は部分βの1箇
所で高磁気抵抗箇所を持つ。これに対して、B相の励磁
ループLBは部分αの1箇所で、B相の漏洩ループLb
は部分αとβの2箇所で高磁気抵抗箇所を持つ。従っ
て、A相の磁気ループはB相の磁気ループと比べて磁気
抵抗が高くなるので、A相とB相との交互にディテント
トルクの差が生じ、ステップ精度の劣化を招く。
【0035】これに対して、本例のステータ構造におい
ては、同様に、A相へ励磁を行った場合、励磁によって
発生する磁路は図10に示す実線ループLA となり、漏
洩した磁束はB相側に破線ループLa を形成し、また、
B相へ励磁を行った場合、励磁によって発生する磁路は
実線ループLB となり、漏洩した磁束はA相側に破線ル
ープLb を形成するが、ケースカップ71の周壁部とイ
ンナーヨーク51b,51cとの突き合わせ部分αやア
ウターヨーク81d,81aの突き合わせ部分βでは高
磁気抵抗部分となっているため、A相の励磁ループLA
は部分αとβの2箇所で、A相の漏洩ループLa は一方
の部分αと他方の部分αの2箇所で高磁気抵抗箇所を持
つ。そして、B相の励磁ループLB も部分αとβの2箇
所で、B相の漏洩ループLb も一方の部分αと他方の部
分αの2箇所で高磁気抵抗箇所を持つ。このため、A相
の磁気ループとB相の磁気ループとは共に等しい高磁気
抵抗部分を持つため、磁気抵抗が相等しくなり、A相と
B相とのディテントトルクが平等化する。このため、図
15(a)の4枚組みステータ構造に比し、本例の5枚
組みステータ構造は図14(a),(b)の6枚組みス
テータ構造と同様に、ステップ精度の改善が認められ
る。
【0036】なお、本発明は、一般に、切り起こし片を
その片の板厚隙間に樹脂を充填して切り起こし片をモー
ルド固定すると共に、その切り起こし穴(切欠き穴も含
む)の板厚隙間に樹脂を充填して切り起こし穴をモール
ド封止する方法において、切り起こし片側の板厚隙間か
ら切り起こし穴側の板厚隙間を連通するように切り起こ
し片の元部の板厚端側にて板厚内の樹脂湯流通路を形成
した点を特徴としており、クロポール形アウターステー
タの極歯の切り起こし穴を塞ぐ場合に限らず、小形モー
タの各種部材に適用できるものである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、アウタ
ーヨークの切り起こした極歯の切り起こした穴をインー
ト成形時に樹脂封止できる樹脂湯流通穴を切り起こし基
部の板厚端側に形成したことを特徴とするものであるか
ら、次のような効果を奏する。
【0038】 アウターヨークの内面には樹脂封止層
の樹脂がはみ出さずに、切り起こし穴が塞がれているた
め、ヨークのコイルボビン部の内面には薄膜の絶縁性塗
膜を形成することで、コイルボビン部の線積を大きく確
保でき、小形モータの高トルク化を図ることができる。
また、アウターヨーク自身が金属製の軸受け部を持って
いるため、軸受けメタルの抜け強度等を高めることがで
き、高耐久性の小形モータを実現できる。更に、スチー
ル製の軸受け部を持つアウターヨークであることから、
特別に金属製の軸受け部付き取付け板などを用いる必要
がなく、金属板の枚数を削減でき、低コスト化を図るこ
とができる。加えて、切り起こし穴及び樹脂湯流通穴の
板厚隙間が樹脂封止層で埋め込まれていると、異物の侵
入を防止できることは勿論のこと、極歯の切り起こし元
部の固定力が強くなり、ぶれ止め作用が強固で、ステッ
プ精度等の特性の向上に資する。
【0039】 樹脂湯流通穴として、板厚端を含む切
欠き穴とした場合、極歯間の中実部分を広くできるの
で、極歯数が多くなっても強度を保つことができる。
【0040】 樹脂湯流通用の切欠き穴が切り起こし
元部の板厚端の両端に形成されて成る構成においては、
インサート成形時の樹脂湯の流通能力が旺盛になるの
で、樹脂回りが良く、切り起こし穴の完全密封が確実化
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る小形ステッピングモー
タを示す縦断面図である。
【図2】同モータの分解斜視図である。
【図3】同モータにおけるヨーク組みを示す斜視図であ
る。
【図4】同ヨーク組みの分解斜視図である。
【図5】同モータにおけるアウターヨークを示す斜視図
である。
【図6】(a)は同アウターヨークの底面図で、(b)
は同アウターヨークの平面図である。
【図7】(a)は図6(a)のA−A′に沿って切断し
た状態を示す切断矢視図で、(b)は図6(b)のB−
B′に沿って切断した状態を示す切断矢視図である。
【図8】同モータのアウターステータを得るインサート
成形状態を示す縦断面図である。
【図9】同インサート成形時における樹脂湯の流れ状態
を示す部分斜視図である。
【図10】同モータにおける磁気ループの状態を示す概
略図である。
【図11】従来のスチール板6枚組みのステータ構造に
おける磁気ループの状態を示す概略図である。
【図12】従来のクロポール形アウターステータのヨー
ク組みを示す分解斜視図である。
【図13】(a)は従来のクロポール形アウターステー
タの正面図、(b)はその縦断面図である。
【図14】(a)は従来のスチール板6枚組みのクロポ
ール形アウターステータを備えた小形ステッピングモー
タを示す縦断面図、(b)は従来の別のスチール板6枚
組みのクロポール形アウターステータを備えた小形ステ
ッピングモータを示す縦断面図である。
【図15】(a)は従来のスチール板4枚組みのクロポ
ール形アウターステータを備えた小形ステッピングモー
タを示す縦断面図、(b)はスチール板4枚組みのクロ
ポール形アウターステータを備えた小形ステッピングモ
ータを示す縦断面図である。
【符号の説明】
50,90…ヨーク組み 51a,51d,51a′,51d′,81a,81d
…アウターヨーク 51b,51c,81b,81c…インナーヨーク 52,82…環状鍔 53,83,K…極歯(極爪) 54,54A,54B…極歯間樹脂層 55…外周面樹脂層 55a…絶縁製樹脂層 57…コイル巻線 58…端子ピン 59…端子台 60,60′,80…クロポール形アウターステータ 61…永久磁石 61a…モータシャフト 62…インナーロータ 71…ケースカップ 71a,72a,81b…軸受け折曲部 72…ケースキャップ 73,74…軸受けメタル 75…絶縁性塗膜 78…樹脂製軸受部 H…切り起こし穴 G…樹脂湯流通用切欠き穴 81h…取付穴 81i…挿通穴 81j…止め片 85,86…樹脂封止層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属磁性板に極歯を切り起こしたヨーク
    の複数個組みをインサート成形樹脂で一体化して成るク
    ロポール形アウターステータを備える小形モータにおい
    て、前記ヨークのうちアウターヨークは、内周側に折曲
    形成した軸受け部と、外周側から切り起こした前記極歯
    と、この極歯の切り起こし元部の板厚端側に穿設されて
    おり、当該極歯の切り起こし穴に連通する樹脂湯流通穴
    と、前記切り起こし穴及び前記樹脂湯流通穴の板厚隙間
    に充填された樹脂封止層と、を備えて成ることを特徴と
    する小形モータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記樹脂湯流通穴は
    前記切り起こし元部の板厚端を含む切欠き穴であること
    を特徴とする小形モータ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記切欠き穴は前記
    切り起こし元部の板厚端の両端に形成されて成ることを
    特徴とする小形モータ。
JP24350796A 1996-09-13 1996-09-13 小形モータ Pending JPH1094236A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1363382A1 (de) * 2002-05-17 2003-11-19 Saia-Burgess Murten AG Elektroantrieb
JP2005192386A (ja) * 2003-12-02 2005-07-14 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd ステッピングモータ、およびその製造方法
KR100990025B1 (ko) * 2002-07-25 2010-10-26 니혼 덴산 산쿄 가부시키가이샤 스텝핑 모터 및 그 제조방법
JP2015198524A (ja) * 2014-04-01 2015-11-09 沖マイクロ技研株式会社 Pm型ステッピングモータのステータヨーク及びこれを用いたステータユニット

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