JP2005192386A - ステッピングモータ、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ステータコアとケースによって形成される磁路を改善してさらに高い出力トルクを得ることができるステッピングモータ、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 ステッピングモータ1は、コイル巻線4を絶縁層11で被覆された極歯8aの周りに直接巻回すことにより、ボビンに巻回すよりも巻線スペースを大きくすることができ、ステッピングモータ1を小型化しても出力トルクを高くすることが可能となる。さらに、接合部10では、ステータコア8の外周縁とケース9の内周の少なくとも一方の金属素地を露出させて接合させているため、接合部10における皮膜の厚みを減少させることができる。故に、絶縁層によって生ずる磁気抵抗を減少させることができ、さらに高い出力トルクを得ることが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】 ステッピングモータ1は、コイル巻線4を絶縁層11で被覆された極歯8aの周りに直接巻回すことにより、ボビンに巻回すよりも巻線スペースを大きくすることができ、ステッピングモータ1を小型化しても出力トルクを高くすることが可能となる。さらに、接合部10では、ステータコア8の外周縁とケース9の内周の少なくとも一方の金属素地を露出させて接合させているため、接合部10における皮膜の厚みを減少させることができる。故に、絶縁層によって生ずる磁気抵抗を減少させることができ、さらに高い出力トルクを得ることが可能となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ステッピングモータ、およびその製造方法に関するものである。
従来の小型のステッピングモータ100は、図8に示すように、ロータ101と、この
ロータ101と対向するステータコア102と、このステータコア102に対して軸線方
向で重ねられたケース103と、ステータコア102とケース103の内周縁に起立形成
された複数本の極歯102a、103aの周囲に設けた円環状のコイルボビン104と、
コイルボビン104の胴部に巻回されたコイル巻線105とから概ね、構成されている。
また、コイルボビン104には、複数本の端子ピン106を保持する端子部が一体に形成され、コイル巻線105の端末が端子ピン106に巻き付けられている。
ロータ101と対向するステータコア102と、このステータコア102に対して軸線方
向で重ねられたケース103と、ステータコア102とケース103の内周縁に起立形成
された複数本の極歯102a、103aの周囲に設けた円環状のコイルボビン104と、
コイルボビン104の胴部に巻回されたコイル巻線105とから概ね、構成されている。
また、コイルボビン104には、複数本の端子ピン106を保持する端子部が一体に形成され、コイル巻線105の端末が端子ピン106に巻き付けられている。
上記ステータコア102は略円環状に形成され、中央の内周縁には複数本の極歯102
aが起立形成されていて、表面全体が絶縁層で被覆されている。また、上記ケース103
は、略カップ状に形成され、底面の内周縁に複数本の極歯103aが起立形成され、ステ
ータコア102に対して軸線方向で重ねられたときに、極歯102a、103aが互いに
入り組むように配設される。このケース103も表面全体が絶縁層で被覆されている。ま
た、このとき、ステータコア102の外周縁とケース103の開口端内周とが接合されている。
aが起立形成されていて、表面全体が絶縁層で被覆されている。また、上記ケース103
は、略カップ状に形成され、底面の内周縁に複数本の極歯103aが起立形成され、ステ
ータコア102に対して軸線方向で重ねられたときに、極歯102a、103aが互いに
入り組むように配設される。このケース103も表面全体が絶縁層で被覆されている。ま
た、このとき、ステータコア102の外周縁とケース103の開口端内周とが接合されている。
このように構成されたステッピングモータ100において、コイル巻線105は合成樹脂製のコイルボビン104の胴部に巻回されている。このコイルボビン104には、ステータコア102がインサート成型によって一体に形成されているので、コイルボビン104は、ステータコア104が一体成型可能に比較的厚い所定の肉厚を有している。ところが、近年において要求されている、ステッピングモータ100の小型化と高トルク化を実現するためには、巻線スペースを大きくすることが必要となるが、コイルボビン104には上述の通り、一体成形のための所定の肉厚を有しているので、小型化するに従ってコイルボビン104の占有率が高くなる。その結果、コイル巻線105のための巻線スペースが小さくなるという問題がある。
そこで、実開昭62−132679号(特許文献1)において、コイルボビン104を
廃止して、ステータコア102およびケース103の全面を絶縁層で被覆すると共に、こ
の絶縁層の上にコイル巻線105を直接巻回すことが提案されている。このように構成す
ることにより巻線スペースが大きくなるので、従来のステッピングモータと比較して、より高い出力トルクを得ることができる。しかしながら、さらなるステッピングモータの小型化と高トルク化に対する要求レベルは高く、現状のトルクでは、要求レベルを確保することができないという問題がある。
廃止して、ステータコア102およびケース103の全面を絶縁層で被覆すると共に、こ
の絶縁層の上にコイル巻線105を直接巻回すことが提案されている。このように構成す
ることにより巻線スペースが大きくなるので、従来のステッピングモータと比較して、より高い出力トルクを得ることができる。しかしながら、さらなるステッピングモータの小型化と高トルク化に対する要求レベルは高く、現状のトルクでは、要求レベルを確保することができないという問題がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ステータコアとケースによって形成される磁路を改善してさらに高い出力トルクを得ることができるステッピングモータ、およびその製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、内周縁に複数本の極歯が起立されると共に円環状のステータコアと、上記極歯の周りに該極歯に施された絶縁層を介して巻回されたコイル巻線と、上記ステータコアの外周縁に内周を接合させて上記コイル巻線が内設される磁性体からなるケースとを有するステッピングモータであって、上記ステータコアおよび上記ケースは、上記ステータコアの外周縁と上記ケースの内周との接合部の少なくとも一方が金属素地を露出しているとともに上記接合部以外は全て絶縁層で被覆されていることを特徴とする。
このようなステッピングモータの製造方法では、上記ステータコアとなる上記金属板の表面全体を絶縁層で被覆する被覆工程と、上記ステータコアの外形を打ち抜き形成することにより外周縁に金属板の素地を露出させる外形抜き工程と、上記ステータコアの外周縁に上記ケースの内周を接合させて重ね合わせる接合工程と、を有し、上記被覆工程を経て外形抜き工程を行い、その後、上記接合工程を行ったことを特徴とする。
また、本発明のステッピングモータの製造方法では、さらに上記極歯の周りに上記巻線を巻回する巻線工程を有し、該巻線工程は、上記極歯の周りに自己融着巻線からなる上記コイル巻線を直接巻回することが好ましい。さらに、上記巻線工程は、上記被覆工程の後行うことが好ましい。このように構成すると、絶縁層が被覆された極歯の周りにコイル巻線を直接巻回すことが可能となり、コイル巻線と極歯との絶縁が図れるとともに、巻線作業を効率化することが可能となる。また、コイル巻線を自己融着させることによりコイル巻線が解けたり型崩れしたりすることを防止できる。
さらに、本発明のステッピングモータの製造方法では、さらに自己融着巻線によって巻回された空芯コイルからなる上記コイル巻線を、上記極歯の周りに嵌合させる嵌合工程を有することが好ましい。さらに、上記嵌合工程は、上記被覆工程の後行うことが好ましい。このように構成すると、コイル巻線と極歯との絶縁が図れるとともに、自己融着巻線によって巻回された空芯コイルを極歯の周りに嵌合することにより、コイル巻線を形成できるので、巻線工程が不要となり工程を簡略化することが可能となる。また、コイル巻線を自己融着させることによりコイル巻線が解けたり型崩れしたりすることを防止できる。
本発明によれば、コイル巻線を絶縁層で被覆された極歯の周りに直接設けることにより、ボビンに巻回したときに比較して巻線スペースを大きくすることができ、ステッピングモータを小型化しても出力トルクを高くすることが可能となる。さらに、従来は、ステータコアおよびケースの全面を絶縁層で被覆するため接合部の皮膜の厚みは、ステータコアの絶縁層の厚みとケースの絶縁層の厚みを合わせた厚みであるが、本発明によれば、ステータコアの外周縁とケースの内周の少なくとも一方の金属素地を露出して接合させているため、接合部における皮膜の厚みを減少させることができる。故に、絶縁層によって生ずる磁気抵抗を減少させることができ、さらに高い出力トルクを得ることが可能となる。また、金属板の表面を絶縁層で被覆し、その後、ステータコアの外形を打ち抜き形成することにより、外周縁に金属板の素地を露出させたステータコアを容易に製造することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるステッピングモータを示す断面図である。
本形態におけるステッピングモータ1は、図1に示すように、パーマネントマグネット型(PM型)に構成され、永久磁石に磁極が着磁されたロータ2と、このロータ2の周りに隣接して軸方向に配置された一対のステータ3と、この一対のステータ3に配設され、表面に薄い自己融着層が形成されたコイルを巻回したコイル巻線4とを有しており、一対のステータ3の上端面と下端面には、側板5が各々固着されている。各側板5には、ロータ2の回転軸6を回転自在に支持する軸受7が取り付けられている。
一対のステータ3は、各々複数本の極歯8aが内周縁に起立形成された円環状のステー
タコア8と、このステータコア8に対して軸線方向で重ねられた略カップ状のケース9に
よって構成されている。ケース9の底面には、内周縁からステータコア8の極歯8aの間に入り組むように極歯9a(図5を参照)が起立形成されており、ステータコア8の極歯8a、およびケース9の極歯9aは、各々ロータ2の外周に所定間隔のギャップを設けて対向させている。一方、ステータコア8の外周縁は、ケース9の開口端内周に嵌合することにより接合され、接合部10を形成している。さらに、上記ステータコア8の外周縁には、このステータコア8と一体に2本の端子ピン8bが周方向で離間した位置に形成され、各端子ピン8bには、コイル巻線4の端末が巻き付けられている。
タコア8と、このステータコア8に対して軸線方向で重ねられた略カップ状のケース9に
よって構成されている。ケース9の底面には、内周縁からステータコア8の極歯8aの間に入り組むように極歯9a(図5を参照)が起立形成されており、ステータコア8の極歯8a、およびケース9の極歯9aは、各々ロータ2の外周に所定間隔のギャップを設けて対向させている。一方、ステータコア8の外周縁は、ケース9の開口端内周に嵌合することにより接合され、接合部10を形成している。さらに、上記ステータコア8の外周縁には、このステータコア8と一体に2本の端子ピン8bが周方向で離間した位置に形成され、各端子ピン8bには、コイル巻線4の端末が巻き付けられている。
これらのステータコア8およびケース9には、表面全体が電着塗装、スプレー塗装、静
電塗装等の塗装手段によって、通常は数十ミクロンの厚みの絶縁層で被覆されている。こ
れにより、極歯8aの周りには、コイル巻線4が直接巻回され、コイルボビンが使用され
ていない。また、ステータコア8に形成された各端子ピン8bも絶縁層で被覆されている
ので、コイル巻線4の端末が直接巻き付けられている。このように、ステータコア8およびケース9の少なくともコイル巻線4が接触する表面全体が絶縁層で被覆されているので、コイル巻線4が短絡する恐れがない。一方、後述するように、ステータコア8の外周縁は金属素地を露出させていて絶縁層が被覆されていないが、ステータコア8の外周縁は、ケース9の開口端内周に接合して接合部10を形成しているため、ステータコア8の外周縁の金属素地が外部に露出していないので、コイル巻線4が接触して短絡する恐れがない。
電塗装等の塗装手段によって、通常は数十ミクロンの厚みの絶縁層で被覆されている。こ
れにより、極歯8aの周りには、コイル巻線4が直接巻回され、コイルボビンが使用され
ていない。また、ステータコア8に形成された各端子ピン8bも絶縁層で被覆されている
ので、コイル巻線4の端末が直接巻き付けられている。このように、ステータコア8およびケース9の少なくともコイル巻線4が接触する表面全体が絶縁層で被覆されているので、コイル巻線4が短絡する恐れがない。一方、後述するように、ステータコア8の外周縁は金属素地を露出させていて絶縁層が被覆されていないが、ステータコア8の外周縁は、ケース9の開口端内周に接合して接合部10を形成しているため、ステータコア8の外周縁の金属素地が外部に露出していないので、コイル巻線4が接触して短絡する恐れがない。
図2は、図1に示すステータコアの製造方法を示す説明図である。図3は、図1に示すステータコアにコイル巻線を巻回した状態を示す断面図である。図5は、図1に示すステッピングモータにおいて、ステータを斜め上方から見た斜視図である。
本形態において、ステータコア8の素材としては、所定の板厚を有するフープ状の磁性体金属板20が使用される。この金属板20は、図示しない順送プレス加工が施され
て、図2に示されるように、ステージS−1において、内周縁に複数本の極歯8aが起立形成され、外周縁にステータコア8と一体に2本の端子ピン8bが周方向で離間した位置に形成される。このステージS−1においては、端子ピン8bの両側に透孔21が穿設され、端子ピン8bの先端は金属板20に連結されている。
て、図2に示されるように、ステージS−1において、内周縁に複数本の極歯8aが起立形成され、外周縁にステータコア8と一体に2本の端子ピン8bが周方向で離間した位置に形成される。このステージS−1においては、端子ピン8bの両側に透孔21が穿設され、端子ピン8bの先端は金属板20に連結されている。
その後、ステージS−2の被覆工程において、複数本の極歯8a、端子ピン8bを含めた金属板20の表裏面に電着塗装等によって絶縁層11が被覆される。この絶縁層11は、コイル巻線4の巻線スペースを大きくするために、80ミクロン以下の厚さで肉薄に形成することが望ましい。
絶縁層11が被覆された金属板20は、次のステージS−3の外形抜き工程において、ステータコア8の外形を打ち抜き形成すると共に、端子ピン8bの先端が切断されて、ステータコア8が製造される。このように、外形抜き工程によって、ステータコア8の外周縁には、図3の円内に示す拡大図のように、金属素地22が露出される。
このように製造されたステータコア8は、その後、巻線工程において、図3に示すように極歯8aの周りにコイル巻線4が直接巻回される。すなわち、ステータコア8を図示しない巻線機に装着して自己融着巻線が極歯8aの周りに巻回され、その後、巻線が融着されて固化される。この巻線工程においては、予めコイル巻線4の始端が一方の端子ピン8bに直接巻き付けられ、極歯8aの周りにコイル巻線4が巻回された後に、コイル巻線4の終端が他方の端子ピン8bに直接巻き付けられる。
そして、接合工程において、図5に示すように、ステータコア8は、ステータコア8の極歯8aが、ケース9の極歯9aの間に入り組むように軸線方向で重ねられ、その外周縁がケース9の開口端内周に接合させる。すなわち、ステータコア8の外周縁の露出した金属素地が、ケース9の開口端内周と接合して接合部10が形成される。本形態の場合、ケース9の開口端内周には絶縁層からなる皮膜が被覆されているが、ステータコア8の外周縁は金属素地が露出しているので、接合部10は、ケース9のみの皮膜により隔絶されている。
ここで、上記ロータ2の一方の磁極から出た磁束は、極歯8a、ステータコア8、接合部10、ケース9、極歯9aを経由してロータ2の他方の磁極に戻す磁気回路が形成されている。この磁気回路における磁気抵抗を少なくすることがステッピングモータ1としての出力トルクを高くするための重要な要素となる。本実施の形態では、上述したように、ステータコア8の外周縁の金属素地を露出させることにより、接合部10における絶縁層の皮膜の厚みを減少させているので、磁気抵抗を大幅に減少させることが可能となる。
以上のように組み立てられたステータ3は、一対がステータコア8の背面どうしを接合させて軸線方向で重ねられる。なお、本形態では、予めステータ3を組み立てた後、一対のステータ3を軸線方向で重ねているが、一対のステータコア8の背面どうしを接合させた後、コイル巻線4を巻回し、その後、軸線方向の両側からケース9を各々嵌合させるようにしても良い。また、ケース9には、軸受7を取り付けた側板5を予め固着しておいても良い。
(本形態の主な効果)
以上詳述したように、本形態のステッピングモータ1は、コイル巻線4を絶縁層11で
被覆された極歯8aの周りに直接巻回すことにより、ボビンに巻回すよりも巻線スペース
を大きくすることができ、ステッピングモータ1を小型化しても出力トルクを高くすることが可能となる。さらに、接合部10では、ステータコア8の外周縁とケース9の内周の少なくとも一方の金属素地を露出させて接合させているため、接合部10における皮膜の厚みを減少させることができる。故に、絶縁層によって生ずる磁気抵抗を減少させることができ、さらに高い出力トルクを得ることが可能となる。
以上詳述したように、本形態のステッピングモータ1は、コイル巻線4を絶縁層11で
被覆された極歯8aの周りに直接巻回すことにより、ボビンに巻回すよりも巻線スペース
を大きくすることができ、ステッピングモータ1を小型化しても出力トルクを高くすることが可能となる。さらに、接合部10では、ステータコア8の外周縁とケース9の内周の少なくとも一方の金属素地を露出させて接合させているため、接合部10における皮膜の厚みを減少させることができる。故に、絶縁層によって生ずる磁気抵抗を減少させることができ、さらに高い出力トルクを得ることが可能となる。
また、本形態によれば、金属板20の表面を絶縁層11で被覆し、その後、ステータコア8の外形を打ち抜き形成することにより、外周縁に金属板20の素地を露出させたステータコア8を容易に製造することが可能となる。
さらに、本形態のステッピングモータ1の製造方法では、極歯8aの周りに自己融着巻線からなるコイル巻線4を直接巻回する巻線工程を有しているので、絶縁層11が被覆された極歯8aの周りにコイル巻線4を直接巻回すことが可能となり、巻線作業を効率化することが可能となるとともにコイル巻線4を自己融着させることによりコイル巻線4が解けたり型崩れしたりすることを防止できる。
図6および図7は、それぞれ、図1に示すステッピングモータと従来のステッピングモータのプルイントルクの特性を説明するための特性図、および図1に示すステッピングモータと従来のステッピングモータのプルアウトトルクの特性を説明するための特性図である。
図6は、駆動周波数(PULSE RATE)に対するプルイントルク(PULL IN TORQUE)の特性を表している。このグラフから明らかなように、ステータコア8の外周縁の絶縁層11をなくし、接合部10における皮膜の厚みを減少させたことにより、起動トルクが約0.02mN・m以上高くなった。また、図7は、駆動周波数(PULSE RATE)に対するプルアウトトルク(PULL OUT TORQUE)の特性を表している。ステータコア8の外周縁の絶縁層11をなくし、接合部10における皮膜の厚みを減少させたことにより、出力トルクが高くなっている。
(他の実施の形態)
図4は、本発明の他の実施の形態にかかるコイル巻線をステータコアに嵌合する様子を説明するための説明図である。
図4は、本発明の他の実施の形態にかかるコイル巻線をステータコアに嵌合する様子を説明するための説明図である。
コイル巻線4を形成する形成方法として、上記実施の形態では、図3に示すように極歯8aの周りにコイル巻線4を直接巻回す巻線工程により行っているが、コイル巻線4を形成する形成方法として必ずしもこの巻線工程に限定されるものではない。すなわち、図4に示すように、コイル巻線4を予め自己融着巻線によって巻回された空芯コイル30を融着後、ステータコア8の極歯8aの周りに嵌合させる嵌合工程により形成するようにしてもよい。本形態による空芯コイル30は、内径が極歯8aに嵌合可能な寸法に設定されている。このとき、空芯コイル30が極歯8aに遊嵌している場合には必要に応じて空芯コイル30を極歯8aに接着固定するようにしてもよい。ただし、空芯コイル30が極歯8aに軽圧入されている場合は、接着固定の必要はない。
このように、予め自己融着巻線によって空芯コイル30を巻回しておくことにより、巻線工程を簡略化することが可能となる。なお、本形態に示すようなコイル巻線4、すなわち、空芯コイル30を嵌合工程により嵌合させたコイル巻線4を採用し、ステッピングモータを構成した場合においても、ステータコア8の外周縁の絶縁層11をなくし、接合部10における皮膜の厚みを減少させた構成を有している以上、やはり上記実施の形態同様のモータ特性を得ることができる。すなわち、図6および図7に示されるように、プルイントルクおよびプルアウトトルクを従来より向上させることができる。
なお、図2に示したステータコア8の製造方法において、ステータコア8の素材として、フープ状の磁性体金属板20を使用したが、単体の磁性体金属板であっても良く、この場合は、極歯等を起立形成した金属板に対して、塗装工程において絶縁層を形成し、その後、ステータコアの外周縁を外形抜き工程によって金属板から打ち抜き形成することにより、外周縁に金属素地を露出させたステータコアが製造される。
また、ステータコア8外周縁が接合するケース9の内周に被覆した絶縁層を剥離して、金属素地どうしを接合するようにしても良い。このように構成することにより、一層磁気抵抗を減少させることができる。以上説明したステッピングモータは一例を示すものであり、他の構成に適宜変更することも可能であり、その他、本発明を逸脱しない範囲で変形可能である。
1 ステッピングモータ
2 ロータ
3 ステータ
4 コイル巻線
8 ステータコア
8a 極歯
9 ケース
10 接合部
11 絶縁層
22 金属素地
30 空芯コイル
2 ロータ
3 ステータ
4 コイル巻線
8 ステータコア
8a 極歯
9 ケース
10 接合部
11 絶縁層
22 金属素地
30 空芯コイル
Claims (6)
- 内周縁に複数本の極歯が起立されると共に円環状のステータコアと、上記極歯の周りに該極歯に施された絶縁層を介して巻回されたコイル巻線と、上記ステータコアの外周縁に内周を接合させて上記コイル巻線が内設される磁性体からなるケースとを有するステッピングモータであって、
上記ステータコアおよび上記ケースは、上記ステータコアの外周縁と上記ケースの内周との接合部の少なくとも一方が金属素地を露出しているとともに上記接合部以外は全て絶縁層で被覆されていることを特徴とするステッピングモータ。 - 内周縁に複数本の極歯が起立されると共に円環状のステータコアと、上記極歯の周りに該極歯に施された絶縁層を介して巻回されたコイル巻線と、上記ステータコアの外周縁に内周を接合させて上記コイル巻線が内設される磁性体からなるケースとを有するステッピングモータの製造方法において、
上記ステータコアとなる上記金属板の表面全体を絶縁層で被覆する被覆工程と、
上記ステータコアの外形を打ち抜き形成することにより外周縁に金属板の素地を露出さ
せる外形抜き工程と、
上記ステータコアの外周縁に上記ケースの内周を接合させて重ね合わせる接合工程と、
を有し、
上記被覆工程を経て外形抜き工程を行い、その後、上記接合工程を行ったことを特徴とするステッピングモータの製造方法。 - 請求項2において、さらに上記極歯の周りに上記巻線を巻回する巻線工程を有し、該巻線工程は、上記極歯の周りに自己融着巻線からなる上記コイル巻線を直接巻回したことを特徴とするステッピングモータの製造方法。
- 請求項3において、上記巻線工程は、上記被覆工程の後行ったことを特徴とするステッピングモータの製造方法。
- 請求項2において、さらに自己融着巻線によって巻回された空芯コイルからなる上記コイル巻線を、上記極歯の周りに嵌合させる嵌合工程を有することを特徴とするステッピングモータの製造方法。
- 請求項5において、上記嵌合工程は、上記被覆工程の後行ったことを特徴とするステッピングモータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004330499A JP2005192386A (ja) | 2003-12-02 | 2004-11-15 | ステッピングモータ、およびその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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