JPH1092684A - 粒界絶縁型半導体磁器コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

粒界絶縁型半導体磁器コンデンサ及びその製造方法

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JPH1092684A
JPH1092684A JP8240458A JP24045896A JPH1092684A JP H1092684 A JPH1092684 A JP H1092684A JP 8240458 A JP8240458 A JP 8240458A JP 24045896 A JP24045896 A JP 24045896A JP H1092684 A JPH1092684 A JP H1092684A
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JP
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semiconductor ceramic
grain boundary
powder
ceramic capacitor
sinterability
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Takeshi Kamei
亀井  健
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高誘電率で特性のバラツキの小さい粒界絶縁
型半導体磁器コンデンサを提供する。 【解決手段】 単位結晶粒子の定方向径のCV値が60
%以下である粒界絶縁型半導体磁器コンデンサ。セラミ
ックス粉末に焼結性改善剤を配合した原料を成形,焼成
して半導体磁器素地を得、これに絶縁化剤を熱拡散させ
て粒界絶縁型半導体磁器コンデンサを製造するに当り、
焼結性改善剤として火炎加水分解法により得られたSi
2 及び/又はAl2 3 粉体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粒界絶縁型半導体磁
器コンデンサ及びその製造方法に係り、特に、高誘電率
で特性のバラツキの小さい粒界絶縁型半導体磁器コンデ
ンサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粒界絶縁型半導体磁器コンデンサ、例え
ば、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )又はチタ
ン酸バリウム(BaTiO3 )系半導体磁器組成物を用
いた粒界絶縁型半導体磁器コンデンサは、一般に、次の
ようにして製造される。
【0003】即ち、まず、主成分のSrTiO3 又はB
aTiO3 に、半導体化剤としてのDy,Bi,Nd,
La,Nb,Ta,Wなどの酸化物、炭酸塩、しゅう酸
塩等と、特性改善剤としてのCu,Mn,Fe,Co,
Ni,Zn,Geなどの酸化物、炭酸塩、しゅう酸塩
と、焼結性改善剤としてのシリカ(SiO2 )、アルミ
ナ(Al2 3 )、アルミノケイ酸塩等とを所定割合に
て混合する。次いで、有機バインダーを添加混合して所
定の形状に成形し、得られる成形体を大気中で焼成して
脱脂した後、還元雰囲気中で焼成することにより半導体
磁器素地を製造する。得られた半導体磁器素地にPb,
Bi,Cu,Mn等の金属酸化物からなる粒界絶縁化剤
を熱拡散させ、最後にこの面に電極を形成して粒界絶縁
型半導体磁器コンデンサとする。
【0004】従来、上記半導体磁器素地の製造に使用さ
れる焼結性改善剤のSiO2 源及びAl2 3 源として
は、一般的には湿式法で工業的に精製されたSiO2
Al2 3 、アルミノ珪酸塩などの粉体が用いられてお
り、還元焼成時における素地の焼結性改善に相応の効果
を発揮している。
【0005】なお、湿式法によりSiO2 粉体を工業的
に得る方法としては、珪酸ナトリウムを加水分解して珪
酸水和物を生成させ、これを乾燥し、必要に応じ粉砕、
分級する方法が行われている。
【0006】Al2 3 粉体も、アルミン酸ナトリウム
を原料とし、上記と同様にして製造されている。
【0007】また、Al2 3 粉体を製造する方法とし
ては、例えばボーキサイトから精製したAl(OH)3
を仮焼することにより得られた平均粒径50〜80μm
のAl2 3 の凝集ないし集塊粒子を、ボールミルや振
動ボールミルなどを用いて乾式粉砕する方法もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のSiO2 粉体、
Al2 3 粉体の製造方法では、凝集粒子ないし集塊粒
子の平均粒径を微細にすることが困難であり、また、そ
の最大粒径も大きい。例えば、上記湿式法で工業的に得
られるSiO2 粉体の凝集粒子ないし集塊粒子の平均粒
径は約1〜40μmである。
【0009】このように比較的大きな凝集粒子又は集塊
粒子を含む焼結性改善剤を、粒界絶縁型半導体磁器組成
物を構成する他の調合材料と共に湿式混合すると、調製
された原料中には、粒径の大きな該凝集粒子ないし集塊
粒子が点在することになる。
【0010】原料中の焼結性改善剤であるSiO2 やA
2 3 は、還元焼成した際にSrTiO3 又はBaT
iO3 の結晶粒内部には入り込まず、結晶の粒界部分に
偏在するので、原料中にSiO2 及びAl2 3 の粗粒
が点在すると、得られる半導体磁器素地の結晶粒子間の
距離(即ちコンデンサを形成した時の電極間距離)が部
分的に不均一化し、誘電率のバラツキが大きくなる。
【0011】なお、湿式法で得られたSiO2 やAl2
3 粉体から、凝集粒子ないし集塊粒子の平均粒径が1
μm以下の超微粒粉体を得る方法として、ジェットミル
と乾式気流分級機を組み合わせた乾式閉回路粉砕装置で
処理することが考えられるが、この方法によると、粉体
と装置内壁との摩擦などにより不純物が混入する。ま
た、粉体の単位製品重量当たりの消費動力(電力)が大
きいという問題もある。
【0012】また、湿式法では高純度品(純度99.9
%以上)の製造が困難である。例えば、湿式法SiO2
粉体には硫酸イオン、アルカリイオン、アルカリ土類イ
オンなどの不純物が約1〜2%程度含まれている。この
ように不純物を含んだ粉体を焼結性改善剤として用いる
と、得られる半導体磁器の結晶の大きさが不均一化す
る。
【0013】このような原因によって結晶粒子間の距離
や結晶粒径が不均一化すると、結晶粒の粒界部分に特定
の金属酸化物からなる絶縁化剤を熱拡散して得られる粒
界絶縁型半導体磁器コンデンサにあっては、誘電率が低
下すると共に、特性のバラツキが大きくなる。
【0014】なお、ボーキサイトから得られたAl2
3 の凝集粒子ないし集塊粒子を乾式粉砕するAl2 3
粉体の製造方法でも、上記湿式法粉体の場合と同様に不
純物が混入するという問題がある。
【0015】本発明は上記従来の問題点を解決し、誘電
率が高く特性のバラツキが小さい粒界絶縁型半導体磁器
コンデンサ及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の粒界絶縁型半導
体磁器コンデンサは、磁器素地の単位結晶粒子の定方向
径のCV値が60%以下であることを特徴とする。
【0017】なお、本発明において、単位結晶粒子の定
方向径とは、結晶粒子を撮影した写真や顕微鏡視野にお
いて任意の一定方向を選び、その視野中の各粒子を、こ
の方向に平行な2本の直線ではさんだ時の間隔を言う。
即ち、図3に示す如く、定方向としてL方向を選び、各
結晶粒子1に対してこのL方向の2本の接線を引き、こ
の接線間の距離DP を定方向径とする。
【0018】また、CV値とは、下記式で求められる値
である。
【0019】
【数1】
【0020】このような粒界絶縁型半導体磁器コンデン
サは、セラミックス粉末に焼結性改善剤を配合してなる
原料を成形,焼成して半導体磁器素地を得、この半導体
磁器素地の表面に絶縁化剤を熱拡散させることにより粒
界絶縁型半導体磁器コンデンサを製造する方法におい
て、前記焼結性改善剤として、火炎加水分解法により得
られたシリカ粉体及び/又はアルミナ粉体を用いること
により製造することができる。
【0021】火炎加水分解法によれば、純度99.9%
以上の高純度で、凝集粒子ないし集塊粒子の平均粒径が
1μm以下の超微粒子のSiO2 又はAl2 3 粉体が
得られる。
【0022】従って、このような高純度、超微粒子のS
iO2 及び/又はAl2 3 粉体を焼結性改善剤として
用いることにより、焼結性改善剤粉体が原料中で部分的
に偏在することなく、均一に分散したものとなる。この
結果、還元焼成により得られる半導体磁器素地は、単位
結晶粒子の定方向径のCV値が60%以下という極めて
均一な結晶粒子よりなり、しかも粒界層が著しく均一に
形成されたものとなる。従って、このような半導体磁器
素地に絶縁化剤を熱拡散して得られる粒界絶縁型半導体
磁器コンデンサは、誘電率が高く、特性のバラツキが小
さいものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。
【0024】本発明の粒界絶縁型半導体磁器コンデンサ
は、上記の通り磁器素地の単位結晶粒子の定方向径のC
V値が60%以下、好ましくは50%以下、特に好まし
くは40%以下のものである。そして、このようにCV
値を小さくするには、焼結性改善剤として火炎加水分解
法によるSiO2 及び/又はAl2 3 粉体を用いる。
【0025】火炎加水分解法による高純度・超微粒子の
SiO2 又はAl2 3 粉体は、以下の反応を利用して
製造される。
【0026】<SiO2 の場合> SiCl4 +2H2 O→SiO2 +4HCl <Al2 3 の場合> 2AlCl3 +3H2 O→Al2 3 +6HCl 即ち、Si及びAlの塩化物を、約1000℃の酸素及
び水素ガス火炎中で反応させることにより、SiO2
びAl2 3 を得る。反応の副産物として発生する塩化
水素(HCl)は、ガス状であるから、固体のSiO2
及びAl2 3と容易に分離することができ、HClの
目的物への混入は極めて少なく通常約250ppm以下
である。
【0027】従って、火炎加水分解法によれば、純度9
9.9%以上のSiO2 又はAl23 粉体の製造が可
能であり、湿式法に比べて極めて高純度のものが得られ
る。また、火炎加水分解法は、湿式法のような乾燥・粉
砕工程が不要なため、強固に凝集又は集塊した粗粒は生
成しない。即ち、火炎加水分解法で得られたSiO2
はAl2 3 粉体は、直径5〜50nm(nm=10-9
m)の非常に細かい球状の一次粒子が、鎖状にゆるく集
塊した構造をしており、液体中などに容易に分散可能で
ある。この集塊粒子の平均粒径はほぼ1μm以下であ
り、また、BET法による比表面積も50〜400m2
/gと極めて大きい。このような火炎加水分解法による
SiO2 ,Al2 3 粉体は、粒界絶縁型半導体磁器組
成物の焼結性改善剤として配合された場合、他の調合原
料中で部分的に偏在することなく、極めて均一に分散す
るようになる。
【0028】なお、火炎加水分解法で得られたSiO2
又はAl2 3 粉体は、見掛けの比容積が1000〜2
000ml/100gと極めて大きいので、調合時のハ
ンドリング上問題がある場合には、パールミル等を用い
て予め水などの液体に分散させても良い。
【0029】次に、このような火炎加水分解法によるS
iO2 及び/又はAl2 3 粉体を焼結性改善剤として
用い、本発明の粒界絶縁型半導体磁器コンデンサを製造
する方法を説明する。
【0030】まず、主成分となるセラミックス粉体(例
えば、SrTiO3 ,BaTiO3,CaTiO3 ,M
gTiO3 )と、半導体化剤としてのNb2 5 ,WO
3 ,La2 3 ,CeO2 ,Bi2 3 ,Ta2 5
Dy2 3 ,Sn2 3 ,Gd2 3 等と、特性改善剤
としてのMnCO3 ,CuO,Fe2 3 ,Co
3 4 ,NiO,ZnO,GeO2 等と、焼結性改善剤
として上記火炎加水分解法によるSiO2 及び/又はA
2 3 粉体とを、好ましくは下記の割合で混合して原
料粉体を調製する。
【0031】原料配合(モル%) 主成分:95.8〜99.79とりわけ98.18〜9
8.92 半導体化剤:0.1〜2.0とりわけ0.2〜0.5 特性改善剤:0.01〜0.2とりわけ0.08〜0.
12 焼結性改善剤:0.1〜2.0とりわけ0.8〜1.2 この原料粉体に有機バインダを適量添加して混合し、1
〜2ton/cm2 で所定形状に加圧成形し、得られた
成形体を大気中1000〜1150℃で脱脂処理した
後、還元雰囲気中、例えば窒素及び水素雰囲気中、13
50〜1450℃で2〜6時間焼成して半導体磁器素地
を得る。この半導体磁器素地の結晶粒径の相加平均値は
5〜50μmとくに30〜40μmであることが好まし
い。
【0032】この半導体磁器素地の表面に、PbO2
BiO3 ,CuO,MnO2 等の金属酸化物、ガラス成
分及び有機ビヒクル剤を配合してなる絶縁化剤ペースト
を塗布して、大気中1050〜1150℃で2〜6時間
焼成して焼結性改善剤の金属酸化物を熱拡散させて粒界
絶縁型半導体磁器とする。なお、この絶縁化剤ぺースト
としては、上記の金属酸化物粉末50〜95重量部とガ
ラス粉末5〜50重量部との合計100重量部に対し
て、有機ビヒクル剤20〜60重量部の混合物が好適で
ある。ガラスとしては、例えばSiO2 系、B2
3 系、P2 5 系などを用いることができる。
【0033】この絶縁化剤ペーストは、金属酸化物とし
て3×10-5〜2×10-4g/mm2 とくに6×10-5
〜1.2×10-4g/mm2 の割合にて塗付されるのが
好ましい。
【0034】得られた粒界絶縁型半導体磁器にメッキや
導電ペーストの焼付け等によって電極を形成する。
【0035】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0036】実施例1 SrTiO3 に半導体化剤としてのNb2 3 、W
3 、特性改善剤としてのMnCO3 、CuO、焼結性
改善剤としての火炎加水分解法で得られたSiO2、A
2 3 を下記割合で秤量し、この原料配合物100重
量部を純水200重量部と共にボールミルで約24時間
湿式混合粉砕した。
【0037】原料配合(モル%) SiTO3 :98.6 Nb2 3 :0.2 WO3 :0.1 MnCO3 :0.04 CuO :0.06 SiO2 :0.5 Al2 3 :0.5 なお、SiO2 としては火炎加水分解法で得られたSi
2 (日本アエロジル社製,一次粒子の平均粒径10.
7nm,凝集粒子ないし集塊粒子の平均粒径0.3μ
m,純度99.98%)及びAl2 3 (デグサ社製,
一次粒子の平均粒径11.9nm,凝集粒子ないし集塊
粒子の平均粒径0.2μm,純度99.65%)を用い
た。
【0038】得られた混合物を120℃で24時間乾燥
後、乾燥物100重量部に対して、有機バインダである
PVB(ポリビニールブチラール)を2.5重量部添加
混合して成形原料とし、これを約2ton/cm2 の成
型圧力で、直径9mm,厚さ0.6mmの円板状素地に
成形した。この素地を10枚単位で積み重ねて耐火物セ
ッター上に複数配置し、1150℃で大気中焼成して脱
脂した後、1430℃の還元気流中(露点0℃にコント
ロールされたN2 :H2 =3:1(体積比)のN2 及び
2 の混合雰囲気)で4時間焼成することにより、直径
7.5mm,厚さ0.5mmの円板状半導体磁器素地を
得た。
【0039】得られた素地の両円板主面上に、下記配合
の粒界絶縁化剤ペーストをスクリーン法で印刷し、これ
を1120℃で4時間大気中焼成することにより粒界絶
縁化剤を素地の結晶粒界素地に熱拡散させた。
【0040】粒界絶縁化剤ペースト配合 Pb3 4 :45重量% MnO2 :5重量% Bi2 3 :40重量% CuO :5重量% ガラス成分(B2 3 系ガラス):5重量% 有機ビヒクル剤(テルピネオール,樹脂ワニス):Pb
3 4 ,MnO2 ,Bi2 3 ,CuO及びガラス成分
の合計100重量部に対して30重量部 なお、素地表
面に塗布される粒界絶縁化剤ペースト量は、金属酸化物
として8×10-5g/mm2 とした。また、焼成に当っ
ては、焼結性改善剤中の金属酸化物と同じ金属酸化物を
予め吸収飽和させたセッター上に素地を一枚ずつ配置
し、同様に処理した蓋付き耐火物容器に収納することに
より、粒界絶縁化剤のセッターへの吸収及び大気への揮
散を防止した。
【0041】次に、得られた各素地の両主円板面に銀電
極ペーストをスクリーン法で印刷し、これを810℃で
5分間焼き付けることにより、直径6.7mmの銀膜電
極を形成した。
【0042】この様にして得られた粒界絶縁型半導体磁
器コンデンサについて、単位結晶粒子の定方向径、静電
容量C(pF)、誘電率εs 、誘電体損失tanδ
(%)、絶縁抵抗IR(MΩ)、C・IR(F・Ω)、
破壊電圧B.D.V(V)を測定した。結果を表1に示
す。
【0043】なお、単位結晶粒子の定方向径は、図1に
示す還元焼成後の半導体磁器素地の実態顕微鏡写真(2
00倍)で測定した。静電容量C(pF)、誘電率εs
及び誘電体損失tanδ(%)は、LCRメーター(Y
HP社 4274A)を用いて1kHz、1V、25℃
の条件で測定した。絶縁抵抗IR(MΩ)は、直流16
V、20秒間印加、25℃の条件で測定した。破壊電圧
B.D.V(V)は、耐圧試験器(KIKUSUI T
OS5051)を用いて測定した。
【0044】なお、測定試料数は200個である。電気
特性におけるCV値(%)も標準偏差σを平均値aで除
した値σ/aである。当然ながら、このCV値(%)が
大きいほど測定試料間のバラツキが大きい。
【0045】比較例1 焼結性改善剤のSiO2 及びAl2 3 粉体として、湿
式法で工業的に得られたSiO2 (ヒューズレックス社
製,平均粒径96nm,凝集粒子ないし集塊粒子の平均
粒径38μm,純度98.5%)及びAl2 3 (住友
化学社製,平均粒径1.5μm,凝集粒子ないし集塊粒
子の平均粒径52μm,純度98.8%)粉体を使用し
たこと以外は、実施例1と同様にして粒界絶縁型半導体
磁器コンデンサを製造し、同様に、単位結晶粒子の定方
向径、静電容量C(pF)、誘電率εs 、誘電体損失t
anδ(%)、絶縁抵抗IR(MΩ)、C・IR(F・
Ω)、破壊電圧B.D.V(V)等を測定し、結果を表
1に示した。また、この比較例における還元焼成後の半
導体磁器素地の実態顕微鏡写真(200倍)を図2に示
す。
【0046】実施例2 実施例1において、焼結性改善剤として火炎加水分解法
により得られたSiO2 粉体のみを用いたこと以外は同
様にして粒界絶縁型半導体磁器コンデンサを製造し、単
位結晶粒子の定方向径、静電容量C(pF)、誘電率ε
s 、誘電体損失tanδ(%)、絶縁抵抗IR(M
Ω)、C・IR(F・Ω)、破壊電圧B.D.V(V)
等の測定結果を表1に示した。
【0047】実施例3 実施例1において、焼結性改善剤として火炎加水分解法
により得られたAl23 粉体のみを用いたこと以外は
同様にして粒界絶縁型半導体磁器コンデンサを製造し、
単位結晶粒子の定方向径、静電容量C(pF)、誘電率
εs 、誘電体損失tanδ(%)、絶縁抵抗IR(M
Ω)、C・IR(F・Ω)、破壊電圧B.D.V(V)
等の測定結果を表1に示した。
【0048】実施例4 実施例1においてSrTiO3 の代わりにBaTiO3
を用いたこと以外は同様にして粒界絶縁型半導体磁器コ
ンデンサを製造し、単位結晶粒子の定方向径、静電容量
C(pF)、誘電率εs 、誘電体損失tanδ(%)、
絶縁抵抗IR(MΩ)、C・IR(F・Ω)、破壊電圧
B.D.V(V)等の測定結果を表2に示した。
【0049】実施例5 実施例2においてSrTiO3 の代わりにBaTiO3
を用いたこと以外は同様にして粒界絶縁型半導体磁器コ
ンデンサを製造し、単位結晶粒子の定方向径、静電容量
C(pF)、誘電率εs 、誘電体損失tanδ(%)、
絶縁抵抗IR(MΩ)、C・IR(F・Ω)、破壊電圧
B.D.V(V)等の測定結果を表2に示した。
【0050】実施例6 実施例3においてSrTiO3 の代わりにBaTiO3
を用いたこと以外は同様にして粒界絶縁型半導体磁器コ
ンデンサを製造し、単位結晶粒子の定方向径、静電容量
C(pF)、誘電率εs 、誘電体損失tanδ(%)、
絶縁抵抗IR(MΩ)、C・IR(F・Ω)、破壊電圧
B.D.V(V)等の測定結果を表2に示した。
【0051】比較例2 比較例1においてSrTiO3 の代わりにBaTiO3
を用いたこと以外は同様にして粒界絶縁型半導体磁器コ
ンデンサを製造し、単位結晶粒子の定方向径、静電容量
C(pF)、誘電率εs 、誘電体損失tanδ(%)、
絶縁抵抗IR(MΩ)、C・IR(F・Ω)、破壊電圧
B.D.V(V)等の測定結果を表2に示した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】表1,2及び図1,2より明らかなよう
に、本発明によれば極めて均一な半導体結晶粒子及び粒
界層が形成される。そして、該結晶の粒界部分に絶縁化
剤の金属酸化物を熱拡散して得られる各実施例の粒界絶
縁型半導体磁器コンデンサは、比較例のものに比べ誘電
率εs が著しく高く、また、特性のバラツキが極めて小
さい。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の粒界絶縁型
半導体磁器コンデンサ及びその製造方法によれば、誘電
率が高く特性のバラツキの少ない粒界絶縁型半導体磁器
コンデンサが提供される。
【0056】本発明によれば、コンデンサの小型化によ
る原料コスト低減、及び製品歩留まり向上による製造コ
スト低減が可能となり、低価格で高品質のコンデンサの
提供が可能となる。また、若干グレードの劣るセラミッ
クス原料を用いても、高グレード原料を用いた場合と同
様の優れた効果を得ることができ、コスト低減に有効で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた還元焼成後の半導体磁器素
地の結晶構造を示す実態顕微鏡写真(200倍)であ
る。
【図2】比較例1で得られた還元焼成後の半導体磁器素
地の結晶構造を示す実態顕微鏡写真(200倍)であ
る。
【図3】単位結晶粒子の定方向径の測定方法を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 結晶粒子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁器素地の単位結晶粒子の定方向径のC
    V値が60%以下であることを特徴とする粒界絶縁型半
    導体磁器コンデンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、セラミックス粉末に
    焼結性改善剤を配合してなる原料を成形,焼成して得た
    半導体磁器素地の表面に絶縁化剤を熱拡散させることに
    より製造された粒界絶縁型半導体磁器コンデンサであっ
    て、 前記焼結性改善剤として、火炎加水分解法により得られ
    たシリカ粉体及び/又はアルミナ粉体を用いたことを特
    徴とする粒界絶縁型半導体磁器コンデンサ。
  3. 【請求項3】 セラミックス粉末に焼結性改善剤を配合
    してなる原料を成形,焼成して半導体磁器素地を得、こ
    の半導体磁器素地の表面に絶縁化剤を熱拡散させること
    により粒界絶縁型半導体磁器コンデンサを製造する方法
    において、 前記焼結性改善剤として、火炎加水分解法により得られ
    たシリカ粉体及び/又はアルミナ粉体を用いることを特
    徴とする粒界絶縁型半導体磁器コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、半導体磁器がチタン
    酸ストロンチウム系又はチタン酸バリウム系半導体磁器
    であることを特徴とする粒界絶縁型半導体磁器コンデン
    サの製造方法。
JP8240458A 1996-09-11 1996-09-11 粒界絶縁型半導体磁器コンデンサ及びその製造方法 Withdrawn JPH1092684A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002076445A (ja) * 2000-09-01 2002-03-15 Sanken Electric Co Ltd 半導体発光装置
CN102649642A (zh) * 2011-02-24 2012-08-29 株式会社村田制作所 晶界绝缘型半导体陶瓷、半导体陶瓷电容器以及半导体陶瓷电容器的制造方法
KR20190017655A (ko) * 2017-08-10 2019-02-20 다이요 유덴 가부시키가이샤 적층 세라믹 콘덴서 및 그 제조 방법
JP2019036708A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 太陽誘電株式会社 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法

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