JPH1092229A - 低風音・低an・低風圧電線 - Google Patents
低風音・低an・低風圧電線Info
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- JPH1092229A JPH1092229A JP26541296A JP26541296A JPH1092229A JP H1092229 A JPH1092229 A JP H1092229A JP 26541296 A JP26541296 A JP 26541296A JP 26541296 A JP26541296 A JP 26541296A JP H1092229 A JPH1092229 A JP H1092229A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】風圧荷重が増加せず、既存の電線把持クランプ
の適用が可能な低風音、低AN、低風圧電線を構成する
こと。 【解決手段】電線最外層において、より合わせ素線2の
間に、突出高さの低い段差部突出素線3と、該段差部突
出素線3の両側面4、4に接して段差低面形成素線5、
6を配置し、前記段差低面形成素線5、6の段差低面
7、8により前記段差部突出素線3の外周面9よりも低
い段差hを電線外周長手方向にスパイラル状に形成す
る。
の適用が可能な低風音、低AN、低風圧電線を構成する
こと。 【解決手段】電線最外層において、より合わせ素線2の
間に、突出高さの低い段差部突出素線3と、該段差部突
出素線3の両側面4、4に接して段差低面形成素線5、
6を配置し、前記段差低面形成素線5、6の段差低面
7、8により前記段差部突出素線3の外周面9よりも低
い段差hを電線外周長手方向にスパイラル状に形成す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風騒音やオーディ
ブルノイズを低減し風圧を低減した送電線に関するもの
である。
ブルノイズを低減し風圧を低減した送電線に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】超高圧多導体送電線がその側方から強風
を受けると、50〜200Hzの卓越周波数の耳障りな
風騒音を発生し、その騒音レベルは風速が増すほど大に
なる。また、100〜120Hzの変圧器がブーンと唸
るようなコロナハム音を生ずるオーディブルノイズ(A
N)は電線表面の電位傾度Gmax (KV/cm)がほぼ14
〜16KV/cm以上になると発生し、特に軽雨時に電線表
面に雨滴となって残留している時に生ずる。前記のよう
な騒音は、低周波のため早急には減衰しないので音源の
騒音レベルを低減しない限り防止は困難であり、特に5
00KVあるいは100KVの6導体または8導体等の
多導体、多回線の大型送電線においては深刻な問題とな
っている。この送電線が風圧を受けた際に生ずる風騒音
を低減させるために、電線にスパイラルロッドを巻付
け、またはより線の最外層に表面に突出段差を形成する
素線をより合わせて電線表面に長手方向の螺旋状突条を
形成することにより、電線投影断面を長手方向に周期的
に変化させて電線背後におけるカルマン渦の形成を妨げ
風騒音の卓越レベルを低減させている。
を受けると、50〜200Hzの卓越周波数の耳障りな
風騒音を発生し、その騒音レベルは風速が増すほど大に
なる。また、100〜120Hzの変圧器がブーンと唸
るようなコロナハム音を生ずるオーディブルノイズ(A
N)は電線表面の電位傾度Gmax (KV/cm)がほぼ14
〜16KV/cm以上になると発生し、特に軽雨時に電線表
面に雨滴となって残留している時に生ずる。前記のよう
な騒音は、低周波のため早急には減衰しないので音源の
騒音レベルを低減しない限り防止は困難であり、特に5
00KVあるいは100KVの6導体または8導体等の
多導体、多回線の大型送電線においては深刻な問題とな
っている。この送電線が風圧を受けた際に生ずる風騒音
を低減させるために、電線にスパイラルロッドを巻付
け、またはより線の最外層に表面に突出段差を形成する
素線をより合わせて電線表面に長手方向の螺旋状突条を
形成することにより、電線投影断面を長手方向に周期的
に変化させて電線背後におけるカルマン渦の形成を妨げ
風騒音の卓越レベルを低減させている。
【0003】前記の電線にスパイラルロッドを巻付け電
線断面に変化を与えることにより電線が横風を受けたと
きに電線後方に発生する定周期的な渦により生ずる風音
を低減する方法としては、特開昭49−101876号
の低騒音電線、特開昭59−194308号の低騒音電
線等が公知である。また、より線の最外層に表面に突出
段差を形成する素線をより合わせ電線表面に長手方向の
螺旋状突条を形成して風騒音を低減する方法としては、
より線の最外層に直径線上に相対して断面扇形厚肉素線
をより合わせその肉厚の差により表面にスパイラル状の
段差を形成し、この段差部の中央にさらに厚肉素線の段
差を形成した特開昭60−1705号の低騒音低振動型
電線、および、前記の厚肉素線による段差部の中央に凹
部を形成した特公平61−93327号の低騒音・低A
N電線や、特開平4−87210号の低騒音・低AN電
線や、特開平3−93108号の低AN型低騒音電線等
が公知であり、さらに、より線の最外層の断面扇形突条
素線の両側に凹溝部を形成した実開平4−106813
号の低風音低AN電線、および、より線の最外層に直径
線上に相対して突条素線をより合わせるとともに両突条
素線の中間位置になだらかな盛り上がり山部を形成した
実開平6−50161号の低風騒音電線が公知である。
線断面に変化を与えることにより電線が横風を受けたと
きに電線後方に発生する定周期的な渦により生ずる風音
を低減する方法としては、特開昭49−101876号
の低騒音電線、特開昭59−194308号の低騒音電
線等が公知である。また、より線の最外層に表面に突出
段差を形成する素線をより合わせ電線表面に長手方向の
螺旋状突条を形成して風騒音を低減する方法としては、
より線の最外層に直径線上に相対して断面扇形厚肉素線
をより合わせその肉厚の差により表面にスパイラル状の
段差を形成し、この段差部の中央にさらに厚肉素線の段
差を形成した特開昭60−1705号の低騒音低振動型
電線、および、前記の厚肉素線による段差部の中央に凹
部を形成した特公平61−93327号の低騒音・低A
N電線や、特開平4−87210号の低騒音・低AN電
線や、特開平3−93108号の低AN型低騒音電線等
が公知であり、さらに、より線の最外層の断面扇形突条
素線の両側に凹溝部を形成した実開平4−106813
号の低風音低AN電線、および、より線の最外層に直径
線上に相対して突条素線をより合わせるとともに両突条
素線の中間位置になだらかな盛り上がり山部を形成した
実開平6−50161号の低風騒音電線が公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のスパイラルロッ
ドを巻付けた電線は以下の(1)〜(5)のような問題
点がある。すなわち、(1)スパイラルロッドの長さが
2.5〜3m程度の短尺なために、スパイラルロッドの
巻き継ぎ端部がほぐれて、強烈なコロナ騒音を生じやす
い。(2)スパイラルロッドを巻付けるとその電線表面
から突出しているスパイラルロッド巻付け箇所の電位傾
度Gmax が高くなり、コロナ騒音を生じやすく、特に雨
滴が落下する電線下側面においては電線下側表面から突
出しているスパイラルロッドの突出下面に雨滴が垂下し
て突出するので、その突出先端部の電位傾度が高くなっ
て大なるコロナ騒音を生ずる。(3)このため、スパイ
ラルロッド2条を密着して並べた密着2条巻きとして電
線に巻付けたり、電線直径線上に相対して対角密着2条
巻きして巻付けて対応する必要があるが、6〜8導体送
電線にあってはスパイラルロッドの巻付け作業は多大な
人員と資材、経費を要する。(4)前記のように多数条
のスパイラルロッドを巻付けるとその重量により電線張
力が増大し鉄塔の安全強度に支障を来して取付けられな
い場合もあり、さらに張力調整、スペーサの取付け手直
し等の面倒な補修作業が付帯することになる。(5)ス
パイラルロッドを電線に巻付けると電線の受風面積が増
加するので、鉄塔強度に影響を及ぼすばかりでなく、強
風時の横振れ振幅が増大するという問題点がある。
ドを巻付けた電線は以下の(1)〜(5)のような問題
点がある。すなわち、(1)スパイラルロッドの長さが
2.5〜3m程度の短尺なために、スパイラルロッドの
巻き継ぎ端部がほぐれて、強烈なコロナ騒音を生じやす
い。(2)スパイラルロッドを巻付けるとその電線表面
から突出しているスパイラルロッド巻付け箇所の電位傾
度Gmax が高くなり、コロナ騒音を生じやすく、特に雨
滴が落下する電線下側面においては電線下側表面から突
出しているスパイラルロッドの突出下面に雨滴が垂下し
て突出するので、その突出先端部の電位傾度が高くなっ
て大なるコロナ騒音を生ずる。(3)このため、スパイ
ラルロッド2条を密着して並べた密着2条巻きとして電
線に巻付けたり、電線直径線上に相対して対角密着2条
巻きして巻付けて対応する必要があるが、6〜8導体送
電線にあってはスパイラルロッドの巻付け作業は多大な
人員と資材、経費を要する。(4)前記のように多数条
のスパイラルロッドを巻付けるとその重量により電線張
力が増大し鉄塔の安全強度に支障を来して取付けられな
い場合もあり、さらに張力調整、スペーサの取付け手直
し等の面倒な補修作業が付帯することになる。(5)ス
パイラルロッドを電線に巻付けると電線の受風面積が増
加するので、鉄塔強度に影響を及ぼすばかりでなく、強
風時の横振れ振幅が増大するという問題点がある。
【0005】また、前記のより線の最外層に突出段差を
形成する素線をより合わせる電線は以下の(6)〜(1
1)のような問題点がある。すなわち、(6)多導体を
構成してスペーサを取付ける場合、電線の断面のほぼ円
形の包絡線に対して4箇所でスペーサのクランプが接触
するだけなので、クランプの把持力が著しく劣る欠点が
あり、このため、電線にその断面に合致するような特別
のカラーを被せ、そのカラーの外周からクランプで把持
するようにすると、スペーサのクランプ把持部が大型化
し、しかもカラーの脱落手段を講じなければならない。
(7)電線最外層の突出段差は2〜3mm、直径にして
4〜6mmの径差があるので、特殊なスペーサクランプ
や延線架線工具が必要となる。(8)最外層に段差素線
が突出するので電線外径が大きくなり重量、風圧荷重が
増大する。(9)最外層に突出素線がある電線はドラム
に巻取る際に最外層の突出素線が他の巻取り電線部分を
傷つけるので、これがAN特性を劣化させる。このため
電線をドラムに巻取る際に巻取り層の間に特殊な間層材
を介在させる必要があり、コスト高の要因となる。(1
0)最外層に突出素線がある電線を延線する際にこの突
出素線が電線を捻回させ作業に支障を来す。(11)ま
た、より線の最外層に直径線上に相対して断面扇形厚肉
素線をより合わせて電線表面にスパイラル状の突条段差
を形成し突条段差部の中央に凹部を形成した前記公知の
低騒音・低AN電線は、課電時には、雨の水滴は、前記
の凹部には付着せずその両側の突条の先端に付着し、こ
の水滴の先端形状は電位傾度が大になるほど先鋭化して
コロナ放電を生じやすくなるという問題点がある。
形成する素線をより合わせる電線は以下の(6)〜(1
1)のような問題点がある。すなわち、(6)多導体を
構成してスペーサを取付ける場合、電線の断面のほぼ円
形の包絡線に対して4箇所でスペーサのクランプが接触
するだけなので、クランプの把持力が著しく劣る欠点が
あり、このため、電線にその断面に合致するような特別
のカラーを被せ、そのカラーの外周からクランプで把持
するようにすると、スペーサのクランプ把持部が大型化
し、しかもカラーの脱落手段を講じなければならない。
(7)電線最外層の突出段差は2〜3mm、直径にして
4〜6mmの径差があるので、特殊なスペーサクランプ
や延線架線工具が必要となる。(8)最外層に段差素線
が突出するので電線外径が大きくなり重量、風圧荷重が
増大する。(9)最外層に突出素線がある電線はドラム
に巻取る際に最外層の突出素線が他の巻取り電線部分を
傷つけるので、これがAN特性を劣化させる。このため
電線をドラムに巻取る際に巻取り層の間に特殊な間層材
を介在させる必要があり、コスト高の要因となる。(1
0)最外層に突出素線がある電線を延線する際にこの突
出素線が電線を捻回させ作業に支障を来す。(11)ま
た、より線の最外層に直径線上に相対して断面扇形厚肉
素線をより合わせて電線表面にスパイラル状の突条段差
を形成し突条段差部の中央に凹部を形成した前記公知の
低騒音・低AN電線は、課電時には、雨の水滴は、前記
の凹部には付着せずその両側の突条の先端に付着し、こ
の水滴の先端形状は電位傾度が大になるほど先鋭化して
コロナ放電を生じやすくなるという問題点がある。
【0006】本発明は、前記のような課題を解決し、電
線表面上において段差を形成するようにより合わせる素
線の突出高さが低く、風圧荷重が増加せず、既存の電線
把持クランプを適用することができるようにした低風
音、低AN、低風圧電線を提供することを目的とするも
のである。
線表面上において段差を形成するようにより合わせる素
線の突出高さが低く、風圧荷重が増加せず、既存の電線
把持クランプを適用することができるようにした低風
音、低AN、低風圧電線を提供することを目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決し前記
の目的を達成するため本発明の低風音・低AN・低風圧
電線は、以下の(1)乃至(17)のように構成したこ
とを特徴とするものである。
の目的を達成するため本発明の低風音・低AN・低風圧
電線は、以下の(1)乃至(17)のように構成したこ
とを特徴とするものである。
【0008】(1)電線最外層により合わせた断面扇形
素線2の間に、断面扇形の段差部突出素線3(3a〜
b)と、該段差部突出素線3の両側面4、4に接して断
面台形の段差低面形成素線5、6(5a〜c、6a〜
c)を配置し、前記段差低面形成素線5、6の外周面側
に、前記段差部突出素線の中央を通る電線直径線に対し
直交する平面の段差低面7、8(7a〜c、8a〜c)
を形成して、前記段差部突出素線3の外周面9よりも高
さhだけ低い段差を電線外周長手方向にスパイラル状に
形成したことを特徴とする電線である。(図1〜2、図
8〜10参照)
素線2の間に、断面扇形の段差部突出素線3(3a〜
b)と、該段差部突出素線3の両側面4、4に接して断
面台形の段差低面形成素線5、6(5a〜c、6a〜
c)を配置し、前記段差低面形成素線5、6の外周面側
に、前記段差部突出素線の中央を通る電線直径線に対し
直交する平面の段差低面7、8(7a〜c、8a〜c)
を形成して、前記段差部突出素線3の外周面9よりも高
さhだけ低い段差を電線外周長手方向にスパイラル状に
形成したことを特徴とする電線である。(図1〜2、図
8〜10参照)
【0009】(2)電線最外層により合わせた断面扇形
素線2の間に、断面扇形の段差部突出素線3(3b)を
配置して、最外層外周面上に段差部突出素線3(3b)
の外周面9(9b)を突出高さtだけ突出させ、この段
差部突出素線3(3b)の両側面に接して、それぞれ2
条の断面台形の段差低面形成素線5(5b、5c)およ
び6(6b、6c)を配置し、該2条の段差低面形成素
線5(5b、5c)および6(6b、6c)の外周面側
に、段差部突出素線3(3b)の中央を通る電線直径線
に対し直交する平面の段差低面7(7b、7c)および
8(8b、8c)を形成する。これにより段差部突出素
線3bの両側面に接して配置された段差低面形成素線5
b、6bの段差低面7b、8bが段差部突出素線3bの
外周面9bよりも高さh1だけ低い第1の段差h1を形
成するとともに、この段差低面形成素線5b、6bの両
側に配置した段差低面形成素線5c、6cの段差低面7
c、8cが前記第1の段差h1よりも高さh2だけ低い
第2の段差h2を形成して、この第1の段差h1と第2
の段差h2の2段の段差を電線外周長手方向にスパイラ
ル状に形成したことを特徴とする電線である。(図9、
図10参照)
素線2の間に、断面扇形の段差部突出素線3(3b)を
配置して、最外層外周面上に段差部突出素線3(3b)
の外周面9(9b)を突出高さtだけ突出させ、この段
差部突出素線3(3b)の両側面に接して、それぞれ2
条の断面台形の段差低面形成素線5(5b、5c)およ
び6(6b、6c)を配置し、該2条の段差低面形成素
線5(5b、5c)および6(6b、6c)の外周面側
に、段差部突出素線3(3b)の中央を通る電線直径線
に対し直交する平面の段差低面7(7b、7c)および
8(8b、8c)を形成する。これにより段差部突出素
線3bの両側面に接して配置された段差低面形成素線5
b、6bの段差低面7b、8bが段差部突出素線3bの
外周面9bよりも高さh1だけ低い第1の段差h1を形
成するとともに、この段差低面形成素線5b、6bの両
側に配置した段差低面形成素線5c、6cの段差低面7
c、8cが前記第1の段差h1よりも高さh2だけ低い
第2の段差h2を形成して、この第1の段差h1と第2
の段差h2の2段の段差を電線外周長手方向にスパイラ
ル状に形成したことを特徴とする電線である。(図9、
図10参照)
【0010】(3)電線最外層により合わせた断面扇形
素線の間に、断面扇形の段差部突出素線3(3d、3
e、3f)を配置し、該段差部突出素線3(3d、3
e、3f)の両外側面(左側の素線3dの左側面と右側
の素線3fの右側面)に接して断面台形の段差低面形成
素線5、6(5d、5eおよび6d、6e)を配置し、
これらの段差低面形成素線5、6(5d、5eおよび6
d、6e)の外周面側に、前記段差部突出素線3(3
d、3e、3f)の中央部外周面(中央素線3eの外周
面9e)の接線Teに対し電線中心側に傾斜する平面の
段差低面7(7d、7e)および8(8d、8e)を形
成して、前記段差部突出素線3(3d、3e、3f)の
外周面(素線3dの外周面9d、素線3fの外周面9
f)よりも低い段差hを電線外周長手方向にスパイラル
状に形成した構成を特徴とする電線である。(図11、
図12参照)
素線の間に、断面扇形の段差部突出素線3(3d、3
e、3f)を配置し、該段差部突出素線3(3d、3
e、3f)の両外側面(左側の素線3dの左側面と右側
の素線3fの右側面)に接して断面台形の段差低面形成
素線5、6(5d、5eおよび6d、6e)を配置し、
これらの段差低面形成素線5、6(5d、5eおよび6
d、6e)の外周面側に、前記段差部突出素線3(3
d、3e、3f)の中央部外周面(中央素線3eの外周
面9e)の接線Teに対し電線中心側に傾斜する平面の
段差低面7(7d、7e)および8(8d、8e)を形
成して、前記段差部突出素線3(3d、3e、3f)の
外周面(素線3dの外周面9d、素線3fの外周面9
f)よりも低い段差hを電線外周長手方向にスパイラル
状に形成した構成を特徴とする電線である。(図11、
図12参照)
【0011】(4)電線最外層により合わせた断面扇形
素線の間に断面扇形の段差部突出素線3(3g)を配置
して、該段差部突出素線3(3g)の外周面包絡線と電
線最外層円周面の包絡線を同一円形包絡線にし、該段差
部突出素線3(3g)の両側にそれぞれ2条の断面扇形
の段差低面形成素線5(5g、5j)および6(6g、
6j)を配置し、前記段差部突出素線3(3g)の両側
面に直接接する段差低面形成素線5gおよび6gの肉厚
H1 を段差部突出素線3(3g)の肉厚H0 よりも小に
し、前記肉厚H1 の段差低面形成素線5gおよび6gの
両側に配置した別の段差低面形成素線5jおよび6jの
肉厚H2 を前記肉厚H1 よりも小にして、前記段差部突
出素線3(3g)の外周面9(9g)よりも高さが順次
低くなる第1の段差h1 と第2の段差h2 の2段の段差
を形成し、電線外周長手方向にスパイラル状段差を形成
したことを特徴とする電線である。(図13、図14参
照)
素線の間に断面扇形の段差部突出素線3(3g)を配置
して、該段差部突出素線3(3g)の外周面包絡線と電
線最外層円周面の包絡線を同一円形包絡線にし、該段差
部突出素線3(3g)の両側にそれぞれ2条の断面扇形
の段差低面形成素線5(5g、5j)および6(6g、
6j)を配置し、前記段差部突出素線3(3g)の両側
面に直接接する段差低面形成素線5gおよび6gの肉厚
H1 を段差部突出素線3(3g)の肉厚H0 よりも小に
し、前記肉厚H1 の段差低面形成素線5gおよび6gの
両側に配置した別の段差低面形成素線5jおよび6jの
肉厚H2 を前記肉厚H1 よりも小にして、前記段差部突
出素線3(3g)の外周面9(9g)よりも高さが順次
低くなる第1の段差h1 と第2の段差h2 の2段の段差
を形成し、電線外周長手方向にスパイラル状段差を形成
したことを特徴とする電線である。(図13、図14参
照)
【0012】(5)電線最外層により合わせた断面円形
素線12の間に、断面扇形の段差部突出素線3kを配置
して、電線最外層円周面上に前記段差部突出素線3kの
外周面9kを突出させ、この段差部突出素線3kの両側
に、前記最外層の断面円形素線12の径よりも小なる径
方向厚さの断面扇形の段差低面形成素線5k、6kを配
置し、前記段差部突出素線3kの外周面9kと段差低面
形成素線5k、6kの段差低面7k、8kとの間に段差
hを形成して、電線外周長手方向にスパイラル状の段差
を形成したことを特徴とする電線である。(図15参
照)
素線12の間に、断面扇形の段差部突出素線3kを配置
して、電線最外層円周面上に前記段差部突出素線3kの
外周面9kを突出させ、この段差部突出素線3kの両側
に、前記最外層の断面円形素線12の径よりも小なる径
方向厚さの断面扇形の段差低面形成素線5k、6kを配
置し、前記段差部突出素線3kの外周面9kと段差低面
形成素線5k、6kの段差低面7k、8kとの間に段差
hを形成して、電線外周長手方向にスパイラル状の段差
を形成したことを特徴とする電線である。(図15参
照)
【0013】(6)電線最外層により合わせた断面円形
素線12のうち電線直径線上に相対する素線3pの両側
に、前記断面円形素線12の径よりも小なる厚さの断面
扇形の段差低面形成素線5p、6pを配置し、前記段差
低面形成素線5p、6pの段差低面7p、8pと断面円
形素線12の外周面包絡線との間に段差hを形成して電
線外周長手方向にスパイラル状の段差を形成したことを
特徴とする電線である。(図16参照)
素線12のうち電線直径線上に相対する素線3pの両側
に、前記断面円形素線12の径よりも小なる厚さの断面
扇形の段差低面形成素線5p、6pを配置し、前記段差
低面形成素線5p、6pの段差低面7p、8pと断面円
形素線12の外周面包絡線との間に段差hを形成して電
線外周長手方向にスパイラル状の段差を形成したことを
特徴とする電線である。(図16参照)
【0014】(7)より合わせ電線の最外層において、
断面円形素線12と電線直径線上に相対する断面扇形素
線(3m、3n)を同一円形包絡線に内接させ、該断面
扇形素線(3m、3n)の両外側面に接して、前記断面
円形素線12の径よりも小径の断面円形素線(5m、5
nおよび6m、6n)を配置して、電線最外層円周の円
形包絡線内に段差hを形成し、電線外周長手方向にスパ
イラル状の段差を形成したことを特徴とする電線であ
る。(図17参照)
断面円形素線12と電線直径線上に相対する断面扇形素
線(3m、3n)を同一円形包絡線に内接させ、該断面
扇形素線(3m、3n)の両外側面に接して、前記断面
円形素線12の径よりも小径の断面円形素線(5m、5
nおよび6m、6n)を配置して、電線最外層円周の円
形包絡線内に段差hを形成し、電線外周長手方向にスパ
イラル状の段差を形成したことを特徴とする電線であ
る。(図17参照)
【0015】(8)前記(1)の電線において、段差部
突出素線3aL、3aRの外周面9aを電線最外層円周上に
突出させたことを特徴とする電線である。(図8参照)
突出素線3aL、3aRの外周面9aを電線最外層円周上に
突出させたことを特徴とする電線である。(図8参照)
【0016】(9)電線最外層において、その最外層周
面の円形包絡線に外周面が内接して配置された断面扇形
の段差部突出素線の両側に、該段差部突出素線よりも径
方向の厚さが薄い断面台形の段差低面形成素線を配置し
て、電線外周面に長手方向のスパイラル状の段差を形成
した電線において、前記円形包絡線に内接する電線最外
層素線の数をA、前記円形包絡線に内接しない段差低面
形成素線の数をBとしたとき、 A/(A+B)≧0.
6 としたことを特徴とする電線である。
面の円形包絡線に外周面が内接して配置された断面扇形
の段差部突出素線の両側に、該段差部突出素線よりも径
方向の厚さが薄い断面台形の段差低面形成素線を配置し
て、電線外周面に長手方向のスパイラル状の段差を形成
した電線において、前記円形包絡線に内接する電線最外
層素線の数をA、前記円形包絡線に内接しない段差低面
形成素線の数をBとしたとき、 A/(A+B)≧0.
6 としたことを特徴とする電線である。
【0017】(10)前記(1)の電線において、段差
部突出素線3の径方向厚さをH、段差部突出素線3の外
周面9と段差低面形成素線5、6の段差低面7、8と間
の段差をh、段差部突出素線3の周方向巾のなす中心角
をθ1 、段差部突出素線3の両側に配置された段差低面
形成素線5、6の両段差低面7、8の両外端間の間隔の
なす中心角をθ2 、段差部突出素線3の外周面9が内接
する円形包絡線の直径をD1 、電線最外層周面の直径を
D2 としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 0.35mm≦h≦H≦8mm D1 /D2 ≦1.1 としたことを特徴とする電線である。(図1、図2参
照)
部突出素線3の径方向厚さをH、段差部突出素線3の外
周面9と段差低面形成素線5、6の段差低面7、8と間
の段差をh、段差部突出素線3の周方向巾のなす中心角
をθ1 、段差部突出素線3の両側に配置された段差低面
形成素線5、6の両段差低面7、8の両外端間の間隔の
なす中心角をθ2 、段差部突出素線3の外周面9が内接
する円形包絡線の直径をD1 、電線最外層周面の直径を
D2 としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 0.35mm≦h≦H≦8mm D1 /D2 ≦1.1 としたことを特徴とする電線である。(図1、図2参
照)
【0018】(11)前記(1)の電線において、段差
部突出素線3の径方向の厚さをH、段差低面形成素線
5、6の径方向の厚さをHi、段差部突出素線3の周方
向巾のなす中心角をθ1 、段差部突出素線3の両側の段
差低面形成素線5、6の段差低面7、8の両外端間の間
隔のなす中心角をθ2 、段差部突出素線3の外周面9が
内接する円形包絡線の直径をD1 、電線最外層素線周面
の直径をD2 としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 0.35mm≦H−Hi≦8mm D1 /D2 ≦1.1 としたことを特徴とする電線である。(図1、図2参
照)
部突出素線3の径方向の厚さをH、段差低面形成素線
5、6の径方向の厚さをHi、段差部突出素線3の周方
向巾のなす中心角をθ1 、段差部突出素線3の両側の段
差低面形成素線5、6の段差低面7、8の両外端間の間
隔のなす中心角をθ2 、段差部突出素線3の外周面9が
内接する円形包絡線の直径をD1 、電線最外層素線周面
の直径をD2 としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 0.35mm≦H−Hi≦8mm D1 /D2 ≦1.1 としたことを特徴とする電線である。(図1、図2参
照)
【0019】(12)前記(1)の電線において、厚さ
Hの断面扇形の段差部突出素線3の外周面9を、電線最
外層円周上に突出させ、該段差部突出素線3の外周面9
が内接する円形包絡線の直径をD1 、電線最外層素線周
面の直径をD2 とし、段差部突出素線3の外周面9と段
差低面形成素線5、6の段差低面7、8との段差をh、
段差部突出素線3の周方向巾のなす中心角をθ1 、段差
部突出素線3の両側の段差低面形成素線5、6の両段差
低面7、8の両外端間の間隔のなす中心角をθ2とした
とき、 D1 −D2 ≦1mm 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 0.35mm≦h≦H≦8mm としたことを特徴とする電線である。
Hの断面扇形の段差部突出素線3の外周面9を、電線最
外層円周上に突出させ、該段差部突出素線3の外周面9
が内接する円形包絡線の直径をD1 、電線最外層素線周
面の直径をD2 とし、段差部突出素線3の外周面9と段
差低面形成素線5、6の段差低面7、8との段差をh、
段差部突出素線3の周方向巾のなす中心角をθ1 、段差
部突出素線3の両側の段差低面形成素線5、6の両段差
低面7、8の両外端間の間隔のなす中心角をθ2とした
とき、 D1 −D2 ≦1mm 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 0.35mm≦h≦H≦8mm としたことを特徴とする電線である。
【0020】(13)前記(2)の電線において、段差
部突出素線3(3b)の外周面9bが電線最外層周面上
に突出する高さをt、この段差部突出素線3(3b)の
両側面に接して配置した段差低面形成素線5b、6bの
段差低面7b、8bと段差部突出素線3(3b)の外周
面9bとの間の第1の段差をh1、この第1の段差を形
成する段差低面形成素線5b、6bの段差低面7b、8
bとその両側に配置した別の段差低面形成素線5c、6
cの段差低面7c、8cとの間の第2の段差をh2、段
差部突出素線3bの周方向巾のなす中心角をθ1 、前記
第1の段差h1を形成する両側の段差低面形成素線5
b、6bの両段差低面7b、8bの両外端間7bx、8
bxの間隔のなす中心角をθ2 、前記第2の段差h2を
形成する段差低面形成素線5c、6cの両段差低面7
c、8cの両外端間7cx、8cxの間隔のなす中心角
をθ3としたとき、 5°≦θ1 ≦20° 5°<θ2 ≦45° 35°≦θ3≦90° 0.25mm≦t≦1.0mm 0.35mm≦h1≦h2≦1.5mm としたことを特徴とする電線である。(図9、図10参
照)
部突出素線3(3b)の外周面9bが電線最外層周面上
に突出する高さをt、この段差部突出素線3(3b)の
両側面に接して配置した段差低面形成素線5b、6bの
段差低面7b、8bと段差部突出素線3(3b)の外周
面9bとの間の第1の段差をh1、この第1の段差を形
成する段差低面形成素線5b、6bの段差低面7b、8
bとその両側に配置した別の段差低面形成素線5c、6
cの段差低面7c、8cとの間の第2の段差をh2、段
差部突出素線3bの周方向巾のなす中心角をθ1 、前記
第1の段差h1を形成する両側の段差低面形成素線5
b、6bの両段差低面7b、8bの両外端間7bx、8
bxの間隔のなす中心角をθ2 、前記第2の段差h2を
形成する段差低面形成素線5c、6cの両段差低面7
c、8cの両外端間7cx、8cxの間隔のなす中心角
をθ3としたとき、 5°≦θ1 ≦20° 5°<θ2 ≦45° 35°≦θ3≦90° 0.25mm≦t≦1.0mm 0.35mm≦h1≦h2≦1.5mm としたことを特徴とする電線である。(図9、図10参
照)
【0021】(14)前記(3)の電線において、段差
部突出素線3(3d、3e、3f)の径方向厚さをH、
前記段差部突出素線3d、3e、3fの外周面と段差低
面形成素線5、6(5d、5eおよび6d、6e)の傾
斜する段差低面7、8(7d、7eおよび8d、8e)
との間の段差をh、該段差部突出素線3(3d、3e、
3f)の周方向の全巾のなす中心角をθ1 、該段差部突
出素線3の両側の最外側の段差低面形成素線5e、6e
の両段差低面7e、8eの両外端7ex、8ex間の間
隔のなす中心角をθ2 、傾斜する段差低面7d、7eお
よび8d、8eの傾斜角をθ4、前記段差部突出素線3
(3d、3e、3f)の外周面が内接する円形包絡線の
直径をD1 、電線最外層の周面が内接する円形包絡線の
直径をD2としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 10°≦θ4≦45° 1.5mm≦h≦H≦3mm D1 ≒D2 としたことを特徴とする電線である。(図11、図12
参照)
部突出素線3(3d、3e、3f)の径方向厚さをH、
前記段差部突出素線3d、3e、3fの外周面と段差低
面形成素線5、6(5d、5eおよび6d、6e)の傾
斜する段差低面7、8(7d、7eおよび8d、8e)
との間の段差をh、該段差部突出素線3(3d、3e、
3f)の周方向の全巾のなす中心角をθ1 、該段差部突
出素線3の両側の最外側の段差低面形成素線5e、6e
の両段差低面7e、8eの両外端7ex、8ex間の間
隔のなす中心角をθ2 、傾斜する段差低面7d、7eお
よび8d、8eの傾斜角をθ4、前記段差部突出素線3
(3d、3e、3f)の外周面が内接する円形包絡線の
直径をD1 、電線最外層の周面が内接する円形包絡線の
直径をD2としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 10°≦θ4≦45° 1.5mm≦h≦H≦3mm D1 ≒D2 としたことを特徴とする電線である。(図11、図12
参照)
【0022】(15)前記(5)の電線において、段差
部突出素線3(3k)の外周面が電線最外層周面の円形
包絡線よりも突出する突出高さをtとし、前記段差部突
出素線3(3k)の周方向巾のなす中心角をθ1 、該段
差部突出素線3(3k)の両側の段差低面形成素線5、
6(5k、(6k)の両段差低面7、8(7k、8k)
の両外端間の間隔のなす中心角をθ2 としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 0.35mm≦t≦1.0mm 2mm≦h≦H≦4mm としたことを特徴とする電線である。(図15参照)
部突出素線3(3k)の外周面が電線最外層周面の円形
包絡線よりも突出する突出高さをtとし、前記段差部突
出素線3(3k)の周方向巾のなす中心角をθ1 、該段
差部突出素線3(3k)の両側の段差低面形成素線5、
6(5k、(6k)の両段差低面7、8(7k、8k)
の両外端間の間隔のなす中心角をθ2 としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 0.35mm≦t≦1.0mm 2mm≦h≦H≦4mm としたことを特徴とする電線である。(図15参照)
【0023】(16)前記(8)の電線において、段差
部突出素線3(3aL、3aR)の外周面9(9a)が電線
最外層の円周上に突出する高さをt、前記の段差部突出
素線3(3aL、3aR)の外周面と段差低面形成素線5
(5a)、6(6a)の段差低面7(7a)、8(8
a)との段差をh、段差部突出素線3(3aL、3aR)の
周方向全巾のなす中心角をθ1 、該段差部突出素線3
(3aL、3aR)の両側の段差低面形成素線5(5a)、
6(6a)の両段差低面7(7a)、8(8a)の両外
端間の間隔のなす中心角をθ2 としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦80° 0.35mm≦t≦1.5mm 2.0mm≦h≦4.0mm としたことを特徴とする電線である。(図8参照)
部突出素線3(3aL、3aR)の外周面9(9a)が電線
最外層の円周上に突出する高さをt、前記の段差部突出
素線3(3aL、3aR)の外周面と段差低面形成素線5
(5a)、6(6a)の段差低面7(7a)、8(8
a)との段差をh、段差部突出素線3(3aL、3aR)の
周方向全巾のなす中心角をθ1 、該段差部突出素線3
(3aL、3aR)の両側の段差低面形成素線5(5a)、
6(6a)の両段差低面7(7a)、8(8a)の両外
端間の間隔のなす中心角をθ2 としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦80° 0.35mm≦t≦1.5mm 2.0mm≦h≦4.0mm としたことを特徴とする電線である。(図8参照)
【0024】(17)電線最外層により合わせた断面円
形素線のうち電線直径線上に相対する素線の両側に前記
断面円形素線よりも径方向の厚さが小なる素線をより合
わせて電線外周長手方向にスパイラル状の段差を形成し
た電線において、前記最外層に占める前記断面円形素線
の割合が 50〜80% であることを特徴とする電線
である。(図15、図16、図17参照)
形素線のうち電線直径線上に相対する素線の両側に前記
断面円形素線よりも径方向の厚さが小なる素線をより合
わせて電線外周長手方向にスパイラル状の段差を形成し
た電線において、前記最外層に占める前記断面円形素線
の割合が 50〜80% であることを特徴とする電線
である。(図15、図16、図17参照)
【0025】本発明の送電線は、前記の(1)乃至(1
8)のように構成することにより、前記の発明が解決し
ようとする課題における(1)乃至(11)の問題点を
解決し低風音、低AN、低風圧の送電線を得ることがで
きる。風騒音防止のためには電線外表面から突出する突
条の突出高さは2〜7mm程度あれば十分であるが、A
N特性の改善のためには突条の突出高さはできるだけゼ
ロに近いほうがよく、電線外層の包絡線よりも突出する
突条の突出高さをできるだけ低くし、かつ、突条数が少
ない程、AN特性が向上する。本発明は、前記のように
構成したことにより、風騒音特性を損なわずにAN特性
を向上させることができる。
8)のように構成することにより、前記の発明が解決し
ようとする課題における(1)乃至(11)の問題点を
解決し低風音、低AN、低風圧の送電線を得ることがで
きる。風騒音防止のためには電線外表面から突出する突
条の突出高さは2〜7mm程度あれば十分であるが、A
N特性の改善のためには突条の突出高さはできるだけゼ
ロに近いほうがよく、電線外層の包絡線よりも突出する
突条の突出高さをできるだけ低くし、かつ、突条数が少
ない程、AN特性が向上する。本発明は、前記のように
構成したことにより、風騒音特性を損なわずにAN特性
を向上させることができる。
【0026】また、突条を電線最外層の円形包絡線より
も10〜40%突出させるだけで、AN特性を悪化させ
ずに風騒音特性を著しく改善することができ、電線最外
層表面上の突出は従来の電線程は高くないので風圧荷重
の増加は僅かである。
も10〜40%突出させるだけで、AN特性を悪化させ
ずに風騒音特性を著しく改善することができ、電線最外
層表面上の突出は従来の電線程は高くないので風圧荷重
の増加は僅かである。
【0027】また、前記の構成により、電線最外層と突
条素線外周面の外径差は、従来の電線よりも小さくな
る。このため従来の電線把持クランプは、電線最外層と
突条素線外周の外径差が大なるカラー付クランプを設計
しないと電線に取り付けることができないのに対し、本
発明の電線の把持クランプは、既設計製品を直接取り付
けることが可能になる。
条素線外周面の外径差は、従来の電線よりも小さくな
る。このため従来の電線把持クランプは、電線最外層と
突条素線外周の外径差が大なるカラー付クランプを設計
しないと電線に取り付けることができないのに対し、本
発明の電線の把持クランプは、既設計製品を直接取り付
けることが可能になる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
より説明する。 :第1の実施の形態:(図1、図2参照) 図1は本発明の第1の実施の形態の電線を断面で示し、
図2はその要部を断面で示す。図1と図2において、1
は本発明の送電線、2は電線1の最外層により合わせた
断面扇形の素線である。3は最外層の断面扇形の素線2
のうち、電線直径線上に相対している断面扇形の素線で
あって、本発明における、電線最外層表面に形成する段
差部の中央部に突出する段差部突出素線である。5、6
は前記の段差部突出素線3の両側面4、4に接してより
合わせた、該段差部突出素線3よりも肉厚が薄い断面台
形の素線であって、電線最外層表面に形成する段差部に
おいて前記段差部突出素線3の両側に低い段差低面を形
成する段差低面形成素線である。
より説明する。 :第1の実施の形態:(図1、図2参照) 図1は本発明の第1の実施の形態の電線を断面で示し、
図2はその要部を断面で示す。図1と図2において、1
は本発明の送電線、2は電線1の最外層により合わせた
断面扇形の素線である。3は最外層の断面扇形の素線2
のうち、電線直径線上に相対している断面扇形の素線で
あって、本発明における、電線最外層表面に形成する段
差部の中央部に突出する段差部突出素線である。5、6
は前記の段差部突出素線3の両側面4、4に接してより
合わせた、該段差部突出素線3よりも肉厚が薄い断面台
形の素線であって、電線最外層表面に形成する段差部に
おいて前記段差部突出素線3の両側に低い段差低面を形
成する段差低面形成素線である。
【0029】前記の段差低面形成素線5、6は、前記段
差部突出素線3の左側面に接している断面台形の段差低
面形成素線5と右側面に接している断面台形の段差低面
形成素線6が、いずれも断面扇形素線の外周面側部分を
切断除去して段差低面7、8が形成され、この段差低面
7、8を上面とする断面台形の形状を呈するものであ
る。前記の段差低面7、8は、電線軸線に直交する電線
断面において、前記段差部突出素線3の中央を通る電線
直径線に対して直交する平面である。前記の段差部突出
素線3の両側に配置された段差低面形成素線5、6の段
差低面7、8は、段差部突出素線3の外周面9よりも高
さhだけ低い平面であり、電線最外層表面において段差
部の中央部に突出する段差部突出素線3に対して高さh
だけ低い段差部を形成する。
差部突出素線3の左側面に接している断面台形の段差低
面形成素線5と右側面に接している断面台形の段差低面
形成素線6が、いずれも断面扇形素線の外周面側部分を
切断除去して段差低面7、8が形成され、この段差低面
7、8を上面とする断面台形の形状を呈するものであ
る。前記の段差低面7、8は、電線軸線に直交する電線
断面において、前記段差部突出素線3の中央を通る電線
直径線に対して直交する平面である。前記の段差部突出
素線3の両側に配置された段差低面形成素線5、6の段
差低面7、8は、段差部突出素線3の外周面9よりも高
さhだけ低い平面であり、電線最外層表面において段差
部の中央部に突出する段差部突出素線3に対して高さh
だけ低い段差部を形成する。
【0030】前記の段差低面形成素線5、6の段差低面
7、8を形成する断面台形の外周面側の切断除去部分
は、図2において、最外層外周面の円形包絡線(破線)
の内側において前記段差低面形成素線5の段差低面7の
外周面側に図示した斑点部分が切除部分である。前記の
ように、電線最外層表面において、段差部突出素線3の
両側に、高さhだけ低い段差低面7、8を形成した段差
低面形成素線5、6を配置してより合わせことにより、
電線外周長手方向にスパイラル状に段差が形成される。
なお、図1の10は最外層の内側の断面円形素線のより
合わせ層、11は中心のより合わせ鋼心線である。
7、8を形成する断面台形の外周面側の切断除去部分
は、図2において、最外層外周面の円形包絡線(破線)
の内側において前記段差低面形成素線5の段差低面7の
外周面側に図示した斑点部分が切除部分である。前記の
ように、電線最外層表面において、段差部突出素線3の
両側に、高さhだけ低い段差低面7、8を形成した段差
低面形成素線5、6を配置してより合わせことにより、
電線外周長手方向にスパイラル状に段差が形成される。
なお、図1の10は最外層の内側の断面円形素線のより
合わせ層、11は中心のより合わせ鋼心線である。
【0031】図1に示した電線において、D1 を段差部
突出素線3の外周面9が内接する円形包絡線の直径、D
2 を電線最外層周面の直径とすると、この第1の実施形
態の電線は、断面扇形の段差部突出素線3、3の外周面
9は電線最外層周面の円形包絡線に内接し最外層外周面
と同一外径であってD1 =D2 である。Hは段差部突出
素線3の径方向の厚さであり、θ1 は段差部突出素線3
の両側面(図2の4、4)間の間隔すなわち段差部突出
素線3の周方向巾のなす中心角である。θ2 は前記両側
の段差低面形成素線5、6の段差低面7、8の両外端7
x、8xの間の間隔のなす中心角である。
突出素線3の外周面9が内接する円形包絡線の直径、D
2 を電線最外層周面の直径とすると、この第1の実施形
態の電線は、断面扇形の段差部突出素線3、3の外周面
9は電線最外層周面の円形包絡線に内接し最外層外周面
と同一外径であってD1 =D2 である。Hは段差部突出
素線3の径方向の厚さであり、θ1 は段差部突出素線3
の両側面(図2の4、4)間の間隔すなわち段差部突出
素線3の周方向巾のなす中心角である。θ2 は前記両側
の段差低面形成素線5、6の段差低面7、8の両外端7
x、8xの間の間隔のなす中心角である。
【0032】前記のように構成した本発明の第1実施形
態の電線について風騒音レベルを測定したところ、前記
の直径D1 、D2 がD1 =D2 で38.4mm、段差部
突出素線3の厚さHが4.8mmである場合、前記の段
差hが0.35〜1.5mm程度であれば、卓越周波数
の風騒音レベルを10db以上低減できることが判明し
た。この実験結果を図3、図4に示す。図3は、風速を
パラメーターとし、前記の段差hと卓越周波数における
風音レベルの関係の測定結果を示したものである。同3
図により、段差hが高くなるほど風騒音レベルが低下す
る傾向が示されている。この傾向は風速が10m/sと
20m/sでも同様であるが、段差hがある高さ以上で
は低減効果が飽和する傾向のあることが判明した。そこ
で段差のない通常の電線の風騒音レベルに対し10db
低下する段差hを求めてみると、風速10m/sではh
=0.35mm、風速20m/sではh=0.6mmと
なる。また風騒音低減効果が飽和する段差hは、同3図
より、h=1〜1.5mmである。よって、本発明の電
線の段差hは 0.35mm≦h≦1.5mmとすれば
十分な風騒音低減効果を期待することができる。
態の電線について風騒音レベルを測定したところ、前記
の直径D1 、D2 がD1 =D2 で38.4mm、段差部
突出素線3の厚さHが4.8mmである場合、前記の段
差hが0.35〜1.5mm程度であれば、卓越周波数
の風騒音レベルを10db以上低減できることが判明し
た。この実験結果を図3、図4に示す。図3は、風速を
パラメーターとし、前記の段差hと卓越周波数における
風音レベルの関係の測定結果を示したものである。同3
図により、段差hが高くなるほど風騒音レベルが低下す
る傾向が示されている。この傾向は風速が10m/sと
20m/sでも同様であるが、段差hがある高さ以上で
は低減効果が飽和する傾向のあることが判明した。そこ
で段差のない通常の電線の風騒音レベルに対し10db
低下する段差hを求めてみると、風速10m/sではh
=0.35mm、風速20m/sではh=0.6mmと
なる。また風騒音低減効果が飽和する段差hは、同3図
より、h=1〜1.5mmである。よって、本発明の電
線の段差hは 0.35mm≦h≦1.5mmとすれば
十分な風騒音低減効果を期待することができる。
【0033】図4は、電線表面の最大電位傾度(Gma
x)をパラメーターとし、段差hとコロナハム音との関
係を測定した結果を示したものである。同4図によれ
ば、段差hが高くなると、コロナハム音レベルは若干高
くなる傾向を示す。そこで、前記の図3における風騒音
レベルを10db以上低減させることができる段差hを
0.35mm≦h≦1.5mmとすれば、段差のない電
線に対してコロナハム音レベルを悪化させないことが確
認された。
x)をパラメーターとし、段差hとコロナハム音との関
係を測定した結果を示したものである。同4図によれ
ば、段差hが高くなると、コロナハム音レベルは若干高
くなる傾向を示す。そこで、前記の図3における風騒音
レベルを10db以上低減させることができる段差hを
0.35mm≦h≦1.5mmとすれば、段差のない電
線に対してコロナハム音レベルを悪化させないことが確
認された。
【0034】図5は、従来の標準電線(ACSR810
mm2 、直径38.4mm)、およびLN−ACSR9
60mm2 、および前記図1に示した本発明の第1の実
施形態の送電線について、風速20mにおける風騒音レ
ベルを比較測定した結果を示す。本発明の電線では、包
絡線内でスパイラル状突条を形成させても低風音効果を
得ることができる。
mm2 、直径38.4mm)、およびLN−ACSR9
60mm2 、および前記図1に示した本発明の第1の実
施形態の送電線について、風速20mにおける風騒音レ
ベルを比較測定した結果を示す。本発明の電線では、包
絡線内でスパイラル状突条を形成させても低風音効果を
得ることができる。
【0035】図6は、前記第1実施形態の電線について
の風騒音レベルの実験結果を示す。電線半径R、直径線
上の段差部突出素線3の周方向巾Wとすると、W=Rθ
1 であり、直径D1 =D2 =38.4mmの電線におい
て、前記段差hを1.0mmから2.7mmまで変化さ
せたときの巾Wと風騒音レベルの関係は同図に示したと
おりであった。この実験結果によればθ1 は5°以上、
Wは1.67mm以上あればよいことがわかる。しかし
ながら前記のように断面扇形素線2aの巾Wが狭いとこ
の部分の電位傾度Gmax が大きくなってANが大きくな
り不都合が生ずるので、この不都合のないような巾Wと
段差hの最適値を選定する必要がある。
の風騒音レベルの実験結果を示す。電線半径R、直径線
上の段差部突出素線3の周方向巾Wとすると、W=Rθ
1 であり、直径D1 =D2 =38.4mmの電線におい
て、前記段差hを1.0mmから2.7mmまで変化さ
せたときの巾Wと風騒音レベルの関係は同図に示したと
おりであった。この実験結果によればθ1 は5°以上、
Wは1.67mm以上あればよいことがわかる。しかし
ながら前記のように断面扇形素線2aの巾Wが狭いとこ
の部分の電位傾度Gmax が大きくなってANが大きくな
り不都合が生ずるので、この不都合のないような巾Wと
段差hの最適値を選定する必要がある。
【0036】図7は、前記の段差部突出素線3の周方向
巾Wと段差hの関係を示した図であり、段差hをパラメ
ータとし、巾Wを変化させた場合のAN特性を測定した
ところ同7図に示したとおりの結果が得られた。この測
定結果によれば段差部突出素線3の周方向巾Wが2.5
mm以上であればAN特性を悪化させないことがわか
る。
巾Wと段差hの関係を示した図であり、段差hをパラメ
ータとし、巾Wを変化させた場合のAN特性を測定した
ところ同7図に示したとおりの結果が得られた。この測
定結果によれば段差部突出素線3の周方向巾Wが2.5
mm以上であればAN特性を悪化させないことがわか
る。
【0037】前記の図5乃至図7に示した実験結果か
ら、第1実施形態の電線の段差部突出3の中心角θ1 と
段差hの最適条件は、 θ1 ≧15° であり、2mm
≦h≦H≦8mm である。
ら、第1実施形態の電線の段差部突出3の中心角θ1 と
段差hの最適条件は、 θ1 ≧15° であり、2mm
≦h≦H≦8mm である。
【0038】:第2の実施の形態:(図8参照) 図8は、本発明の第2の実施の形態の送電線を断面図で
示し、図1、図2と同一符号は同一部分を示す。この第
2の実施形態は、電線1の最外層の電線直径線上に相対
して配置しより合わせる断面扇形の段差部突出素線3
を、その素線外周面9aが電線最外層周面上に突出する
それぞれ2条の断面扇形の段差部突出素線3aL 、3a
R としたものである。図示の2条の差部突出素線3aL
、3aR の間に配置されている素線2aは最外層の断
面扇形素線2と同じ断面扇形の素線である。Hはこの段
差部突出素線3(3aL 、3aR )の径方向の厚さであ
り、この厚さHは段差部突出素線3(3aL 、3aR )
の外周面9aが内接する円形包絡線Eが電線最外層の周
面の円形包絡線よりも突出高さtだけ突出する厚さHに
形成する。前記の突出高さtは電線最外層周面の円形包
絡線よりも10〜40%突出する高さである。
示し、図1、図2と同一符号は同一部分を示す。この第
2の実施形態は、電線1の最外層の電線直径線上に相対
して配置しより合わせる断面扇形の段差部突出素線3
を、その素線外周面9aが電線最外層周面上に突出する
それぞれ2条の断面扇形の段差部突出素線3aL 、3a
R としたものである。図示の2条の差部突出素線3aL
、3aR の間に配置されている素線2aは最外層の断
面扇形素線2と同じ断面扇形の素線である。Hはこの段
差部突出素線3(3aL 、3aR )の径方向の厚さであ
り、この厚さHは段差部突出素線3(3aL 、3aR )
の外周面9aが内接する円形包絡線Eが電線最外層の周
面の円形包絡線よりも突出高さtだけ突出する厚さHに
形成する。前記の突出高さtは電線最外層周面の円形包
絡線よりも10〜40%突出する高さである。
【0039】前記のように電線最外層周面よりも素線外
周面9aが突出する段差部突出素線3aL 、3aR の両
外側面(左側の素線3aL の左側面と右側素線3aR の
右側面)に接してより合わせる断面台形の段差低面形成
素線5a、6aは、前記第1実施形態と同様に、断面扇
形素線の外周面側部分を切除して段差低面7a、8aを
形成する。この段差低面7a、8aは、前記第1実施形
態と同様に、電線軸線に直交する電線断面において段差
部突出素線3aL 、3aR 間の中央を通る電線直径線に
対し直交する平面であり、段差部突出素線3aL 、3a
R の外周面9aよりも高さhだけ低い平面で切断した段
差低面である。この断面台形の段差低面形成素線5a、
6aは前記の段差低面7a、8aを外周側面とする断面
台形の形状を呈することになる。この段差低面7a、8
aにより段差低面形成素線5a、6aは、段差部突出素
線3aL 、3aR の外周面9aよりも高さhだけ低い段
差が形成され、これにより電線最外層表面において電線
外周長手方向にスパイラル状に段差が形成される。な
お、図5の10は最外層の内側の断面円形素線のより合
わせ層、11は中心のより合わせ鋼心線である。
周面9aが突出する段差部突出素線3aL 、3aR の両
外側面(左側の素線3aL の左側面と右側素線3aR の
右側面)に接してより合わせる断面台形の段差低面形成
素線5a、6aは、前記第1実施形態と同様に、断面扇
形素線の外周面側部分を切除して段差低面7a、8aを
形成する。この段差低面7a、8aは、前記第1実施形
態と同様に、電線軸線に直交する電線断面において段差
部突出素線3aL 、3aR 間の中央を通る電線直径線に
対し直交する平面であり、段差部突出素線3aL 、3a
R の外周面9aよりも高さhだけ低い平面で切断した段
差低面である。この断面台形の段差低面形成素線5a、
6aは前記の段差低面7a、8aを外周側面とする断面
台形の形状を呈することになる。この段差低面7a、8
aにより段差低面形成素線5a、6aは、段差部突出素
線3aL 、3aR の外周面9aよりも高さhだけ低い段
差が形成され、これにより電線最外層表面において電線
外周長手方向にスパイラル状に段差が形成される。な
お、図5の10は最外層の内側の断面円形素線のより合
わせ層、11は中心のより合わせ鋼心線である。
【0040】前記図8において、D1 は電線の直径線上
に相対する段差部突出素線3aL 、3aR の外周面9a
が内接する円形包絡線(破線で図示)の直径、D2 は電
線最外層周面の直径である。θ1 は断面扇形の段差部突
出素線3aL 、3aR の周方向巾のなす中心角(段差部
突出素線3aL 、3aR の両外側の左側の素線3aLの
左側面と右側の素線3aR の右側面との間の間隔のなす
中心角)であり、θ2は両側の段差低面形成素線5a、
6aの両段差低面7a、8aの両外端間の間隔のなす中
心角である。この第2の実施形態の送電線においては、
θ1 、θ2 は15°≦θ1 ≦60°、 45°≦θ2 ≦
80°の範囲であることが望ましい。
に相対する段差部突出素線3aL 、3aR の外周面9a
が内接する円形包絡線(破線で図示)の直径、D2 は電
線最外層周面の直径である。θ1 は断面扇形の段差部突
出素線3aL 、3aR の周方向巾のなす中心角(段差部
突出素線3aL 、3aR の両外側の左側の素線3aLの
左側面と右側の素線3aR の右側面との間の間隔のなす
中心角)であり、θ2は両側の段差低面形成素線5a、
6aの両段差低面7a、8aの両外端間の間隔のなす中
心角である。この第2の実施形態の送電線においては、
θ1 、θ2 は15°≦θ1 ≦60°、 45°≦θ2 ≦
80°の範囲であることが望ましい。
【0041】前記図8に示した実施形態の電線の実寸法
の1例は、ACSR810mm2 、段差部突出素線3a
L 、3aR の外周面9aが内接する円形包絡線の直径D
1 が38.4mm、電線最外層周面の直径D2 が39.
1mmとしたとき、前記の段差hは2.5mmである。
これは、従来のより線の最外層表面上に突出段差を形成
するための突条素線をより合わせたLN電線では、電線
最外層周面の直径D2が38.4mm、突条素線の外周
面が内接する円形包絡線の直径D1 が43.4mmで、
電線最外層と突条素線外周面の外径差が5mmであるの
に比較すれば、本発明の前記第2実施形態の送電線の前
記直径D1 とD2 との隔差は0.7mmであり、従来の
電線よりも4.4mmも小さくなる。このため電線に適
用する電線把持クランプは、従来の電線は電線最外層と
突条素線外周の直径に5mmもの大なる差があるためA
CSR810mm2 用のクランプでは全く把持すること
ができず複雑なカラー付クランプを設計しないと電線に
取り付けることができないのに対し、本発明の第2実施
形態の送電線は前記直径D1 とD2 との差が0.7mm
程度であるから既設計製品を直接取り付けることができ
る。
の1例は、ACSR810mm2 、段差部突出素線3a
L 、3aR の外周面9aが内接する円形包絡線の直径D
1 が38.4mm、電線最外層周面の直径D2 が39.
1mmとしたとき、前記の段差hは2.5mmである。
これは、従来のより線の最外層表面上に突出段差を形成
するための突条素線をより合わせたLN電線では、電線
最外層周面の直径D2が38.4mm、突条素線の外周
面が内接する円形包絡線の直径D1 が43.4mmで、
電線最外層と突条素線外周面の外径差が5mmであるの
に比較すれば、本発明の前記第2実施形態の送電線の前
記直径D1 とD2 との隔差は0.7mmであり、従来の
電線よりも4.4mmも小さくなる。このため電線に適
用する電線把持クランプは、従来の電線は電線最外層と
突条素線外周の直径に5mmもの大なる差があるためA
CSR810mm2 用のクランプでは全く把持すること
ができず複雑なカラー付クランプを設計しないと電線に
取り付けることができないのに対し、本発明の第2実施
形態の送電線は前記直径D1 とD2 との差が0.7mm
程度であるから既設計製品を直接取り付けることができ
る。
【0042】前記の第2の実施形態は、図8に示すよう
に最外層の断面扇形素線2のより合わせの間に配置した
2条の段差部突出素線3aL 、3aR の間に1条の断面
扇形素線2aを介在させた実施形態であるが、この介在
素線2aは省略してもよい。また、電線1の直径線上に
相対して配置した各々2条の段差部突出素線3aL 、3
aR を、図1と同様に各々1条の段差部突出素線3a、
3aとし、または2条以上の複数条を並べてもよい。ま
た、段差部突出素線を、直径線上に相対して電線の両側
に設けるかわりに、直径線上の一方のみに設けてもよ
い。
に最外層の断面扇形素線2のより合わせの間に配置した
2条の段差部突出素線3aL 、3aR の間に1条の断面
扇形素線2aを介在させた実施形態であるが、この介在
素線2aは省略してもよい。また、電線1の直径線上に
相対して配置した各々2条の段差部突出素線3aL 、3
aR を、図1と同様に各々1条の段差部突出素線3a、
3aとし、または2条以上の複数条を並べてもよい。ま
た、段差部突出素線を、直径線上に相対して電線の両側
に設けるかわりに、直径線上の一方のみに設けてもよ
い。
【0043】:第3の実施の形態:(図9、図10) 図9は、本発明の第3の実施形態の送電線を断面図で示
し、図10はその要部の断面図であり、図1、図2と同
一符号は同一部分を示す。この第3の実施形態は、電線
1の最外層の電線直径線上に相対して配置しより合わせ
る断面扇形の段差部突出素線3を、最外層周面の円形包
絡線上に突出する断面扇形の段差部突出素線3bとし、
この段差部突出素線3bの両側面に接してより合わせる
断面台形の段差低面形成素線5、6は、それぞれ2条づ
つとして、左側の段差低面形成素線5は5b、5cの2
条にし、右側の段差低面形成素線6は6b、6cの2条
にして、それぞれ2条づつの段差低面形成素線5b、6
bおよび段差低面形成素線5c、6cごとに段差を第1
の段差h1 、第2の段差h2 の2段に形成する。
し、図10はその要部の断面図であり、図1、図2と同
一符号は同一部分を示す。この第3の実施形態は、電線
1の最外層の電線直径線上に相対して配置しより合わせ
る断面扇形の段差部突出素線3を、最外層周面の円形包
絡線上に突出する断面扇形の段差部突出素線3bとし、
この段差部突出素線3bの両側面に接してより合わせる
断面台形の段差低面形成素線5、6は、それぞれ2条づ
つとして、左側の段差低面形成素線5は5b、5cの2
条にし、右側の段差低面形成素線6は6b、6cの2条
にして、それぞれ2条づつの段差低面形成素線5b、6
bおよび段差低面形成素線5c、6cごとに段差を第1
の段差h1 、第2の段差h2 の2段に形成する。
【0044】前記第3の実施形態を示す図9、図10に
おいて、Hは断面扇形の段差部突出素線3bの径方向の
厚さであり、この厚さHは段差部突出素線3bの外周面
9bが内接する円形包絡線E(図10)が電線最外層周
面よりも高さtだけ突出する厚さHに形成する。前記の
断面台形の段差低面形成素線5b、5cおよび6b、6
cのうち、段差部突出素線3bの両側面に直接接して配
置された断面台形の段差低面形成素線5b、6bにより
形成される第1の段差h1 は、その断面台形素線の外周
面側を、電線軸線に直交する電線断面において段差部突
出素線3bの中央を通る電線直径線に対して直交する平
面であつて、段差部突出素線3bの外周面9bよりも高
さh1 だけ低い平面で切断することにより段差低面7
b、8bを形成し、これにより段差部突出素線3bの外
周面9bよりも高さh1 だけ低い第1の段差h1 を形成
する。
おいて、Hは断面扇形の段差部突出素線3bの径方向の
厚さであり、この厚さHは段差部突出素線3bの外周面
9bが内接する円形包絡線E(図10)が電線最外層周
面よりも高さtだけ突出する厚さHに形成する。前記の
断面台形の段差低面形成素線5b、5cおよび6b、6
cのうち、段差部突出素線3bの両側面に直接接して配
置された断面台形の段差低面形成素線5b、6bにより
形成される第1の段差h1 は、その断面台形素線の外周
面側を、電線軸線に直交する電線断面において段差部突
出素線3bの中央を通る電線直径線に対して直交する平
面であつて、段差部突出素線3bの外周面9bよりも高
さh1 だけ低い平面で切断することにより段差低面7
b、8bを形成し、これにより段差部突出素線3bの外
周面9bよりも高さh1 だけ低い第1の段差h1 を形成
する。
【0045】また、前記の段差低面形成素線5b、6b
の両側(左側の素線5bの左側と右側の素線6bの右
側)に配置した別の断面台形の段差低面形成素線5c、
6cにより形成する段差h2 も、断面台形素線の外周面
側を、前記と同様に電線軸線に直交する電線断面におい
て段差部突出素線3bの中央を通る電線直径線に対し直
交する平面であつて段差部突出素線3bの外周面9bよ
りも高さh2 だけ低い平面で切断することにより段差低
面7c、8cを形成し、段差低面形成素線5b、6bの
段差低面7b、8bよりも高さh2だけ低い第2の段差
h2を形成する。この第1の段差h1 と第2の段差h2
により電線最外層表面に電線外周長手方向にスパイラル
状に2段の段差h1 、h2が形成される。なお、10は
最外層の内側の断面円形素線のより合わせ層、11は中
心のより合わせ鋼心線である。
の両側(左側の素線5bの左側と右側の素線6bの右
側)に配置した別の断面台形の段差低面形成素線5c、
6cにより形成する段差h2 も、断面台形素線の外周面
側を、前記と同様に電線軸線に直交する電線断面におい
て段差部突出素線3bの中央を通る電線直径線に対し直
交する平面であつて段差部突出素線3bの外周面9bよ
りも高さh2 だけ低い平面で切断することにより段差低
面7c、8cを形成し、段差低面形成素線5b、6bの
段差低面7b、8bよりも高さh2だけ低い第2の段差
h2を形成する。この第1の段差h1 と第2の段差h2
により電線最外層表面に電線外周長手方向にスパイラル
状に2段の段差h1 、h2が形成される。なお、10は
最外層の内側の断面円形素線のより合わせ層、11は中
心のより合わせ鋼心線である。
【0046】前記の図9において、D1 は電線の直径線
上に相対するの段差部突出素線3bの外周面9bが内接
する円形包絡線E(破線)の直径、D2 は電線最外層周
面の直径である。θ1 は段差部突出素線3bの周方向巾
のなす中心角である。θ2 は段差部突出素線3bの両側
に直接接する段差低面形成素線5b、6bの両段差低面
7b、8bの両外端7bx、8bx(図10)間の間隔
のなす中心角であり、θ3 は、前記段差低面形成素線5
b、6bの両側に配置した別の段差低面形成素線5c、
6cの段差低面7c、8cの両外端7cx、8cx(図
10)の間の間隔のなす中心角である。この図9に示し
た第3の実施形態の送電線においては、前記の各中心角
θ1 、θ2 、θ3 は、それぞれ、 5°≦θ1 ≦20
°、5°≦θ2 ≦45°、35°≦θ3 ≦90° の範
囲が望ましい。
上に相対するの段差部突出素線3bの外周面9bが内接
する円形包絡線E(破線)の直径、D2 は電線最外層周
面の直径である。θ1 は段差部突出素線3bの周方向巾
のなす中心角である。θ2 は段差部突出素線3bの両側
に直接接する段差低面形成素線5b、6bの両段差低面
7b、8bの両外端7bx、8bx(図10)間の間隔
のなす中心角であり、θ3 は、前記段差低面形成素線5
b、6bの両側に配置した別の段差低面形成素線5c、
6cの段差低面7c、8cの両外端7cx、8cx(図
10)の間の間隔のなす中心角である。この図9に示し
た第3の実施形態の送電線においては、前記の各中心角
θ1 、θ2 、θ3 は、それぞれ、 5°≦θ1 ≦20
°、5°≦θ2 ≦45°、35°≦θ3 ≦90° の範
囲が望ましい。
【0047】:第4の実施の形態:(図11、図12) 図11は、本発明の第4の実施形態の送電線を断面図で
示し、図12はその要部断面で示し、図1、図2と同一
符号は同一部分を示す。前記の第1の実施形態の電線
は、電線に直角に吹く風に対しては風騒音防止効果が最
高になるが、電線の左右下方向から吹き上げる風に対し
ては若干効果が低下する傾向があるので、これを補うよ
うにした電線が第4実施形態の電線である。図11、図
12に示した第4の実施形態は、前記第1の実施形態に
おける電線1の直径線上の1条の断面扇形の段差部突出
素線3を3条の段差部突出素線3d、3e、3fとし、
その両側の前記第1実施形態における各1条の断面台形
の段差低面形成素線5、6をそれぞれ2条の段差低面形
成素線5d、5e、および6d、6eとしたものであ
り、段差低面形成素線5dは段差部突出素線3dの左側
面に接し、段差低面形成素線6dは段差部突出素線3f
の右側面に接してより合わせる。
示し、図12はその要部断面で示し、図1、図2と同一
符号は同一部分を示す。前記の第1の実施形態の電線
は、電線に直角に吹く風に対しては風騒音防止効果が最
高になるが、電線の左右下方向から吹き上げる風に対し
ては若干効果が低下する傾向があるので、これを補うよ
うにした電線が第4実施形態の電線である。図11、図
12に示した第4の実施形態は、前記第1の実施形態に
おける電線1の直径線上の1条の断面扇形の段差部突出
素線3を3条の段差部突出素線3d、3e、3fとし、
その両側の前記第1実施形態における各1条の断面台形
の段差低面形成素線5、6をそれぞれ2条の段差低面形
成素線5d、5e、および6d、6eとしたものであ
り、段差低面形成素線5dは段差部突出素線3dの左側
面に接し、段差低面形成素線6dは段差部突出素線3f
の右側面に接してより合わせる。
【0048】前記の段差部突出素線3(3d、3e、3
f)の両側の各段差低面形成素線5(5a、5b)およ
び6(6a、6b)の外周面側の各段差低面は、前記第
1の実施形態では電線軸線に直交する電線断面において
段差部突出素線を通る電線直径線に対して直交する平面
に形成したが、図11、図12に示した第4の実施形態
においては、一方の段差低面形成素線5(5dと5e)
の段差低面は、段差部突出素線3(3d、3e、3f)
の中央素線3eの外周面の接線Teに対し傾斜角θ4 で
電線中心側に向けて傾斜する段差低面(電線軸線に直交
する電線断面において中央素線3eの中央を通る電線直
径線に直交する平面に対し傾斜角θ4 で電線中心側に向
け傾斜する面)7(7d、7e)に形成し、他方の段差
低面形成素線6(6dと6e)の段差低面も、同様に、
段差部突出素線3(3d、3e、3f)の中央素線3e
の外周面の接線Teに対し傾斜角θ4 で電線中心に向っ
て傾斜する段差低面(電線軸線に直交する電線断面にお
いて中央素線3eの中央を通る電線直径線に直交する平
面に対して傾斜角θ4 で電線中心側に向け傾斜する面)
8(8d、8e)に形成する。前記のように段差部突出
素線3の両側の段差低面形成素線5、6の外周面の段差
低面を傾斜する段差低面7、8に形成することにより、
段差部突出素線3(3d、3f)の各外周面9(9d、
9f)よりもそれぞれ高さhだけ低い段差部を形成す
る。なお10は最外層の内側の断面円形素線のより合わ
せ層、11は中心のより合わせ鋼心線である。
f)の両側の各段差低面形成素線5(5a、5b)およ
び6(6a、6b)の外周面側の各段差低面は、前記第
1の実施形態では電線軸線に直交する電線断面において
段差部突出素線を通る電線直径線に対して直交する平面
に形成したが、図11、図12に示した第4の実施形態
においては、一方の段差低面形成素線5(5dと5e)
の段差低面は、段差部突出素線3(3d、3e、3f)
の中央素線3eの外周面の接線Teに対し傾斜角θ4 で
電線中心側に向けて傾斜する段差低面(電線軸線に直交
する電線断面において中央素線3eの中央を通る電線直
径線に直交する平面に対し傾斜角θ4 で電線中心側に向
け傾斜する面)7(7d、7e)に形成し、他方の段差
低面形成素線6(6dと6e)の段差低面も、同様に、
段差部突出素線3(3d、3e、3f)の中央素線3e
の外周面の接線Teに対し傾斜角θ4 で電線中心に向っ
て傾斜する段差低面(電線軸線に直交する電線断面にお
いて中央素線3eの中央を通る電線直径線に直交する平
面に対して傾斜角θ4 で電線中心側に向け傾斜する面)
8(8d、8e)に形成する。前記のように段差部突出
素線3の両側の段差低面形成素線5、6の外周面の段差
低面を傾斜する段差低面7、8に形成することにより、
段差部突出素線3(3d、3f)の各外周面9(9d、
9f)よりもそれぞれ高さhだけ低い段差部を形成す
る。なお10は最外層の内側の断面円形素線のより合わ
せ層、11は中心のより合わせ鋼心線である。
【0049】図11において、D1 は直径線上に相対す
る段差部突出素線3(3d、3e、3f)の外周面9
(9d、9e、9f)(符号は図12)が内接する円形
包絡線の直径、D2 は電線最外層周面の直径である。こ
の第4実施形態の送電線は、断面扇形素線2の外周面と
段差部突出素線3(3d、3e、3f)の外周面は同一
円形包絡線に内接し同一径でありD1 =D2 である。H
(符号は図12)は直径線上に相対して配置された段差
部突出素線3(3d、3e、3f)の径方向の厚さ、θ
1 は段差部突出素線3の周方向巾のなす中心角、θ2 は
段差低面形成素線5d、5e、6d、6eの最外側の両
段差低面形成素線5e、6eの両段差低面7e、8eの
両外端7ex、8ex間の間隔のなす中心角である。
る段差部突出素線3(3d、3e、3f)の外周面9
(9d、9e、9f)(符号は図12)が内接する円形
包絡線の直径、D2 は電線最外層周面の直径である。こ
の第4実施形態の送電線は、断面扇形素線2の外周面と
段差部突出素線3(3d、3e、3f)の外周面は同一
円形包絡線に内接し同一径でありD1 =D2 である。H
(符号は図12)は直径線上に相対して配置された段差
部突出素線3(3d、3e、3f)の径方向の厚さ、θ
1 は段差部突出素線3の周方向巾のなす中心角、θ2 は
段差低面形成素線5d、5e、6d、6eの最外側の両
段差低面形成素線5e、6eの両段差低面7e、8eの
両外端7ex、8ex間の間隔のなす中心角である。
【0050】前記のように構成した第4実施形態の送電
線は、電線最外層周面の円形包絡線内での断面変形率が
大になり、微風振動に対する効果や難着雪効果を期待す
ることができる。前記の段差低面形成素線5(5d、5
e)、6(6d、6e)の傾斜段差低面7(7d、7
e)、8(8d、8e)が段差部突出素線3の外周面の
接線Teに対して傾斜する傾斜角θ4 を過大にすると円
形包絡線に内接する断面扇形素線2の本数が不足し、ス
ペーサクランプで把持する際の把持力が不足するおそれ
があるので、前記の傾斜角θ4 は30°程度が実用的で
ある。なお、前記の段差部突出素線3は、図示のように
3条の断面扇形の素線3d、3e、3fで形成するかわ
りに、3条以上または1条の断面扇形の素線で形成して
もよく、前記の段差低面形成素線5、6は、図示のよう
に各々2条の断面台形の素線5d、5eおよび6d、6
eで形成するかわりに、各々2条以上または1条の断面
台形の素線で形成してもよい。
線は、電線最外層周面の円形包絡線内での断面変形率が
大になり、微風振動に対する効果や難着雪効果を期待す
ることができる。前記の段差低面形成素線5(5d、5
e)、6(6d、6e)の傾斜段差低面7(7d、7
e)、8(8d、8e)が段差部突出素線3の外周面の
接線Teに対して傾斜する傾斜角θ4 を過大にすると円
形包絡線に内接する断面扇形素線2の本数が不足し、ス
ペーサクランプで把持する際の把持力が不足するおそれ
があるので、前記の傾斜角θ4 は30°程度が実用的で
ある。なお、前記の段差部突出素線3は、図示のように
3条の断面扇形の素線3d、3e、3fで形成するかわ
りに、3条以上または1条の断面扇形の素線で形成して
もよく、前記の段差低面形成素線5、6は、図示のよう
に各々2条の断面台形の素線5d、5eおよび6d、6
eで形成するかわりに、各々2条以上または1条の断面
台形の素線で形成してもよい。
【0051】:第5の実施の形態:(図13、図14) 図13は、本発明の第5の実施形態の送電線を断面図で
示し、図14はその要部を断面で示す。同図において、
11は中心のより合わせ鋼心線、10は前記鋼心線11
の周りにより合わせた断面円形素線のより合わせ層、2
は最外層により合わせた断面扇形素線である。3gは電
線1の直径線上に相対して最外層に配置しより合わせた
断面扇形の段差部突出素線であり、この段差部突出素線
3gの厚さH0は、その表面9gが最外層外周面の円形
包絡線(図14の破線)と同一の面になる厚さにする。
この段差部突出素線3gの両側面に接して配置する段差
低面形成素線5、6には、厚さの異なる2種の断面扇形
の段差低面形成素線を用いる。すなわち厚さH1(H1
≦H0)の断面扇形の段差低面形成素線5g、6gと、
この厚さH1とは異なる厚さH2(H2≦H1)の断面
扇形の段差低面形成素線5j、6jを用い、段差部突出
素線3gの両側面に接して該段差部突出素線3gの厚さ
H0よりも小なる厚さH1の段差低面形成素線5g、6
gを配置し、さらにこの段差低面形成素線5g、6gの
両側面に接して、該段差低面形成素線5g、6gの厚さ
H1よりも小なる厚さH2の別の段差低面形成素線5
j、6jを配置する。これにより厚さH0の段差部突出
素線3gの表面9gとその両側に配置した厚さH1の段
差低面形成素線5g、6gの段差低面7g、8gとの間
に第1の段差h1を形成し、さらにこの厚さH1の段差
低面形成素線5g、6gの段差低面7g、8gとその両
側の厚さH2の別の段差低面形成素線5j、6jの段差
低面7j、8jとの間に第2の段差h2を形成する。
示し、図14はその要部を断面で示す。同図において、
11は中心のより合わせ鋼心線、10は前記鋼心線11
の周りにより合わせた断面円形素線のより合わせ層、2
は最外層により合わせた断面扇形素線である。3gは電
線1の直径線上に相対して最外層に配置しより合わせた
断面扇形の段差部突出素線であり、この段差部突出素線
3gの厚さH0は、その表面9gが最外層外周面の円形
包絡線(図14の破線)と同一の面になる厚さにする。
この段差部突出素線3gの両側面に接して配置する段差
低面形成素線5、6には、厚さの異なる2種の断面扇形
の段差低面形成素線を用いる。すなわち厚さH1(H1
≦H0)の断面扇形の段差低面形成素線5g、6gと、
この厚さH1とは異なる厚さH2(H2≦H1)の断面
扇形の段差低面形成素線5j、6jを用い、段差部突出
素線3gの両側面に接して該段差部突出素線3gの厚さ
H0よりも小なる厚さH1の段差低面形成素線5g、6
gを配置し、さらにこの段差低面形成素線5g、6gの
両側面に接して、該段差低面形成素線5g、6gの厚さ
H1よりも小なる厚さH2の別の段差低面形成素線5
j、6jを配置する。これにより厚さH0の段差部突出
素線3gの表面9gとその両側に配置した厚さH1の段
差低面形成素線5g、6gの段差低面7g、8gとの間
に第1の段差h1を形成し、さらにこの厚さH1の段差
低面形成素線5g、6gの段差低面7g、8gとその両
側の厚さH2の別の段差低面形成素線5j、6jの段差
低面7j、8jとの間に第2の段差h2を形成する。
【0052】図13において、D1 は段差部突出素線3
gの外周面9g(符号は図14)が内接する円形包絡線
(図14の破線)の直径、D2 は電線最外層の断面扇形
素線2の外周面が内接する円形包絡線の直径であり、D
1 =D2 である。θ1 は前記の段差部突出素線3gの周
方向巾のなす中心角である。θ2 は前記段差低面形成素
線5g、6gの両外側に配置した別の段差低面形成素線
5j、6jの両段差低面7j、8jの両外端間7jx、
8jxの間の間隔のなす中心角である。
gの外周面9g(符号は図14)が内接する円形包絡線
(図14の破線)の直径、D2 は電線最外層の断面扇形
素線2の外周面が内接する円形包絡線の直径であり、D
1 =D2 である。θ1 は前記の段差部突出素線3gの周
方向巾のなす中心角である。θ2 は前記段差低面形成素
線5g、6gの両外側に配置した別の段差低面形成素線
5j、6jの両段差低面7j、8jの両外端間7jx、
8jxの間の間隔のなす中心角である。
【0053】この図13、図14に示した第5の実施形
態の電線は、前記第1実施形態の電線と同様の効果が得
られるほかに、架線の際の金車通過時の変形、損傷が防
止される効果が得られる。
態の電線は、前記第1実施形態の電線と同様の効果が得
られるほかに、架線の際の金車通過時の変形、損傷が防
止される効果が得られる。
【0054】:第6の実施の形態:(図15) 図15は、本発明の第6の実施形態の送電線を断面図で
示し、図1、図2と同一符号は同一部分を示す。これは
断面積の小さいたとえばACSR410mm2相当の電
線に適する実施形態であり、電線1の最外層により合わ
せる素線を断面円形の素線12とし、最外層の電線直径
線上に相対して配置する断面扇形の段差部突出素線3k
の外周面9kが内接する円形包絡線Eが電線最外層周面
の円形包絡線よりも突出高さtだけ突出する厚さHに形
成する。この段差部突出素線3kの両側に配置する断面
扇形の段差低面形成素線5k、6kを、最外層の断面円
形素線12の径よりも小なる厚さの断面扇形素線とし、
段差部突出素線3kの外周面9kと段差低面形成素線5
k、6kの各段差低面7k、8kとの間に段差hを形成
したものである。13は最外層の断面円形素線12の内
側層の断面扇形素線のより合わせ層、11は中心のより
合わせ鋼心線である。
示し、図1、図2と同一符号は同一部分を示す。これは
断面積の小さいたとえばACSR410mm2相当の電
線に適する実施形態であり、電線1の最外層により合わ
せる素線を断面円形の素線12とし、最外層の電線直径
線上に相対して配置する断面扇形の段差部突出素線3k
の外周面9kが内接する円形包絡線Eが電線最外層周面
の円形包絡線よりも突出高さtだけ突出する厚さHに形
成する。この段差部突出素線3kの両側に配置する断面
扇形の段差低面形成素線5k、6kを、最外層の断面円
形素線12の径よりも小なる厚さの断面扇形素線とし、
段差部突出素線3kの外周面9kと段差低面形成素線5
k、6kの各段差低面7k、8kとの間に段差hを形成
したものである。13は最外層の断面円形素線12の内
側層の断面扇形素線のより合わせ層、11は中心のより
合わせ鋼心線である。
【0055】前記の図15において、D1 は段差部突出
素線3kの外周面9kが内接する円形包絡線Eの直径、
D2 は電線最外層周面の直径である。θ1 は段差部突出
素線3kの周方向巾のなす中心角、θ2 は段差低面形成
素線5k、6kの両段差低面7k、8kの両外端間の間
隔のなす中心角である。この図15に示した第6の実施
形態も前記の段差hが2.5mm程度の段差を容易に得
ることができる。
素線3kの外周面9kが内接する円形包絡線Eの直径、
D2 は電線最外層周面の直径である。θ1 は段差部突出
素線3kの周方向巾のなす中心角、θ2 は段差低面形成
素線5k、6kの両段差低面7k、8kの両外端間の間
隔のなす中心角である。この図15に示した第6の実施
形態も前記の段差hが2.5mm程度の段差を容易に得
ることができる。
【0056】:第7の実施の形態:(図16) 図16は、本発明の第7の実施形態の送電線を断面図で
示す。この第7の実施形態は、中心のより合わせ鋼心線
11の周りに断面円形素線10をより合わせ、最外層に
断面円形素線12をより合わせ、最外層の断面円形素線
のうち電線直径線上に相対して配置されている断面円形
素線3p、3pを段差部突出素線3p、3pとする。最
外層の断面円形素線12の外周面が内接する円形包絡線
(破線)(直径D2 )と電線直径線上の段差部突出素線
3p、3pの外周面が内接する円形包絡線(直径D1 )
は同一円形包絡線であり、D1 =D2 である。前記の段
差部突出素線3pの両側面に接して厚さHpの断面扇形
の段差低面形成素線5p、6pを配置しより合わせる。
この断面扇形の段差形成素線5p、6pの厚さHpは断
面円形の段差部突出素線3pの径よりも薄肉に形成し
て、前記段差低面形成素線5p、6pの段差低面7p、
8pと電線外周面包絡線との間に段差hを形成する。こ
の段差hは、電線外周面の円形包絡線(破線)内に高さ
hだけ低い段差である。θ1 は最外層の電線直径線上に
相対して配置しより合わせた断面円形素線3pの周方向
巾のなす中心角、θ2 は断面円形素線3pの両側の段差
形成素線5p、6pの段差低面7p、8pの両外端間の
なす中心角である。
示す。この第7の実施形態は、中心のより合わせ鋼心線
11の周りに断面円形素線10をより合わせ、最外層に
断面円形素線12をより合わせ、最外層の断面円形素線
のうち電線直径線上に相対して配置されている断面円形
素線3p、3pを段差部突出素線3p、3pとする。最
外層の断面円形素線12の外周面が内接する円形包絡線
(破線)(直径D2 )と電線直径線上の段差部突出素線
3p、3pの外周面が内接する円形包絡線(直径D1 )
は同一円形包絡線であり、D1 =D2 である。前記の段
差部突出素線3pの両側面に接して厚さHpの断面扇形
の段差低面形成素線5p、6pを配置しより合わせる。
この断面扇形の段差形成素線5p、6pの厚さHpは断
面円形の段差部突出素線3pの径よりも薄肉に形成し
て、前記段差低面形成素線5p、6pの段差低面7p、
8pと電線外周面包絡線との間に段差hを形成する。こ
の段差hは、電線外周面の円形包絡線(破線)内に高さ
hだけ低い段差である。θ1 は最外層の電線直径線上に
相対して配置しより合わせた断面円形素線3pの周方向
巾のなす中心角、θ2 は断面円形素線3pの両側の段差
形成素線5p、6pの段差低面7p、8pの両外端間の
なす中心角である。
【0057】:第8の実施の形態:(図17) 図17は、本発明の第8の実施形態の送電線を断面図で
示し、これは、中心のより合わせ鋼心線11の周りに断
面円形素線10をより合わせ、最外層に断面円形素線1
2をより合わせ、最外層の電線直径線上に相対する位置
にそれぞれ2条の断面扇形の段差部突出素線3m、3n
を配置してより合わせた電線である。最外層の断面円形
素線12の外周面が内接する円形包絡線(破線)(直径
D2 )と電線直径線上の段差部突出素線3m、3nの外
周面が内接する円形包絡線(直径D1 )は同一円形包絡
線であり、D1 =D2 である。この段差部突出素線3
m、3nの両側面にそれぞれ接して、段差部突出素線3
m、3nの径よりも小径の断面円形のそれぞれ2条の段
差低面形成素線5m、5nおよび6m、6nを配置して
より合わせ、前記円形包絡線の内側に高さhだけ低い段
差hを形成する。θ1は最外層の電線直径線上の2条の
段差部突出素線3m、3nの両外側面の間の間隔のなす
中心角、θ2 は段差部突出素線3m、3nの両側の段差
形成素線5m、5nおよび6m、6nの両外側の最外側
面間の間隔のなす中心角である。
示し、これは、中心のより合わせ鋼心線11の周りに断
面円形素線10をより合わせ、最外層に断面円形素線1
2をより合わせ、最外層の電線直径線上に相対する位置
にそれぞれ2条の断面扇形の段差部突出素線3m、3n
を配置してより合わせた電線である。最外層の断面円形
素線12の外周面が内接する円形包絡線(破線)(直径
D2 )と電線直径線上の段差部突出素線3m、3nの外
周面が内接する円形包絡線(直径D1 )は同一円形包絡
線であり、D1 =D2 である。この段差部突出素線3
m、3nの両側面にそれぞれ接して、段差部突出素線3
m、3nの径よりも小径の断面円形のそれぞれ2条の段
差低面形成素線5m、5nおよび6m、6nを配置して
より合わせ、前記円形包絡線の内側に高さhだけ低い段
差hを形成する。θ1は最外層の電線直径線上の2条の
段差部突出素線3m、3nの両外側面の間の間隔のなす
中心角、θ2 は段差部突出素線3m、3nの両側の段差
形成素線5m、5nおよび6m、6nの両外側の最外側
面間の間隔のなす中心角である。
【0058】前記の第7の実施形態および第8の実施形
態の電線は、最外層の素線2を断面扇形素線として場合
に比べ、電線内側のより合わせ間隙に進入した雨水が速
やかに電線外へ流出し水切れがよくなるので、電線外表
面に雨滴が長時間残留しなくなり、AN特性が向上す
る。
態の電線は、最外層の素線2を断面扇形素線として場合
に比べ、電線内側のより合わせ間隙に進入した雨水が速
やかに電線外へ流出し水切れがよくなるので、電線外表
面に雨滴が長時間残留しなくなり、AN特性が向上す
る。
【0059】前記の各実施形態の電線は、その最外層表
面を、AN特性改善のために、サンドブラスト処理、ベ
ーマイト処理、その他の親水化処理により親水化する。
面を、AN特性改善のために、サンドブラスト処理、ベ
ーマイト処理、その他の親水化処理により親水化する。
【0060】なお、前記の各実施形態においては、段差
部突出素線を電線直径線上に相対する2箇所に設けた
が、電圧の高低によるコロナ騒音レベルや風騒音レベル
等の程度により、1箇所のみに設けてもよい。また、前
記の直径D1 は好ましくはD2よりも通常のより線にお
いて許容されるプラス側の誤差を意識的に与えて風騒音
低減効果を高めるようにしてもよい。すなわち、段差h
を僅かに高くして、段差低面を形成するために切断すべ
き台形素線の切断量を少なくすることができ、全断面積
の増大が得られる。これにより突条素線の転倒防止のた
めのブリッジ効果が大になるとともに、電流容量の増大
効果も得られる。したがって(D2 +1mm)≦D1 程
度とすれば、従来のスペーサクランプによる取付け作業
にも支障を生ぜず、またカムアロングや引留クランプで
の装着にも支障は生じない。なお、前記の断面扇形素線
3の角部はコロナが発生しやすいので段差側に適当な滑
らかな面取りを施す。
部突出素線を電線直径線上に相対する2箇所に設けた
が、電圧の高低によるコロナ騒音レベルや風騒音レベル
等の程度により、1箇所のみに設けてもよい。また、前
記の直径D1 は好ましくはD2よりも通常のより線にお
いて許容されるプラス側の誤差を意識的に与えて風騒音
低減効果を高めるようにしてもよい。すなわち、段差h
を僅かに高くして、段差低面を形成するために切断すべ
き台形素線の切断量を少なくすることができ、全断面積
の増大が得られる。これにより突条素線の転倒防止のた
めのブリッジ効果が大になるとともに、電流容量の増大
効果も得られる。したがって(D2 +1mm)≦D1 程
度とすれば、従来のスペーサクランプによる取付け作業
にも支障を生ぜず、またカムアロングや引留クランプで
の装着にも支障は生じない。なお、前記の断面扇形素線
3の角部はコロナが発生しやすいので段差側に適当な滑
らかな面取りを施す。
【0061】
【発明の効果】本発明の電線は、前記のように構成した
ことにより、以下の効果を奏する。風騒音特性を損なう
ことなく、電線最外層外周の円形包絡線よりも突出する
突条の突出高さをできるだけ低くして、AN特性を向上
することができる。
ことにより、以下の効果を奏する。風騒音特性を損なう
ことなく、電線最外層外周の円形包絡線よりも突出する
突条の突出高さをできるだけ低くして、AN特性を向上
することができる。
【0062】電線最外層と突条素線外周面の外径差が小
さくなるので、電線把持クランプ、スペーサクランプ、
ダンパ等やその他の架線工具は、特別設計の製品を必要
とせず、既設計の製品を適用することができ、施工性が
よく、経済的である。
さくなるので、電線把持クランプ、スペーサクランプ、
ダンパ等やその他の架線工具は、特別設計の製品を必要
とせず、既設計の製品を適用することができ、施工性が
よく、経済的である。
【0063】従来のこの種の電線の欠点であった風圧荷
重の増加に対してもこれを抑制することでき、鉄塔の荷
重設計が容易になる。
重の増加に対してもこれを抑制することでき、鉄塔の荷
重設計が容易になる。
【0064】電線最外層外周の円形包絡線内で段差を形
成しても、騒音低減効果が得られ、既設送電線の騒音対
策のための張替えに際して、懸垂クランプ等を交換する
必要がなく既設の懸垂クランプ等をそのまま使用でき
る。
成しても、騒音低減効果が得られ、既設送電線の騒音対
策のための張替えに際して、懸垂クランプ等を交換する
必要がなく既設の懸垂クランプ等をそのまま使用でき
る。
【0065】電線表面上の突出高さが著しく低いので撚
り線時のドラムへの巻取りや架線工事等において特別に
配慮する必要がなく、その作業が容易、迅速化される。
り線時のドラムへの巻取りや架線工事等において特別に
配慮する必要がなく、その作業が容易、迅速化される。
【0066】低風音、低AN、低風圧効果に優れるだけ
でなく、微風振動防止効果、難着雪効果もある。
でなく、微風振動防止効果、難着雪効果もある。
【図1】本発明の第1の実施の形態の断面図
【図2】本発明の第1の実施の形態の要部の拡大断面図
【図3】段差hと卓越周波数における風音レベルの関係
の測定結果を示す図
の測定結果を示す図
【図4】段差とコロナハム音の関係の測定結果を示す図
【図5】本発明と従来の電線についての風騒音レベルの
比較実験結果を示す図
比較実験結果を示す図
【図6】本発明の電線の風騒音レベルの実験結果を示す
図
図
【図7】本発明の電線についてのAN特性の測定結果を
示す図
示す図
【図8】本発明の第2の実施の形態の断面図
【図9】本発明の第3の実施の形態の断面図
【図10】本発明の第3の実施の形態の要部の拡大断面
図
図
【図11】本発明の第4の実施の形態の断面図
【図12】本発明の第4の実施の形態の要部の拡大断面
図
図
【図13】本発明の第5の実施の形態の断面図
【図14】本発明の第5の実施の形態の要部の拡大断面
図
図
【図15】本発明の第6の実施の形態の断面図
【図16】本発明の第7の実施の形態の断面図
【図17】本発明の第8の実施の形態の断面図
1:電線 2:電線最外層により合わせた断面扇形素線 3、3aL、3aR、3b、3d、3e、3f、3g、3
j、3k、3p、3m、3n:段差部突出素線 4、3aL、3aR、4b:段差部突出素線の両側面 5、6、5a、6a、5b、5c、6b、6c、5d、
5e、6d、6e、5g、5j、6g、6j、5k、6
k、5p、6p、5m、5n6m、6n:段差低面形成
素線 7、8、7a、8a、7b、7c、8b、8c、7d、
7e、8d、8e、7g、7j、8g、8j、7k、8
k、7p、8p、:段差低面形成素線の段差低面 9、9a、9b、9d、9e、9f、9g、9k:段差
部突出素線の外周面 12:電線最外層の断面円形素線
j、3k、3p、3m、3n:段差部突出素線 4、3aL、3aR、4b:段差部突出素線の両側面 5、6、5a、6a、5b、5c、6b、6c、5d、
5e、6d、6e、5g、5j、6g、6j、5k、6
k、5p、6p、5m、5n6m、6n:段差低面形成
素線 7、8、7a、8a、7b、7c、8b、8c、7d、
7e、8d、8e、7g、7j、8g、8j、7k、8
k、7p、8p、:段差低面形成素線の段差低面 9、9a、9b、9d、9e、9f、9g、9k:段差
部突出素線の外周面 12:電線最外層の断面円形素線
Claims (17)
- 【請求項1】電線最外層により合わせた断面扇形素線の
間に、断面扇形の段差部突出素線と、該段差部突出素線
の両側面に接して断面台形の段差低面形成素線を配置
し、前記段差低面形成素線の外周面側に、前記段差部突
出素線の中央を通る電線直径線に対し直交する平面の段
差低面を形成して、前記段差部突出素線の外周面よりも
低い段差を電線外周長手方向にスパイラル状に形成した
ことを特徴とする低風音・低AN・低風圧電線。 - 【請求項2】電線最外層により合わせた断面扇形素線の
間に、断面扇形の段差部突出素線を配置して、最外層外
周面上に該段差部突出素線の外周面を突出させ、該段差
部突出素線の両側面に接してそれぞれ2条の断面台形の
段差低面形成素線を配置し、前記2条の段差低面形成素
線の外周面側に、それぞれ、前記段差部突出素線の中央
を通る電線直径線に対し直交する平面の段差低面を形成
して、前記段差部突出素線の両側面に接して配置された
段差低面形成素線の段差低面が該段差部突出素線の外周
面よりも低い第1の段差と、前記第1の段差の両側に配
置された段差低面形成素線の段差低面が該第1の段差よ
りも低い第2の段差を形成し、前記第1および第2の2
段の段差を電線外周長手方向にスパイラル状に形成した
ことを特徴とする低風音・低AN・低風圧電線。 - 【請求項3】電線最外層により合わせた断面扇形素線の
間に、断面扇形の段差部突出素線を配置し、前記段差部
突出素線の両外側面に接して断面台形の段差低面形成素
線を配置し、前記段差低面形成素線の外周面側に、前記
段差部突出素線の中央部外周面の接線に対し電線中心側
に傾斜する段差低面を形成して、前記段差部突出素線の
外周面よりも低い段差を電線外周長手方向にスパイラル
状に形成した構成を特徴とする低風音・低AN・低風圧
電線。 - 【請求項4】電線最外層により合わせた断面扇形素線の
間に断面扇形の段差部突出素線を配置して、該段差部突
出素線の外周面と電線最外層円周面の包絡線を同一円形
包絡線にし、前記段差部突出素線の両側に、それぞれ2
条の断面扇形の段差低面形成素線を配置し、前記段差部
突出素線の両側面に直接接する段差低面形成素線の肉厚
H1 を前記段差部突出素線の肉厚よりも小にし、前記肉
厚H1の段差低面形成素線の両側に配置した別の段差低
面形成素線の肉厚H2 を前記肉厚H1 よりも小にして、
前記段差部突出素線の外周面よりも高さが順次低くなる
2段の段差h1 、h2 を、電線外周長手方向にスパイラ
ル状に形成したことを特徴とする低風音・低AN・低風
圧電線。 - 【請求項5】電線最外層により合わせた断面円形素線の
間に、断面扇形の段差部突出素線を配置して、電線最外
層の円周面上に前記段差部突出素線の外周面を突出さ
せ、前記段差部突出素線の両側に、前記最外層の断面円
形素線の径よりも小なる径方向厚さの断面扇形の段差低
面形成素線を配置し、前記の段差部突出素線の外周面と
段差低面形成素線の段差低面との間に段差を形成して、
電線外周長手方向にスパイラル状の段差を形成したこと
を特徴とする低風音・低AN・低風圧電線。 - 【請求項6】電線最外層により合わせた断面円形素線の
うち電線直径線上に相対する素線の両側に、前記断面円
形素線の径よりも小なる厚さの断面扇形の段差低面形成
素線を配置し、前記段差低面形成素線の段差低面と電線
最外層周面との間に段差を形成して電線外周長手方向に
スパイラル状の段差を形成したことを特徴とする低風音
・低AN・低風圧電線。 - 【請求項7】より合わせ電線の最外層において、断面円
形素線と電線直径線上に相対する断面扇形素線を同一円
形包絡線に内接させ、前記断面扇形素線の両外側面に接
して、該断面円形素線の径よりも小径の断面円形素線を
配置して電線最外層の円形包絡線内に段差を形成し、電
線外周長手方向にスパイラル状の段差を形成したことを
特徴とする低風音・低AN・低風圧電線。 - 【請求項8】請求項1の電線において、段差部突出素線
の外周面を電線最外層円周上に突出させたことを特徴と
する低風音・低AN・低風圧電線。 - 【請求項9】より合わせ電線の最外層において、該最外
層周面の円形包絡線に外周面が内接して配置された断面
扇形の段差部突出素線の両側に、該段差部突出素線より
も径方向の厚さが薄い断面台形の段差低面形成素線を配
置してより合わせ、電線外周面に長手方向のスパイラル
状の段差を形成した電線において、前記円形包絡線に内
接する電線最外層素線の数をA、前記円形包絡線に内接
しない段差低面形成素線の数をBとしたとき、A/(A
+B)≧0.6 としたことを特徴とする低風音・低A
N・低風圧電線。 - 【請求項10】請求項1の電線において、段差部突出素
線の径方向の厚さをH、段差部突出素線の外周面と段差
低面形成素線の段差低面との段差をh、段差部突出素線
の周方向巾のなす中心角をθ1 、段差部突出素線の両側
の段差低面形成素線の両段差低面の外端間の間隔のなす
中心角をθ2 、段差部突出素線の外周面が内接する円形
包絡線の直径をD1 、電線最外層周面の直径をD2 とし
たとき 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 0.35mm≦h≦H≦8mm D1 /D2 ≦1.1 としたことを特徴とする低風音・低AN・低風圧電線。 - 【請求項11】請求項1の電線において、段差部突出素
線の径方向の厚さをH、段差低面形成素線の径方向の厚
さをHi、段差部突出素線の周方向巾のなす中心角をθ
1 、段差部突出素線の両側に配置された段差低面形成素
線の両段差低面の両外端間の間隔のなす中心角をθ2 、
段差部突出素線の外周面が内接する円形包絡線の直径を
D1 、電線最外層素線周面の直径をD2 としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 0.35mm≦H−Hi≦8mm D1 /D2 ≦1.1 としたことを特徴とする低風音・低AN・低風圧電線。 - 【請求項12】請求項1の電線において、厚さHの断面
扇形の段差部突出素線の外周面を電線最外層円周上に突
出させ、該段差部突出素線の外周面が内接する円形包絡
線の直径をD1 、電線最外層素線周面の直径をD2 と
し、段差部突出素線の外周面と段差低面形成素線の段差
低面との段差をh、段差部突出素線の周方向巾のなす中
心角をθ1 、段差部突出素線の両側の段差低面形成素線
の両段差低面の両外端間の間隔のなす中心角をθ2 とし
たとき、 D1 −D2 ≦1mm 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 0.35mm≦h≦H≦8mm としたことを特徴とする低風音・低AN・低風圧電線。 - 【請求項13】請求項2の電線において、段差部突出素
線の外周面が電線最外層外周面上に突出する高さをt、
段差部突出素線の両側面に直接接する段差低面形成素線
の段差低面と段差部突出素線の外周面との間の第1の段
差をh1、前記第1の段差の段差低面とその両側に配置
された別の段差低面形成素線の段差低面との間の第2の
段差をh2、段差部突出素線の周方向巾のなす中心角を
θ1 、前記第1の段差h1を形成する段差低面形成素線
の両段差低面の両外端間の間隔のなす中心角をθ2 、前
記第2の段差h2を形成する段差低面形成素線の両段差
低面の両外端間の間隔のなす中心角をθ3としたとき、 5°≦θ1 ≦20° 5°<θ2 ≦45° 35°≦θ3≦90° 0.25mm≦t≦1.0mm 0.35mm≦h1≦h2≦1.5mm としたことを特徴とする低風音・低AN・低風圧電線。 - 【請求項14】請求項3の電線において、段差部突出素
線の径方向の厚さをH、段差部突出素線の外周面と段差
低面形成素線の段差低面との間の段差をh、段差部突出
素線の周方向の全巾のなす中心角をθ1 、段差部突出素
線の両側の段差低面形成素線の両段差低面の両外端間の
間隔のなす中心角をθ2 、傾斜する段差低面の傾斜角を
θ4、段差部突出素線の外周面が内接する円形包絡線の
直径をD1 、電線最外層の周面が内接する円形包絡線の
直径をD2 としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 10°≦θ4≦45° 1.5mm≦h≦H≦3mm D1 ≒D2 としたことを特徴とする低風音・低AN・低風圧電線。 - 【請求項15】請求項5の電線において、段差部突出素
線の外周面が電線最外層周面の円形包絡線よりも突出す
る突出高さをtとし、前記段差部突出素線の周方向巾の
なす中心角をθ1 、該段差部突出素線の両側の断面扇形
の段差低面形成素線の両段差低面の両外端間の間隔のな
す中心角をθ2 としたとき、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦150° 0.35mm≦t≦1.0mm 2mm≦h≦H≦4mm としたことを特徴とする低風音・低AN・低風圧電線。 - 【請求項16】請求項8の電線において、段差部突出素
線の外周面が最外層円周上に突出する高さをt、段差部
突出素線の外周面と段差低面形成素線の段差低面との段
差をh、段差部突出素線の周方向全巾のなす中心角をθ
1 、該段差部突出素線の両側の段差低面形成素線の両段
差低面の両外端間の間隔のなす中心角をθ2 としたと
き、 15°≦θ1 ≦60° 45°≦θ2 ≦80° 0.35mm≦t≦1.5mm 2.0mm≦h≦4.0mm としたことを特徴とする低風音・低AN・低風圧電線。 - 【請求項17】電線最外層により合わせた断面円形素線
のうち電線直径線上に相対する素線の両側に前記断面円
形素線よりも径方向の厚さが小なる素線をより合わせて
電線外周長手方向にスパイラル状の段差を形成した電線
において、前記最外層に占める前記断面円形素線の割合
が 50〜80% であることを特徴とする低風音・低
AN・低風圧電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26541296A JPH1092229A (ja) | 1996-09-14 | 1996-09-14 | 低風音・低an・低風圧電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26541296A JPH1092229A (ja) | 1996-09-14 | 1996-09-14 | 低風音・低an・低風圧電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1092229A true JPH1092229A (ja) | 1998-04-10 |
Family
ID=17416812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26541296A Pending JPH1092229A (ja) | 1996-09-14 | 1996-09-14 | 低風音・低an・低風圧電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1092229A (ja) |
-
1996
- 1996-09-14 JP JP26541296A patent/JPH1092229A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20041214 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050524 |