JPH1090917A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH1090917A
JPH1090917A JP23942996A JP23942996A JPH1090917A JP H1090917 A JPH1090917 A JP H1090917A JP 23942996 A JP23942996 A JP 23942996A JP 23942996 A JP23942996 A JP 23942996A JP H1090917 A JPH1090917 A JP H1090917A
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JP
Japan
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photosensitive layer
substrate
electrophotographic
laser beam
electrophotographic photoreceptor
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Application number
JP23942996A
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English (en)
Inventor
Tatsuhiro Morita
竜廣 森田
Makoto Kurokawa
誠 黒川
Sayaka Uesugi
さやか 上杉
Masaya Tsugoshi
正弥 津越
Masayuki Sakamoto
雅遊亀 坂元
Yoshihide Shimoda
嘉英 下田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再利用された電子写真感光体を用いても印画
品位の優れた画像を得ることができ、簡単な工程で作成
できる電子写真感光体の製造方法を提供する。 【解決手段】 予め作成された感光体91が準備され、
該感光体91の感光層95に向けて予め定められる波長
のレーザ光を照射して、感光層95を除去するとともに
基体表面近傍を粗面化する。その後、基体表面には再び
感光層が形成されてる。したがって、たとえば複写機に
用いられていた感光体を再利用してレーザプリンタに用
いる場合であっても、モアレ縞を防止でき、印画品位の
優れた画像を得ることができる。感光体は、感光層の除
去とともに基体表面近傍を粗面化して作成されるので、
簡単な工程で作成することができ、加工費および材料費
が低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
およびファクシミリなどの画像記録装置に搭載して用い
られる電子写真感光体の製造方法に関し、特に使用済み
または不良品の電子写真感光体をレーザプリンタ用とし
て再利用する際の電子写真感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、複写機、プリンタおよびファク
シミリなどの画像記録装置に搭載して用いられる電子写
真感光体(以下、「感光体」ともいう)81の構成を示
す断面図である。感光体81は、たとえば円筒状または
円柱状の導電性を有する基体82の表面に感光層85を
形成して構成され、感光層85として有機系の光導電性
材料を用いたものが多く使用されている。無機系材料と
比べると該有機系材料は、感度、耐久性および環境に対
する安定性などの点で若干劣るが、毒性、製造コストお
よび材料設計の自由度などの点で優れている。
【0003】感光層は、スプレー法、バーコート法、ロ
ールコート法、ブレード法、リング法および浸漬法など
の塗布方法で形成される。特に浸漬法は、比較的簡単で
あり、生産性および製造コストの面で優れているので、
多く採用される。
【0004】レーザを光源として用いた電子写真方式の
プリンタに搭載される感光体としては、セレン、セレン
系合金、硬化カドミウム樹脂分散系、あるいはポリビニ
ルカルバゾールとトリニトロフルオレノンとの電荷移動
錯体などが用いられてきた。また、レーザとしては、ヘ
リウム−カドミウム、アルゴン、ヘリウム−ネオンなど
のガスレーザが用いられてきたが、最近では小型かつ低
コストで、デジタル画像情報に基づく駆動信号によって
レーザ光を直接変調することが可能な半導体レーザが用
いられている。しかし、半導体レーザは発光波長が75
0nm以上のものが多く、また上記感光体はこの波長領
域での感度が低い。このため、次のような機能分離型感
光体が実用化されている。
【0005】増感性に優れた機能分離型感光体は、具体
的には図7を参照して、光を照射したときに電荷担体を
発生する物質(以下、「電荷発生物質」という)を含む
層(以下、「電荷発生層」という)83と、該電荷発生
層83で発生した電荷担体を受け入れ、輸送する物質
(以下、「電荷輸送物質」という)を主として含む層
(以下、「電荷輸送層」という)84とを基体82の表
面に積層して形成して構成され、電荷発生層83と電荷
輸送層84とから感光層85が構成される。また、帯電
性の改善、導電性の基体からの不要な電荷注入の阻止、
基体表面の欠陥の被覆、ピンホールの発生の防止、感光
層の接着性の改善などを目的として、基体と感光層との
間に下引層を設けることもあり、これによって耐久性が
向上してきている。
【0006】このような感光体は、延命化が進み以前よ
りも長期間使用可能となっているが、複写機やプリンタ
などの印画品位をある程度のレベルに保つためには交換
が必要である。該交換は定期的もしくはその必要が生じ
たときに行われる。また、市場に出荷される際の検査工
程において、白点や黒点などの画像欠陥の発生が認めら
れた感光体や塗布欠陥の認められた感光体は、不良品と
して市場へは出荷されない。使用済みの感光体および不
良品の感光体は、一旦形成された感光層を、基体表面を
傷つけることなく基体から除去することが困難であった
ため、破棄されていた。
【0007】たとえば、アルミニウムなどの金属製の基
体表面に形成された感光層を切削によって除去する場
合、繰り返し実施される切削において、高精度に調整さ
れた基体の外径や内径の寸法および表面粗さを維持する
ことが困難である。また、感光層を薬剤や溶剤などで溶
解して除去する場合、基体が溶解損傷するという問題、
および廃薬品や廃溶剤を容易に処分できないなどの問題
がある。さらに、金型成形による大量生産やフランジと
の一体形成が可能で、原材料費や加工費が非常に安価な
導電性樹脂製の基体でも同様な不都合が生じる。
【0008】したがって、使用済みの感光体および不良
品の感光体は破棄されていたが、製造コストを削減する
ために感光体の基体の再利用が望まれ、たとえば特開平
5−34934号公報にはレーザ光を用いて感光層を除
去する技術が開示されている。該公報ではレーザ光の出
力、波長、スキャン速度および焦点位置などを、感光層
のみが除去されて基体表面が傷付かないような条件に選
んでいる。また、特開平3−144458号公報では、
感光層の端部を上述の公報に記載された技術と同様な条
件に選ばれるレーザ光を用いて除去している。
【0009】ところで、レーザプリンタに搭載して用い
られる感光体としては、感光波長領域を比較的自由に選
べるので、前述したような機能分散型の感光体が特に注
目されている。該感光体の電荷発生層83は、光を吸収
して自由電荷、すなわちフォト・キャリアを発生する役
割を有し、その厚みは発生したフォト・キャリアの飛呈
を短くするために、0.1μm〜5μmと比較的薄い厚
みに選ばれる。これによって、入射光量の大部分が電荷
発生層83で吸収されて多くのフォト・キャリアが生成
し、さらにフォト・キャリアを再結合や捕獲によって失
活することなく電荷輸送層84に注入することができ
る。また、電荷輸送層84は、静電荷を受容し、自由電
荷を輸送する役割を有し、像形成光をほとんど吸収しな
い材料が用いられ、その厚みは通例5μm〜30μmに
選ばれる。
【0010】このような感光体をレーザプリンタに搭載
し、ヘリウム−カドミウム、アルゴンおよびヘリウム−
ネオン(発光波長は約630nm)などのガスレーザや
半導体レーザ(発光波長は約780nm)のレーザ光を
走査して画像を形成した場合、文字などのライン画像で
は問題にはならないが、全面に印画したベタ画像では、
干渉縞状の濃度むらであるモアレ縞が生じる。
【0011】これは、図7を参照して、電荷発生層83
の厚みが薄いので電荷発生層83で吸収される光量が制
限され、このために感光層85に照射された光86のう
ちの電荷発生層83および電荷輸送層84を通過した光
86cが基体82の表面で反射し出射する反射光86b
と、層83,84に入射せずに感光層85の表面で反射
する反射光86aとが干渉するためと考えられる。
【0012】具体的には、電荷発生層83と電荷輸送層
84との積層の屈折率をnとし、厚さをdとし、レーザ
光の波長をλとすると、ndがλ/2の整数倍のときに
は、反射光86bの強度が極大となる。すなわち、エネ
ルギ保存則によって電荷輸送層84の内部へ入ってゆく
光の強度が極小となる。一方、ndがλ/4の奇数倍の
ときには、反射光86bの強度が極小となる。すなわ
ち、内部に入ってゆく光の強度が極大となる。
【0013】なお、複写機などに搭載した場合にモアレ
縞が生じないのは、厚さdは製造上0.2μm以上の厚
みむらが避けられないものであり、レーザ光が単色性に
優れ、位相が揃っている、すなわちコヒーレントである
のに対して、複写機などに用いられる光源は単色光では
ないので、波長によってモアレ縞の幅が変化し、平均化
されてしてうからと考えられる。
【0014】上記モアレ縞の発生を防止する技術が、た
とえば特公平5−26191号公報に開示されている。
該公報では、基体表面に0.1μm〜1.0μm程度の
微細な凹凸を形成し、該表面に感光層を形成している。
凹凸は、サンドブラスト法、切削法および研削法などで
形成される。この技術によれば、レーザ光は基板表面の
凹凸で拡散されるので、反射光の干渉が低減し、モアレ
縞の発生が防止される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、製造
コストの削減のために感光体の基体を再利用することが
望まれる。しかし、たとえば複写機に用いられていた感
光体をレーザプリンタに用いる場合、既に形成されてい
る感光層をレーザによって除去して新たに感光層を形成
するだけでは前記モアレ縞が生じるので、基体表面にた
とえばサンドブラスト法で凹凸を形成するという新たな
工程を追加しなければならない。したがって、製造工程
が複雑になる。
【0016】本発明の目的は、再利用された電子写真感
光体を用いても印画品位の優れた画像を得ることがで
き、簡単な工程で作成できる電子写真感光体の製造方法
を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性を有す
る基体表面に感光層が形成された電子写真感光体の製造
方法において、予め作成された電子写真感光体を準備
し、該電子写真感光体の感光層に向けて予め定められる
波長のレーザ光を照射して感光層を除去するとともに基
体表面を粗面化した後、基体表面に再び感光層を形成す
ることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
本発明に従えば、予め作成された電子写真感光体が準備
され、該電子写真感光体の感光層に向けて予め定められ
る波長のレーザ光が照射される。これによって、感光層
が除去され、かつ基体表面が粗面化される。その後、基
体表面には再び感光層が形成されて、電子写真感光体が
作成される。したがって、たとえば複写機に用いられて
いた感光体を再利用してレーザプリンタに用いる場合で
あっても、感光層表面での反射光と基体表面での反射光
とが干渉することによって生じるモアレ縞を防止でき、
印画品位の優れた画像を得ることができる。このような
電子写真感光体は、感光層の除去とともに基体表面が粗
面化されて作成されるので、新たな工程を追加すること
なく簡単な工程で作成することができ、加工費が低減で
きる。また基体を再利用するので、材料費が低減でき
る。
【0018】また本発明は、準備された電子写真感光体
の基体の少なくともいずれか一方端部には画像形成装置
に搭載したときに該電子写真感光体を支持するための支
持部を有し、該支持部以外の領域に感光層が形成されて
おり、前記レーザ光を感光層のみに照射することを特徴
とする。本発明に従えば、レーザ光は感光層のみに照射
されるので、不必要に基体の端部を粗面化することがな
い。基体端部には感光層が塗布されていない支持部が設
けられ、電子写真感光体をたとえば複写機に搭載したと
きには、該感光体と現像槽とが位置合わせして配置され
る。このような支持部は粗面化されないので、高精度に
位置合わせでき、常に安定した印画品位を得ることがで
きる。
【0019】また本発明は、準備された電子写真感光体
の少なくともいずれか一方端部には画像形成装置に搭載
したときに該電子写真感光体に回転駆動力を伝達するた
めのフランジが装着されており、該フランジを装着した
ままレーザ光を照射することを特徴とする。本発明に従
えば、フランジを装着したままレーザ光が照射されるの
で、フランジを用いて感光体を回転させることができ、
感光層を除去し、基体表面を粗面化するための装置を簡
便なものにすることができ、設備コストが低減できる。
【0020】また本発明は、前記基体は円筒状または円
柱状であり、複数の基体を所定の傾斜面を転がしながら
レーザ光を照射することを特徴とする。本発明に従え
ば、円筒状または円柱状の基体を用いた電子写真感光体
の感光層には、所定の傾斜面を転がしながらレーザ光が
照射される。したがって、複数個の感光体を転がして一
括して処理することができ、処理時間が短縮でき、かつ
製造コストが低減できる。
【0021】また本発明は、導電性を有する基体表面に
感光層が形成された電子写真感光体の製造方法におい
て、予め作成された電子写真感光体を準備し、該電子写
真感光体の感光層に向けて光を不均一に乱反射または遮
蔽するマスキング部材を介して予め定められる波長のレ
ーザ光を照射して、該感光層を除去するとともに基体表
面を粗面化した後、基体表面に再び感光層を形成するこ
とを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。本発
明に従えば、予め作成された電子写真感光体が準備さ
れ、該電子写真感光体の感光層に向けて予め定められる
波長のレーザ光が、マスキング部材を介して照射され
る。したがって、該感光層が除去され、かつ基体表面が
粗面化される。その後、基体表面には再び感光層が形成
される。マスキング部材によって光が不均一に乱反射ま
たは遮蔽されるので、基体表面を不均一に粗面化でき
る。したがって、さらに確実にモアレ縞を防止でき、印
画品位の優れた画像を得ることができる。このような電
子写真感光体は、感光層の除去とともに基体表面が粗面
化されて作成されるので、新たな工程を追加することな
く簡単な工程で作成することができて加工費が低減で
き、基体を再利用するので材料費が低減できる。
【0022】また本発明は、前記マスキング部材は、ブ
ラウン運動するコロイド粒子であることを特徴とする。
本発明に従えば、たとえば直径が1nm〜100nmの
ブラウン運動するコロイド粒子で実現したマスキング部
材を介してレーザ光を照射することによって、該粒子は
たとえば空気中を不規則に動き、レーザ光を不均一に乱
反射または遮蔽することができる。したがって、基体表
面を不均一に粗面化でき、さらに確実にモアレ縞を防止
でき、印画品位の優れた画像を得ることができる。
【0023】また本発明は、前記コロイド粒子は水蒸気
であることを特徴とする。本発明に従えば、コロイド粒
子を水蒸気で実現することによって、該コロイド粒子を
比較的容易に発生させることができ、またその維持が容
易となる。
【0024】また本発明は、前記マスキング部材は偏光
板であり、レーザ光の照射時には当該偏光板を揺動させ
ることを特徴とする。本発明に従えば、光照射時に揺動
される偏光板で実現したマスキング部材を介してレーザ
光を照射することによって、レーザ光を不均一に乱反射
または遮蔽することができる。したがって、基体表面を
不均一に粗面化でき、さらに確実にモアレ縞を防止で
き、印画品位の優れた画像を得ることができる。
【0025】また本発明は、導電性を有する基体表面に
感光層が形成された電子写真感光体の製造方法におい
て、予め光散乱性物質または光吸収性物質を含む導電性
樹脂材料からなる基体の表面に感光層が形成された電子
写真感光体を準備し、該電子写真感光体の感光層に向け
て予め定められる波長のレーザ光を照射して該感光層を
除去するとともに基体表面を粗面化した後、基体表面に
再び感光層を形成することを特徴とする電子写真感光体
の製造方法である。本発明に従えば、予め光散乱性物質
または光吸収性物質を含む導電性樹脂材料からなる基体
の表面に感光層が形成された電子写真感光体が準備さ
れ、該電子写真感光体の感光層に向けて、予め定められ
る波長のレーザ光が照射される。したがって、該感光層
が除去され、かつ基体表面が粗面化される。その後、基
体表面には再び感光層が形成される。光散乱性物質また
は光吸収性物質が導電性樹脂材料からなる基体中に無秩
序に分散されていることによって、レーザ光は不均一に
散乱または吸収され、基体表面を不均一に粗面化でき
る。したがって、さらにモアレ縞を防止でき、印画品位
の優れた画像を得ることができる。
【0026】また本発明は、前記光散乱性物質または光
吸収性物質として、2つのピーク値を有する粒子径分布
の物質を用いていることを特徴とする。本発明に従え
ば、前記光散乱性物質または光吸収性物質として、2つ
のピーク値を有する粒子径分布の物質が用いられ、これ
によってレーザ光の散乱または吸収の強度が粒子径に依
存しなくなるので、基体表面を充分に不均一に粗面化で
きる。したがって、さらに確実にモアレ縞を防止でき、
印画品位の優れた画像を得ることができる。
【0027】また本発明は、前記光散乱性物質または光
吸収性物質として、ランダムな粒子径分布の物質を用い
ていることを特徴とする。本発明に従えば、前記光散乱
性物質または光吸収性物質として、ランダムな粒子径分
布の物質が用いれら、これによってレーザ光の散乱また
は吸収の強度が粒子径に依存しなくなるので、基体表面
を充分に不均一に粗面化できる。したがって、さらに確
実にモアレ縞を防止でき、印画品位の優れた画像を得る
ことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態である
電子写真感光体の製造方法によって作成された感光体1
を示す断面図である。感光体1は、たとえば円筒状また
は円柱状の導電性を有する基体2の表面に形成される感
光層5を含んで構成される。本形態では、感光体1は機
能分離型感光体であり、感光層5としては有機系の光導
電性材料が用いられ、具体的に感光層5は、光を照射し
たときに電荷担体を発生する電荷発生物質を含む電荷発
生層3と、該電荷発生層3で発生した電荷担体を受け入
れ、輸送する電荷輸送物質を主として含む電荷輸送層4
とからなる。
【0029】なお、本形態では基体2上に電荷発生層
3、電荷輸送層4の順番に形成しているが、逆に電荷輸
送層4、電荷発生層3の順番に形成してもかまわない。
【0030】基体2の表面近傍2aには粗面化処理が施
されている。これによって、レーザプリンタに搭載して
用いた場合であっても、感光層5の表面での反射光と、
基体2の表面での反射光との干渉によって生じるモアレ
縞を低減することができる。
【0031】図2は、本発明の第1実施形態の電子写真
感光体の製造方法を説明するための図であり、特に感光
層の除去および基体表面の粗面化処理を説明するための
図である。本形態の製造方法では基体2が再利用される
ので、たとえば使用済みまたは不良品と判断された感光
体91が準備され、まず該感光体91の感光層95が基
体から除去される。このとき基体表面の粗面化処理も同
時に実施される。そして、再び感光層が形成されて感光
体1が作成される。
【0032】準備される感光体91は、円筒状または円
柱状の導電性を有する基体2の表面に感光層95を形成
して構成され、複写機やレーザプリンタなどのいかなる
画像形成装置に搭載されるものであってもかまわない。
感光体91の基体は、少なくともいずれか一方端部に、
画像形成装置に搭載したときに感光体91を支持するた
めの支持部31を有し、基体の支持部31以外の領域に
感光層95が形成されている。支持部31は、画像形成
装置の現像槽スリーブ(DSDカラー)に当接される。
【0033】支持部31に形成された軸32は、該軸3
2を中心として図示しない駆動手段によって回転可能な
ようにして、保持片33に取り付けられる。また、ねじ
が切られた棒状部材35が基台34に固定されており、
該棒状部材35には保持片33が螺合される。したがっ
て、感光体91は、棒状部材35を回転させることによ
って該棒状部材35に沿って移動可能であり、本形態で
は昇降可能に構成される。
【0034】感光体91を軸32を中心として回転させ
るとともに、棒状部材35に沿って昇降変位させ、この
ような感光体91の感光層95に向けて、レーザ光源部
38のレーザユニット36から予め定められる波長のレ
ーザ光が照射される。これによって感光層95は燃焼ま
たは昇華し、除去される。また、同時に露出した基体2
の表面近傍が粗面化処理される。このような感光層95
の除去および基体表面近傍の粗面化処理のためのレーザ
光の出力条件は、レーザ光源部38の電源ユニット37
からレーザユニット36への印加電圧を選ぶことによっ
て制御される。
【0035】なお、レーザとしてはYAG(イットリウ
ム・アルミニウム・ガーネット)レーザ、ガラスレー
ザ、およびルビーレーザなどの固体レーザ、炭酸ガスレ
ーザなどのガスレーザを用いることができるが、これ以
外のレーザを用いてもかまわない。
【0036】たとえば、アルミニウム製の基体上に厚み
が25μm以下の感光層95が形成されている感光体9
1に対して、感光層95を除去するとともに基体2の表
面近傍に0.1μm〜1.0μmの凹凸を形成して粗面
化処理する場合、周波数を1kHz〜8kHzの範囲内
に選び、電流値を10A〜30Aの範囲内に選ぶのが好
ましい。ただし、レーザ光の出力条件はこれに限るもの
ではなく、基体材質、感光層の厚みおよびレーザの種類
などによって適宜設定される。
【0037】なお、レーザ光を感光層95のみに照射す
ることによって、基体の少なくともいずれか一方端部に
形成される支持部31を不必要に粗面化することがな
く、したがって、複写機やプリンタなどの画像形成装置
に搭載したときの、感光体と現像槽スリーブとの位置精
度を高く維持することができ、常に安定した現像が可能
で、印画品位の優れた画像を得ることができる。
【0038】図3は、上述のようにして感光層95が除
去されかつ基体表面が粗面化処理された基体2に、新た
に感光層5を形成する方法の一例を説明するための図で
ある。ここでは、浸漬塗布法によって感光層5を形成す
る例について説明するが、他の方法で形成してもかまわ
ない。
【0039】昇降機52は、たとえばモータやギアなど
で構成される駆動部53によって昇降変位可能なアーム
51を有し、基体2は該アーム51に懸吊される。アー
ム51の下方には、塗布液55が収容された塗布槽56
が配置され、アーム51を降下させることによって基体
2が塗布槽56内に浸漬され、またアーム51を上昇さ
せることによって基体2が塗布槽56内から引上げられ
る。
【0040】塗布槽56へはその下部から、撹拌タンク
57内で撹拌装置59によって充分に撹拌され、粘度調
整装置58によって粘度調整された塗布液55が供給さ
れる。塗布槽56の上部にはオーバーフロー槽60が設
けられており、溢れ出た塗布液55は再び撹拌タンク5
7に戻される。
【0041】まず、電荷発生層3を形成すべき塗布液5
5を塗布槽56および撹拌タンク57に収容し、基体2
を塗布槽56に浸漬した後引上げ、乾燥する。次に、塗
布液55を取換えて電荷輸送層4を形成すべき塗布液5
5を収容し、電荷発生層3が形成された基体2を浸漬し
た後引上げ、乾燥する。このようにして電荷輸送層4を
形成して、感光体1が完成する。
【0042】次に、感光体1の材料について説明する。
基体2としては、たとえばアルミニウム、銅、ニッケ
ル、ステンレスおよび真鍮などの金属材料を用いること
ができ、これらの材料は円筒状、円柱状、または薄膜シ
ート状に加工して用いられる。また、アルミニウム錫金
や酸化インジウムなどをポリエステルフィルム、紙およ
び金属フィルムなどで作成した円筒状基体に蒸着して用
いてもかまわない。
【0043】また基体2として、導電性を有する有機材
料を用いてもかまわない。具体的には、ベースとなる樹
脂と導電性物質とを少なくとも含み、好ましくは光吸収
性物質および光散乱性物質のうちの少なくともいずれか
一方物質を含む混合物で実現してもよく、これらの材料
をベース樹脂の溶融温度以上の温度に加熱して混練する
ことによって、ベース樹脂中に導電性物質を、好ましく
は光吸収性物質および光散乱性物質のうちの少なくとも
いずれか一方物質とを均一に分散させて用いる。
【0044】前記ベース樹脂としては、たとえばポリア
セタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ノリル、ナイロン、
ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレートおよび
ポリエチレンフルオライドなどのうちのいずれか1もし
くはいずれか2以上の混合物が挙げられる。また、これ
ら以外の成型可能な材料を用いてもかまわない。
【0045】前記導電性物質としては、たとえばサーマ
ルブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラッ
ク、チャンネルブラック、ランプブラック、黒鉛、グイ
ファイトなどのカーボンブラックの他に、酸化すず、酸
化アンチモン、金、銀、銅およびアルミニウムなどの金
属およびそれらの化合物、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸
化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、雲
母、チタン酸カリウム、アルミニウムボレート、シリコ
ンカーバイドなどの無機化合物に導電性物質をドーピン
グしたものが挙げられる。
【0046】前記光吸収性物質としては、たとえば前述
した各種カーボンブラックの他に、フタロシアニンなど
の色素が挙げられる。前記光散乱性物質としては、たと
えば各種金属粉が挙げられる。光吸収性物質や光散乱性
物質は、これらに限定されるものではなく、他の材料で
実現してもかまわない。
【0047】なお、導電性物質と光吸収性物質とを、ま
たは導電性物質と光散乱性物質とを兼用して用いてもか
まわない。これによって材料費を低減することができ
る。たとえば、各種カーボンブラックは、良好な導電性
物質であるとともに良好な光吸収性物質でもあり、また
樹脂への分散性に優れ、コストも安価である。また、各
種金属粉は良好な光散乱性物質であるとともに導電性物
質でもある。
【0048】また、有機材料からなる基体2を、充填剤
をさらに含んで構成してもかまわない。充填剤として
は、たとえばガラスビーズ、酸化チタン、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、酸化亜鉛および
クレーなどの無機顔料や、各種有機顔料が挙げられる。
【0049】さらに、導電性物質、光吸収性物質、光散
乱性物質、充填剤などの各種物質は、たとえばベース樹
脂100重量部に対して5〜300重量部混合すること
が好ましい。
【0050】電荷発生層3は、光を吸収し、自由電荷、
すなわちフォト・キャリアを発生する役割を有し、次に
挙げる顔料や色素で実現される電荷発生材料を主成分と
して、必要に応じて公知の結合剤、可塑剤および増感剤
を含有して構成される。
【0051】前記電荷発生材料としては、たとえばペリ
レンイミドやペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、
キナクリドンやアントラキノンなどの多環キノン系顔
料、金属および無金属フタロシアニンやハロゲン化無金
属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクエ
アリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色
素、さらにカルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨
格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨
格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビスス
チルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格および
ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料などが挙
げられる。
【0052】特に高い電荷発生能を有する材料として
は、無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロ
シアニン顔料、フロレン環およびフロレノン環を含有す
るビスアゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、
トリスアゾ顔料が挙げられ、これらの材料を用いること
によって高感度の感光体を実現することができる。
【0053】なお、必要に応じて含有される結着剤の混
合割合は、たとえば結着剤100重量部に対して、電荷
発生材料を5重量部〜500重量部に、好ましくは10
重量部〜250重量部に選ばれる。
【0054】また、電荷発生層3の厚みは、発生したフ
ォト・キャリアの飛呈を短くするために、たとえば0.
01μm〜5μm、好ましくは0.1μm〜3μmと比
較的薄い厚みに選ばれる。これによって、入射光量の大
部分が電荷発生層3で吸収されて多くのフォト・キャリ
アが生成し、さらにフォト・キャリアを再結合や捕獲に
よって失活することなく電荷輸送層4に注入することが
できる。
【0055】電荷輸送層4は、静電荷を受容し、自由電
荷を輸送する役割を有する電荷輸送材料、シリコーン系
レベリング剤および結着剤を必須成分とし、必要に応じ
て公知の可塑剤や増感剤を含有して構成される。
【0056】前記電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビ
ニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバ
ゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−
ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニル
ピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導
体、オキソジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9
−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,
1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、
スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニル
ヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、3−メチル−2−ベ
ンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与
性物質、あるいはフルオレノン誘導体、ジベンゾチオフ
ェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレ
ンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサン
トン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジ
ンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキ
ノンなどの電子受容性物質が挙げられ、これらの電荷輸
送材料は、一種または二種以上を混合して、用いられ
る。
【0057】前記結着剤としては、たとえばスチレン系
重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重
合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマーな
どのオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキッド樹
脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリル
フタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹
脂、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなど
の光硬化型樹脂など、各種の重合体が挙げられ、これら
の結着剤は、一種または二種以上混合して用いられる。
なお、ポリビニルカルバゾールなどの良好な成膜性を有
する電荷輸送材料を用いるときには、結着剤は必ずしも
必要ではない。上述した結着剤材料は、前記電荷発生層
3で必要に応じて用いられる結着剤でもある。
【0058】なお、電荷輸送層4における電荷輸送材料
と結着剤との割合は、電荷の輸送が阻害されない範囲で
種々の割合に設定可能であるが、光照射によって電荷発
生層3で生じた電荷が容易に輸送できるように、結着剤
100重量部に対して、電荷輸送材料を10重量部〜5
00重量部、好ましくは25重量部〜200重量部に選
ばれる。結着剤としてのポリスチレン、ポリカーボネー
トおよいポリアリレートなどの樹脂は特に、体積抵抗率
が1013Ω以上であり、成膜性や電位特性などに優れて
いる。
【0059】また、電荷輸送層4の厚みは通例たとえば
2μm〜100μm、好ましくは5μm〜30μmに選
ばれる。
【0060】さらに、電荷発生層3および電荷輸送層4
には、必要に応じて、ハイドロキノン系化合物、トコフ
ェロール系化合物などの酸化防止剤や、ポリシロキサン
などのレベリング剤を添加してもかまわない。
【0061】またさらに、基体表面の傷や凹凸の被覆、
繰返し使用時の帯電性の劣化防止および低温/低湿環境
下での帯電特性の改善のために、基体2と感光層5との
間に下引層を設けてもかまわない。該下引層の材料とし
ては、ポリアミド、共重合ナイロン、ポリビニルアルコ
ール、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、フェノ
ール樹脂、カゼイン、セルロースおよびゼラチンなどが
挙げられ、特にアルコールに可溶性の共重合ナイロンが
好ましい。また、該下引層の体積抵抗率の設定、低温/
低湿環境下での繰返しエージング特性の改善などの必要
に応じて、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化すず、酸化イン
ジウム、シリカおよび酸化アンチモンなどの無機顔料を
分散含有させてもかまわない。この顔料と前記樹脂との
混合比率は、顔料/樹脂=60/40〜95/5(重量
比)の範囲が好ましい。
【0062】無機顔料を必要に応じて含んだ前記下引層
材料は、たとえばメタノール、エタノールおよびブタノ
ールなどの各種有機溶剤や水などの単独溶剤、水とアル
コールとの混合溶剤、2種以上のアルコールの混合溶
剤、ジクロロエタン、クロロホルム、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレンおよびパークロルエチレンなど
の塩素系溶剤とアルコールとの混合溶剤に分散・溶解さ
れて、0.1μm〜5μm程度の膜厚に基体表面に塗布
されて、下引層が形成される。
【0063】また、基体2と感光層5との間および電荷
発生層3と電荷輸送層4との間の少なくともいずれか一
方間に、感光層5の特性を阻害しないようなバリア層を
形成してもよい。また、感光層5の表面に保護層を形成
してもかまわない。
【0064】上述したような浸漬塗布法によって電荷発
生層3や電荷輸送層4を形成する場合に使用される溶剤
としては種々の有機溶剤が使用でき、たとえばメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの
アルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサ
ンなどの脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロ
エタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化
炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケト
ン類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど、種々の
溶剤が挙げられる。これらの溶剤を単独で、もしくは二
種以上を混合して用いてもかまわない。
【0065】また、電荷発生層3や電荷輸送層4を形成
するための材料は公知の方法、たとえばロールミル、ボ
ールミル、アトライタ、ペイントシェカおよび超音波分
散器などを用いた混合法で混合される。そして、たとえ
ば図3で説明したような公知の塗布法によって塗布さ
れ、乾燥して各層3,4が形成される。なお、電荷発生
層3は前記電荷発生材料を蒸着して形成してもかまわな
い。
【0066】感光体1の製造方法の具体例を次に説明す
る。まず、下引層が形成される。共重合ナイロン樹脂
を、たとえばメタノール、エタノール、メタノールとク
ロロホルムとの混合溶液などの適当な溶剤に溶解する。
該溶剤には、必要に応じて、たとえば酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化すずなどの無機顔料が分散される。このよう
にして調整した塗布液に導電性の基体を公知の方法で浸
漬し、引上げて下引層を形成する。
【0067】次に電荷発生層が形成される。たとえばア
ゾ系顔料などの電荷発生材料を、たとえばシクロヘキサ
ノン、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロエタン、エチ
ルエーテル、アセトン、エタノール、クロロベンゼン、
メチルエチルケトンなどの適当な溶剤に溶解する。該溶
剤には、必要に応じて、結合剤、可塑剤、増感剤がとも
に溶解される。このようにして調整した塗布液に、下引
層が形成された前記基体を公知の方法で浸漬し、引上げ
て電荷発生層を形成する。
【0068】さらに、電荷輸送層が形成される。たとえ
ばヒドラゾン系化合物などの電荷輸送材料とシリコーン
系レベリング剤と結着剤とを、たとえばジクロロエタ
ン、ベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサノン、エチ
ルエーテル、アセトン、エタノール、クロロベンゼン、
メチルエチルケトンなどの適当な溶剤に溶解する。該溶
剤には、必要に応じて、可塑剤、増感剤がともに溶解さ
れる。このようにして調整した塗布液に、下引層および
電荷発生層が形成された前記基体を公知の方法で浸漬
し、引上げて乾燥して電荷輸送層を形成する。
【0069】図4は、作成した感光体1を搭載したレー
ザプリンタ10を示す図である。レーザプリンタ10
は、該感光体1、半導体レーザ11、回転多面鏡12、
結像レンズ14、ミラー15、コロナ帯電器16、現像
器17、転写紙カセット18、給紙ローラ19、レジス
トローラ20、転写帯電器21、分離帯電器22、搬送
ベルト23、定着器24、排紙トレイ25およびクリー
ナ26を含んで構成される。
【0070】感光体1は、図示しない駆動手段によって
図中の矢符27の方向に回転可能なようにして、レーザ
プリンタ10に搭載される。半導体レーザ11からのレ
ーザビーム13は、回転多面鏡12によって感光体1の
表面に対してその長手方向(主走査方向)に繰返し走査
される。結像レンズ14はf−θ特性を有し、レーザビ
ーム13をミラー15で反射させて感光体1の表面に結
像させて露光させる。感光体1を回転させ、レーザビー
ム13を上述のようにして走査して結像させることによ
って、感光体1の表面には静電潜像が形成される。
【0071】コロナ帯電器16は、レーザビーム13の
結像点よりも感光体1の回転方向上流側に設けられ、感
光体1の表面を均一に帯電させる。現像器17は、前記
結像点よりも回転方向下流側に設けられ、感光体1にト
ナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像する。
【0072】転写紙カセット18に収容された転写紙
は、給紙ローラ19によって1枚ずつ取り出され、レジ
ストローラ20によって感光体1への露光と同期して、
現像器17のさらに回転方向下流側に設けられる転写帯
電器21に与えられ、トナー像が転写紙に転写される。
該転写帯電器21に近接してさらに回転方向下流側には
分離帯電器22が設けられ、該分離帯電器22はトナー
像が転写された転写紙を除電して感光体1から分離す
る。
【0073】分離された転写紙は搬送ベルト23によっ
て定着器24に搬送され、トナー像が転写紙に定着され
る。このようにして画像が形成された転写紙は、排紙ト
レイ25に収容される。なお、分離帯電器22のさらに
回転方向下流側であって前記コロナ帯電器16の回転方
向上流側には、感光体1表面に残留するトナーを清掃す
るクリーナ26が設けられる。感光体1を回転させるこ
とによって画像形成が繰返される。
【0074】本形態の製造方法によって作成された感光
体1は、基体2の表面近傍2aに粗面化処理が施されて
いるので、上述のようにしてベタ画像を形成した場合で
あっても、モアレ縞の発生を低減することができ、優れ
た品位の画像を得ることができる。
【0075】なお、レーザプリンタ10の構成は図4に
示されるものに限らず、感光体1を用いて画像形成が可
能であれば、異なる構成であってもかまわない。たとえ
ば、感光体1の外径が40mm以下の場合には、分離帯
電器22を設けなくてもかまわない。
【0076】また、感光体1を、コロナ帯電器16、現
像器17およびクリーナ26のうちの少なくともいずれ
か1つと一体的に構成して、プロセスカートリッジとし
てもかまわない。たとえば、感光体1、コロナ帯電器1
6、現像器17およびクリーナ26の全てを組み込んだ
プロセスカートリッジ、感光体1、コロナ帯電器16お
よび現像器17を組み込んだプロセスカートリッジ、感
光体1とクリーナ26とを組み込んだプロセスカートリ
ッジ、感光体1と現像器17とを組み込んだプロセスカ
ートリッジが構成可能である。プロセスカートリッジを
用いると、プリンタなどにおける交換が容易となる。
【0077】また、帯電器16としては、上記コロナ帯
電器の他に、コロトロン帯電器、スコロトロン帯電器、
鋸歯帯電器およびローラ帯電器などを用いてもかまわな
い。現像器17としては、接触式および非接触式のうち
の少なくともいずれか一方を用いてもかまわない。クリ
ーナ26としては、ブレードクリーナやブラシクリーナ
などを用いてもかまわない。
【0078】以上のように第1実施形態によれば、所定
波長のレーザ光を基体表面上の感光層に照射することに
よって、該感光層を基体表面上から完全に除去すること
ができ、かつ該基体表面を粗面化することが可能なの
で、レーザプリンタを用いた画像形成時に生じるモアレ
縞を解消した印画品位の高い画像が得られる電子写真感
光体を得ることができる。
【0079】また、基体を再利用することが可能で、感
光層の除去と粗面化処理とを同時に実施可能なので、材
料費および加工費を低減することができる。
【0080】なお、基体2が樹脂を主体としたものであ
っても、レーザ光の照射によって感光層を除去し、かつ
基体表面近傍を粗面化することができる。特に、基体中
に無秩序に分散された光散乱性物質および光吸収性物質
のうちの少なくともいずれか一方物質を含むときには、
レーザ光が無秩序(不均一)に散乱または吸収されるの
で、基体表面が不均一に粗面化される。
【0081】すなわち、感光層の除去および粗面化処理
のために用いられるレーザ光はガウス分布の放射発散度
を有するので、そのままの光を照射すると一定パターン
に基体表面が粗面化されてしまう。したがって、モアレ
縞を充分に解消することができない。前記光散乱性物質
または光吸収性物質はこのようなレーザ光を散乱または
吸収するので、これらの物質を不均一に分散することに
よって、不均一に粗面化することができ、モアレ縞を確
実に解消することができる。
【0082】また、光散乱性物質または光吸収性物質と
して、2つのピーク値を有する粒子径分布の物質を用い
ることによって、レーザ光の散乱または吸収の強度が分
散されるので、さらに不均一に粗面化することができ
る。また、光散乱性物質または光吸収性物質として、ラ
ンダムな粒子径分布の物質を用いることによって、レー
ザ光の散乱または吸収の強度が無秩序なものになるの
で、さらに不均一に粗面化することができる。
【0083】図5は、本発明の第2実施形態の電子写真
感光体の製造方法を説明するための図であり、特に感光
層の除去および基体表面の粗面化処理を説明するための
図である。本形態の製造方法は、第1実施形態とほぼ同
じであり、たとえば使用済みまたは不良品と判断された
感光体91を、フランジ40を装着したまま用いること
を特徴とする。
【0084】フランジ40は、画像形成装置に搭載した
ときに感光体に回転駆動力を伝達するためのものであ
り、感光体の少なくともいずれか一方端部に設けられ
る。感光層95の除去および基体表面近傍の粗面化処理
時には、駆動部41からの回転駆動力が該フランジ40
にギア42を介して伝達される。したがって、感光体を
回転させるための設備を簡便にすることができる。
【0085】なお、第1実施形態では処理すべき感光体
91を昇降変位するように構成していたのに対して、本
形態ではレーザ光源部38のレーザユニット36を棒状
部材35と同様の棒状部材44に沿って昇降変位可能に
構成し、保持片33を支柱43に固定している。このよ
うにしても第1実施形態と同様の感光体1を形成するこ
とができる。
【0086】図6は、本発明の第3実施形態の電子写真
感光体の製造方法を説明するための図であり、特に感光
層の除去および基体表面の粗面化処理を説明するための
図である。本形態の製造方法は、たとえば使用済みまた
は不良品と判断された感光体91を複数個準備し、これ
らの感光体91を傾斜部材71の傾斜面71aを転がし
落としながらレーザ光を照射することを特徴とする。
【0087】複数のレーザユニット73が感光体91の
長手方向に走査可能なレーザ走査装置72に、感光体9
1の落下方向に配列して取付けられる。また、レーザ走
査装置72は感光体91の回転に相対して落下方向に移
動可能に構成される。感光体91が回転しながら傾斜面
71aを落下するのに合わせて、レーザユニット73は
各感光体91の落下に相対して移動し、かつ感光体91
の回転に合わせて、感光体91の長手方向にレーザ光を
走査する。
【0088】このようにして、感光体91から感光層を
除去しかつ基体表面近傍に粗面化処理を施すことが可能
であり、これによって連続的に大量の処理が可能とな
る。
【0089】次に、本発明の第4実施形態について説明
する。第4実施形態は、図2に示されるマスキング部材
39を用いることを特徴とする。第1実施形態と同様
に、たとえば使用済みまたは不良品と判断された感光体
91が準備され、まず該感光体91の感光層95が基体
から除去されるとともに基体表面の粗面化処理も同時に
実施される。このとき、マスキング部材39が用いられ
る。そして、再び感光層が形成されて感光体1が作成さ
れる。
【0090】感光体91を回転させるとともに昇降変位
させ、該感光体91の感光層95に向けて、レーザユニ
ット36からのレーザ光がマスキング部材39を介して
照射される。これによって感光層95は燃焼または昇華
して除去され、同時に露出した基体表面近傍が粗面化処
理される。
【0091】上述のようにして感光層95が除去されか
つ基体表面が粗面化処理された基体2には、たとえば図
2示される浸漬塗布法によって感光層5が形成されて、
感光体1が完成する。
【0092】感光層の除去および粗面化処理のために用
いられるレーザ光はガウス分布の放射発散度を有するの
で、そのままの光を照射すると一定パターンに基体表面
が粗面化されてしまう。したがって、モアレ縞を充分に
解消することができない。前記マスキング部材39はこ
のようなレーザ光を不均一に乱反射または遮蔽するもの
であり、該マスキング部材39を介してレーザ光を基体
表面に照射することによって、モアレ縞を確実に解消す
ることができる。
【0093】マスキング部材39は具体的に、たとえば
直径が1nm〜100nmのブラウン運動するコロイド
粒子で実現され、該粒子を所定の装置内に封入して用い
られる。あるいは所定の装置で該粒子を発生するように
してもかまわない。前記粒子は、たとえば水蒸気で実現
でき、これによって粒子の発生・維持が非常に簡易なも
のとなる。またマスキング部材39は、フィルム状の部
材、たとえば偏光板で実現でき、レーザ光照射時には該
部材を揺動して用いられる。
【0094】続いて本発明の実施例について説明する。
【0095】
【第1実施例】外径が50mm、長さが348mmのア
ルミニウム製の基体2の上に25μm厚の感光層95が
形成されてなる感光体91を準備し、マスキング部材3
9を介さずに図2に示されるように保持して、感光層9
5の除去および基体表面近傍の粗面化処理を施した。レ
ーザとしては、YAGレーザ(NEC;日本電気株式会
社製、SL−475G)を用い、電流値を15.6A
に、周波数を2.4kHzに設定してレーザ光を照射し
た。感光層95が除去されかつ粗面化された基体2は、
所定の方法で洗浄され、次のようにして下引層を形成し
た後、積層型の感光層5を形成した。
【0096】まず、下引層用の塗布液を、共重合ナイロ
ン樹脂(東レ株式会社製、CM4000)6重量部をメ
タノール94重量部に溶解して調整した。該塗布液を、
前記基体の外周表面に浸漬塗布法によって1.5μmの
膜厚となるように塗布して、下引層を形成した。
【0097】次に、電荷発生層3用の塗布液を、ε型銅
フタロシアニン(東洋インキ株式会社製、リオフォトン
EPPC)2重量部、ブチラール樹脂(積水化学株式会
社製、エスレックBL−1)1重量部、テトラヒドロフ
ラン100重量部を調合し、ボールミルによって8時間
分散処理して調整した。該塗布液を浸漬塗布法によっ
て、下引層上に0.4μmの膜厚となるように塗布し
て、電荷発生層3を形成した。
【0098】次に、電荷輸送層4用の塗布液を、ブタジ
エン系電荷輸送剤(高砂香料株式会社製、1,1−ビス
(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル
−1,3−ブタジエン)1重量部、ポリカーボネート樹
脂(帝人化学株式会社製、パンライトL−1225)1
重量部、シリコーン系レベリング剤(信越化学工業株式
会社製、KF−96)0.0001重量部をジクロロメ
タン10重量部に溶解して調整した。該塗布液を浸漬塗
布法によって、電荷発生層3上に乾燥膜厚が17μmと
なるように塗布して、電荷輸送層4を形成した。各層の
形成後には、80℃で1時間乾燥した。
【0099】作成された感光体1を普通紙用のレーザプ
リンタに搭載して画像を形成したところ、モアレ縞の少
ない印画品位の優れた画像を得ることができた。
【0100】
【第2実施例】第2実施例は第1実施例とほぼ同様であ
るが、レーザ光を図2のマスキング部材39を介して照
射した。得られた基体には第1実施例と同様にして、下
引層を形成した後、積層型の感光層5を形成した。
【0101】作成された感光体1を普通紙用のレーザプ
リンタに搭載して画像を形成したところ、第1実施例よ
りもモアレ縞の少ない印画品位の優れた画像を得ること
ができた。
【0102】
【第3実施例】外径が50mm、長さが348mm、肉
厚3mmの射出成型した導電性樹脂製の基体上に17μ
m厚の感光層95が形成されてなる感光体91を準備
し、第1実施例と同様にして、感光層95の除去および
基体表面近傍の粗面化処理を施し、下引層を形成した
後、機能分離型の感光層5を形成した。前記導電性樹脂
製基体は、導電性物質でありかつ光吸収性物質であるグ
ラファイトを重量比で30%添加し、混練した飽和ポリ
エステル樹脂(東レ株式会社製、ルミラー)を用いた。
【0103】作成された感光体1を普通紙用のレーザプ
リンタに搭載して画像を形成したところ、モアレ縞の少
ない印画品位の優れた画像を得ることができた。
【0104】
【第4実施例】外径が50mm、長さが348mm、肉
厚3mmの射出成型した導電性樹脂製の基体上に17μ
m厚の感光層95が形成されてなる感光体91を準備
し、第1実施例と同様にして、感光層95の除去および
基体表面近傍の粗面化処理を施し、下引層を形成した
後、機能分離型の感光層5を形成した。前記導電性樹脂
製基体は、導電性物質でありかつ光散乱性物質であり、
平均粒子径が0.1μmおよび1μm酸化すずを重量比
でそれぞれ20%ずつ添加し、混練したポリイミド(デ
ュポン株式会社製、ベスペル)を用いた。
【0105】作成された感光体1を普通紙用のレーザプ
リンタに搭載して画像を形成したところ、第3実施例よ
りもモアレ縞の少ない印画品位の優れた画像を得ること
ができた。
【0106】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、予め作成
された電子写真感光体を準備し、感光層に向けてレーザ
光を照射することによって感光層が除去され、かつ基体
表面が粗面化され、その後、基体表面に再び感光層が形
成される。したがって、たとえば複写機に用いられてい
た感光体を再利用してレーザプリンタに用いる場合であ
っても、モアレ縞を防止できて印画品位の優れた画像を
得ることができ、感光層の除去とともに基体表面が粗面
化されるので、簡単な工程で作成することができ、加工
費が低減でき、基体を再利用するので、材料費が低減で
きる。
【0107】また本発明によれば、レーザ光を感光層の
みに照射することによって、不必要に基体の端部を粗面
化することがなく、電子写真感光体をたとえば複写機に
搭載したときに、高精度に位置合わせでき、常に安定し
た印画品位を得ることができる。
【0108】また本発明によれば、フランジを装着した
ままレーザ光を照射することによって、該フランジを用
いて感光体を回転させることができ、感光層を除去し、
基体表面を粗面化するための装置を簡便なものにするこ
とができ、設備コストが低減できる。
【0109】また本発明によれば、円筒状または円柱状
の基体を用いた電子写真感光体の感光層に、所定の傾斜
面を転がしながらレーザ光を照射することによって、複
数個の感光体を転がして一括して処理することができ、
処理時間が短縮でき、かつ製造コストが低減できる。
【0110】また本発明によれば、予め作成された電子
写真感光体を準備し、感光層に向けてレーザ光をマスキ
ング部材を介して照射して、該感光層を除去し、かつ基
体表面を粗面化する。マスキング部材によって基体表面
を不均一に粗面化できるので、さらに確実にモアレ縞を
防止でき、印画品位の優れた画像を得ることができる。
このような電子写真感光体は、感光層の除去とともに基
体表面が粗面化されて作成されるので、簡単な工程で作
成することができて加工費が低減でき、基体を再利用す
るので材料費が低減できる。
【0111】また本発明によれば、前記マスキング部材
はコロイド粒子で実現でき、該コロイド粒子はたとえば
空気中を不規則に動き、レーザ光を不均一に乱反射また
は遮蔽するので、基体表面を不均一に粗面化でき、さら
に確実にモアレ縞を防止でき、印画品位の優れた画像を
得ることができる。
【0112】また本発明によれば、前記コロイド粒子は
水蒸気で実現するができ、これによって比較的容易に発
生させることができ、またその維持が容易となる。
【0113】また本発明によれば、前記マスキング部材
は光照射時に揺動される偏光板で実現でき、レーザ光を
不均一に乱反射または遮蔽することができるので、基体
表面を不均一に粗面化でき、さらに確実にモアレ縞を防
止でき、印画品位の優れた画像を得ることができる。
【0114】また本発明によれば、光散乱性物質または
光吸収性物質が、導電性樹脂材料からなる基体中に無秩
序に分散されていることによって、レーザ光は不均一に
散乱または吸収され、基体表面を不均一に粗面化でき
る。したがって、さらにモアレ縞を確実に防止でき、印
画品位の優れた画像を得ることができる。
【0115】また本発明によれば、前記光散乱性物質ま
たは光吸収性物質として、2つのピーク値を有する粒子
径分布の物質が用いられ、これによってレーザ光の散乱
または吸収の強度が粒子径に依存しなくなるので、基体
表面を充分に不均一に粗面化できる。したがって、さら
に確実にモアレ縞を防止でき、印画品位の優れた画像を
得ることができる。
【0116】また本発明によれば、前記光散乱性物質ま
たは光吸収性物質として、ランダムな粒子径分布の物質
が用いれら、これによってレーザ光の散乱または吸収の
強度が粒子径に依存しなくなるので、基体表面を充分に
不均一に粗面化できる。したがって、さらに確実にモア
レ縞を防止でき、印画品位の優れた画像を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電子写真感光体の製造
方法によって作成された感光体1を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の電子写真感光体の製造
方法を説明するための図である。
【図3】感光層95が除去されかつ基体表面が粗面化処
理された基体2に、新たに感光層5を形成する方法の一
例を説明するための図である。
【図4】感光体1を搭載したレーザプリンタ10を示す
図である。
【図5】本発明の第2実施形態の電子写真感光体の製造
方法を説明するための図である。
【図6】本発明の第3実施形態の電子写真感光体の製造
方法を説明するための図である。
【図7】モアレ縞の発生メカニズムを説明するための感
光体81の断面図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 基体 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 5 感光層 31 支持部 36,73 レーザユニット 37 電源ユニット 38 レーザ光源部 39 マスキング部材 40 フランジ 41 駆動部 42 ギア 71 傾斜部材 71a 傾斜面 72 レーザ走査装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津越 正弥 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 坂元 雅遊亀 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 下田 嘉英 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有する基体表面に感光層が形成
    された電子写真感光体の製造方法において、 予め作成された電子写真感光体を準備し、該電子写真感
    光体の感光層に向けて予め定められる波長のレーザ光を
    照射して感光層を除去するとともに基体表面を粗面化し
    た後、基体表面に再び感光層を形成することを特徴とす
    る電子写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 準備された電子写真感光体の基体の少な
    くともいずれか一方端部には画像形成装置に搭載したと
    きに該電子写真感光体を支持するための支持部を有し、
    該支持部以外の領域に感光層が形成されており、前記レ
    ーザ光を感光層のみに照射することを特徴とする請求項
    1記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 準備された電子写真感光体の少なくとも
    いずれか一方端部には画像形成装置に搭載したときに該
    電子写真感光体に回転駆動力を伝達するためのフランジ
    が装着されており、該フランジを装着したままレーザ光
    を照射することを特徴とする請求項1記載の電子写真感
    光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基体は円筒状または円柱状であり、
    複数の基体を所定の傾斜面を転がしながらレーザ光を照
    射することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 導電性を有する基体表面に感光層が形成
    された電子写真感光体の製造方法において、 予め作成された電子写真感光体を準備し、該電子写真感
    光体の感光層に向けて光を不均一に乱反射または遮蔽す
    るマスキング部材を介して予め定められる波長のレーザ
    光を照射して、該感光層を除去するとともに基体表面を
    粗面化した後、基体表面に再び感光層を形成することを
    特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記マスキング部材は、ブラウン運動す
    るコロイド粒子であることを特徴とする請求項5記載の
    電子写真感光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記コロイド粒子は水蒸気であることを
    特徴とする請求項6記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記マスキング部材は偏光板であり、レ
    ーザ光の照射時には当該偏光板を揺動させることを特徴
    とする請求項5記載の電子写真感光体の製造方法。
  9. 【請求項9】 導電性を有する基体表面に感光層が形成
    された電子写真感光体の製造方法において、 予め光散乱性物質または光吸収性物質を含む導電性樹脂
    材料からなる基体の表面に感光層が形成された電子写真
    感光体を準備し、該電子写真感光体の感光層に向けて予
    め定められる波長のレーザ光を照射して該感光層を除去
    するとともに基体表面を粗面化した後、基体表面に再び
    感光層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記光散乱性物質または光吸収性物質
    として、2つのピーク値を有する粒子径分布の物質を用
    いていることを特徴とする請求項9記載の電子写真感光
    体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記光散乱性物質または光吸収性物質
    として、ランダムな粒子径分布の物質を用いていること
    を特徴とする請求項9記載の電子写真感光体の製造方
    法。
JP23942996A 1996-09-10 1996-09-10 電子写真感光体の製造方法 Pending JPH1090917A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11242346A (ja) * 1998-02-26 1999-09-07 Mita Ind Co Ltd 静電潜像担持体及びそれを用いた画像形成装置

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