JPH1090707A - 液晶素子の製造方法 - Google Patents

液晶素子の製造方法

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JPH1090707A
JPH1090707A JP24082596A JP24082596A JPH1090707A JP H1090707 A JPH1090707 A JP H1090707A JP 24082596 A JP24082596 A JP 24082596A JP 24082596 A JP24082596 A JP 24082596A JP H1090707 A JPH1090707 A JP H1090707A
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JP
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resin
electrode
liquid crystal
electrodes
substrate
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JP24082596A
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Yuji Matsuo
雄二 松尾
Haruo Tomono
晴夫 友野
Masaru Kamio
優 神尾
Hiroyuki Tokunaga
博之 徳永
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電圧波形の遅延の少ない液晶パネルを製造する
と共に、該パネルを製造するに当たって製造歩留りの低
下や製造コストの増加を防止する。 【解決手段】平滑板21の表面に金属電極12を形成し
(図6(b) 参照)、平滑板21、樹脂モノマー13L及
びガラス基板35の一体物を加圧し(同図(e) 参照)、
その後樹脂モノマー13Lを硬化させ(同図 (f)参照)
平滑板21を剥離する(同図(g) 参照)。これにより、
樹脂13Sや金属電極12はガラス基板35の側に残さ
れるが、金属電極12の表面12aは、平滑板21が剥
離されて現れた面であり、該面12aには樹脂13Sは
付着されていない。したがって、この面12aに透明電
極を形成して液晶パネルを作成した場合、これらの電極
は良好に接触され、液晶パネルは電圧波形の遅延が少な
く、高精細化等に対応可能なものとなる。また、ガラス
基板35の表面には密着層35aが形成されているた
め、樹脂13Sとガラス基板35との密着性が確保され
る。その結果、製造歩留りの低下や製造コストの増加が
防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶素子の製造方
法に係り、詳しくは、駆動電極としての第1電極を基板
の表面に複数配置すると共に、これら複数の駆動電極相
互の間隙に樹脂を埋設する液晶素子の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶素子(以下“液晶パネ
ル”とする)は種々の分野において利用されている。ま
ず、この液晶パネルの構造を、図1に沿って簡単に説明
する。
【0003】この液晶パネルP1 は、相対向するように
配置された一対の電極基板1,1を備えており、これら
の電極基板1,1はシール材2によって貼り合わされ
て、その内部間隙には強誘電性液晶3が保持されてい
る。
【0004】また、電極基板1はガラス基板5を有して
おり、このガラス基板5の表面にはITO透明電極6,
…が形成されている。なお、これらの透明電極6,…は
絶縁膜7や配向制御膜9によって被覆されている。
【0005】そして、この液晶パネルP1 は、相対向す
る透明電極6,…,6,…に電圧を印加して駆動されて
いた。
【0006】ところで、近年、液晶パネルの高精細化や
大面積化が望まれているが、透明電極6,…の抵抗値は
200×10-8〜4000×10-8Ω程度と高いことか
ら、電圧波形の遅延が問題となっていた。なお、このよ
うな電圧波形の遅延を解決する方法としては透明電極
6,…を厚くする方法が考えられるが、その方法によれ
ば、透明電極6,…の透過率が下がって該電極が認識さ
れてしまったり、成膜に時間やコストがかかったり、ガ
ラス基板5への密着性も悪くなる等の問題が生じ、実用
的では無かった。
【0007】そこで、このような問題を解決する液晶パ
ネルP2 として、図2に示す構造のものが特開平6−3
47810号公報等に開示されている。
【0008】この液晶パネルP2 は、相対向するように
配置された一対の電極基板10,10を備えており、こ
れらの電極基板10,10はシール材2によって貼り合
わされて、その内部間隙には強誘電性液晶3が保持され
ている。なお、図示の符号11は、基板間隙を規定する
ためのスペーサであり、ビーズやフィラー等にて形成さ
れている。
【0009】また、電極基板10はガラス基板5を有し
ており、このガラス基板5の表面には、厚さが1μm程
度で所定の形状の金属電極(第1電極)12,…が多数
配置されている。そして、これらの金属電極相互の間隙
にはUV硬化樹脂等の樹脂13Sが埋設されており、金
属電極12,…及び樹脂13の表面には、金属電極1
2,…に沿って透明電極(第2電極)6,…が形成され
ている。なお、これらのITO透明電極6,…は絶縁膜
7や配向制御膜9によって被覆されている。
【0010】そして、この液晶パネルP2 は、透明電極
6,…及び金属電極12,…に電圧を印加して駆動され
ていた。
【0011】この方法によれば、駆動電圧信号は、透明
電極6,…のみならず低抵抗(2〜10×10-8Ω)の
金属電極12,…にも印加されるため、電圧波形の遅延
の問題等が解消される。また、金属電極12,…の相互
の間隙には樹脂13Sが埋設されていることから、金属
電極12,…を厚くしてもセル厚が不均一にならず、表
示品質の劣化が防止される。
【0012】次に、このような液晶パネルP2 の製造方
法について、図3(a) 〜(h) に沿って説明する。 (金属電極形成工程)まず、ガラス基板5の表面に、ス
パッタ法等によって1μm厚のメタル層を形成し、この
メタル層をフォトリソグラフィ法によってパターン化
し、金属電極12,…を多数形成する(図3(a) 参照。
以下、このように金属電極12,…の形成されたガラス
基板5を“配線基板15”とし、配線基板15における
金属電極12,…の形成された側の面を“配線面16”
とする)。 (樹脂供給工程)本工程においては、定量滴下治具とし
てのディスペンサー20を用い、UV硬化樹脂等の樹脂
モノマー13Lを平滑板21の平滑な表面に所定量だけ
滴下する(同図(a) 参照)。なお、この樹脂は、紫外線
が照射されて硬化する性質を有している(以下、硬化さ
れる前の樹脂モノマーを符号13Lで表し、硬化後の樹
脂ポリマーを符号13Sで表し、特に区別を要しない場
合は単に“樹脂13”とする)。
【0013】そして、樹脂モノマー13Lの滴下された
平滑板表面に、配線基板15の配線面16を重ね合わせ
(同図(b) (c) 参照)、平滑板21と配線基板15とに
よって樹脂モノマー13Lを挟み込むようにする(以
下、配線基板15と平滑板21とを重ね合わせたものを
“被加圧体17”とする)。これにより、配線基板15
の配線面16に、流動性を有する樹脂モノマー13Lが
供給されることとなる。 (加圧工程)本工程においては、同図2(d) (e) に示す
ようなプレス機25が用いられる。このプレス機25
は、被加圧体17を載置する金属製下板25Dを備えて
おり、その上方には、矢印F1 の方向に油圧駆動される
金属製上板25Uが配置されている。
【0014】そして、本工程においては、配線基板15
を上側にした状態で被加圧体17を上板25Uと下板2
5Dとの間にセットし、プレス機25を駆動する。これ
により、上板25Uが矢印F1 の方向に駆動され、被加
圧体17は上板25Uと下板25Dとの間で加圧され
る。その結果、樹脂モノマー13Lは、金属電極相互の
間隙に充填されることとなる。
【0015】ところで、このようにして製造される液晶
パネルP2 においては、金属電極12,…と透明電極
6,…とが良好な接触状態を維持している必要があり、
また金属電極12,…は、硬化後の樹脂13Sと共に平
滑な面を形成している必要がある(図2参照)。そのた
めには、硬化前の樹脂モノマー13Lを、全ての金属電
極12,…の表面から排除しておく必要があり、この加
圧工程において、平滑板21を全ての金属電極12,…
の表面に均一な圧力で、かつ強く接触させる必要があ
る。 (樹脂硬化工程)次に、プレス機25による加圧を解除
し、被加圧体17をプレス機25から取り出す。
【0016】そして、ガラス基板5の側から紫外線L
(以下、“UV光L”とする)を樹脂モノマー13Lに
照射し、これを硬化させる(同図(f) 参照)。 (剥離工程)その後、不図示の工具等によって図3(g)
に示す矢印F2 の方向に力を加え、配線基板15(正確
には、金属電極12,…、樹脂13S及び配線基板の一
体物)を平滑板21から剥離させる。これにより、金属
電極12,…の間隙に樹脂13Sが埋設された埋め込み
配線基板26が形成される(同図(h) 参照)。 (その他の工程)その後、埋め込み配線基板26の表面
に、透明電極6,…や絶縁膜7や配向制御膜9を形成し
て電極基板10を作成し、2枚の電極基板10,10を
貼り合わせると共に液晶3を注入して液晶パネルP2
作成する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の製造
方法においては、加圧工程における加圧条件を如何に調
整したとしても、金属電極12,…の表面から樹脂モノ
マー13Lを完全に排除することは困難であり、図4に
示すように、金属電極12,…の表面に樹脂層Aが残存
してしまっていた。特に、金属電極12,…の表面粗さ
が100Å以下の場合にはその現象が顕著であった。こ
のため、金属電極12,…と、後に形成される透明電極
6,…との導通性を十分に確保できず、表示品質の劣化
等の種々の問題が生じていた。
【0018】これに対して、金属電極12,…の表面粗
さを200〜2000Åの範囲内にした場合には平滑板
21を介して加圧することによって金属電極表面の凸部
が樹脂13Sから露出されることとなり(図5参照)、
上述のような問題は低減されるが、別の問題が生じてい
た。
【0019】すなわち、この金属電極12,…の表面
は、上述したように配向制御膜9等によって被覆され、
かつ、この配向制御膜9の表面にはスペーサ11,…が
接触するようになっており、これらのスペーサ11,…
によってセル厚が規定されるようになっているが、配向
制御膜9等が極めて薄いものであるため、金属電極1
2,…の表面が、スペーサ11,…によってセル厚を規
定する際の実質的な基準面となる。したがって、上述の
ように金属電極12,…の表面が粗い場合には、セル厚
が不均一になって配向ムラが発生し、表示品質が劣化す
るという問題があった。
【0020】そこで、本発明は、電圧波形の遅延が解消
されて高精細化かつ大面積化に対応可能な液晶素子を製
造する、液晶素子の製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0021】また、本発明は、表示品質に優れた液晶素
子の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0022】さらに、本発明は、第1電極と第2電極と
の導通性に優れた液晶素子の製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0023】またさらに、本発明は、剥離工程における
剥離不良を防止して、製造歩留りを向上させ、かつ製造
コストを低減させる液晶素子の製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、基板の表面に複数の第1電極
を配置すると共に、これら複数の第1電極相互の間隙に
樹脂を埋設する液晶素子の製造方法において、前記複数
の第1電極を、前記基板とは別の平滑な板状部材の表面
に形成する第1電極形成工程と、前記板状部材における
前記第1電極を形成した面に、流動性を有する樹脂を供
給する樹脂供給工程と、前記板状部材における前記第1
電極を形成した面に前記基板を押し付けて、前記複数の
第1電極相互の間隙に前記樹脂を充填する加圧工程と、
前記第1電極相互の間隙に充填された樹脂を硬化させる
樹脂硬化工程と、前記第1電極並びに前記硬化された樹
脂から前記板状部材を剥離させる剥離工程と、該剥離す
ることにより現れる前記第1電極の表面に第2電極を形
成する第2電極形成工程と、を備えたことを特徴とす
る。
【0025】この場合、前記基板が、前記樹脂との密着
性に富む密着層を表面に有し、前記加圧工程にて、前記
密着層を前記樹脂に接触させた状態で加圧し、かつ、前
記基板と前記樹脂との密着性を良好にして、前記剥離工
程にて前記第1電極並びに前記硬化された樹脂から前記
板状部材を剥離させる、ようにすると好ましい。
【0026】そして、前記密着層は、前記樹脂との密着
性が良好な樹脂薄膜により構成しても良く、前記基板の
表面に形成された粗面化部分によって構成するようにし
てもよい。
【0027】また、前記第1電極形成工程によって形成
される第1電極の表面が所定の粗さであり、かつ、該第
1電極の表面と前記基板との密着性を良好にして、前記
剥離工程にて前記第1電極並びに前記硬化された樹脂か
ら前記板状部材を剥離させるようにしてもよい。
【0028】この場合、前記第1電極形成工程によって
形成される第1電極の表面が、1000〜2000Åの
範囲内の粗さである、ようにしてもよい。
【0029】一方、前記第1電極よりも厚いスペーサ部
材を、前記平滑な板状部材の表面に形成するスペーサ形
成工程、を備え、前記加圧工程にて、前記第1電極と前
記基板との間に均一厚さの隙間を有する状態に加圧する
ことにより、該隙間に前記樹脂を充填させ、かつ、前記
剥離工程にて、前記板状部材並びに前記スペーサ部材を
前記樹脂並びに前記第1電極から剥離させる、ようにし
てもよい。
【0030】その場合、前記スペーサ部材を所定の弾性
を有する材料で形成すると共に、前記樹脂硬化工程を、
前記加圧工程と同時に、又は、前記加圧工程実施後に実
施する、ようにしてもよい。
【0031】また一方、前記スペーサ形成工程を前記第
1電極形成工程と前記樹脂供給工程との間に実施する、
ようにしてもよい。
【0032】さらに、前記スペーサ部材は、少なくとも
前記基板に接する側の表面をテフロンによって形成して
も良い。
【0033】また、前記板状部材が、前記樹脂との密着
性に劣る離型層を表面に有し、前記第1電極形成工程に
て、前記複数の第1電極を前記離型層の表面に形成し、
かつ、前記剥離工程にて前記板状部材の剥離を容易にす
る、ようにしてもよい。
【0034】さらに、前記第1電極が金属製であり、か
つ、前記第2電極が透明であるようにしてもよい。
【0035】なお、以上構成に基づき、第1電極形成工
程、樹脂供給工程及び加圧工程をそれらの順で実施する
と、第1電極及び樹脂を前記板状部材と前記基板とによ
って挟み込んだ構造体が形成される。そして、複数の第
1電極相互の間隙には流動性を有する樹脂が充填される
こととなる。
【0036】次に、樹脂硬化工程を実施すると、前記樹
脂は、硬化されると共に前記基板に密着される。その後
剥離工程を実施して、前記第1電極並びに前記硬化され
た樹脂から前記板状部材を剥離させる。
【0037】これにより、前記板状部材の側に形成され
ていた前記第1電極並びに樹脂は、前記基板の側に転写
されることとなる。また、前記板状部材を剥離すること
により現れた面は平滑であって、前記第1電極の表面に
は樹脂は付着していない。そして、前記第2電極形成工
程にて形成された第2電極は、前記第1電極と良好に接
触することとなる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。なお、図2及び図3に示す
ものと同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0039】まず、本発明の第1の実施の形態につい
て、図6に沿って説明する。
【0040】本実施の形態により製造される液晶パネル
(液晶素子)は、図2に示すものとほぼ同様であるが、
図6(d) に示す密着層付きガラス基板35(以下、単に
“ガラス基板35”とする)をガラス基板5の代わりに
用いている。
【0041】また、本実施の形態に係る液晶パネルの製
造方法は以下の通りである。 (第1電極形成工程)本工程においては、表面が所定の
粗さ(平面度)に精度良く加工されて平滑な平滑板21
を用意し、この平滑板21を、超音波洗浄やベーパー
(蒸気)洗浄等によって予め十分に洗浄しておく。な
お、この平滑板21は、図2に示すガラス基板(基板)
5とは別の平滑な板状部材であって液晶パネルの構成部
品になるものではなく、また、この平滑板21には、硬
くて、表面粗さや平面度を精度良く加工できる材料(ガ
ラスやセラミックスや金属)が用いられる。
【0042】次に、この平滑板21の表面に、蒸着法、
スパッタ法及びメッキ法等によって金属電極層31を所
定の厚さに形成する(図6(a) 参照)。なお、この金属
電極層31には、液晶パネル用配線に適した金属(アル
ミニウムや銅やクロム等)が用いられる。また、この金
属電極層31は、後述するように金属配線12,…を構
成するものであって、剥離工程までは平滑板21に密着
されており、かつ剥離工程においては平滑板21から容
易に剥離されることが好ましい。したがって、これらの
点を考慮して、金属電極層31の成膜方法やその材質、
並びに平滑板21の材質を選択する必要がある。
【0043】さらに、フォトリソエッチング法によっ
て、この金属電極層31のパターニングを行ない、多数
の金属電極(第1電極)12,…を形成する。(同図
(b) 参照。以下、このように金属電極12,…の形成さ
れた平滑板21を“配線基板32”とし、平滑板21に
おける金属電極12,…の形成された側の面を“配線面
33”とする)。 (樹脂供給工程)次に、ディスペンサー20を用いて、
配線面33の中央部に、流動性を有する反応性樹脂モノ
マー13Lを滴下・供給する(同図(c) 参照)。なお、
この反応性樹脂モノマー13Lは、後述する加圧工程に
て加圧されて金属電極相互の間隙に充填されることとな
るが、その充填が全体に均一に行なわれるように、反応
性樹脂モノマー13Lの滴下量及び滴下位置の制御をデ
ィスペンサー20によって適切に行なっておく必要があ
る。
【0044】一方、反応性樹脂モノマー13Lは、液晶
基板としての透明性を具備し、かつ製造工程(例えば、
ITOスパッタ成膜工程や配向膜焼成工程)に耐え得る
耐熱性を具備するものであれば、アクリル系、エポキシ
系、エン・チオール系等、いかなる重合方式のものでも
良い。但し、金属電極12,…との密着性が良好である
必要がある。 (加圧工程)本工程においては、図6(d) に示すような
ガラス基板(基板)35を用意する。
【0045】このガラス基板35は、図2に示すガラス
基板5の代わりに用いられて液晶パネルを構成する部材
となる基板であり、このガラス基板35は、基層35a
と、該基層35aを覆うように配置された密着層35
b、とによって構成されている。また、基層35aは、
ガラスやセラミックスのように、透明度が高く、硬い材
料で形成されており、この基層35aの表面は、その粗
さや平面度が適正となるように精度良く加工されている
と共に、超音波洗浄やベーパー(蒸気)洗浄等により十
分に洗浄されている。
【0046】さらに、密着層35bは樹脂薄膜により構
成されており、密着層35bの形成は、カップリング剤
やプライマー等の密着処理剤を溶媒で希釈した溶液を用
い、この溶液を基層35aの表面にディッピング法、ス
ピンコート法等により塗布し、さらに加熱することによ
り行なっている。ここで、この密着層35bには、液晶
基板用としての十分な透明性を具備し、硬化後に樹脂モ
ノマー13Lと良好に密着する材料であれば、どのよう
な材料を用いても良い。
【0047】そして、本工程においては、このガラス基
板35の密着層35bを、配線基板32の配線面33に
重ね合わせ、配線基板32とガラス基板35とによって
モノマー13Lを挟み込むようにする(図6(e) 参照。
以下、配線基板32とガラス基板35とを重ね合わせた
ものを“被加圧体36”とする)。このときの重ね合わ
せは、モノマー13Lの中に気泡が巻き込まれないよう
にゆっくりと行なう。なお、このような気泡の巻き込み
をより完全に行なうには、モノマー13Lの配線基板3
2への塗布を線状や点状に行なったり、配線基板32と
ガラス基板35との貼り合わせを真空中で行なったりす
れば良い。
【0048】そして、この被加圧体36を不図示のプレ
ス機にセットし、図示の矢印F1 の方向に加圧し、配線
基板32の配線面33にガラス基板35(密着層35
b)を押し付ける。このとき、ガラス基板35が金属電
極12,…に突き当たるか、又は突き当たらなくともそ
の隙間が均等になるような均一加圧する。これにより、
金属電極12,…の相互の間隙にはモノマー13Lが充
填されることとなる。
【0049】なお、プレス機には、メカプレス、流体圧
プレス、負圧プレス、ロールプレス等のプレス機が用い
られる。 (樹脂硬化工程)次に、加圧状態を解除して被加圧体3
6をプレス機から取り出し、被加圧体36にエネルギー
を与え、金属電極相互の間隙に充填されたモノマー13
Lを硬化させる(同図(f) 参照)。この硬化は、モノマ
ー13Lが光硬化性の場合には光Lを加えて行ない、熱
硬化性の場合には熱を加えて行ない、或はそれらの両方
を加えて行なう。また、モノマー13Lに二液混合型の
ものを用いることにより、これを硬化させるようにして
も良い。
【0050】なお、本工程は、必ずしも加圧状態を解除
した後に行なう必要は無く、加圧状態を維持したままで
行なうようにしてもよい。 (剥離工程)次に、不図示の工具等によって図6(g) に
示す矢印F2 の方向に力を加えて平滑板21を金属電極
12,…並びに樹脂13Sから剥離する。これにより、
金属電極12,…や樹脂13Sはガラス基板35の側に
残ることとなり(同図(h) 参照)、ガラス基板35の表
面に金属電極12,…が配置されると共に金属電極相互
の間隙に樹脂13Sが埋設された埋め込み配線基板37
を得る。なお、ガラス基板35の表面には、上述したよ
うな密着層35bが形成されているため、ガラス基板3
5と樹脂13Sとの密着状態が良好に保たれ、それらが
剥離しにくくなっている。 (第2電極形成工程等)次に、平滑板21を剥離するこ
とにより現れる金属電極表面12a,…に沿って透明電
極(第2電極)6,…を形成する。
【0051】そして、この透明電極6,…を絶縁膜7や
配向制御膜9によって被覆し、電極基板を作成する。
【0052】さらに、このようにして作成された電極基
板を2枚貼り合わせて、その基板間隙に液晶を注入し、
液晶パネルを得る。
【0053】なお、モノマー13Lの材質は、剥離工程
において樹脂13Sと金属電極12,…とが剥れないよ
うなものを選択しておく必要がある。
【0054】次に、本実施の形態の効果について説明す
る。
【0055】本実施の形態によれば、樹脂13Sは、金
属電極12,…相互の間隙に埋設されて金属電極12,
…と共に平滑な面を形成する。したがって、金属電極1
2,…を厚くしてもセル厚が不均一にならず、表示品質
の劣化が防止される。
【0056】また、製造した液晶パネルは、金属電極1
2,…と透明電極6,…とに信号を印加して駆動でき
る。したがって、透明電極6,…のみの場合に比べて抵
抗値が低減され、従来例で述べたような電圧波形の遅延
が解消され、高精細化に対応可能な大面積の液晶パネル
を得ることができる。さらに、本実施の形態によれば、
上述したように金属電極12,…を厚くできるため、よ
り一層電圧波形の遅延を解消することができる。またさ
らに、金属電極12,…を形成することによって電圧波
形の遅延が解消されるため、透明電極6,…を厚く形成
する必要がなく、透明電極6,…の透過率が下がって該
電極が認識されてしまうこともない。
【0057】一方、本実施の形態によれば、ガラス基板
35に押圧される側の金属電極表面12b,…(図6
(b) における上側の面)に透明電極6,…を形成するの
ではなく、平滑板21に付着されていた側の金属電極表
面12a,…(図6(h) における下側の面)に透明電極
6,…を形成するようになっている。そして、この金属
電極表面12a,…は、樹脂モノマー13Lが供給され
てから硬化されるまでの間は平滑板21に密着されてい
ると共に、剥離工程にて平滑板21が剥離されて初めて
露出される面である。したがって、この面12a,…に
は樹脂13Sは付着されておらず、この表面12a,…
に透明電極6,…を形成することにより、金属電極1
2,…と透明電極6,…との導通性が良好に確保され、
製造された液晶パネルも表示品質が良好なものとなる。
【0058】また、従来例にて述べたように、金属電極
12,…と透明電極6,…との導通性を確保すべく金属
電極12,…の表面(透明電極6,…の形成される表
面)を粗くした場合には、セル厚が不均一となって表示
品質が劣化してしまうという問題があった。しかし、本
実施の形態によれば、それらの導通性が良好に確保され
ることから金属電極12,…の表面を粗くする必要が無
く、セル厚を均一にできる。このため、配向ムラが解消
されて、表示品質も良好になる。
【0059】さらに、ガラス基板35は、その表面に、
樹脂13Sとの密着性に富む密着層35bを有してお
り、加圧工程においては、密着層35bを樹脂モノマー
13Lに接触させた状態で加圧するため、硬化された樹
脂13Sとガラス基板35との密着性が向上され、剥離
工程におけるガラス基板35の剥離不良(ガラス基板3
5と金属電極12,…とが剥離したり、ガラス基板35
と樹脂13Sとが剥離したりすること)が低減される。
このため、液晶パネルの製造歩留りが向上され、液晶パ
ネルの製造コストが低減される。
【0060】ついで、本発明の第2の実施の形態につい
て、図7に沿って説明する。
【0061】本実施の形態においては、図7(a) に示す
平滑な板状部材50(以下、“平滑板50”とする)を
用いる。
【0062】この平滑板50は、平滑な基層50aを有
しており、基層50aの表面には、樹脂13Sとの密着
性が多少劣る離型層50bが形成されている。
【0063】このうち、基層50aは、上述した第1の
実施の形態における平滑板21と同一の材質であり、離
型層50bの形成には、シリコン等の市販の離型剤を溶
媒で希釈した溶液を用い、この溶液をディッピング法、
コート法等によって基層50aの表面に塗布し、加熱す
る方法を採る。
【0064】なお、上述した平滑板50は、剥離工程に
おいて樹脂13S等から剥離させる必要があるものの、
該工程までは樹脂13S等が剥離しないことが必要であ
る。したがって、離型層50bの材質は、それらの点を
考慮して選択する必要がある。
【0065】また、樹脂13Sの表面及び金属電極表面
12a,…によって形成される面(図7(h) における下
側の面)の平滑度は、平滑板50の平滑度の影響を受
け、該平滑度が悪い場合には、透明電極6,…等の密着
性が阻害されることともなる。したがって、これらの基
層50aや離型層50bの平滑度を十分に良好にしてお
く必要がある。そのためには、基層50aの表面を平滑
にし、しかも離型層50bを薄く形成することが好まし
い。
【0066】一方、本実施の形態においては、密着層を
有さないガラス基板5を用いる。
【0067】さらに、その他の構成、及び製造方法は、
上述した第1の実施の形態と同様である。なお、第1電
極形成工程においては、金属電極12,…は離型層50
bの表面に形成する。また、図中の符号52は配線基板
を示し、符号53は、金属電極12,…の形成された配
線面を示す。さらに、符号56は被加圧体を示し、符号
57は埋め込み配線基板を示す。
【0068】次に、本実施の形態の効果について説明す
る。
【0069】本実施の形態によれば、平滑板50の表面
が、樹脂13Sとの密着性に劣る離型層50bにて構成
されており、加圧工程等においてはこの離型層50b上
に金属電極12,…が形成されると共に樹脂13Sが接
触するようになっている。したがって、剥離工程におい
ては平滑板50を容易に剥離させることが可能で、ガラ
ス基板5の剥離不良(ガラス基板5と金属電極12,…
とが剥離したり、ガラス基板5と樹脂13Sとが剥離し
たりすること)が低減される。このため、液晶パネルの
製造歩留りが向上され、液晶パネルの製造コストが低減
される。
【0070】また、離型層50bが薄く形成されている
ため、樹脂13Sの表面及び金属電極表面12a,…に
よって形成される面(図7(h) における下側の面)の平
滑度も良好となり、金属電極12,…と透明電極6,…
との接触不良等を防止できる。
【0071】さらに、本実施の形態によれば、上述した
第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0072】すなわち、金属電極12,…を厚くしても
セル厚が不均一にならず、表示品質の劣化が防止され、
また、電圧波形の遅延を解消することにより高精細化に
対応可能な大面積の液晶パネルを得ることができる。さ
らに、透明電極6,…を厚く形成する必要がなく、透明
電極6,…の透過率が下がって該電極が認識されてしま
うこともない。
【0073】一方、金属電極12,…と透明電極6,…
との導通性が良好に確保され、製造された液晶パネルも
表示品質が良好なものとなる。また、金属電極12,…
の表面を粗くする必要が無くセル厚を均一にでき、その
結果、配向ムラが解消されて表示品質も良好になる。
【0074】ついで、本発明の第3の実施の形態につい
て、図8に沿って説明する。
【0075】本実施の形態においては、第1の実施の形
態にて用いた密着層付きガラス基板35を使用し、第2
の実施の形態にて用いた平滑板50を使用している。
【0076】本実施の形態においては、第1電極形成工
程を実施して平滑板50の表面に金属電極12,…を形
成し(同図(a) 乃至(c) 参照)、樹脂供給工程及び加圧
工程を実施して金属電極相互の間隙に樹脂モノマー13
Lを充填する(同図(d) 乃至(f) 参照)。さらに、樹脂
硬化工程及び剥離工程を実施して埋め込み配線基板37
を得る。
【0077】次に、本実施の形態の効果について説明す
る。
【0078】本実施の形態によれば、ガラス基板35と
樹脂13S等との密着性を密着層35bによって確保し
ていると共に、平滑板50を、その離型層50bによっ
て剥離し易くしている。したがって、剥離工程での剥離
不良をより一層低減でき、製品歩留りがより一層向上さ
れる。
【0079】また、本実施の形態によれば、上述した第
1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0080】すなわち、金属電極12,…を厚くしても
セル厚が不均一にならず、表示品質の劣化が防止され
る。また、電圧波形の遅延が解消され、高精細化に対応
可能な大面積の液晶パネルを得ることができる。さら
に、透明電極6,…を厚く形成する必要がなく、透明電
極6,…の透過率が下がって該電極が認識されてしまう
こともない。
【0081】一方、金属電極12,…と透明電極6,…
との導通性が良好に確保され、製造された液晶パネルも
表示品質が良好なものとなる。また、金属電極12,…
の表面を粗くする必要が無くセル厚を均一にでき、その
結果、配向ムラが解消されて表示品質も良好になる。
【0082】ついで、本発明の第4の実施の形態につい
て、図9に沿って説明する。
【0083】本実施の形態においては、図9(d) に示す
ガラス基板(基板)60を用いるが、このガラス基板6
0は、その片面に密着層としての粗面化部分60aを有
している。なお、この粗面化部分60aは、ガラス加工
用の砂の摺り加工やサンドブラスト等によって粗面化加
工されることにより形成されている。また、この粗面化
部分60aの表面粗さは、剥離工程においてガラス基板
60と樹脂13Sとの密着性が確保される粗さの範囲内
のうち、できるだけ細かい方が望ましい。
【0084】また、このガラス基板60における、粗面
化部分60aと反対側の面は、研磨等によって精度良く
加工されている。
【0085】さらに、このガラス基板60には、透明度
が高くて硬い材質のもの(例えば、ガラスやセラミック
ス)が使用され、このガラス基板60は、超音波洗浄や
ベーパー(蒸気)洗浄等により良く洗浄されている。
【0086】またさらに、このガラス基板60は、粗面
化された方の面が金属電極12,…と接触するように用
いられる。
【0087】なお、本実施の形態に係る液晶パネルの製
造方法は、上述したガラス基板60を用いる他は、第1
の実施の形態と同様である。
【0088】次に、本実施の形態の効果について説明す
る。
【0089】本実施の形態によれば、ガラス基板60と
樹脂13S等との密着性を粗面化部分60aによって確
保しているため、剥離工程での剥離不良をより一層低減
でき、製品歩留りがより一層向上される。
【0090】また、本実施の形態によれば、上述した第
1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0091】すなわち、金属電極12,…を厚くしても
セル厚が不均一にならず、表示品質の劣化が防止され
る。また、電圧波形の遅延が解消され、高精細化に対応
可能な大面積の液晶パネルを得ることができる。さら
に、透明電極6,…を厚く形成する必要がなく、透明電
極6,…の透過率が下がって該電極が認識されてしまう
こともない。
【0092】一方、金属電極12,…と透明電極6,…
との導通性が良好に確保され、製造された液晶パネルも
表示品質が良好なものとなる。また、金属電極12,…
の表面を粗くする必要が無くセル厚を均一にでき、その
結果、配向ムラが解消されて表示品質も良好になる。
【0093】なお、本実施の形態においては、離型層な
しの平滑板21を用いたが、もちろんこれに限る必要は
なく、第3の実施の形態に用いた離型層付きの平滑板5
0を用いるようにしてもよい。
【0094】ついで、本発明の第5の実施の形態につい
て、図10に沿って説明する。
【0095】本実施の形態においては、第1電極形成工
程を実施して平滑板21の表面に金属電極層71を形成
するが、該層の表面71aの表面粗さを1000〜20
00Å程度としている(図10(a) 参照)。
【0096】なお、このような表面の粗い金属電極層7
1を成膜する方法としては、200℃以上の高温でのス
パッタ法を用いて成膜と同時に表面を粗面化する方法が
ある。また、低温でのスパッタ法や蒸着法やメッキ法に
よって金属電極層71を形成すると共に、成膜後に、プ
ラズマアッシング法やレーザーアッシング法などによっ
て表面を粗面化するようにしても良い。なお、このよう
に成膜後に粗面化処理を行なう場合には、粗面化処理に
伴うロス分を見込んで、成膜する金属電極層71の膜厚
を数μmと多少厚くしておく必要がある。
【0097】さらに、この金属電極層71の材質は、ア
ルミニウムや銅やクロム等の液晶パネル用配線に適した
金属であればどのようなものでも良い。
【0098】また、この金属電極層71を、第1の実施
の形態と同様にパターニングして、金属電極(第1電
極)72,…を形成する。
【0099】そして、本実施の形態においては、これら
の金属電極表面72a,…が、同図(e) 〜(h) に示すよ
うに、ガラス基板35に密着されることとなる。
【0100】次に、本実施の形態の効果について説明す
る。
【0101】本実施の形態によれば、金属電極表面72
a,…は粗面化されていると共にガラス基板35はその
表面に密着層35bを有しているため、金属電極72,
…並びに樹脂13Lとガラス基板35との密着性が向上
される。したがって、剥離工程において剥離不良が低減
され、製品歩留りがさらに向上される。
【0102】また、本実施の形態によれば、上述した実
施の形態と同様の効果が得られる。
【0103】すなわち、金属電極72,…を厚くして
も、セル厚が不均一にならず表示品質の劣化が防止さ
れ、また、電圧波形の遅延を解消することにより高精細
化に対応可能な大面積の液晶パネルを得ることができ
る。さらに、透明電極6,…を厚く形成する必要がな
く、透明電極6,…の透過率が下がって該電極が認識さ
れてしまうこともない。
【0104】一方、金属電極72,…と透明電極6,…
との導通性が良好に確保され、製造された液晶パネルも
表示品質が良好なものとなる。
【0105】なお、本実施の形態においては、離型層な
しの平滑板21を用いたが、もちろんこれに限る必要は
なく、第3の実施の形態に用いた離型層付きの平滑板5
0を用いるようにしてもよい。
【0106】ついで、本発明の第6の実施の形態につい
て、図11に沿って説明する。
【0107】本実施の形態においては、上述した第1の
実施の形態と同様に、第1電極形成工程を実施し、平滑
板(平滑な板状部材)21の表面に金属電極(第1電
極)12,…を形成する(同図(a) 及び(b) 参照)。
【0108】次に、スペーサ形成工程を実施し、平滑板
21の周縁部分にスペーサ部材90を配置する。
【0109】このスペーサ部材90は、所定の弾性を有
する材料にて形成されており、その片面には粘着剤が塗
布されて、平滑板21に接着されるようになっている。
このスペーサ部材90は、金属電極12,…よりも数μ
mから10数μm程度厚いものである。なお、スペーサ
部材90は、少なくともガラス基板35に接する側の表
面がテフロンによって形成されていることが好ましい。
【0110】さらに、金属電極12,…が形成された部
分に樹脂モノマー13Lを供給し(同図(c) に示す樹脂
供給工程を参照)、加圧工程にて、密着層付きのガラス
基板35を介して加圧する(同図(d) 参照)。これによ
り、金属電極相互の間隙には樹脂モノマー13Lが充填
されることとなる。なお、この加圧工程においては加圧
力を調整し、金属電極12,…とガラス基板35との間
に均一厚さの隙間を有する状態に加圧し、それらの間に
樹脂モノマー13Lが充填されるようにする。なお、該
隙間は、数μmから10数μm程度の範囲内が好まし
い。
【0111】そして、このように加圧工程を実施してい
る状態で樹脂硬化工程を同時に実施し、モノマー13L
を硬化させる。
【0112】次に、剥離工程を実施し、平滑板21並び
にスペーサ部材90を樹脂13S並びに金属電極12,
…から剥離する。これにより、少なくとも画像表示領域
の全面において、樹脂13Sがガラス基板35に付着さ
れた埋め込み配線基板91が作成される。
【0113】なお、上述した加圧工程においては、ガラ
ス基板35と平滑板21との距離は、それらの端部にお
いてスペーサ部材90によって規定されることとなる
が、ガラス基板35等が湾曲しないように加圧すること
が必要である。そのためには、図3に示したプレス機2
5を用いると共に、金属製上下板25a,25bとして
剛性に富むものを用い、かつ上下板25a,25bの表
面を平滑にすることが好ましい。
【0114】次に、本実施の形態の効果について説明す
る。
【0115】本実施の形態によれば、金属電極12,…
とガラス基板35との間に樹脂13Sが配置され、少な
くとも画像表示領域の全面において樹脂13Sがガラス
基板35に付着されている。したがって、樹脂13Sと
ガラス基板35との接触面積が上記実施の形態よりも大
きくなってそれらの密着性が向上され、剥離工程におけ
るガラス基板35の剥離がより一層確実に防止される。
このため、液晶パネルの製造歩留りが向上され、液晶パ
ネルの製造コストが低減される。
【0116】また、スペーサ部材90がテフロン等によ
って形成されているため、剥離工程におけるガラス基板
35からの剥離も容易となる。したがって、剥離不良に
伴う製造歩留りの低下等が防止される。
【0117】さらに、スペーサ部材90に弾性体を使用
すると共に、加圧工程と樹脂硬化工程とを同時に実施し
ているため、樹脂モノマー13Lが硬化時にその厚さ方
向に収縮したとしても、スペーサ部材90が弾性変形さ
れて、樹脂モノマー13Lとガラス基板35並びに平滑
板21との密着状態は維持される。したがって、樹脂1
3Sの表面(ガラス基板35側の表面、並びに平滑板2
1側の表面)におけるヒケの発生が防止され、樹脂13
Sの表面は金属電極12,…と共に平滑な面を形成す
る。このため、製造された液晶パネルは、表示品質の良
好なものとなる。
【0118】つまり、従来の製造方法においては、加圧
状態では平滑板12は金属電極12,…の表面と接触し
ているため、樹脂モノマー13Lが硬化される前の液体
の状態では、金属電極12,…と樹脂モノマー13Lと
は平滑な面を形成してはいるものの、樹脂モノマー13
Lは硬化されるに伴って収縮し、金属電極12,…と樹
脂13Sとによって形成される面は平滑でなくなる。図
12(a) は、樹脂13Sの表面が部分的に平滑板21か
ら剥れて、いわゆるシワ状ヒケが発生した様子を示して
おり、同図(b) は、樹脂13Sが全体的にほぼ均一に収
縮した様子を示している。なお、同図(a) の状態は、樹
脂13Sが2μm以上の厚みの場合に生じ易く、同図
(b) の状態は、樹脂13Sが2μm以下の厚みの場合に
生じ易い。そして、いずれの場合であっても、金属電極
12,…と樹脂13Sとによって形成される面が平滑と
ならないことから、配向制御膜9の表面に凹凸が生じ、
液晶の配向性にムラや欠陥が生じ、表示品質が悪くなっ
てしまうという問題があった。
【0119】しかし、本実施の形態の場合には、平滑板
21が剥離された後の表面(金属電極12,…と樹脂1
3Sとによって形成される面)は、樹脂13Sの硬化収
縮の如何にかかわらず平滑に保たれ、製造された液晶パ
ネルの表示品質は良好なものとなる。
【0120】また、本実施の形態によれば、上述した実
施の形態と同様の効果を奏する。
【0121】すなわち、金属電極12,…を厚くしても
セル厚が不均一にならず、表示品質の劣化が防止され、
また、電圧波形の遅延を解消することにより高精細化に
対応可能な大面積の液晶パネルを得ることができる。さ
らに、透明電極6,…を厚く形成する必要がなく、透明
電極6,…の透過率が下がって該電極が認識されてしま
うこともない。
【0122】一方、金属電極12,…と透明電極6,…
との導通性が良好に確保され、製造された液晶パネルも
表示品質が良好なものとなる。
【0123】なお、本実施の形態においては、離型層な
しの平滑板21を用いたが、もちろんこれに限る必要は
なく、第3の実施の形態に用いた離型層付きの平滑板5
0を用いるようにしてもよい。
【0124】
【実施例】まず、本発明の第1実施例について、図6に
沿って説明する。
【0125】本実施例においては、上述した第1の実施
の形態と同様の方法で液晶パネルを製造する。具体的に
は、以下の通りである。 (第1電極形成工程)本工程においては、平滑板21と
して、100×100×1.1mmのサイズの青板ガラス
を用い、その表面を精度良く加工して、平面度を10μ
m以下に、平行度を1μm以下に、表面粗さを500Å
以下に仕上げた。また、この平滑板21は、超音波洗浄
やベーパー(蒸気)洗浄等によって予め十分に洗浄して
おいた。
【0126】次に、この平滑板21の表面には、アルミ
ニウム膜からなる金属電極層31を蒸着法によって2μ
mの厚さに成膜した。
【0127】さらに、フォトリソエッチング法によっ
て、この金属電極層31のパターニングを行なって、線
幅20μm、ピッチ100μmのストライプ状の金属電
極12,…を形成し、配線基板32を得た。 (樹脂供給工程)次に、ディスペンサー20を用いて、
配線面33の中央部に、エポキシ系のUV硬化樹脂(反
応性樹脂モノマー、品名3112、スリーボンド(株)
製)13Lを1mlだけ滴下・供給した(同図(c) 参
照)。 (加圧工程)本工程においては、密着層付きのガラス基
板35を使用したが、この密着層35bの形成には、シ
ランカップリング剤としてA−174(日本ユニカー株
式会社製)をイソプロピールアルコールで100倍(重
量比)に希釈した溶液を用い、この溶液を、青板ガラス
からなる基層35aの表面にスピンコートし、さらにオ
ーブンに入れて120℃の温度で20分間加熱する方法
を用いた。
【0128】なお、本実施例においては、基層35aの
サイズを100×100×1.1mmとし、平面度が10
μm以下で平行度が1μm以下になるように表面仕上げ
を行ない、透明性を確保した。
【0129】また、スピンコートには、ミカサ(株)製
のスピンコーターを使用し、スピンコート条件は、1段
目は500rpmで5秒、2段目は3000rpmで3
0秒とした。スピンコートに用いた溶液の量は、1枚の
基板当たり5ccとした。
【0130】そして、本工程においては、このガラス基
板35の密着層35bを、配線基板32の配線面33に
重ね合わせ、配線基板32とガラス基板35とによって
モノマー13Lを挟み込むようにした(図6(e) 参
照)。このときの重ね合わせは、モノマー13Lの中に
気泡が巻き込まれないようにゆっくりと行なった。
【0131】そして、この被加圧体36を不図示のプレ
ス機にセットし、図示の矢印F1 の方向に加圧し、配線
基板32の配線面33にガラス基板35(密着層35
b)を押し付けた。なお、本工程においては、加圧力が
均等に分散されるように配慮し、500kg重の加圧力を
3分間加えることとした。
【0132】なお、本工程においては、図3に示したプ
レス機25を用い、金属製上下板25a,25bには、
表面平面度が1μm以下に仕上げられ、かつ厚さが50
mmのものを用い、ガラス基板35や配線基板32が変形
したり破壊されたりしないようにしている。 (樹脂硬化工程)次に、加圧状態を解除して被加圧体3
6をプレス機から取り出して、キセノンランプ(不図
示)によってUV光Lを被加圧体36に5分間照射し、
樹脂モノマー13Lを硬化させた。なお、照射光Lの照
射エネルギーは10mW/cm2とした(同図(f) 参照)。 (剥離工程)次に、不図示の工具等によって図6(g) に
示す矢印F2 の方向に力を加えて平滑板21を金属電極
12,…並びに樹脂13Sから剥離した。これにより、
金属電極12,…や樹脂13Sはガラス基板35の側に
残ることとなり(同図(h) 参照)、ガラス基板35の表
面に金属電極12,…が配置されると共に金属電極相互
の間隙に樹脂13Sが埋設された埋め込み配線基板37
を得た。 (第2電極形成工程等)次に、平滑板21を剥離するこ
とにより現れる金属電極表面12a,…に沿って透明電
極(第2電極)6,…を形成した。
【0133】そして、この透明電極6,…を絶縁膜7や
配向制御膜9によって被覆し、電極基板を作成した。
【0134】さらに、このようにして作成された電極基
板を2枚貼り合わせて、その基板間隙に液晶を注入し、
液晶パネルを得た。
【0135】次に、本実施例の効果について説明する。
【0136】本実施例によれば、剥離工程終了後におい
て、樹脂13Sは、金属電極12,…相互の間隙に埋設
されて金属電極12,…と共に平滑な面を形成してお
り、金属電極表面12a,…には樹脂13Sの付着は発
見されなかった。そして、製造した液晶パネルを駆動し
ても、表示品質の劣化は確認されなかった。
【0137】また、製造した液晶パネルにおいては電圧
波形の遅延が解消され、高精細化に対応可能な大面積の
液晶パネルを得ることができた。この傾向は、金属電極
12,…を厚くする程顕著であった。
【0138】さらに、剥離工程においては、ガラス基板
35と樹脂13Sとの剥離等も生じなかった。そして、
液晶パネルの製造歩留りが従来よりも向上され、液晶パ
ネルの製造コストが低減された。
【0139】ついで、本発明の第2実施例について、図
7に沿って説明する。
【0140】本実施例においては、上述した第2の実施
の形態と同様の方法で液晶パネルを製造した。具体的に
は、以下の通りである。
【0141】本実施例においては、基層50aには、十
分に洗浄したガラス板を使用し、離型層50bの形成に
は、離型剤(商品名KBM−7803:信越シリコーン
(株)製)をイソプロピルアルコールで1%に希釈した
溶液を用い、この溶液を、基層50aの表面にスピンコ
ートして100℃の温度に20分間オーブン加熱する方
法を用いた。なお、この離型層50bの形成には、ミカ
サ(株)製のスピンコーターを使用し、スピンコート条
件は、2段階方式とし、1段目は500rpmで5秒、
2段目は3000rpmで30秒とした。スピンコート
に用いた溶液の量は、1枚の基板当たり5ccとした。
【0142】そして、この離型層50bの表面にアルミ
ニウム膜を蒸着法によって2μmの厚さに形成し、フォ
トリソエッチング法によって線幅20μm、ピッチ10
0μmの金属電極12,…を形成した。
【0143】さらに、樹脂供給工程等を実施した後に剥
離工程を実施し、平滑板50を剥離して埋め込み配線基
板57を得た。
【0144】なお、平滑板50の基層50aの材質は、
第1実施例における平滑板32と同じとし、ガラス基板
5の材質は、第1実施例における基層35aと同じもの
とした。
【0145】次に、本実施例の効果について説明する。
【0146】本実施例によれば、平滑板50の表面が、
樹脂13Sとの密着性に劣る離型層50bにて構成され
ており、加圧工程等においてはこの離型層50b上に金
属電極12,…が形成されると共に樹脂13Sが接触す
るようになっている。したがって、剥離工程においては
平滑板50を容易に剥離させることが可能で、ガラス基
板5の剥離不良(ガラス基板5と金属電極12,…とが
剥離したり、ガラス基板5と樹脂13Sとが剥離したり
すること)が低減された。このため、液晶パネルの製造
歩留りが向上され、液晶パネルの製造コストが低減され
た。
【0147】また、離型層50bを薄く形成したため、
樹脂13Sの表面及び金属電極表面12a,…によって
形成される面(図7(h) における下側の面)の平滑度も
良好となり、金属電極12,…と透明電極6,…との接
触不良等を防止できた。
【0148】さらに、本実施例によれば、上述した第1
実施例と同様の効果が得られた。
【0149】すなわち、金属電極12,…を厚くして
も、セル厚が不均一になって表示品質が劣化することが
防止され、また、電圧波形の遅延を解消することにより
高精細化に対応可能な大面積の液晶パネルを得ることが
できた。さらに、透明電極6,…を厚く形成する必要が
なく、透明電極6,…の透過率が下がって該電極が認識
されてしまうこともなかった。
【0150】一方、金属電極12,…と透明電極6,…
との導通性が良好に確保され、製造された液晶パネルも
表示品質が良好なものとなった。また、金属電極12,
…の表面を粗くする必要が無くセル厚を均一にでき、そ
の結果、配向ムラが解消されて表示品質も良好になる。
【0151】ついで、本発明の第3実施例について、図
8に沿って説明する。
【0152】本実施例においては、密着層付きガラス基
板35を用いた以外は、上記第2実施例と同様の方法で
液晶パネルを製造した。
【0153】次に、本実施例の効果について説明する。
【0154】本実施例によれば、ガラス基板35と樹脂
13S等との密着性を密着層35bによって確保し、平
滑板50を、その離型層50bによって剥離し易くして
いる。したがって、剥離工程での剥離不良をより一層低
減でき、製品歩留りがより一層向上された。
【0155】また、本実施例によれば、上述した実施例
と同様の効果が得られる。
【0156】すなわち、金属電極12,…を厚くして
も、セル厚が不均一になって表示品質が劣化することが
防止された。また、電圧波形の遅延が解消され、高精細
化に対応可能な大面積の液晶パネルを得ることができ
た。さらに、透明電極6,…を厚く形成する必要がな
く、透明電極6,…の透過率が下がって該電極が認識さ
れてしまうこともない。
【0157】一方、金属電極12,…と透明電極6,…
との導通性が良好に確保され、製造された液晶パネルも
表示品質が良好なものとなった。また、金属電極12,
…の表面を粗くする必要が無くセル厚を均一にでき、そ
の結果、配向ムラが解消されて表示品質も良好になる。
【0158】ついで、本発明の第4実施例について、図
9に沿って説明する。
【0159】本実施例においては、図9(d) に示すガラ
ス基板(基板)60を、十分に洗浄して用いた。このガ
ラス基板60は、ガラス加工用の粗摺り用の砂(砂の種
類はJIS規格で600〜800番のもの)で摺り加工
を施して粗面化部分60aを形成し、その表面粗さを数
μm〜数10μmとした。また、このガラス基板60に
おける、粗面化部分60aと反対側の面は、平滑板21
と同程度の粗さとした。
【0160】また、加圧工程においては、加圧力を50
0kg、加圧時間を3分間とし、ガラス基板60が金属電
極12,…に突き当たって基板全体が均一に加圧される
ようにした。さらに、プレス機25の金属製上下板25
a,25bは、厚さを50mmとし、平面度を1μm以下
とし、ガラス基板60や平滑板21が変形したり破壊さ
れたりしないようにした。
【0161】次に、本実施例の効果について説明する。
【0162】本実施例によれば、ガラス基板60と樹脂
13S等との密着性を粗面化部分60aによって確保し
ているため、剥離工程での剥離不良をより一層低減で
き、製品歩留りがより一層向上された。
【0163】また、本実施例によれば、上述した第1実
施例と同様の効果が得られる。
【0164】すなわち、金属電極12,…を厚くして
も、セル厚が不均一になって表示品質が劣化することが
防止された。また、電圧波形の遅延が解消され、高精細
化に対応可能な大面積の液晶パネルを得ることができ
た。さらに、透明電極6,…を厚く形成する必要がな
く、透明電極6,…の透過率が下がって該電極が認識さ
れてしまうこともない。
【0165】一方、金属電極12,…と透明電極6,…
との導通性が良好に確保され、製造された液晶パネルも
表示品質が良好なものとなる。また、金属電極12,…
の表面を粗くする必要が無くセル厚を均一にでき、その
結果、配向ムラが解消されて表示品質も良好になる。
【0166】ついで、本発明の第5実施例について、図
10に沿って説明する。
【0167】本実施例においては、金属電極層71を高
温スパッタ法によって形成し、該電極層71の表面粗さ
を1000〜3000Åとした。また、金属電極層71
の材質をアルミニウムとし、膜厚を2μmとし、スパッ
タ温度を200℃とした。
【0168】それ以外の構成は、第1実施例と同様とし
た。
【0169】次に、本実施例の効果について説明する。
【0170】本実施例によれば、金属電極表面72a,
…は粗面化されていると共にガラス基板35はその表面
に密着層35bを有しているため、金属電極72,…並
びに樹脂13Lとガラス基板35との密着性が向上され
る。したがって、剥離工程において剥離不良が低減さ
れ、製品歩留りがさらに向上される。
【0171】また、本実施例によれば、上述した実施例
と同様の効果が得られる。
【0172】すなわち、金属電極72,…を厚くして
も、セル厚が不均一になって表示品質が劣化することが
防止され、また、電圧波形の遅延を解消することにより
高精細化に対応可能な大面積の液晶パネルを得ることが
できる。さらに、透明電極6,…を厚く形成する必要が
なく、透明電極6,…の透過率が下がって該電極が認識
されてしまうこともない。
【0173】一方、金属電極72,…と透明電極6,…
との導通性が良好に確保され、製造された液晶パネルも
表示品質が良好なものとなる。
【0174】ついで、本発明の第6実施例について、図
11に沿って説明する。
【0175】本実施例においては、第1電極形成工程に
おいて、蒸着法によってアルミニウム膜を2μmの厚さ
に成膜した。また、金属電極12,…は、線幅を20μ
mとし、ピッチを100μmとした。
【0176】さらに、スペーサ部材90にはテフロン製
の粘着テープ状のものを使用し、幅を8mmとし、厚さを
20μmとした。なお、このスペーサ部材90の接着に
際しては、空気を巻き込まないように注意した。
【0177】また、樹脂モノマー13Lには、エポキシ
系のUV樹脂モノマー(品名3112:スリーボンド社
製)を使用し、その滴下量は、1枚の基板当たり1.5
mlとした。
【0178】さらに、ガラス基板35の密着層35bの
形成には、シランカップリング剤(A−174:日本ユ
ニカー株式会社製)をイソプロピールアルコールで10
0倍(重量比)に希釈した溶液を用い、この溶液を基層
35a(サイズ;100mm×100mm×1.1mm)の表
面にスピンコートし、さらにオーブンに入れて120℃
の温度で20分間加熱する方法を採った。
【0179】また、加圧工程においては、加圧力を10
0kgとして密着層35bがスペーサ部材90に突き当た
るようにし、加圧時間を3分間とした。さらに、金属製
上下板25a,25bには、表面平面度が1μm以下に
仕上げられ、かつ厚さが50mmのものを用い、ガラス基
板35や配線基板32が変形したり破壊されたりしない
ようにしている。
【0180】さらに、樹脂硬化工程においては、キセノ
ンランプを用いてUV光を照射して樹脂モノマー13L
を硬化させることとした。なお、このUV光は、その照
射エネルギーを10mW/cm2 とし、照射時間を5分間
とした。
【0181】次に、本実施例の効果について説明する。
【0182】本実施例によれば、剥離工程におけるガラ
ス基板35の剥離がより一層防止され、液晶パネルの製
造歩留りがさらに向上され、液晶パネルの製造コストが
さらに低減された。
【0183】また、剥離工程終了後に、テフロンのスペ
ーサ部材90がガラス基板35側に付着しているものも
見られなかった。
【0184】さらに、樹脂13S表面は金属電極12,
…と共に平滑な面を形成しており、製造された液晶パネ
ルの表示品質も良好であった。
【0185】また、金属電極12,…を厚くしてもセル
厚が不均一とならず、表示品質の劣化が防止された。さ
らに、電圧波形の遅延を解消することにより高精細化に
対応可能な大面積の液晶パネルを得ることができた。
【0186】一方、透明電極6,…を厚く形成する必要
がなく、透明電極6,…の透過率が下がって該電極が認
識されてしまうこともない。また、金属電極12,…と
透明電極6,…との導通性が良好に確保され、製造され
た液晶パネルも表示品質が良好なものとなる。
【0187】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
樹脂は、第1電極相互の間隙に埋設されて該第1電極と
共に平滑な面を形成する。したがって、該第1電極を厚
くしても、セル厚が不均一になって表示品質が劣化する
ことが防止され、しかも、該第1電極を厚くすることに
よって電圧波形の遅延の問題の無い、高精細かつ大面積
の液晶素子を得ることができる。この効果は、特に前記
第1電極を金属電極とした場合に顕著である。
【0188】また、本発明によれば、前記樹脂は、前記
第1電極が板状部材の表面に形成され密着された状態で
供給され硬化される。したがって、この板状部材が剥離
されて露出された第1電極の表面には樹脂は付着されて
おらず、この表面に第2電極を形成することにより、前
記第1電極と前記第2電極との導通性が良好に確保さ
れ、製造された液晶素子も表示品質が良好なものとな
る。
【0189】ところで、上述したように、第1電極と第
2電極との導通性を確保すべく第1電極の表面(第2電
極の形成される表面)を粗くした場合には、セル厚が不
均一となって表示品質が劣化してしまうという問題があ
ったが、本発明によれば、該導通性が良好に確保される
ことから前記第1電極の表面を粗くする必要が無く、セ
ル厚を均一にできる。このため、配向ムラが解消され
て、表示品質も良好になる。
【0190】一方、前記基板の表面に、前記樹脂との密
着性に富む密着層を形成すると共に、前記樹脂を、前記
密着層に接触させた状態で硬化させた場合には、硬化さ
れた樹脂と前記基板との密着性が向上され、剥離工程に
おける前記基板の剥離が防止される。このため、液晶素
子の製造歩留りが向上され、液晶素子の製造コストが低
減される。なお、この密着層は、前記樹脂との密着性が
良好な樹脂薄膜によって構成しても良く、前記基板の表
面に形成された粗面化部分であっても良い。また、前記
第1電極の表面を所定の粗さ(例えば、1000〜20
00Åの範囲内の粗さ)に設定して、該第1電極の表面
と前記基板との密着性を良好にしても良い。
【0191】さらに、前記第1電極よりも厚いスペーサ
部材を前記平滑な板状部材の表面に形成した場合には、
加圧工程を実施しても、前記第1電極と前記基板との間
に均一厚さの隙間を確保でき、該隙間に樹脂を充填でき
る。したがって、この状態で樹脂硬化工程を実施した場
合には、樹脂と前記基板との接触面積が大きくなってそ
れらの密着性が向上され、剥離工程における前記基板の
剥離が防止される。このため、液晶素子の製造歩留りが
向上され、液晶素子の製造コストが低減される。
【0192】この場合、前記スペーサ部材が所定の弾性
を有すると共に、加圧工程と樹脂硬化工程とを同時に実
施するようにした場合には、樹脂が硬化時にその厚さ方
向に収縮したとしても、前記スペーサ部材が弾性変形さ
れて、前記樹脂と前記基板との密着状態は維持される。
したがって、該樹脂の表面(前記板状部材側の表面)に
おけるヒケの発生が防止され、該樹脂表面は前記第1電
極と共に平滑な面を形成する。このため、製造された液
晶素子は、表示品質の良好なものとなる。
【0193】また、前記スペーサ部材における少なくと
も前記基板に接する側の表面を、テフロンによって形成
した場合には、前記スペーサ部材の前記基板からの剥離
が容易となり、剥離不良を防止できる。
【0194】一方、前記板状部材の表面を、前記樹脂と
の密着性に劣る離型層にて構成した場合には、剥離工程
における前記板状部材の剥離を容易にできる。このた
め、前記基板の剥離不良が低減されて、液晶素子の製造
歩留りが向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の液晶パネルの構造の一例を示す断面図。
【図2】従来の液晶パネルの構造の他の例を示す断面
図。
【図3】液晶パネルの製造方法を説明するための模式
図。
【図4】従来の問題点を説明するための図。
【図5】従来の問題点を説明するための図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る液晶パネルの
製造方法を説明するための模式図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る液晶パネルの
製造方法を説明するための模式図。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る液晶パネルの
製造方法を説明するための模式図。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る液晶パネルの
製造方法を説明するための模式図。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係る液晶パネル
の製造方法を説明するための模式図。
【図11】本発明の第6の実施の形態に係る液晶パネル
の製造方法を説明するための模式図。
【図12】本発明の第6の実施の形態の効果を説明する
ための図。
【符号の説明】
5 ガラス基板(基板) 6,… 透明電極(第2電極) 12,… 金属電極(第1電極) 13S 樹脂 21 転写基板(平滑な板状部材) 35 ガラス基板(基板) 35b 密着層(樹脂薄膜) 50 転写基板(平滑な板状部材) 50b 離型層 60 ガラス基板 60a 粗面化部分(密着層) 90 スペーサ部材 P2 液晶パネル(液晶素子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳永 博之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に複数の第1電極を配置する
    と共に、これら複数の第1電極相互の間隙に樹脂を埋設
    する液晶素子の製造方法において、 前記複数の第1電極を、前記基板とは別の平滑な板状部
    材の表面に形成する第1電極形成工程と、 前記板状部材における前記第1電極を形成した面に、流
    動性を有する樹脂を供給する樹脂供給工程と、 前記板状部材における前記第1電極を形成した面に前記
    基板を押し付けて、前記複数の第1電極相互の間隙に前
    記樹脂を充填する加圧工程と、 前記第1電極相互の間隙に充填された樹脂を硬化させる
    樹脂硬化工程と、 前記第1電極並びに前記硬化された樹脂から前記板状部
    材を剥離させる剥離工程と、 該剥離することにより現れる前記第1電極の表面に第2
    電極を形成する第2電極形成工程と、 を備えた液晶素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基板が、前記樹脂との密着性に富む
    密着層を表面に有し、 前記加圧工程にて、前記密着層を前記樹脂に接触させた
    状態で加圧し、かつ、 前記基板と前記樹脂との密着性を良好にして、前記剥離
    工程にて前記第1電極並びに前記硬化された樹脂から前
    記板状部材を剥離させる、 ことを特徴とする請求項1記載の液晶素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記密着層が、前記樹脂との密着性が良
    好な樹脂薄膜により構成されてなる、 請求項2記載の液晶素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記密着層が、前記基板の表面に形成さ
    れた粗面化部分である、 ことを特徴とする請求項2記載の液晶素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1電極形成工程によって形成され
    る第1電極の表面が所定の粗さであり、かつ、 該第1電極の表面と前記基板との密着性を良好にして、
    前記剥離工程にて前記第1電極並びに前記硬化された樹
    脂から前記板状部材を剥離させる、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の
    液晶素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1電極形成工程によって形成され
    る第1電極の表面が、1000〜2000Åの範囲内の
    粗さである、 ことを特徴とする請求項5記載の液晶素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1電極よりも厚いスペーサ部材
    を、前記平滑な板状部材の表面に形成するスペーサ形成
    工程、を備え、 前記加圧工程にて、前記第1電極と前記基板との間に均
    一厚さの隙間を有する状態に加圧することにより、該隙
    間に前記樹脂を充填させ、かつ、 前記剥離工程にて、前記板状部材並びに前記スペーサ部
    材を前記樹脂並びに前記第1電極から剥離させる、 ことを特徴とする請求項1記載の液晶素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記スペーサ部材を所定の弾性を有する
    材料で形成すると共に、 前記樹脂硬化工程を、前記加圧工程と同時に、又は、前
    記加圧工程実施後に実施する、 ことを特徴とする請求項7記載の液晶素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記スペーサ形成工程を前記第1電極形
    成工程と前記樹脂供給工程との間に実施する、 ことを特徴とする請求項7又は8記載の液晶素子の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記スペーサ部材は、少なくとも前記
    基板に接する側の表面がテフロンによって形成された、 ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項記載の
    液晶素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記板状部材が、前記樹脂との密着性
    に劣る離型層を表面に有し、 前記第1電極形成工程にて、前記複数の第1電極を前記
    離型層の表面に形成し、かつ、 前記剥離工程にて前記板状部材の剥離を容易にする、 ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載
    の液晶素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第1電極が金属製であり、かつ、
    前記第2電極が透明である、 ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項記載
    の液晶素子の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4770852A (en) * 1985-07-16 1988-09-13 Terumo Kabushiki Kaisha Hollow fiber membrane for an artificial lung
KR100807922B1 (ko) 2005-03-07 2008-02-27 샤프 가부시키가이샤 액정 표시 장치
JP2017147364A (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 株式会社東芝 半導体モジュール

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