JPH1090058A - 光センサ回路 - Google Patents

光センサ回路

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JPH1090058A
JPH1090058A JP8239503A JP23950396A JPH1090058A JP H1090058 A JPH1090058 A JP H1090058A JP 8239503 A JP8239503 A JP 8239503A JP 23950396 A JP23950396 A JP 23950396A JP H1090058 A JPH1090058 A JP H1090058A
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宏 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残像現象の発生を防止し、高感度でダイナミ
ックレンジが広い光センサ回路を提供する。 【解決手段】 タイマ手段4、切替手段5を備えた初期
設定手段2と、フォトダイオードPD、このフォトダイ
オードPDに直列に接続されたnチャネルMOSトラン
ジスタQ1、フォトダイオードPDとnチャネルMOS
トランジスタQ1の接続点P(センサ検出端子)にゲー
トが接続されたnチャネルMOSトランジスタQ2、n
チャネルMOSトランジスタQ2と直列に接続されたn
チャネルMOSトランジスタQ3、コンデンサCを備え
た光センサ3と、から構成する光センサ回路1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、照度に応じたセ
ンサ出力を検出する光センサ回路に係り、特にダイナミ
ックレンジが広く、感度が高い光センサ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光センサ回路において、照度(光
信号)に対応したセンサ電流を検出するフォトダイオー
ド(PD)と、フォトダイオードが検出したセンサ電流
に応じて線形特性の検出電圧に変換する抵抗負荷Rとを
備え、照度(光信号)をセンサ出力として電圧で検出す
るものは知られている。
【0003】図8に従来の一般的な光センサ回路構成図
を示す。図8において、一般的な光センサ回路は、フォ
トダイオードPD、演算増幅器OP、抵抗器Rを基本構
成とし、フォトダイオードPDは光信号LSの照度に比
例したセンサ電流IDに変換し、演算増幅器OPでセン
サ電流IDを抵抗器Rを負荷として所定ゲイン増幅し、
センサ電流IDに比例したセンサ出力(検出電圧VD)を
出力することにより、フォトダイオードPDで検出した
光信号LSに対応した検出電圧VDを線形(リニア)特性
で検出する。
【0004】また、従来の光センサ回路において、照度
(光信号)に対応したセンサ電流を検出するフォトダイ
オード(PD)と、フォトダイオードが検出したセンサ
電流に応じて対数特性の検出電圧に変換するMOSトラ
ンジスタとを備え、照度(光信号)をセンサ出力として
電圧で検出するものは知られている。
【0005】図9に従来の光センサ回路構成図を示す。
図9において、従来の光センサ回路10は、フォトダイ
オードPD、このフォトダイオードPDに直列に接続さ
れたnチャネルMOSトランジスタQ1、フォトダイオ
ードPDとnチャネルMOSトランジスタQ1の接続点
P(センサ検出端子)にゲートが接続されたnチャネル
MOSトランジスタQ2、nチャネルMOSトランジス
タQ2と直列に接続されたnチャネルMOSトランジス
タQ3から構成される。
【0006】また、接続点Pには、フォトダイオードP
D、nチャネルMOSトランジスタQ1、nチャネルM
OSトランジスタQ2およびこれらの部品を相互に接続
する配線等によって生じる浮遊容量の合成された等価コ
ンデンサC、または半導体製造プロセスで形成されたコ
ンデンサ等が接続される。
【0007】フォトダイオードPDは、光信号LSを検
出し、光信号LSの照度に比例したセンサ電流IDに変換
する。
【0008】nチャネルMOSトランジスタQ1は、フ
ォトダイオードPDの負荷を形成し、フォトダイオード
PDで検出したセンサ電流IDを電圧に変換してセンサ
検出端子Pに検出電圧VDを発生する。
【0009】また、nチャネルMOSトランジスタQ1
は、センサ電流IDが小さな範囲の弱反転状態で対数特
性を有するMOSトランジスタ負荷を形成し、フォトダ
イオードPDで検出したセンサ電流IDを対数特性を有
する検出電圧VDに変換し、センサ電流IDが数桁変化し
ても対数処理を行い、入力に対する出力のダイナミック
レンジを広くすることができる。
【0010】nチャネルMOSトランジスタQ2は、出
力トランジスタを形成し、検出電圧VDをセンサ電流信
号として光センサ回路10の外部に取り出すために電圧
−電流変換を行う。
【0011】nチャネルMOSトランジスタQ3は、n
チャネルMOSトランジスタQ2で変換されたセンサ電
流信号を外部回路に接続または切断するためのスイッチ
を形成する。
【0012】次に、従来の光センサ回路10の動作につ
いて説明する。nチャネルMOSトランジスタQ1のド
レインDおよびゲートGは共通の電源VD(例えば、5
V)に接続されており、光信号LSが検出されない状態
(フォトダイオードPDが不動作状態)では、電源VD
からnチャネルMOSトランジスタQ1を介して充電電
流IJがコンデンサCに流れ、コンデンサCが充電され
てセンサ検出端子Pの検出電圧VDは電源VDに近い所
定値までしか上昇せず、この所定値はフォトダイオード
PDが光信号LSを検出していない初期状態となる。
【0013】なお、初期状態における検出電圧VDの所
定値は、コンデンサCが充電されてセンサ検出端子Pの
検出電圧VDが上昇して電源VDに近付くにつれて、n
チャネルMOSトランジスタQ1のゲートG−ソースS
間の電圧VGS(ドレインD−ソースS間の電圧VDSと同
じ値)が低下し、ドレインD−ソースS間のインピーダ
ンスが急激に増加するために充電電流IJが減少してし
まい、電源VDより小さな値に設定される。
【0014】光センサ10の初期状態から、フォトダイ
オードPDが光信号LSを検出すると、フォトダイオー
ドPDにセンサ電流IDが流れ、センサ検出端子Pの検
出電圧VDは光信号LSの増加に対応してnチャネルMO
SトランジスタQ1のドレインD−ソース間のインピー
ダンスに対応した対数特性で減少し、所定値よりも低下
していく。
【0015】フォトダイオードPDのセンサ電流ID
光信号LSに比例し、一方、センサ検出端子Pの検出電
圧VDはセンサ電流IDに対数特性を有するドレインD−
ソース間のインピーダンスを乗算した値なので、検出電
圧VDの絶対値を検出することにより、光信号LSを検出
することができる。
【0016】図10に従来の光センサ回路のセンサ電流
D−検出電圧VD特性図を示す。図10において、光セ
ンサ回路10の初期状態に近い(センサ電流ID=10-
12A)の検出電圧VDの所定値は、例えば4.5Vであ
り、センサ電流IDが5桁増加した10-7A(センサ電
流ID=10-7A)では、検出電圧VDは4.2Vとな
る。
【0017】このように、従来の光センサ回路10は、
光信号LSの5桁(10万倍)の変化を検出電圧VD
0.3Vの範囲で検出することができるため、光信号LS
入力に対してダイナミックレンジの広い光センサ回路を
構成することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】図8に示す従来の一般
的な光センサ回路は、光信号LSに対応した検出電圧VD
を線形(リニア)特性で検出するため、検出対象とする
光信号LSのレンジが広範囲(例えば、5桁)に亘る場
合には、検出電圧VDが電源電圧で制限されて飽和し、
光センサのダイナミックレンジが広くできない課題があ
る。
【0019】また、図9に示す従来の光センサ回路10
は、フォトダイオードPDが光信号LSを検出しなくな
った場合、フォトダイオードPDが遮断され、コンデン
サCには充電電流IJが流れてセンサ検出端子Pの検出
電圧VDは上昇していくが、既に説明したnチャネルM
OSトランジスタQ1のドレインD−ソースS間のイン
ピーダンスが急激に増加して所定値(図10参照)以上
は増加しなくなる。
【0020】図11に従来の光センサ回路の時間t−検
出電圧VD特性図を示す。図11において、検出電圧VD
はフォトダイオードPDが遮断されてから時間経過tに
対して所定値近傍までは急速に増加(検出電圧VD=4.
5V近傍)するが、それ以後は時間tが長く経過しても
検出電圧VDは、所定値4.5V以上に増加しなくなる。
【0021】光センサ回路を複数マトリクス状に配置し
た光センサ・アレーとして表示器に適用する場合、検出
電圧VDが所定値(4.5V)に到達する応答時間が遅い
ため、表示器には長時間の残像として表示される課題が
ある。
【0022】また、従来の光センサ回路10は、図10
に示すように、光信号LSが微小(センサ電流IS=10
-12〜10-11A)な範囲でも、検出電圧VDは対数特性
を示すため、微小光信号LSの最小検出レベル値が大き
な値となってセンサ感度が低下する課題がある。
【0023】さらに、従来の光センサ回路10は、ノイ
ズに対してnチャネルMOSトランジスタQ1およびコ
ンデンサCがピークホールド回路を形成し、振幅の大き
なノイズレベルを光信号LSとして誤検出し、信号/雑
音比(S/N比)が低下することによって検知できる照
度の下限を上昇させて感度低下を招く課題がある。
【0024】この発明はこのような課題を解決するため
なされたもので、その第1の目的は、S/N比が大き
く、微小光信号を検出することができる高感度でダイナ
ミックレンジの広い光センサ回路を提供することにあ
る。
【0025】また、第2の目的は、残像現象を発生しな
い光センサ回路を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係る光センサ回路は、光信号を電流で検出す
る光−電気変換手段と、この光−電気変換手段が検出し
たセンサ電流を弱反転状態で対数特性を有する検出電圧
に変換するnチャネルMOSトランジスタとを備え、光
信号を検出した後、nチャネルMOSトランジスタのゲ
ート電圧を所定時間だけ高い値に設定してドレイン−ソ
ース間のインピーダンスを低下させ、検出端子に接続さ
れたコンデンサの充電または放電を制御する初期設定手
段を備えたことを特徴とする。
【0027】この発明に係る光センサ回路は、光信号を
検出した後、nチャネルMOSトランジスタのゲート電
圧を所定時間だけ高い値に設定してドレイン−ソース間
のインピーダンスを低下させ、検出端子に接続されたコ
ンデンサの充電または放電を制御する初期設定手段を備
えたので、待機時の検出電圧の設定値を検出可能な最低
光信号レベルに対応する値よりも高い値に設定すること
ができ、残像現象の発生を防止することができる。
【0028】また、この発明に係る光センサ回路は、光
信号を電流で検出する光−電気変換手段と、この光−電
気変換手段が検出したセンサ電流を弱反転状態で対数特
性を有する検出電圧に変換するpチャネルMOSトラン
ジスタと、このpチャネルMOSトランジスタに並列に
接続されたスイッチング用のpチャネルMOSトランジ
スタとを備え、光信号を検出した後、スイッチング用の
pチャネルMOSトランジスタのゲート電圧を所定時間
だけ低い値に設定してドレイン−ソース間のインピーダ
ンスを低下させ、検出端子に接続されたコンデンサの充
電または放電を制御する初期設定手段を備えたことを特
徴とする。
【0029】この発明に係る光センサ回路は、スイッチ
ング用のpチャネルMOSトランジスタのゲート電圧を
所定時間だけ低い値に設定してドレイン−ソース間のイ
ンピーダンスを低下させ、検出端子に接続されたコンデ
ンサの充電または放電を制御する初期設定手段を備えた
ので、pチャネルMOSトランジスタで構成しても、n
チャネルMOSトランジスタで構成した場合と同様に、
待機時の検出電圧の設定値を検出可能な最低光信号レベ
ルに対応する値よりも高い値に設定することができ、残
像現象の発生を防止することができる。
【0030】さらに、この発明に係る光センサ回路は、
光−電気変換手段のセンサ電流が微小電流の場合には、
コンデンサの放電電流に比例した検出電圧を検出する線
形応答領域を備えるとともに、光−電気変換手段のセン
サ電流が大電流の場合には、MOSトランジスタの負荷
特性に対応した対数特性を有する検出電圧を検出する対
数応答領域を備えることを特徴とする。
【0031】この発明に係る光センサ回路は、光−電気
変換手段のセンサ電流が微小電流の場合には、コンデン
サの放電電流に比例した検出電圧を検出する線形応答領
域を備えるとともに、光−電気変換手段のセンサ電流が
大電流の場合には、MOSトランジスタの負荷特性に対
応した対数特性を有する検出電圧を検出する対数応答領
域を備えたので、微小光信号を線形応答領域で検出する
ことができ、微小光信号を精度よく検出してダイナミッ
クレンジを広くすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る光セ
ンサ回路構成図である。なお、図1の光検出回路は、n
チャネルMOSトランジスタを採用し、浮遊容量、また
は半導体製造プロセスで形成されたコンデンサ等はセン
サ検出端子Pと接地(GND)間に配置された場合の構
成例を示す。図1において、光センサ回路1は、初期設
定手段2と、光センサ3とから構成する。
【0033】初期設定手段2は、タイマ手段、切替手段
で構成し、光センサ3の動作期間と待機期間とで、それ
ぞれ異なる値のゲート電圧VGを光センサ3のnチャネ
ルMOSトランジスタQ1のゲートGに供給するよう構
成する。
【0034】図2はこの発明に係る初期設定手段の要部
ブロック構成図である。図2において、初期設定手段2
は、タイマ手段4、切替手段5を備える。タイマ手段4
はタイマ等の計時手段で構成し、光センサ3が光信号L
Sを検出可能な時間T1と待機時間T2とを周期T(=
T1+T2)としたタイマ信号TSを切替手段5に提供
する。
【0035】切替手段5は、例えば電子スイッチで構成
し、タイマ手段4から供給されるタイマ信号TSに基づ
いてnチャネルMOSトランジスタQ1のドレイン電圧
VD、またはドレイン電圧VDよりも充分高い値の電圧
VHを選択し、ドレイン電圧VDまたは電圧VHのいず
れかをゲート電圧VGとしてnチャネルMOSトランジ
スタQ1のゲートGに供給する。
【0036】なお、ゲート電圧VGは、タイマ信号TS
が光信号LSを検出可能な時間T1にはドレイン電圧V
Dに設定し、タイマ信号TSが待機時間T2には電圧V
Hに設定する。
【0037】図3はこの発明に係る初期設定手段のタイ
マ信号TSおよびゲート電圧VGタイムチャートであ
る。図3において、タイマ手段4は、光信号LSを検出
可能な比較的長い時間T1の期間には、例えばHレベル
のタイマ信号TSを出力し、短い待機時間T2の期間に
はLレベルのタイマ信号TSを切替手段5に供給する。
【0038】切替手段5は、Hレベルのタイマ信号TS
が出力される期間(時間T1)には、ドレイン電圧VD
を選択してドレイン電圧VDに等しいゲート電圧VGを
出力する。
【0039】一方、切替手段5は、Lレベルのタイマ信
号TSが出力される期間(時間T2)には、ドレイン電
圧VDよりも充分高い値の電圧VHを選択してゲート電
圧VGとして出力する。
【0040】時間T1のドレイン電圧VDおよび時間T
2の電圧VHで形成されるゲート電圧VGは周期T(=
T1+T2)で繰返して出力し、光センサ3の動作を制
御する。
【0041】光センサ3は、光−電気変換手段は、例え
ばフォトダイオードPDで構成した例をであり、nチャ
ネルMOSトランジスタQ1のゲートGを初期設定手段
2に接続する以外は、図9に示す光センサ回路10と全
く同じ構成を有する。
【0042】なお、光−電気変換手段は、フォトダイオ
ードの他に、例えばフォトトランジスタ、MOSトラン
ジスタ等で構成してもよい。また、光センサ3の出力お
よびスイッチにnチャネルMOSトランジスタQ2、Q
3を用いたが、nチャネルMOSトランジスタに限定す
ることなく出力およびスイッチを形成する素子であれば
よい。
【0043】次に、光センサ回路1の動作について説明
する。図3に示す光信号LSを検出可能な時間T1から
待機時間T2に切り替ると、初期設定手段2からnチャ
ネルMOSトランジスタQ1のゲートGにドレイン電圧
VDよりも充分高い電圧VHがゲート電圧VGとして供
給されるため、nチャネルMOSトランジスタQ1のド
レインD−ソースS間のインピーダンスは低抵抗となっ
て、コンデンサCは急速に充電され、センサ検出端子P
の検出電圧VDOは、T2期間内に電源VD(例えば、ド
レイン電圧VD=5V)にほぼ等しい値(例えば、4.
95V)まで上昇する。
【0044】図4はこの発明に係る光センサ回路の時間
t−検出電圧VDO特性図である。図4において、検出電
圧VDO(実線表示)は、短時間(1ms以内)の内に電
源VD(5V)に限りなく近い値まで上昇する。
【0045】待機期間T2の検出電圧VDO(実線表示)
は、従来の光センサ回路10の検出電圧VD(破線表
示)よりも高い値(偏差ΔVD=VDO−VD)に初期設定
される。
【0046】したがって、光信号LSを検出可能な時間
T1から待機時間T2に切り替ると、検出電圧VDOは直
ちに電源VD(5V)に限りなく近い値まで上昇し、検
出電圧VDOを光信号LSの最小検出レベルに対応した値
よりも大きな値に設定することができるので、従来の光
検出回路のように、検出電圧VDの初期設定電圧が低く
て光信号LSの最小検出レベル範囲内にあることに起因
する残像を発生しない。
【0047】また、光信号LSを検出可能な時間T1に
おいて、コンデンサCの積分作用によってノイズが平均
化されるため、ノイズレベルに急俊な変化があっても、
光センサ回路1は、ノイズを光信号LSとして検出しな
いため、信号/雑音(S/N)比の高いセンサを構成す
ることができる。
【0048】この状態から、図3に示す光信号LSを検
出可能な時間T1に移行すると、初期設定手段2からn
チャネルMOSトランジスタQ1のゲートGにドレイン
電圧VDが供給されてドレインD−ソースS間のインピ
ーダンズが高いため、光信号LSが微小でセンサ電流ID
も小さい範囲では、センサ電流IDはnチャネルMOS
トランジスタQ1から供給される電流よりもコンデンサ
Cから放電される放電電流ILが支配的となる。
【0049】したがって、センサ検出端子Pの検出電圧
DOは、放電電流ILに比例して減少し、線形領域を形
成する。
【0050】光信号LSが増加してフォトダイオードP
Dのセンサ電流IDが増加すると、センサ電流IDはMO
SトランジスタQ1から供給される電流が支配的とな
り、センサ検出端子Pの検出電圧VDOは、nチャネルM
OSトランジスタQ1の負荷特性に対応した対数特性の
値を示す対数領域を形成しながら減少する。
【0051】図5はこの発明に係る光センサ回路のセン
サ電流ID−検出電圧VDO特性図である。図5におい
て、検出電圧VDOは、センサ電流IDが微小範囲ではコ
ンデンサCの放電電流ILに比例した線形領域を形成
し、センサ電流IDが大きくなる範囲ではMOSトラン
ジスタQ1の負荷特性に対応した対数領域を形成する。
【0052】なお、nチャネルMOSトランジスタQ1
のゲート電圧VGを常時ドレイン電圧VDに設定した従
来の光センサ回路は、センサ電流IDが微小範囲でも線
形領域を形成せず、検出電圧VD(破線)で表わされる
対数領域を形成する。
【0053】図5において、検出電圧VDOの非線形領域
から線形領域への切り替わりは、フォトダイオードPD
に流れるセンサ電流IDとnチャネルMOSトランジス
タQ1に流れる電流が等しくなった点(図5ではセンサ
電流ID=10-11Aに相当)であり、この電圧を負荷を
形成するnチャネルMOSトランジスタQ1の負荷MO
S制限電圧と呼ぶ。
【0054】なお、図1に示す光センサ回路1は、通常
マトリクス状に複数配置した表示アレーとして表示器に
適用するものである。
【0055】したがって、本発明の光センサ回路は、従
来の光センサ回路と比較して微小センサ電流ID領域で
検出電圧VDOの変化が大きいため、微小光信号LSに対
する検出分解性能が高く、センサの感度を高くすること
ができる。
【0056】また、微小センサ電流IDの検出電圧VDO
の範囲を広くすることができるので、ダイナミックレン
ジを広くすることができる。
【0057】さらに、ノイズを平均化することができる
ので、S/N比を高くすることができる。
【0058】図6はこの発明に係るnチャネルMOSト
ランジシタを用いた光センサ回路の別要部構成図であ
る。なお、図6の光検出回路は、浮遊容量、または半導
体製造プロセスで形成されたコンデンサ等はセンサ検出
端子Pと電源(VD)間に配置された場合の構成例を示
す。
【0059】図3に示す光信号LSを検出可能な時間T
1から待機時間T2に切り替ると、nチャネルMOSト
ランジスタQ1はオン状態となってドレインD−ソース
S間のインピーダンスは低抵抗値となるため、コンデン
サC1からnチャネルMOSトランジスタQ1のドレイ
ンD−ソースSを介して放電電流IHOが流れ、検出電圧
DOは図4に示す特性と同様に、電源VD(例えば、ド
レイン電圧VD=5V)にほぼ等しい値(例えば、4.
95V)まで上昇する。
【0060】この状態から検出可能な時間T1(図3参
照)に切り替ると、センサ電流IDが微小な線形領域で
は、コンデンサC1を介してフォトダイオードPDに流
れる充電電流ILが支配的となり、センサ電流IDが大き
な非線形領域では、nチャネルMOSトランジスタQ1
を流れる電流が支配的となって図5の特性となる。
【0061】このように、コンデンサC1をセンサ検出
端子Pと電源(VD)間に配置しても、図1のコンデン
サCをセンサ検出端子Pと接地(GND)間に配置した
光センサ回路1と同様な特性が得られる。
【0062】図7はこの発明に係るpチャネルMOSト
ランジシタを用いた光センサ回路の要部構成図である。
なお、図7の光センサ回路は、図1に示す光センサ回路
1のnチャネルMOSトランジスタQ1に代えて2個の
pチャネルMOSトランジスタQ5、Q6で構成した
点、および図1に示す初期設定手段2のゲート電圧VG
を電圧VHに代えて低い値の電圧VLに変更した点が異
なる。
【0063】図7において、フォトダイオードPDの負
荷を形成するpチャネルMOSトランジスタQ5と、p
チャネルMOSトランジスタQ5に並列に接続されたス
イッチング用のpチャネルMOSトランジスタQ6で、
図1に示すnチャネルMOSトランジスタQ1に相当す
る負荷を形成し、スイッチング用のpチャネルMOSト
ランジスタQ6のゲートGには、初期設定手段2からソ
ース電圧に相当する電圧VD、または充分低い電圧VL
をゲート電圧VGとして選択的に供給する。
【0064】例えば、図3に示す光信号LSを検出可能
な時間T1には、ソース電圧に相当する電圧VDを供給
してpチャネルMOSトランジスタQ6をオフ状態に保
ち、待機時間T2には、ドレイン電圧よりも充分低い電
圧VLを供給してpチャネルMOSトランジスタQ6を
オン状態に保つ。
【0065】したがって、光信号LSを検出可能な時間
T1間には、pチャネルMOSトランジスタQ5は図1
のnチャネルMOSトランジスタQ1と同様に対数特性
を有する負荷を形成し、待機時間T2には、pチャネル
MOSトランジスタQ6がオンとなりソースS−ドレイ
ンD間のインピーダンスは低抵抗となるので、図1の光
センサ回路1と同じ特性を実現することができる。
【0066】このように、pチャネルMOSトランジス
タで構成しても、nチャネルMOSトランジスタで構成
した場合と同様に、待機時の検出電圧の設定値を検出可
能な最低光信号レベルに対応する値よりも高い値に設定
することができ、残像現象の発生を防止することができ
る。
【0067】また、図7において、コンデンサCの配置
を図6に示すように、コンデンサC1をセンサ検出端子
Pと電源(VD)間に配置しても、同様な特性を実現す
ることができる。
【0068】
【発明の効果】このように、この発明に係る光センサ回
路は、光信号を検出した後、nチャネルMOSトランジ
スタのゲート電圧を所定時間だけ高い値に設定してドレ
イン−ソース間のインピーダンスを低下させ、検出端子
に接続されたコンデンサの充電または放電を制御する初
期設定手段を備えたので、待機時の検出電圧の設定値を
検出可能な最低光信号レベルに対応する値よりも高い値
に設定することができ、残像現象の発生を防止すること
ができる。
【0069】また、この発明に係る光センサ回路は、ス
イッチング用のpチャネルMOSトランジスタのゲート
電圧を所定時間だけ低い値に設定してドレイン−ソース
間のインピーダンスを低下させ、検出端子に接続された
コンデンサの充電または放電を制御する初期設定手段を
備えたので、pチャネルMOSトランジスタで構成して
も、nチャネルMOSトランジスタで構成した場合と同
様に、待機時の検出電圧の設定値を検出可能な最低光信
号レベルに対応する値よりも高い値に設定することがで
き、残像現象の発生を防止することができる。
【0070】また、この発明に係る光センサ回路は、光
−電気変換手段のセンサ電流が微小電流の場合には、コ
ンデンサの放電電流に比例した検出電圧を検出する線形
応答領域を備えるとともに、光−電気変換手段のセンサ
電流が大電流の場合には、MOSトランジスタの負荷特
性に対応した対数特性を有する検出電圧を検出する対数
応答領域を備えたので、微小光信号を線形応答領域で検
出することができ、微小光信号を精度よく検出してダイ
ナミックレンジを広くすることができる。
【0071】さらに、この発明に係る光センサ回路は、
コンデンサの積分作用によってノイズを平均化できるの
で、信号/雑音(S/N)比を向上することができ、検
知できる照度の下限をより低下させて高感度化を実現す
ることができる。
【0072】よって、S/N比が高く、残像現象の発生
を防止し、高感度でダイナミックレンジが広い光センサ
回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るnチャネルMOSトランジシタ
を用いた光センサ回路構成図
【図2】この発明に係る初期設定手段の要部ブロック構
成図
【図3】この発明に係る初期設定手段のタイマ信号TS
およびゲート電圧VGタイムチャート
【図4】この発明に係る光センサ回路の時間t−検出電
圧VDO特性図
【図5】この発明に係る光センサ回路のセンサ電流ID
−検出電圧VDO特性図
【図6】この発明に係るnチャネルMOSトランジシタ
を用いた光センサ回路の別要部構成図
【図7】この発明に係るpチャネルMOSトランジシタ
を用いた光センサ回路の要部構成図
【図8】従来の一般的な光センサ回路構成図
【図9】従来の光センサ回路構成図
【図10】従来の光センサ回路のセンサ電流ID−検出
電圧VD特性図
【図11】従来の光センサ回路の時間t−検出電圧VD
特性図
【符号の説明】
1…光センサ回路、2…初期設定手段、3…光センサ、
4…タイマ手段、4…切替手段。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光信号を電流で検出する光−電気変換手
    段と、この光−電気変換手段が検出したセンサ電流を弱
    反転状態で対数特性を有する検出電圧に変換するnチャ
    ネルMOSトランジスタとを備え、光信号を検出する光
    センサ回路において、 光信号を検出した後、前記nチャネルMOSトランジス
    タのゲート電圧を所定時間だけ高い値に設定してドレイ
    ン−ソース間のインピーダンスを低下させ、検出端子に
    接続されたコンデンサの充電または放電を制御する初期
    設定手段を備えたことを特徴とする光センサ回路。
  2. 【請求項2】 光信号を電流で検出する光−電気変換手
    段と、この光−電気変換手段が検出したセンサ電流を弱
    反転状態で対数特性を有する検出電圧に変換するpチャ
    ネルMOSトランジスタと、このpチャネルMOSトラ
    ンジスタに並列に接続されたスイッチング用のpチャネ
    ルMOSトランジスタとを備え、光信号を検出する光セ
    ンサ回路において、 光信号を検出した後、前記スイッチング用のpチャネル
    MOSトランジスタのゲート電圧を所定時間だけ低い値
    に設定してドレイン−ソース間のインピーダンスを低下
    させ、検出端子に接続されたコンデンサの充電または放
    電を制御する初期設定手段を備えたことを特徴とする光
    センサ回路。
  3. 【請求項3】 前記光−電気変換手段のセンサ電流が微
    小電流の場合には、前記コンデンサの充電電流または放
    電電流に比例した検出電圧を検出する線形応答領域を備
    えるとともに、前記光−電気変換手段のセンサ電流が大
    電流の場合には、前記MOSトランジスタの負荷特性に
    対応した対数特性を有する検出電圧を検出する対数応答
    領域を備えることを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の光センサ回路。
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