JPH1089390A - 湿式ブレーキの自動調整機構 - Google Patents

湿式ブレーキの自動調整機構

Info

Publication number
JPH1089390A
JPH1089390A JP23881696A JP23881696A JPH1089390A JP H1089390 A JPH1089390 A JP H1089390A JP 23881696 A JP23881696 A JP 23881696A JP 23881696 A JP23881696 A JP 23881696A JP H1089390 A JPH1089390 A JP H1089390A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
brake
return
fixed side
sleeve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP23881696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3139535B2 (ja
Inventor
Shuichi Matsuba
秀一 松葉
Takahiro Hashimoto
隆浩 橋本
Chiharu Ueda
千晴 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP08238816A priority Critical patent/JP3139535B2/ja
Publication of JPH1089390A publication Critical patent/JPH1089390A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3139535B2 publication Critical patent/JP3139535B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でしかも安定した且つ信頼性の高
い湿式ブレーキの自動調整機構を提供することを目的と
する。 【解決手段】 ブレーキ板2を横方向から押圧してブレ
ーキ操作するべくピストン5をスライド自在に配設し、
このピストン5と固定側との間に、ブレーキ操作により
突出したピストン5をブレーキ操作前の状態に戻すべく
スプリング8を配設した湿式ブレーキの自動調整機構
で、ピストン5と固定側との間に、固定側あるいはピス
トン5に一体的にピン10を配設するとともに、このピ
ン10に対してスライド自在にスリーブ11を配設し、
且つ、ピン10に対して移動するピストン5あるいは固
定側とスリーブ11との間に、径方向に弾性作用を有す
るリング部材12を配設し、リング部材の弾性作用によ
りピストンの移動方向に作用する摩擦力の方がスプリン
グ8の戻し力より大きく且つピストンの押出し力より小
さくなるよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿式ブレーキの遊
隙量を自動的に一定に調節する自動調整機構に関する。
ここで、湿式ブレーキとは、狭義の概念でいうブレーキ
の他に、湿式のクラッチも含む概念をいう。
【0002】
【従来の技術】建設機械等のブレーキ容量の大きな機械
には、放熱性の点で優れ且つ安定している湿式ブレーキ
が採用されている。
【0003】この湿式ブレーキの場合にも、使用により
ブレーキ板が摩耗してくると、該ブレーキ板を側方から
押圧しているピストンが一定量移動しても、ブレーキの
利きが変化することから、上記ブレーキ板の摩耗量に合
わせてピストンとこれらブレーキ板との距離を適宜調整
するのが好ましい。
【0004】このような状況に対応するため、油圧式の
湿式ブレーキの場合には、ブレーキへ圧油を供給する油
圧回路に「オートアジャスタバルブ」と呼ばれるバルブ
を介装して、ブレーキ板の摩耗に拘りなく一定のブレー
キ操作によって常に一定のブレーキの利きが得られるよ
うにしているものもある。
【0005】しかしながら、上記「オートアジャスタバ
ルブ」は構造が複雑になることから、価格的にブレーキ
装置そのものが高価になってしまう。
【0006】このため、機械的にブレーキ板の摩耗に応
じてピストンの戻り位置を変更させて、ブレーキ板の摩
耗に拘りなく一定のブレーキ操作で常に一定のブレーキ
の利きが得られるようにした安価なものがある(実開昭
59−92228号)。
【0007】この機械式のブレーキ調整機構は、ピスト
ンの押圧動作に伴って一体に移動するガイドロッド(従
動子)を断頭円錐体を介して固定側に形成されている円
筒穴(保持手段)内を摺動する円筒体で保持し、上記円
筒体と断頭円錐体および該断頭円錐体とガイドロッドと
の間に発生する摩擦力と、上記ガイドロッドを戻す方向
に作用するスプリング力とのバランスを利用して、ブレ
ーキ板の摩耗した分だけピストンの停止位置を移動さ
せ、ブレーキ板の摩耗に拘りなく一定のブレーキ状態が
得られるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の場合には、円筒体と断頭円錐体との間、および断頭
円錐体とガイドロッドとの間の摩擦力が、微妙に変化す
ることから、例えば、摩擦接触している面の粗さが使用
により変化することに起因して上記摩擦力が変化し、ま
たこれら部品の寸法許容精度内でのバラツキ等により摩
擦力が大きく左右されることから、安定した且つ信頼性
の高いブレーキ調整機構が得難いという点、および構成
的に部品点数が多く複雑であることからブレーキ装置と
しての信頼性の点、さらには保守が煩雑になるという点
において技術的課題がある。
【0009】本発明はこのような現況に鑑みおこなわれ
たもので、簡単な構成でしかも安定した且つ信頼性の高
い湿式ブレーキの自動調整機構を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本請求項1記載の発明に
かかる湿式ブレーキの自動調整機構は、ブレーキ板を横
方向から押圧してブレーキ操作を奏させるべくピストン
を固定側にスライド自在に配設し、このピストンと固定
側との間に、ブレーキ操作により突出したピストンをブ
レーキ操作前の状態に戻すべくスプリング力による復帰
手段を配設した湿式ブレーキの自動調整機構であって、
上記ピストンと固定側との間に、固定側あるいはピスト
ンに一体的にピンをその長手方向がピストンの移動方向
に一致するよう配設するとともに、このピンに対してス
ライド自在にスリーブを配設し、且つ、上記ピンに対し
て移動するピストンあるいは固定側と、上記スリーブと
の間に、径方向に弾性作用を有するリング部材を配設
し、上記リング部材の弾性作用によりピストンの移動方
向に作用する摩擦力の方が上記復帰手段の戻し力より大
きく且つピストンの押出し力より小さくなるよう構成し
たことを特徴とする。
【0011】しかして、このように構成された湿式ブレ
ーキの自動調整機構によれば、ブレーキ操作をすると、
ピストンがブレーキ板を押圧してブレーキがかかり、ブ
レーキ操作が解除されると、ピストンはスプリング力に
よる復帰手段によって元の位置に戻る。そして、このよ
うな使用を繰り返して、ブレーキ板が摩耗して厚みが薄
くなってくると、上記摩耗した分だけピストンが余計に
突出するがその際に、リング部材によって弾性保持して
いるスリーブを共に突出させることになる。そして、ブ
レーキ操作が解除されると、ピストンはスプリング力に
よる復帰手段によって元の位置に戻ろうとするが、スリ
ーブがブレーキ板あるいは相手板の摩耗分だけ突出して
いるため、このスリーブがピストンの元の位置への復帰
を阻止する。即ち、ピストンを戻そうとする復帰手段の
戻し力よりも上記リング部材の弾性作用によりピストン
の移動方向に作用する摩擦力の方が大きいため、ピスト
ンを元の位置に戻そうとする復帰手段の戻し力は、上記
摩擦力に打ち負けて作用しない。
【0012】従って、ブレーキ板が摩耗しても、ブレー
キ操作の際には、ピストンはその摩耗分だけ常に移動し
た位置から動作(押圧を開始)することになるため、一
定の操作で常に一定のブレーキ操作感覚が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】そして、湿式ブレーキの自動調整
機構の一つの実施の形態として、請求項2(図1,図2
参照)に記載する如く、ブレーキ板を横方向から押圧し
てブレーキ操作を奏させるべくピストンの移動に際し一
体に移動する従動子を配設し、この従動子を摺接保持す
る保持手段(図1,図2,図3の実施例では「ピン」に
相当)を固定側に配設するとともに、上記ピストンをブ
レーキ操作前の状態に戻すべく固定側とピストン側との
間にスプリング力による復帰手段を配設した湿式ブレー
キの自動調整機構であって、上記従動子を径方向に弾性
作用を有するリング部材によって構成するとともに、上
記従動子と保持手段との間に、該保持手段に対してスラ
イド自在に且つ従動子によって弾性保持されるようスリ
ーブを配設し、上記リング部材の弾性作用によりピスト
ンの移動方向に作用する摩擦力の方が上記復帰手段の戻
し力より大きく且つピストンの押出し力より小さくなる
よう構成することができる。
【0014】また、湿式ブレーキの自動調整機構の他の
実施の形態として、請求項3(図4,図5参照)に記載
する如く、ブレーキ板を横方向から押圧してブレーキ操
作を奏させるべくピストンの移動に際し一体に移動する
従動子(図4,図5,図6の実施例では「ピン」に相
当)を配設し、この従動子を摺接保持する保持手段を固
定側に配設するとともに、上記ピストンをブレーキ操作
前の状態に戻すべく固定側とピストン側との間にスプリ
ング力による復帰手段を配設した湿式ブレーキの自動調
整機構であって、上記保持手段を径方向に弾性作用を有
するリング部材によって構成するとともに、上記保持手
段と従動子との間に、該従動子に対してスライド自在に
且つ保持手段によって弾性保持されるようスリーブを配
設し、上記リング部材の弾性作用によりピストンの移動
方向に作用する摩擦力の方が上記復帰手段の戻し力より
大きく且つピストン押出し力より小さくなるよう構成す
ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例にかかる湿式ブレーキ
の自動調整機構を図面を参照しながら説明する。
【0016】図1,図2は本発明の第1の実施例にかか
る湿式ブレーキの自動調整機構の構成を示す中心線での
断面図およびその要部断面図である。図1において、1
は駆動軸で、この駆動軸1にはブレーキ板2が軸方向
(図1において図面の左右方向)に移動自在に且つ回転
方向には一体に回転するよう配設されている。また、図
1において、3はインナーギヤ体で、このインナーギヤ
体3には相手板4が軸方向に移動自在に且つ回転方向に
は該インナーギヤ体3とともに固定されている。
【0017】そして、上記ブレーキ板2と相手板4は、
図1に図示するように、複数枚これらが互いに交互に位
置するよう配設されている。
【0018】そして、これら並設されているブレーキ板
2と相手板4の一方の側方にはピストン5が、また他方
の側方には固定側の受部材Rが配設され、このピストン
5がブレーキ板2と相手板4を受部材Rへ押圧動作によ
りブレーキがかかり、押圧動作の解除によりブレーキが
解除された状態になるよう構成されている。
【0019】また、上記ピストン5は、固定側の部材6
にスライド自在(上記押圧動作可能)に配設されてお
り、また、この固定側の部材6とピストン5は、スプリ
ング8(請求項でいう「スプリング力による復帰手段」
に相当)を介して固定ピン7で連結され、ピストン5へ
の圧油の供給が解除された状態において、該ピストン5
がスプリング8の戻し力により元の位置側に戻るよう構
成されている。
【0020】そして、上記ピストン5背面の固定部材6
側には、圧油供給路9が形成され、この圧油供給路9に
圧油が供給されることによってピストン5がブレーキ板
2側(受部材R側)に押圧動作するようになっている。
【0021】また、この実施例では、図1,図2に図示
するように、先端が固定側の部材6に固着された有頭の
ピン10(請求項1でいう「ピン」に、請求項2でいう
「保持手段」に、請求項3でいう「従動子」に、それぞ
れ相当)が配設され、このピン10にはスリーブ11が
スライド自在に配設されている。
【0022】そして、図2に拡大して図示するように、
上記スリーブ11の外方には、弾性作用を有するリング
部材12が配設されている。
【0023】このリング部材12は、薄肉のバネ鋼帯
を、図7(a)に図示するように、内方に突出部を有す
るような形状、又は図7(b),(c)に図示するよう
に、外方に突出部を有するような形状に成形したもの
で、作用的には、図8に図示するように、該リング部材
12の外方に対して内方に配設される部材を、又は内方
に対して外方に配設される部材を、弾性作用を具備して
保持するよう構成されている。また、このリング部材1
2は、図7(a)に図示するように環状の一部を切断し
た構成であっても、あるいは図7(b)に図示するよう
に環状になった構成であってもよい。
【0024】ところで、上記リング部材12は、上記ピ
ストン5の一部に形成された円筒穴5a内に内方に配設
されるスリーブ11との間で上記弾性作用を有する状態
で嵌挿されている。
【0025】そして、上記リング部材12の弾性作用に
より、ピストンの移動方向に作用する摩擦力が、上記ス
プリング8の戻り力よりも大きくなるよう構成されてい
る。また、ピストン5の円筒穴5a内面とリング部材1
2間の摩擦力は、上記スリーブ11とリング部材12間
の摩擦力と等しいか若しくはそれ以上大きければよい。
また、勿論のこと、上記各摩擦力は、ピストンの押出し
力よりは小さく設定されている。
【0026】また、寸法的には、上記スリーブ11の長
さは、上記ピン10の有効長Lより、ピストン5のスト
ローク分Sだけ短く構成されている。
【0027】ところで、上記実施例では、図7(a)に
図示するような内方に突出部を有するものが使用されて
いるが、図7(b)に図示するような外方に突出部を有
するものを使用してもよく、かかる場合には、上記スリ
ーブ11とリング部材12間の摩擦力が、ピストン5の
円筒穴5a内面とリング部材12間の摩擦力と、等しい
か若しくはそれ以上大きければよく、また、上記各摩擦
力は、ピストンの押出し力よりは小さく設定される。
【0028】しかして、このように構成された湿式ブレ
ーキの自動調整機構は、以下のように作用する。
【0029】即ち、ブレーキ板2と相手板4とが摩耗し
ていない、図2に図示するような状態では、ブレーキ操
作をおこなうと、ピストン5は図2に示す状態から左側
に突出し、その際、ピストン5とスリーブ11とはリン
グ部材12を介して一体に突出動作して、該ピストン5
はブレーキ板2と相手板4を受部材R側に押圧する。
【0030】そして、ブレーキ操作を解除すると、ピス
トン5とスリーブ11は一体になって、上記スプリング
8の戻し力によって、図2に図示する状態に戻される。
【0031】ところで、上記ブレーキ板2と相手板4
(あるいはそれらのうちの一方)が摩耗してくると、ブ
レーキ操作によって、ピストン5はその摩耗分だけ余計
に突出する。従って、この際、ピストン5と一体になっ
て動作しようとするスリーブ11は、ピン10の頭部1
0aで突出動作が阻止され、スリーブ11は上記リング
部材12の摩擦力に抗して、上記摩耗分だけピストン5
に対して突出動作方向に『ずれ』(残された状態)を生
ずる。
【0032】この状態で、ブレーキ操作が解除される
と、ピストン5はスプリング8によって元の位置に戻ろ
うとするが、スリーブ11の右端が固定側の部材6に当
接してしまい(図3参照)、しかもこの状態では、スプ
リング8の戻し力よりも上記リング部材の弾性作用によ
りピストンの移動方向に作用する摩擦力の方が大きいた
め、スプリング8はピストン5を図3に図示する状態以
上に右方に戻すことはできない。つまり、ブレーキ操作
が解除されても、ピストン5は、図3に図示する状態で
停止する。この状態において、スリーブ11とピン10
の頭10aとの間の隙間は、上記ピストン5のストロー
ク量Sとなっている。
【0033】そして、この図3に示す状態において、ブ
レーキ操作がなされると、ピストン5は図3に示す位置
から、ストローク量S分だけ、ブレーキ板2と相手板4
の方向(受部材Rの方向)に突出動作する。つまり、ブ
レーキ板2と相手板4が摩耗したにもかかわらず、ピス
トン5の停止位置が図3に図示するように、摩耗分だけ
ブレーキ板2と相手板4方に移動した位置に停止してい
るため、図2に示す摩耗前の状態と同じブレーキ操作に
よって全く同じブレーキ状態を得ることができる。
【0034】そして、上記作用は、上述のような部品点
数の少ない構成により奏されるため、非常に信頼性の高
い湿式ブレーキの自動調整機構となる。
【0035】次に、別の実施例(請求項3記載の湿式ブ
レーキの自動調整機構の実施例)について、図4,図5
を参照しながら説明する。
【0036】この実施例では、図1,図2に記載する実
施例と、ピン10がピストン5側に固設されている点に
おいて相違し、このため、構成上、以下のような相違を
有するものの、作用効果的には全く同じ作用効果を奏す
る。
【0037】即ち、この実施例は、図4,図5に図示す
るように、ピン10の先端がピストン5に螺着されると
ともに、その頭10aが固定側の部材6に形成された貫
通穴6aから外方に突出している。そして、このピン1
0には、スリーブ11がスライド自在に配設され、該ス
リーブ11の外方には、上述したリング部材12が配設
されている。ここで、上記リング部材12は、固定側の
部材6の貫通穴6a内に内方に配設されるスリーブ11
との間で弾性作用を有するよう嵌挿されており、上記実
施例の場合と同様に、上記リング部材の弾性作用により
ピストンの移動方向に作用する摩擦力は、スプリング8
の戻り力よりも大きくなるよう構成されている。なお、
この実施例でも、図7(b)の形態のリング部材を使用
してもよい。
【0038】しかして、このように構成された湿式ブレ
ーキの自動調整機構は、以下のように作用する。
【0039】即ち、ブレーキ板2と相手板4(あるいは
それらのうちの一方)が摩耗していない、図5に図示す
るような状態では、ブレーキ操作をおこなうと、ピスト
ン5は図5に示す状態から左側に突出し、その際、ピス
トン5はピン10と一体になって突出動作して、該ピス
トン5はブレーキ板2と相手板4を受部材R側に押圧す
る。
【0040】そして、ブレーキ操作を解除すると、ピス
トン5とピン10は一体になって、上記スプリング8の
戻し力によって、図5に図示する状態に戻される。
【0041】ところで、上記ブレーキ板2と相手板4が
摩耗してくると、ブレーキ操作によって、ピストン5は
その摩耗分だけ余計に突出する。従って、この際、ピス
トン5と一体になって動作しようとするピン10は、そ
の頭部10aでスリーブ11を、上記リング部材12の
摩擦力に抗して、上記摩耗分だけブレーキ板2側に突出
させる(『ずれ』を生じさせる)。
【0042】この状態で、ブレーキ操作が解除される
と、ピストン5はスプリング8によって元の位置に戻ろ
うとするが、ピストン5がスリーブ11の左端に当接し
てしまい、しかも、この状態では、スプリング8の戻し
力よりも上記リング部材の弾性作用によりピストンの移
動方向に作用する摩擦力の方が大きいため、スプリング
8はピストン5を図6に図示する状態以上に右方に戻す
ことはできない。つまり、ブレーキ操作が解除されて
も、ピストン5は、図6に図示する状態で停止する。
【0043】この状態において、スリーブ11とピン1
0の頭10aとの間の隙間は、上記ピストン5のストロ
ーク量Sとなっている。
【0044】そして、この図6に示す状態において、ブ
レーキ操作がなされると、ピストン5は図6に示す位置
から、ストローク量S分だけ、ブレーキ板2と相手板4
の方向に突出動作する。つまり、ブレーキ板2と相手板
4が摩耗したにもかかわらず、ピストン5の停止位置が
図6に図示するように、摩耗分だけブレーキ板2と相手
板4方に移動しているため、図5に示す摩耗前の状態と
同じブレーキ操作によって全く同じブレーキ状態を得る
ことができる。
【0045】そして、上記作用は、上述のような部品点
数の少ない構成により奏されるため、非常に信頼性の高
い湿式ブレーキの自動調整機構となる。
【0046】
【発明の効果】しかして、本発明にかかる湿式ブレーキ
の自動調整機構によれば、ブレーキ板あるいは相手板が
使用により摩耗しても、常に一定のブレーキ操作によっ
て一定のブレーキ状態を得ることができる。
【0047】しかも、構成的に非常にシンプルであるた
め、動作に関する信頼性が高く、保守が容易となる。
【0048】さらに、価格的にも安価に提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例にかかる自動調整機構
を具備した湿式ブレーキの全体の構成を示す中心線での
断面図である。
【図2】 図1に示す湿式ブレーキの自動調整機構の構
成を示す要部拡大断面図である。
【図3】 ブレーキ板あるいは相手板が摩耗した状態を
示す図2と同じ要部拡大断面図である。
【図4】 本発明の第2の実施例にかかる自動調整機構
を具備した湿式ブレーキの全体の構成を示す中心線での
断面図である。
【図5】 図4に示す湿式ブレーキの自動調整機構の構
成を示す要部拡大断面図である。
【図6】 ブレーキ板あるいは相手板が摩耗した状態を
示す図5と同じ要部拡大断面図である。
【図7】 (a)は弾性作用を有するリング部材の構成
を示す斜視図、(b)は(a)の異なる形式のリング部
材の構成を示す斜視図、(c)は(b)のI−I矢視断
面図である。
【図8】 リング部材のバネ作用を表した模式図であ
る。
【符号の説明】
2…ブレーキ板 5…ピストン 8…スプリング(スプリング力による復帰手段) 10…ピン(従動子) 11…スリーブ 12…リング部材(従動子)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ板を横方向から押圧してブレー
    キ操作を奏させるべくピストンを固定側にスライド自在
    に配設し、このピストンと固定側との間に、ブレーキ操
    作により突出したピストンをブレーキ操作前の状態に戻
    すべくスプリング力による復帰手段を配設した湿式ブレ
    ーキの自動調整機構であって、 上記ピストンと固定側との間に、固定側あるいはピスト
    ンに一体的にピンをその長手方向がピストンの移動方向
    に一致するよう配設するとともに、このピンに対してス
    ライド自在にスリーブを配設し、且つ、上記ピンに対し
    て移動するピストンあるいは固定側と、上記スリーブと
    の間に、径方向に弾性作用を有するリング部材を配設
    し、上記リング部材の弾性作用によりピストンの移動方
    向に作用する摩擦力の方が上記復帰手段の戻し力より大
    きく且つピストン押出し力より小さくなるよう構成した
    ことを特徴とする湿式ブレーキの自動調整機構。
  2. 【請求項2】 ブレーキ板を横方向から押圧してブレー
    キ操作を奏させるべくピストンの移動に際し一体に移動
    する従動子を配設し、この従動子を摺接保持する保持手
    段を固定側に配設するとともに、上記ピストンをブレー
    キ操作前の状態に戻すべく固定側とピストン側との間に
    スプリング力による復帰手段を配設した湿式ブレーキの
    自動調整機構であって、 上記従動子を径方向に弾性作用を有するリング部材によ
    って構成するとともに、上記従動子と保持手段との間
    に、該保持手段に対してスライド自在に且つ従動子によ
    って弾性保持されるようスリーブを配設し、上記リング
    部材の弾性作用によりピストンの移動方向に作用する摩
    擦力の方が上記復帰手段の戻し力より大きく且つピスト
    ン押出し力より小さくなるよう構成したことを特徴とす
    る湿式ブレーキの自動調整機構。
  3. 【請求項3】 ブレーキ板を横方向から押圧してブレー
    キ操作を奏させるべくピストンの移動に際し一体に移動
    する従動子を配設し、この従動子を摺接保持する保持手
    段を固定側に配設するとともに、上記ピストンをブレー
    キ操作前の状態に戻すべく固定側とピストン側との間に
    スプリング力による復帰手段を配設した湿式ブレーキの
    自動調整機構であって、 上記保持手段を径方向に弾性作用を有するリング部材に
    よって構成するとともに、上記保持手段と従動子との間
    に、該従動子に対してスライド自在に且つ保持手段によ
    って弾性保持されるスリーブを配設し、上記リング部材
    の弾性作用によりピストンの移動方向に作用する摩擦力
    の方が上記復帰手段の戻し力より大きく且つピストン押
    出し力より小さくなるよう構成したことを特徴とする湿
    式ブレーキの自動調整機構。
JP08238816A 1996-09-10 1996-09-10 湿式ブレーキの自動調整機構 Expired - Fee Related JP3139535B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08238816A JP3139535B2 (ja) 1996-09-10 1996-09-10 湿式ブレーキの自動調整機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08238816A JP3139535B2 (ja) 1996-09-10 1996-09-10 湿式ブレーキの自動調整機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1089390A true JPH1089390A (ja) 1998-04-07
JP3139535B2 JP3139535B2 (ja) 2001-03-05

Family

ID=17035715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08238816A Expired - Fee Related JP3139535B2 (ja) 1996-09-10 1996-09-10 湿式ブレーキの自動調整機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3139535B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100932766B1 (ko) * 2008-01-08 2009-12-21 주식회사 디아이씨 습식 디스크 브레이크
CN106541824A (zh) * 2015-09-18 2017-03-29 日立建机株式会社 行驶用车轴装置
JP2017150588A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 日立建機株式会社 ホイール式建設機械

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100932766B1 (ko) * 2008-01-08 2009-12-21 주식회사 디아이씨 습식 디스크 브레이크
CN106541824A (zh) * 2015-09-18 2017-03-29 日立建机株式会社 行驶用车轴装置
US9903454B2 (en) 2015-09-18 2018-02-27 Hitachi Construction Machinery Co., Ltd. Traveling axle device
JP2017150588A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 日立建機株式会社 ホイール式建設機械

Also Published As

Publication number Publication date
JP3139535B2 (ja) 2001-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5944150A (en) Hoist gear with a brake
JP5334571B2 (ja) 車輪ブレーキ
US8573370B2 (en) Disk brake device
JPH0110502Y2 (ja)
US4596315A (en) Disc brake device
US6811002B2 (en) Disc brake
JPS5817235A (ja) デイスクブレ−キ
JP2007177995A (ja) パーキング用操作機構を備えたディスクブレーキ作動装置
KR102515672B1 (ko) 전동식 디스크 브레이크
JP3139535B2 (ja) 湿式ブレーキの自動調整機構
JP2004530853A (ja) 運動変換器を装備した自動車用ディスクブレーキ
JP4275500B2 (ja) ディスクブレーキ
US4685542A (en) Disc brake assembly
GB1447359A (en) Automatic adjusters for vehicle brakes
JPS6135791Y2 (ja)
JPS59159406A (ja) ブレ−キ付流体圧シリンダ
JP2000120737A (ja) 自動調整機能付きブレーキホイールシリンダ
JPH0151702B2 (ja)
JPH076013Y2 (ja) 自動調整式クラッチの制御構造
KR950006982Y1 (ko) 자동차 클러치 페달의 자동 유격 조정장치
KR0120862Y1 (ko) 자동차의 클러치 자동 유격 조정장치
JPH112267A (ja) ブレーキシューの作動装置
JPS6213831A (ja) クラツチアクチユエ−タ
KR200177917Y1 (ko) 클러치 디스크의 마모 감지장치
JP2005076750A (ja) ディスクブレーキ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091215

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101215

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees