JP2005076750A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ジャダー現象の発生防止を、ブレーキパッドとディスクロータとの接触面積を少なくした状態で図ることができるディスクブレーキを提供する。
【解決手段】 インナパッド3及びアウタパッド7の各裏金10に第1押圧機構16Aを装着した。非制動時(空転時)において第1押圧機構16Aのボール21がディスクロータ4に当接し、ばね23のばね力によりディスクロータ4を押圧している状態で、ディスクロータ4とインナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれとの間には隙間が形成されるように設定されている。ディスクロータ4に面振れが生じた場合にも、インナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれとディスクロータ4との間のクリアランスは確保され、ディスクロータ4がインナパッド3(アウタパッド7)に接触して削られるようなことがない。この結果、ディスクロータ4の厚さ変動ひいてはジャダー現象の発生を招くことがない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車等の車両用の制動装置として用いられるディスクブレーキの改良に関するものである。
従来の自動車のディスクブレーキの一例として、図13に示すようなディスクブレーキがある。
このディスクブレーキ1は、ブレーキペダルを踏むとマスターシリンダ25からシリンダ5に油液が供給されてピストン2に液圧がかかり、インナパッド3をディスクロータ4に押付ける。また、シリンダ5はインナパッド3及びアウタパッド7が支承される図示せぬキャリアに対して摺動可能に取り付けられているため、ピストン2にかかる液圧の反力によってシリンダ5が移動する。これにより、シリンダ5の爪部6がアウタパッド7をディスクロータ4に押し当てるようになる。このように、ディスクロータ4を2つのブレーキパッド(インナパッド3及びアウタパッド7)によって両側から押圧することで制動力を発揮してディスクロータ4の回転を減速させている。
上述したディスクブレーキ1では、非制動時(空転時)にディスクロータ4の面振れによりインナパッド3(アウタパッド7)がディスクロータ4へ部分的に接触することがある。これにより、てディスクロータ4が部分的に削れていき、その厚さに変化、すなわち厚さ変動を招くことが起こり得た。そして、このディスクロータ4の厚さ変動に伴い、制動時に、ステアリングなどの異常振動や異常音の発生等を惹起する、いわゆるジャダー現象(ブレーキジャダー)を発生することがある。
例えば、図13に示すように、ディスクロータ4が前記面振れ発生によりアウタパッド7側(図13左側)に傾斜すると、ディスクロータ4はアウタパッド7を介してシリンダ5を押す。このとき、シリンダ5の質量(慣性)が大きいため、ディスクロータ4とアウタパッド7間の面圧が上昇し、ディスクロータ4のアウタパッド7側が部分的に削られその厚さが減少する、すなわち、厚さ変動を招く。この結果、前記ジャダー現象を発生することがある。
また、図14に示すようにディスクロータ4がインナパッド3側に傾斜する場合、ディスクロータ4はインナパッド3、ピストン2及びシール部材8を介してシリンダ5を押す。このとき、シリンダ5の質量(慣性)が大きいため、ディスクロータ4とインナパッド3間の面圧が上昇し、ディスクロータ4のインナパッド3側が部分的に削られその厚さが減少し、これに伴い、前記ジャダー現象を発生することがある。
また、ピストン2のシール部材8に対する摺動抵抗が小さいときは、図15に示すように、ディスクロータ4が面振れすることによりピストン2がシリンダ5のボア9に押し込まれる。この場合、ディスクロータ4の厚さ変動は増加しないが、制動のためにブレーキペダルを踏むと、インナパッド3及びアウタパッド7がディスクロータ4を挟むまでのブレーキペダルのストロークが大きくなる。このため、ブレーキがきかないような不安感をドライバに与えることが起こり得る。
また、他のディスクブレーキの例として、特許文献1に示すディスクブレーキがある。
このディスクブレーキは、ブレーキパッドの裏金におけるディスクロータの回転方向両端部に凸部を設け、凸部をキャリアの溝部に嵌合させてブレーキパッドをキャリアに摺動可能に支持し、凸部のキャリアとの当接部の断面形状を略円弧状に形成して、ブレーキパッドがキャリアに対して傾斜できるようにしている。そして、このディスクブレーキは、ディスクロータの回転軸が所定角度、傾いて制動面に面振れが生じた場合、ブレーキパッドが傾斜して制動面に追従し、これにより、ディスクロータの面振れによる引き摺りを軽減して、燃料消費率を向上させ、また、ディスクロータの偏摩耗によるジャダー現象の発生防止を図るようにしている。
特開平08−093807号公報
ところで、上述した図13〜図15の従来技術では、ジャダー現象の発生防止が望まれ、また、特許文献1の従来技術では、ブレーキパッドを傾斜させて制動面に追従させるためには、少なからずブレーキパッドとディスクロータとの接触が生じるものとなっており、この改善が求められているというのが実情であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ジャダー現象の発生防止を、ブレーキパッドとディスクロータとの接触面積を少なくした状態で図ることができるディスクブレーキを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための第1の発明に係るディスクブレーキは、裏金を有する一対のブレーキパッドをディスクロータの両側に配置し、前記一対のブレーキパッドをキャリアに摺動可能に支持するディスクブレーキにおいて、前記ディスクロータをその両面側から弾性力をもって押圧する押圧機構を前記各裏金に設けたことを特徴とする。
上記課題を解決するための第2の発明に係るディスクブレーキは、裏金を有しディスクロータの両側に配置された一対のブレーキパッドと、前記一対のブレーキパッドのうち一方に対向するピストン及び前記ディスクロータを跨ぐように延設され他方のブレーキパッドに対向する爪部を有するシリンダと、車体側に取付けられて前記一対のブレーキパッド及び前記シリンダを前記ディスクロータの軸方向に沿って移動可能に支持するキャリアと、を備えたディスクブレーキにおいて、前記ディスクロータをその両面側から弾性力をもって押圧する押圧機構を前記ディスクロータの両面側における前記裏金又は前記シリンダに設けたことを特徴とする。
第1の発明のディスクブレーキによれば、ディスクロータをその両面側から弾性力をもって押圧する押圧機構を前記各裏金に設けたので、押圧機構がディスクロータを両面側から押圧することにより、非制動時には、ブレーキパッドとディスクロータとの間に常にクリアランスを設けることが可能になる。これにより、ディスクロータに面振れが生じた場合にも、ブレーキパッドとディスクロータとの間のクリアランスは確保され、ディスクロータがブレーキパッドに接触して削られるようなことがなくなり、この結果、ディスクロータの厚さ変動ひいてはジャダー現象の発生を招くことがない。
第2の発明のディスクブレーキによれば、ディスクロータをその両面側から弾性力をもって押圧する押圧機構を前記ディスクロータの両面側における前記裏金又は前記シリンダに設けたので、押圧機構が第1の発明と同様に機能して、ディスクロータに面振れが生じた場合にも、ディスクロータがブレーキパッドに接触して削られるようなことがなくなり、この結果、ディスクロータの厚さ変動ひいてはジャダー現象の発生を招くことがない。
以下、本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ1Aを図1ないし図3に基づいて説明する。図1ないし図3において、ディスクブレーキ1Aは、裏金10をそれぞれ有しディスクロータ4の両側に配置された一対のブレーキパッド(以下、適宜、図1右側のブレーキパッドをインナパッド3、左側のブレーキパッドをアウタパッド7という。)と、インナパッド3に対向するピストン2及びディスクロータ4を跨ぐように延設されアウタパッド7に対向する爪部6を有するシリンダ5と、車体側に取付けられて前記一対のブレーキパッド(インナパッド3及びアウタパッド7)及びシリンダ5をディスクロータ4の軸方向(図1左右方向)に沿って移動可能に支持するキャリア11と、を備えている。シリンダ5は、図示しないスライドピンを介して摺動抵抗を受けつつ、上述したようにキャリア11に移動可能とされている。シリンダ5のボア9には、シール部材8が装着されており、ピストン2を液密状態で摺動抵抗(ピストン摺動抵抗)をもって摺動案内できるようにしている。
インナパッド3及びアウタパッド7は、図2に示すように、ディスクロータ4の回転方向に沿うように延びる略円弧状をなしている。裏金10は、インナパッド3及びアウタパッド7に略沿う形状をなしている。その裏金10におけるディスクロータ4の回転方向の両端部には、インナパッド3及びアウタパッド7から突出するように耳部(便宜上、第1、第2の耳部という。)12,13が形成されている。また、裏金10の中央部分(ディスクロータ4の回転方向の中心部分)におけるディスクロータ4の軸中心側部分(図2下側)には、インナパッド3及びアウタパッド7から突出するように延設部(中央延設部という。)14が形成されている。
インナパッド3の第1、第2の耳部12,13及び中央延設部14並びにアウタパッド7の第1、第2の耳部12,13及び中央延設部14には、それぞれに形成された孔15に挿入させて、押圧機構(以下、便宜上、第1押圧機構という。)16Aが装着されている。
第1押圧機構16Aは、底部17を備えた筒状のケース18と、ケース18の開口部に装着され、中央部に孔19を形成した蓋20と、先端側にボール21を脱落しないように回転可能に保持し、基端側が蓋20の孔19を通してケース18内に挿入されたボール保持部材22と、ボール保持部材22とケース18の底部17との間に介装されボール保持部材22を外方に押すばね23と、から大略構成されている。ボール保持部材22の基端部には大径部24が形成されており、大径部24が蓋20に係止されて、ボール保持部材22がケース18(蓋20)から脱落しないようになっている。ボール21は、ディスクロータ4に比して若干硬度が小さい材料(すなわち、ディスクロータ4に対する攻撃性が少ない材料)で形成され、ディスクロータ4に対して摺動してもディスクロータ4の損傷などを生じさせないようにしている。
ケース18は、開口部が第1、第2の耳部12,13及び中央延設部14のそれぞれと略一致する(面一となる)ように配置され、また、ボール保持部材22は、ボール21を含めてケース18(蓋20)内に収納され得るように設けられており、第1押圧機構16Aが妨げとなることなくインナパッド3及びアウタパッド7の完全摩耗を果せるようにしている。また、ばね23による押圧力は、ピストン2をシリンダ5のボア9に押し戻してしまうほどの大きさはない、すなわちピストン摺動抵抗よりも小さく、上述したスライドピンの摺動抵抗よりは大きくなっている。
非制動時(空転時)において、第1押圧機構16Aのボール21は、大径部24が蓋20に係止されていない状態でディスクロータ4に当接し、ばね23のばね力(弾性力)によりディスクロータ4を押圧している。すなわち、インナパッド3の裏金10に設けられた第1押圧機構16Aは、ディスクロータ4をアウタパッド7側(図1左方向)に押圧し、アウタパッド7の裏金10に設けられた第1押圧機構16Aは、ディスクロータ4をインナパッド3側(図1右方向)に押圧している。
上述したように非制動時(空転時)において第1押圧機構16Aのボール21がディスクロータ4に当接し、ばね23のばね力(弾性力)によりディスクロータ4を押圧している状態で、ディスクロータ4とインナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれとの間には隙間が形成されるように設定されている。そして、非制動時(空転時)においてディスクロータ4に面振れが生じた場合、このディスクブレーキ1Aは、インナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれがディスクロータ4との間にある程度のクリアランスを確保した状態で、ディスクロータ4に追従するようにしている。このとき、ばね23のばね力(ディスクロータ4の摺動方向に対し直交する方向、すなわち、ばね23の図1左右方向のばね力)は、ディスクロータ4の倒れ力より大きく、ブレーキ制動時に発生する液圧よりも小さくなるようにしている。
このディスクブレーキ1Aは、制動時には、ばね23のばね力がその際の液圧よりも小さいため、液圧の作動によりばね23ひいてはボール保持部材22が押し込められつつ、インナパッド3及びアウタパッド7がディスクロータ4を押圧して制動力を発揮することになる。また、非制動時(空転時)においては、インナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれがディスクロータ4との間にある程度のクリアランスを確保した状態で、ディスクロータ4に追従する。この際、仮にディスクロータ4に面振れが生じた場合にも、インナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれとディスクロータ4との間のクリアランスは確保される。このため、ディスクロータ4がインナパッド3(アウタパッド7)に接触して削られるようなことがなくなり、この結果、ディスクロータ4の厚さ変動ひいてはジャダー現象の発生を招くことがない。
次に、本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ1Bを図4〜図7に基づいて説明する。この第2実施形態は、第1実施形態の第1押圧機構16Aに代えて、裏金10に第2押圧機構16Bを設けたことが主に異なっている。
第2押圧機構16Bは、図4に示すように、インナパッド3に対応して2個、また、アウタパッド7に対応して2個設けられている。インナパッド3の2個の第2押圧機構16Bは、インナパッド3の両端側近傍(図4の左右側)にそれぞれ設けられている。アウタパッド7の2個の第2押圧機構16Bも、インナパッド3の2個の第2押圧機構16Bと同様に配置されている。
インナパッド3の2個の第2押圧機構16Bは、図4〜図7に示すように、弾性材料からなる無端状(環状)の支持部材30と、支持部材30に回転可能に保持された円筒状のコロ(この場合、3個のコロ)31と、から大略構成されている。支持部材30は、裏金10及びインナパッド3を巻き込むように配置され、その一部が裏金10の裏面側〔インナパッド3と反対側〕に設けた薄い板金32に接着され、インナパッド3に対面する部分(以下、パッド対面部という。)33は、ディスクロータ4の径方向に略沿うように(図4上下方向に)延び、当該パッド対面部33に前記コロ31が保持されている。パッド対面部33に対応する裏金10の部分には、前記コロ31を含む長さの孔34が形成されている。アウタパッド7の2個の第2押圧機構16Bも、インナパッド3の2個の第2押圧機構16Bと同様に構成されている。
非制動時(空転時)において、第2押圧機構16Bのコロ31はディスクロータ4に当接し、支持部材30のばね力(弾性力)によりディスクロータ4を押圧している。すなわち、インナパッド3の裏金10に設けられた第2押圧機構16Bは、ディスクロータ4をアウタパッド7側(図1左方向に相当する。)に押圧し、アウタパッド7の裏金10に設けられた第2押圧機構16Bは、ディスクロータ4をインナパッド3側(図1右方向に相当する。)に押圧している。
前記支持部材30による押圧力は、ピストン2をシリンダ5のボア9(図1参照)に押し戻してしまうほどの大きさはない、すなわちピストン摺動抵抗よりも小さく、上述したスライドピンの摺動抵抗よりは大きくなっている。
また、非制動時(空転時)において第2押圧機構16Bのコロ31がディスクロータ4に当接し、支持部材30のばね力(弾性力)によりディスクロータ4を押圧している状態で、ディスクロータ4とインナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれとの間には隙間が形成されるように設定されている。そして、非制動時(空転時)においてディスクロータ4に面振れが生じた場合、このディスクブレーキ1Bは、インナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれがディスクロータ4との間にある程度のクリアランスを確保した状態で、ディスクロータ4に追従するようにしている。このとき、支持部材30のばね力(ディスクロータ4の摺動方向に対し直交する方向、すなわち、支持部材30の図4紙面表裏方向のばね力)は、ディスクロータ4の倒れ力より大きく、ブレーキ制動時に発生する液圧よりも小さくなるようにしている。
上述したように非制動時(空転時)において第2押圧機構16Bのコロ31がディスクロータ4に当接し、支持部材30のばね力(弾性力)によりディスクロータ4を押圧している状態で、ディスクロータ4とインナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれとの間には隙間が形成されるように設定されている。そして、非制動時(空転時)においてディスクロータ4に面振れが生じた場合、このディスクブレーキ1Bは、インナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれがディスクロータ4との間にある程度のクリアランスを確保した状態で、ディスクロータ4に追従するようにしている。このとき、支持部材30のばね力(ディスクロータ4の摺動方向に対し直交する方向、すなわち、支持部材30の図5左右方向のばね力)は、ディスクロータ4の倒れ力より大きく、ブレーキ制動時に発生する液圧よりも小さくなるようにしている。
このディスクブレーキ1Bは、制動時には、支持部材30のばね力がその際の液圧よりも小さいため、液圧の作動によりコロ31(支持部材30)が裏金10側に押し付けられつつ、インナパッド3及びアウタパッド7がディスクロータ4を押圧して制動力を発揮することになる。また、非制動時(空転時)においては、インナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれがディスクロータ4との間にある程度のクリアランスを確保した状態で、ディスクロータ4に追従する。また、この際、仮にディスクロータ4に面振れが生じた場合にも、インナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれとディスクロータ4との間のクリアランスは確保される。このため、ディスクロータ4の面振れによる引き摺りが無くなり、燃費消費率の向上が図れ、さらに、ディスクロータ4がインナパッド3(アウタパッド7)に接触して削られるようなことがなくなり、ディスクロータ4の偏摩耗によるジャダー現象の発生を軽減できる。
また、パッド対面部33に対応する裏金10の部分に孔34が形成されており、ディスクロータ4によりコロ31が押された際に、この押された分が前記孔34に逃げられるようになっている。このため、インナパッド3及びアウタパッド7について、ほとんど完全摩耗するまで使用可能となっている。なお、裏金10の孔34に対応してインナパッド3及びアウタパッド7に孔を形成し、この孔及び裏金10の孔34にコロ31を逃がすようにしてもよい。
前記第1、第2実施形態では、第1、第2押圧機構16Bを裏金10に設けた場合を例にしたが、図8、図9及び図12に示すように、押圧機構をシリンダ5及びシリンダ5の爪部6に設けるように構成してもよい(第3実施形態)。図8、図9及び図12に示すように、この第3実施形態のディスクブレーキ1Cは、爪部6のディスクロータ4の回転軸側(図8下側)の端部6a及び当該端部6aに対向するシリンダ5におけるピストン2側の部分には、押圧機構(以下、第3押圧機構という。)16Cが設けられている。
第3押圧機構16Cは、図12に示すように、固定用の雄ねじ40を底部17に設けた筒状のケース18と、ケース18の開口側部分に形成されたねじ部35に螺合される蓋20とを備えている。蓋20の中央部には孔19が形成されている。蓋20の孔19には、先端側にボール21を脱落しないように回転可能に保持したボール保持部材22の基端側が進退可能に挿通されている。ボール保持部材22の基端部には蓋20の孔19に比して大径の大径部24が形成されており、ボール保持部材22の脱落を防止するようにしている。ボール保持部材22とケース18の底部17との間には、ボール保持部材22を外方に押すばね23が介装されている。
非制動時(空転時)において、第3押圧機構16Cのボール21は、大径部24が蓋20に係止されていない状態でディスクロータ4に当接し、ばね23のばね力(弾性力)によりディスクロータ4を押圧している。すなわち、ピストン2側に設けられた第3押圧機構16Cは、ディスクロータ4をアウタパッド7側(図8左方向)に押圧し、爪部6に設けられた第3押圧機構16Cは、ディスクロータ4をインナパッド3側(図4右方向)に押圧している。
上述したように非制動時(空転時)において第3押圧機構16Cのボール21がディスクロータ4に当接し、ばね23のばね力(弾性力)によりディスクロータ4を押圧している状態で、ディスクロータ4とインナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれとの間には隙間が形成されるように設定されている。そして、非制動時(空転時)においてディスクロータ4に面振れが生じた場合、このディスクブレーキ1Cは、インナパッド3及びアウタパッド7のそれぞれがディスクロータ4との間にある程度のクリアランスを確保した状態で、ディスクロータ4に追従するようにしている。このとき、ばね23のばね力(ディスクロータ4の摺動方向に対し直交する方向、すなわち、ばね23の図8左右方向のばね力)〔ばね力荷重〕は、ピストン2の摺動抵抗及びスライダピン摺動抵抗に対して下記の式(1)の関係を満たすように設定されている。
(ばね23のばね力)>(ピストン2の摺動抵抗)>(スライダピン摺動抵抗) … (1)
このディスクブレーキ1Cでは、例えば、図8に示すように、ディスクロータ4が面振れにより、アウタパッド7側(図8左側)に傾斜すると、ディスクロータ4は爪部6の第3押圧機構16Cのボール21を押す。このとき、当該第3押圧機構16Cのばね23のばね力(荷重)が、ピストン2摺動抵抗及びスライダピン摺動抵抗より大きいため、ばね23は縮まず、また、ピストン2はシリンダ5に対して移動することがなく、爪部6ひいてはシリンダ5が図8左側(すなわちシリンダ5がインナパッド3側)に移動する。このため、ディスクロータ4の振れ発生にかかわらずアウタパッド7とディスクロータ4の接触面圧の上昇を抑えることができる。
また、例えば、図9に示すように、ディスクロータ4が面振れにより、インナパッド3側(図9右側)に傾斜すると、ディスクロータ4はピストン2側の第3押圧機構16Cのボール21を押す。このとき、当該第3押圧機構16Cのばね23のばね力(荷重)は、ピストン2の摺動抵抗及びスライダピン摺動抵抗より大きいため、ばね23は縮まず、また、ピストン2はシリンダ5に対して移動することがなく、爪部6ひいてはシリンダ5が図9右側(すなわちシリンダ5がアウタパッド7側)に移動する。このため、ディスクロータ4の面振れ発生にかかわらずインナパッド3とディスクロータ4の接触面圧の上昇を抑えることができる。
上述したようにインナパッド3又はアウタパッド7とディスクロータ4の接触面圧の上昇を抑えることができるので、ディスクロータ4の偏摩耗(厚さ変動)を防止できる。このようにディスクロータ4の偏摩耗(厚さ変動)が防止されることから、従来技術において制動時に発生しやすいジャダー現象の発生を抑制することができる。
また、制動時(ブレーキペダルを作動した際)には、アウタパッド7をディスクロータ4に押し付けるように爪部6ひいてはシリンダ5が図8及び図9右方向に移動するが、このとき、アウタパッド7をディスクロータ4に押し付ける力が、爪部6の第3押圧機構16C内のばね23のばね力より大きいため、当該ばね23が縮み、これによりアウタパッド7がディスクロータ4に押し付けられ、アウタパッド7及びインナパッド3のディスクブレーキ1Cへの押圧が行われて制動力が発揮される。この場合でも、爪部6の第3押圧機構16Cは、その先端のボール21がディスクロータ4に接触するように構成されている。
また、制動終了により、ブレーキペダルの作動を停止すると、シリンダ5が図8及び図9左方向に移動し元の状態になるため、アウタパッド7の面圧上昇を抑えることができる。
なお、第3押圧機構16Cは、ボール21をディスクロータ4に押圧するようにしているが、このボール21に代えて、ディスクロータ4の回転方向に回転するローラを設け、このローラをディスクロータ4に押圧するように構成してもよいし、摺動抵抗の比較的小さい例えばテフロン(R)樹脂製の部材を用いてディスクロータ4へ接触させるようにしてもよい。
前記第3実施形態では、シリンダ5に第3押圧機構16Cを設けており、パッド摩耗に伴う摩耗補償対策によりピストン2がシリンダ5から突出する〔図8左方向に移動する〕と、ディスクロータ4に対してインナパッド3及びアウタパッド7の中間がインナパッド3側(ピストン2側)に寄ったものになるので、ディスクロータ4とインナパッド3とが接触する可能性がある。これに対して、シリンダ5に第3押圧機構16Cを設けるのに代えて、図10及び図11に示すように、ピストン2に第3押圧機構16Cを設けるように構成してもよい(第4実施形態)。この第4実施形態では、取付ステー36及びボルト37を用いて第3押圧機構16Cをピストン2に取り付けている。この第4実施形態では、パッド摩耗によりピストン2をシリンダ5から突出させる〔図10左方向に移動する〕と、ピストン2の第3押圧機構16Cも、同方向に移動する。このため、インナパッド3又はアウタパッド7が摩耗してもディスクロータ4を常時インナパッド3及びアウタパッド7の中間においておくことができる。
本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキを模式的に示す断面図である。 図1のインナパッド及びアウタパッドを示す正面図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキのインナパッド及びアウタパッドを示す正面図である。 図4のB−B線に沿う断面図である。 図4の裏金をそれぞれ備えたインナパッド及びアウタパッドを示す背面図である。 図4の第2押圧機構を模式的に示す図である。 本発明の第3実施形態に係るディスクブレーキで、ディスクロータがアウタパッドに触れた状態を模式的に示す断面図である。 図8のディスクブレーキで、ディスクロータがインナパッドに触れた状態を模式的に示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係るディスクブレーキで、ディスクロータがアウタパッドに触れた状態を模式的に示す断面図である。 図10のディスクブレーキで、ディスクロータがインナパッドに触れた状態を模式的に示す断面図である。 図8〜図11の第3押圧機構を示す断面図である。 従来のディスクブレーキの一例で、ディスクロータがアウタパッドに触れた状態を模式的に示す断面図である。 図13のディスクブレーキで、ディスクロータがインナパッドに触れた状態を模式的に示す断面図である。 図13のディスクブレーキで、ディスクロータがピストンを押し戻す様子を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1A,1B、1C ディスクブレーキ、 4 ディスクロータ、 10 裏金、 16A,16B、16C 第1、第2、第3押圧機構(押圧機構)。

Claims (2)

  1. 裏金を有する一対のブレーキパッドをディスクロータの両側に配置し、前記一対のブレーキパッドをキャリアに摺動可能に支持するディスクブレーキにおいて、
    前記ディスクロータをその両面側から弾性力をもって押圧する押圧機構を前記各裏金に設けたことを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 裏金を有しディスクロータの両側に配置された一対のブレーキパッドと、前記一対のブレーキパッドのうち一方に対向するピストン及び前記ディスクロータを跨ぐように延設され他方のブレーキパッドに対向する爪部を有するシリンダと、車体側に取付けられて前記一対のブレーキパッド及び前記シリンダを前記ディスクロータの軸方向に沿って移動可能に支持するキャリアと、を備えたディスクブレーキにおいて、
    前記ディスクロータをその両面側から弾性力をもって押圧する押圧機構を前記ディスクロータの両面側における前記裏金又は前記シリンダに設けたことを特徴とするディスクブレーキ。

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