JP2009270715A - 3箇所で面取りされたシール溝 - Google Patents

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チェレイディト ギャラス
Takeshi Kashimura
剛 樫村
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D55/00Brakes with substantially-radial braking surfaces pressed together in axial direction, e.g. disc brakes
    • F16D55/02Brakes with substantially-radial braking surfaces pressed together in axial direction, e.g. disc brakes with axially-movable discs or pads pressed against axially-located rotating members
    • F16D55/22Brakes with substantially-radial braking surfaces pressed together in axial direction, e.g. disc brakes with axially-movable discs or pads pressed against axially-located rotating members by clamping an axially-located rotating disc between movable braking members, e.g. movable brake discs or brake pads
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D2121/00Type of actuator operation force
    • F16D2121/02Fluid pressure

Abstract

【課題】内側と外側の各ブレーキパッドとローターの間の合計作動間隙に関するブレーキ性能に対して、重要であり、かつ競合する可能性のある2つの影響両方に対処する。
【解決手段】外面と、低圧ではピストンのシール滑りをほぼ防ぎ、高圧ではピストンのシール滑りを可能にするように構成された複数の面取り壁を持つシール溝を有する少なくとも1つのピストンボアを備えたブレーキキャリパー構造体を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、広くはシール溝に関し、より詳細にはブレーキ構造体での使用に特に適した面取り溝に関する。
現在のディスクブレーキ系統は一般的に、ブレーキをかけている間(例えばブレーキ作動位置において)、クランプ力を発生させてブレーキパッドを車軸方向にローターの環状ブレーキ経路へと動かすキャリパーを有している。クランプ力は、ピストンをローターに向かって押し付けるキャリパーボディのピストンボアの液圧を高めたことによって発生し得る。ブレーキ液の漏れは、キャリパーボディとピストンの間に装着されたゴム製のシールで防ぐことができる。ゴム製シールは通常、キャリパーボディのピストンボア内で区画されている(例えば、機械加工してピストンボアになった)溝(例えばシール溝)の内側に装着されている。このシール、シール溝、及びピストンの各寸法は、ピストンをボア内に挿入した際、シールがピストンの外径とシール溝の底部に押し付けられて変形する締まり嵌めが形成されて、液漏れを防ぐような値をとる。シールの他の目的は、ブレーキをかけた後のピストンを、液圧とは無関係に、好ましくはブレーキをかける前と同じ位置に後退させるのを助けることである。これは例えば、ブレーキ作動中の弾性ひずみに応じて通常の形状に戻ろうとする、シールのゴム材料の弾性のために起こると考えられる。
ブレーキ作動位置において、ピストンは内側ブレーキパッドの方に突出し、キャリパーボディと各ブレーキパッドをたわませることで追従させる負荷を生じさせる。キャリパーボディと各ブレーキパッドの剛性が大きいほど、ローターの動きを制動するのに足りるだけのクランプ力を得るために必要とされるピストンの移動量は小さくなる。一般的に、クランプ力に対して、キャリパーのたわみは直線的に変化するが、パッドの剛性は直線的には変化しない。通常、ブレーキパッドの剛性は、クランプ力が小さい時はあまり大きくなく、クランプ力が大きい時は大きい。シール、シール溝の形状、及び他の要素とのシールの嵌め合いは、様々なブレーキ作動圧によるピストンの後退量に影響する。
ピストンの後退量を平均作動間隙、もしくは単に作動間隙と記述することができる。作動間隙は、ローターが一回転した時の内側ブレーキパッドと外側ブレーキパッドの平均間隙として規定される。ローターの回転中には、一般に、ローターと各ブレーキパッドとの間では接触と非接触が交互に生じ得る。
したがって、内側と外側の各ブレーキパッドとローターの間の合計作動間隙に関するブレーキ性能に対して、重要であり、かつ競合する可能性のある2つの影響が存在する可能性がある。第1の影響は、平均作動間隙が大きいほど抗力は小さくなることであり、この結果、通常走行時(例えば、運転者の足がブレーキペダルを係合させていないブレーキ非作動位置)の燃料効率がよくなる(例えば燃料消費が減る)ことがある。第2の影響は、作動間隙が大きいほど、ブレーキがかかるのに必要なブレーキ液の量も増える(例えばペダルの移動距離が長くなる)ことである。この結果、ペダルの感覚が悪くなることに関係するペダルの移動が大きくなり(例えばブレーキ作動時間が長くなり)、顧客が不満に思うことがある。
従って、本発明の目的は、第1の影響及び第2の影響の両方に対処する溝用シールの形状を有するブレーキキャリパー構造体を提供することである。
本発明は上記の内容、特に、燃料効率と作動液の使用量のバランスをとる必要性に、ブレーキ構造体のブレーキキャリパー装置の改良を提供することで応えている。概要として、本発明は、外面及び当該外面内に凹部を区画する溝壁を含むシール溝を有する少なくとも1つのピストンボアと、ボア軸に沿って移動するために少なくとも1つのピストンボア内に摺動可能に配置され、外面及び内側ブレーキパッドを移動させるように構成された第1のピストン端を有する少なくとも1つのピストンと、シール溝の凹部の周囲に配置され、少なくとも1つのピストンの外面の第1の部分上で封止するために摩擦係合するシールと、内側溝壁部分の第2の端から少なくとも1つのピストンボアの外面まで隣接してのびていて、内側溝壁部分の第2の端から第1の面取り端までのびる第1の面取り壁と、第1の面取り端から第2の面取り端までのびる第2の面取り壁と、第2の面取り端から少なくとも1つのピストンボアの外面の縁部までのびる第3の面取り壁を持つ複数の面取り壁を有する面取り部を備えたブレーキキャリパー構造体を目的としたものである。
本発明の一態様において、第1の面取り壁はボア軸に対する垂線となす約5度から約50度の範囲の第1の角度を形成し、第2の面取り壁は第1の面取り端から第2の面取り端へとのびており、第2の面取り壁はボア軸に対する垂線となす約50度から約90度の範囲の第2の角度を形成し、あるいは、両者とも、剛性を変化させるブレーキ構造体のブレーキ作動位置にある間、シールと外面の第1の部分の間での滑りをほぼ防ぐように構成されている。
本発明の別の態様において、第3の角度は、剛性を変化させるブレーキ構造体のブレーキ作動位置にある間、シールと少なくとも1つのピストンの外面の第1の部分の間での滑りを可能にするように構成されている。
本発明の一実施形態の斜視図。 本発明の一実施形態の斜視図の断面を示す図。 本発明の一実施形態の一態様の断面を拡大して示す図。 本発明の一実施形態の一態様の断面を拡大して示す図。 本発明の一実施形態の断面を示す図。 本発明の一実施形態の断面を示す図。 本発明の別の実施形態の断面を示す図。 本発明の別の実施形態の断面を示す図。 本発明の別の実施形態の断面を示す図。 本発明の別の実施形態の断面を示す図。 本発明の別の実施形態を示す図。
以下に説明する1つ以上の好適な実施形態の説明は、本質的に単なる例示であり、決して本発明、およびその用途や使用法を限定することを意図するものではない。
本発明の教示により、ピストンボアを有するブレーキキャリパーが提供される。このピストンボアは、ブレーキパッドがローターに係合している時も係合していない時も、ピストンがボア周囲を移動するようにピストンを収容するようになされている。ピストンボアは、低液圧ではピストンのシール滑りが生じることをほぼ防ぎ、一方より高い液圧ではピストンのシール滑りが生じることを可能にすることで、自走車両のブレーキ系統において(例えば剛性において)抗力と作動液量の影響を均衡化させるように構成された溝(例えばシール溝)の形状を有するのが望ましい。このことは、本発明の教示に従って、例えば、ブレーキ作動中にシールが内側で弾性変形する(例えば、前縁が少なくとも2つのオフセット変形部位のあたりで連続的に弾性変形する)、特定の連続した面取り部があるシール溝の形状を構成することによって実現することができ、これにより、ブレーキ作動位置において、ピストンにより制動力が内側ブレーキパッドに十分に加わる一方、各面取り部によりシールの変形が可能になる。しかし、ブレーキ非作動位置においては、シール溝の形状の幾何学的な性質には、弾性変形したシールが元の形へ復元するのを助ける構造を含み得る。
図1及び図2を参照に、一般的なディスクブレーキ(例えばフローティングディスクブレーキ)構造10の例(限定のためのものではない)を説明する。しかしながら、対向するピストンキャリパーディスクブレーキ構造(図示省略)の性能向上のために、同様の一般的なシール溝の形状を使用可能であることが理解される。ディスクブレーキ10は、ブレーキ作動位置にある状態にて、内側ブレーキパッド12及び外側ブレーキパッド14を回転可能なディスク(例えばローター)16に対してクランプすることにより、車両(図示省略)を減速させるように動作可能である。ディスクブレーキ10は、車両のステアリングナックルもしくは車軸部品に搭載されて動作中に制動力を支持するようになされた支持ブラケット18を有している。キャリパー24は第1のスライドピン20及び第2のスライドピン22上に摺動可能に支持されている。少なくとも1つのピストン26はキャリパー24内に摺動可能に支持されている。ピストン26はキャリパー24に選択的に供給されている液圧を通じて可動である。内側ブレーキパッド12及び外側ブレーキパッド14はローター16の互いに対向する摩耗表面に位置している。キャリパー24は、内側ブレーキパッド12及び外側ブレーキパッド14を、ピストン26の軸方向の動きによって各ブレーキパッドをローター上のブレーキ作動位置にクランプするように、少なくとも部分的に覆っている。
内側ブレーキパッド12は受け板32上に搭載された摩擦材ブロック30を有している。クリップ34は、内側ブレーキパッド12をブレーキ作動中はローターの方へ、作動後はローターから離れる方へ、横方向移動させることに協働し得る。外側ブレーキパッド14は受け板38上に搭載された摩擦材ブロック36を有している。クリップ40は、外側ブレーキパッド14をブレーキ作動中はローターの方へ、作動後はローターから離れる方へ、横方向移動させることに協働し得る。
キャリパー24は、横方向に延びる橋部108によって連結された内側円筒部104及び外側指状部106を有する、全体が「C」型の部材である。内側円筒部104は、少なくとも1つのピストンボア50を有する。ピストン26はピストンボア50内に摺動可能に配置されており、ピストンボア軸52に沿って移動する。ピストンブーツ54はピストン26及び内側円筒部104と密封係合しており、ピストンボアに異物が混入するのを防ぐ。ピストン26は、穴124に入りピストンボア50を通って内側ブレーキパッド12の受け板32に作動力を加える作動液によって動作可能である。図2に示すように、ピストンボア50はさらに、ゴム製シール48を内部に有する一般的な溝用シール46を有する。
外側指状部106は、外側ブレーキパッド14の受け板38に係合している表面122がある。内側ブレーキパッド12、外側ブレーキパッド14、及びキャリパー24は支持ブラケット18及びローター16に対して横方向に移動可能であるので、内側ブレーキパッド12と外側ブレーキパッド14の両方がローター16に対してクランプ可能である。
上述のように、対向形ピストンキャリパー130の場合、少なくとも2つの対向するピストンボアが与えられ、またそれぞれが、ブレーキパッドがローター152に係合している時も係合していない時も、ピストンがその周囲で運動できるように収容するように構成されていると考えられる。すなわち、この少なくとも2つの対向するピストンボアは、内側ピストン134を収容する内側ピストンボア132及び外側ピストン138を収容する外側ピストンボア136を有する。内側ピストン及び外側ピストンはそれぞれ、おおむね互いに対向する内側ピストン端140及び外側ピストン端142を有する。
キャリパーはさらに、ローターを係合させるように構成された内側ブレーキパッド144及び外側ブレーキパッド146を有している。内側ブレーキパッド144は、内側ピストン134のピストン端140に大体が隣接している受け板148、及び、ローター152の第1の部分258を係合させる摩擦材150を有している。外側ブレーキパッド146は、外側ピストン138のピストン端142に大体が隣接している受け板154、及び、ローター152の第2の部分260を係合させる摩擦材156を有している。内側ピストンボア132と外側ピストンボア136内で液圧が高くなると、対向する内側ピストン134及び外側ピストン138の両方ともが、内側ピストン端140が内側ブレーキシュー144を、外側ピストン端142が外側ブレーキシュー146を、両者の間に介在するローター152にほぼ向かって内向きに(例えばおおむね同じ軸、もしくは異なる軸に沿って)動かすようにして、内向きに突出する。
「フローティング」ディスクブレーキに関して上記で説明したように、内側ピストンボア132と外側ピストンボア136が、複数の面取り壁(例えば本明細書で説明されているような、第1の面取り壁、第2の面取り壁、及び第3の面取り壁)がある面取り壁部164を持つ形状のシール溝162を有することが望ましい。シール溝162は、シール溝の凹部の周囲に配置されたシール166を収容するようになされている。シール166は、封止するために、ピストン134,138のそれぞれの外面の一部を摩擦係合させるように構成されている。対向ピストンキャリパーでは、溝壁の前方部及び面取り部はローターから最も近くに位置し、一方、各溝壁の後方部はローターから最も遠くに位置していてもよいと考えられる。溝用シールの形状は、低液圧ではピストンのシール滑りをほぼ防ぎ、一方より高い液圧ではピストンのシール滑りを可能にすることで、自走車両のブレーキ系統において(例えば剛性において)抗力と作動液量の影響を均衡化させるように構成されていることが理解される。
対向ピストンキャリパーでは、各ピストンのみがブレーキ作動位置にある時に互いに対して移動し得る(例えば、キャリパーボディは実質的に動かない(例えばたわみ))ことが理解される。さらに、シール溝の形状(例えば形)は、外側ピストンボアに対して内側ピストンボアは大体が同等であるが、寸法は同じではない。これは例えば、対向する2つのピストンの場合、及び/または、4つ以上のピストンがある場合の主導、従導ピストンの場合であり、ここで(例えば、ローターのある部分がキャリパーの背面を外向きに回転する時)「主導」ピストンはローターの当該部分が最初に「見える」ピストンを意味し、「従導」ピストンはローターの当該部分が最後に「見える」ピストンを意味している。
図3及び図4を参照に、本発明のシール溝62の一領域(例えば形状)の拡大図を説明する。ピストンボア50は、ピストン26を収容するように構成された(例えばほぼ円筒形の)空隙を区画する外面56を有している。外面56は、(例えばほぼ環状に)成形されているピストンシール溝62を介在して、外面前方部分58及び外面後方部分60を有している。シール溝62は、ピストンシール70を収容するようになされた領域を形成するシール溝の形状を区画するように、外面56の外側に配置されている。シール溝の形状は、本明細書にて説明されているように、自走車両のブレーキ系統において(例えば剛性において)抗力と作動液量の影響を均衡化させるように構成されているのが効果的である。
シール70の成型形状は様々なものであってもよい。シールはほぼ環状であり、ピストン26の外面42の外径の一部分を、周囲を全体的に封止するように密閉し得る適切な寸法を持つ内径を有する空洞部分を有している。少なくともシールの一部分(例えば外側の部分)は、溝用シール形状のある部分(例えば外側の溝壁)に対して周囲を封止するような適切な寸法を持つことが望ましい。ある例では、シールが後方外径よりも大きくてもよい前方外径(例えば溝壁前方部分の周囲)を有していてもよく、それは例えばシールの断面が、円筒形であってもよい中空貫通孔がある台形であってもよい。他の形、寸法、方向等もまた可能であり得ることが理解される。
溝用シール62に戻って、必須ではないが、外面56の前方部分58及び後方部分60はボア軸52にほぼ平行な方向に、また、ピストン26の外面42に隣接してのびている。シール溝62は、ボア50の後方溝壁74と後方外面60の間にのびていて、第1の凹部76を区画している面取り壁72を持つ後方部分64を有する。面取り壁72はシール70とは間隔を置き、またほぼ対向して配置されている。シール溝62はさらに前方部分66を有し、これは内側ブレーキパッド12とは最も近い。シール溝62の前方部分66は、前方溝壁78を有していてもよく、これは後方溝壁74とほぼ対向するとともに間隔を置いて配置されていて、外側溝壁80がその間にのびている。前方部分66及び後方部分64はそれぞれさらに、外側溝壁80へとのびる外端67,69を有している。外端67,69は、同様であっても互いに異なっていても、他方に対して大きくても小さくても、ボア軸に対して他方とはずらして配置されても、もしくは他の特徴の形態であってもよい。例えば、外端67,69の一方あるいは両方が屈曲点を含んでいてもよく、この屈曲点は、凹状や凸状のように全体的に屈曲したり(図3)、傾斜していたり面取りされていたり等の平坦であったり(図4)、点や縁のある頂きがあったり、または他の形態、あるいはこれらの任意の組み合わせであってもよい。
後方溝壁74、前方溝壁78、外側溝壁80、面取り壁72、またはこれらの任意の組み合わせが、平坦状(例えば傾斜や他の形状)、弓状、または他の形状、あるいはこれらの任意の組み合わせであってもよい断面を有していてもよいことが理解される。例示として、シール70が部分的に外向きに変形している時及び内向きに復元している時にシール溝62においてほぼ保持され得るように、前方溝壁78及び後方溝壁74の少なくとも一方が、図3及び図4に示すようにボア軸52にほぼ垂直にのびていてもよい。ある態様では、外側溝壁80は、前方部分66の外端67が後方部分64の外端69よりもボア軸52に対してさらに外側に配置され得るようにほぼ傾いていてもよい。反対方向へ傾くこともまた可能である。必要に応じて、外側溝壁はさらに、シール溝62から外向きにのびて円筒部104に入る凹部128(図4)を有していてもよい。好適には、外側溝壁80は外端67と外端69の間で終端し、またその間で(断面が)おおむね平坦である。外側溝壁80の傾斜は、キャリパー24の組み立て後及び初期加圧後に、シール70が、ブレーキをかけると第2の凹部102内へと外向きに変形するように壁78に押し付けられるように構成されていることが理解できる。
シール溝62の前方部分66はさらに、ピストンボア50の前方溝壁78と前方外面58の間にのびている面取り部82を有している。面取り部82は、少なくとも1つの面取り面がブレーキ作動位置においてピストンのシール滑りをほぼ防ぎ、少なくとも1つの面取り面がブレーキ作動位置においてピストンのシール滑りをおおむね可能にするように、周囲の各表面を区画する複数の面取り面が含まれている。この複数の面取り面は、示されている図面の場合、断面が直線で示されているが、必須ではないことが理解できる。図3及び図4に示すようなある特定の例において、面取り部82は、ピストンボア50の前方溝壁78から前方外面58へと隣接して(例えば連続して)のびる第1の面取り壁84、第2の面取り壁86、及び第3の面取り壁88を有している。第1の面取り壁84、第2の面取り壁86、第3の面取り壁88、及びピストン26の外面42はそれぞれの間に、第2の凹部102をおおまかに区画する。第1の面取り壁84は、外端67に対向して位置する前方溝壁78の溝壁縁90から第1の面取り端92へとのびている。
第1の面取り壁84は、溝壁縁90のボア軸52に対する垂線となす第1の角度94を形成してもよい。第1の角度94は少なくとも約5度、好適には少なくとも約25度であってもよい。さらに、第1の角度94は約50度未満、好適には約45度未満であってもよい。例えば、第1の角度94は約5度から約50度の範囲、好適には約25度から約45度の範囲にあってもよい。
第1の面取り端92は第1の面取り壁84と第2の面取り壁86を互いに接続している。第2の面取り壁86は、第1の面取り端92のボア軸52に対する垂線となす第2の角度96を形成してもよい。第2の角度96は少なくとも約30度、好適には少なくとも約50度であってもよい。さらに、第2の角度96は約90度未満、好適には約70度未満であってもよい。例えば、第2の角度96は約30度から約90度の範囲、好適には約50度から約70度の範囲にあってもよい。
第2の面取り壁86は、第1の面取り端92から第2の面取り端98へ、第2の面取り端98が第2の面取り壁86と第3の面取り壁88を互いに接続するようにのびている。第3の面取り壁88は、第2の面取り端98のボア軸52に対する垂線となす第3の角度100を形成してもよい。第3の角度100は少なくとも約0度、好適には少なくとも約5度であってもよい。さらに、第3の角度100は約50度未満、好適には約45度未満であってもよい。例えば、第3の角度100は約0度から約50度の範囲、好適には約5度から約45度の範囲にあってもよい。第3の面取り壁88は、第2の面取り端からボア50の前方外面58のボア端99へとのびている。
第1の角度94、第2の角度96、及び第3の角度100は順次大きくはならなくても順次小さくはならなくてもよいが、必須ではないと考えられる。ある例では、第2の角度96は第1の角度94及び第3の角度100の両方よりもおおむね大きい。
さらに、本例の範囲内において、各面取り壁を互いに、及び/または溝壁、ボアの外面、あるいは他の部分に接続して屈曲部(例えば、断面で示されている縁や頂部)を規定してもよいことが図示され、かつ/または説明されていることが理解される。しかし、それぞれの間にある屈曲部の1つ以上が直線状、弓状、もしくは他の形状であってもよいことがさらに理解される。図3及び図4に示すような一例において、第1、第2、及び第3の各面取り壁は、好適には、凹部(例えば第2の凹部110内に位置している、第1の面取り壁84と第2の面取り壁86の間の第1の面取り端92)及び凸部(例えば第2の凹部110から外向きに位置している、第2の面取り壁86と第3の面取り壁88の間の第2の面取り端98)を含んでいる。一実施形態では、溝用シール端90の位置は、ピストンの外面からシール溝の前方部分の外端67までの距離の少なくとも約10%、一般的は少なくとも約15%、より一般的には少なくとも約20%の位置にあってもよい。さらに、溝壁縁90の位置は、ピストンの外面からシール溝の前方部分の外端67までの距離の約70%未満の位置に、一般的には約50%より未満の位置に、より一般的には約40%未満の位置にあってもよい。例えば、溝壁縁の位置は、ピストンの外面からシール溝の前方部分の外端67までの距離の約10%から約70%、一般的には約15%から約50%、より一般的には約20%から約40%の位置であってもよい。別の実施形態では、ブレーキ非作動位置において、ボア端99の位置は、シールの前方部分120からの距離が少なくとも約0.3mm、一般的には少なくとも約0.6mmの位置であってもよい。さらに、ボア端99の位置は、ブレーキ非作動位置において、シールの前方部分120からの距離が約2mm未満の位置に、一般的には約1.5mm未満の位置にあってもよい。例えば、ボア端99の位置は、ブレーキ非作動位置において、シールの前方部分120からの距離が約0.3mmから約2mmの範囲、一般的には約0.6mmから約1.5mmの範囲であってもよい。
ブレーキ作動位置では、ピストン26は外側に突出して内側ブレーキパッドをローターに向かって移動させることで、内側ブレーキパッド12と外側ブレーキパッド14の一方あるいは両方とローター16との間の初期作動間隙を小さくする。第1のブレーキの初期非作動位置では、初期作動間隙は内側ブレーキパッドと外側ブレーキパッドの両方とローターとの間の合計距離によって大体が規定されることが理解される。具体的には、合計作動間隙は、ピストン端と内側ブレーキパッドの受け板の間の距離、内側ブレーキパッドの摩擦材とローターの第1の面の間の距離、ローターの第2の面と外側ブレーキパッドの摩擦材の間の距離、及び、外側ブレーキパッドの受け板とキャリパーボディの「指状部」の内側面との間の距離として規定され得る。
ピストンは、それぞれの剛性によって可能になるようなキャリパーとブレーキパッドの一方あるいは両方のたわみによってピストンの力が均衡し、ローター16を係合させるまで突出し続ける。したがって、ピストン26がローターに向かって外側に突出すると、ピストン26はシール70の少なくとも一部分を、シール70の変形により第2の凹部102に押し込むこともある。第2の凹部102は、第1の面取り壁84、第2の面取り壁86、第3の面取り壁88とピストン26の外面42との間にそれぞれほぼ位置する第1の領域110、第2の領域112、及び第3の領域114を有している。ピストン26が外向きに突出してシール70を第2の凹部102の第1の領域110内へあるいは第1の領域110と第2の領域112内へと変形し始めると、シール70とピストン26の外面42との間には滑りはほぼ生じないであろうことが理解される。より詳細には、ピストンボア50内の液圧が上がると、ピストン26は突出し続けながら、さらにシール70を第2の凹部102内へと変形させ得る。
シール70が第2の凹部102内へと変形する量は、内側ブレーキパッド12及び外側ブレーキパッド14に使用された摩擦材の特性(例えば剛性)の影響を受け得ることが理解される。例えば、剛性の比較的高いブレーキ系統では、ピストンの移動量は低剛性の摩擦材を有するブレーキ系統よりも短くてもよい。すなわち、同等の液圧では、高剛性の摩擦材を有する場合の方が、より低い剛性の摩擦材を有する場合よりも、ほぼ同等の制動を得るためのピストンの移動量が小さくなる。このように、比較的剛性の高い摩擦材を使用すると、同等の液圧では、比較的剛性が低い摩擦材を使用するよりも、シール70が第2の凹部102内へと変形する割合がより低くなる結果が生じ得る。
ある態様では、シール70が第2の凹部102の第1の領域110内へと変形する量を調節するために、第1の面取り壁84、第1の角度94、もしくはその両方が、いくつかのブレーキパッドを他のブレーキパッドと比べて相対的に剛性が高いものにするといった、互いに異なる摩擦材を有する複数のブレーキパッドを収容するように構成されていてもよい。例えば相対的に剛性の高いブレーキパッドを有するブレーキ装置では、ブレーキ作動位置にある間ピストン26が外向きに移動してクランプ力をローターに加えると、第1の面取り壁84によって、シール70の一部が第2の凹部102の第1の領域110内に全体的に変形することが可能になり得る。シール70はピストン26とともに、両者間の接触摩擦及びシール70上への圧力の増加によって移動するので、第1の面取り壁84、第1の角度94、もしくはその両方によりシール70が第1の領域110内へ変形する量がほぼ決まることで、ピストン26が移動する距離を調節する(例えば、液圧によって決まる、ピストンのシール滑りがほぼ生じないか、もしくは生じるか等)ことが理解される。
別の態様では、シール70が第2の凹部102の第1の領域110を経て(例えば、第1の面取り壁とほぼ接触した状態で)第2の領域112内へと変形する量を調節するために、第2の面取り壁86、第2の角度96、もしくはその両方が、相対的に剛性の低い摩擦材を有するブレーキパッドを収容するように構成されていてもよい。したがって、第1の角度94及び第2の角度96に対する第1の面取り壁84及び第2の面取り壁86を組み合わせて用いる際に、本発明のブレーキ構造体は数種のブレーキパッド(例えば、低剛性摩擦材、高剛性摩擦材、または中間に任意の剛性の摩擦材を有するもの)を収容する構成を備えることが可能である。すなわち、第1の面取り壁84、第2の面取り壁86、第1の角度94、第2の角度96、またはこれらの任意の組み合わせを変えることにより、本明細書で説明しているように、本発明の溝用シールの構成を、低剛性と高剛性のブレーキ系統を両方とも組み込ながら、第1の影響と第2の影響(例えば抗力と液量)の間のバランスを「最適化」するように構成することができる。
さらに別の態様では、後に続く第2のブレーキ非作動位置において内側ブレーキパッド12及び外側ブレーキパッド14とローター16との間の作動間隙を最小にするために、第3の面取り壁88、第3の角度100、もしくはその両方が、ピストン26の外面42での位置においてシール70との間で滑ることが可能になるように構成されていてもよい。滑りの発生を可能にすることにより、また、滑りを引き起こすことにより、またはその両方により、シール70の第3の領域114への変形(例えば、シール70が第3の面取り壁とほぼ接触している等)をほとんど生じずに、ピストン26はローター16に向かって外側へ突出し続ける。このように行っている際に、第1の影響(例えば抗力)と第2の影響(例えば、作動液の使用量)の間のバランスを、(後に続くブレーキ非作動位置において例えば第1のブレーキ非作動時の初期位置の作動間隙に対して)作動間隙を小さくするようにとってもよい。第1の影響と第2の影響を均衡化させることで作動間隙を小さくすることにより、高圧時において過剰量の抗力が生じずに、ブレーキ構造体を係合するのに必要なブレーキペダルの移動量(例えば、足による第1の接触からブレーキとの係合までブレーキペダルの移動距離)を少なくすると考えられる。例えば、本発明の第3の面取り壁、第3の角度、もしくはその両方の、約6MPaより高圧において滑りを可能にするか、滑りを少なくするための設計の特徴、または他の要素を用いることにより、生じる抗力を、ピストンとシールの間の滑り量の制御を省いた他のブレーキ構造体の抗力と比較して約25%から約50%小さくすることができると考えられる。
ブレーキが係合する際(例えばブレーキペダルと接触する、ブレーキペダルを押し込む、またはその両方)、車両はその力を、車両の運転者の足から作動液(例えばブレーキ液)を介してブレーキ構造体へ伝達する。ブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキペダルの圧力が作動液をピストンボア内に押し込む。ピストンボアには作動液が充填されているので、ピストンボア内の圧力は、作動液がピストン(及びシール)を初期位置から係合場所まで押すことで、その係合に応じて内側ブレーキパッドをローターに向かって突出させるようにして増加する。
ピストンは軸52に沿って軸方向には動かないローターを押す内側ブレーキパッドを押すので、ローターに接触すると、キャリパーボディ(104,106,108)がピン20及びピン22上に摺動するようにして、内側ブレーキパッドをローターに向かって突出させてもよい。ローターは軸52に沿って軸方向には動かないので、キャリパーボディ(104,106,108)は軸52に沿ってピン上を摺動し、外側ブレーキパッド14上に力を生じさせることになる。液圧によってピストン上に、またその結果内側パッド上にも生じた力は、キャリパーボディが外側ブレーキパッド上に加えた力に等しい。内側ブレーキパッドが係合することで、外側ブレーキパッドはローターの回転を制動し、それにより車両の車輪の回転が減速する。しかし、ある好適な実施形態では、ブレーキが係合すると(例えばブレーキ作動位置で)、約0MPaから約7MPaの範囲の液圧を得ることができるブレーキ作動位置に続くブレーキ非作動位置において、目標の作動間隙をほぼ保つことが望まれ得る。
本明細書で説明されているように、ブレーキ作動位置にある間に必要な作動液の変位量を制御するために、ある程度の、あるいは目標の作動間隙を保つことが望まれ得ると理解される。このことを実現するためには、ボアの外面56から溝壁縁90までの距離が、目標の作動間隙の確保のために重要である。通常は、ブレーキ系統の剛性が高い(例えば、ブレーキ作動に必要なピストン移動量が小さくなる)ほど、(例えばボアの前方外面及び後方外面に沿ってのびる)表面軸126と溝壁縁90の間の垂直距離は短くなる。
図5〜図10を参照に、第1のブレーキ非作動位置(A)、ブレーキ作動位置(B)、及び第2のブレーキ非作動位置(C)を含むブレーキ作動手順を示して本発明の各実施形態を説明する。第1のブレーキ非作動位置(図5A,7A,9A)は、ピストン26及び初期作動間隙RCを示している。説明を簡単にするために、作動間隙RCをピストン端と内側ブレーキパッドの間の距離となるように表しているが、内側ブレーキパッド及び外側ブレーキパッドとローターの間にさらなる作動間隙が存在してもよいことが理解される。
ある例では、ブレーキペダルを踏み込む(例えば図5B及び図6Bのブレーキ作動位置)と、液圧が上がり、ピストンがローターに向かって外向きに突出しながら、シールが第2の凹部内へと変形するが、どちらも同じ距離だけ変化する。より詳細には、約0MPaから約1MPaまでの圧力では、ピストン26の第1の部分116が初期位置IL(例えばボア軸に対する垂線から)から第1の位置L(例えばボア軸に対する垂線から)まで外向きに突出しながら、シールの前方部分120はおおむね第2の凹部102の第1の領域110内(例えばおおむね第1の領域110付近)へと変形するが、どちらもほぼ距離dxだけ(図5B及び図6B)変化している。
ブレーキが離合すると、液圧がさがり、シールをシール溝62内に(固有の弾性特性によって)ほぼ復元させるとともに、ピストンをローターから内向きに、シールの前方部分120及びピストンの第1の部分116が第1の位置Lから初期位置ILへと移動するようにして後退させる(図6C)が、どちらもほぼ距離dx(図5C及び図6C)だけ変化している。従って、第1の面取り壁84に対する第1の角度94はピストンのシール滑りをほぼ防ぐように構成され得るので、第2のブレーキ非作動位置(図5C)に達した際に、作動間隙RCはほぼ保たれていたことが理解される。
例えば、シールの一部分が、第2の面取り端の周囲で、そして第1の面取り端あたりで屈曲することによって、正常な位置に戻ってもよいことが理解される。第1の面取り端及び第2の面取り端(例えば各屈曲点)は、てこの作用を効果的に生み出して、ボア内でピストンを後退させることを促進させている。シールがピストンを、ブレーキ作動位置にある間にピストンが外向きに突出する距離(例えば、約5MPa未満の圧力等の比較的低液圧において)にほぼ比例して後退させ得ると考えられる。
他の例では、ブレーキペダルを踏み込む(例えば図7B及び図8Bのブレーキ作動位置)と、液圧があがり、ピストンがローターに向かって外向きにさらに突出しながら、シールが第2の凹部内へとさらに変形するが、どちらも同じ距離だけ変化する。より詳細には、約5MPa未満の圧力では、ピストンの第1の部分116は初期位置ILから第2の位置L(例えばボア軸に対する垂線から)まで、通常は(例えば外向きに)第1の位置Lを越えて外向きに突出しながら、シール70(図8B)の前方部分は第2の凹部102内(例えば、だいたい第1の領域110付近、もしくは第1の領域110及び第2の領域112付近)へと変形するが、どちらもほぼ同じ距離dxだけ(図7B及び図8B)変化している。
ブレーキが離合すると、液圧がさがり、シールをシール溝62内にほぼ復元させるとともに、ピストンをローターから内向きに後退させる。シールの前方部分120及びピストンの第1の部分116が第1の位置Lから初期位置ILへと、どちらもほぼ同じ距離dx(図7C及び図8C)だけ移動している(図6C)ことが理解される。従って、第1の面取り壁84に対する角度94及び第2の面取り壁86に対する角度96はピストンのシール滑りをほぼ防ぐように構成され得るので、第2のブレーキ非作動位置(図7C)に達した際に、作動間隙RCはほぼ保たれていたことが理解される。
さらに別の例では、ブレーキペダルを踏み込む(例えば図9B及び図10Bのブレーキ作動位置)と、液圧があがり、ピストンがローターに向かって外向きにさらに十分に突出し、シールを第3の面取り壁88に接触可能なように変形させる。しかし、圧力が高くなり、かつ、シールが第3の面取り壁88に接触するので、シールとピストンの外面の第1の部分116との間で滑りが生じる。例えば、滑りが生じると、ピストンの第1の部分116がローターに向かって外向きに突出し続ける一方で、シールの前方部分の第2の凹部(例えば第3の領域114)へのさらなる変形はほぼ止まってしまうようになり、シールをピストンとともに動かす摩擦接触が作用しなくなってしまう。
すなわち、少なくとも約5MPaの圧力において、ピストンの第1の部分116は初期位置ILから第2の位置Lまで外向きに突出しながら、シール70(図10B)の前方部分が第2の凹部102(例えば、ほぼ第1の領域110付近、もしくは第1の領域110及び第2の領域112付近)へと変形するが、どちらもほぼ同じ距離dxだけ(図7B及び図8B)変化している。しかし、約5MPaの圧力では、ピストンはシールから滑り始め、その結果ピストンの第1の部分116がシールの前方部分120を越えて第3の位置L(例えばボア軸に対する垂線から)まで、距離ds(図9B及び図10B)だけ突出することが可能になる。第3の位置(例えばdx+ds)において、シールの前方部分120はピストンの第2の部分118の周囲の位置であることが理解される。さらに、第1の部分116がシールの前方部分120を超えて滑る距離dsはピストンの第1の部分116と第2の部分118の間の距離にほぼ比例することが理解される。
ブレーキが離合すると、液圧は、シールとピストンの外面の間の摩擦接触がほぼ回復して滑りを防ぐように下がる。よって、シールがシール溝62内へとほぼ復元するとともに、ピストンがローターから離れる方向に後退する。したがって、シールの前方部分120及びピストンの第2の部分118は第2の位置Lから初期位置IL(図6C)まで、どちらもほぼ同じ距離dxだけ移動する一方、第1の部分116は第3の位置Lから、距離dx−dsである滑り位置L(図9C及び図10C)まで大体移動することが理解される。よって、第3の面取り壁88に対する第3の角度100は、ピストンのシール滑りが主にその周辺のシールと接触することで可能になるように構成され得るので、第2のブレーキ非作動位置(図9C)に達した際に、作動間隙RCは作動間隙RCslipまで距離dsだけ小さくなっていたことが理解される。
効果的には、作動間隙RCslipが小さくなった結果、後に続くブレーキ作動位置(例えば、図10Cのブレーキ非作動位置の後)において、ピストンが突出してブレーキを係合させるのに必要な距離が同様に距離dsだけ小さくなることにより、必要な制動を実現するために求められる作動液の量はより少なくすることができる。必要な制動を実現するために求められる液圧をより低くすることにより、作動液の使用量を減らすことができる。
後に続く第2のブレーキ非作動位置の作動間隙の変動は、その前のブレーキ作動位置において実現された液圧の量の影響を受け得ることが考えられる。ある態様では、約0MPaから約4MPa未満までの範囲か、またはそれ以上の圧力では、好適には約1MPaから約3MPaまでの圧力では(例えば図5B)、第1の面取り壁84の形状によって、シールの第2の凹部102への変形を可能にしながらピストンとシールの間の接触摩擦を保つことで滑りをほぼ防ぐ。
別の態様では、約1MPaから約7MPaまでの範囲か、またはそれ以上の圧力では、好適には約2MPaから約6MPaまでの圧力では、第1の面取り壁84の形状(例えば約0MPaから約3MPaまで)もしくは第1の面取り壁84及び第2の面取り壁86の両形状(例えば約2MPaから約7MPaまで)によって、シールの第2の凹部102への変形を可能にしながらピストンとシールの間の接触摩擦を保つことで滑りをほぼ防ぐ。
ブレーキ作動位置(図5B及び図7B)において約0MPaから約7MPaまでの範囲の圧力では、後に続く第2のブレーキ非作動位置(図5C及び図7C)での作動間隙RCは、第1のブレーキ作動時の初期位置(図5A及び図7A)に対してほぼ保たれることが理解される。したがって、作動間隙RCは少なくとも約0.05mmであってもよいが、可能であればこれよりも大きい方がよく、好適には少なくとも約0.5mmである。
効果的には、第3の面取り壁88の形状は、例えば少なくとも約6MPa、可能であればより低い圧力で滑りを可能にするように位置してもよい。この圧力では、第3の面取り壁88に対する第2の面取り端92、第3の角度100、もしくはその両方により、滑りが生じることが可能になり、その結果、前の段階では必要であった、シール70が第2の凹部102(例えば第3の領域114)内へと変形し続けるのをおおむね防ぎ、後に続く(例えば第2の)ブレーキ非作動位置において初期(例えば一定の)作動間隙RCを保つことができる。圧力が増加して6MPa以上になると、ピストンの第1の部分116は、ブレーキペダルの踏み込みが最大に達するまで(例えば、最大圧力及び/またはブレーキの係合)、ブレーキペダルを離合するまで、あるいはその両方まで、シールの前方部分120を越えてローターに向かって外向きに突出し続けると考えられる。通常は、ブレーキペダルの踏み込みが最大(例えばピストンストローク)の合計)の時において、圧力は少なくとも約10MPaか、もしくはそれ以上(例えば14MPa)であってもよい。
したがって、後に続くブレーキ非作動位置(図9C及び図10C)において(例えば、図9B及び図10Bのピストンのシール滑りの状態であるブレーキ作動位置の後)、作動間隙RCは先のブレーキ作動位置で得られた液圧に相当する作動間隙RCslipまで小さくなっていたであろう。滑りが生じた状態である先のブレーキ作動位置(例えば図9B及び図10B)における少なくとも約5MPa、好適には少なくとも約7MPaの液圧では、作動間隙RCslipは約0.5mm未満であってもよいが、可能であればより小さい方がよく、好適には約0.1mm未満である。液圧が増加して少なくとも約7MPaより高くなった結果、ブレーキ作動位置において滑りが続くことが可能になるので、作動間隙RCslipは、後に続くブレーキ非作動位置に戻った際に、(例えば少なくとも約10MPaの液圧において)0mmにほぼ近づき得ると考えられる。
米国特許第3915461号、第4387901号、第5076593号、第5325940号、第6244393号、及び第7255207号、並びに米国特許出願第07/0256903号において、様々な溝用シールの設計が提供されてきており、すべての目的で参照として本明細書に組み込まれることが理解される。
複数の要素または工程の機能あるいは構造を組み合わせて1つの要素または工程にしてもよいことや、もしくは、1つの工程または要素の機能あるいは構造を分割して複数の工程または要素にしてもよいことはさらに理解されるであろう。本発明はこれらの組み合わせのすべてを意図したものである。特に記載しない限り、本明細書に示された種々の構造の寸法及び形状は本発明を限定するためのものではなく、他の寸法や形状も可能である。さらに、図示された実施形態のうちのたった1つの状況において本発明の特徴を述べてきたが、あらゆる所与の用途に対して、このような特徴を他の実施形態の他の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい。本明細書における特有の構造の形成及び操作も本発明に従った方法を構成することも上述から理解されるであろう。本発明はまた、本明細書の方法を実施した結果得られる中間生成物及び最終生成物を網羅している。「備える(comprising)」や「有する(including)」の語を使用することはまた、列挙された特徴「から実質的になる(consist essentially of)」または「からなる(consist of)」実施形態を意図したものである。
本明細書で提示された説明や図示は、本発明、その原理、およびその実際の用途を当業者に知らせることを意図するものである。当業者であれば本発明を、多数の形式で特定の使用要件にもっとも適するように適用及び利用することができる。したがって、記載された本発明の特定の実施形態は、本発明を網羅するつもりも、あるいは限定するつもりもない。したがって、本発明の範囲は上述の説明を参照して決定されるべきではなく、むしろ、添付の請求項を、このような請求項に与えられた等価物のすべての範囲とともに参照して決定されるべきである。特許出願書類および特許公開公報を含むすべての物品及び参考物の開示は、すべての目的で参照として組み込まれている。

Claims (20)

  1. ブレーキ構造体のディスクブレーキキャリパー装置であって、
    a.外面と、該外面内に第1の凹部を区画するとともに、内側ブレーキパッドの最も近くにある前方溝壁部分及び対向する後方溝壁部分を有する溝壁を持つ第1のシール溝を有する第1のピストンボアを含む少なくとも1つのピストンボアと、
    b.第1のボア軸に沿って移動するために前記第1のピストンボア内に摺動可能に配置され、外面及び前記内側ブレーキパッドを移動させるように構成された第1のピストン端を有する第1のピストンを含む少なくとも1つのピストンと、
    c.前記第1のシール溝の前記第1の凹部の周囲に配置され、前記第1のピストンの前記外面の第1の部分上で封止するために摩擦係合する第1のシールと、
    d.前記前方溝壁部分の内端から前記第1のピストンボアの前記外面の前方部分まで隣接してのびる複数の面取り壁を有する第1の面取りされた壁部を備えており、
    前記複数の面取り壁は、
    i)内側の溝壁部分の第2の端から第1の面取り端までのびる第1の面取り壁と、
    ii)前記第1の面取り端から第2の面取り端までのびる第2の面取り壁と、
    iii)前記第2の面取り端から前記第1のピストンボアの前記外面の縁部までのびる第3の面取り壁を有しており、
    第1のブレーキ非作動位置は第1の初期作動間隙を含み、
    前記第3の面取り壁は、ブレーキ作動位置にある間、後に続く第2のブレーキ非作動位置において前記初期作動間隙が小さくなるように、前記第1のシールと前記第1のピストンの前記外面の前記第1の部分の間での滑りを可能にするように構成されているディスクブレーキキャリパー装置。
  2. 前記第1のシールと前記第1のピストンの前記外面の前記第1の部分の間での滑りは、少なくとも約5MPaの圧力でブレーキ作動位置にある間に生じる請求項1記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  3. 前記第3の面取り壁は、前記第1のボア軸に対する垂線となす約0度から約45度の範囲にある第3の角度を形成する請求項1記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  4. 前記第1の面取り壁は、前記第1のボア軸に対する垂線となす約5度から約50度の範囲にある第1の角度を形成する請求項3記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  5. 前記第2の面取り壁は、前記第1のボア軸に対する垂線となす約50度から約90度の範囲の第2の角度を形成する請求項4記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  6. 前記第3の角度は、前記第1の角度、前記第2の角度、またはその両方よりも小さい請求項5記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  7. 前記第1の面取り壁は、少なくとも約2MPaの圧力で前記ブレーキ作動位置にある間は、前記第1のシールと前記第1のピストンの前記外面の前記第1の部分の間の滑りをほぼ防ぐように構成されており、除圧すると、前記後に続く第2のブレーキ非作動位置において前記第1の初期作動間隙がほぼ保たれる請求項1記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  8. 前記内側ブレーキパッド及び外側ブレーキパッドは大体が高剛性ブレーキパッドであり、前記ブレーキ作動位置にある間に前記第1のピストンが前記ローターに向かって突出する時に、前記第1の面取り壁によって、前記第1のシールが接触摩擦、前記シールへの圧力の増加、もしくはその両方のために、実質的に第1のピストンとともに移動するようにして、前記第1のシールが前記第1の凹部の少なくとも第1の部分内へと全体的に変形することが可能になり、約5MPa未満の液圧では滑りをほぼ防ぎ、約5MPaより高い液圧では滑りが生じる請求項7記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  9. 前記内側ブレーキパッド及び外側ブレーキパッドは大体が低剛性ブレーキパッドであり、前記ブレーキ作動位置にある間に前記第1のピストンが前記ローターに向かって突出する時に、前記第1及び第2の面取り壁は、前記シールが接触摩擦、前記シールへの圧力の増加、もしくはその両方のために、実質的に前記第1のピストンとともに移動するようにして、前記シールが前記第1の凹部の第1の部分を経て第2の部分内へと全体的に変形することが可能になるように構成されており、約5MPa未満の液圧では滑りをほぼ防ぎ、前記第1のシールは、滑りが生じる約5MPaより高い液圧では前記第3の面取り壁の周囲で全体的に変形する請求項7記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  10. a.前記少なくとも1つのピストンボアはさらに、外面と、該外面内に第2の凹部を区画するとともに、前記外側ブレーキパッドの最も近くにある前方溝壁部分及び対向する後方溝壁部分を有する溝壁を持つ第2のシール溝を有する第2のピストンボアを含み、
    b.前記少なくとも1つのピストンはさらに、第2のボア軸に沿って移動するために前記第2のピストンボア内に摺動可能に配置され、外面及び前記外側ブレーキパッドを移動させるように構成された第2のピストン端を有する第2のピストンを含み、
    c.第2のシールが、前記第2のシール溝の前記第2の凹部の周囲に配置され、前記第2のピストンの前記外面の第1の部分上で封止するために摩擦係合し、
    d.第2の面取りされた壁部が、前記前方溝壁部分の内端から前記第2のピストンボアの前記外面の前方部分まで隣接してのびる複数の面取り壁を有し、
    前記複数の面取り壁は、
    i)内側の溝壁部分の第1の端から第3の面取り端までのびる第4の面取り壁と、
    ii)前記第3の面取り端から第4の面取り端までのびる第5の面取り壁と、
    iii)前記第4の面取り端から前記第2のピストンボアの前記外面の縁部までのびる第6の面取り壁を有しており、
    前記第1のブレーキ非作動位置は、前記第1の端と前記ローターの間の距離及び前記第2のピストン端と前記ローターの間の距離で規定された前記第1の初期作動間隙を含み、
    前記第3の面取り壁は、ブレーキ作動位置にある間、後に続く第2のブレーキ非作動位置において前記第1のピストンと前記ローターの間の初期作動間隙が小さくなるように、前記第1のシールと前記第1のピストンの前記外面の前記第1の部分の間での滑りを可能にするように構成されており、
    前記第6の面取り壁は、ブレーキ作動位置にある間、後に続く第2のブレーキ非作動位置において前記第2のピストンと前記ローターの間の初期作動間隙が小さくなるように、前記第2のシールと前記第2のピストンの前記外面の前記第1の部分の間での滑りを可能にするように構成されており、
    前記第1のピストンは、前記ブレーキ作動位置において、前記第1のピストン端が内側ブレーキシューを移動させるとともに、前記第2のピストン端が外側ブレーキシューを介在する前記ローターに向かって内向きに移動させるように、全体として前記第2のピストンから間隔を置くとともに対向して配置されている請求項1記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  11. ブレーキ構造体のディスクブレーキキャリパー装置であって、
    a.外面及び該外面内に凹部を区画する溝壁を含むシール溝を有する少なくとも1つのピストンボアであって、該溝壁が内側ブレーキパッドの最も近くにある前方溝壁部分及び対向する後方溝壁部分を有し、該前方溝壁部分及び該後方溝壁部分は介在する外側溝壁部分へとのびる第1の端をそれぞれ有する、少なくとも1つのピストンボアと、
    b.ボア軸に沿って移動するために前記少なくとも1つのピストンボア内に摺動可能に配置され、外面及び前記内側ブレーキパッドを移動させるように構成されたピストン端を有する少なくとも1つのピストンと、
    c.前記シール溝の前記凹部の周囲に配置され、前記少なくとも1つのピストンの前記外面の第1の部分上で封止するために摩擦係合するシールと、
    d.前記前方溝壁部分の第2の端から前記少なくとも1つのピストンボアの前記外面まで隣接し連続してのびる複数の面取り壁を備えており、
    前記複数の面取り壁は、
    i)内側の溝壁部分の第2の端から第1の面取り端までのびていて、前記ボア軸に対する垂線となす約5度から約50度の範囲にある第1の角度を形成する第1の面取り壁と、
    ii)前記第1の面取り端から第2の面取り端までのびていて、前記ボア軸に対する垂線となす約50度から約90度の範囲の第2の角度を形成する第2の面取り壁と、
    iii)前記第2の面取り端から前記少なくとも1つのピストンボアの前記外面の縁部までのびていて、前記ボア軸に対する垂線となす約0度から約45度の範囲にある第3の角度を形成する第3の面取り壁を有しており、
    第1のブレーキ非作動位置は初期作動間隙を含み、
    第2のブレーキ非作動位置において前記初期作動間隙が小さくなるように剛性を変化させるブレーキ構造体のブレーキ作動位置にある間、前記第3の面取り壁は、少なくとも約5MPaの圧力において、前記シールと前記少なくとも1つのピストンの前記外面の前記第1の部分の間での滑りを可能にするように構成されているディスクブレーキキャリパー装置。
  12. 前記内側ブレーキパッド及び外側ブレーキパッドは大体が高剛性ブレーキパッドであり、前記ブレーキ作動位置にある間に前記少なくとも1つのピストンが前記ブレーキパッドに向かって突出してクランプ力を加える時に、前記第1の面取り壁によって、前記シールが接触摩擦、前記シールへの圧力の増加、もしくはその両方のために、実質的に前記少なくとも1つのピストンとともに移動するようにして、前記シールが前記凹部の第1の部分内へと全体的に変形することが可能になり、約5MPa未満の液圧では滑りをほぼ防ぎ、約5MPaより高い液圧で前記シールが前記第3の面取り壁の周囲で全体的に変形する時は滑りが生じる請求項11記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  13. 前記第1の面取り壁は、少なくとも約2MPaの圧力で前記ブレーキ作動位置にある間は、前記シールと前記少なくとも1つのピストンの前記外面の前記第1の部分の間での滑りをほぼ防ぐように構成されており、除圧すると、前記後に続く第2のブレーキ非作動位置において前記初期作動間隙がほぼ保たれる請求項12記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  14. 前記内側ブレーキパッド及び外側ブレーキパッドは大体が低剛性ブレーキパッドであり、前記ブレーキ作動位置にある間に前記少なくとも1つのピストンが前記ブレーキパッドに向かって移動してクランプ力を前記ローターに加える時に、前記第1及び第2の面取り壁は、前記シールが接触摩擦、前記シールへの圧力の増加、もしくはその両方のために、実質的に前記少なくとも1つのピストンとともに移動するように、前記シールが前記凹部の前記第1の部分または前記第1と第2の両部分内へと全体的に変形することが可能になるように構成されており、約5MPa未満の液圧では滑りをほぼ防ぎ、約5MPaより高い液圧で前記シールが前記第3の面取り壁の周囲で全体的に変形する時は滑りが生じる請求項13記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  15. 前記シールは前記第2の面取り壁の周囲にある前記凹部の前記第2の部分内へと変形し、圧力は約2MPaから約7MPaの範囲にあり、あるいは、前記ブレーキ作動位置にある間及び除圧時の両方において、前記後に続く第2のブレーキ非作動位置において前記初期作動間隙はほぼ保たれる請求項14記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  16. 約7MPa未満の圧力では、前記第1の角度及び第2の角度は、ピストンの後退が液圧に関係なくほぼ維持されるようにして、前記シールと前記少なくとも1つのピストンの前記外面の前記第1の部分の間での滑りをほぼ防ぐように構成されている請求項15記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  17. 前記シールは前記第1の面取り壁の周囲にある前記凹部の前記第1の部分内へと変形し、圧力は約0MPaから約3MPaまで増加し、あるいは、前記ブレーキ作動位置にある間及び除圧時の両方において、前記後に続く第2のブレーキ非作動位置において前記初期作動間隙はほぼ保たれる請求項11記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  18. 前記第3の角度は、前記第1の角度、前記第2の角度、またはその両方よりも小さい請求項11記載のディスクブレーキキャリパー装置。
  19. ブレーキ構造体のディスクブレーキキャリパー装置であって、
    外面及び該外面内に凹部を区画する溝壁を含むシール溝を有する少なくとも1つのピストンボアを備えており、
    前記溝壁は、
    a.前記少なくとも1つのピストンボアの前記外面の後方部分へとのびる傾斜壁のある内端を有する後方溝壁部分と、
    b.内側ブレーキパッドに最も近い位置にあり、前記後方溝壁部分と間隔を置きほぼ対向して配置され、内端を有し、該内端は自身から前記少なくとも1つのピストンボアの前記外面の前方部分まで隣接し連続してのびる複数の面取り壁を持つ前方溝壁部分を有し、
    前記複数の面取り壁は、
    i)前記前方溝壁部分の前記内端から第1の面取り端までのびていて、ボア軸に対する垂線となす約25度から約45度の範囲にある第1の角度を形成する第1の面取り壁と、
    ii)前記第1の面取り端から第2の面取り端までのびていて、前記ボア軸に対する垂線となす約50度から約70度の範囲にある第2の角度を形成する第2の面取り壁と、
    iii)前記第2の面取り端から前記少なくとも1つのピストンボアの前記外面の前記前方部分の縁部までのびていて、ボア軸に対する垂線となす約5度から約45度の範囲にある第3の角度を形成する第3の面取り壁を有しており、
    前記溝壁は、
    c.前記前方溝壁部分と前記後方溝壁部分の各外端の間でのびる外側溝壁を有し、前記外側溝壁が前記ボア軸に対して傾くように、前記前方溝壁部分の第1の外端は、前記後方溝壁部分の第2の外端よりも遠くに配置されており、
    ディスクブレーキキャリパー装置は、
    前記ボア軸に沿って移動するために前記少なくとも1つのピストンボア内に摺動可能に配置された少なくとも1つのピストンと、
    前記シール溝の周囲に配置され、前記少なくとも1つのピストンの前記外面上で封止するために摩擦係合するシールを備えており、
    第1のブレーキ非作動位置は初期作動間隙を含み、
    前記第1の面取り壁は、約0MPaから約2MPaの圧力範囲でブレーキ作動位置にある間は、シールのピストン滑りを防ぐように構成されていて、除圧すると、後に続く第2のブレーキ非作動位置において前記初期作動間隙がほぼ保たれており、
    前記第2の面取り壁は、約2MPaから約4MPaの圧力範囲で前記ブレーキ作動位置にある間はシールのピストン滑りをほぼ防ぐように構成されていて、除圧すると、後に続く第2のブレーキ非作動位置において前記初期作動間隙がほぼ保たれており、
    第2のブレーキ非作動位置において前記初期作動間隙が小さくなるように剛性を変化させるブレーキ構造体の前記ブレーキ作動位置にある間、前記第3の面取り壁は、少なくとも約5MPaの圧力において、前記シールと前記少なくとも1つのピストンの前記外面の前記第1の部分での滑りが可能になるように構成されているディスクブレーキキャリパー装置。
  20. 前記第3の角度は、前記第1の角度、前記第2の角度、またはその両方よりも小さい請求項19記載のディスクブレーキキャリパー装置。
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