JP2020020433A - 車両用ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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中村 勉
Tsutomu Nakamura
中村  勉
石川 隆之
Takayuki Ishikawa
隆之 石川
松島 徹
Toru Matsushima
徹 松島
壮人 中島
Masato Nakajima
壮人 中島
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Soken Inc
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Abstract

【課題】ブレーキ鳴きが発生するおそれを小さくでき、且つキャリパ及び/又はピストンの仕様が変更された場合においてもシムの仕様を変更する必要がない車両用ディスクブレーキ装置を提供する。【解決手段】車外側被押圧部材及び車内側被押圧部材の少なくとも一方である特定被押圧部材が、車輪の回転軸と平行な平行方向に並べて設けられ且つ互いに一体化されたシム54、55及び弾性体56を有し、さらにシムと弾性体とが互いに面接触する。弾性体が自由状態にあるときの特定被押圧部材から対応するピストン及び/又は爪部までの平行方向の距離が、ディスクロータの外周側から内周側に向かうにつれて徐々に大きくなるか又はディスクロータの回転方向のトレーリング側からリーディング側に向かうにつれて徐々に大きくなるようにシム及び弾性体が構成される。【選択図】図4

Description

本発明は車両用ディスクブレーキ装置に関する。
各車輪とそれぞれ一緒に回転する各ディスクロータに対してブレーキパッドを圧接させることにより、各車輪の回転速度を低減させる車両用ディスクブレーキ装置が特許文献1に開示されている。
各車輪にそれぞれ設けられたディスクブレーキ装置は、車体に対して各車輪の回転軸方向にスライド可能なキャリパを備えている。
さらにディスクブレーキ装置は、ブレーキパッド及びブレーキパッドを移動させるためのアクチュエータである油圧シリンダ(液圧シリンダ)を具備している。
油圧シリンダはディスクロータの車内側に位置している。油圧シリンダは、キャリパに固定され且つ軸線が回転軸と平行なシリンダと、一部がシリンダ内に位置し且つシリンダに対してスライド可能なピストンと、を備えている。
ピストンの先端部とディスクロータとの間には、インナーブレーキパッド及びインナーシムが配設されている。インナーブレーキパッドはキャリパに上記回転軸方向に相対スライド可能に支持されている。
キャリパの車外側端部である爪部とディスクロータとの間には、アウターブレーキパッド及びアウターシムが配設されている。アウターブレーキパッドはキャリパに上記回転軸方向に相対スライド可能に支持されている。
インナーシムは、インナーブレーキパッドのディスクロータとは反対側の面に支持された補助シムと、補助シムのディスクロータとは反対側の面に支持された被押圧シムと、を備えている。さらに被押圧シムは補助シム側に向かって突出する切起こしを備えている。この切起こしは、被押圧シムの(ブレーキロータの)トレーリング側の端部近傍に設けられている。
アウターシムは、アウターブレーキパッドのディスクロータとは反対側の面に支持された被押圧シムのみを備えている。さらに被押圧シムはアウターブレーキパッド側に向かって突出する切起こしを備えている。この切起こしも、被押圧シムの(ブレーキロータの)トレーリング側の端部近傍に設けられている。
このディスクブレーキ装置を搭載した車両が走行しているときに運転者がブレーキペダルを踏み込むと、油圧シリンダの油圧が上昇し、油圧シリンダのピストンがディスクロータ側へ移動するので、それまでインナーシムの被押圧シムから離間していたピストンが被押圧シムに接触する。すると、被押圧シムの切起こしが補助シムを押圧するので、ピストンから被押圧シムに伝わった力が切起こしから補助シムに伝わり、さらに補助シムからインナーブレーキパッドに伝わる。従って、インナーブレーキパッドがディスクロータの車内側面に圧接する。
ディスクロータは車体に対して回転軸方向に相対移動不能である。そのため、インナーブレーキパッドがディスクロータに圧接すると、インナーブレーキパッドがディスクロータから反力を受け、この反力によってキャリパが車体に対して車内側へ相対スライドする。すると、キャリパの爪部がアウターシム(被押圧シム)に接触する。すると、アウターシムの切起こしがアウターブレーキパッドを押圧するので、爪部からアウターシムに伝わった力が切起こしからアウターブレーキパッドに伝わる。従って、アウターブレーキパッドがディスクロータの車外側面に圧接する。
上述のように、インナーシム及びアウターシムの上記切起こしは被押圧シムのトレーリング側の端部近傍に設けられている。そのため、ピストン及び爪部が対応する被押圧シムにそれぞれ接触し始めると、インナーブレーキパッド及びアウターブレーキパッドのトレーリング側の端部が、インナーブレーキパッド及びアウターブレーキパッドのその他の部位と比べて大きな力でディスクロータにそれぞれ圧接する。そのため、ピストン及び爪部が対応する被押圧シムに接触し始めたときに(即ち、インナーブレーキパッド及びアウターブレーキパッドがディスクロータに圧接し始めたときに)、所謂ブレーキ鳴きが発生し難い。
特開平7−293609号公報
上述のように、ピストン及び爪部が対応する被押圧シムに接触し始めるときに、各被押圧シムの切起こしが対応する補助シム又はアウターブレーキパッドに線接触する。そのため、ピストン及び爪部から被押圧シムに及んだ力が切起こしから補助シム及びアウターブレーキパッドに確実に伝わらない。従って、ピストン及び爪部が対応する被押圧シムに接触し始めるときに、インナーシム及びアウターシムが対応するブレーキパッドを安定して押圧できないので、ブレーキパッドによるディスクロータの押圧動作が安定しない。
さらに切起こしの機械的強度が低く且つ切起こしが対応する補助シム又はアウターブレーキパッドに線接触する。そのため、ピストン及び/又は爪部の仕様が変更された結果、ピストン及び/又は爪部の対応する被押圧シムに対する接触位置が変化すると、切起こしの変形挙動が変化してしまう。即ち、各切起こしから補助シム及びアウターブレーキパッドに力が確実に伝わらなくなる。従って、ピストン及び/又は爪部の仕様が変更された場合は、ピストン及び/又は爪部の仕様に合わせて各切起こしの形状を設計変更しなければならない。
本発明は上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の一つは、ブレーキパッドがディスクロータに接触し始めたときに、ブレーキパッドによるディスクロータの押圧動作を安定させながら、ブレーキ鳴きが発生するおそれを小さくでき、且つキャリパ及び/又はピストンの仕様が変更された場合においてもシムの仕様を変更する必要がない車両用ディスクブレーキ装置を提供することにある。
本発明の車両用ディスクブレーキ装置は、
車体に対して車輪(15)の回転軸(14)と平行な平行方向にスライド可能且つ爪部(34)を有するキャリパ(30)と、
前記車輪と一緒に回転するディスクロータ(16)の車外側面と対向し、且つ、前記キャリパに前記平行方向に相対移動可能に支持されたアウターブレーキパッド(42)と、
前記アウターブレーキパッドの車外側面に支持され、且つ、前記爪部に対して車内側から対向する車外側被押圧部材(65)と、
前記ディスクロータの車内側面と対向し、且つ、前記キャリパに前記平行方向に相対移動可能に支持されたインナーブレーキパッド(52)と、
前記インナーブレーキパッドの車内側面に支持された車内側被押圧部材(53、53A、53B、53C、53D、53E、53F、60)と、
前記平行方向に進退可能なピストン(47)を有し且つ前記車内側被押圧部材の車内側に位置するように前記キャリパに支持され、前記ピストンによって前記車内側被押圧部材を車外側に押圧することにより、前記インナーブレーキパッドを前記ディスクロータに圧接させ且つ車内側に移動した前記爪部により車内側に押圧された前記車外側被押圧部材によって前記アウターブレーキパッドを前記ディスクロータに圧接させる油圧シリンダ(45)と、
を備え、
前記車外側被押圧部材及び前記車内側被押圧部材の少なくとも一方である特定被押圧部材が、前記平行方向に並べて設けられ且つ互いに一体化されたシム(54、55、55’、55’’、61、62、65、66)及び弾性体(56、56’、56’’、63、68)を有し、
前記シムと前記弾性体とが互いに面接触し、
前記弾性体が自由状態にあるときの前記特定被押圧部材から対応する前記ピストン及び/又は前記爪部までの前記平行方向の距離(L、L1、L2)が、前記ディスクロータの外周側から内周側に向かうにつれて徐々に大きくなるか又は前記ディスクロータの回転方向のトレーリング側からリーディング側に向かうにつれて徐々に大きくなるように前記シム及び前記弾性体が構成される。
本発明の車両用ディスクブレーキ装置では、特定被押圧部材から離間しているピストン及び/又は爪部がディスクロータ側に移動すると、ピストン及び/又は爪部の(ディスクロータの)外周側端部又はトレーリング側の端部のみが最初に特定被押圧部材に接触する。そのため、このときインナーブレーキパッド及び/又はアウターブレーキパッドの外周側端部又はトレーリング側の端部が、インナーブレーキパッド及び/又はアウターブレーキパッドのその他の部位と比べて大きな力でディスクロータに圧接する。そのため、ピストン及び/又は爪部が特定被押圧部材に接触し始めたときに(即ち、インナーブレーキパッド及び/又はアウターブレーキパッドがディスクロータに圧接し始めたときに)ブレーキ鳴きが発生し難い。
さらに特定被押圧部材のシムと弾性体とが互いに面接触する。そのためピストン及び/又は爪部が対応する特定被押圧部材に接触し始めるときに、ピストン及び爪部から特定被押圧部材に及んだ力が、特定被押圧部材から対応するインナーブレーキパッド及び/又はアウターブレーキパッドに確実に伝わる。従って、ピストン及び/又は爪部が対応する特定被押圧部材に接触し始めるときに、特定被押圧部材による対応するブレーキパッドの押圧状態が安定するので、ブレーキパッドによるディスクロータの押圧動作が安定する。
さらに特定被押圧部材のシムと弾性体とが互いに面接触するので、ピストン及び/又は爪部の仕様が変更された結果、ピストン及び/又は爪部の対応する特定被押圧部材に対する接触位置が変化しても、シムと弾性体との間で力が確実に伝わる。即ち、ピストン及び/又は爪部の仕様が変更された場合に、特定被押圧部材の設計形状を変更しなくても、ピストン及び/又は爪部から特定被押圧部材に伝わった力を、特定被押圧部材から対応するブレーキパッドへ確実に伝えることが可能である。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本発明の第1の実施形態に係り且つキャリパが初期位置に位置する車両用ディスクブレーキ装置の後方から見たときの模式的な断面図である。 車内側から見たシムユニット、インナー支持部材、及びディスクロータの側面図である。 キャリパが初期位置から作動位置に移動したときの図1と同様の断面図である。 ピストンの先端面の外周側端部が第2シムに接触したときのピストン及びインナーパッドブロックの背面図である。 ピストンの先端面全体が第2シムに接触したときのピストン及びインナーパッドブロックの背面図である。 本発明の第2の実施形態の車両用ディスクブレーキ装置の模式的な平面図である。 本発明の第1の変形例のシムユニット及びピストンの模式的な背面図である。 本発明の第2の変形例のシムユニット及びピストンの模式的な背面図である。 本発明の第3の変形例のシムユニット及びピストンの模式的な背面図である。 本発明の第4の変形例のシムユニット及びピストンの模式的な背面図である。 本発明の第5の変形例のシムユニットの車内側から見た模式的な側面図である。 本発明の第5の変形例のシムユニットの模式的な背面図である。 本発明の第5の変形例のシムユニットの第2シムの車外側面全体が弾性体の車内側面に面接触したときの模式的な背面図である。 本発明の第6の変形例のシムユニットの模式的な背面図である。 本発明の第6の変形例のシムユニットの第2シムの車外側面全体が弾性体の車内側面に面接触したときの模式的な背面図である。
以下、図1乃至図5を参照しながら本発明の第1の実施形態に係る車両用ディスクブレーキ装置について説明する。
まずはディスクブレーキ装置20を備える車両の全体構造について簡単に説明する。なお、以下の説明では右輪用のフロントサスペンション、右側の前輪15、及び右側のディスクブレーキ装置20についての説明を行う。これらと左右対称な左輪用のフロントサスペンション、左側の前輪及び左側のディスクブレーキ装置20についての説明は省略する。
図1に示すように、車両の車体の前部にはフロントサスペンションが設けられている。このフロントサスペンションは周知のように、サスペンションメンバ、アッパーアーム、ロアアーム、キャリア12(ナックルアーム)、コイルスプリング、及びショックアブソーバを備えている。
図1に示すように、アッパーアームとロアアームとの先端部によってキングピン軸まわりに回転可能に支持されたキャリア12は、前輪15を水平な回転軸14まわりに回転可能に支持している。前輪15にはディスクロータ16が固定されている。そのため、前輪15が回転軸14まわりに回転すると、ディスクロータ16は前輪15と一緒に回転する。
さらに車両は、いずれも図示を省略したブレーキペダル、ブレーキブースタ及びマスタシリンダを備えている。周知のように、運転者がブレーキペダルを足で踏み込むと、この踏込力がブレーキブースタによって増幅されながらマスタシリンダ内のブレーキ作動液に伝わり、マスタシリンダ内のブレーキ作動液の圧力(油圧)が上昇する。マスタシリンダは後述する油圧シリンダ45に接続されている。
続いてディスクブレーキ装置20の詳しい構造について説明する。図1及び図3は、右側の前輪15に制動力を付与するためのディスクブレーキ装置20を示している。このディスクブレーキ装置20は主要な構成要素として、キャリパ30、アウターパッドブロック40、油圧シリンダ45、及びインナーパッドブロック50を具備している。
キャリパ30は図1及び図3に示す形状である。即ち、キャリパ30はアクチュエータ支持部31と、アクチュエータ支持部31の上端部から車外側へ延びる接続部32と、接続部32の車外側端部から下方へ延びるパッド押圧部33と、を一体的に備えている。キャリパ30は硬質材料(例えば、金属)により構成されている。さらにパッド押圧部33の下端部には、前後一対の爪部34が設けられている(図1及び図3に一つのみ図示)。各爪部34の先端面34a(車内側面)は水平面に対して直交する平面である。さらにキャリパ30は、図1に示す初期位置と図3に示す作動位置との間を回転軸14と平行な方向に相対スライド可能にキャリア12(車体)に装着されている。
アウターパッドブロック40は、互いに一体化したアウター支持部材41、アウターブレーキパッド42、及びシム43を備えている。
硬質材料(例えば金属)からなるアウター支持部材41の車内側面にはアウターブレーキパッド42が固定されている。アウターブレーキパッド42は、例えば樹脂材により構成される。アウター支持部材41の車外側面に例えばクリップ(図示略)によって着脱可能に支持されたシム43は金属板によって構成されている。アウター支持部材41は、パッド押圧部33に回転軸14と平行な方向にスライド可能に支持されている。
油圧シリンダ45は、互いに回転軸14と平行な方向に相対移動可能に組み付けられたシリンダ46とピストン47とを備えている。シリンダ46の車外側端面は開放されている。図1及び図3に示すように、略円筒形状をなし且つ車外側端部が開口するアクチュエータ支持部31の内部にシリンダ46が固定されている。また、シリンダ46の車内側端部は図示を省略したブレーキパイプを介してマスタシリンダに接続されている。シリンダ46の内周面には、図示を省略したゴム製のOリングが液密状態で固定されている。ピストン47は、シリンダ46と同軸をなし且つシリンダ46の内周面と略同径をなす円柱体である本体部47aと、本体部47aの車外側端面から車外側に突出する本体部47aより小径の円柱体である押圧部47bと、を一体的に備えている。押圧部47bの先端面47c(車外側面)は水平面に対して直交する平面である。本体部47aは、車外側からシリンダ46の内部にスライド自在に挿入されている。
ピストン47の押圧部47bとディスクロータ16との間にはインナーパッドブロック50が配設されている。インナーパッドブロック50は、インナー支持部材51と、インナー支持部材51の車外側面に固定されたインナーブレーキパッド52と、インナー支持部材51の車内側面に例えばクリップ(図示略)によって着脱可能に支持されたシムユニット53と、を備えている。インナー支持部材51の材質はアウター支持部材41と同じであり、且つ、インナーブレーキパッド52の材質はアウターブレーキパッド42と同じである。インナー支持部材51の被支持部51a(図2参照)は、接続部32の内面に回転軸14と平行な方向にスライド可能に支持されている。
図2、図4、及び図5に示すように、シムユニット53は、第1シム54、第2シム55、及び弾性体56を備えている。第1シム54及び第1シム54より車内側に位置する第2シム55は金属製の平板によって構成されている。第2シム55の側面形状は図2に示す形状である。図示は省略してあるが、第1シム54の側面形状は第2シム55と同一である。
第1シム54と第2シム55との間には板状の弾性体56が設けられている。弾性体56の側面形状は第1シム54及び第2シム55と略同一である。弾性体56の両側面は第1シム54と第2シム55にそれぞれ面接触した状態で固定されている。弾性体56を構成する弾性材料としては、例えば弾性率が低い柔らかいゴムを利用可能である。第1シム54、第2シム55、及び弾性体56を別個に製造した後に接着剤によって弾性体56を第1シム54及び第2シム55に対して固定することによりシムユニット53を製造可能である。また、第1シム54及び第2シム55を内部に配置した成形型内に弾性材料を充填するインサート成形によってシムユニット53を製造可能である。
弾性体56が自由状態にあるときの弾性体56の断面形状(正面形状)は図4に示す形状である。即ち、このときの弾性体56の幅(左右寸法)は弾性体56の上端から下端に向かうにつれて徐々に小さくなる。換言すると、弾性体56が自由状態にあるとき、正面視において弾性体56の車外側面56aと車内側面56bとは互いに非平行となる。即ち、車外側面56a及び第1シム54は水平面に対して略直交するのに対して、車内側面56b及び第2シム55は水平面に対して直交しない(即ち、鉛直方向に対して傾斜する)。なお、本実施形態では、自由状態にあるときの弾性体56の下端面の幅より上端面の幅が0.2乃至0.3mm大きい。
前輪15と対応する各ディスクブレーキ装置20の油圧シリンダ45が非作動状態にあるとき(図1及び図4の仮想線参照)、キャリパ30が初期位置に位置する。このとき、アウターブレーキパッド42が対応するディスクロータ16の車外側面から車外側に離間し、インナーブレーキパッド52が対応するディスクロータ16の車内側面から車内側に離間し、且つ押圧部47bとシムユニット53(第2シム55)との間に隙間が形成される。従って、この場合は前輪15のディスクロータ16に対してアウターブレーキパッド42及びインナーブレーキパッド52から制動力は付与されない。さらにこのとき、図4に示すように、押圧部47bの先端面47cと第2シム55との間の左右方向の距離Lは、先端面47cの上端部(即ち、ディスクロータ16の外周側の端部)から下端部(即ち、ディスクロータ16の内周側の端部)へ向かうにつれて徐々に大きくなる。
一方、運転者がブレーキペダルを踏み込み始めると、マスタシリンダと接続している油圧シリンダ45の油圧が上昇する。すると図3及び図4に示すように、所定の大きさの力Fsを受けた油圧シリンダ45のピストン47が、Oリングを弾性変形させながらシリンダ46に対して車外側へスライドする。そして、先端面47cの中で上端部のみが最初に第2シム55に接触する。換言すると、先端面47cの上端部以外の部位は第2シム55に接触しない。すると、この力Fsが、シムユニット53及びインナー支持部材51を介してインナーブレーキパッド52に伝わるので、インナーブレーキパッド52の車外側面全体がディスクロータ16の上端部の車内側面に圧接する。
このようにインナーブレーキパッド52がディスクロータ16に圧接し始めるとき(即ち、先端面47cが第2シム55に接触し始めるとき)、インナーブレーキパッド52の車外側面の上端部(即ち、ディスクロータ16の外周側の端部)がディスクロータ16に対して及ぼす力Foは、インナーブレーキパッド52の車外側面の下端部(即ち、ディスクロータ16の内周側の端部)がディスクロータ16に対して及ぼす力Fiよりも大きい。より詳細には、このときにインナーブレーキパッド52の車外側面がディスクロータ16に対して及ぼす力は、インナーブレーキパッド52の車外側面の下端部(内周側端部)から上端部(外周側端部)に向かうにつれて徐々に大きくなる。
さらにブレーキペダルの踏み込み量が増大し油圧シリンダ45の油圧がさらに上昇すると、図5に示すように、力Fsより大きい力Flを受けたピストン47が、Oリングを弾性変形させながらシリンダ46に対して車外側へさらにスライドする。すると、それまで上端部のみが第2シム55に接触していた先端面47cの第2シム55に対する接触領域が上端部側から下端部側へ徐々に拡大し、さらにシムユニット53の弾性体56の圧縮方向の弾性変形量が徐々に大きくなる。そして、最終的には、車外側面56aと車内側面56bとが互いに平行になり(即ち、車内側面56b及び第2シム55が水平面に対して直交し)、且つ、先端面47c全体が第2シム55に対して接触する。
そして、図4の状態からブレーキペダルの踏み込み量が増大するにつれて、インナーブレーキパッド52の車外側面の上端部がディスクロータ16に対して及ぼす力Fo及びインナーブレーキパッド52の車外側面の下端部がディスクロータ16に対して及ぼす力Fiが共に増大する。さらに、FiをFoで割った値(Fi/Fo)が徐々に増大し、先端面47c全体が第2シム55の車内側面に対して接触するとFi/Foがほぼ「1」になる。即ち、インナーブレーキパッド52とディスクロータ16との間で発生する力が、インナーブレーキパッド52全体(及び第2シム55のインナーブレーキパッド52との接触領域全体)において略均一になる。
ところで、ディスクロータ16のキャリア12に対する回転軸14方向の移動は規制されている。そのため、インナーブレーキパッド52はディスクロータ16に接触するとそれ以上は車外側へ移動できなくなる。従って、インナーブレーキパッド52及びピストン47が対応するディスクロータ16から反力を受けるので、油圧シリンダ45と一体化しているキャリパ30がこの反力によって初期位置から作動位置へ移動する。すると、図3に示すように、キャリパ30のパッド押圧部33の一対の爪部34の先端面34aによってアウターパッドブロック40のシム43が車内側に押され、アウターパッドブロック40がキャリパ30と一緒に車内側へ移動する。そのため、アウターブレーキパッド42全体が対応するディスクロータ16の車外側面の上端部に圧接する。従って、アウターブレーキパッド42及びインナーブレーキパッド52からディスクロータ16へ制動力(摩擦抵抗力)が付与されるのでディスクロータ16の回転速度が低減される。
運転者がブレーキペダルから足を離すとマスタシリンダ内のブレーキ作動液の液圧(油圧)が低下するため、ディスクブレーキ装置20のシリンダ46内の油圧が低下する。するとシリンダ46の内周面に設けられたOリングが初期形状に弾性復帰するので、図1に示すように、Oリングの弾性復帰力によってピストン47が初期位置へ戻る。即ち、シリンダ46がディスクロータ16側に接近し且つ作動位置に位置していたキャリパ30が初期位置に移動する。そのため、アウターブレーキパッド42がディスクロータ16から車外側へ離間する。さらにピストン47の初期位置への移動に伴って、インナーブレーキパッド52がディスクロータ16から車内側へ離間し且つ押圧部47bが第2シム55から車内側へ離間する。その結果、アウターブレーキパッド42及びインナーブレーキパッド52がディスクロータ16に及ぼしていた制動力が消失する。
このように本実施形態では、ディスクロータ16から離間していたインナーブレーキパッド52がディスクロータ16に圧接し始めるとき(即ち、先端面47cが第2シム55に接触し始めるとき)、ピストン47の先端面47cの上端部(ディスクロータ16の外周側端部)のみが最初に第2シム55に接触する。するとインナーブレーキパッド52の上端部(外周側端部)が、インナーブレーキパッド52のその他の部位と比べて大きな力Foでディスクロータ16に圧接する。そのため、車両が走行している場合は、図2に示すようにディスクロータ16からインナーブレーキパッド52に及ぶ反力によって、ディスクロータ16の回転方向と同方向の回転モーメントMoがインナーブレーキパッド52に発生する。そのためインナーブレーキパッド52のディスクロータ16に対する接触状態が安定する。従って、ピストン47の先端面47cが第2シム55に接触し始めたときにブレーキ鳴きが発生し難い。
なお、仮に先端面47cが第2シム55に接触し始めるときに先端面47cの下端部(ディスクロータ16の内周側端部)のみが第2シム55に接触する場合は、インナーブレーキパッド52の下端部(内周側端部)がインナーブレーキパッド52のその他の部位と比べて大きな力でディスクロータ16に圧接する。この場合は、図2に示すように、ディスクロータ16の回転方向と逆方向の回転モーメントMiがインナーブレーキパッド52に発生するので、インナーブレーキパッド52のディスクロータ16に対する接触状態が不安定になる。従って、この場合は先端面47cが第2シム55に接触し始めたときにブレーキ鳴きが発生し易い。
さらに、ブレーキペダルの踏込量が大きくなると、インナーブレーキパッド52全体が略均一の力でディスクロータ16を押圧するので大きな制動力が得られる。
さらに弾性体56の両側面が第1シム54と第2シム55にそれぞれ面接触している。そのため、ピストン47の先端面47cが第2シム55に接触し始めてから先端面47c全体が第2シム55に接触するまで、先端面47cから第2シム55に及んだ力が、シムユニット53からインナー支持部材51に確実に伝わる。従って、先端面47cが第2シム55に接触し始めてから先端面47c全体が第2シム55に接触するまで、シムユニット53によるインナー支持部材51の押圧状態が安定するので、インナーブレーキパッド52によるディスクロータ16の押圧動作が安定する。
さらに弾性体56の両側面が第1シム54と第2シム55にそれぞれ面接触するので、キャリパ30及び/又はピストン47の仕様が変更された結果、先端面47cの第2シム55に対する接触位置が変化しても、第2シム55と弾性体56との間及び弾性体56と第1シム54との間で力が確実に伝わる。即ち、キャリパ30及び/又はピストン47の仕様が変更された場合に、シムユニット53の設計形状を変更しなくても、先端面47cから第2シム55に伝わった力を、シムユニット53からインナー支持部材51へ確実に伝えることが可能である。
続いて、図6を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ部材には同じ符号を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のインナーパッドブロック50Aは、インナー支持部材51、インナーブレーキパッド52、及びインナー支持部材51に着脱可能に支持されたシムユニット60を備えている。さらにシムユニット60は、第1シム61、第2シム62、及び弾性体63を備えている。第1シム61及び第1シム61より車内側に位置する第2シム62は金属製の平板によって構成されている。第1シム61及び第2シム62の側面形状は第1シム54及び第2シム55と同一である。
第1シム61と第2シム62との間には板状の弾性体63が設けられている。弾性体63の側面形状は第1シム61及び第2シム62と略同一である。弾性体63の両側面は第1シム61と第2シム62にそれぞれ面接触した状態で固定されている。弾性体63の材質は弾性体56と同一である。弾性体63が自由状態にあるときの弾性体63の断面形状(平面形状)は図6に示す形状である。即ち、このときの弾性体63の幅(左右寸法)は弾性体63の(ディスクロータ16)のトレーリング側端部からリーディング側端部に向かうにつれて徐々に小さくなる。なお、図6は車両が前進走行している場合を示しているので、換言すると、弾性体63の幅は弾性体63の後端部から前端部に向かうにつれて徐々に小さくなる。弾性体63が自由状態にあるとき、平面視において弾性体63の車外側面63aと車内側面63bとは互いに非平行となる。即ち、平面視において車外側面63a及び第1シム61は先端面47cと略平行になるのに対して、車内側面63b及び第2シム62は先端面47cと非平行になる。従って、押圧部47bが第2シム62から離間するとき(即ち、弾性体63が自由状態にあるとき)、先端面47cと第2シム62との間の左右方向の距離Lは、先端面47cのトレーリング側端部からリーディング側端部へ向かうにつれて徐々に大きくなる。
本実施形態のアウターパッドブロック40Aは、互いに一体化したアウター支持部材41、アウターブレーキパッド42、及びアウター支持部材41に着脱可能に支持されたシムユニット65を備えている。シムユニット65はシムユニット60と左右対称であり実質的にシムユニット60と同一仕様である。即ち、シムユニット65は、第1シム61に対応する第1シム66、第2シム62に対応する第2シム67、及び弾性体63に対応する弾性体68を備えている。弾性体68の両側面は第1シム66と第2シム67にそれぞれ面接触した状態で固定されている。弾性体68が自由状態にあるときの弾性体68の断面形状(平面形状)は図6に示す形状である。即ち、このときの弾性体68の幅は弾性体68の(ディスクロータ16)のトレーリング側端部からリーディング側端部に向かうにつれて徐々に小さくなる(弾性体68の車内側面68aと車外側面68bとは互いに非平行となる)。従って、前後の爪部34の先端面34aが第2シム67から離間するとき(即ち、弾性体68が自由状態にあるとき)、前後の先端面34aと第2シム67との間の左右方向の距離L1、L2は、前後の先端面34aのトレーリング側端部からリーディング側端部へ向かうにつれてそれぞれ徐々に大きくなる。
本実施形態では、運転者がブレーキペダルを踏み込み始めると、ピストン47の先端面47cの中でトレーリング側端部のみが最初に第2シム62に接触する。換言すると、先端面47cのトレーリング端部以外の部位は第2シム62に接触しない。そしてインナーブレーキパッド52の車外側面全体が対応するディスクロータ16の上端部の車内側面に圧接する。
さらにブレーキペダルの踏み込み量がある程度の大きさになると、後方の爪部34の先端面34aのトレーリング側端部のみが第2シム67に接触し始める。換言すると、後方の爪部34の先端面34aのトレーリング端部以外の部位及び前方の爪部34の先端面34aは第2シム67に接触しない。そしてアウターブレーキパッド42の車内側面全体が対応するディスクロータ16の上端部の車内側面に圧接する。
このように本実施形態では、ディスクロータ16から離間していたアウターブレーキパッド42及びインナーブレーキパッド52がディスクロータ16に圧接し始めるとき、先端面47cのトレーリング側端部のみが最初に第2シム62に接触し且つ後方の先端面34aのトレーリング側端部のみが最初に第2シム67に接触する。するとアウターブレーキパッド42及びインナーブレーキパッド52のトレーリング側端部が、アウターブレーキパッド42及びインナーブレーキパッド52のその他の部位と比べて大きな力でディスクロータ16に圧接する。そのため先端面47cが第2シム62に接触し始めたとき及び後方の先端面34aが第2シム67に接触し始めたときにブレーキ鳴きが発生し難い。
さらにブレーキペダルの踏み込み量が増大すると、それまでトレーリング側端部のみが第2シム62に接触していた先端面47cの第2シム62に対する接触領域が、トレーリング側端部側からリーディング側端部側へ徐々に拡大し、弾性体63の圧縮方向の弾性変形量が徐々に大きくなる。そして、最終的には、車外側面63aと車内側面63bとが互いに平行になり(即ち、車内側面63b及び第2シム62が先端面47cと平行になり)、且つ、先端面47c全体が第2シム62に対して接触する。
さらにブレーキペダルの踏み込み量の増大に伴って、トレーリング側端部のみが第2シム67に接触していた後方の爪部34の先端面34aの第2シム67に対する接触領域が、トレーリング側端部側からリーディング側端部側へ徐々に拡大する。そのため弾性体68の圧縮方向の弾性変形量が徐々に大きくなる。
後方の爪部34の先端面34a全体が第2シム67に接触した後にブレーキペダルの踏込量がさらに増大すると、それまで第2シム67から離間していた前方の爪部34の先端面34aの中でトレーリング側端部のみが第2シム67に接触する。そしてブレーキペダルの踏込量がさらに増大すると、前方の先端面34aの第2シム67に対する接触領域が、トレーリング側端部側からリーディング側端部側へ徐々に拡大し、且つ弾性体68の圧縮方向の弾性変形量が徐々に大きくなる。そして、最終的には、車外側面68bと車内側面68aとが互いに平行になり(即ち、車外側面68b及び第2シム67が前後の先端面34aと平行になり)、且つ、前方の先端面34a全体が第2シム67に対して接触する。
さらに、上述のように、弾性体63の両側面が第1シム61と第2シム62とにそれぞれ面接触し且つ弾性体68の両側面が第1シム66と第2シム67とにそれぞれ面接触している。従って、本実施形態は第1の実施形態と同様に、先端面47cが第2シム62に接触し始めてから先端面47c全体が第2シム62に接触するまで、シムユニット60によるインナー支持部材51の押圧状態が安定するので、インナーブレーキパッド52によるディスクロータ16の押圧動作が安定する。さらに、後方の爪部34の先端面34aが第2シム67に接触し始めてから前後の先端面34a全体が第2シム67に接触するまで、シムユニット65によるアウター支持部材41の押圧状態が安定するので、アウターブレーキパッド42によるディスクロータ16の押圧動作が安定する。
さらに弾性体63の両側面が第1シム61と第2シム62とにそれぞれ面接触し且つ弾性体68の両側面が第1シム66と第2シム67とにそれぞれ面接触している。そのため、キャリパ30及び/又はピストン47の仕様が変更された場合に、シムユニット60、65の設計形状を変更しなくても、先端面47cから第2シム62に伝わった力をシムユニット60からインナー支持部材51へ確実に伝えることが可能であり且つ前後の先端面34aから第2シム67に伝わった力をシムユニット65からアウター支持部材41へ確実に伝えることが可能である。
以上、本発明を上記各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
図7は本発明の第1の実施形態の第1の変形例を示している。第1の変形例のシムユニット53Aは、第1シム54、第2シム55、弾性体56、及び硬質弾性体57を備えている。硬質弾性体57は弾性体56より弾性率が高い弾性材料製であり(即ち、弾性体56より硬い)、且つ、自由状態にあるときその車外側面57aと車内側面57bは互いに平行になる。さらに弾性体56の両側面は第2シム55と硬質弾性体57にそれぞれ面接触した状態で固定され、且つ、硬質弾性体57と第1シム54とが互いに面接触した状態で固定されている。シムユニット53Aはインナー支持部材51(図7では図示略)の車内側面に着脱可能に支持されている。
ピストン47の先端面47cが第2シム55から車内側に離間するとき(弾性体56が自由状態にあるとき)、先端面47cと第2シム55との間の左右方向の距離Lは、先端面47cの上端部(即ち、ディスクロータ16の外周側の端部)から下端部(即ち、ディスクロータ16の内周側の端部)へ向かうにつれて徐々に大きくなる。さらに弾性体56の両側面が第2シム55と硬質弾性体57とにそれぞれ面接触した状態で固定され、且つ、硬質弾性体57と第1シム54とが互いに面接触した状態で固定されている。従って、第1の変形例は第1の実施形態と同様の作用効果を発揮可能である。
さらに、シムユニット53Aは弾性体56より弾性率が高い硬質弾性体57を有しているので、インナーブレーキパッド52(図7では図示略)がディスクロータ16に圧接したときにインナーブレーキパッド52の振動を抑える能力がシムユニット53より高い。なお、ピストン47の先端面47cが第2シム55を押圧すると、硬質弾性体57全体がほぼ均一に弾性変形する。
図8は本発明の第1の実施形態の第2の変形例を示している。第2の変形例のシムユニット53Bは第2シム55及び弾性体56のみを備える。第2シム55と弾性体56は互いに面接触した状態で固定されている。
図9は本発明の第1の実施形態の第3の変形例を示している。第3の変形例のシムユニット53Cは第1シム54及び弾性体56のみを備える。第1シム54と弾性体56は互いに面接触した状態で固定されている。第3の変形例では、ピストン47が車外側に移動したときに先端面47cが弾性体56を車外側へ押圧する。
シムユニット53B、53Cはインナー支持部材51(図示略)の車内側面に着脱可能に支持されている。
第2の変形例では、先端面47cがシムユニット53Bから車内側に離間するとき(弾性体56が自由状態にあるとき)、先端面47cと第2シム55との間の左右方向の距離Lは、先端面47cの上端部(即ち、ディスクロータ16の外周側の端部)から下端部(即ち、ディスクロータ16の内周側の端部)へ向かうにつれて徐々に大きくなる。同様に、第3の変形例では、先端面47cがシムユニット53Cから車内側に離間するとき(弾性体56が自由状態にあるとき)、先端面47cと弾性体56との間の左右方向の距離Lは、先端面47cの上端部(即ち、ディスクロータ16の外周側の端部)から下端部(即ち、ディスクロータ16の内周側の端部)へ向かうにつれて徐々に大きくなる。さらに、上述のように、第2シム55と弾性体56は互いに面接触した状態で固定され、且つ、第1シム54と弾性体56は互いに面接触した状態で固定されている。従って、第2及び第3の変形例は第1の実施形態と同様の作用効果を発揮可能である。
図10は本発明の第1の実施形態の第4の変形例を示している。第4の変形例のシムユニット53Dは第1シム54、第2シム55’、及び弾性体56’を備える。シムユニット53Dはインナー支持部材51(図10では図示略)の車内側面に着脱可能に支持されている。第2シム55’は第2シム55に対応する部材であり、その左右寸法(厚み)は上端部(即ち、ディスクロータ16の外周側の端部)から下端部(即ち、ディスクロータ16の内周側の端部)へ向かうにつれて徐々に小さくなる。弾性体56’は弾性体56に対応する部材であり、その車外側面56aと車内側面56bは互いに平行である。先端面47cが第2シム55’から車内側に離間するとき(弾性体56’が自由状態にあるとき)、先端面47cと第2シム55’との間の左右方向の距離Lは、先端面47cの上端部(即ち、ディスクロータ16の外周側の端部)から下端部(即ち、ディスクロータ16の内周側の端部)へ向かうにつれて徐々に大きくなる。さらに弾性体56’の両側面は第1シム54と第2シム55’に面接触した状態で固定されている。従って、第4の変形例は第1の実施形態と同様の作用効果を発揮可能である。
図11乃至図13は本発明の第1の実施形態の第5の変形例を示している。第5の変形例のシムユニット53Eは、第1シム54、第2シム55、及び弾性体56’’を備えている。シムユニット53Eはインナー支持部材51(図示略)の車内側面に着脱可能に支持されている。第1シム54と弾性体56’’は互いに面接触した状態で固定されている。弾性体56’’の車外側面56aと車内側面56bは互いに平行であるが、車内側面56bの上端部近傍(外周側端部近傍)にはディスクロータ16の回転方向に沿って並ぶ4つの突起56cが車内側に向けて突設されている。第2シム55の車外側面の下部は弾性体56’’の車内側面56bの下部に固定され、且つ、第2シム55の車外側面の上部には各突起56cの頂点付近の領域(車内側端部)が僅かに弾性変形した状態で面接触している。そのため、先端面47cが第2シム55から車内側に離間するとき(弾性体56’’が自由状態にあるとき)、先端面47cと第2シム55との間の左右方向の距離Lは、先端面47cの上端部(即ち、ディスクロータ16の外周側の端部)から下端部(即ち、ディスクロータ16の内周側の端部)へ向かうにつれて徐々に大きくなる。
この第5の変形例では、先端面47cが第2シム55に接触した後に先端面47cがさらに車外側に移動すると、やがて図13に示すように、各突起56cが弾性変形しながらつぶれて、第2シム55の車外側面全体が弾性体56’’の車内側面56bに面接触する。従って、第5の変形例は第1の実施形態と同様の作用効果を発揮可能である。
図14及び図15は本発明の第1の実施形態の第6の変形例を示している。第6の変形例のシムユニット53Fは、第1シム54、第2シム55’’、及び弾性体56’を備えている。シムユニット53Fはインナー支持部材51(図示略)の車内側面に着脱可能に支持されている。第1シム54と弾性体56’は互いに面接触した状態で固定されている。第2シム55’’は、第2シム55に対応する部位と、その車外側面55bの上端部近傍(外周側端部近傍)に車外側に向けて突設され且つディスクロータ16の回転方向に沿って並ぶ4つの突起55aと、を備える。第2シム55’’の車外側面の下部は弾性体56’の車内側面56bの下部に固定され、且つ、第2シム55’’の各突起55aの頂点付近の領域(車外側端部)が、車内側面56bの車内側面の上部を僅かに凹ませながら(弾性変形させながら)車内側面56bの上部に面接触している。そのため、先端面47cが第2シム55’’から車内側に離間するとき(弾性体56’が自由状態にあるとき)、先端面47cと第2シム55’’との間の左右方向の距離Lは、先端面47cの上端部(即ち、ディスクロータ16の外周側の端部)から下端部(即ち、ディスクロータ16の内周側の端部)へ向かうにつれて徐々に大きくなる。
この第6の変形例では、先端面47cが第2シム55’’に接触した後に先端面47cがさらに車外側に移動すると、やがて図15に示すように、各突起55aが弾性体56’の車内側面56bを大きく凹ませながら弾性体56’の内部に食い込む。そして、第2シム55’’の車外側面55b全体が弾性体56’の車内側面56bに面接触する。従って、第6の変形例は第1の実施形態と同様の作用効果を発揮可能である。
第1乃至第6の変形例の技術思想を第2の実施形態のシムユニット60及び/又はシムユニット65に適用してもよい。
第1の実施形態及びその変形例において、ディスクロータ16の車外側に位置するアウターパッドブロックに本発明を適用し、且つ、ディスクロータ16の車内側に位置するインナーパッドブロックに本発明を適用しないようにしてもよい。また、第1の実施形態及びその変形例において、アウターパッドブロック及びインナーパッドブロックに本発明を適用してもよい。
また、第2の実施形態及びその変形例において、アウターパッドブロック及びインナーパッドブロックの一方にのみ本発明を適用してもよい。
車両の後輪に本発明を適用してもよい。
16・・・ディスクロータ、20・・・ディスクブレーキ装置、34・・・爪部、34a・・・先端面、40、40A・・・アウターパッドブロック、41・・・アウター支持部材、42・・・アウターブレーキパッド、43・・・シム、47・・・ピストン、47c・・・先端面、50、50A・・・インナーパッドブロック、52・・・インナーブレーキパッド、53、53A、53B、53C、53D、53E、53F・・・シムユニット、54・・・第1シム、55、55’、55’’・・・第2シム、55a・・・突起、56、56’、56’’・・・弾性体、56c・・・突起、57・・・硬質弾性体、60・・・シムユニット、61・・・第1シム、62・・・第2シム、63・・・弾性体、65・・・シムユニット、66・・・第1シム、67・・・第2シム、68・・・弾性体。

Claims (1)

  1. 車体に対して車輪の回転軸と平行な平行方向にスライド可能且つ爪部を有するキャリパと、
    前記車輪と一緒に回転するディスクロータの車外側面と対向し、且つ、前記キャリパに前記平行方向に相対移動可能に支持されたアウターブレーキパッドと、
    前記アウターブレーキパッドの車外側面に支持され、且つ、前記爪部に対して車内側から対向する車外側被押圧部材と、
    前記ディスクロータの車内側面と対向し、且つ、前記キャリパに前記平行方向に相対移動可能に支持されたインナーブレーキパッドと、
    前記インナーブレーキパッドの車内側面に支持された車内側被押圧部材と、
    前記平行方向に進退可能なピストンを有し且つ前記車内側被押圧部材の車内側に位置するように前記キャリパに支持され、前記ピストンによって前記車内側被押圧部材を車外側に押圧することにより、前記インナーブレーキパッドを前記ディスクロータに圧接させ且つ車内側に移動した前記爪部により車内側に押圧された前記車外側被押圧部材によって前記アウターブレーキパッドを前記ディスクロータに圧接させる油圧シリンダと、
    を備え、
    前記車外側被押圧部材及び前記車内側被押圧部材の少なくとも一方である特定被押圧部材が、前記平行方向に並べて設けられ且つ互いに一体化されたシム及び弾性体を有し、
    前記シムと前記弾性体とが互いに面接触し、
    前記弾性体が自由状態にあるときの前記特定被押圧部材から対応する前記ピストン及び/又は前記爪部までの前記平行方向の距離が、前記ディスクロータの外周側から内周側に向かうにつれて徐々に大きくなるか又は前記ディスクロータの回転方向のトレーリング側からリーディング側に向かうにつれて徐々に大きくなるように前記シム及び前記弾性体が構成された、
    車両用ディスクブレーキ装置。
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