JP2013127303A - ブレーキパッド及びディスクブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキパッド及びディスクブレーキ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】制動時の鳴きを低減することができるブレーキパッド及びディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ディスクブレーキ装置1はキャリパ5とディスクロータ2を備えている。キャリパ5はマウンティング6にスライド移動されるとディスクロータ2に接離するブレーキパッド3,4を設けている。ブレーキパッド3,4は剛性調整部81を備えている。剛性調整部81はディスクロータ2の回転方向の曲げ剛性よりも回転方向に直交する径方向の曲げ剛性を低下させる。剛性調整部81はディスクロータ2の回転方向の接線と平行に延在しかつディスクロータ2の径方向に互いに間隔をあけて複数設けられた複数の接触片82を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ブレーキパッド及びディスクブレーキ装置に関する。
従来からディスクブレーキ装置は、車輪と共に回転するディスクロータの摩擦面にブレーキパッド(例えば、特許文献1参照)を押し付けることにより生じる摩擦力によって車輪に制動力を与える。
特開平7−71495号公報
ところで、上述のような特許文献1に記載されているブレーキパッドを備えたディスクブレーキ装置は、例えば、制動時の鳴きの低減の点でさらなる改善の余地がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、制動時の鳴きを低減することができるブレーキパッド及びディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るブレーキパッドは、車体に取り付けられたマウンティングにキャリパがスライド移動されることでディスクロータの両側の摩擦面それぞれに摺接し、前記ディスクロータの回転方向の剛性よりも前記回転方向に直交する径方向の剛性を低下させる剛性調整部を備えたことを特徴とする。
上記ブレーキパッドでは、前記剛性調整部は、前記ディスクロータの回転方向の接線と平行に延在しかつ前記ディスクロータの径方向に互いに間隔をあけて複数設けられて前記キャリパが前記マウンティングにスライド移動されることで前記ディスクロータの摩擦面に摺接する複数の接触片を備えることができる。
上記ブレーキパッドでは、互いに隣り合う前記接触片間に設けられかつ前記接触片よりも剛性の低い材料で構成された軟片を備えることができる。
本発明に係るディスクブレーキ装置は、車体に取り付けられたマウンティングと、車軸とともに回転自在に設けられたディスクロータと、前記マウンティングにスライド自在に支持されたキャリパと、前記キャリパが前記マウンティングにスライド移動されることでディスクロータの両側の摩擦面それぞれに摺接する一対のブレーキパッドを備え、前記一対のブレーキパッドのうちの一方のみが請求項1〜請求項3のうちいずれかに記載のブレーキパッドであることを特徴とする。
本発明に係るブレーキパッド及びディスクブレーキ装置は、ブレーキパッドのディスクロータの回転方向の曲げ剛性を大きくして、制動時のブレーキパッドの変形を抑制することで、ブレーキパッドとディスクロータとの間の摩擦力変動を抑制でき、所謂面内の鳴きを低減することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係るディスクブレーキ装置を示す概略構成図である。 図2は、実施形態に係るディスクブレーキ装置の要部を示す断面図である。 図3は、実施形態に係るディスクブレーキ装置のディスクロータとブレーキパッドの位置関係を示す側面図である。 図4は、実施形態に係るディスクブレーキ装置のディスクロータとブレーキパッドの位置関係を示す断面図(図3中のIV−IV線に沿う断面図)である。 図5は、実施形態に係るディスクブレーキ装置のブレーキパッドをディスクロータ側からみた平面図である。 図6は、実施形態に係るディスクブレーキ装置のブレーキパッドの側面図(図5中の矢印VI方向からみた側面図)である。 図7は、実施形態の変形例に係るディスクブレーキ装置のディスクロータとブレーキパッドの位置関係を示す断面図である。 図8は、実施形態の変形例2に係るディスクブレーキ装置の要部を示す断面図である。 図9は、実施形態の他の変形例2に係るディスクブレーキ装置の要部を示す断面図である。
以下に、本発明に係るディスクブレーキ装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1は、実施形態に係るディスクブレーキ装置を示す概略構成図、図2は、実施形態に係るディスクブレーキ装置の要部を示す断面図、図3は、実施形態に係るディスクブレーキ装置のディスクロータとブレーキパッドの位置関係を示す側面図、図4は、実施形態に係るディスクブレーキ装置のディスクロータとブレーキパッドの位置関係を示す断面図(図3中のIV−IV線に沿う断面図)、図5は、実施形態に係るディスクブレーキ装置のブレーキパッドをディスクロータ側からみた平面図、図6は、実施形態に係るディスクブレーキ装置のブレーキパッドの側面図(図5中の矢印VI方向からみた側面図)である。
図1、図2に示す本実施形態のディスクブレーキ装置(以下、単にブレーキ装置と呼ぶ)1は、典型的には、車両に搭載され、車両の車体に回転可能に支持された車輪に制動力を付与するものである。このブレーキ装置1は、マウンティング6に支持されている浮動型のキャリパ5によりディスクロータ2にブレーキパッド3,4を押し付けて制動力を発生する。このキャリパ浮動型のブレーキ装置1は、キャリパ5がマウンティング6に対して、車輪の回転軸線L(図1中に矢印で示す)方向にスライド移動可能に支持されている。
具体的には、ブレーキ装置1は、図1に示すように、ディスクロータ2と、一対のブレーキパッド3,4と、マウンティング6と、キャリパ5と、キャリパスライド機構7とを備える。
ディスクロータ2は、略円板状に形成される。ディスクロータ2は、車軸に取り付けられて、車輪と一体的となって車軸の回転軸線L(図1中に一点鎖線で示す)回りに回転自在に設けられる。即ち、ディスクロータ2は、回転軸線Lを中心とした周方向に沿って、図1に示された矢印M方向(以下、ディスクロータ2の回転方向と記す)に回転する。即ち、回転方向Mは、キャリパ5のマウンティング6に対するスライド移動方向としての回転軸線Lに対して交差(図示例では、直交)する方向をなしている。
ブレーキパッド3,4は、それぞれディスクロータ2の両側の摩擦面2a,2bに対向して設けられる。ブレーキパッド3,4は、それぞれ、摩擦材31,41が裏金32,42に固定されて構成されている。ブレーキパッド3が、後述するキャリパボディ51のシリンダ支持部53側に配置されてインナパッドをなし、ブレーキパッド4が、キャリパボディ51のリアクション部54側に配置されてアウタパッドをなしている。ブレーキパッド3は、裏金32の前後端部がマウンティング6に形成された一対のガイド部材に支持されて、裏金32がシリンダ支持部53に重ねられている。ブレーキパッド4は、裏金42がキャリパ5のリアクション部54に固定又は移動自在に支持されている。こうして、ブレーキパッド3,4は、キャリパ5に設けられている。ブレーキパッド3,4は、後述するようにキャリパスライド機構7によりキャリパ5がマウンティング6に対して回転軸線L方向にスライド移動されることで、摩擦面2a,2bに接離自在にキャリパ5に設けられている。なお、接離とは、近づいたり離れることをいう。なお、これらのブレーキパッド3,4の詳細な構成は、後ほど説明する。
マウンティング6は、サスペンション、中間ビームなどを介して車両の車体に取付けられている。マウンティング6は、ディスクロータ2の回転方向Mに間隔をあけて設けられた一対のスリーブ61と、一対のスリーブ61同士を連結した連結部62とを一体に備えている。スリーブ61は、それぞれ、一端部が開口しかつ他端部が閉塞した筒状に形成されている。スリーブ61の内側には、断面円形で内径が長手方向に一定の穴部63が形成されている。各スリーブ61の穴部63は、キャリパ5の後述するアーム部59側の一端部がスリーブ61の端面に開口しかつアーム部59から離れた側の他端部がスリーブ61内で閉塞している。各スリーブ61の穴部63は、ディスクロータ2の回転軸線Lに沿って延在している。
キャリパ5は、キャリパボディ51と、切替部60とを備えている。キャリパボディ51は、図2に模式的に示すように、ディスクロータ2の一方の摩擦面2aと間隔をあけて相対したシリンダ支持部53と、他方の摩擦面2bと間隔をあけて相対したリアクション部54と、シリンダ支持部53とリアクション部54とを連結した連結部55とを備えて、回転軸線L方向に切った断面形状がU字状に形成されている。キャリパボディ51は、両摩擦面2a,2bと間隔をあけたシリンダ支持部53及びリアクション部54を備えることで、ディスクロータ2を跨いだ格好に配されている。キャリパボディ51即ちキャリパ5は、キャリパスライド機構7により、マウンティング6に対して、回転軸線Lに沿ってスライド移動自在に支持されている。
切替部60は、液圧シリンダとしてのシリンダ機構52と、ブーツ72とを備えている。シリンダ機構52は、キャリパボディ51のシリンダ支持部53に設けられている。即ち、シリンダ機構52は、キャリパ5に設けられている。シリンダ機構52は、シリンダ支持部53に一体に設けられたシリンダ本体56と、このシリンダ本体56内に摺動自在に設けられたピストン57とを備えている。シリンダ本体56は、ディスクロータ2に相対する一端部が開口した有底筒状に形成されている。シリンダ本体56の内面には、このシリンダ本体56の内面とピストン57との間を液密に保つシール機構をなすパッキン58が設けられている。ピストン57は、ブレーキパッド3の裏金32の基端面に接触している。シリンダ本体56内には、運転者のブレーキペダルの踏み込み操作に応じて、マスタシリンダから作動油が供給される。
ブーツ72は、ゴムなどの弾性材料で構成され、蛇腹状の円筒状に形成されている。ブーツ72は、内側に後述するスライドピン71を通して、マウンティング6のスリーブ61とスライドピン71の基端部との間に装着されている。ブーツ72は、これらのスリーブ61とスライドピン71の基端部との双方に取付けられている。ブーツ72は、マウンティング6のスリーブ61とスライドピン71の基端部との間の隙間を被覆する。ブーツ72は、穴部63内への異物の混入等を防ぐことができる。ブーツ72は、キャリパ5がマウンティング6に対して回転軸線Lに沿ってスライド移動する際に、全長が拡大、縮小するように弾性変形する。
切替部60は、シリンダ機構52のシリンダ本体56内に作動油が供給されると、この作動油の油圧によりピストン57が一方の摩擦面2aに近づき、ブレーキパッド3をディスクロータ2の摩擦面2aに押し付ける。さらに、切替部60は、キャリパ5がスライド移動してブレーキパッド4をディスクロータ2の摩擦面2bに押し付ける。また、切替部60は、ブレーキペダルの踏み込み操作がされずに、シリンダ機構52のシリンダ本体56内に作動油が供給されないと、シリンダ本体56内の作動油の圧力が除圧される。そして、切替部60は、弾性復元力により全長が縮小してブーツ72が弾性変形していない中立状態となり、ブレーキパッド3,4をディスクロータ2の摩擦面2a,2bから離間させる。このために、切替部60は、シリンダ機構52のシリンダ本体56内に作動油が供給されるとブレーキパッド3,4をディスクロータ2の摩擦面2a,2bに押し付ける制動状態となる。切替部60は、シリンダ本体56内に作動油が供給されないとブレーキパッド3,4をディスクロータ2の摩擦面2a,2bから離間させる非制動状態となる。こうして、切替部60は、シリンダ本体56内に作動油が供給されるか否か即ちブレーキペダルの踏み込み操作がされるか否かにより、前記制動状態と前記非制動状態とが切り替え可能となっている。さらに、切替部60は、前記制動状態と前記非制動状態とを切り替えるのに連動して、ブレーキパッド3,4が摩擦面2a,2bに接離するように、キャリパ5をマウンティング6に対してスライド移動させる。
キャリパスライド機構7は、マウンティング6にキャリパ5を回転軸線Lに沿ってスライド移動自在に支持するものである。キャリパスライド機構7は、前述した穴部63と、各穴部63に対応したスライドピン71とを備えている。スライドピン71は、その基端部がキャリパボディ51のシリンダ支持部53の外縁から回転方向Mの前後に突出したアーム部59に固定されている。スライドピン71は、合計2つ設けられている。スライドピン71は、回転軸線Lと平行な円柱状に形成されている。スライドピン71は、その先端部が穴部63内に移動自在に挿入されている。前述した構成のキャリパスライド機構7は、スライドピン71が穴部63内に挿入されることにより、スライドピン71を介して、キャリパ5をマウンティング6に回転軸線Lに沿ってスライド移動自在に支持する。
ブレーキパッド3,4は、図4、図5及び図6に示すように、外観が直方体状に形成されている。ブレーキパッド3,4の長手方向は、図3に示すように、ブレーキパッド3,4の長手方向の中心におけるディスクロータ2の回転方向Mの接線S(図3中に一点鎖線で示す)と平行に設けられている。ブレーキパッド3,4は、図4及び図5に示すように、摩擦材31,41に剛性調整部81を設けている。剛性調整部81は、複数の接触片82を備えている。接触片82は、裏金32,42から立設し、かつ前記接線Sと平行に直線状に延在しているとともに、ディスクロータ2の径方向K(図4に示す)の厚みT(図4に示す)が一定の平板状に形成されている。なお、径方向Kは、ディスクロータ2の回転方向Mの接線Sに対して直交している。
複数の接触片82は、厚みTが互いに等しく形成されている。複数の接触片82は、ディスクロータ2の径方向Kに互いに間隔をあけて設けられている。互いに隣り合う接触片82間の間隔は、等しく形成されている。即ち、接触片82は、ディスクロータ2の径方向Kに等間隔に設けられている。また、接触片82の厚みTは、ブレーキパッド3,4の摩擦材31,41の径方向Kの幅D(図4及び図5に示す)の1/2以下に形成されている。実施形態では、接触片82の厚みTは、摩擦材31,41の径方向Kの幅Dの1/2よりも遥かに小さくなっている。前述した構成の複数の接触片82即ちブレーキパッド3,4は、キャリパ5がマウンティング6にスライド移動させることで、ディスクロータ2の両側の摩擦面2a,2bに近づいて、摩擦面2a,2bに摺接する。
剛性調整部81は、前述した接触片82を複数備えることで、ブレーキパッド3,4の回転方向Mの剛性としての曲げ剛性よりもブレーキパッド3,4の回転方向Mに直交する径方向Kの剛性としての曲げ剛性を低下させている。なお、回転方向Mの曲げ剛性とは、ブレーキパッド3,4の長手方向の中心を通りかつ径方向Kと平行な軸線P1(図4、図5及び図6に示す)周りM1(図6中に矢印で示す)の曲げ荷重に対するブレーキパッド3,4の剛性をいう。回転方向Mに直交する径方向Kの曲げ剛性とは、ブレーキパッド3,4の長手方向の中心を通りかつ接線Sと平行な軸線P2(図4、図5及び図6に示す)周りM2(図4中に矢印で示す)の曲げ荷重に対するブレーキパッド3,4の剛性をいう。また、剛性調整部81は、前述した接触片82を複数備えることで、回転方向Mに直交する方向のブレーキパッド3,4のせん断剛性を、摩擦材31,41が方体状に形成された場合のせん断剛性よりも低下させている。
前述した構成のブレーキ装置1は、例えば、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が行われていないと、切替部60が非制動状態となって、ブレーキパッド3,4が摩擦面2a,2bから間隔をあけている。そして、ブレーキ装置1は、例えば、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が行われると、シリンダ機構52のシリンダ本体56内に作動油が供給されて、この作動油がピストン57をディスクロータ2の摩擦面2aに向かって加圧する。すると、ピストン57が図2中矢印B方向に前進し、このピストン57の前面がブレーキパッド(インナパッド)3の裏金32を押圧し、このブレーキパッド3の前面をディスクロータ2の摩擦面2aに接近させる。また、このとき、キャリパ5は、ピストン57が前進するその移動反力により、キャリパボディ51がこのピストン57とは逆方向、つまり、図2中矢印C方向に前進し、ブレーキパッド(アウタパッド)4をディスクロータ2の摩擦面2bに接近させ、ブーツ72が伸張して全長が縮小する方向の弾性復元力を生じる。
そして、ブレーキ装置1は、切替部60が制動状態に切り替えられて、ブレーキパッド3,4がディスクロータ2の各摩擦面2a,2bに押し付けられてディスクロータ2を挟持する。ブレーキ装置1は、これらのブレーキパッド3,4と、車輪と共に回転するディスクロータ2との間に摩擦抵抗力を発生させる。ブレーキ装置1は、ディスクロータ2に所定の回転抵抗力を作用させ、このディスクロータ2及びこれと一体で回転する車輪に制動力を付与する。
また、ブレーキ装置1は、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が行われなくなると、シリンダ機構52のシリンダ本体56内に作動油が供給されずに、このシリンダ本体56内の作動油の圧力が除圧される。すると、ブレーキ装置1は、ピストン57が後退しかつブーツ72の弾性復元力によりキャリパボディ51が後退して切替部60が非制動状態に切り替えられ、ブレーキパッド3,4がディスクロータ2から離間する。こうして、ブレーキ装置1は、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が行われないと、切替部60が非制動状態となる。このように、切替部60は、ブレーキペダルの踏み込み操作が行われるか否かにより、非制動状態と制動状態とが切り替えられる。
上記のように構成されたブレーキ装置1は、ディスクロータ2の回転方向Mの曲げ剛性よりも回転方向Mに直交する径方向Kの曲げ剛性を低下させる剛性調整部81をブレーキパッド3,4の双方に設けている。このために、ブレーキパッド3,4のディスクロータ2の回転方向Mの曲げ剛性を大きくすることができ、制動時のブレーキパッド3,4の回転方向M即ち前述した軸線P1周りM1の変形を抑制することができる。
ここで、ディスクロータ2とブレーキパッド3,4との間の摩擦力変動が周方向に生じる起振力及び面内(伸縮)振動として、ディスクロータ2に作用することが知られている。また、ディスクロータ2とブレーキパッド3,4の摩擦力変動が大きくなると、ディスクロータ2の周方向に生じる起振力及び面内(伸縮)振動が大きくなり、所謂面内の鳴き即ち制動時の鳴きが大きくなることが知られている。
ブレーキ装置1は、制動時のブレーキパッド3,4の回転方向M即ち前述した軸線P1周りM1の変形を抑制することができるので、制動時に作用する荷重によるブレーキパッド3,4とディスクロータ2との間の摩擦力変動を抑制することができる。よって、ブレーキ装置1は、ディスクロータ2の周方向に生じる起振力を抑制でき、所謂面内の鳴き即ち制動時の鳴きを低減することができる。
また、剛性調整部81が接線Sと平行に直線状に延在しかつ径方向Kに間隔をあけた複数の接触片82を備えているので、剛性調整部81がブレーキパッド3,4のディスクロータ2の回転方向Mに直交するせん断剛性を低下させることとなる。このために、ブレーキパッド3,4が、制動時に作用する荷重によりせん断方向に変形しやすくなって、制動時に作用する荷重によりせん断方向に変形し易くなり、ブレーキパッド3,4とディスクロータ2との間の摩擦力変動を抑制することができる。よって、ディスクロータ2の周方向に生じる起振力を抑制することができる。したがって、制動時に作用する荷重によるディスクロータ2に生じる面内(伸縮)振動を抑制でき、所謂面内の鳴き即ち制動時の鳴きを低減することができる。
[変形例1]
次に、本発明に係るディスクブレーキ装置の実施形態の変形例1を図7に基づいて詳細に説明する。図7は、実施形態の変形例に係るディスクブレーキ装置のディスクロータとブレーキパッドの位置関係を示す断面図である。なお、変形例1において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明する。
図7に示す変形例1では、ブレーキパッド3,4は、軟片83を備えている。軟片83は、接触片82よりも剛性の低い材料で構成され、互いに隣り合う接触片82間に設けられている。軟片83は、互いに隣り合う接触片82間に充填されて、これらの接触片82に密に接触している。軟片83を構成する材料の剛性は、接触片82を構成する材料の剛性の1/4以下の剛性である。また、軟片83のディスクロータ2の径方向Kの厚みT2は、接触片82の径方向Kの厚みTの2倍以上である。
変形例1によれば、前述した実施形態と同様に、制動時に作用する荷重により、ブレーキパッド3,4とディスクロータ2との間の摩擦力変動を抑制することができ、所謂面内の鳴き即ち制動時の鳴きを低減することができる。また、変形例1によれば、軟片83を設けることにより、剛性調整部81がブレーキパッド3,4のディスクロータ2の回転方向Mに直交するせん断剛性を確実に低下させることとなる。したがって、制動時に作用する荷重によりブレーキパッド3,4がせん断方向に変形し易くなり、ブレーキパッド3,4とディスクロータ2との間の摩擦力変動を抑制することができる。よって、ディスクロータ2に生じる面内(伸縮)振動を抑制でき、所謂面内の鳴き即ち制動時の鳴きをより確実に低減することができる。
[変形例2]
次に、本発明に係るディスクブレーキ装置の実施形態の変形例2を図8及び図9に基づいて詳細に説明する。図8は、実施形態の変形例2に係るディスクブレーキ装置の要部を示す断面図、図9は、実施形態の他の変形例2に係るディスクブレーキ装置の要部を示す断面図である。なお、変形例2において、前述した実施形態、変形例1と同一部分には、同一符号を付して説明する。
図8に示す変形例2では、インナパッドとしてのブレーキパッド3に剛性調整部81即ち複数の接触片82を設けることなく、アウタパッドとしてのブレーキパッド4のみに剛性調整部81即ち複数の接触片82を設けている。即ち、図8に示す変形例2では、アウタパッドとしてのブレーキパッド4のみが、剛性調整部81を備えた実施形態のブレーキパッドである。図9に示す変形例2では、アウタパッドとしてのブレーキパッド4に剛性調整部81即ち複数の接触片82を設けることなく、インナパッドとしてのブレーキパッド3のみに剛性調整部81即ち複数の接触片82を設けている。即ち、図9に示す変形例2では、インナパッドとしてのブレーキパッド3のみが、剛性調整部81を備えた実施形態のブレーキパッドである。
図8及び図9に示された変形例2においても、前述した実施形態などと同様に、制動時に作用する荷重によるブレーキパッド3,4とディスクロータ2との間の摩擦力変動を抑制することができ、所謂面内の鳴き即ち制動時の鳴きを低減することができる。また、図8及び図9に示された変形例2のブレーキ装置1は、一方の摩擦面2aに摺接するブレーキパッド3の回転方向Mに直交する方向のせん断剛性と他方の摩擦面2bに摺接するブレーキパッド4の回転方向Mに直交する方向のせん断剛性とが異なることとなる。したがって、制動時のブレーキパッド3の回転軸線L方向の振動の位相と、制動時の他方のブレーキパッド4の回転軸線L方向の振動の位相とが異なることとなる。このために、ディスクロータ2とブレーキパッド3との間の面圧変動と、ディスクロータ2とブレーキパッド4との間の面圧変動とが相殺されない。よって、ディスクロータ2とブレーキパッド3との間に生じる摩擦力変動の位相と、ディスクロータ2とブレーキパッド4との間に生じる摩擦力変動の位相とを互いに異ならせることができる。このために、制動中に、ディスクロータ2とブレーキパッド3との間に生じる摩擦力変動と、ディスクロータ2とブレーキパッド4との間に生じる摩擦力変動とを打ち消すことが生じる。したがって、制動時に作用する荷重によるディスクロータ2に生じる面内(伸縮)振動を抑制でき、所謂面内の鳴き即ち制動時の鳴きを低減することができる。
なお、変形例2では、変形例1と同様に、互いに隣り合う接触片82間に軟片83をもうけても良い。
実施形態及び変形例1、2では、接触片82の厚みTを摩擦材31,41の幅Dよりも遥かに小さくしたが、本発明では、幅Dの1/2以下であれば、厚みTを如何なる寸法にしても良い。また、本発明では、剛性調整部81は、接触片82及び軟片83に限らず、種々の構成としても良い。要するに、本発明では、ブレーキパッド3,4の回転方向Mの曲げ剛性よりも径方向Kの曲げ剛性を低下させることができれば、剛性調整部81を種々の構成としても良い。
なお、上述した本発明に係るブレーキ装置1は、上述した実施形態及び変形例1、2に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
1 ディスクブレーキ装置
2 ディスクロータ
2a,2b 摩擦面
3,4 ブレーキパッド
5 キャリパ
6 マウンティング
81 剛性調整部
82 接触片
83 軟片
K 径方向
M 回転方向
S 接線

Claims (4)

  1. 車体に取り付けられたマウンティングにキャリパがスライド移動されることでディスクロータの両側の摩擦面それぞれに摺接し、前記ディスクロータの回転方向の剛性よりも前記回転方向に直交する径方向の剛性を低下させる剛性調整部を備えたことを特徴とする、
    ブレーキパッド。
  2. 前記剛性調整部は、前記ディスクロータの回転方向の接線と平行に延在しかつ前記ディスクロータの径方向に互いに間隔をあけて複数設けられて前記キャリパが前記マウンティングにスライド移動されることで前記ディスクロータの摩擦面に摺接する複数の接触片を備えた、
    請求項1に記載のブレーキパッド。
  3. 互いに隣り合う前記接触片間に設けられかつ前記接触片よりも剛性の低い材料で構成された軟片を備えた、
    請求項2に記載のブレーキパッド。
  4. 車体に取り付けられたマウンティングと、
    車軸とともに回転自在に設けられたディスクロータと、
    前記マウンティングにスライド自在に支持されたキャリパと、
    前記キャリパが前記マウンティングにスライド移動されることでディスクロータの両側の摩擦面それぞれに摺接する一対のブレーキパッドを備え、
    前記一対のブレーキパッドのうちの一方のみが請求項1〜請求項3のうちいずれか1項に記載のブレーキパッドである、
    ことを特徴とするディスクブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016113845A1 (ja) * 2015-01-13 2017-08-03 株式会社日立製作所 ブレーキ装置及びエレベータシステム
WO2017211354A1 (de) * 2016-06-09 2017-12-14 Bischoff Industriebremsen GmbH Fangbacke für arretiervorrichtung für dreh- und/oder verschiebbar angeordnete bauteile und arretiervorrichtung

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