JP2013127304A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】制動時の鳴きを低減することができるディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ディスクブレーキ装置1はキャリパ5とディスクロータ2を備えている。キャリパ5はマウンティング6にスライド移動されるとディスクロータ2に接離する摩擦パッド3,4を設けている。ディスクロータ2はインナロータ86とインナロータ86に間隔をあけて重ねられるアウタロータ87とロータ86,87間に設けられたフィン88を備えている。インナロータ86の摩擦パッド3が摺接する摩擦面2aには周方向に沿って延在しかつ径方向に間隔をあけて複数の凹溝86aが形成されている。アウタロータ87の摩擦パッド4が摺接する摩擦面2bには周方向に沿って延在しかつ径方向に間隔をあけて複数の凹溝87aが形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】ディスクブレーキ装置1はキャリパ5とディスクロータ2を備えている。キャリパ5はマウンティング6にスライド移動されるとディスクロータ2に接離する摩擦パッド3,4を設けている。ディスクロータ2はインナロータ86とインナロータ86に間隔をあけて重ねられるアウタロータ87とロータ86,87間に設けられたフィン88を備えている。インナロータ86の摩擦パッド3が摺接する摩擦面2aには周方向に沿って延在しかつ径方向に間隔をあけて複数の凹溝86aが形成されている。アウタロータ87の摩擦パッド4が摺接する摩擦面2bには周方向に沿って延在しかつ径方向に間隔をあけて複数の凹溝87aが形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、ディスクブレーキ装置に関する。
従来からディスクブレーキ装置は、車輪と共に回転するディスクロータ(例えば、特許文献1参照)の摩擦面に摩擦パッドを押し付けることにより生じる摩擦力によって車輪に制動力を与える。特許文献1に示されたディスクロータは、インナパッドとしての摩擦パッドと摺接するインナロータと、インナロータに重ねられかつアウタパッドとしての摩擦パッドと摺接するアウタロータと、インナロータとアウタロータとの間に設けられかつこれらを連結するフィンと、を備えている。
ところで、上述のような特許文献1に記載されているディスクロータを備えたディスクブレーキ装置は、例えば、制動時の鳴きの低減の点でさらなる改善の余地がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、制動時の鳴きを低減することができるディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るディスクブレーキ装置は、車体に取り付けられたマウンティングと、一対の摩擦パッドを設けたキャリパと、前記キャリパを前記マウンティングにスライド移動自在に支持するキャリパスライド機構と、前記キャリパが前記マウンティングにスライド移動されることで前記摩擦パッドが摺接する摩擦面に周方向に延在しかつ径方向に間隔をあけて複数の凹溝が形成されたディスクロータと、を備えたことを特徴とする。
また、上記ディスクブレーキ装置では、前記ディスクロータは、一方の摩擦パッドが摺接する摩擦面が設けられたインナロータと、前記インナロータに重ねられかつ他方の摩擦パッドが摺接する摩擦面が設けられたアウタロータとを備え、前記インナロータの摩擦面と前記アウタロータの摩擦面とのうちの一方のみに前記複数の凹溝が形成されることができる。
本発明に係るディスクブレーキ装置は、ディスクロータの摩擦面の回転方向に直交する方向のせん断剛性を低下させることで、せん断方向に変形しやすくして面内(伸縮)振動を抑制でき、所謂面内の鳴きを低減することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係るディスクブレーキ装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1は、実施形態に係るディスクブレーキ装置を示す概略構成図、図2は、実施形態に係るディスクブレーキ装置の要部を示す断面図、図3は、実施形態に係るディスクブレーキ装置のディスクロータと車軸とを示す斜視図、図4は、実施形態に係るディスクブレーキ装置のディスクロータを示す斜視図である。
図1は、実施形態に係るディスクブレーキ装置を示す概略構成図、図2は、実施形態に係るディスクブレーキ装置の要部を示す断面図、図3は、実施形態に係るディスクブレーキ装置のディスクロータと車軸とを示す斜視図、図4は、実施形態に係るディスクブレーキ装置のディスクロータを示す斜視図である。
図1、図2に示す本実施形態のディスクブレーキ装置(以下、単にブレーキ装置と呼ぶ)1は、典型的には、車両に搭載され、車両の車体に回転可能に支持された車輪に制動力を付与するものである。このブレーキ装置1は、マウンティング6に支持されている浮動型のキャリパ5によりディスクロータ2に摩擦パッド3,4を押し付けて制動力を発生する。このキャリパ浮動型のブレーキ装置1は、キャリパ5がマウンティング6に対して、車輪の回転軸線L(図1中に矢印で示す)方向にスライド移動可能に支持されている。
具体的には、ブレーキ装置1は、図1に示すように、ディスクロータ2と、一対の摩擦パッド3、4と、マウンティング6と、キャリパ5と、キャリパスライド機構7とを備える。
ディスクロータ2は、略円板状に形成される。ディスクロータ2は、車軸Aに取り付けられて、車輪と一体的となって車軸Aの回転軸線L(図1中に一点鎖線で示す)回りに回転可能に設けられる。即ち、ディスクロータ2は、回転軸線Lを中心とした周方向に沿って、図1に示された矢印M方向(以下、ディスクロータ2の回転方向と記す)に回転する。即ち、回転方向Mは、キャリパ5のマウンティング6に対するスライド移動方向としての回転軸線Lに対して交差(図示例では、直交)する方向をなしている。なお、このディスクロータ2の詳細な構成は、後ほど説明する。
摩擦パッド3、4は、それぞれディスクロータ2の両側の摩擦面2a,2bに対向して設けられる。摩擦パッド3、4は、それぞれ、摩擦材31,41が裏金32,42に固定されて構成されている。摩擦パッド3が、後述するキャリパボディ51のシリンダ支持部53側に配置されてインナパッドをなし、摩擦パッド4が、キャリパボディ51のリアクション部54側に配置されてアウタパッドをなしている。摩擦パッド3は、裏金32の前後端部がマウンティング6に形成された一対のガイド部材に支持されて、裏金32がシリンダ支持部53に重ねられている。摩擦パッド4は、裏金42がキャリパ5のリアクション部54に固定又は移動自在に支持されている。こうして、摩擦パッド3,4は、キャリパ5に設けられている。摩擦パッド3、4は、後述するようにキャリパスライド機構7によりキャリパ5がマウンティング6に対して回転軸線L方向にスライド移動されることで、摩擦面2a,2bに接離自在にキャリパ5に設けられている。なお、接離とは、近づいたり離れることをいう。
マウンティング6は、サスペンション、中間ビームなどを介して車両の車体に取付けられている。マウンティング6は、ディスクロータ2の回転方向Mに間隔をあけて設けられた一対のスリーブ61と、一対のスリーブ61同士を連結した連結部62とを一体に備えている。スリーブ61は、それぞれ、一端部が開口しかつ他端部が閉塞した筒状に形成されている。スリーブ61の内側には、断面円形で内径が長手方向に一定の穴部63が形成されている。各スリーブ61の穴部63は、キャリパ5の後述するアーム部59側の一端部がスリーブ61の端面に開口しかつアーム部59から離れた側の他端部がスリーブ61内で閉塞している。各スリーブ61の穴部63は、ディスクロータ2の回転軸線Lに沿って延在している。
キャリパ5は、キャリパボディ51と、切替部60とを備えている。キャリパボディ51は、図2に模式的に示すように、ディスクロータ2の一方の摩擦面2aと間隔をあけて相対したシリンダ支持部53と、他方の摩擦面2bと間隔をあけて相対したリアクション部54と、シリンダ支持部53とリアクション部54とを連結した連結部55とを備えて、回転軸線L方向に切った断面形状がU字状に形成されている。キャリパボディ51は、両摩擦面2a,2bと間隔をあけたシリンダ支持部53及びリアクション部54を備えることで、ディスクロータ2を跨いだ格好に配されている。キャリパボディ51即ちキャリパ5は、キャリパスライド機構7により、マウンティング6に対して、回転軸線Lに沿ってスライド移動自在に支持されている。
切替部60は、液圧シリンダとしてのシリンダ機構52と、ブーツ72とを備えている。シリンダ機構52は、キャリパボディ51のシリンダ支持部53に設けられている。即ち、シリンダ機構52は、キャリパ5に設けられている。シリンダ機構52は、シリンダ支持部53に一体に設けられたシリンダ本体56と、このシリンダ本体56内に摺動自在に設けられたピストン57とを備えている。シリンダ本体56は、ディスクロータ2に相対する一端部が開口した有底筒状に形成されている。シリンダ本体56の内面には、このシリンダ本体56の内面とピストン57との間を液密に保つシール機構をなすパッキン58が設けられている。ピストン57は、摩擦パッド3の裏金32の基端面に接触している。シリンダ本体56内には、運転者のブレーキペダルの踏み込み操作に応じて、マスタシリンダから作動油が供給される。
ブーツ72は、ゴムなどの弾性材料で構成され、蛇腹状の円筒状に形成されている。ブーツ72は、内側に後述するスライドピン71を通して、マウンティング6のスリーブ61とスライドピン71の基端部との間に装着されている。ブーツ72は、これらのスリーブ61とスライドピン71の基端部との双方に取付けられている。ブーツ72は、マウンティング6のスリーブ61とスライドピン71の基端部との間の隙間を被覆する。ブーツ72は、穴部63内への異物の混入等を防ぐことができる。ブーツ72は、キャリパ5がマウンティング6に対して回転軸線Lに沿ってスライド移動する際に、全長が拡大、縮小するように弾性変形する。
切替部60は、シリンダ機構52のシリンダ本体56内に作動油が供給されると、この作動油の油圧によりピストン57が一方の摩擦面2aに近づき、摩擦パッド3をディスクロータ2の摩擦面2aに押し付ける。さらに、切替部60は、キャリパ5がスライド移動して摩擦パッド4をディスクロータ2の摩擦面2bに押し付ける。また、切替部60は、ブレーキペダルの踏み込み操作がされずに、シリンダ機構52のシリンダ本体56内に作動油が供給されないと、シリンダ本体56内の作動油の圧力が除圧される。そして、切替部60は、弾性復元力により全長が縮小してブーツ72が弾性変形していない中立状態となり、摩擦パッド3,4をディスクロータ2の摩擦面2a,2bから離間させる。このために、切替部60は、シリンダ機構52のシリンダ本体56内に作動油が供給されると摩擦パッド3,4をディスクロータ2の摩擦面2a,2bに押し付ける制動状態となる。切替部60は、シリンダ本体56内に作動油が供給されないと摩擦パッド3,4をディスクロータ2の摩擦面2a,2bから離間させる非制動状態となる。こうして、切替部60は、シリンダ本体56内に作動油が供給されるか否か即ちブレーキペダルの踏み込み操作がされるか否かにより、前記制動状態と前記非制動状態とが切り替え可能となっている。さらに、切替部60は、前記制動状態と前記非制動状態とを切り替えるのに連動して、摩擦パッド3,4が摩擦面2a,2bに接離するように、キャリパ5をマウンティング6に対してスライド移動させる。
キャリパスライド機構7は、マウンティング6にキャリパ5を回転軸線Lに沿ってスライド移動自在に支持するものである。キャリパスライド機構7は、前述した穴部63と、各穴部63に対応したスライドピン71とを備えている。スライドピン71は、その基端部がキャリパボディ51のシリンダ支持部53の外縁から回転方向Mの前後に突出したアーム部59に固定されている。スライドピン71は、合計2つ設けられている。スライドピン71は、回転軸線Lと平行な円柱状に形成されている。スライドピン71は、その先端部が穴部63内に移動自在に挿入されている。前述した構成のキャリパスライド機構7は、スライドピン71が穴部63内に挿入されることにより、スライドピン71を介して、キャリパ5をマウンティング6に回転軸線Lに沿ってスライド移動自在に支持する。
ディスクロータ2は、所謂ベンチレーデット型のディスクロータであって、図3及び図4に示すように、車軸AのホイールハブHに取り付けられる取付部81と、環状の摺動板部82と、締結部材としてのナットN(図3のみ示す)と、を備えている。取付部81は、摺動板部82の後述するインナロータ86の内縁から立設した円筒状の円筒部83と、円筒部83の先端を塞ぐ円板状の円板部84とを備えている。円板部84には、ホイールハブHから立設したスタットボルトHBが挿通される取付孔85が複数設けられている。図示例では、取付孔85とスタットボルトHBは、回転軸線Lを中心として周方向に等間隔に12個設けられている。
摺動板部82は、円環状のインナロータ86と、インナロータ86に間隔をあけて重ねられた円環状のアウタロータ87と、インナロータ86とアウタロータ87との間に設けられた複数のフィン88とを備えている。
インナロータ86は、インナパッドとしての摩擦パッド3と相対して、摩擦パッド3と摺接する摩擦面2aが設けられている。即ち、インナロータ86の表面は、一方の摩擦パッド3が摺接する一方の摩擦面2aとなっている。インナロータ86の内縁には、前述した円筒部83が立設している。インナロータ86の摩擦面2aには、図2及び図4に示すように、複数の凹溝86aが形成されている。凹溝86aは、インナロータ86の摩擦面2aから凹に形成されており、インナロータ86の摩擦面2aの周方向に沿って延在している。また、複数の凹溝86aは、インナロータ86の摩擦面2aの径方向に互いに間隔をあけて設けられている。複数の凹溝86aの幅は、互いに等しく形成されているとともに、互いに隣り合う凹溝86a間の間隔la(図2に示す)は、等しく形成されている。前述した複数の凹溝86aは、インナロータ86の摩擦面2a上に互いに同心円上に設けられている。なお、凹溝86aは、インナロータ86を貫通していない。
アウタロータ87は、インナロータ86と間隔をあけて重ねられて、このインナロータ86と同軸に配置されている。アウタロータ87は、アウタパッドとしての摩擦パッド4と相対して、摩擦パッド4と摺接する摩擦面2bが設けられている。即ち、アウタロータ87の表面は、他方の摩擦パッド4が摺接する他方の摩擦面2bとなっている。アウタロータ87の摩擦面2bには、図2及び図3に示すように、複数の凹溝87aが形成されている。凹溝87aは、アウタロータ87の摩擦面2bから凹に形成されており、アウタロータ87の摩擦面2bの周方向に沿って延在している。また、複数の凹溝87aは、アウタロータ87の摩擦面2bの径方向に互いに間隔をあけて設けられている。複数の凹溝87aの幅は、互いに等しく形成されているとともに、互いに隣り合う凹溝87a間の間隔lb(図2に示す)は、等しく形成されている。前述した複数の凹溝87aは、アウタロータ87の摩擦面2b上に互いに同心円上に設けられている。なお、凹溝87aは、アウタロータ87を貫通していない。
前述したインナロータ86の摩擦面2aに設けられた凹溝86aの幅と、アウタロータ87の摩擦面2bに設けられた凹溝87aの幅とは等しく形成されている。また、インナロータ86の摩擦面2aに設けられた互いに隣り合う凹溝86a間の間隔laと、アウタロータ87の摩擦面2bに設けられた互いに隣り合う凹溝87a間の間隔lbとは等しく形成されている。また、互いに隣り合う凹溝86a,87a間の間隔la,lbは、摩擦パッド3,4のディスクロータ2の径方向の幅Pの1/2以下となっている。実施形態では、互いに隣り合う凹溝86a,87a間の間隔la,lbは、摩擦パッド3,4のディスクロータ2の径方向の幅Pの1/2よりも遥かに小さくなっている。
前述したインナロータ86の摩擦面2aに設けられた複数の凹溝86aとアウタロータ87の摩擦面2bに設けられた複数の凹溝87aは、摩擦面2aの回転方向Mに直交する方向のディスクロータ2のせん断剛性を、凹溝86a,87aが形成されていない場合よりも低下させる。
フィン88は、回転軸線L方向に並ぶインナロータ86とアウタロータ87とに跨って立設しており、インナロータ86とアウタロータ87とを一体に連結している。フィン88は、周方向に等間隔に複数設けられている。フィン88の長手方向は、ディスクロータ2の径方向と平行である。
ナットN(図3には、一つのみ示し、他を省略する)は、取付孔85内に挿通されたスタットボルトHBがねじ込まれる。ナットNは、取付孔85内に挿通されたスタットボルトHBがねじ込まれることで、ディスクロータ2に周方向に間隔をあけて複数設けられる。
前述した構成のディスクロータ2は、インナロータ86が摩擦パッド3に相対し、アウタロータ87が摩擦パッド4に相対した状態で、取付部81の円板部84がホイールハブHに重ねられる。このとき、取付孔85内にスタットボルトHBが挿通される。そして、取付孔85内にスタットボルトHBに締結部材としてのナットNがねじ込まれて(締結されて)、ディスクロータ2は、ホイールハブHに取り付けられる。こうして、ナットNは、取付孔85内に挿通されたスタットボルトHBがねじ込まれることで、ディスクロータ2即ちインナロータ86とアウタロータ87との双方を車軸AのホイールハブHに締結する。
前述した構成のブレーキ装置1は、例えば、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が行われていないと、切替部60が非制動状態となって、摩擦パッド3,4が摩擦面2a,2bから間隔をあけている。そして、ブレーキ装置1は、例えば、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が行われると、シリンダ機構52のシリンダ本体56内に作動油が供給されて、この作動油がピストン57をディスクロータ2の摩擦面2aに向かって加圧する。すると、ピストン57が図2中矢印B方向に前進し、このピストン57の前面が摩擦パッド(インナパッド)3の裏金32を押圧し、この摩擦パッド3の前面をディスクロータ2の摩擦面2aに接近させる。また、このとき、キャリパ5は、ピストン57が前進するその移動反力により、キャリパボディ51がこのピストン57とは逆方向、つまり、図2中矢印C方向に前進し、摩擦パッド(アウタパッド)4をディスクロータ2の摩擦面2bに接近させ、ブーツ72が伸張して全長が縮小する方向の弾性復元力を生じる。
そして、ブレーキ装置1は、切替部60が制動状態に切り替えられて、摩擦パッド3、4がディスクロータ2の各摩擦面2a,2bに押し付けられてディスクロータ2を挟持する。ブレーキ装置1は、これらの摩擦パッド3、4と、車輪と共に回転するディスクロータ2との間に摩擦抵抗力を発生させる。ブレーキ装置1は、ディスクロータ2に所定の回転抵抗力を作用させ、このディスクロータ2及びこれと一体で回転する車輪に制動力を付与する。
また、ブレーキ装置1は、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が行われなくなると、シリンダ機構52のシリンダ本体56内に作動油が供給されずに、このシリンダ本体56内の作動油の圧力が除圧される。すると、ブレーキ装置1は、ピストン57が後退しかつブーツ72の弾性復元力によりキャリパボディ51が後退して切替部60が非制動状態に切り替えられ、摩擦パッド3、4がディスクロータ2から離間する。こうして、ブレーキ装置1は、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が行われないと、切替部60が非制動状態となる。このように、切替部60は、ブレーキペダルの踏み込み操作が行われるか否かにより、非制動状態と制動状態とが切り替えられる。
上記のように構成されたブレーキ装置1は、摩擦面2a,2bに周方向に延在しかつ径方向に間隔をあけて凹溝86a,87aを複数形成して、摩擦面2aの回転方向Mに直交する方向のディスクロータ2のせん断剛性を低下させている。このために、ディスクロータ2が、制動時に作用する荷重によりせん断方向に変形しやすくなって、制動時に作用する荷重によりせん断方向に変形して、ディスクロータ2と摩擦パッド3,4の摩擦力変動を抑制できる。
ここで、ディスクロータ2と摩擦パッド3,4との間の摩擦力変動が周方向に生じる起振力及び面内(伸縮)振動として、ディスクロータ2に作用することが知られている。また、ディスクロータ2と摩擦パッド3,4の摩擦力変動が大きくなると、ディスクロータ2の周方向に生じる起振力及び面内(伸縮)振動が大きくなり、所謂面内の鳴き即ち制動時の鳴きが大きくなることが知られている。
上記のように構成されたブレーキ装置1は、ディスクロータ2が、制動時に作用する荷重によりせん断方向に変形して、ディスクロータ2と摩擦パッド3,4の摩擦力変動を抑制できる。よって、ブレーキ装置1は、ディスクロータ2の周方向に生じる起振力を抑制することができる。したがって、ブレーキ装置1は、制動時に作用する荷重によるディスクロータ2に生じる面内(伸縮)振動を抑制でき、所謂面内の鳴き即ち制動時の鳴きを低減することができる。
[変形例]
次に、本発明に係るディスクブレーキ装置の実施形態の変形例を図5及び図6に基づいて詳細に説明する。図5は、実施形態の変形例に係るディスクブレーキ装置の要部を示す断面図、図6は、実施形態の他の変形例に係るディスクブレーキ装置の要部を示す断面図である。なお、変形例において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明する。
次に、本発明に係るディスクブレーキ装置の実施形態の変形例を図5及び図6に基づいて詳細に説明する。図5は、実施形態の変形例に係るディスクブレーキ装置の要部を示す断面図、図6は、実施形態の他の変形例に係るディスクブレーキ装置の要部を示す断面図である。なお、変形例において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明する。
図5に示す変形例では、インナロータ86の摩擦面2aに凹溝86aが形成されずにアウタロータ87の摩擦面2bのみに凹溝87aが複数形成されている。図6に示す変形例では、アウタロータ87の摩擦面2bに凹溝87aが形成されずにインナロータ86の摩擦面2aのみに凹溝86aが複数形成されている。このように、図5及び図6に示された変形例では、インナロータ86の摩擦面2aとアウタロータ87の摩擦面2bとのうちの一方のみに凹溝86a,87aが複数形成されている。
図5及び図6に示された変形例においても、前述した実施形態と同様に、制動時のインナロータ86とアウタロータ87の周方向の伸縮する変位を抑制できるので、所謂面内の鳴き即ち制動時の鳴きを低減することができる。また、図5及び図6に示された変形例のブレーキ装置1は、インナロータ86の摩擦面2aとアウタロータ87の摩擦面2bとのうちの一方のみに凹溝86a,87aが設けられている。このために、インナロータ86の回転方向Mに直交する方向のせん断剛性とアウタロータ87の回転方向Mに直交する方向のせん断剛性とが異なることとなって、制動時のインナロータ86の回転軸線L方向の振動の位相と、制動時のアウタロータ87の回転軸線L方向の振動の位相とが異なることとなる。このために、インナロータ86と摩擦パッド3との間の面圧変動と、及びアウタロータ87と摩擦パッド4との間の面圧変動とが相殺されない。よって、インナロータ86と摩擦パッド3との間に生じる摩擦力変動の位相と、アウタロータ87と摩擦パッド4との間に生じる摩擦力変動の位相とを互いに異ならせることができる。このために、ディスクロータ2と摩擦パッド3との間に生じる摩擦力変動と、ディスクロータ2と摩擦パッド4との間に生じる摩擦力変動とを打ち消すことが生じる。したがって、制動時に作用する荷重によるディスクロータ2に生じる面内(伸縮)振動を抑制でき、所謂面内の鳴き即ち制動時の鳴きを低減することができる。
実施形態及び変形例では、互いに隣り合う凹溝86a,87a間の間隔la,lbは、摩擦パッド3,4の幅Pよりも遥かに小さくしたが、本発明では、幅Pの1/2以下であれば、間隔la,lbを如何なる寸法にしても良い。
なお、上述した本発明に係るブレーキ装置1は、上述した実施形態及び変形例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
1 ディスクブレーキ装置
2 ディスクロータ
2a,2b 摩擦面
3,4 摩擦パッド
5 キャリパ
6 マウンティング
7 キャリパスライド機構
86 インナロータ
86a 凹溝
87 アウタロータ
87a 凹溝
2 ディスクロータ
2a,2b 摩擦面
3,4 摩擦パッド
5 キャリパ
6 マウンティング
7 キャリパスライド機構
86 インナロータ
86a 凹溝
87 アウタロータ
87a 凹溝
Claims (2)
- 車体に取り付けられたマウンティングと、
一対の摩擦パッドを設けたキャリパと、
前記キャリパを前記マウンティングにスライド移動自在に支持するキャリパスライド機構と、
前記キャリパが前記マウンティングにスライド移動されることで前記摩擦パッドが摺接する摩擦面に周方向に延在しかつ径方向に間隔をあけて複数の凹溝が形成されたディスクロータと、を備えたことを特徴とする、
ディスクブレーキ装置。 - 前記ディスクロータは、一方の摩擦パッドが摺接する摩擦面が設けられたインナロータと、前記インナロータに重ねられかつ他方の摩擦パッドが摺接する摩擦面が設けられたアウタロータとを備え、前記インナロータの摩擦面と前記アウタロータの摩擦面とのうちの一方のみに前記複数の凹溝が形成されたことを特徴とする、
請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
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2011
- 2011-12-19 JP JP2011277663A patent/JP2013127304A/ja active Pending
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