JP2011163520A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスクブレーキ装置にて、支持体とブレーキパッドの裏板間に介装される板バネの板厚を増大することなく、所謂、パッドの引き摺りを抑制すること。
【解決手段】支持体凹部と裏板の凸部間に介装される板バネ90が、前記凸部に固定される固定部91と、前記凹部に対してロータ軸方向に摺動可能に係合する係合部92と、この係合部92と前記固定部91を連結する連結部93を有している。連結部93は、その板厚方向をロータ径方向とし、かつ、その板幅方向をロータ軸方向とした平板形状に形成されていて、固定部側端部93aおよび係合部側端部93bを除いてロータ周方向にて直線状に延在している。前記固定部91における前記連結部93との連設部分にはロータ径方向に延びる一対の切込91cが形成されていて、これらの切込91c間にて前記連結部93の固定部側端部93aが屈曲形成されている。
【選択図】 図5
【解決手段】支持体凹部と裏板の凸部間に介装される板バネ90が、前記凸部に固定される固定部91と、前記凹部に対してロータ軸方向に摺動可能に係合する係合部92と、この係合部92と前記固定部91を連結する連結部93を有している。連結部93は、その板厚方向をロータ径方向とし、かつ、その板幅方向をロータ軸方向とした平板形状に形成されていて、固定部側端部93aおよび係合部側端部93bを除いてロータ周方向にて直線状に延在している。前記固定部91における前記連結部93との連設部分にはロータ径方向に延びる一対の切込91cが形成されていて、これらの切込91c間にて前記連結部93の固定部側端部93aが屈曲形成されている。
【選択図】 図5
Description
本発明は、ディスクブレーキ装置に係り、特に、車輪と一体的に回転可能なディスクロータと、車体に組付けられる支持体と、前記ディスクロータの一部を挟持可能に配置されて前記支持体に対してロータ軸方向およびロータ周方向にて移動可能に組付けられる一対のブレーキパッドと、これら各ブレーキパッドの裏板を前記ディスクロータに向けて押動する押動部材とを備えていて、前記各ブレーキパッドにおける前記裏板のロータ周方向端部には凸部が形成され、前記支持体には前記裏板の前記凸部をロータ軸方向およびロータ周方向に移動可能に収容する凹部が形成されており、前記凸部と前記凹部間には前記各ブレーキパッドをロータ周方向に付勢する板バネが介装されているディスクブレーキ装置に関する。
この種のディスクブレーキ装置は、例えば、下記特許文献1に記載されていて、制動時には、前記押動部材が前記各ブレーキパッドを前記ディスクロータに向けて押動することにより、前記各ブレーキパッドのライニングが前記ディスクロータの被制動面に摺動可能に圧接して、前記ディスクロータの回転が制動されるように構成されている。
上記した特許文献1に記載されているディスクブレーキ装置においては、前記板バネが、前記凸部に固定される固定部と、前記凹部(詳細には、凹部に配設したラトリング防止ばねの一部)に対してロータ軸方向に摺動可能に係合する係合部と、この係合部と前記固定部を連結する連結部を有していて、この連結部が、その板幅方向をロータ径方向とし、かつ、その板厚方向をロータ軸方向およびロータ周方向とした波板形状に形成されていて、ロータ周方向にてロータ軸方向に湾曲した状態で延在している。
また、ディスクブレーキ装置では、一般に、ディスクロータが、製造精度等に起因して回転時に各ブレーキパッドに対してロータ軸方向に振れることがあり、非制動時にディスクロータの振れ分だけ各ブレーキパッドがロータ軸方向に押し戻される状況が存在する。かかる状況において、各ブレーキパッドがディスクロータの振れ分だけロータ軸方向に押し戻されて、その位置で保持されておれば、所謂、パッドの引き摺りは小さなものとされる。
ところで、上記した特許文献1に記載されているディスクブレーキ装置のように、各ブレーキパッドにおける裏板のロータ周方向端部(凸部)と、これに対向する支持部材の一部(凹部)間に、板バネが介装されている場合には、上述したようにディスクロータが製造精度等に起因して回転時に各ブレーキパッドに対してロータ軸方向に振れると、各ブレーキパッドがディスクロータの振れ分だけロータ軸方向に押し戻される際に、板バネにおける係合部の凹部に対する摺動抵抗と、板バネにおける連結部のロータ軸方向でのばね剛性とによって決まる変形量だけ、板バネの連結部がロータ軸方向に撓み、そのロータ軸方向ストローク分だけ板バネの係合部が凹部に対して滑り不足となる。
したがって、この場合には、その後に、ディスクロータが各ブレーキパッドから離れる方向に振れると、板バネの連結部がロータ軸方向に弾性復帰して、各ブレーキパッドがディスクロータに近づく方向に移動される。このため、ディスクロータが各ブレーキパッドに近づく方向に振れるたびに、最大位相時には常にパッドの引き摺りが生じることとなり、種々な問題(燃費悪化、ブレーキ鳴き等)が発生する。
上記した特許文献1に記載されているディスクブレーキ装置においては、板バネの連結部が、その板幅方向をロータ径方向とし、かつ、その板厚方向をロータ軸方向およびロータ周方向とした波板形状に形成されていて、ロータ周方向にてロータ軸方向に湾曲した状態で延在しているため、板バネはロータ軸方向に弾性変形し易い形状であり、ロータ軸方向のばね剛性を高め難い形状である。このため、上記したロータ軸方向の滑り不足が生じ易くて、パッドの引き摺りが生じ易い。なお、上記した特許文献1に記載されている板バネでも、板厚を増大することによってロータ軸方向のばね剛性を高めることが可能であるが、この場合にはコストアップを強いられる。
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたもの(板バネの板厚を増大することなく、従来品に比して、板バネにおける連結部のロータ軸方向でのばね剛性を高めること)であり、上記したディスクブレーキ装置において、前記板バネが、前記凸部(または前記凹部)に固定される固定部と、前記凹部(または前記凸部)に対してロータ軸方向に摺動可能に係合する係合部と、この係合部と前記固定部を連結する連結部を有していて、この連結部が、その板厚方向をロータ径方向とし、かつ、その板幅方向をロータ軸方向とした平板形状に形成されていて、固定部側端部および係合部側端部を除いてロータ周方向にて直線状に延在していることに特徴がある。
本発明によるディスクブレーキ装置においては、板バネの連結部が、その板厚方向をロータ径方向とし、かつ、その板幅方向をロータ軸方向とした平板形状に形成されていて、固定部側端部および係合部側端部を除いてロータ周方向にて直線状に延在しているため、板バネの板厚を増大することなく、従来品(板バネの連結部が、その板幅方向をロータ径方向とし、かつ、その板厚方向をロータ軸方向およびロータ周方向とした波板形状に形成されていて、ロータ周方向にてロータ軸方向に湾曲した状態で延在しているもの)に比して、板バネにおける連結部のロータ軸方向でのばね剛性を高めることができて、ブレーキパッドのロータ軸方向変位に対する板バネにおける連結部のロータ軸方向での弾性変形量(撓み量)を減ずることが可能である。これにより、所期の効果を得ること(板バネの板厚を増大(コストアップ)することなく、上記したパッドの引き摺りを抑制すること)が可能である。
上記した本発明の実施に際して、前記固定部における前記連結部との連設部分にはロータ径方向に延びる一対の切込が形成されていて、これらの切込間にて前記連結部の固定部側端部が屈曲形成されていることも可能である。この場合には、上記した切込が無い場合に比して、前記固定部の前記凸部(または前記凹部)に対するロータ径方向寸法を大きく確保することが可能であるため、板バネのための限られた取付スペースにて、前記固定部での固定強度アップを図ることが可能である。なお、上記した切込が無いと、前記連結部の固定部側端部に形成される屈曲部分が前記固定部からロータ径方向に突出して、板バネのための限られた取付スペースでは、前記固定部の前記凸部(または前記凹部)に対するロータ径方向寸法を小さくする必要があって、前記固定部での固定強度アップを図ることができないものの、前記固定部の小型・軽量化を図ることが可能である。
また、上記した本発明の実施に際して、前記係合部には、前記ディスクロータに向けて所定量突出していて、前記ブレーキパッドにおけるライニングが摩耗限界まで摩耗したときに前記ディスクロータと接触する摩耗限界検出片部が一体に形成されていることも可能である。この場合には、ブレーキパッドにおけるライニングが摩耗限界まで摩耗したときに、板バネの係合部に設けた摩耗限界検出片部がディスクロータに接触して振動し、ライニングが摩耗限界まで摩耗したことを運転者に警報することが可能である。
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明を車両用の可動キャリパ型ディスクブレーキ装置に実施した実施形態を示していて、この実施形態のディスクブレーキ装置100は、車軸ハブ(図示省略の回転体)に組付けられて車輪(図示省略)と一体的に回転可能なディスクロータ10(図1の仮想線参照)と、車体(図示省略)に組付けられる支持体(マウンティング)20と、ディスクロータ10の外周部の一部分を跨ぐようにして配置されて支持体20に対してロータ軸方向に移動可能に組付けられた可動キャリパ30、この可動キャリパ30に組付けた単一のピストン40、インナー側ブレーキパッド50、アウター側ブレーキパッド60を備えている。
また、ディスクブレーキ装置100は、支持体20に組付けた一対のパッドサポート70,80を備えるとともに、ディスクロータ10の正回転時にロータ回入側(図1の左側)となる各ブレーキパッド50,60における裏板51,61のロータ周方向端部と支持体20(詳細にはパッドサポート70)間に介装されて各ブレーキパッド50,60をロータ回出側(図1の右側)に向けてロータ周方向に付勢する板バネ90を備えている。
ディスクロータ10は、インナー側ブレーキパッド50のライニング52とアウター側ブレーキパッド60のライニング62によって挟持可能な環状の被制動面11を有している。また、ディスクロータ10は、被制動面11が制動時にインナー側ブレーキパッド50のライニング52およびアウター側ブレーキパッド60のライニング62によって挟持されることにより、回転を制動されるようになっている。このディスクロータ10は、車輪の前進回転時には、車輪と一体的に図1の時計方向に回転(正回転)し、図1の左方側が回入側となり、図1の右方側が回出側となる。
支持体20は、図1および図2に示したように、ディスクロータ10の一部の外周を跨ぐようにして設けられていて、インナー側ブレーキパッド50を支持するインナー側支持部21と、アウター側ブレーキパッド60を支持するアウター側支持部22を一体的に備えている。また、支持体20は、車体への取付部23を一体的に備えていて、この取付部23には一対の取付孔23a、23bが設けられている。
可動キャリパ30は、図1および図2に示したように、ディスクロータ10の一部の外周を跨ぐようにして設けられていて、インナー側にシリンダ部31を備え、アウター側に押動アーム部32を備えるとともに、これらを連結する一対の連結部33,34を備えている。また、可動キャリパ30は、インナー側に一対の支持アーム部35,36を備えていて、各支持アーム部35,36にボルト37,38を用いて組付けたロータ軸方向に延びる連結ピン(図示省略)を介して、支持体20にロータ軸方向に移動可能に組付けられている。
ピストン40は、可動キャリパ30のシリンダ部31に周知のように環状のシール部材(図示省略)を介して液密的かつロータ軸方向に摺動可能に組付けられていて、インナー側ブレーキパッド50をディスクロータ10に向けて押動可能に配置されている。また、ピストン40は、ディスクロータ10の制動時に、シリンダ部31との間に形成される油室にブレーキマスタシリンダ(図示省略)から供給される作動油によって押動されて、インナー側ブレーキパッド50をディスクロータ10に向けてロータ軸方向に押圧可能である。なお、ピストン40がインナー側ブレーキパッド50をディスクロータ10に向けてロータ軸方向に押動・押圧するときには、その反力によって可動キャリパ30がロータ軸方向に移動して、可動キャリパ30の押動アーム部32がアウター側ブレーキパッド60をディスクロータ10に向けてロータ軸方向に押動・押圧する。
インナー側ブレーキパッド50は、裏板51と、この裏板51に固着したライニング52と、裏板51の背面に組付けたシムプレート(後述するアウター側のシムプレート63参照)を備えている。また、インナー側ブレーキパッド50は、ディスクロータ10とピストン40間に配置されていて、裏板51のロータ周方向端部に形成した凸部(後述するアウター側の裏板61の凸部61a、61b参照)にてパッドサポート70,80を介して支持体20のインナー側支持部21に形成した凹部(後述するアウター側支持部22の凹部22a、22b参照)にロータ軸方向およびロータ周方向に移動可能に組付けられている。
アウター側ブレーキパッド60は、裏板61と、この裏板61に固着したライニング62と、裏板61の背面に組付けたシムプレート63を備えている。また、アウター側ブレーキパッド60は、ディスクロータ10と可動キャリパ30の押動アーム部32間に配置されていて、裏板61のロータ周方向端部に形成した凸部61a、61bにてパッドサポート70,80を介して支持体20のアウター側支持部22に形成した凹部22a、22bにロータ軸方向およびロータ周方向に移動可能に組付けられている。
各パッドサポート70,80は、支持体20におけるインナー側支持部21およびアウター側支持部22に組付けられていて、インナー側支持部21およびアウター側支持部22の各凹部(22a、22b)に組み込まれるコ字状部分71,81と、このコ字状部分71,81のロータ径内方端から直線状に延びて各裏板51,61のロータ周方向端面とインナー側支持部21、アウター側支持部22の対向端面間に介在する内周平面部分72,82と、コ字状部分71,81のロータ径外方端から直線状に延びて各裏板51,61のロータ周方向端面とインナー側支持部21、アウター側支持部22の対向端面間に介在する外周平面部分73,83を有している。
これら各パッドサポート70,80では、支持体20におけるインナー側支持部21およびアウター側支持部22の各凹部(22a、22b)に組み込まれるコ字状部分71,81にて、各ブレーキパッド50,60における裏板51,61の各凸部(61a、61b)がロータ軸方向およびロータ周方向に移動可能に支持されるとともに、各凸部(61a、61b)のロータ径方向移動(図1の上下方向移動)が弾性的に規制されている。なお、各パッドサポート70,80は、所定板厚のバネ鋼板を素材とするものであり、同バネ鋼板から所定の形状に打ち抜かれた後に、成形形状に折り曲げられることで製作されている。
板バネ90は、アウター側ブレーキパッド60に組付けたものを例として図1〜図5に示したように、裏板61の凸部61aに弾性的に固定されるU字状の固定部91と、支持体20におけるアウター側支持部22の凹部22a(詳細には、凹部22aに組付けたパッドサポート70)に対してロータ軸方向に摺動可能に係合する係合部92と、この係合部92と前記固定部91を連結する連結部93を有している。なお、板バネ90は、所定板厚のバネ鋼板を素材とするものであり、同バネ鋼板から所定の形状に打ち抜かれた後に、成形形状に折り曲げられることで製作されている。
固定部91は、図4に示したように、その底面91aが裏板61の凸部61aに形成したコ字状の切欠61a1の底面に当接する状態にて、一対のアーム91bが裏板61を挟持するようにして組付けられていて、連結部93との連設部分には、図5に示したように、一対の切込91cが形成されている。一対の切込91cは、図1および図5から明らかなように、ロータ径方向に所定量延びていて、これらの切込91c間にて連結部93の固定部側端部93aが屈曲形成されている。
係合部92は、連結部93の係合部側端部93b(屈曲形成部)からロータ径方向に所要量延びていて、略中央には半球状突起92aが形成されている。半球状突起92aは、パッドサポート70に向けて突出形成されていて、図1の状態では、球状先端にてパッドサポート70に弾性的に係合している。連結部93は、図1〜図4に示したように、その板厚方向(図1、図3の上下方向)をロータ径方向とし、かつ、その板幅方向(図4の上下方向)をロータ軸方向とした平板形状に形成されていて、固定部側端部93aおよび係合部側端部93bを除いてロータ周方向にて直線状に延在している。
上記のように構成したこの実施形態においては、制動時に、インナー側ブレーキパッド50がピストン40によってディスクロータ10における被制動面11のインナー側に向けて押動・押圧されるとともに、アウター側ブレーキパッド60が可動キャリパ30の押動アーム部32によってディスクロータ10における被制動面11のアウトー側に向けて押動・押圧される。これにより、ディスクロータ10が両ブレーキパッド50,60のライニング52,62によって挟持されて、ディスクロータ10の回転が制動される。また、このときには、可動キャリパ30のシリンダ部31内とピストン40の外周間に介装した環状のシール部材(図示省略)がロータ軸方向にて所定量弾性変形するとともに、各板バネ90がロータ軸方向にて僅かに弾性変形する。
また、制動の解除時には、インナー側ブレーキパッド50およびアウター側ブレーキパッド60の上述したディスクロータ10への押動・押圧が解除されて、ディスクロータ10の回転制動が解除される。このときには、上述したシール部材(図示省略)の弾性復帰作用、各板バネ90の弾性復帰作用、ディスクロータ10の製造精度等に起因した回転時の各ブレーキパッド50,60に対するロータ軸方向の振れ作動等によって、インナー側ブレーキパッド50およびアウター側ブレーキパッド60がロータ軸方向に押し戻される。
ところで、上述したようにディスクロータ10が製造精度等に起因して回転時に各ブレーキパッド50,60に対してロータ軸方向に振れると、各ブレーキパッド50,60がディスクロータ10の振れ分だけロータ軸方向に押し戻される際に、各板バネ90における係合部92の凹部22a(詳細には、凹部22aに組付けたパッドサポート70)に対する摺動抵抗と、各板バネ90における連結部93のロータ軸方向でのばね剛性とによって決まる変形量だけ、各板バネ90の連結部93がロータ軸方向に撓み、そのロータ軸方向ストローク分だけ各板バネ90の係合部92が凹部22aに対して滑り不足となる。
したがって、この場合には、その後に、ディスクロータ10が各ブレーキパッド50,60から離れる方向に振れると、各板バネ90の連結部93がロータ軸方向に弾性復帰して、各ブレーキパッド50,60がディスクロータ10に近づく方向に移動される。このため、ディスクロータ10が各ブレーキパッド50,60に近づく方向に振れるたびに、最大位相時には常にパッドの引き摺りが生じることとなり、種々な問題(燃費悪化、ブレーキ鳴き等)が発生する。
しかし、この実施形態の各板バネ90では、各板バネ90の連結部93が、その板厚方向をロータ径方向とし、かつ、その板幅方向をロータ軸方向とした平板形状に形成されていて、固定部側端部93aおよび係合部側端部93bを除いてロータ周方向にて直線状に延在している。このため、各板バネ90の板厚を増大することなく、従来品(板バネの連結部が、その板幅方向をロータ径方向とし、かつ、その板厚方向をロータ軸方向およびロータ周方向とした波板形状に形成されていて、ロータ周方向にてロータ軸方向に湾曲した状態で延在しているもの)に比して、各板バネ90における連結部93のロータ軸方向でのばね剛性を高めることができて、各ブレーキパッド50,60のロータ軸方向変位に対する各板バネ90における連結部93のロータ軸方向での弾性変形量(撓み量)を減ずることが可能である。これにより、所期の効果を得ること(板バネ90の板厚を増大(コストアップ)することなく、上記したパッドの引き摺りを抑制すること)が可能である。
また、この実施形態においては、各板バネ90の固定部91における連結部93との連設部分に、ロータ径方向に延びる一対の切込91cが形成されていて、これらの切込91c間にて連結部93の固定部側端部93aが屈曲形成されている。このため、上記した切込91cが無い場合(図7に示した板バネ90における固定部91のロータ径方向寸法Lb参照)に比して、固定部91の凸部61a(裏板61)に対するロータ径方向寸法La(La>Lb)を大きく確保することが可能であるため、板バネ90のための限られた取付スペース(裏板61の凸部61aに形成したコ字状の切欠61a1)にて、固定部91での固定強度アップを図ることが可能である。
なお、上記した切込91cが板バネ90の連結部91に無いと、図7に示したように、連結部93の固定部側端部93aに形成される屈曲部分が固定部91からロータ径方向に突出して、板バネ90のための限られた取付スペースでは、固定部91の凸部61a(裏板61)に対するロータ径方向寸法Lbを小さくする必要があって、固定部91での固定強度アップを図ることができないものの、固定部91の小型・軽量化を図ることが可能である。
上記した実施形態においては、図1〜図5に示した板バネ90を採用して本発明を実施したが、図1〜図5に示した板バネ90に代えて、図6に示した板バネ90を採用して本発明を実施することも可能である。図6に示した板バネ90は、図5に示した板バネ90と同様に、裏板61の凸部61aに弾性的に固定されるU字状の固定部91と、支持体20におけるアウター側支持部22の凹部22a(詳細には、凹部22aに組付けたパッドサポート70)に対してロータ軸方向に摺動可能に係合する係合部92と、この係合部92と前記固定部91を連結する連結部93を有するとともに、摩耗限界検出片部94を有している。
摩耗限界検出片部94は、係合部92に一体に形成されていて、係合部92のディスクロータ側端面からディスクロータ10に向けて所定量突出しており、各ブレーキパッド50,60におけるライニング52,62が摩耗限界まで摩耗したときにディスクロータ10と接触するように設定されている。このため、この板バネ90を採用したディスクブレーキ装置では、各ブレーキパッド50,60におけるライニング52,62が摩耗限界まで摩耗したときに、板バネ90の係合部92に設けた摩耗限界検出片部94がディスクロータ10に接触して振動し、ライニング52,62が摩耗限界まで摩耗したことを運転者に警報することが可能である。
上記した図6の板バネ90では、図5に示した板バネ90の係合部92に摩耗限界検出片部94を一体に形成して実施したが、図8に示した板バネ90のように、図7に示した板バネ90の係合部92に摩耗限界検出片部94を一体に形成して実施することも可能である。
また、上記した各実施形態においては、板バネ90の固定部91がコ字状に形成されて裏板51,61に弾性的に固定されるように構成して実施したが、板バネの固定部がビス等の固定具を用いて裏板に固定されるように構成して実施することも可能である。また、上記した各実施形態においては、支持体20と各ブレーキパッド50,60の裏板51,61間に各パッドサポート70,80を介装して実施したが、各パッドサポート70,80を無くして本発明を実施することも可能である。
また、上記した各実施形態においては、板バネ90の固定部91が裏板61の凸部61aに固定されるととともに、板バネ90の係合部92が支持体20の凹部22aに対してロータ軸方向に摺動可能に係合するように構成して実施したが、板バネの固定部が支持体の凹部に固定されるととともに、板バネの係合部がブレーキパッドにおける裏板の凸部に対してロータ軸方向に摺動可能に係合するように構成して実施することも可能である。また、上記した各実施形態においては、本発明を車両用の可動キャリパ型ディスクブレーキ装置に実施したが、本発明は車両用の固定キャリパ型ディスクブレーキ装置にも同様に実施することが可能である。
100…ディスクブレーキ装置、10…ディスクロータ、11…被制動面、20…支持体(マウンティング)、22a…支持体の凹部、30…可動キャリパ、40…ピストン(押動部材)、50,60…ブレーキパッド、51,61…裏板、61a…裏板の凸部、52,62…ライニング、70,80…パッドサポート、90…板バネ、91…固定部、91c…切込、92…係合部、93…連結部、93a…連結部の固定部側端部、93b…連結部の係合部側端部、94…摩耗限界検出片部
Claims (3)
- 車輪と一体的に回転可能なディスクロータと、車体に組付けられる支持体と、前記ディスクロータの一部を挟持可能に配置されて前記支持体に対してロータ軸方向およびロータ周方向にて移動可能に組付けられる一対のブレーキパッドと、これら各ブレーキパッドの裏板を前記ディスクロータに向けて押動する押動部材とを備えていて、
前記各ブレーキパッドにおける前記裏板のロータ周方向端部には凸部が形成され、前記支持体には前記裏板の前記凸部をロータ軸方向およびロータ周方向に移動可能に収容する凹部が形成されており、前記凸部と前記凹部間には前記各ブレーキパッドをロータ周方向に付勢する板バネが介装されているディスクブレーキ装置において、
前記板バネが、前記凸部または前記凹部に固定される固定部と、前記凹部または前記凸部に対してロータ軸方向に摺動可能に係合する係合部と、この係合部と前記固定部を連結する連結部を有していて、この連結部が、その板厚方向をロータ径方向とし、かつ、その板幅方向をロータ軸方向とした平板形状に形成されていて、固定部側端部および係合部側端部を除いてロータ周方向にて直線状に延在していることを特徴とするディスクブレーキ装置。 - 請求項1に記載のディスクブレーキ装置において、前記固定部における前記連結部との連設部分にはロータ径方向に延びる一対の切込が形成されていて、これらの切込間にて前記連結部の固定部側端部が屈曲形成されていることを特徴とするディスクブレーキ装置。
- 請求項1または2に記載のディスクブレーキ装置において、前記係合部には、前記ディスクロータに向けて所定量突出していて、前記ブレーキパッドにおけるライニングが摩耗限界まで摩耗したときに前記ディスクロータと接触する摩耗限界検出片部が一体に形成されていることを特徴とするディスクブレーキ装置。
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