JP2004530853A - 運動変換器を装備した自動車用ディスクブレーキ - Google Patents

運動変換器を装備した自動車用ディスクブレーキ Download PDF

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Abstract

本発明は、アクチュエータ(42)と、ブレーキライニング(22)を支えるピストン(20)とを備え、アクチュエータの運動によりピストンを変位させるように設計された、車輌用ディスクブレーキにおいて、流体へ圧力を加えるとピストン(20)が変位するように設計された流体チャンバ(54)を備えているブレーキに関する。
アクチュエータ(42)は、ピストンをチャンバから隔絶するようなやり方でチャンバ(54)の境界を定めている。
【選択図】図2

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車ブレーキを内蔵した車輌用ディスクブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
入力軸の回転運動を板の滑動運動に変換して、ブレーキパッドの1つを支えているピストンを押す型式のディスクブレーキは既知である。板とピストンの間にはパッドの磨耗を補償するための調整器が挿入されている。調整器は、例えば、パッドの磨耗に応じて自動的にその長さを伸ばすことのできるネジ/ナットアッセンブリを形成する押圧ロッドを備えている。駐車ブレーキレバーハンドルによって軸を作動させると、ブレーキが機械的に働く。更に、ブレーキペダルを作動させ油圧回路を介してピストンに油圧を掛けると、ピストンが滑動してブレーキが掛かかるように、ピストンは、ブレーキキャリパと共に流体のチャンバを形成している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなブレーキでは、ブレーキ操作時に機械的力をピストンに伝達することのできる部品の殆どはチャンバ内の流体に浸っている。更に、油圧回路を介して制動が命令された場合、ピストンには圧力が掛けられて押し出され、それと共に機械的接続部のある特定の部品が駆動される。より具体的には、可動伝達手段(gear)の第1部品は磨耗補償押圧ロッドが伸張するまでピストンに追従し、ついで、押圧ロッドが圧力センサとなり、可動伝達手段全てが移動する。必然的に、流体エネルギーの一部は、可動部品の、実際の制動力には何ら寄与しない運動によって浪費される。
本発明の1つの目的は、制動動作時に、実際の制動力に寄与しない可動部品を無くし、ある種の部品がブレーキ液に接することを回避した、異なる型式のブレーキを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このために、アクチュエータと、ブレーキライニングを支えるピストンと、を備え、アクチュエータの運動によりピストンを変位させるようになっている車輌用ディスクブレーキにおいて、流体に圧力を加えるとピストンが変位するように設計されている流体のチャンバを備えており、アクチュエータがピストンをチャンバから隔絶するようなやり方でチャンバの境界を定めているディスクブレーキを提供する。
換言すれば、ディスクプレーキは、ピストンと、ピストンを作動させる機械的第1手段の一部を形成し且つピストンを作動させる油圧的第2手段の一部も形成するアクチュエータと、を備え、更に、流体に圧力を加えるとピストンが変位するように設計されている流体のチャンバを備えており、アクチュエータがピストンをチャンバから隔絶するようなやり方でチャンバの境界を定めていることを特徴とするディスクブレーキである。
【0005】
このように、上流の油圧チャンバと、ピストンに隣接する下流の乾式チャンバが区画されている。乾式チャンバでは、部品類は、油圧作動時に流体の作用を受けることはなく、流体に浸ってもいない。加えて、このような構造のために、実際に制動力を伝える可動部品の数は、それが油圧作動の場合であれ機械作動の場合であれ、多くできる。
更に言えば、本発明は、油圧チャンバをディスクから離すことによりブレーキの安全性を改善する。何が起こるかといえば、このディスク上のライニングの摩擦によって大量の熱が発生する。ここで、従来技術のように油圧チャンバがディスクに近接している場合、この熱が流体を形成しているオイルを加熱してオイル中に蒸気を発生させてしまうという危険がある(オイルは、一般的に微量の水分のを含んでいる)。そして、これによりオイルの沸点が下がり、制動効率に深刻な悪影響を及ぼすことになる。ピストンを油圧チャンバから遠ざけることは、従ってこの危険性を大幅に減じることになる。
【0006】
本発明は、更に、以下の特徴の少なくとも何れか1つも備えており、その特徴とは、
−ブレーキは、入力軸と、軸の回転運動をアクチュエータの滑動運動に変換するための運動変換器と、を備えている、
−ブレーキは、入力軸と、軸の回転運動をアクチュエータの滑動運動に変換するための運動変換器と、で構成された第1の機械的手段を備えている、
−アクチュエータは、推力板と、反力板を備えた運動変換器と、推力板と反力板の間に挿入されたボールと、を備えており、運動変換器はボールが収容される溝を有している、
−運動変換器は、入力軸に固定され且つ推力板と反力板の間に挿入されている滑動板を備えており、反力板と滑動板の間にボールが置かれている、
−運動変換器は、滑動板と推力板に接触している滑動ライニングを備えている、
−推力板は、滑動板を収容するハウジングを形成している、
−反力板は、ブレーキキャリパに剛直に固定され、中を入力軸が貫通している、
−ブレーキは、キャリパと、キャリパに対してピストンを戻すための部材と、を備えている、
−戻し部材は、弾性材料の円環体要素を備えている、
−ブレーキは、単数又は複数のブレーキライニングの磨耗を補償する調整器を備えている、
−調整器はアクチュエータとピストンの間に挿入されている、
−調整器は楔効果を与えることができる、
−調整器は、アクチュエータが第1方向に滑動している間はピストンがアクチュエータに対して動かないように、且つアクチュエータが第2方向に滑動している間はピストンがアクチュエータに対して動けるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のこの他の特徴及び利点は、好適な実施形態並びに幾つかの代替形態についての以下の説明から更に明らかとなるであろうが、これらは、本発明に何ら限定を加えるものではない。
【0008】
本発明によるブレーキの好適な実施形態を、図1に詳細に、そして図2により詳細に示す。ブレーキ2は、本体6、本体に向かい合って延びるノーズ部8、及びノーズ部を本体に接続するアーチ部10で、周知の様に構成されたキャリパ4を備えている。ノーズ部、アーチ部、及び本体は、全体的形状がU字型のキャリパの半分を形成し、ノーズ部と本体の間にアーチ部に面して空間12が残される。この実施形態では、車輌ディスクブレーキは、内蔵式駐車ブレーキを有しているので、一方ではブレーキペダルを用いた車輌油圧回路により、他方では駐車ブレーキレバーハンドルにより機械的に、作動させることができる。
本体6は、中心軸16を有する全体的に筒状の内部凹部14を有している。筒状凹部14は、ノーズ8に面して、空間12内に開口した軸方向遠位端を有している。
【0009】
ブレーキは、筒状凹部14内に収容され、その中を中心軸16に沿って滑動可能な全体的に円筒形状のピストン20を備えている。ピストン20は、中心軸に対して垂直な基本的に平坦な形状のブレーキライニング、この事例ではパッド22、を支える軸方向遠位端を有している。ノーズ8は、ライニング22に平行に且つそれに面して伸びる、ライニング22と同様の別のライニング24を支えている。周知のように、これら2つのパッドは、その間にある(図示しない)1つの同じディスクの2つの面それぞれに押し付けて、ディスクに作用するパッドの摩擦によりディスクを制動しようとするものである。
ブレーキ2は、中心軸16を有する、周知の型式の入力軸26を備えており、入力軸16は、図示しない方法で車輌の駐車ブレーキレバーハンドルに接続され、このレバーハンドルを操作すると中心軸16を中心に回転するようになっている。
【0010】
ブレーキは、入力軸26の回転運動を滑動運動に変換することのできる運動変換器32と、一方では、この滑動運動をピストンに伝達することのできる、磨耗を補償する接続手段70を備えている。制動時に運動学的順序で力が伝達される方向に関し、運動変換器は、磨耗補償接続手段の上流側にある。接続手段70を考察する前に、先ず最初に運動変換器32について説明する。
入力軸26は、従来型の転がり軸受け手段28が挿入されたキャリパの本体6の軸受内に収容されており、軸受の上流には従来型のシール30が設けられている。運動変換器32は、板34を備えているが、明快さを期し、ここでは滑動板という用語を使用する。この板34は、中心軸16を有する平担な円形状であり、その面の内の1つの面により軸26の遠位端に固定されている。運動変換器は、更に、板34と形状が似ている別の板36備えており、ここでは反力板と呼ぶことにする。板36は、滑動板34と同軸である。板36は、軸26が貫通する中央開口38を有している。反力板36は、円筒形ハウジング14の軸方向基端部で本体6に剛直に固定されている。
【0011】
従って、滑動板34と反力板36は、互いに向かい合い且つ互いに対して平行な面を有している。上記2つの板それぞれは、上記面内に溝37を有しており、各溝は、全体的形状が中心軸16を中心とする円弧状になっている。更に、各溝は、深さが溝に沿って変化している。溝は向かい合う溝部同士が対となるように配置されている。運動変換器32は、各溝の対の中に収容され、即ち2つの板の間に挿入されているボール40を備えている。例えば、3個のボールと3対の溝がある。ボールを備えた2つの板は、BIR(ボール・イン・ランプ:傾斜路内ボール)型の装置を形成する周知の様式で構成されている。例えば、EP−0633987号に記載されているようなこの型式の装置を使えば、ここに説明する代表的な実施形態の場合、軸26を中心軸回りに回転させると、この軸を中心軸16に沿ってピストン20の方向に並進移動させ、軸を螺旋に近い経路に追従させるようにすることができる。先行技術によるBIR型の運動変換器内の2つの板の配置は、一般に、一方の板の純粋な回転運動を他方の板の純粋な滑動運動に変換する目的を有している。現下の代表的実施形態における板の配置では、特に反力板36をキャリパに剛直に固定しているので、運動は今回の場合は違ったように変換される。しかしながら、溝の配置とボールの配置は、既知の装置に比べて基本的に違うわけではない。
【0012】
運動変換器は、更に、滑動板34と形状がよく似ており、滑動板34と平行に且つそれと面して走っている、中心軸16を有する板を備えたアクチュエータ42を備えている。アクチュエータ42は、更に、板42の縁から円筒形凹部の基端部、つまり軸26に向って伸びる円周壁44を備えている。壁44と板42は、従って、アクチュエータと同軸になるように、滑動板34を受け入れる開放ハウジングを形成している。運動変換器32は、滑動板34とアクチュエータ42の板の間に挿入され、自身の面を介してそれらに直接面接触している滑動ライニング46を備えている。
【0013】
アクチュエータ42は、壁44を円筒形凹部の壁に当てることにより、中心軸16に沿って凹部14内で本体6に対して滑動移動できるように取り付けられている。滑動板34に対してアクチュエータ42をこのように配置しているので、滑動板34の螺旋運動により、アクチュエータ42は、ピストンの方向に中心軸16と平行に純粋に滑動移動するよう駆動される。アクチュエータが中心軸周りに回転するのを避けるために、スクリュー又は類似の要素をアクチュエータから中心軸16と平行な本体6の溝内に突出させることにより、又は逆に本体6からアクチュエータの溝内に突出させることにより、この回転が妨げられるように設備を設けてもよい。その場合には、入力軸26の螺旋運動により、アクチュエータ42は中心軸16に沿って滑動する。
【0014】
本体6には、凹部14の円筒壁の、アクチュエータの壁44に面した部分に溝50が設けられ、溝50にはシール52が装着されていて、ブレーキ流体、本例の場合は液体を、壁44と本体6の間で密封している。このような密封は、入力軸26と接触しているシール30も行っている。このような部品配置にしているので、特に2つのシール30と52を配置していることにより、ブレーキ2は、下流側つまりピストンの方向に、アクチュエータ42の板により境界を定められ加圧ブレーキ流体で満たされたチャンバ54を有することになる。このチャンバ54は、シール30まで伸張する本体6の基端部分によっても境界を定められている。ブレーキ流体に浸る要素は、従って、軸受28、反力板36、ボール40、滑動板34、ライニング46、及びアクチュエータ42の面及び小面(facet)の一部である。従って、ピストン20は、完全にこのチャンバ54の外側にあり、チャンバ54から離れている。本例のブレーキは、「乾式チャンバ」と称する第2のチャンバ56を備えており、第2チャンバ56は、基本的に大気圧の空気で満たされ、中にはピストン20が入っている。このチャンバは、アクチュエータ42の遠位面により、軸26と同じ側の境界が定められている。
【0015】
流体チャンバ54にはブレーキ流体が供給され、図示しないが従来型のダクトとポートにより、それ自身既知の方法でマスターシリンダから圧力が掛けられる。チャンバ54と56をこのように構成することにより、車輌運転者のブレーキペダルの操作によりチャンバ54内の圧力が上昇し、その結果、アクチュエータ42をその基端面からピストンの方向に押すことになる。押されると、アクチュエータ42は中心軸16に沿って滑動する。上記運動の間、軸26、滑動板34、及びボール40、そして無論反力板36は、静止状態に留まる。
【0016】
乾式チャンバ56には、凹部14の円筒面に、ワッシャ60を収容する溝が形成されており、ワッシャ60は、中心軸16に関し半径方向突起として凹部14内へと伸張し、戻しばね用の支持面として働き、戻しばねの反対側はドライチャンバ内へ伸びるアクチュエータ42の遠位面に押し付けられている。このばね62は、油圧制動命令が止むと、アクチュエータ42を軸26に向って戻す戻し手段を構成している。
これより、アクチュエータ42とピストン20の間に挿入され、アクチュエータからピストンへと運動を伝達する接続及び磨耗補償用手段70について説明する。
【0017】
調整器70は、中心軸16を有し、この中心軸に沿って伸び、基端部がアクチュエータ42に剛直に固定されている雄型支持部品72を備えている。支持部品は、本例では、円錐台形状を有する外周面74を有し、円錐の断面はパッドに向って小さくなっている。
ピストン20は、ショルダ部76が形成された基端部を有している。調整器70は、ショルダ部76に収容された雌型支持部品78を備えている。具体的には、中心軸16に垂直な平坦形状の雌型部品78の遠位面は、ショルダ部の対応する面に押し付けられている。雌型部品78も、基本的に円筒状の外周面を有している。最後に、雌型部品78は、本例では円錐台形である内面80を有し、円錐の断面はパッドに向って同じく小さくなっている。中心軸16を有する雌型部品78は、軸方向両端が開いている。
【0018】
調整器70は楔82を有しているが、楔は少なくとも2つ、本例では4つである。楔82は、互いに同じものである。図2、11、及び12に示すように、各楔82は、それぞれ円錐の4分の1の形状をした外面84と内面86の、2つの面を有している。つまり、各面は、円錐表面により画定されているが、この表面は、円錐の中心軸回りに完全に広がることなく断絶されている。2つの面84と86は、それぞれの中心軸として軸16を有している。各楔82は、中心軸16に対して半径方向の面内を伸びる平坦な形状の2つの側方平坦面88を有している。各楔82は、更に、中心軸16に対し直角に伸びる2つの端部面である遠位面と基端面90とを有している。4つの面88、90、及び92は、それぞれ、2つの面84と86を相互に接合している。
【0019】
雄型支持部品72は、それと同軸の雌型支持部品78の開口内に伸びている。楔82は、この2つの雄型と雌型支持部品の間の半径方向に挿入されており、雄型部品の外周に亘って配置され、楔の側方面88は互いに向かい合っている。
雄型部品72は、中心軸16に沿う長さが、雌型部品78の長さよりも、且つ楔82の長さよりもずっと長い。雄型部品の長さは、ここでは楔の長さの約4倍である。一般的には、雄型部品の長さは、楔の長さの2倍から8倍の間であればよい。
【0020】
楔は、それぞれ、雌型部品の面80と雄型部品の面74に対し、同時に押し付けられるようになっている。下の説明より明らかなように、楔は、パッドの磨耗程度次第で、雄型部品をアクチュエータ42の近く、又は雄型部品の遠位自由端近くで支える。
このような形状の場合、雄型部品の半径は遠位端に向って小さくなる。この具体例では、楔の内面86は、半径が、雄型部品72の面74の、その面沿いの中間部分の半径と概ね同じになるように選定されている。これにより、楔82が雄型部品の中央部を支える際には、面74と面86との接触はほぼ面接触となる。対照的に、楔82がアクチュエータ42に最も接近した面74の半分を被うように雄型部品を支える際には、接触は基本的には、側方面88が内面86と出会うことにより形成される楔82の2つの辺に沿うものとなる。一方、楔の内面86の半径が雄型部品の最大半径に等しくなっている場合、他の楔位置では全て、面86の中間面に沿った線接触が起きる。
【0021】
同じ理由で、各楔の外面84は、楔が雌型部品の中央部に面して配置されたときにこの面84と雌型部品の内面80との接触が全体的に面接触となるような形状となっている。従って、楔が雌型部品の遠位部に向って徐々に移動すると、接触は、面88が面84に出会うことにより形成される両縁部に沿う線形接触へと徐々に変化するが、これもまた雌型部品の接触面の半径が小さくなっていることによる。
代わりに、楔の内面86が、雄型部品72の面74の最小半径と大体同じ半径の面となるように選択することもできる。
【0022】
調整器70は、雌型部品78の外側円筒面とショルダ76のそれに面する面との間に挿入さている外周円筒壁93を有するケージ91を備えている。この壁93は、折り曲げ部によりその遠位縁部で半径方向に連続している。ケージ91は、更に、壁93の基端縁部から半径方向に伸びる、中心軸16に対して垂直な、基本的に平坦な基端壁94を有している。
調整器70は、一方で基端方向では壁94の面上に当接し、他方で遠位方向では楔82の基端面に当接するばねを備えている。従って、楔82は、遠位方向つまりパッドに向けて、中心軸16に沿って常時押されている。
【0023】
ピストン20の中心には、円筒形の穴100が設けられ、その軸方向基端部は開いていて雄型部品72が穴100を貫通できるようになっており、軸方向遠位端はパッド22により閉じられている。ブレーキは、この穴に収容されたロック解除部品102を備えている。この部品は、円筒壁104と、中心軸16に垂直で壁104の遠位縁まで伸びている平坦な遠位壁106を備えている。ロック解除部品は、その自由な軸方向基端部部縁が楔82の遠位端と接触してそれを支えることができ、雄型部品72が部分的にロック解除部品内に収容されるような大きさになっている。ロック解除部品は、楔を中心軸16に沿って軸26の方向に押すことができる。ロック解除部品がこの目的に沿って作動できるようにするため、ロック解除部品の外側からピストン内に半径方向に開口する穴をその遠位端近くに設けてもよい。
【0024】
ロック解除部品102には、その円筒壁104上に、中心軸16に対しこの壁から半径方向外向きに突起部として伸張し、ピストンの中央円筒形穴を形成している内部壁に接するリップ部105が設けられている。このように、ロック解除部品は、チャンバ54と外部雰囲気との間に、特に埃に対する、ある程度の密封性を形成している。
【0025】
ブレーキは、本体6の溝に挿入された、断面が四角形の環状シール110を備えており、ピストンの円筒形外面を支持している。この溝の基端側は、中心軸16に対して垂直であるが、遠位側は曲面になっていて、ピストンが移動するとその影響でシールがパッド方向に変形できるようになっている。このシールは、チャンバ54の液体には接していないので、この液体に対する密封機能は何ら果たさず、その主な機能は、後に明らかになるように、ピストンをキャリパに対して弾性的に戻すことである。しかしながら、ドライチャンバ56と外気に関する密封機能も有している。
ブレーキは、更に、一方の縁部がキャリパのショルダ部に装着され他方の縁部がピストンの溝に収容されている、ピストンの位置に関わりなくチャンバ56を埃や汚れから隔離するためのダストブーツ112を備えている。
【0026】
このブレーキが作動する方法及びこのブレーキの特性についてこれより説明する。
図3及び図4は、制動時の力の伝達を示している。
図3は、制動動作が駐車ブレーキレバーハンドルにより命令された場合について示している。このレバーハンドルにより軸26に作り出される回転動作は、運動変換器32によりこの軸の螺旋運動へと変換され、軸自身は、アクチュエータ42を、パッドに向け中心軸16に沿って滑動させる。楔82が、雄型部品と雌型部品の両方に対して押し付けられ、それらの接触面は傾斜しているので、この力は、雄型部品72から楔82に伝達され、次いで雌型部品78に伝達され、最終的にはピストン20とそれに固定されたパッド22に伝えられる。
【0027】
図4は、制動がブレーキペダルを介して車輌の油圧回路により命令された場合を示している。この状況では、チャンバ54内の液体の圧力増加によって、アクチュエータ42がパッドに向けて滑動し、これにより、図3と同じようにして、力が、アクチュエータ42から、雄型部品、楔、雌型部品、ピストン、を通してパッド22へ伝達される。
アクチュエータ、雄型部品、楔、雌型部品、及びピストンの、キャリパに対する第1方向107のこの運動は、上記部品の互いに対する相対運動を何ら引き起こすことなく行われる。更に、このとき、上記部品間には遊びがなく、各部品は互いに対しては動かない状態で、キャリパに対して一体となって移動する。
【0028】
図8は非作動状態のブレーキを表し、図9は、図3と同じ状況、つまり機械的制動命令を受け、アクチュエータ42とパッド22の間に設けられた部品全てがキャリパに対して滑動しているブレーキの状態を示している。この運動の間、ピストンのキャリパに対する運動により、シール110が変形する。制動時、パッド22、24がディスク上に擦り付けられることにより僅かな磨耗が生じる。シール110は、制動行程の間に、ピストンが、シールを変形させるだけでなく、この制動動作時のパッド厚さの減少分の合計に相当する長さだけ、シールに対してディスク方向に僅かに滑動するように作られている。図9の符合120、122は、ピストンのシールに対する移動を、図8の整列状態に対比させて示している。
【0029】
制動命令が中断されると、ばね62は、アクチュエータ42、入力軸、及び雄型部品72を、ディスクから離れる方向に戻す。ピストン20は、その分、一方ではパッドと接触しているディスク上に生じる反力効果により、他方では元の状態に戻ろうとするシール110により作り出される弾性戻り効果により、同じ方向に戻る。しかしながら、ピストンとこのシールの間に生じた滑動のせいで、ピストンの到達位置は、その始動位置から少しずれた位置となり、ピストンは、ノーズ部8に僅かに接近した位置にくる。こうなると、雄型部品72と雌型部品78の間の位置に差が生じる。こうして生れた遊びは、楔82によって直ちに埋められ、即ち、楔82は、ばね96の影響下で、雄型部品と雌型部品にを同時に支持できるように再度自らの配置をやり直す。図10は、その状態を示しており、ピストンが、図8で最初は一致していた符合120、122で示されている始動位置から、僅かにずれた非作動時位置にきている。楔はこれら2つの符合の間の中間位置を占めている。
【0030】
従って、ブレーキは、アクチュエータとパッド22の間にある各部品の間に滑動遊びのない状態に配置し直されたことになる。この結果、次の制動動作時、これら各部品は、上記のようにキャリパ4に対して再度一体となって移動することにより、力を伝達することができるようになる。
以上の作用から、図5から7に示すようにパッド22と24が磨耗するにつれて、楔82は、キャリパのノーズ部に向けて徐々に動かされることになる。より具体的には、楔82は雄型部品72に沿って移動し、そしてより狭い範囲で、楔は雌型部品78に沿って移動するが、本実施形態の部品配置の場合は、雌型部品の移動はより緩慢なものである。従って、装置70は、パッド磨耗を補償する機能を発揮していることが明らかである。
【0031】
更に、シール110は、パッドがどれほど磨耗したかに関わらず、ピストンを一定の量だけ戻すので、調整器70が行う摩擦補償に関わらずピストンの作動移動距離が維持される。
調整器70は、保守作業時のブレーキの手動作業を期待して、楔効果によって、ピストンがキャリパに対して軸26に向けて手動で戻されるのを防ぐことができるようになっている。この状態でブレーキに関する作業が実行できるようにするために、ロック解除部品102を操作して、楔の遠位端に押し当て、楔を軸26に向けて押し戻せるようになっている。この様に押し返すのは、ばね96の作用に抗して楔効果と反対の方向に行うわけで、これによって楔を後退させ、ピストンを手で移動させることができるようになる。
【0032】
図13から図18は、楔と、雄型及び雌型部品の他の実施形態を示している。これら実施形態の説明において、第1の実施形態の要素と同様の要素は、符合を100、200、又は300だけ大きくして示している。
図13及び14の実施形態では、楔182は、パッドの形をしており、その全面が平坦で、その接触面184と186は、平坦で、互いに対して傾斜しており、楔効果を作り出せるようになっている。楔182と雄型部品172及び雌型部品178の間の接触は、ここでは、常に、パッドの磨耗程度に関わらず面接触である。楔の側方面188は、平坦で中心軸16に対し直角に向いている。前面と後面も平坦で中心軸16に垂直である。
【0033】
雄型部品172は、この場合、中心軸16の互いに反対側を伸びている2つの平坦面174を有している。これら2つの面は、雄型部品172の高さがここでも中心軸16に向って低くなるように、中心軸16に対し及び互いに対し、キャリパのノーズ部に向かって僅かに傾斜している。雄型部品は、更に、2つの平坦で相互に平行な側方面175を有しており、4つの面174と175によって雄型部品は長方形断面となっている。
ここで、雌型部品170は、それぞれ面174に面して伸びる2つの別個の要素に分割されている。各要素170は、面174と同じ方向に中心軸16に対して傾斜した平面180を有しているが、この面の傾斜は面174より急である。各楔の2つの面184、186の傾斜は、接することになる各面の傾斜と厳密に一致している。本例では、楔は2つであり、雄型部品の側方面175は利用していない。しかしながら、面175も傾斜面として、別の楔及び雌型部品を配備し、この面でも楔効果が生じるようにしてもよい。磨耗調整器170の作用は、図2に関して説明した装置70の調整器と同じである。
【0034】
図15と図16は、別の実施形態の調整器270を示している。雄型部品272と雌型部品270は、図13及び図14の実施形態と同じように構成されている。楔282は、ここでは、円筒形ローラーにより形成されている。ローラーと雄型及び雌型部品との間の接触は、常に、中心軸16に対して直角に向いた線状接触である。上記2つの実施形態では、楔の雄型部品及び雌型部品に対する運動は純粋な滑動運動であったが、本実施形態のローラーの運動は、滑動成分に加えて回転成分も含んでいる。この他の調整器の作用の態様は、先の実施形態の態様と同じである。ここでも、楔182は2つであるが、楔の個数はもっと多くてもよい。ばね96が容易に楔を支持できるようにするため、一体型の中間部品が設けられている。
【0035】
調整器の別の実施形態を、図17及び図18に示している。雄型部品372と雌型部品370は、この場合、全体形状が第1実施形態の場合と同じ円錐台形状である。ここでは、6つの楔382は、常時確実に雄型部品及び雌型部品それぞれと点接触することのできるボールの形態を採っている。ボールがパッド磨耗の関数として移動する際の、中心軸16回りのボールの正しい位置を維持するために、溝373を雄型部品372の外面に設け、各溝を雄型部品に沿ってその一方の端から他方の端へ走らせ、それぞれにボールを1つ収容するようにしてもよい。各部品が移動すると、ボールは溝に沿って移動する。雌型部品370に同様の溝を形成してもよいし、この雄型部品にだけ形成してもよい。ボールが溝に入っている場合、ボールと対応する部品との接触は円弧状となる。具体的には、溝が雄型部品の遠位端に向って集束するように、ボールを収容している溝が、雄型部品に沿って一定の半径と一定深さを有するように条件を設けてもよい。調整器の作動方法は、この場合も、先の実施形態の調整器と同じである。
【0036】
上記のものの他にも、調整器の実施形態は多数考えられる。具体的には、楔の形状や、雄型部品及び雌型部品の形状は自由に変更できる。更に、楔の個数は、2つ以上の楔があれば、任意に選定できる。
ディスクブレーキでは、制動動作の後、そしてこの動作が中断されても、2つのパッド22と24がディスクと接触したままであることもある。その場合、ピストンはその移動距離の端に留まったままとなる。ある従来型のブレーキでは、ディスクの不可避的な平坦性欠陥に鑑み、ピストンを僅かな移動距離だけ自発的に押して解放する。
【0037】
本発明によるブレーキでは、アクチュエータ42は、ばね62があるために反力板36に向って戻されることになる。通常はこれに続いて、楔82がキャリパのノーズ部に向けて移動し、雄型部品と雌型部品の間に半径方向に広がる空間を全て満たすことになる。この状況は、楔による楔効果が生じるので、ディスクと接触したピストンを非可逆的に阻止することになる。楔は、従って、通常発生する解放を見込んで、ディスクが、短い移動距離に亘ってピストンを自然に押し戻すことを妨げる。これは、常時制動につながり、過度の燃料消費の原因となり、更には、ライニングの焼け焦げの危険が高まる原因となりかねない。
【0038】
図19に示す代替形態は、この問題の解決を目指している。この代替形態では、雄型部品472は2つの部品で構成されている。雄型部品472は、アクチュエータ42に剛直に固定された円筒形の軸472aと、雄型部品と同軸のスライダ472bを備えている。スライダは、円筒形の内側面を有しており、軸472aの上を滑動移動できるようになっている。スライダの外側は、先の実施形態のものと同じ円錐台形状の接触面74となっている。軸472aには、自由遠位端近くに、止め輪479のようなスライダ停止装置を収容する溝がある。止め輪とアクチュエータの間の距離は、スライダの長さよりも長く、従って、これは、スライダが、一方ではアクチュエータと当接し、他方では止め輪に当接することによる、短い滑動移動距離を限定している。スライダ472aは、アクチュエータ42に対して、アクチュエータのキャリパ6に対する基準移動距離よりも短い距離だけ、滑動移動することができるので、アクチュエータは、下で分かるように、一旦前進してしまうと、後ろ向きの基準移動距離の間はスライダを駆動することができる。
【0039】
通常の動作では、このブレーキは先の実施形態のものと全く同様に作動し、軸のこの2つの部分は互いに対して動かない状態に留まっている。
対照的に、ピストン20が前進位置に留まりパッド22がディスクを擦っている状態でアクチュエータと軸472aが後退を始める場合、スライダ472aも前進位置に留まりピストンに対して動かない状態にある。しかしながら、軸方向の隙間がアクチュエータ42とスライダ472aの基端部との間に生じ、この隙間は、ディスクがピストンを後退させるのに十分な大きさであるので、パッドがディスクから離れ、制動作用がなくなる。残りの隙間部分は楔の前進により埋められる。上記各種実施形態では、パッド磨耗調整器は、ピストンの基準移動距離を減少させることなく作動することが分かる。この補償装置は、実際に、軸方向版自由車輪のように挙動する、つまり、可動歯車が軸26に向って滑動するときには可動歯車の部品類の相対移動を許容するが、可動歯車が逆の移動方向に移動するときには相対移動を妨げるということである。これには、圧力釜(原文のママ)システムを構成するという利点もあり、つまり、車輌の振動を受ける状態でも、部品類の移動が防止されるということである。中心軸16の回りに楔を相互に対して正確に位置決めするための手段は必ずしも必須というわけではない。これは、装置の特性により、それらは互いに接触すると、自然的に互いに離れ合うように移動するからである。しかしながら、このような位置決め手段を設けることも考えられる。
【0040】
ピストンを弾性的に戻すシール110は、先行技術によるブレーキの場合は、更に、加圧液体チャンバを雰囲気から隔絶することにより密封状態を形成しているシールと、本質的には同一である。このシールは、加圧液体チャンバとは隣接していないとはいえ、その構造に維持されている。当業者にとっては、このシールを、ピストンの移動距離が所定の閾値に達するとピストンが滑動するように作ることは容易である。
雄型部品、並びに恐らく雌型部品は、鍛造又は旋削により製造することもできる。しかしながら、好適な製造方法はローリング(rolling)である。パッドは、金属から焼結により、又はプラスチックではモールド成形により製造することができる。材料の選択に当たっては、雄型部品及び雌型部品の変形及び摩耗に比べると、楔の変形や磨耗の方が好ましいことを考慮するべきである。ピストンは、ベークライト又は鋼で作ることができる。
【0041】
更に、お分かりのように、油圧的であろうと機械的であろうと、どのような制動モードが選択されても、どの部品も、応力を伝達する役割を果たすことなく動くわけではない。更に、アクチュエータ42の下流、及びアクチュエータから先の部分は、選択された制動モードとは関係なく動くのは同じ部品類である。
更に、加圧液体チャンバは、アクチュエータ42の上流に広がり、アクチュエータ42により境界を定められているので、このチャンバに浸っているブレーキ部品の数は少ない。下流に向ってアクチュエータに続く部品類、即ち雄型部品と雌型部品、楔とピストンは、ブレーキ液に接触することなくドライチャンバ56内へと伸びている。
【0042】
その上、ピストン及びパッドから或る距離だけ離れて延在している液体チャンバは、パッドとディスクの接触により発生する熱から一層保護されることになり、これに対し、液体チャンバに連続してピストンを設けると、このチャンバが加熱され、ブレーキ液中に蒸気が発生し、それによって沸点が下がることにつながりかねないのである。
アクチュエータ42により分離された2つのチャンバには、説明した楔効果調整器以外に、パッド磨耗調整器を設けてもよい。具体的には、ねじ/ナット式組立体により形成されたプッシュロッドを備えた調整器であってもよいし、又は代わりにトグルレバー調整器であってもよいが、両方とも先行技術でよく知られているものである。理論的には有利といえないが、パッド磨耗調整器を設けないチャンバ構成を採用することも考えられる。
【0043】
雄型部品及び雌型部品は、それぞれ、単数又は複数の部品であってもよい。
シール30は、断面が矩形でもよい。一般的に、シールはそれぞれ形状が異なっていてもよい(Oリング、矩形断面など)。
シール110の戻し機能は、シール以外の弾性リングにより実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の好適な実施形態によるブレーキの軸方向断面図である。
【図2】図1のブレーキの軸方向断面の部分概略図である。
【図3】ブレーキを機械的に作動させた場合の力の伝達を示す、図2と同様の図であり、上半分の図では静止時のブレーキを、下半分の図では力の伝達をそれぞれ示している。
【図4】ブレーキを油圧的に作動させた場合の力の伝達を示す、図2と同様の図であり、上半分の図では静止時のブレーキを、下半分の図では力の伝達をそれぞれ示している。
【図5】パッドの磨耗程度に基づく、非作動時のブレーキの状態を示した、図2と同様の軸方向半断面図であり、パッドが新しい状態を示している。
【図6】パッドの磨耗程度に基づく、非作動時のブレーキの状態を示した、図2と同様の軸方向半断面図であり、パッドが中程度磨耗した状態を示している。
【図7】パッドの磨耗程度に基づく、非作動時のブレーキの状態を示した、図2と同様の軸方向半断面図であり、パッドが殆ど磨耗した状態を示している。
【図8】シールによるピストンの弾性的戻りとパッド磨耗による遊びの解消を示す、図2と同様の軸方向半断面図であり、制動動作前のブレーキを示している。
【図9】シールによるピストンの弾性的戻りとパッド磨耗による遊びの解消を示す、図2と同様の軸方向半断面図であり、機械的制動動作中のブレーキを示している。
【図10】シールによるピストンの弾性的戻りとパッド磨耗による遊びの解消を示す、図2と同様の軸方向半断面図であり、機械的制動動作終了時のブレーキを示している。
【図11】楔効果要素の構造を示す、図2のブレーキ調整器の簡略化した軸方向断面図である。
【図12】図11の要素のXII−XII線に沿う断面図である。
【図13】調整器の別の実施形態を示す図11と同様の図である。
【図14】調整器の別の実施形態を示す図12と同様の図である。
【図15】調整器の又別の実施形態を示す図11と同様の図である。
【図16】調整器の又別の実施形態を示す図12と同様の図である。
【図17】調整器の更に又別の実施形態を示す図11と同様の図である。
【図18】調整器の更に又別の実施形態を示す図12と同様の図である。
【図19】ブレーキの別の実施形態を示す図2と同様の図である。

Claims (13)

  1. ピストン(20)と、前記ピストン(20)を作動させる機械的第1手段の一部を形成すると同時に前記ピストンを作動させる油圧的第2手段の一部を形成するアクチュエータと、を備えた車輌用ディスクブレーキにおいて、
    前記ブレーキは、更に、流体に圧力を加えると前記ピストン(20)が変位するように設計された流体チャンバ(54)を備えており、
    前記アクチュエータ(42)は、前記ピストンを前記チャンバから隔絶するようなやり方で前記チャンバ(54)の境界を定めていることを特徴とするブレーキ。
  2. 前記機械的第1手段は、更に、入力軸(26)と、前記入力軸の回転運動を前記アクチュエータ(42)の滑動運動に変換するための運動変換器(32)と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ。
  3. 前記アクチュエータ(42)は、推力板と、反力板(36)を備えた運動変換器(32)と、前記推力板と前記反力板の間に挿入されたボール(40)と、を備えており、前記運動変換器にはボールを収容する溝(37)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ。
  4. 前記運動変換器(32)は、前記入力軸(26)に固定されて前記推力板(42)と前記反力板(36)の間に挿入されている滑動板(34)を備えており、前記反力板(36)と前記滑動板(34)の間にはボールが配置されていることを特徴とする請求項3に記載のブレーキ。
  5. 前記運動変換器(32)は、前記滑動板(34)と前記推力板(42)に接触している滑動ライニング(46)を備えていることを特徴とする請求項4に記載のブレーキ。
  6. 前記推力板(42)は、前記滑動板(34)を収容するハウジングを形成していることを特徴とする請求項4又は5に記載のブレーキ。
  7. 前記反力板(36)は、ブレーキキャリパ(4)に剛直に固定され、その中を前記入力軸(26)が貫通していることを特徴とする請求項3から6の何れか一項に記載のブレーキ。
  8. キャリパ(4)と、前記ピストンを前記キャリパ(4)に対して戻すための部材(110)を備えていることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のブレーキ。
  9. 前記戻し部材は、弾性材料の要素(110)を備えていることを特徴とする請求項8に記載のブレーキ。
  10. 単数又は複数のブレーキライニング(22、24)の磨耗を補償する調整器(70)を備えていることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載のブレーキ。
  11. 前記調整器(70)は、前記アクチュエータ(42)と前記ピストン(20)の間に挿入されていることを特徴とする請求項10に記載のブレーキ。
  12. 前記調整器(70)は楔効果を発揮できることを特徴とする請求項10又は11に記載のブレーキ。
  13. 前記調整器(70)は、前記アクチュエータ(42)が第1方向に滑動している間は前記ピストン(20)を前記アクチュエータ(42)に対して動かないようにし、前記アクチュエータ(20)が第2方向に滑動している間は前記ピストンを前記アクチュエータに対して動けるようにすることができることを特徴とする請求項10から12の何れか一項に記載のブレーキ。
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