JPH1088570A - 地中連続壁の透水工法 - Google Patents
地中連続壁の透水工法Info
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- JPH1088570A JPH1088570A JP23955896A JP23955896A JPH1088570A JP H1088570 A JPH1088570 A JP H1088570A JP 23955896 A JP23955896 A JP 23955896A JP 23955896 A JP23955896 A JP 23955896A JP H1088570 A JPH1088570 A JP H1088570A
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Abstract
うために、地下水流を復元する場合には、コストがかか
っていた。 【解決手段】 地中連続壁22の厚みと同一の管長であ
って、両側面に遮水シート18を貼付した内部中空のパ
イプを鉄筋籠24に配置し、コンクリートCを打設して
地中連続壁22を施工することによって、地中連続壁2
2の一部に両側が開放可能な透水窓部10を形成し、か
つ透水窓部10と地表部とを注排水用パイプ12を介し
て連通し、前記透水窓部10を遮水状態に保持するとと
もに、遮水性が不要となった時点で前記遮水シート18
を撤去する。
Description
後に、地下水脈を復元できるようにした地中連続壁の透
水工法に関する。
ているため、地下構造物を構築する上で、遮水および土
留壁としての機能を兼用するために、多くの工事現場で
実施されている。この手順としては、先ず、掘削に伴う
ヒービング、ボイリング防止や揚水量抑制を満足する根
入れを有する地中連続壁で工事箇所を仕切り、仕切られ
た内部に地下構造物を構築し、上部を埋め戻すことによ
って工事を完了させている。
の流れを遮断してしまうために、次の問題を生ずること
が指摘されていた。
流側での井戸がれや、地下水位低下に伴う圧密沈下によ
る地盤沈下が生ずることである。
までは、構造物内部側からボーリングなどによって地中
壁の両側面を貫通する孔を開ければ、透水可能となる。
但し、この方法では、地中壁の根入れ部に対しては対処
できない。
る場合には、地表部からボーリングを施工し、排水ポン
プなどによる逆サイフォン式として地下水を流通させる
以外には方法がなく、コスト面、復水効果の面で難があ
った。
であって、その目的は、地中連続壁の両側に開放可能な
透水窓部を形成して施工時に透水窓部を締切った状態と
し、遮水性が不要となった時点で、透水窓部を開放する
ことによって、地下水の流通経路を確保できるようにし
た地中連続壁の透水工法を提供するものである。
め、本発明のうち請求項1に記載の発明は、地中連続壁
の厚みと同一の管長であって、両側面に遮水シートを貼
付した内部中空のパイプを鉄筋籠に配置し、コンクリー
トを打設して地中連続壁を施工することによって、地中
連続壁の一部に両側開放可能な透水窓部を形成し、かつ
該透水窓部に注排水用パイプを連通して前記透水窓部の
内部を遮水状態に保持するとともに、遮水性が不要とな
った時点で前記遮水シートを撤去することを特徴とす
る。
施工中においては遮水シートの張力および注排水用パイ
プを通じて水を注排水することで、土圧および地下水圧
に抗して地中連続壁の特性である遮水性を保持したまま
施工を行うことができ、施工後は任意の時期に遮水シー
トを撤去することにより、パイプを通じて再び地下水の
流通経路を確保できる。
記遮水シートの撤去手段として、前記注排水用のパイプ
より薬液を注入して遮水シートを溶解ないしは分解除去
することを特徴とする。従って、請求項2に記載の発明
によれば、地中土水圧に抗すべく適宜な強度のシート素
材を選択し、それに応じた溶解、分解性薬液を用いれ
ば、後から容易に遮水シートを除去することができる。
ては、前記遮水シートの撤去手段として、前記遮水シー
トが微生物によって分解する生分解プラスチック素材か
ら構成されていることを特徴とする。従って、請求項3
に記載の発明にあっては、施工後自然放置により地中に
存在する微生物、あるいは注排水用パイプを通じて人為
的に供給されたバクテリア、黴などにより、遮水シート
は自然分解され、除去されることになる。
記透水窓部を構成するパイプの開口面には前記遮水シー
トを受圧支持するためのグリッドを設けるとともに、内
部には透水フィルタ材を充填することを特徴とする。従
って、請求項4に記載の発明では、グリッドおよび透水
フィルタ材が遮水シートを保持し、必要時期の遮水性を
保持できる。またフィルタ材によってこの部分を透過す
る水を濾過する。
注排水用パイプを用いて、地下構造物完成後における目
詰まり清掃、地下水調査等の管理を行うことを特徴とす
る。従って、請求項5に記載の発明では、透水フィルタ
材等の目詰まり清掃が容易に行えるとともに、別途パイ
プを排せつすることなく地下水調査等が容易に行え、地
下構造物完成後においても注排水用パイプを有効利用す
ることができる。
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1
は、本発明方法が適用される地中連続壁の透水窓部10
を構成する各部材を示すもので、大口径鋼管などからな
るパイプ12と、パイプ12の頂部に突設された一対の
注排水用パイプ14と、パイプ12の両端開口に配置さ
れる一対のグリッド16およびグリッド16の前面に張
設された一対の遮水シート18を備え、さらにグリッド
16で囲われた内部には、図2,図3に示すように透水
フィルタ部材20が充填される。
に、地中連続壁22の横断面厚みと同一であって、これ
の内部に建て込まれる鉄筋籠24に縦横適宜間隔をおい
て溶接などにより一体に組付けられる。
は、鉄筋籠24とともに地盤Eに形成された掘削溝26
中に建て込まれ、その後掘削溝26内にコンクリートC
を打設し、安定液などと置換えることで、地中連続壁2
2が形成されるとともに、パイプ12の両面開口を掘削
溝26の溝壁に対面させる。
プ12の内部に連通させ、上端を地表面に露出し、図示
しない注排水ポンプに接続することで、周囲地盤Eから
の土水圧に応じてパイプ12の内部の水圧を制御して、
浸入した水を排出して遮水シート18を張設状態に保持
するほか、後述する遮水シート除去工程において、遮水
シート18を除去するための薬液注入管や、通水部分が
目詰りを生じた場合における洗浄水注入管として機能す
るものである。
持するとともに、内部に充填された透水フィルタ材20
を保持するためのものである。なお、フィルタ材20と
しては、グリッド16の目の粗さより大きな礫などが用
いられる。
耐久性があると同時に、薬液によって溶解ないしは分解
して消滅するシート素材、あるいは生分解プラスチック
により構成されたシート素材からなっている。
は、最も一般的なのは酸、アルカリ、その他一般溶剤で
あるが、これら薬液によって容易に溶解、分解ないし耐
性低下するシート素材としては、以下のプラスチックか
らなるシート材が候補として掲げられる。
…10%硝酸または塩酸により分解。セルロイド,エチ
ルセルロース……エチルアルコール、アセトン、酢酸エ
チルなどに溶解。
ム,カルシウムなどによって加水分解を生ずる。
CT)……強酸,強アルカリによって物性が劣化する。
耐性が低下。
の中から地中土水圧に抗すべく適宜な強度のシートを選
択し、それに応じた溶解または分解性薬液を用いれば、
後から容易に遮水シートを除去することができる。
も地下水汚染を誘引したり、毒性がある場合もあるの
で、該当する遮水シート素材の溶解性や分解性を考慮し
て、注排水用パイプ14からの注入時間や抜取り時間を
設定し、その後は十分に洗浄すれば、地下水汚染を防止
でき、洗浄後は自然劣化させつつ順次遮水シート18を
除去することができる。
たシートとしては、生物分解性脂肪族ポリエステルで作
られたシートが掲げられる。
社製のビオノーレ#1020,#3020があり、これ
らは、通常使用条件では通常のポリオレフィン系プラス
チック材料と同等の性能であり、土壌中に埋設しておく
と土壌中に存在するバクテリア、黴などの微生物により
順次生分解される。
ト18は、ある程度の使用期間が過ぎれば、自然分解さ
れてしまう。但し、大深度地中壁の場合にはこの種の微
生物は少ないので、地下構造物構築後に適宜の時期を見
計らって前記注排水用パイプ14を通じて微生物培養液
などを供給することによって、遮水シート18は比較的
短期間の間に分解消滅し、以後は地下水の通水に活用さ
れることになる。
を備えた地中連続壁22を用いた地下構造物の構築手順
を示しており、先ず(a)に示すように、不透水層E1
にまで到達する地中連続壁20の構築後は、地下水位W
Lより下に位置する各透水窓部10には水圧が加わって
おり、各透水窓部10の深度に応じて地表部に到達する
注排水用パイプ14を通じて水を給排水し、地下水圧に
対抗させることで止水性を確保できる。
より仕切られた内部を根切る。なお、透水窓部10につ
いてはその内圧を外圧にバランスすべく注排水用パイプ
14を通じて水の注排水を行う。また仮に、根切り部分
に透水窓部が位置する場合には、これを閉止する鋼製の
蓋を適宜設けておけばよい。
すように、地下構造物30を構築し、(d)に示すよう
に、構造物30の上部を埋め戻し、完成させる。
じて地表部から薬液、あるいは微生物培養液を透水窓部
10の内部に注入すると、遮水シート18は、これらに
接して溶解、分解ないしは耐性低下して長期の間にわた
って順次除去される結果、透水窓部10の両面開口が開
かれ、地下水を透過させる。
じた場合には、注排水パイプ14を通じて高圧水を噴射
することにより、再び透水可能となる。
における注排水用パイプ14を閉鎖するとともに、構造
物30内に注排水用パイプ14を引き込んで上記地表部
からなされた遮水シート18の撤去作業を地下構造物3
0から行うこともできる。
造物30の完成後に透水フィルタ部材20の目詰まり清
掃のみならず、地下水調査等の管理を行うことができ
る。地下構造物30の完成後は、上述したように、構造
物30の内部からこのような管理が行われる。
明にかかる地中連続壁における透水工法によれば、施工
中においては遮水シートの張力および注排水用パイプを
通じて水を注排水することで、土圧および地下水圧に抗
して地中連続壁の特性である遮水性を保持したまま施工
を行うことができ、施工後は任意の時期に遮水シートを
撤去することにより、パイプを通じて再び地下水の流通
経路を確保できるため、従来のように工事後地下水流を
復元させるためのボーリングなどの面倒な作業が不要と
なり、ポンプなども特に必要としないため、安価に構成
できる。
ある。
ある。
側断面図である。
造物の構築手順を示す断面説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 地中連続壁の厚みとほぼ同一の管長であ
って、両側面に遮水シートを貼付した内部中空のパイプ
を鉄筋籠に配置し、コンクリートを打設して地中連続壁
を施工することによって、地中連続壁の一部に両側が開
放可能な透水窓部を形成し、かつ該透水窓部に注排水用
パイプを連通して前記透水窓部の内部を遮水状態に保持
するとともに、遮水性が不要となった時点で前記遮水シ
ートを撤去することを特徴とする地中連続壁の透水工
法。 - 【請求項2】 前記遮水シートの撤去手段として、前記
注排水用パイプより薬液を注入して遮水シートを溶解な
いしは分解除去することを特徴とする請求項1記載の透
水工法。 - 【請求項3】 前記遮水シートの撤去手段として、前記
遮水シートが微生物などによって分解する生分解プラス
チック素材から構成されていることを特徴とする請求項
1記載の地中連続壁の透水工法。 - 【請求項4】 前記透水窓部を構成するパイプの開口面
には、前記遮水シートを受圧支持するためのグリッドを
設けるとともに、内部には透水フィルタ材を充填するこ
とを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の地中連続
壁の透水工法。 - 【請求項5】 前記注排水用パイプを用いて、地下構造
物完成後の目詰まり清掃、地下水調査等の管理を行うこ
とを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の地中連続
壁の透水工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23955896A JP3755201B2 (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | 地中連続壁の透水工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23955896A JP3755201B2 (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | 地中連続壁の透水工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1088570A true JPH1088570A (ja) | 1998-04-07 |
JP3755201B2 JP3755201B2 (ja) | 2006-03-15 |
Family
ID=17046594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23955896A Expired - Fee Related JP3755201B2 (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | 地中連続壁の透水工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3755201B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008081941A (ja) * | 2006-09-26 | 2008-04-10 | Shimizu Corp | 地中壁および透水性地中壁の形成方法 |
-
1996
- 1996-09-10 JP JP23955896A patent/JP3755201B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008081941A (ja) * | 2006-09-26 | 2008-04-10 | Shimizu Corp | 地中壁および透水性地中壁の形成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3755201B2 (ja) | 2006-03-15 |
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