JP2866600B2 - 雨水の貯水装置 - Google Patents

雨水の貯水装置

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JP2866600B2 JP7138456A JP13845695A JP2866600B2 JP 2866600 B2 JP2866600 B2 JP 2866600B2 JP 7138456 A JP7138456 A JP 7138456A JP 13845695 A JP13845695 A JP 13845695A JP 2866600 B2 JP2866600 B2 JP 2866600B2
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  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は雨水の貯水装置に関し、
特に、豪雨時の雨水の浸透処理が可能であると共に、震
災時の飲料水用貯留槽として好適な、雨水の貯水装置に
関する。
【0002】
【従来技術】地下に雨水等を貯留し、それを有効利用す
るという政策は環境基本計画に包含されており、平成6
年6月に発表された建築・住宅技術5ケ年計画によって
遂行されつつある。この場合の雨水の貯留槽は、鉄製、
FRP製、或いはコンクリート製の完全密閉水槽であ
り、高価であるのみならず、中水として利用される他は
利用価値がない上、長期間貯留した場合には貯留水が腐
敗するという欠点があった。
【0003】一方、都市化の進展により、コンクリート
等の不透水性層によって表土の覆われる面積が増大した
ことに伴い、排水処理能力の限界を越える豪雨によっ
て、屡洪水が発生するようになった。このような都市型
の洪水に対しては、従来の貯留池は全く無力である。
【0004】そこで、本発明者等は、多目的的に使用す
ることにより、従来の単なる雨水の貯留槽よりも付加価
値を高めることのできる、安価な雨水の貯留槽を開発す
べく鋭意検討した結果、鉄、FRP或いはコンクリート
の代わりに不透水性シートを使用することにより貯留槽
の製造コストを大幅に低減させることができること、及
び、貯留槽を開放型として、余剰の雨水を浸透処理する
機能を付与することにより、豪雨時の水処理に寄与する
ことができるのみならず、緑樹の地下灌漑にも寄与する
と共に、接触濾材による浄化機能を付与した場合には、
貯留水の腐敗が防止され、震災時における飲料水として
の使用も可能となることを見出し、本発明に到達した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
の目的は、多目的的に雨水の有効利用を図ることのでき
る、安価な貯水装置を提供することにある。本発明の第
2の目的は、貯留水の腐敗が生じない雨水の貯水装置を
提供することにある。本発明の第3の目的は、緑樹の地
下灌漑にも寄与し得る、雨水の貯水装置を提供すること
にある。更に本発明の第4の目的は、豪雨時の雨水を速
やかに地下に浸透させて処理することのできる、雨水の
貯水装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、側面及び底面が防水シートによって構成されると共
に、下から順に、空隙率90%以上の貯水空間、接触濾
材層、及びトレンチ網によって構成されると共に、前記
側面のうちの何れかの一側面の近傍に、雨水導入管及び
天端部に開閉可能な蓋を具備した雨水導入枡を有する、
雨水の貯水槽、該貯水層周囲の余堀り部分に、木質及び
/又は無機質の濾砂を充填してなる雨水浸透層、並び
に、前記雨水導入枡部分を除く貯水槽、及び雨水浸透層
の上部に埋め戻した土壌層からなることを特徴とする雨
水の貯水装置によって達成された。以下、本発明を実施
例と共に説明する。
【0007】
【実施例】図1は、本発明の貯水装置の一実施例を示す
平面図である。図中の符号1は雨水の貯水槽、2は防水
シート、5は雨水の浸透層、10は雨水導入枡、11は
雨水導入管、12は雨水導入枡の蓋、20は浸透トレン
チであり、本実施例においては、揚水のためのパイプ1
3を通す穴14が蓋12に設けられている。
【0008】図2は、図1におけるA−A断面図であ
る。図中の符号3は接触濾材、4はトレンチ網、5は雨
水浸透層、6は埋め戻し土壌、7は合成樹脂枠、10は
雨水導入枡、11は雨水導入管、12は蓋、13は揚水
のためのパイプ、15は目詰まり防止網である。合成樹
脂枠の代わりに又は合成樹脂枠と共に、穴あきペットボ
トルや穴あき空かん、或いはパトローネ等の廃品を、水
槽としての強度を保てるように充填しても良い。
【0009】接触濾材3は、砕石や、合成樹脂製の公知
の濾材の中から適宜選択することができる。接触濾材3
上のトレンチ網4は、埋め戻し土壌層6からの土壌の流
出によって接触濾材層に目詰まりが生ずることを防止す
る一方、埋め戻し土壌層6や接触濾材層3中におけるミ
ミズ等の生物の繁殖を妨げないことが必要であるので、
その目の直径は2cm程度であることが好ましい。
【0010】雨水導入管11の前段には雨水枡(図示せ
ず)を設けることが好ましいが、雨水枡を設けず、雨水
導入管から流入する雨水が樋等から直接流入する場合に
は、雨水導入枡中に開口する雨水導入管11より下方の
雨水導入枡10中に、目詰まり防止網15を設置する。
該目詰まり防止網としては、通常、雨水枡等に設置す
る、籠のようなものを用いる。
【0011】この目詰まり防止網15は、たまった枯葉
等を除去することができるように取外し自在に設置され
る。従って、この場合には、揚水用のパイプ13を雨水
導入枡10の側壁、特に角部に沿って配管することが、
目詰まり防止網15の取外しを容易にする上から好まし
い。しかしながら、揚水用のパイプ13を雨水導入枡1
0の中央付近に通し、目詰まり防止網15に前記パイプ
通過用の穴を設けると共に、該網の取外しを可能とする
如く、目詰まり防止網15を2分割可能に設計すること
もできる。雨樋等から直接集水する場合には、雨水導入
管11は、雨水導入枡10の天端部に開口しても良い。
【0012】雨水導入枡10の底部には、揚水に便利な
ようにピットを設けることが好ましいが、雨水導入枡の
断面積は40cm×40cm程度で良いから、図2に示
す如く、雨水導入枡底部を、貯水槽1の他の底部より一
段深くしてピットとすることもできる。ピットには、必
要に応じて水中ポンプを設置しても良いが、使用頻度が
小さければ、手押しポンプを設置しても、何も設置しな
くても良い。
【0013】雨水浸透層5には、オガクズ等の木質系濾
砂及び/又は、粗砂等の無機質濾砂等、周辺土壌から土
が入り込まない程度の濾砂が充填される。雨水浸透層5
の水平方向の厚みは、降雨量や水槽の大きさとの関係で
適宜設計することができるが、一般的には、10cm以
上とすることが好ましい。深さは、通常雨水の貯水槽の
深さと同じである。
【0014】浸透トレンチ20は、本考案の貯水装置に
必須というものではないが、豪雨時の排水処理をより効
果的に行う上からは、これを設置することが好ましい
(図3参照)。この浸透トレンチは、底部から、粗砂
層、トレンチ網、礫その他の空隙率の高い濾材を充填し
た層、トレンチ網及び埋め戻し土壌からなる公知の構造
のもので良く、貯水槽1の上部側面、具体的には、接触
濾材層3の下端付近から、トレンチの濾材を充填した層
中に設けられた多孔管等の放水管によって、貯水槽の水
がトレンチ内に流出する。
【0015】本発明の貯水装置の規模は特に限定される
ものではないが、平均的な貯水槽の大きさは、100c
m(深さ)×80cm(巾)×250cm(長さ)程度
であるから、装置としては、100cm(深さ)×10
0cm(巾)×270cm(長さ)程度が一般的であ
る。次に、本発明の雨水の貯水装置の作用効果について
説明する。
【0016】
【作用】降雨時には、雨水導入管11から貯水槽1に雨
水が集水されるだけではなく、貯水槽上部の埋戻し土壌
層6及び接触濾材層3を浸透した雨水も貯水槽1に集水
される。この時、土壌層6や接触濾材層3中の汚水分解
微生物も貯水槽中に導入されるので、集水された貯留水
が腐敗することはない。
【0017】降雨量が多くなり、貯水槽が満杯になる
と、浸透トレンチ20が設けられている場合には、先ず
浸透トレンチ20に余剰の雨水が流出する。浸透トレン
チ20による処理量よりも降雨量が多くなると、貯水槽
1の水位は更に上昇し、防水シート2を越えて雨水浸透
層5に溢水する。
【0018】このような豪雨時に、雨水浸透層への雨水
の導入を速やかに行うことができるように、接触濾材層
3を山形に形成することが好ましい。このようにするこ
とにより、山形となったトレンチ網4に沿って、雨水が
効率良く、雨水浸透層5に流れ込む。豪雨による災害の
少ない地域では、浸透トレンチを設けず、雨水を雨水浸
透層5を介して地下灌漑に寄与させれば十分である。
【0019】
【発明の効果】本発明の貯水装置は、貯留された水が腐
敗しないので、震災時の飲料水を確保するのに好適であ
るのみならず、豪雨時の排水に対しても速やかに機能す
るので、都市型洪水対策としても好適である。更に、随
時、地下灌漑水を供給することによって、都市の緑化に
雨水を有効に使用することもできるので、輔装等による
土表面の被覆率の高い都市部に対して特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の雨水の貯水装置の一態様を表す平面
図。
【図2】図1におけるA−A断面図。
【図3】図1におけるB−B断面図。
【符号の説明】
1 雨水の貯水槽 2 防水シート 3 接触濾材層 4 トレンチ網 5 雨水浸透層 6 埋め戻し土壌 7 合成樹脂枠 10 雨水導入枡 11 雨水導入管 12 蓋 13 楊水のためのパイプ 14 穴 15 目詰まり防止網 20 浸透トレンチ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−182422(JP,A) 特開 平3−25127(JP,A) 実開 平3−108065(JP,U) 実開 平5−83087(JP,U) 実開 平3−54872(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E03B 3/03 E03B 11/14 E02D 29/045

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側面及び底面が防水シートによって構成さ
    れると共に、下から順に、空隙率90%以上の貯水空
    間、接触濾材層、及びトレンチ網によって構成されると
    共に、前記側面のうちの何れかの一側面の近傍に、雨水
    導入管及び天端部に開閉可能な蓋を具備した雨水導入枡
    を有する、雨水の貯水槽、該貯水槽周囲の余堀り部分
    に、木質及び/又は無機質の濾砂を充填してなる雨水浸
    透層、並びに、前記雨水導入枡部分を除く貯水槽及び雨
    水浸透層の上部に埋め戻した土壌層からなることを特徴
    とする、雨水の貯水装置。
  2. 【請求項2】雨水導入枡に導入される雨水が、樋から直
    接流入する如く、雨水導入管を雨水導入枡に接続してな
    る、請求項1に記載された雨水の貯水装置。
  3. 【請求項3】雨水導入枡に導入される雨水が、雨水枡を
    介して流入するごとく、雨水導入管の前段に雨水枡を配
    してなる請求項1に記載された雨水の貯水装置。
  4. 【請求項4】雨水導入枡中の、雨水導入管の開口部より
    下方に、目詰まり防止用の網を配してなる請求項2に記
    載された雨水の貯水装置。
  5. 【請求項5】貯水槽の上部側面に、更に浸透トレンチが
    接続されてなる請求項1〜4の何れかに記載された雨水
    の貯水装置。
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