JPH1088341A - 低圧力放電スパッタ装置及びスパッタ制御方法 - Google Patents

低圧力放電スパッタ装置及びスパッタ制御方法

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JPH1088341A
JPH1088341A JP8240362A JP24036296A JPH1088341A JP H1088341 A JPH1088341 A JP H1088341A JP 8240362 A JP8240362 A JP 8240362A JP 24036296 A JP24036296 A JP 24036296A JP H1088341 A JPH1088341 A JP H1088341A
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cathode
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coil current
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 10-2Pa以下の低圧力放電を長時間安定に
持続させることができる信頼性の高いスパッタ装置を提
供する。 【解決手段】 ターゲット20を載置するカソードと、
カソード内に配置されターゲット20上に閉ループの磁
力線を形成する電磁石コイル16からなる第1の磁石
と、カソードの周囲に配置され第1の磁石が形成する磁
力線をターゲット20の中心へ閉じ込める永久磁石から
なる第2の磁石と、電磁石コイル16に電磁石コイル電
流を供給する励磁電源17と、ターゲット20に直流電
力を印加する直流電源12とを備えたマグネトロンスパ
ッタリング方式の低圧力放電スパッタ装置において、タ
ーゲット20に印加された直流電圧を印加電圧として検
出する直流電圧検出装置13と、前記印加電圧が一定に
なるように電磁石コイル電流を制御する電磁石コイル電
流制御装置14とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低圧力で放電が可
能な低圧力放電スパッタ装置に関し、特に、プレナー型
マグネトロンカソードを有する低圧力放電スパッタ装置
に関する。本発明は、また、低圧力放電スパッタ装置の
スパッタ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、大規模生産に利用されるプレナー
型マグネトロンスパッタ方式による、低圧力スパッタ技
術が注目されている。これは、通常の圧力(0.4〜
0.8Pa)より低い圧力(10-2Pa以下)でスパッ
タを行うことにより、膜中へ侵入する不純物ガス(A
r、N2 、O2 等)の減少による膜質改善や、スパッタ
粒子の基板への垂直成分が増加することによるホール、
トレンチの埋め込み及び段差被覆性の改善が期待できる
からである。この技術は応用面からは、コリメートスパ
ッタ、リフロースパッタに続くICメタライゼーション
分野の新技術になる。また、別の分野としては、界面の
平坦性が要求されるGMRヘッドやスピンバルブ等の磁
気ヘッドプロセスへの応用が考えられる。
【0003】このような低圧力スパッタを実現するため
に、種々の低圧力用マグネトロンカソードが提案されて
いる。
【0004】例えば、特開平7−166348号公報に
記載されている。マグネトロンカソード内部にターゲッ
ト上へ閉ループを形成する電磁石を有し、カソード外周
部に補助電磁石を配置することで約1.5×10-2Pa
を実現している。ここでは、有効カソード領域(磁力線
が2回カソード表面と交わる領域)を80%以上とする
ことにより上記のような低圧力放電維持を実現してい
る。また、これと同様な構造として、J.Musil等
が、Vaccum/Vol.46/number4/1
995の341〜347頁において、マグネトロンカソ
ード内部にターゲット上に閉ループを形成する電磁石を
有し、カソード外周部に8個の永久磁石片を配置するこ
とで約3.5×10-2Paの低圧力放電維持を実現して
いる。
【0005】図5、図6、及び図7に、ターゲット上に
閉ループの磁力線を形成する第1の磁石と、カソードの
周囲に配置され第1の磁石が形成する磁力線をターゲッ
トの中心へ閉じ込める第2の磁石とを備えたカソード部
をそれぞれ示す。
【0006】図5において、カソードボディ(図示しな
い)内には山型のヨーク27があり、そのヨーク27の
内部に第1の磁石として絶縁モールドされたコイル28
が配置され、このコイル28が励磁電源Iによって励磁
されて、中央磁極がS極で外周磁極がN極である電磁石
27′として機能する。カソードボディ上部には、ター
ゲット裏板29とターゲット30とがあり、電磁石2
7′より発生した磁力線がターゲット30上に漏洩した
閉ループの磁力線31を形成している。ここで図示して
いないが、電磁石27′及びターゲット裏板29は水冷
されている。
【0007】一方、カソードボディ外周部には、第2の
磁石として図示したような円環型永久磁石32が、内側
をS極、外側をN極として配置されている。このような
着磁方向の円環型永久磁石32により磁力線33が発生
する。この磁力線33により、前記の閉ループの磁力線
31をターゲット中心部に閉じこめ、かつ、発散する磁
力線34及び34′を形成させている。
【0008】この電磁石27′と円環型永久磁石32の
構成によるターゲット上の閉ループの磁力線が、ターゲ
ット中心からターゲット外周部までの全面を覆うことに
より、ターゲット全面をスパッタエロージョン領域にで
きる。この磁力線分布が、低圧力・大電力放電維持カソ
ードのキーポイントになっている。通常、カソード内部
の第1の磁石(ここでは電磁石27′)のみでは、前記
のような磁力線分布が形成できず、ターゲット中心部に
非エロージョン領域を形成してしまい、また、低圧力放
電には限界があった。
【0009】図5のカソードによる磁力線分布と同等の
ものは、図6のカソード部でも得られる。図5におい
て、カソードボディ(図示しない)内には第1の磁石と
して山型の永久磁石35があり、中央磁極がS極で外周
磁極がN極として機能している。カソードボディ上部に
は、ターゲット裏板29とターゲット30とがあり、永
久磁石35より発生した磁力線がターゲット30上に漏
洩した閉ループの磁力線31を形成している。ここで図
示していないが、永久磁石35及びターゲット裏板29
は水冷されている。
【0010】一方、カソードボディ外周部には、第2の
磁石として図示したような円環型電磁石36が配置され
ていて、磁力線36′を発生するようにコイル電流を流
している。この磁力線36′により、前記の閉ループの
磁力線31をターゲット中心部に閉じこめ、かつ、発散
する磁力線34及び34′を形成させている。
【0011】図7には、さらに別のカソード部を示す。
図7において、カソードボディ(図示しない)内には第
1の磁石として山型の回転永久磁石37があり、中央磁
極がS極で外周磁極がN極として機能している。この回
転永久磁石37は磁石回転機構(図示せず)により矢印
38の方向に回転される。カソードボディ上部には、タ
ーゲット裏板29とターゲット30があり、回転永久磁
石37より発生した磁力線がターゲット30上に漏洩し
た閉ループの磁力線31を形成している。ここで図示し
ていないが、回転永久磁石37及びターゲット裏板29
は水冷されている。
【0012】一方、カソードボディ外周部には、第2の
磁石として図示したような円環型電磁石41が配置され
ていて、磁力線39を発生するようにコイル電流を流し
ている。この磁力線39により、前記の閉ループの磁力
線31をターゲット中心部に閉じこめ、かつ、発散する
磁力線34及び34′を形成させている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−166348号の低圧力用マグネトロンカソード部
やJ.Musil等の低圧力用マグネトロンカソード部
や図5〜図7の低圧力用マグネトロンカソード部を用い
ても、長時間安定に放電ができない場合があることを本
発明者等は新たに見出した。
【0014】従来から、ターゲットを長時間使用するこ
とにより、ターゲット表面の侵食深さが増加すると、タ
ーゲット表面の磁場強度が変化することが知られてい
る。図8は、アルミニウムからなるターゲットと鉄から
なるターゲットについてターゲット厚みの変化と磁場強
度の変化の関係とを示すグラフである。特に、ターゲッ
トとして磁性体材料(鉄)を用いると、この現象が顕著
にみられる。このような磁場強度の変化に対して、カソ
ードボディ内の永久磁石を電磁石にして、そのコイル電
流を変化させて磁場強度を一定に保つことはよく知られ
ている。これにより、0.4Pa〜10Paの圧力で同
一成膜速度が得られ、放電特性を安定させることができ
る。
【0015】それに対し、図5〜図7の低圧力用マグネ
トロンカソード部では2組の磁石を組合わせることで、
さらに一桁低い放電圧力(0.04Pa)を実現してい
る。これらのカソードには、低圧力放電維持のためのタ
ーゲット上に形成する最適磁場形状・強度が存在し、そ
のため、ターゲット表面の侵食深さの変化により、低圧
力放電維持に必要なこの最適磁場形状・強度値から逸脱
してしまうと、長時間低圧力放電ができないことを本発
明者は発見した。
【0016】図9は図5のカソード部の放電維持最低圧
力と電磁石コイル電流特性の一例を示している。ここで
放電電流は0.5A一定にしている。電磁石のみでは、
放電維持最低圧力は10-1Pa台であるのに対し、電磁
石と上部円環永久磁石の構成では、10-2Pa台の放電
が可能になる。図において放電維持最低圧力の最低値
は、電磁石コイル電流が3Aの場合であり、その値以上
またはその値以下の領域では、放電維持最低圧力は上昇
してしまう。このように放電維持最低圧力には、ターゲ
ット上の磁場強度の最適値が存在する。
【0017】図10は、図5のカソード部において、ス
パッタ圧力を0.4Paで一定に保った状態での、印加
電圧(放電維持電圧)と電磁石コイル電流特性の一例を
示している。電磁石のみでは、電磁石コイル電流の増加
にともなって印加電圧が低下しているのに対し、電磁石
と上部円環永久磁石の構成では、電磁石コイル電流が3
A付近で最小値になるような傾向がみられる。
【0018】一般に、定電流もしくは定電力制御してい
る場合、印加電圧は、磁場強度が強くなると小さくなる
傾向にあり、また、放電維持圧力が低くなると大きくな
る傾向にあることが知られている。図11には、図5の
カソード部の電磁石コイル電流とエロージョン中心部の
平行磁場強度の関係を示す。カソード内に配置された電
磁石のみでは、図11に示すように電磁石コイル電流を
増大すると、平行磁場強度がこれに比例して強くなるこ
とが判る。従って、電磁石コイル電流を増大すると、図
10のように印加電圧が小さくなると考えられる。
【0019】これに比べ、電磁石と永久磁石の構成で
は、大きくその現象が異なり、その制御が非常に複雑で
ある。電磁石と上部円環永久磁石との構成では、図9に
示すように電磁石コイル電流が3A付近で放電維持最低
圧力が最低となり、それを越えると放電維持最低圧力は
上昇しはじめることから、3A付近で最適な磁場閉じ込
め及び最適な磁場強度となっているものと判断できる。
そして図10に示すように、圧力が一定の条件では、3
A付近で最小の印加電圧を得ることができる。
【0020】従って、放電中はターゲット表面上の磁場
強度が一定に維持されていることが必要である。特に、
磁性体ターゲット(例えば鉄)では、この変化が激し
く、長時間放電すると上述した最適放電維持条件から大
きく外れて、低圧力で放電維持ができなくなる場合もあ
る。
【0021】それ故、本発明の課題は、10-2Pa以下
の低圧力放電を長時間安定に動作させることができる信
頼性の高いスパッタ装置を提供することにある。
【0022】本発明の別の課題は、10-2Pa以下の低
圧力放電を長時間安定に動作させることができるスパッ
タ装置のスパッタ制御方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ターゲ
ットを載置するカソードと、前記カソード内に配置され
前記ターゲット上に閉ループの磁力線を形成する電磁石
コイルからなる第1の磁石と、前記カソードの周囲に配
置され前記第1の磁石が形成する磁力線を前記ターゲッ
トの中心へ閉じ込める永久磁石からなる第2の磁石と、
前記電磁石コイルを励磁させるための電磁石コイル電流
を前記電磁石コイルに供給する励磁電源と、前記ターゲ
ットに直流電力を印加する直流電源とを備えたマグネト
ロンスパッタリング方式の低圧力放電スパッタ装置にお
いて、前記ターゲットに印加された直流電圧を印加電圧
として検出する直流電圧検出装置と、前記直流電圧検出
装置と前記励磁電源とに接続され、前記印加電圧が一定
になるように前記電磁石コイル電流を制御する電磁石コ
イル電流制御装置とを有することを特徴とする低圧力放
電スパッタ装置が得られる。
【0024】更に本発明によれば、ターゲットを載置す
るカソードと、前記カソード内に配置され前記ターゲッ
ト上に閉ループの磁力線を形成する永久磁石からなる第
1の磁石と、前記カソードの周囲に配置され前記第1の
磁石が形成する磁力線を前記ターゲットの中心へ閉じ込
める電磁石コイルからなる第2の磁石と、前記電磁石コ
イルを励磁させるための電磁石コイル電流を前記電磁石
コイルに供給する励磁電源と、前記ターゲットに直流電
力を印加する直流電源とを備えたマグネトロンスパッタ
リング方式の低圧力放電スパッタ装置において、前記タ
ーゲットに印加された直流電圧を印加電圧として検出す
る直流電圧検出装置と、前記直流電圧検出装置と前記励
磁電源とに接続され、前記印加電圧が一定になるように
前記電磁石コイル電流を制御する電磁石コイル電流制御
装置とを有することを特徴とする低圧力放電スパッタ装
置が得られる。
【0025】また本発明によれば、ターゲットを載置す
るカソードと、前記カソード内に配置され前記ターゲッ
ト上に閉ループの磁力線を形成する電磁石コイルからな
る第1の磁石と、前記カソードの周囲に配置され前記第
1の磁石が形成する磁力線を前記ターゲットの中心へ閉
じ込める永久磁石からなる第2の磁石と、前記電磁石コ
イルを励磁させるための電磁石コイル電流を前記電磁石
コイルに供給する励磁電源と、前記ターゲットに高周波
電力を印加する高周波電源とを備えたマグネトロンスパ
ッタリング方式の低圧力放電スパッタ装置において、前
記ターゲットに印加される前記高周波電力によって前記
ターゲットに誘起されるセルフバイアス電圧を検出する
セルフバイアス電圧検出装置と、前記セルフバイアス電
圧検出装置と前記励磁電源とに接続され、前記セルフバ
イアス電圧が一定になるように前記電磁石コイル電流を
制御する電磁石コイル電流制御装置とを有することを特
徴とする低圧力放電スパッタ装置が得られる。
【0026】更に本発明によれば、ターゲットを載置す
るカソードと、前記カソード内に配置され前記ターゲッ
ト上に閉ループの磁力線を形成する永久磁石からなる第
1の磁石と、前記カソードの周囲に配置され前記第1の
磁石が形成する磁力線を前記ターゲットの中心へ閉じ込
める電磁石コイルからなる第2の磁石と、前記電磁石コ
イルを励磁させるための電磁石コイル電流を前記電磁石
コイルに供給する励磁電源と、前記ターゲットに高周波
電力を印加する高周波電源とを備えたマグネトロンスパ
ッタリング方式の低圧力放電スパッタ装置において、前
記ターゲットに印加される前記高周波電力によって前記
ターゲットに誘起されるセルフバイアス電圧を検出する
セルフバイアス電圧検出装置と、前記セルフバイアス電
圧検出装置と前記励磁電源とに接続され、前記セルフバ
イアス電圧が一定になるように前記電磁石コイル電流を
制御する電磁石コイル電流制御装置とを有することを特
徴とする低圧力放電スパッタ装置が得られる。
【0027】また本発明によれば、ターゲットを載置す
るカソードと、前記カソード内に配置され前記ターゲッ
ト上に閉ループの磁力線を形成する第1の磁石と、前記
カソードの周囲に配置され前記第1の磁石が形成する磁
力線を前記ターゲットの中心へ閉じ込める第2の磁石と
を備え、前記第1及び前記第2の磁石のうちどちらか一
方が電磁石コイルからなり、前記電磁石コイルを励磁さ
せるための電磁石コイル電流を前記電磁石コイルに供給
する励磁電源と、前記ターゲットに直流電力を印加する
直流電源とを更に備え、前記ターゲットに前記直流電力
を印加して、前記ターゲットと基板との間に放電を立
て、前記ターゲットをスパッタするマグネトロンスパッ
タリング方式の低圧力放電スパッタ装置に用いられるス
パッタ制御方法において、第1に、前記ターゲットと前
記基板との間に放電を立て、その放電が安定したところ
で前記ターゲットと前記基板との間の圧力及び前記直流
電源の前記直流電力を一時的に固定して、その条件下で
前記ターゲットに印加された直流電圧値が最低になるよ
うに、前記励磁電源を制御して前記電磁石コイル電流を
設定し、第2に、この設定された前記電磁石コイル電流
を維持したまま前記圧力及び前記直流電源の前記直流電
力を変更して成膜条件による放電を開始し、この放電が
安定したところで前記ターゲットに印加された直流電圧
値を測定し、第3に、前記ターゲットに印加される直流
電圧値が、前記ターゲットの消費に関わらず、前記測定
された直流電圧値に維持されるように、前記励磁電源の
前記電磁石コイル電流を制御することを特徴とするスパ
ッタ制御方法が得られる。
【0028】更に本発明によれば、ターゲットを載置す
るカソードと、前記カソード内に配置され前記ターゲッ
ト上に閉ループの磁力線を形成する第1の磁石と、前記
カソードの周囲に配置され前記第1の磁石が形成する磁
力線を前記ターゲットの中心へ閉じ込める第2の磁石と
を備え、前記第1及び前記第2の磁石のうちどちらか一
方が電磁石コイルからなり、前記電磁石コイルを励磁さ
せるための電磁石コイル電流を前記電磁石コイルに供給
する励磁電源と、前記ターゲットに高周波電力を印加す
る高周波電源とを更に備え、前記ターゲットに前記高周
波電力を印加して、前記ターゲットと基板との間に放電
を立て、前記ターゲットをスパッタするマグネトロンス
パッタリング方式の低圧力放電スパッタ装置に用いられ
るスパッタ制御方法において、第1に、前記ターゲット
と前記基板との間に放電を立て、その放電が安定したと
ころで前記ターゲットと前記基板との間の圧力及び前記
高周波電源の前記高周波電力を一時的に固定して、その
条件下で前記ターゲットに印加された高周波電力によっ
て前記ターゲットに誘起されるセルフバイアス電圧値が
最低になるように、前記励磁電源を制御して前記電磁石
コイル電流を設定し、第2に、この設定された前記電磁
石コイル電流を維持したまま前記圧力及び前記高周波電
源の前記高周波電力を変更して成膜条件による放電を開
始し、この放電が安定したところで前記ターゲットに誘
起されたセルフバイアス電圧値を測定し、第3に、前記
ターゲットに誘起されるセルフバイアス電圧値が、前記
ターゲットの消費に関わらず、前記測定されたセルフバ
イアス電圧値に維持されるように、前記励磁電源の前記
電磁石コイル電流を制御することを特徴とするスパッタ
制御方法が得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例について図
面を参照して説明する。
【0030】図1は本発明の第1の実施例によるスパッ
タ装置の正面断面図である。真空容器1はメインバルブ
2を介してメインポンプであるクライオポンプ3に接続
されており、真空容器1内の圧力を5×10-5Pa以下
に保つことができる。
【0031】また、真空容器1内を大気圧にした場合
は、荒引きバルブ4に接続された油回転ポンプ5でまず
真空排気し、クライオポンプ3により高真空に保たれ
る。
【0032】真空容器1内には、回転及び上下移動する
シャッター6と基板7を保持する基板ホルダー8が設置
されている。また、真空容器1には別の排気系(図示し
ない)で真空排気されるロードロック室9が接続されて
おり、基板7′を矢印10の方向に搬送可能な基板搬送
機構(図示せず)により、真空容器1内を大気圧にせず
に、基板7´を基板7として基板ホルダー8に設置でき
る。基板ホルダー8の対向位置にカソード部11が設置
されており、カソード部11にはカソード部11に直流
電力を印加する直流電源12が接続されている。直流電
源12は、電圧が−1kVまで印加できる。直流電源1
2には、カソード部11に印加された直流電圧(印加電
圧)を検出する直流電圧検出装置13が設置されてお
り、直流電圧検出装置13は電磁石コイル電流制御装置
14に接続されている。また、カソード部11のボディ
内には、電磁石コイル16が水冷して配置されており、
電磁石コイル16に励磁電源17が接続されている。直
流電圧検出装置13の信号を電磁石コイル電流制御装置
14に送信して励磁電源17の出力をフィードバック制
御している。このように励磁電源17より電磁石コイル
16に電流を流すことにより、ターゲット20上に閉ル
ープ磁力線(図示せず)を発生させることができる。
【0033】真空容器1内にガス導入制御系21によ
り、スパッタガス(例えば、Arガス、N2 ガスまたは
これらの混合ガス)を真空計22で制御しながら導入す
る。そして真空容器1内の圧力を10-2Pa〜10-1
a程度に保ちながら、磁場印加したカソード部11に負
電圧を印加すると真空容器1内に直流スパッタ放電が確
認できる。
【0034】図2は本発明の第2の実施例によるスパッ
タ装置の正面断面図である。このスパッタ装置は、高周
波スパッタ放電を行うものであって、図2に示すように
カソード部11に接続する高周波電源部の構成が異な
る。しかし、その他の構成は図1と同等な構成である。
高周波電源23はインピーダンス調整器24を介してカ
ソード部11のボディに接続されている。また、カソー
ド部11のボディには、ローパスフィルタ25を介して
セルフバイアス電圧検出装置26を接続し、さらに電磁
石コイル電流制御装置14に接続してセルフバイアス電
圧の信号を送信している。ここで、ローパスフィルタ2
5はCとLの回路で構成している。
【0035】このようにセルフバイアス電圧検出装置1
3の信号を電磁石コイル電流制御装置14に送信して電
磁石コイル電源17の出力をフィードバック制御しなが
ら、ターゲット上の閉ループ磁場強度を制御している。
【0036】次に、カソード部11として図5のカソー
ド部を用いた場合の図1の直流スパッタ方式のスパッタ
装置のスパッタ制御方法について説明する。
【0037】前述の通り、図5のカソード部は、ターゲ
ット上に閉ループの磁力線を形成するカソード内に配置
された第1の磁石が電磁石27´であり、第1の磁石が
形成する磁力線をターゲットの中心へ閉じ込める第2の
磁石が円環型の永久磁石32で構成されている。
【0038】励磁電源17から供給される電磁石コイル
電流を4Aに調整し、カソード部11に直流電源12か
ら−1kV程度の電圧を印加する。このとき真空容器1
内に例えばArガスを導入すると、1×10-1Pa程度
でスパッタ放電が開始する。真空容器1内の圧力をその
まま一定に保ち、直流電源12のカソード部11への投
入電力を例えば500Wに設定すると、直流電圧検出装
置13に印加電圧として−500Vが表示される。
【0039】この時の真空容器1内圧力及び直流電源1
2のカソード部11への投入電力を保ったままで、本発
明の制御方法により、まず電磁石コイル励磁電流を設定
する。第1の磁石である電磁石コイル16に接続された
励磁電源17からの電磁石コイル電流を電磁石コイル電
流制御装置14により増減させて、直流電圧検出装置1
3に表示される印加電圧値が最小となるような電磁石コ
イル電流値を探す。本実施例では、電磁石コイル電流値
を3Aとした時に印加電圧値が最小(−450V)にな
った。
【0040】次にその最小印加電圧値を得る電磁石コイ
ル電流値(3A)を維持したまま、直流電源12のカソ
ード部11への投入電力を成膜条件である700Wに変
更する。その後、図示されない圧力調整機構によって真
空容器1内圧力を成膜時の圧力、例えば4×10-2Pa
の低圧力まで下げる。この放電条件の変更、すなわち投
入電力とスパッタ圧力の変更は、ともに印加電圧を増加
させる。本実施例では投入電力の変更により−550V
が表示され、さらに圧力を低下させるとともに徐々に増
加して−750Vで安定化した。この成膜条件変更後に
放電が安定したところで測定された印加電圧値が重要と
なる。
【0041】放電が安定し、基板への成膜を行うことに
よって、ターゲットへの累積放電時間が長くなると、そ
れに伴いターゲット表面の侵食深さが増加して印加電圧
値が減少する傾向を示す。その場合に、電磁石コイル電
流制御装置14により、電磁石コイル電流を減少させ
て、印加電圧値を測定で得た値(本実施例では−750
V)一定に保っている。
【0042】図3は、このスパッタ制御方法による、電
磁石コイル電流値の推移を表したグラフである。本実施
例では3Aから徐々に減少し、約6時間後に2Aになっ
た。
【0043】このように、本発明のスパッタ制御方法で
は、第1に、低圧力で放電を維持できる最適な電磁石コ
イル電流値を探索し、低圧力放電に必要な最適ターゲッ
ト表面の磁場形状・強度を形成する。
【0044】第2に、最適な電磁石コイル電流値を固定
して、所望の成膜条件を設定する。そしてその時の印加
電圧値を測定しておく。
【0045】最後に、投入電力を変更すること無く放電
を持続し、測定で得た印加電圧値を保ち続けるよう電磁
石コイル電流を制御して、低圧力で長時間安定放電し続
けるのである。
【0046】さらに、カソード部11として図6のカソ
ード部を用いた場合の図1の直流スパッタ方式のスパッ
タ装置のスパッタ制御方法について説明する。
【0047】前述の通り、図6のカソード部は、ターゲ
ット上に閉ループの磁力線を形成するカソード内に配置
された第1の磁石が永久磁石35であり、第1の磁石が
形成する磁力線をターゲットの中心へ閉じ込める第2の
磁石が円環型の電磁石36で構成されている。
【0048】励磁電源17から供給される電磁石コイル
電流を1Aに調整し、カソード部11に直流電源12か
ら−1kV程度の電圧を印加する。このとき真空容器1
内に例えばArガスを導入すると、1×10-1Pa程度
でスパッタ放電が開始する。真空容器1内の圧力をその
まま一定に保ち、直流電源12のカソード部11への投
入電力を例えば500Wに設定すると、直流電圧検出装
置13に印加電圧値として−500Vが表示される。
【0049】この時の真空容器1内圧力及び直流電源1
2のカソード部11への投入電力を保ったままで、本発
明の制御方法により、まず電磁石コイル励磁電流を設定
する。第2の磁石である電磁石コイル36(図6)に接
続された励磁電源17からの電磁石コイル電流を電磁石
コイル電流制御装置14により増減させて、直流電圧検
出装置13に表示される印加電圧値が最小値となるよう
な電磁石コイル電流値を探す。本実施例では、電磁石コ
イル電流値を0.43Aとした時に印加電圧値が最小
(−450V)になった。
【0050】次にその最小印加電圧値を得る電磁石コイ
ル電流値(0.43A)を維持したまま、直流電源12
のカソード部11への投入電力を成膜条件である700
Wに変更する。その後、図示されない圧力調整機構によ
って真空容器1内圧力を成膜時の圧力、例えば4×10
-2Paの低圧力まで下げる。この放電条件の変更、すな
わち投入電力とスパッタ圧力の変更は、ともに印加電圧
値を増加させる。本実施例では投入電力の変更により−
550Vが表示され、さらに圧力を低下させるとともに
徐々に増加して−750Vで安定化した。この成膜条件
変更後に放電が安定したところで測定された印加電圧値
が重要となる。
【0051】放電が安定し、基板への成膜を行うことに
よって、ターゲットへの累積放電時間が長くなると、そ
れに伴いターゲット表面の侵食深さが増加して前記印加
電圧値が減少する傾向を示す。その場合に、電磁石コイ
ル電流制御装置14により、電磁石コイル電流を増加さ
せて、印加電圧値を測定で得た値(本実施例では−75
0V)一定に保っている。
【0052】この例では、カソード部の内部の第1の磁
石は永久磁石なので磁場形状や磁場強度を変化させるこ
とができない。しかし、ターゲット上の磁場形状及び磁
場強度は、カソードボディ内にある永久磁石による磁場
と、カソードの周囲にある電磁石による磁場との合成で
ある。しかも、ターゲット中心部では、永久磁石による
磁場と電磁石による磁場とは逆向きになっている。従っ
て、ターゲット表面の侵食深さが増加して、永久磁石に
よるターゲット上の磁場強度が増加した場合には、カソ
ードの周囲にある電磁石による磁場を強くすることによ
り補正できる。
【0053】図4は、この制御方法による、電磁石コイ
ル電流値の推移を表したグラフである。本実施例では
0.43Aから徐々に増加し、約6時間後に1Aになっ
た。
【0054】カソード部11として図7のカソード部を
用いた場合の図1の直流スパッタ方式のスパッタ装置の
スパッタ制御方法も、上述と同様に行われ、この場合
も、図4に示すように、電磁石コイル電流値は0.43
Aから徐々に増加し、約6時間後に1Aになる。
【0055】このように、本発明の制御方法では、第1
に、低圧力で放電を維持できる最適な電磁石コイル電流
値を探索し、低圧力放電に必要な最適ターゲット表面の
磁場形状・強度を形成する。
【0056】第2に、最適な電磁石コイル電流値を固定
して、所望の成膜条件を設定する。そしてその時の印加
電圧を測定しておく。
【0057】最後に、投入電力を変更すること無く放電
を持続し、測定で得た印加電圧値を保ち続けるよう電磁
石コイル電流を制御して、低圧力で長時間安定放電し続
けるのである。
【0058】さらに、カソード部11として図5のカソ
ード部を用いた場合の図2の高周波スパッタ方式のスパ
ッタ装置のスパッタ制御方法について説明する。
【0059】前述の通り、図5のカソード部は、ターゲ
ット上に閉ループの磁力線を形成するカソード内に配置
された第1の磁石が電磁石27´であり、第1の磁石が
形成する磁力線をターゲットの中心へ閉じ込める第2の
磁石が円環型の永久磁石32で構成されている。
【0060】励磁電源17から供給される電磁石コイル
電流を4Aに調整し、カソード部11に高周波電源23
から例えば300Wの高周波電力を投入する。このとき
真空容器1内に例えばArガスを導入すると、1×10
-1Pa程度でスパッタ放電が開始する。真空容器1内の
圧力をそのまま一定に保ち、セルフバイアス電圧検出装
置26にセルフバイアス電圧として−500Vが表示さ
れる。
【0061】この時の真空容器1内圧力及び高周波電源
23のカソード部11への投入電力を保ったままで、本
発明の制御方法により、まず電磁石コイル励磁電流を設
定する。第1の磁石である電磁石コイル16に接続され
た励磁電源17からの電磁石コイル電流を電磁石コイル
電流制御装置14により増減させて、セルフバイアス電
圧検出装置26に表示されるセルフバイアス電圧値が最
小値となるような電磁石コイル電流値を探す。本実施例
では、電磁石コイル電流値を3Aとした時にセルフバイ
アス電圧値が最小(−470V)になった。
【0062】次にその最小セルフバイアス電圧値を得る
電磁石コイル電流値(3A)を維持したまま、高周波電
源23のカソード部11への投入電力を成膜条件である
500Wに変更する。その後、図示されない圧力調整機
構によって真空容器1内圧力を成膜時の圧力、例えば4
×10-2Paの低圧力まで下げる。この放電条件の変
更、すなわち投入電力とスパッタ圧力の変更は、ともに
セルフバイアス電圧値を増加させる。本実施例では投入
電力の変更により−550Vが表示され、さらに圧力を
低下させるとともに徐々に増加して−750Vで安定化
した。この成膜条件変更後に放電が安定したところで測
定されたセルフバイアス電圧値が重要となる。
【0063】放電が安定し、基板への成膜を行うことに
よって、ターゲットへの累積放電時間が長くなると、そ
れに伴いターゲット表面の侵食深さが増加して前記セル
フバイアス電圧値が減少する傾向を示す。その場合に、
電磁石コイル電流制御装置14により、電磁石コイル電
流を減少させて、セルフバイアス電圧値を測定で得た値
(本実施例では−750V)一定に保っている。本実施
例では電磁石コイル電流値は3Aから徐々に減少し、約
6時間後に2Aになった。
【0064】このように、本発明の制御方法では、第1
に、低圧力で放電を維持できる最適な電磁石コイル電流
値を探索し、低圧力放電に必要な最適ターゲット表面の
磁場形状・強度を形成する。
【0065】第2に、最適な電磁石コイル電流値を固定
して、所望の成膜条件を設定する。そしてその時のセル
フバイアス電圧値を測定しておく。
【0066】最後に、投入電力を変更すること無く放電
を持続し、測定で得たセルフバイアス電圧値を保ち続け
るよう電磁石コイル電流を制御して、低圧力で長時間安
定放電し続けるのである。
【0067】さらに、カソード部11として図6のカソ
ード部を用いた場合の図2の高周波スパッタ方式のスパ
ッタ装置のスパッタ制御方法について説明する。
【0068】前述の通り、図6のカソード部は、ターゲ
ット上に閉ループの磁力線を形成するカソード内に配置
された第1の磁石が永久磁石35であり、第1の磁石が
形成する磁力線をターゲットの中心へ閉じ込める第2の
磁石が円環型の電磁石36で構成されている。
【0069】励磁電源17から供給される電磁石コイル
電流を1Aに調整し、カソード部11に高周波電源23
から300Wの高周波電力を投入する。このとき真空容
器1内に例えばArガスを導入すると、1×10-1Pa
程度でスパッタ放電が開始する。真空容器内の圧力をそ
のまま一定に保ち、セルフバイアス電圧検出装置26に
セルフバイアス電圧値として−500Vが表示される。
【0070】この時の真空容器1内圧力及び高周波電源
23のカソード部11への投入電力を保ったままで、本
発明の制御方法により、まず電磁石コイル励磁電流を設
定する。第2の磁石である電磁石コイル36(図6)に
接続された励磁電源17からの電磁石コイル電流を電磁
石コイル電流制御装置14により増減させて、セルフバ
イアス電圧値が最小となるような電磁石コイル電流値を
探す。本実施例では、電磁石コイル電流値が0.43A
とした時にセルフバイアス電圧値が最小(−470V)
になった。
【0071】次にその最小セルフバイアス電圧値を得る
電磁石コイル電流値(0.43A)を維持したまま、高
周波電源23のカソード部11への投入電力を成膜条件
である500Wに変更する。その後、図示されない圧力
調整機構によって真空容器1内圧力を成膜時の圧力、例
えば4×10-2Paの低圧力まで下げる。この放電条件
の変更、すなわち投入電力とスパッタ圧力の変更は、と
もにセルフバイアス電圧を増加させる。本実施例では投
入電力の変更により−550Vが表示され、さらに圧力
を低下させるとともに徐々に増加して−750Vで安定
化した。この成膜条件変更後に放電が安定したところで
測定されたセルフバイアス電圧値が重要となる。
【0072】放電が安定し、基板への成膜を行うことに
よって、ターゲットへの累積放電時間が長くなると、そ
れに伴いターゲット表面の侵食深さが増加して前記セル
フバイアス電圧値が減少する傾向を示す。その場合に、
電磁石コイル電流制御装置14により、電磁石コイル電
流を増加させて、セルフバイアス電圧値を測定で得た値
(本実施例では−750V)一定に保っている。これに
より、本実施例では電磁石コイル電流値は0.43Aか
ら徐々に増加し、約6時間後に1Aになった。
【0073】このように、本発明の制御方法では、第1
に、低圧力で放電を維持できる最適な電磁石コイル電流
値を探索し、低圧力放電に必要な最適ターゲット表面の
磁場形状・強度を形成する。
【0074】第2に、最適な電磁石コイル電流値を固定
して、所望の成膜条件を設定する。そしてその時のセル
フバイアス電圧値を測定しておく。
【0075】最後に、投入電力を変更すること無く放電
を持続し、測定で得たセルフバイアス電圧値を保ち続け
るよう電磁石コイル電流を制御して、低圧力で長時間安
定放電し続けるのである。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、1
-2Pa以下の低圧力放電を長時間安定に持続させるこ
とができる、信頼性の高いスパッタ装置を得ることがで
きる。
【0077】更に本発明によれば、10-2Pa以下の低
圧力放電を長時間安定に持続させることができるスパッ
タ制御方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるスパッタ装置(直
流スパッタ装置)の正面断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例によるスパッタ装置(高
周波スパッタ装置)の正面断面図である。
【図3】カソード部として図5のカソード部を用いた場
合の図1の直流スパッタ方式のスパッタ装置の印加電圧
及び電磁石コイル電流値の推移を表したグラフである。
【図4】カソード部11として図6及び図7のカソード
部を用いた場合の図1の直流スパッタ方式のスパッタ装
置の印加電圧及び電磁石コイル電流値の推移を表したグ
ラフである。
【図5】本発明にて用いられるカソード部の一例を示す
図である。
【図6】本発明にて用いられるカソード部のもう一つの
例を示す図である。
【図7】本発明にて用いられるカソード部の更にもう一
つの例を示す図である。
【図8】ターゲット厚みの変化とターゲット表面の平行
磁場強度の変化を示すグラフである。
【図9】図5のカソード部を用いた場合の放電維持最低
圧力−電磁石コイル電流特性を示すグラフである。
【図10】図5のカソード部を用いた場合の印加電圧
(放電維持最低圧力時)−電磁石コイル電流特性を示す
グラフである。
【図11】図5のカソード部を用いた場合のターゲット
表面の平行磁場強度−電磁石コイル電流特性を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 真空容器 7 基板 8 基板ホルダー 11 カソード部 12 直流電源 13 直流電圧検出装置 14 電磁石コイル電流制御装置 16 電磁石コイル 17 励磁電源 20 ターゲット 23 高周波電源 24 インピーダンス調整器 25 ローパスフィルタ 26 セルフバイアス電圧検出装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターゲットを載置するカソードと、前記
    カソード内に配置され前記ターゲット上に閉ループの磁
    力線を形成する電磁石コイルからなる第1の磁石と、前
    記カソードの周囲に配置され前記第1の磁石が形成する
    磁力線を前記ターゲットの中心へ閉じ込める永久磁石か
    らなる第2の磁石と、前記電磁石コイルを励磁させるた
    めの電磁石コイル電流を前記電磁石コイルに供給する励
    磁電源と、前記ターゲットに直流電力を印加する直流電
    源とを備えたマグネトロンスパッタリング方式の低圧力
    放電スパッタ装置において、前記ターゲットに印加され
    た直流電圧を印加電圧として検出する直流電圧検出装置
    と、前記直流電圧検出装置と前記励磁電源とに接続さ
    れ、前記印加電圧が一定になるように前記電磁石コイル
    電流を制御する電磁石コイル電流制御装置とを有するこ
    とを特徴とする低圧力放電スパッタ装置。
  2. 【請求項2】 ターゲットを載置するカソードと、前記
    カソード内に配置され前記ターゲット上に閉ループの磁
    力線を形成する永久磁石からなる第1の磁石と、前記カ
    ソードの周囲に配置され前記第1の磁石が形成する磁力
    線を前記ターゲットの中心へ閉じ込める電磁石コイルか
    らなる第2の磁石と、前記電磁石コイルを励磁させるた
    めの電磁石コイル電流を前記電磁石コイルに供給する励
    磁電源と、前記ターゲットに直流電力を印加する直流電
    源とを備えたマグネトロンスパッタリング方式の低圧力
    放電スパッタ装置において、前記ターゲットに印加され
    た直流電圧を印加電圧として検出する直流電圧検出装置
    と、前記直流電圧検出装置と前記励磁電源とに接続さ
    れ、前記印加電圧が一定になるように前記電磁石コイル
    電流を制御する電磁石コイル電流制御装置とを有するこ
    とを特徴とする低圧力放電スパッタ装置。
  3. 【請求項3】 ターゲットを載置するカソードと、前記
    カソード内に配置され前記ターゲット上に閉ループの磁
    力線を形成する電磁石コイルからなる第1の磁石と、前
    記カソードの周囲に配置され前記第1の磁石が形成する
    磁力線を前記ターゲットの中心へ閉じ込める永久磁石か
    らなる第2の磁石と、前記電磁石コイルを励磁させるた
    めの電磁石コイル電流を前記電磁石コイルに供給する励
    磁電源と、前記ターゲットに高周波電力を印加する高周
    波電源とを備えたマグネトロンスパッタリング方式の低
    圧力放電スパッタ装置において、前記ターゲットに印加
    される前記高周波電力によって前記ターゲットに誘起さ
    れるセルフバイアス電圧を検出するセルフバイアス電圧
    検出装置と、前記セルフバイアス電圧検出装置と前記励
    磁電源とに接続され、前記セルフバイアス電圧が一定に
    なるように前記電磁石コイル電流を制御する電磁石コイ
    ル電流制御装置とを有することを特徴とする低圧力放電
    スパッタ装置。
  4. 【請求項4】 ターゲットを載置するカソードと、前記
    カソード内に配置され前記ターゲット上に閉ループの磁
    力線を形成する永久磁石からなる第1の磁石と、前記カ
    ソードの周囲に配置され前記第1の磁石が形成する磁力
    線を前記ターゲットの中心へ閉じ込める電磁石コイルか
    らなる第2の磁石と、前記電磁石コイルを励磁させるた
    めの電磁石コイル電流を前記電磁石コイルに供給する励
    磁電源と、前記ターゲットに高周波電力を印加する高周
    波電源とを備えたマグネトロンスパッタリング方式の低
    圧力放電スパッタ装置において、前記ターゲットに印加
    される前記高周波電力によって前記ターゲットに誘起さ
    れるセルフバイアス電圧を検出するセルフバイアス電圧
    検出装置と、前記セルフバイアス電圧検出装置と前記励
    磁電源とに接続され、前記セルフバイアス電圧が一定に
    なるように前記電磁石コイル電流を制御する電磁石コイ
    ル電流制御装置とを有することを特徴とする低圧力放電
    スパッタ装置。
  5. 【請求項5】 ターゲットを載置するカソードと、前記
    カソード内に配置され前記ターゲット上に閉ループの磁
    力線を形成する第1の磁石と、前記カソードの周囲に配
    置され前記第1の磁石が形成する磁力線を前記ターゲッ
    トの中心へ閉じ込める第2の磁石とを備え、前記第1及
    び前記第2の磁石のうちどちらか一方が電磁石コイルか
    らなり、前記電磁石コイルを励磁させるための電磁石コ
    イル電流を前記電磁石コイルに供給する励磁電源と、前
    記ターゲットに直流電力を印加する直流電源とを更に備
    え、前記ターゲットに前記直流電力を印加して、前記タ
    ーゲットと基板との間に放電を立て、前記ターゲットを
    スパッタするマグネトロンスパッタリング方式の低圧力
    放電スパッタ装置に用いられるスパッタ制御方法におい
    て、第1に、前記ターゲットと前記基板との間に放電を
    立て、その放電が安定したところで前記ターゲットと前
    記基板との間の圧力及び前記直流電源の前記直流電力を
    一時的に固定して、その条件下で前記ターゲットに印加
    された直流電圧値が最低になるように、前記励磁電源を
    制御して前記電磁石コイル電流を設定し、第2に、この
    設定された前記電磁石コイル電流を維持したまま前記圧
    力及び前記直流電源の前記直流電力を変更して成膜条件
    による放電を開始し、この放電が安定したところで前記
    ターゲットに印加された直流電圧値を測定し、第3に、
    前記ターゲットに印加される直流電圧値が、前記ターゲ
    ットの消費に関わらず、前記測定された直流電圧値に維
    持されるように、前記励磁電源の前記電磁石コイル電流
    を制御することを特徴とするスパッタ制御方法。
  6. 【請求項6】 ターゲットを載置するカソードと、前記
    カソード内に配置され前記ターゲット上に閉ループの磁
    力線を形成する第1の磁石と、前記カソードの周囲に配
    置され前記第1の磁石が形成する磁力線を前記ターゲッ
    トの中心へ閉じ込める第2の磁石とを備え、前記第1及
    び前記第2の磁石のうちどちらか一方が電磁石コイルか
    らなり、前記電磁石コイルを励磁させるための電磁石コ
    イル電流を前記電磁石コイルに供給する励磁電源と、前
    記ターゲットに高周波電力を印加する高周波電源とを更
    に備え、前記ターゲットに前記高周波電力を印加して、
    前記ターゲットと基板との間に放電を立て、前記ターゲ
    ットをスパッタするマグネトロンスパッタリング方式の
    低圧力放電スパッタ装置に用いられるスパッタ制御方法
    において、第1に、前記ターゲットと前記基板との間に
    放電を立て、その放電が安定したところで前記ターゲッ
    トと前記基板との間の圧力及び前記高周波電源の前記高
    周波電力を一時的に固定して、その条件下で前記ターゲ
    ットに印加された高周波電力によって前記ターゲットに
    誘起されるセルフバイアス電圧値が最低になるように、
    前記励磁電源を制御して前記電磁石コイル電流を設定
    し、第2に、この設定された前記電磁石コイル電流を維
    持したまま前記圧力及び前記高周波電源の前記高周波電
    力を変更して成膜条件による放電を開始し、この放電が
    安定したところで前記ターゲットに誘起されたセルフバ
    イアス電圧値を測定し、第3に、前記ターゲットに誘起
    されるセルフバイアス電圧値が、前記ターゲットの消費
    に関わらず、前記測定されたセルフバイアス電圧値に維
    持されるように、前記励磁電源の前記電磁石コイル電流
    を制御することを特徴とするスパッタ制御方法。
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