JPH1088126A - 蓄光性焼結蛍光体及びその製造方法 - Google Patents

蓄光性焼結蛍光体及びその製造方法

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JPH1088126A
JPH1088126A JP24641796A JP24641796A JPH1088126A JP H1088126 A JPH1088126 A JP H1088126A JP 24641796 A JP24641796 A JP 24641796A JP 24641796 A JP24641796 A JP 24641796A JP H1088126 A JPH1088126 A JP H1088126A
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phosphor
oxide
phosphorescent
sintered
firing
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JP24641796A
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Kyota Ueda
恭太 上田
Takuya Maruyama
卓也 丸山
Hirotane Takizawa
博胤 滝沢
Tadashi Endo
忠 遠藤
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Kasei Optonix Ltd
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Kasei Optonix Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄光特性を有し、色純度の良い緑色発光を有
し、更に化学的に安定で耐侯性に優れた蓄光性焼結蛍光
体及びその製造方法を提供しようとするものである。 【解決手段】 蛍光体原料を加圧成形し、焼結してな
る、組成式(Zn1-x-y MgxMny )O・n(Ga1-z Alz ) 2O3
で表される蓄光性ガリウム酸塩焼結蛍光体。(ただし、
組成式中のx,y,z及びnは下記の条件を満たす数値
である。 0 ≦x≦1.0 、1 ×10-5≦y≦ 1×10-1、 0≦z≦1.0
、0.95≦n≦1.05)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、屋内、屋外、さら
には水中などの暗所における表示や光源として利用する
ことができ、耐侯性に優れ、長残光性を有し、紫外線の
励起によって緑色発光を呈する蓄光性マンガン付活ガリ
ウム酸塩焼結蛍光体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蓄光性蛍光体は、蛍光体に何らかの励起
を与えて発光させ、励起を停止した後も発光を持続する
蛍光体である。ところで、最近は、表示の多様化、高機
能化に伴い、蓄光性蛍光体の多色化、長残光化及び耐侯
性改良が求められているが、従来の蓄光性蛍光体は、発
光や残光の色の種類が限定され、かつ、耐侯性が悪く、
残光時間が短いものであった。
【0003】例えば、青色発光蓄光性蛍光体としては、
(Ca,Sr)S:Bi蛍光体、黄緑色発光蓄光性蛍光
体としては、ZnS:Cu蛍光体、赤色発光蓄光性蛍光
体としては(Zn,Cd)S:Cu蛍光体等が知られて
いる。
【0004】しかし、上記(Ca,Sr)S:Bi蛍光
体は、母体の化学安定性が極めて悪く、また、輝度及び
残光特性も十分でないため、現在ではほとんど使用され
ていない。また、(Zn,Cd)S:Cu蛍光体は、毒
性物質であるCdが母体の半分ほどを占めており、輝度
及び残光特性も満足できないため、これも現在ではほと
んど使用されていない。一方、ZnS:Cuは安価なこ
ともあり、時計の文字盤や避難誘導標識など屋内用に多
用されているが、湿気が存在すると紫外線により分解
し、黒化し易く、残光特性も十分でないなどの欠点があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の欠点を解消し、蓄光特性を有し、色純度の良い緑色
発光を有し、さらに化学的に安定で耐侯性に優れた蓄光
性焼結蛍光体及びその製造方法を提供しようとするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の蓄
光性蛍光体の有する欠点を解消するため、特に酸化物系
の蛍光体について鋭意検討の結果、Mnで付活した特定
組成の(Mg,Zn)O−(Ga,Al)2 3 ガリウ
ム酸塩系の粉末蛍光体が、加圧成形、焼結化することに
よって、従来の粉末蛍光体では得られない蓄光性を有す
ることを見出し、本発明を完成することができた。
【0007】ガリウムアルミン酸塩系の粉末蛍光体は、
H.W.Leverenz“An Introduction toLuminescence of So
lids," John Wiley & Sons Inc. New York (1959)やJ.
J.Brown,“ J. Electrochem. Soc. ”p.114,245 (1967)
に記載されているが、これらのガリウムアルミン酸塩系
の粉末蛍光体は紫外線で励起すると、極めて色純度の良
い緑色発光を示すものの、蓄光性が全く無い。
【0008】ところが、本発明者等が、このガリウムア
ルミン酸塩系の蛍光体原料を加圧成形して焼成したとこ
ろ、蓄光性が表れ、色純度の良い緑色発光を有し、かつ
化学的に安定で耐侯性に優れていることを見出した。即
ち、本発明は、下記の構成からなる緑色発光を呈する蓄
光性焼結蛍光体及びその製造方法である。
【0009】(1) Mn付活ガリウム酸塩からなる蓄光性
蛍光体において、蛍光体原料を加圧成形し、焼結してな
る、組成式(Zn1-x-y Mgx Mny )O・n(Ga
1-z Alz 2 3 で表される蓄光性Mn付活ガリウム
酸塩焼結蛍光体。(ただし、組成式中のx,y,z及び
nは下記の条件を満たす数値である。 0 ≦x≦ 1.0 1×10-5 ≦y≦ 1×10-1 0 ≦z≦ 1.0 0.95 ≦n≦ 1.05)
【0010】(2) 上記蛍光体の密度が4.0〜6.1g
/cm3 の範囲にあることを特徴とする上記(1) 記載の
蓄光性Mn付活ガリウム酸塩焼結蛍光体の製造方法。
【0011】(3) Zn酸化物又は焼成によりZn酸化
物に代わり得るZn化合物、Mg酸化物又は焼成によ
りMg酸化物に代わり得るMg化合物、Ga酸化物又
は焼成によりGa酸化物に代わり得るGa化合物、A
l酸化物又は焼成によりAl酸化物に代わり得るAl化
合物及びMn酸化物又は焼成によりMn酸化物に代わ
り得るMn化合物を含む化合物を蛍光体原料として用
い、これらの蛍光体原料を化学量論的に組成式(Zn
1-x-y Mgx Mny )O・n(Ga1-z Alz 23
で表される割合で混合し、加圧成形して焼成するか、又
は、上記蛍光体原料を焼成し、粉砕して粉末蛍光体を生
成した後、該粉末蛍光体を加圧成形し、再度焼成するこ
とを特徴とする蓄光性Mn付活ガリウム酸塩焼結蛍光体
の製造方法。(ただし、組成式中のx,y,z及びnは
下記の条件を満たす数値である。 0 ≦x≦ 1.0 1×10-5 ≦y≦ 1×10-1 0 ≦z≦ 1.0 0.95 ≦n≦ 1.05)
【0012】(4) 上記蛍光体原料、又は上記粉末蛍光体
を1〜5000kg/cm2 で加圧成形することを特徴
とする上記(3) 記載の蓄光性Mn付活ガリウム酸塩焼結
蛍光体の製造方法。
【0013】
【発明の実施の態様】本発明の蓄光性焼結蛍光体は、次
のようにして製造される。蛍光体原料としては、Zn,
Mg,Ga,Al及びMnの酸化物、焼成によりZn酸
化物に代わり得る炭酸塩、硝酸塩、塩化物などを挙げる
ことができる。
【0014】これらの蛍光体原料を化学量論的に組成式
(Zn1-x-y Mgx Mny )O・n(Ga1-z Alz
2 3 で表される割合で混合する。また、その際、融剤
としてアルカリ金属又はアルカリ金属塩、本発明蛍光体
の母体を構成する元素又は付活剤を構成する元素のアン
モニウム塩又はハロゲン化合物を若干添加してもよい。
蛍光体原料の混合は、乾式で混合してもよいし、アルコ
−ル、水等を混ぜてペ−スト状にして湿式で混合しても
よい。
【0015】蛍光体原料を十分に混合した後、湿式混合
の場合はさらに乾燥した後、混合物を1〜5000kg
/cm2 の範囲、好ましくは500〜3000kg/c
2の範囲の圧力で加圧成形し、その成形物をアルミナ
ルツボ等の耐熱容器に充填し、水素含有中性ガス又はC
Oxガス等の還元性雰囲気、若しくは、アルゴンガスや
窒素ガス等の不活性ガス雰囲気の下で800〜1600
℃で1〜24時間で1回以上、好ましくは1100〜1
500℃で1〜24時間で1回以上焼成する。
【0016】加圧成形は、錠剤成形機等を用いて、原料
に対して一定の圧力が均一にかかるようにプレスする方
法で行う。焼成は、これを繰り返して行うときには、最
初は空気中で焼成してもよいが、最後の焼成工程は必ず
還元性雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で行う。また、予
め粉末蛍光体を合成し、その後、上記条件で加圧して焼
成してもよい。そして、焼成を一度行う場合も、繰り返
して焼成す場合も、最終的な焼成物の密度が4.0〜
6.1g/cm3 の範囲、好ましくは4.5〜6.0の
範囲にあるときに特に蓄光性が優れていた。
【0017】焼結後の蛍光体は、粉砕し、洗浄し、乾燥
し、篩分して種々の用途に供せられる。このようにして
得た本発明の蓄光性焼結蛍光体は、極めて長い緑色の残
光特性を有し、化学的に安定で耐侯性に優れている。
【0018】本発明にかかるMn付活ガリウム酸塩から
なる蓄光性焼結蛍光体の組成は、組成式(Zn1-x-y
x Mny )O・n(Ga1-z Alz 2 3 で表すこ
とができ、高効率の蓄光性を確保するために、(Zn
1-x-y Mgx Mny )Oと(Ga1-z Alz 2 3
の比(n)を、0.95≦n≦1.05の範囲、好まし
くは0.97≦n≦1.02の範囲で選択することが望
ましい。nが0.95≦n≦1.05の範囲を外れる
と、目的以外の化合物が生成したり、未反応の原料酸化
物が残存するためと思われるが、発光輝度及び残光特性
が低下する。
【0019】ZnをMgに置換するモル数(x)は、発
光輝度の点から、0≦x≦1.0、好ましくは0≦x≦
0.6の範囲が適している。
【0020】また、GaをAlに置換するモル数(z)
は、0≦z≦1.0、好ましは0≦z≦0.2の範囲が
適している。
【0021】他方、付活剤であるMnの配合量y(モル
数)は、1×10-5≦y≦1×10 -1、好ましくは1×
10-4≦y≦5×10-2の範囲が適しており、1×10
-5未満では発光センタ−が少なくなり、十分な発光輝度
が得られない。また、1×10-1を越えると濃度消光を
起こすとともに、目的以外の化合物が出来るためか、や
はり発光輝度が低下すると共に残光特性も低下するので
好ましくない。
【0022】図1の曲線a,b,cは、実施例1で製造
された蓄光性焼結蛍光体Zn0.999Ga2 4 :Mn
0.001 、実施例2で製造された蓄光性焼結蛍光体Zn
0.599 Mg0.4 Ga2 4 :Mn0.001 、実施例3で製
造された蓄光性焼結蛍光体Zn0. 999 Ga1.95Al0.05
4 :Mn0.001 に対し、254nmの紫外線で励起し
たときの発光スペクトルを示したもので、各蓄光性焼結
蛍光体の発光ピーク波長はそれぞれ503nm、506
nm及び504nmであった。
【0023】図2は、実施例1〜3の蓄光性焼結蛍光体
を用いて、励起スペクトルを測定して示したものであ
る。励起スペクトルの測定は、分光光度計の出力側の分
光波長を蓄光性焼結蛍光体の発光波長である503nm
に固定し、試料に照射する光の励起波長を変化させた時
の、蓄光性焼結蛍光体の506nm(出力光)の発光強
度をプロットしたもので、縦軸は504nmの相対発光
強度、横軸は照射する励起光の波長を意味する。なお、
この蓄光性焼結蛍光体組成が、請求項1に記載の範囲で
変化しても、その発光スペクトルは図1に示した発光ス
ペクトルとほぼ同様であり、また、その励起スペクトル
も図2に示した励起スペクトルとほぼ同様の励起スペク
トルを示した。
【0024】図3は、実施例1〜3の蓄光性焼結蛍光
体、比較例1の蓄光性粉末蛍光体Zn 0.99Ga2 4
Mn0.01、及び、比較例2の蓄光性粉末蛍光体ZnS:
Cu、それぞれに対して主発光波長365nmの紫外線
を発する紫外線ランプを用いて10分間照射し、照射停
止2分後の残光特性を測定しものであり、その測定方法
は、ランプを各蛍光体試料に照射し、ランプを切った後
の蛍光体の残光特性(ランプを切った後の経過時間とそ
の時の各蛍光体の刻々の発光強度との相関)を視感度フ
ィルター付き輝度計で時間と共に残光の発光輝度を測定
して求めるものである。
【0025】図3から明らかなように、発光スペクトル
ピーク波長503nmの蓄光性焼結蛍光体である実施例
1の蛍光体は、比較例1の蛍光体に比べて極めて顕著な
残光特性を有することが分かる。また、実施例2、3の
蓄光性焼成蛍光体も、実施例1の蓄光性焼結蛍光体と比
べてその発光色は異なるものの、従来の市販品に相当す
る比較例2のZnS:Cu黄緑色発光蛍光体に比べて優
れた残光特性を有していることが分かる。
【0026】本発明の蓄光性焼成蛍光体は、このように
極めて高輝度で、長残光性を示し、耐侯性にも優れ、か
つ、化学的に安定なため、従来のZnS系の蓄光性蛍光
体に比べて、広い用途への利用が可能である。例えば、
種々の物品の表面に塗布したり、プラスチックス、ゴ
ム、塩化ビニ−ル、合成樹脂又はガラス等に混合し、成
型体もしくは蛍光膜として、道路標識、視認表示、装飾
品、レジャー用品、時計、OA機器、教育機器、安全標
識及び建築材等に利用することができる。また、この蓄
光性焼成蛍光体を蛍光ランプの蛍光膜として用いるとき
には、残光性の優れた蛍光ランプとして使用することが
できる。
【0027】
【実施例】
〔実施例1〕 ZnO 2.36 g Ga2 3 5.54 g MnCO3 0.003g 上記の各原料に純水を加えてペ−スト状にし、充分に湿
式混合した後、これを乾燥し、1000Kg/cm2
圧力で混合原料を直径8mmの円盤状に加圧成形し、ル
ツボのアルミナとの反応を防止するため、ルツボの底に
白金板を敷いて加圧成形物を入れ、ルツボを電気炉にセ
ットしてアルゴンガスを炉内に通じ、1300℃で20
時間焼成し、焼結蛍光体を得た。
【0028】得られた焼結蛍光体は、Zn0.999 Ga2
4 :Mn0.001 組成を有し、これを254nm紫外線
で励起した時の発光スペクトルを測定したところ、図1
の曲線aの通りで、その発光スペクトルのピーク波長は
503nmの緑色発光蓄光性を有するものであった。ま
た、この焼結蛍光体の発光ピーク波長503nmを与え
るための励起スペクトルは、図2の曲線aのように可視
域まで広がっていた。さらに、この焼結蛍光体の残光
は、図3の曲線aに示すように長残光を示した。得られ
た焼結蛍光体の発光ピ−ク波長、残光特性値(励起光照
射停止2分後と60分後のそれぞれの発光強度を、Zn
S:Cu黄緑色発光蓄光蛍光体の発光強度を100%に
した場合の発光強度比)を表1に記載した。
【0029】〔実施例2〕 ZnO 1.41 g MgO 0.47 g Ga2 3 5.44 g MnCO3 0.003g NH4 Cl 0.15 g 上記の各原料に純水を加えてペ−スト状にし、充分に湿
式混合した後、これを乾燥し、1000Kg/cm2
圧力で混合原料を直径8mmの円盤状に加圧成形し、ル
ツボのアルミナとの反応を防止するため、ルツボの底に
白金板を敷いて加圧成形物を入れ、ルツボを電気炉にセ
ットして窒素ガスを炉内に通じ、1350℃で10時間
焼成し、焼結蛍光体を得た。
【0030】得られた焼結蛍光体は、Zn0.599 Mg
0.4 Ga2 4 :Mn0.001 組成を有し、これを254
nm紫外線で励起した時の発光スペクトルを測定したと
ころ、図1の曲線bの通りで、その発光スペクトルのピ
ーク波長は506nmの緑色発光蓄光性を有するもので
あった。また、この焼結蛍光体の発光ピーク波長を与え
るための励起スペクトルは、図2曲線bのように可視域
まで広がっていた。さらに、この焼結蛍光体の残光は、
図3曲線bに示すように長残光を示した。得られた焼結
蛍光体の発光ピ−ク波長、残光特性値(励起光照射停止
2分後と60分後のそれぞれの発光強度を、ZnS:C
u黄緑色発光蓄光蛍光体の発光強度を100%にした場
合の発光強度比)を表1に記載した。
【0031】〔実施例3〕 ZnO 2.36 g Ga2 3 5.30 g Al2 3 0.074g MnO2 0.002g 上記の各原料を充分に乾燥し、混合した後、2000k
g/cm2 の圧力で混合原料を直径8mmの円盤状に加
圧成形し、ルツボのアルミナとの反応を防止するため、
ルツボの底に白金板を敷いて加圧成形物を入れ、ルツボ
を電気炉にセットし、周囲をCOxガスによる雰囲気に
して1300℃で5時間焼成し焼結蛍光体を得た。
【0032】この蛍光体は、Zn0.999 Ga1.95Al
0.054 :Mn0.001 の組成を有し、これを254nm
紫外線で励起した時の発光スペクトルを測定したとこ
ろ、図1の曲線cの通りで、その発光スペクトルのピー
ク波長は504nmの緑色発光蓄光性を有するものであ
った。また、この焼結蛍光体の発光ピーク波長を与える
ための励起スペクトルは、図2曲線cのように可視域ま
で広がっていた。さらに、この焼結蛍光体の残光は、図
3曲線cに示すように長残光を示した。得られた焼結蛍
光体の発光ピ−ク波長、残光特性値(励起光照射停止2
分後と60分後のそれぞれの発光強度を、ZnS:Cu
黄緑色発光蓄光蛍光体の発光強度を100%にした場合
の発光強度比)を表1に記載した。
【0033】〔実施例4〕 ZnO 2.36 g Ga2 3 5.54 g MnCO3 0.003g 上記の各原料に純水を加えてペ−スト状にし、充分に湿
式混合した後、これを乾燥し、空気中、1300℃で5
時間焼成して、表1に示した組成を有する粉末蛍光体を
得た。
【0034】次に、この粉末蛍光体を1000kg/c
2 の圧力で直径8mmの円盤状に加圧成形し、ルツボ
のアルミナとの反応を防止するため、ルツボの底に白金
板を敷いて加圧成形物を入れ、ルツボを電気炉にセット
してアルゴンガスを通気しながら1300℃で20時間
焼成し、焼結蛍光体を得た。この焼結蛍光体の発光ピ−
ク波長、残光特性値(照射停止2分後と60分後のそれ
ぞれの発光強度を、ZnS:Cu黄緑色蓄光性蛍光体の
発光強度を100%にした場合の発光強度比)を表1に
記載した。
【0035】〔実施例5〕実施例4と同様の方法で、表
1に記載の組成(Zn0.799 Mg0.2 )Ga0.95Al
0.054 Mn0.001 を有する焼結蛍光体を得た。この焼
結蛍光体の発光ピ−ク波長、残光特性値(照射停止2分
後と60分後のそれぞれの発光強度を、ZnS:Cu黄
緑色蓄光性蛍光体の発光強度を100%にした場合の発
光強度比)を表1に記載した。
【0036】〔比較例1〜2〕実施例1において、加圧
成形工程を省略した以外は、実施例1と同様にして比較
例1のZn0.999 Ga2 4 :Mn0.001 粉末蛍光体を
得た。また、化成オプトニクス社製のZnS:Cu黄緑
色発光蓄光性蛍光体(LC-G1)を比較例2の螢光体とし
た。これらの蛍光体を254nmの紫外線で励起した時
の発光ピ−ク波長、残光特性値(照射停止2分後と60
分後のそれぞれの発光強度を、比較例2の、ZnS:C
u黄緑色発光蓄光性蛍光体を100%にした場合の発光
強度比)を表1に記載した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、化学的に安定で、市販のZnS系黄緑色発光蓄光
蛍光体と比較しても、高輝度ではるかに長い残光を示
す、緑色蓄光性焼結蛍光体を提供することができ、表示
の多色化多機能化に大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜3の蓄光性焼結蛍光体に254n
mの紫外線で励起したときの発光スペクトルを示した図
である。
【図2】 実施例1〜3の蓄光性焼結蛍光体の励起スペ
クトルを示した図である。
【図3】 実施例1〜3及び比較例1〜2の蛍光体に対
し、主発光波長365nmの紫外線を照射し、照射停止
2分後の残光による発光強度を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 忠 宮城県岩沼市相の原3丁目2−23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mn付活ガリウム酸塩からなる蓄光性蛍
    光体において、蛍光体原料を加圧成形し、焼結してな
    る、組成式(Zn1-x-y Mgx Mny )O・n(Ga
    1-z Alz 2 3 で表される蓄光性Mn付活ガリウム
    酸塩焼結蛍光体。(ただし、組成式中のx,y,z及び
    nは下記の条件を満たす数値である。 0 ≦x≦ 1.0 1×10-5 ≦y≦ 1×10-1 0 ≦z≦ 1.0 0.95 ≦n≦ 1.05)
  2. 【請求項2】 上記蛍光体の密度が4.0〜6.1g/
    cm3 の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の蓄
    光性Mn付活ガリウム酸塩焼結蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 Zn酸化物又は焼成によりZn酸化物
    に代わり得るZn化合物、Mg酸化物又は焼成により
    Mg酸化物に代わり得るMg化合物、Ga酸化物又は
    焼成によりGa酸化物に代わり得るGa化合物、Al
    酸化物又は焼成によりAl酸化物に代わり得るAl化合
    物、及びMn酸化物又は焼成によりMn酸化物に代わ
    り得るMn化合物を含む化合物を蛍光体原料として用
    い、これらの蛍光体原料を化学量論的に組成式(Zn
    1-x-y Mgx Mny )O・n(Ga 1-z Alz 2 3
    で表される割合で混合し、加圧成形して焼成するか、又
    は、上記蛍光体原料を焼成し、粉砕して粉末蛍光体を生
    成した後、該粉末蛍光体を加圧成形し、再度焼成するこ
    とを特徴とする蓄光性Mn付活ガリウム酸塩焼結蛍光体
    の製造方法。(ただし、組成式中のx,y,z及びnは
    下記の条件を満たす数値である。 0 ≦x≦ 1.0 1×10-5 ≦y≦ 1×10-1 0 ≦z≦ 1.0 0.95 ≦n≦ 1.05)
  4. 【請求項4】 上記蛍光体原料、又は、上記粉末蛍光体
    を1〜5000kg/cm2 で加圧成形することを特徴
    とする請求項3記載の蓄光性Mn付活ガリウム酸塩焼結
    蛍光体の製造方法。
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