JPH1087973A - 耐衝撃強度および耐溶剤性に優れた透明なポリエステル/ポリカーボネート組成物 - Google Patents

耐衝撃強度および耐溶剤性に優れた透明なポリエステル/ポリカーボネート組成物

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JPH1087973A
JPH1087973A JP26244196A JP26244196A JPH1087973A JP H1087973 A JPH1087973 A JP H1087973A JP 26244196 A JP26244196 A JP 26244196A JP 26244196 A JP26244196 A JP 26244196A JP H1087973 A JPH1087973 A JP H1087973A
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polyester
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acid
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JP26244196A
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Koji Nagai
孝司 長井
Akihiro Saito
明宏 斉藤
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
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GE Plastics Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐衝撃強度および耐溶剤性に優れた透明なポ
リエステル/ポリカーボネート組成物を提供すること。 【解決手段】 A)ポリカーボネートと、B)ポリエス
テルとのブレンであって、成分A)と成分B)とのエス
テル化反応を積極的に行ない、同反応率が3%以上であ
り、耐溶剤性および衝撃強度、特にノッチ付きIzod
衝撃強度に優れた透明なポリエステル/ポリカーボネー
ト組成物によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐溶剤性および機械
強度、特にノッチ付きIzod衝撃強度に優れた透明な
ポリエステル/ポリカーボネート組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、その優れた透明性
および耐衝撃性から、レンズやコンパクトディスク等の
光学用途や機械部品、各種容器等の材料として広く用い
られている。
【0003】しかしながら、溶融粘度が高く、流動性が
低いため成形性に難点があった。ポリカーボネートの流
動性を改善するには、その分子量を低く抑える方法があ
るが、この様な方法では耐衝撃性の低下を招くという問
題があった。
【0004】そこで、ポリカーボネートの優れた透明性
および耐衝撃性を有すると共に、成形性も良好な樹脂組
成物として、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタ
レート、ポリエチレンフタレートなどのポリエステルと
を混合したポリカーボネート組成物が提案されている
(例えば、特開昭48-54160号、特開昭49-107354号およ
び特開昭58-18391号公報参照)。
【0005】しかしながら、この様な従来の樹脂組成物
では、未だ充分な透明性を得るに至っていない。これ
は、ポリカーボネートとポリエステルとのエステル交換
反応が進行していないためと考えられる。
【0006】このエステル交換反応を進行させるため、
ポリカーボネートとポリエステルとのオリゴマー同士を
触媒の存在下重合反応させた樹脂組成物(特開平1-2362
35号公報参照)が提案されている。しかしながら、この
方法で得た樹脂は透明にはなるものの、反応率を制御
し、目的の物性を得るに至っていない。
【0007】また、ポリカーボネートの反応性を向上さ
せた、末端に水酸基を有するポリカーボネートとポリエ
ステルとの溶融混練法(特開平3-203956号公報参照)が
提案されているが、得られた樹脂組成物の透明がポリカ
ーボネートには劣っている。さらにガラス転移点付近の
温度で長時間使用すると樹脂が不透明になってしまう等
の欠点があった。
【0008】これは、ポリエステルとポリカーボネート
との反応が充分ではないため、ポリエステル部分が結晶
したためと考えられる。
【0009】本発明者らは、先に混練時エステル交換反
応触媒を添加することによって、押出機等での短時間の
溶融混練にもかかわらず、ガラス転移点が単一で、透過
型電子顕微鏡観察でも単一相のモホロジーを示す、完全
相容した透明なポリエステル/ポリカーボネート組成物
が得られることを示している(特願平7−345685
号)。
【0010】例えば、ポリブチレンテレフタレートとポ
リカーボネートとのブレンドに於いて得られた透明な組
成物はエステル交換率が約2%で、面衝撃強度は充分で
あったが、ノッチ付きIzod衝撃強度は10kg cm/cm
未満であった。
【0011】このため、流動性が改良され、かつ透明で
あるにも関わらず用途が限られる等の問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来技術の問題点を改良しようとするものであって、ポリ
ブチレンテレフタレートやポリエチレンフタレートとポ
リカーボネートの如く、実質的に相溶しない樹脂を溶融
混練で、械強度、特にノッチ付きIzod衝撃強度等物
性に優れた透明なポリエステル/ポリカーボネート組成
物を提供することを課題とする。
【0013】この課題を解決すべく鋭意検討した結果、
ポリカーボネートとポリエステルとのエステル交換反応
率が耐衝撃強度やガラス転移温度等種々の物性に関係し
ていることを見いだした。すなわち、エステル交換反応
率が高いほど耐衝撃強度は向上し、3%以上ではノッチ
付きIzod衝撃強度がブリトルからダクタイルに向上
した。
【0014】さらに、エステル交換率の上昇に伴って物
性が変化し、エステル交換反応率が50%未満では流動
性が優れ、50%以上ではエステル交換反応率が1%の
場合に比べポリエステル/ポリカーボネート組成比が同
一であるにも関わらずガラス転移温度が約10℃も高く
なった。一方、耐溶剤性はエステル交換反応率が高いほ
ど低下した。この様に、エステル交換反応率を制御する
ことで、使用目的に合わせた物性の最適化が可能とな
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明の課
題は、A)ポリカーボネートと、B)ポリエステルとを
溶融混練する際、エステル交換反応を積極的に進行さ
せ、同反応率を制御することで、使用目的に合った物性
を有する透明なポリエステル/ポリカーボネート組成物
によって解決される。
【0016】この様に、エステル交換率を変化させるこ
とで、使用目的に合わせた物性の組成物を得ることがで
き、工業的に非常に有用である。
【0017】本発明のエステル交換反応率が制御された
ポリカーボネートとポリエステルとの組成物はどのよう
な方法で製造しても良い。たとえば、単軸および2軸の
押出機、ニーダー、ロール、ミキサーおよび攪はん機能
を有する縦および横型層等、溶融混練機能を有する機器
であれば、いずれの機器を用いてもよい。
【0018】ポリカーボネートとポリエステルとのエス
テル交換反応率はIzod衝撃強度向上の為には5%以
上、好ましくは8%以上、より好ましくは10%、さら
に好ましくは15%以上が良い。
【0019】流動性改良のためにはエステル交換反応率
が50%以下、好ましくは1〜45%、より好ましくは
3〜40%、さらに好ましくは5〜35%が良い。特に
下限が3%以上であれば衝撃強度も併せて向上できる。
【0020】耐熱性を向上するにはエステル交換反応率
が50%以上、好ましくは55%以上、より好ましくは
60%以上、さらに好ましくは65%以上が良い。一
方、耐溶剤性(ESCR)はエステル交換反応率は低い
ほど良く、90%以下、好ましくは85%、より好まし
くは80%、さらに好ましくは70%以下がよい。
【0021】上記の如く、エステル交換反応率を選ぶこ
とで使用目的に適した物性の組成物を得ることが可能で
ある。例えば透明で衝撃強度、流動性、ESCRが全て
良好な範囲としてはエステル交換率が3%〜50%が適
当である。また、透明で高い耐衝撃強度、耐熱性が求め
られる用途ではエステル交換率が50%以上、好ましく
は60〜90%が適している。
【0022】エステル交換反応を促進させるために種々
の触媒を添加しても良い。さらに、安定化剤を添加して
も良い。
【0023】触媒としては、エステル交換触媒として公
知の触媒を使用することができる。例えば、ルイス酸系
触媒では、ジブチルスズオキシド、蓚酸スズ、酢酸ス
ズ、酸化スズ等のスズ化合物、テトラブトキシチタン、
テトラフェノキシチタン、酸化チタン、蓚酸チタン等の
チタン化合物、三酸化アンチモン、酒石酸酸化アンチモ
ン等のアンチモン化合物、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜
鉛、亜鉛アセチルアセトン等の亜鉛化合物、トリフェノ
キシボロン、ほう酸亜鉛等のホウ酸化合物、酸化ゲルマ
ニウム、ゲルマニウムエトキシド等のゲルマニウム化合
物、酢酸マンガン、酢酸コバルト等を挙げることができ
る。
【0024】また、塩基性触媒では、有機塩基性化合物
およびアルカリ、アルカリ土類金属等を挙げることがで
きる。塩基性化合物触媒の例を以下に示す。有機塩基化
合物として、含窒素塩基性化合物、たとえば、テトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキ
シド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシドなどの
アルキル、アリール基などを有するアンモニウムヒドロ
キシド類、およびPKa4より弱い酸との塩などを挙げる
ことができる。
【0025】また、上記以外の含窒素塩基性化合物とし
て、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリオクチ
ルアミン、トリフェニルアミン、ジベンジルメチルアミ
ンなどの一般式NR3(式中Rはメチル、エチル、フェ
ニル、ベンジル、トルイルなどの炭素数が1〜25まで
のアルキル、アリール基などである)であらわされる三
級アミン類、NHR2 およびNH2R(式中Rは上記と
同じである)で示される二級および一級アミン類、およ
びピリジン、メチルピリジン、メトキシピリジン、キノ
リン、イミダゾールやアンモニアなどを挙げることがで
きる。さらに、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド
などのテトラアルキルまたはテトラアリールホスホニウ
ムヒドロキシドを挙げることができる。
【0026】アルカリまたはアルカリ土類金属化合物と
して、たとえば、無機化合物としては、ナトリウム、カ
リウム、リチウム、セシウム等のアルカリ金属類および
カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類
金属類の水酸化物、ハイドライド、アミド、炭酸塩、燐
酸塩、ほう酸塩等を挙げることができる。
【0027】さらに、有機酸類との塩として、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、セシウム等のアルカリ金属類
およびカルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカ
リ土類金属類のカルボン酸塩、フェノール性水酸基との
塩、アルコール性水酸基との塩を挙げることができる。
また、アセチルアセトンやクラウンエーテル等との化合
物を挙げることができる。
【0028】エステル交換反応触媒の添加量は、成分
A)、B)の合計に対し、ルイス酸触媒の場合は、好ま
しくは、1ppm〜 10000ppm、さらに好ましくは、
10ppm〜1000ppmの範囲である。また、塩基性触媒
の場合は、0.01〜1000ppm、好ましくは、0.
05〜100ppm、さらに好ましくは0.1〜50ppmで
ある。
【0029】また、ルイス酸触媒と塩基性触媒を同時に
使用してもよく、その場合は各々単独で使用する場合に
比べ、各々の触媒使用量を少なくすることができる。
【0030】上記範囲より、触媒量が少ない場合は添加
効果が現れず、また多い場合は混練中や成型時に分子量
の低下をきたし、物性が低下する
【0031】安定化剤としては、プロトン酸およびその
エステルまたは塩を上げることができる。以下に具体例
を示すが、記載例に限定されるものではなく、また、
酸、エステル、塩は単独で使用しても、2種以上の化合
物を混合して用いても良い。
【0032】プロトン酸としては、種々の酸を挙げるこ
とが出来る。たとえば、2,4ジニトロフェノールや2,4,6
トリニトロフェノールなどの電子吸引基を置換基に持つ
フェノール類、蟻酸、メトキシ酢酸、酢酸、酪酸、クエ
ン酸、リンゴ酸などのカルボン酸類、トリフルオル酢
酸、トリクロロ酢酸、1,1ージフルオロプロピオン酸、
モノクロル酢酸、ジクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ニ
トロ酢酸やシアノ酢酸などのα位に電子吸引基を持つカ
ルボン酸類、m-ニトロ安息香酸、2,4ジニトロ安息香酸
や2,4,6トリニトロ安息香酸などの電子吸引基を置換基
に持つ芳香族カルボン酸類、蓚酸、2-カルボキシプロピ
オン酸、マロン酸、こはく酸、フマル酸やマレイン酸な
どのジカルボン酸類、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸や1,3ナフタレンジカルン酸などの芳香族ジカル
ボン酸類、ホウ酸、臭酸、硝酸、ヨー素酸、過塩素酸、
過ヨー素酸、臭素酸や硫酸などの無機酸類、ベンゼンス
ルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸、メチルスルホン酸やフルオロスルホン酸などのスル
ホン酸類、燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ピロ燐酸、メタ燐
酸やポリ燐酸などの燐酸類などを挙げることができる。
【0033】エステル誘導体としては、上記プロトン酸
のアルキルやアリールエステルを上げることができる。
特に、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸
エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、p-トルエンスルホ
ン酸ブチル、p-トルエンスルホン酸フェニル、p-トルエ
ンスルホン酸ベンジル、ナフタレンスルホン酸ブチルや
メチルスルホン酸ブチルなどのスルホン酸のエステル
類、燐酸モノ(2,4ジターシャリーブチルフェニル)、燐
酸ジ(2,4ジターシャリーブチルフェニル)、燐酸トリ
(ノリルフェニル)、亜燐酸モノフェニル、燐酸ジメチ
ル、燐酸トリ(2,4ジメチルフェニル)や亜燐酸ジエチル
などのモノ、ジおよびトリエステル燐酸類やジメチル硫
酸などを挙げることができる。
【0034】また、塩化合物としては、たとえば、炭酸
モノナトリウム、燐酸モノナトリウム、燐酸ジナトリウ
ム、燐酸モノカリウム、燐酸ジリチウム、燐酸マグネシ
ウム、燐酸亜鉛、モノ燐酸亜鉛、亜燐酸モノナトリウ
ム、亜燐酸ジナトリウム、亜燐酸モノカリウム、亜燐酸
ジリチウム、亜燐酸カルシウム、蓚酸モノナトリウム、
フタル酸モノカリウム、ほう酸ナトリウム、スルホン酸
アンモニウム、p-トルエンスルホン酸アンモニウムや硫
酸モノカリウムなどを挙げることができる。
【0035】2塩基酸以上の酸では部分エステル化化合
物でも部分金属塩であっても良く、これら酸性化合物
は、単独で使用しても混合して添加しても良い。
【0036】触媒の添加量が、0の場合は、安定化剤の
添加量は0で良いが、好ましくは0.002程度添加す
ることで、成分A)および成分B)中に残存する触媒を
失活でき、熱安定性が向上する。触媒を添加した場合、
安定化剤の添加量は、成分A)と成分B)との合計に対
し、0.00001〜3%、好ましくは0.0001〜
1%、さらに好ましくは0.001〜0.5%、特に好
ましくは0.01〜0.1%用いるのが良い。
【0037】安定化剤の添加量が3%より多いと造粒中
や成形中に樹脂成分に悪影響をおよぼし、機械強度が低
下し好ましくない。
【0038】ポリカーボネート(成分A))のエステル
基と反応し得る官能基としては、水酸基、カルボキシル
基、炭酸基、アミノ基、シアネート基、カルボン酸無水
基、エポキシ基等を上げることができ、これらのいずれ
かの基を1つ以上、好ましくは2個有することが好まし
い。2個以上の場合、各々基は同一でも異なっていても
良い。これら、反応性を有する基としては水酸基、特に
フェノール性水酸基がポリカーボネートの製造法も考慮
に入れた場合最も好ましい。
【0039】ポリカーボネート(成分A))としては、
2価フェノールとカーボネート先駆体とを反応させるこ
とによって製造させる芳香族ホモ・ポリカーボネート又
はコ・ポリカーボネートである。
【0040】また、本発明のポリカーボネートは分岐し
ていても良い。そのような分岐ポリカーボネートは、多
官能性芳香族化合物を二価フェノール及びカーボネート
先駆体と反応させることにより分岐した熱可塑性分岐ポ
リカーボネートとして得られる。
【0041】本発明のポリカーボネートを製造する方法
自体は公知であり二価フェノールと炭酸ジエステルの溶
融状態でのエステル交換反応によりポリカーボネートを
合成する方法、あるいは溶液中で二価フェノールとホス
ゲンとを反応させる方法(特に界面法)などが知られて
いる。
【0042】例えば、特開平2-175723、特開平2-12493
4、米国特許第4,001,184号、第4,238,569号、第4,238,5
97号、第4,474,999号に記載されている。
【0043】芳香族ジヒドロキシ化合物に特に制限はな
く、種々の公知のものを使用することができる。たとえ
ば、一般式(化1)
【0044】
【化1】
【0045】(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子(例
えば塩素、臭素、フッ素、沃素)または、炭素数1〜8
のアルキル基であり、このRが複数の場合、それらは同
一でも良いし、異なっていても良く、nおよびn’は0
〜4の数である。また、Xは単結合、炭素数1〜8のア
ルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5
〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロ
アルキリデン基または、-S-、-SO-、-SO2-、-C
O-、-O-結合もしくは一般式(化2)で表される結合
を示す。)
【0046】
【化2】
【0047】で表される構造のフェノール性水酸基を有
する化合物である。
【0048】このような2価フェノールとしては、例え
ば、ビス(4ヒドロキシフェニル)メタン、1,1ビス
(4ヒドロキシフェニル)エタン、1,2ビス(4ヒド
ロキシフェニル)エタン、ビス(4ヒドロキシフェニ
ル)フェニルメタン、ビス(4ヒドロキシフェニル)ジ
フェニルメタン、2,2ビス(4ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2ビス(4ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1ビス(4ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、ビス(3,5ジメチル-4ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1ビス(3,5ジメチル-4ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,2ビス(3,5ジメチル-4ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2ビス(3,5ジメチル-4ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2ビス(3,5ジメチル
-4ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(3,5ジメチル
-4ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(3,5
ジメチル-4ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(3,5ジクロロ-4ヒドロキシフェニル)メタン、
2,2ビス(3,5ジクロロ-4ヒドロキシフェニル)プ
ロパンン、ビス(3,5ジブロモ-4ヒドロキシフェニ
ル)メタン、2,2ビス(3,5ジブロモ-4ヒドロキシ
フェニル)プロパンなどのジヒドロキシアリールアルカ
ン類、ビス(4ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(3,5ジメチル-4ヒドロキシフェニル)スルホン、ビ
ス(3,5ジブロモ-4ヒドロキシフェニル)スルホンな
どのジヒドロキシアリールスルホン類、ビス(4ヒドロ
キシフェニル)エーテル、ビス(3,5ジメチル-4ヒド
ロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5ジブロモ-4ヒ
ドロキシフェニル)エーテルなどのジヒドロキシアリー
ルエーテル類、ビス(4ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(3,5ジメチル-4ヒドロキシフェニル)スル
フィド、ビス(3,5ジブロモ-4ヒドロキシフェニル)
スルフィドなどのジヒドロキシアリールスルフィド類、
4,4’ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキ
シアリールケトン類,ビス(4ヒドロキシフェニル)ス
ルホキシドなどのスルホキシド類等を挙げることができ
る。
【0049】これらの内で、特に、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンが好ましく用いられる。上
記以外にも、芳香族ジヒドロキシ化合物として、次の一
般式(化3)
【0050】
【化3】
【0051】(ここでRfは夫々独立して、炭化数1〜
10個の炭化水素基もしくはそのハロゲン化合物または
ハロゲン原子であり、mは0〜4の整数である。)で示
される化合物、例えばレゾルシン、および4−メチルレ
ゾルシン、4−エチルレゾルシン、4−プロピルレゾルシ
ン、4−ブチルレゾルシン、4−t−ブチルレゾルシン、
3−フェニルレゾルシン、4−クミルレゾルシン、2,4,
5,6−テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6−テトラ
ブロムレゾルシン等の置換レゾルシン;カテコール;ハ
イドロキノン、及び3−メチルハイドロキノン、3−エチ
ルハイドロキノン、3−プロピルハイドロキノン、3−ブ
チルハイドロキノン、3−t−ブチルハイドロキノン、3
−フェニルハイドロキノン、3−クミルハイドロキノ
ン、2,3,5,6−テトラメチルハイドロキノン、2,5−
ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,3,5,6−テトラフ
ルオロハイドロキノン、2,3,5,6−テトラブロムハイ
ドロキノンなどの置換ハイドロキノン等、及び、次式
(化4)
【0052】
【化4】
【0053】で表される2,2,2',2'−テトラヒドロ−3,
3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビス(1H−イ
ンデン)−7,7'ジオール等を用いることもできる。
【0054】これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単
独で用いてもよく、また、二種以上を組み合わせて用い
ても良い。
【0055】炭酸ジエステルにも特に制限はなく、例え
ば、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネー
ト、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジ
ルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフ
ェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチ
ルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキ
シルカーボネートなどが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。好ましくは、ジフェニルカーボネー
トを使用する。
【0056】これら炭酸エステルもまた、単独で用いて
もよく、また、二種以上を組み合わせて用いても良い。
【0057】ポリカーボネートを製造する際に、芳香族
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと共に、1分子中
に3個以上の官能基を有する多官能性化合物を使用する
事もできる。これら多官能性化合物としては、フェノー
ル性水酸基またはカルボキシル基を有する化合物が好ま
しく、特にフェノール性水酸基を3個含有する化合物が
好ましい。
【0058】このような化合物の好ましい具体例として
は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2',2"−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ジイソプロ
ピルベンゼン、α−メチル−α,α',α'−トリス(4−
ヒドロキシフェニル)−1,4−ジエチルベンゼン、α,
α',α"トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−ト
リイソプロピルベンゼン、フロログリシン、4,6−ジメ
チル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタ
ン−2、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼ
ン、2,2−ビス−(4,4−(4,4'−ジヒドロキシフェニ
ル)−シクロヘキシル)−プロパン、トリメット酸、1,
3,5−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸などが
挙げられる。
【0059】さらに好ましくは、1,1,1−トリス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、α,α',α"−トリス(4−
ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベン
ゼンなどを使用する。
【0060】多官能性化合物は、芳香族ジヒドロキシ化
合物1モルに対して、好ましくは0.03モル以下、よ
り好ましくは0.001〜0.02モル、特に、好まし
くは0.01〜0.02モルとすることができる。
【0061】ポリカーボネートの末端水酸基量の調整
は、例えば溶融重合の場合ポリカーボネートを製造する
際に、原料である二価フェノールと炭酸ジエステルのモ
ル比を変えることによって容易に実施することができ
る。
【0062】例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物として
ビスフェノールA、炭酸ジエステルとしてジフェニルカ
ーボネートを用いたときは、ポリカーボネートの末端基
はビスフェノールAに由来するフェノール性水酸基、及
びジフェニルカーボネートに由来するフェニル基であ
り、ビスフェノールAのモル比を大きくすると、生成さ
れるポリカーボネート中のフェノール性末端基(I)お
よび非フェノール性末端基(II)の当量比(I)/(I
I)が大となる。
【0063】上記モル比を変えた方法以外に、ポリカー
ボネート樹脂に水酸基を有する化合物を反応させる方法
もある。例えば、ポリカーボネート樹脂にビスフェノー
ルAを添加し押出機で混練する事で容易に末端に水酸基
を有するポリカーボネートを得ることができる。このよ
うな方法で添加する水酸基を有する化合物としては、水
やアルコール性またはフェノール性水酸基を有する化合
物であれば、化合物中の水酸基の位置がどこにあっても
良い。
【0064】水酸基を1個有する化合物としては、炭素
数1〜30の脂肪属、脂環属、芳香属およびそれらを組
み合わせ化合物で、例えば、エタノール、ブタノール、
オクタノール、ステアリルアルコール、シクロヘキサノ
ール、メチルシクロヘキサノール、オクチルシクロヘキ
サノール、フェノール、ナフトール、クレゾール、キシ
レノール、t−ブチルフェノール、ジオクチルフェノー
ルおよびステアリルフェノールなどを挙げることができ
る。
【0065】水酸基を2個以上有する化合物としては、
上記、成分A)、成分B)の構成成分として挙げたジオ
ールおよび3個以上水酸基を有する化合物の例示化合物
に加え、グリセロールやペンタエリスリトールなどを挙
げることができる。また、水酸基を2個以上有する化合
物では、水酸基の一部がエステルであってもよい。
【0066】さらに、2、3価フェノールとカルボニル
前駆体、たとえば、ホスゲンやジフェニルカーボネート
を用いたフェノール性水酸基を末端に有する分子量50
00以下のポリカーボネートオリゴマーや、ジカルボン
酸を用いたフェノール性水酸基を末端に有する分子量5
000以下のポリエステルオリゴマー、およびジオール
とジカルボン酸とを用いた、末端に水酸基を有する分子
量5000以下のポリエステルオリゴマーを挙げること
が出来る。
【0067】以上例に挙げた水酸基を有する化合物で
は、Pkaが11以下のジオール、たとえばビスフェノー
ルAや末端にフェノール性水酸基を有するポリカーボネ
ートオリゴマーなどが特に好ましい。
【0068】このような官能基を有する化合物の添加量
は樹脂100重量部に対し0.001〜30重量部、好
ましくは0.01〜20重量部、さらに好ましくは0.1
〜10重量部、特に好ましくは1〜5重量部配合されて
成り、0.001重量部より少ないと添加効果が現れ
ず、30重量部より多いと分子量低下が著しく機械強度
の低下や成形品からのブリードアウトを引き起こし好ま
しくない。
【0069】ポリエステル(成分B))としては、ジオ
ール(あるいはそのエステル形成性誘導体)とジカルボ
ン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)とのポリエ
ステルでジオール成分、ジカルボン酸成分共に、下記化
合物をおのおの単独で使用しても組み合わせて使用して
も良い。さらにラクトンの如く1分子中に水酸基とカル
ボン酸基を有するものを組み合わせても良い。
【0070】ジオール成分としては、エチレングリコー
ル、プロピレン1,2-グリコール、プロピレン1,3-グ
リコール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、
へキサン1,6ージ゛オール、オクタン1,8ージオール,ネオ
ペンチルグリコール、デカン1,10ージオール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、等の炭素数2
〜15の脂肪族ジオール等を挙げることが出来る。好適
な脂肪族ジオールはエチレングリコール、1,4-ブタンジ
オールである。
【0071】また、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-
シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノ
ールなどが挙げられる。これらの脂環式ジオールはシス
またはトランス立体配置のいずれか、または両者の混合
物として使用できる。好適な脂環族ジオールは1,4-シク
ロヘキサンジメタノールである。
【0072】さらに、レゾルシン、ハイドロキノン、ナ
フタレンジオールなどの芳香族二価フェノール類、分子
量400〜6000のポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコールやポリテトラメチレングリコールなどのポ
リグリコール類、ビスフェノールAなど特開平3-203956
号に記載されているビスフェノール類なども挙げること
が出来る。
【0073】ジカルボン酸成分としては、イソフタル
酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、2,2'-ビフェニル
ジカルボン酸、3,3'-ビフェニルジカルボン酸、4,4'-ビ
フェニルジカルボン酸、4、4'-ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレ
ンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸や1,2-ジ
(4-カルボキシフェニル)エタンなどの芳香族ジカルボ
ン酸類、アジピン酸、こはく酸、蓚酸、マロン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン
酸やシクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族および脂
環族ジカルボン酸類などを挙げることができる。好適な
ジカルボン酸はテレフタル酸やナフタレンジカルボン酸
である。
【0074】成分B)として、これらのジオールとジカ
ルボン酸をそれぞれ単独で使用しても良いし、2種以上
のジオールあるいはジカルボン酸を組み合わせて用いて
も良い。また、得られたポリエステルは単独で使用して
も、組み合わせて使用しても良い。
【0075】ポリエステル類で、好ましくは、芳香族ジ
カルボン酸とアルキレングリコールとのポリエステル
で、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リ1,4-シクロヘキシレンメチレンテレフタレート、ポリ
(1,4-シクロヘキシレンメチレンテレフタレート−コ-
イソフタレート)のコポリエステル、ポリ(1,4-ブチレ
ンテレフタレート-コ-イソフタレート)、ポリ(エチレ
ン-コ-1,4-シクロヘキシレンメチレンテレフタレート)
等を挙げることが出来る。なかでもポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートが特に好まし
い。
【0076】混練に際し、ポリエステル(成分B))と
ポリカーボネート(成分A))との組成比は、A/Bが
50/50〜97/3、好ましくは60/40〜90/
10、さらに好ましくは70/30〜85/15、特に
好ましくは75/25〜80/20が良い。
【0077】本発明の主旨を阻害しない範囲で種々の添
加物を添加しても良い。添加物として例えば、安定剤で
は、Irgafos168(商標:チバ・ガイギー社製),Chelex L
(商標:坂井化学工業(株)製),3P2S(商標:イハラケミ
カル工業(株)製),Mark 329K(商標:旭電化工業(株)
製),Mark P(商標:旭電化工業(株)製),Weston 618
(商標:三光化学(株)製)等の燐系、BHT(商品名:武田
薬品工業(株)製),Ionox100(商標:シェルケミカル社
製),Age Rite Superlite(商標:Vander bilt製),Santon
ox R(商標:モンサント社製),Antioxidant ZKF(商標:
バイエル社製),Irganox 1076(商標:チバ・ガイギー社
製),HYoechst VPOSPI(商標:ヘキスト社製),Irganox 10
10(商標:チバ・ガイギー社製)等のヒンダードフェノー
ル系、CyasorbUV-5411 (商標:A.C.C製),Cyasorb UV-53
1 (商標:A.C.C製),Tinuvin 326 (商標:チバ・ガイギ
ー社製),Tinuvin 320 (商標:チバ・ガイギー社製),Tin
uvin 120(商標:チバ・ガイギー社製),Uvinul D49(商
標:GAF製)等のトリアゾール系、その他エポキシ系、チ
オール系、金属塩系等の安定剤を挙げることが出来る。
【0078】難燃剤では、TPP,RDP(大八化学工業(株)
製)等燐酸エステル系やハロゲン系、例えばブロム化B
PA、ブロム化BPAポリカーボネート及び同オリゴマ
ー等および無機難燃剤や難燃助剤、例えば3酸化アンチ
モン、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等を挙げ
ることが出来る。その他顔料、染料などの着色剤、離型
剤、繊維状強化剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤等を添加
しても良い。
【0079】以下、本発明を実施例を挙げ説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。 1.原材料 製造例1 ビスフェノールA 0.440キロモルとジフェニルカーボネ
ート 0.460キロモルを250リットルの反応槽に仕込
み、窒素で槽内を置換した後、140℃に加熱し溶解さ
せた。反応槽の撹拌を開始した後、180℃に昇温し、
テトラメチルアンモニウム 0.11モル、水酸化ナトリウ
ム 0.00044モルを添加し、240℃に昇温すると共に圧
力を20mmHgに減圧し、フェノールを留去しながら2時間
反応させた。この時点で反応物の塩化メチレン中25℃
で測定した固有粘度(以下測定法は同一)は 0.14dl/g
であった。次に、この反応液を40kg/hrで295℃、2
mmHgの遠心式薄膜蒸発機に送液し反応させ、さらに29
0℃、0.2mmHg の2軸横型撹拌重合機(L/D=6、撹拌翼
回転径150mm、内容積40リットル)に送り、30分間反
応させポリマーを得た。得られたポリマーの固有粘度は
0.5dl/g、フェノール性末端基と非フェノール性末端基
との比は0.5/9.5であった。
【0080】製造例2 ジフェニルカーボネートの量を0.440キロモルに代えた
以外は、製造例1と同様な条件で重合した。得られたポ
リマーの固有粘度は0.50dl/g で、フェノール性末端基
と非フェノール性末端基との比は7/3であった。
【0081】 A-1: 製造例2のポリカーボネート 末端水酸基率70%、固有粘度が0.5dl/g A-2: 製造例1のポリカーボネート 末端水酸基率 5%、固有粘度が0.5dl/g B-1: 日本ジーイープラスチックス(株) VALOX 315(商標) B-2: 三井石油化学(株) 三井PET J120(商標) C-1: 和光順薬(株) ステアリン酸Na = 0.2ppm/polymer C-2: 和光順薬(株) Ti(OBu)4= 60ppm/polymer C-3 和光順薬(株) NaOH = 0.1ppm/polymer D-1: 堺化学(株) Chelex T(燐酸トリノリルフェニルエステル) = 500ppm/polymer D-2: 和光順薬(株) 亜燐酸 = 150ppm/polymer D-3: 和光順薬(株) 燐酸カルシウム = 500ppm/polymer E-1: 日本ジーイープラスチックス(株) ヒ゛スフェノール-A = 3000ppm/polymer
【0082】 2.実験 混練 :試料を池貝製30φmm2ロブ、2軸押出機で混練した。 混練条件 シリンダー温度 270℃,スクリュウ 100rpm 射出成形 :乾燥した試料を日精樹脂工業社製PS60型射出成形機を 用い試験板を作成した。 成形条件 シリンダー温度 270℃,金型温度 80℃
【0083】3.測定法 (1)反応率 :ポリカーボネートとポリエステル
との混練組成物を重水素化クロロホルム/トリフルオロ
酢酸=1/1の混合溶媒に溶解させ、(株)日立製作所
製FT−NMR R−1900で測定した(付図−1、
2、3)。テトラメチルシラン(0ppm)を基準に8〜
9ppmのテレフタル酸に由来するピークから下式により
エステル交換反応率を求めた。 エステル交換反応率(%)=8.39ppmの積分値+8.29と
8.24ppmの積分値/8.1〜8.5ppmの積分値x100
【0084】図1は実施例5の組成物で交換率は15%
であった。図2、3は実施例8の組成物で交換率は84
%であった。 交換反応率=77+57/77+57+24 図3の積分値から読
み取った。
【0085】(2)色相(YI):x,y,z値を日本
電色工業(株)のND−1001DPを用い、射出成形
板(板厚3mm)を透過法で測定し黄色度(YI)を求め
た。
【0086】(3)ヘイズ :日本電色工業(株)
のNDH−200を用い、射出成形板(板厚3mm)のヘ
イズを測定した。
【0087】(4)耐溶剤性(ESCR):射出成形試験片
(厚さ3.2mm)を1%歪み治具に固定して1%洗剤(デ
ータシェルH)水溶液中に85℃で1時間浸け、試料を
目視で観察評価した。 評価 ○ 変化なし、 △ クレーズが生じた、
× 割れた
【0088】(5)Izod衝撃強度:ASTM D256に基ず
き、厚さ3.2mmの試験片で行った。
【0089】 (6)スパイラル :射出成型機 東洋機械金属(株) PLASTAR Ti-80G2 シリンタ゛ー温度 ノス゛ル/C4/C3/C2/C1 280/280/280/280/280 ℃ 金型温度 80℃、 射出圧 1000kg/cm2
【0090】実施例1〜13、比較例1〜6 2Lガラス製反応器にポリカーボネート(成分A),A-
1,A-2)とポリエステル(成分B),B-1,B-2)および、
触媒(成分C)、水酸基を有する化合物(成分E)とを
表1の組成比で800g仕込み、280℃で30分予熱
(樹脂溶融のため)後、圧力を100torrとし撹拌を開
始し反応開始とした。所定時間反応させた後、安定化剤
(成分D)を添加、5分間撹拌し反応終了とした。次い
で反応器底部より樹脂をストランドとして抜き出しペレ
ットとした。得られた樹脂組成物を射出成形し物性を測
定した。配合比および物性を表1および2に示す。
【0091】また、表3に流動性を示す。
【0092】比較例1、2 市販のポリカーボネート(日本ジーイープラスチックス
(株), レキサン141-111;商標)およびポリエチレ
ンテレフタレート(三井石油化学(株) 三井PET
J120;商標)をそのまま用いた。
【0093】比較例3〜6 表1に記載の配合比で反応時間を3分間と短くした以外
は、実施例と同様に行った。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】 * ESCR(耐溶剤性):歪み1%、1%洗剤水溶液、85℃、1時間 ○ 変化なし、 △ クレーズ、 × 割れ
【0096】
【表3】
【0097】
【本発明の効果】本発明によれば、ポリエステルとポリ
カーボネートを溶融混練し、NMRで測定したエステル
交換反応率を制御することで、ノッチ付きアイゾット衝
撃強度の向上や流動性、耐熱性および耐溶剤性等の物性
バランスがとれた透明な樹脂組成物を得ることができ、
幅広い用途への適用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例5の組成物のNMRチャートであ
る。
【図2】図2は実施例8の組成物のNMRチャートであ
る。
【図3】図3は図2の拡大チャートである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A)ポリカーボネートと、B)ポリエス
    テルとのブレンドであって、NMR(核磁気共鳴)で測
    定した成分A)と成分B)とのエステル交換反応率が3
    %以上であることを特徴とする耐衝撃強度および耐溶剤
    性に優れた透明なポリエステル/ポリカーボネート組成
    物。
  2. 【請求項2】 A)ポリカーボネートと、B)ポリエス
    テルとのブレンドであって、NMRで測定した成分A)
    と成分B)とのエステル交換反応率が50%未満である
    ことを特徴とする成型時の流れ特性が特に優れた透明な
    ポリエステル/ポリカーボネート組成物。
  3. 【請求項3】 A)ポリカーボネートと、B)ポリエス
    テルのブレンドであって、NMRで測定した成分A)と
    成分B)とのエステル交換反応率が50%以上であるこ
    とを特徴とする耐衝撃強度に優れ、かつガラス転移温度
    が高い透明なポリエステル/ポリカーボネート組成物。
  4. 【請求項4】 A)ポリカーボネートと、B)ポリエス
    テルのブレンドであって、NMRで測定した成分A)と
    成分B)とのエステル交換反応率が90%以下であるこ
    とを特徴とする耐溶剤性に優れた透明なポリエステル/
    ポリカーボネート組成物。
  5. 【請求項5】 成分A)が末端にエステル基と反応しう
    る官能基を5%以上有するポリカーボネートを用いた請
    求項1ないし4のいずれかに記載の耐衝撃強度および耐
    溶剤性に優れた透明なポリエステル/ポリカーボネート
    組成物。
  6. 【請求項6】 成分A)のポリカーボネート末端官能基
    がフェノール性水酸基である請求項5に記載の耐衝撃強
    度および耐溶剤性に優れた透明なポリエステル/ポリカ
    ーボネート組成物。
  7. 【請求項7】 成分B)がポリアルキレンテレフタレー
    トで、そのアルキレン基がエチリデン、ブチリデン、シ
    クロヘキシリデンおよび1,4シクロヘキシレンメチレ
    ン基の群から選ばれるポリエステルで単独または2種以
    上の組み合わせから成る請求項1ないし4のいずれかに
    記載の耐衝撃強度および耐溶剤性に優れた透明なポリエ
    ステル/ポリカーボネート組成物。
  8. 【請求項8】 成分B)のポリアルキレンテレフタレー
    トがポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブ
    チレンテレフタレートである請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の耐衝撃強度および耐溶剤性に優れた透明なポ
    リエステル/ポリカーボネート組成物。
  9. 【請求項9】 成分A)ポリカーボネートと、成分B)
    ポリエステルとの組成比(A/B)が50/50〜97
    /3である、請求項1ないし4のいずれかに記載の耐衝
    撃強度および耐溶剤性に優れた透明なポリエステル/ポ
    リカーボネート組成物。
  10. 【請求項10】 A)ポリカーボネートと、B)ポリエ
    ステルのブレンドであって、NMRで測定した成分A)
    と成分B)とのエステル交換反応率が5%〜50%であ
    ることを特徴とする耐衝撃強度に優れ、かつ表面が平滑
    で金型転写性の良い透明なポリエステル/ポリカーボネ
    ート組成物。
  11. 【請求項11】 A)ポリカーボネートと、B)ポリエ
    ステルのブレンドで、NMRで測定した成分A)と成分
    B)とのエステル交換反応率が5%〜85%であること
    を特徴とする耐衝撃強度および耐溶剤性が共に優れた透
    明なポリエステル/ポリカーボネート組成物。
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